JP3797589B2 - エアークリーナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のエンジンの吸気口に設けられるエアークリーナで、特に振動を防止して騒音の発生を少なくしたエアークリーナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3に示すように、自動車のエンジン1の吸気口1aには、エアークリーナ2が設けられ、空気中の塵をエンジンへ吸い込まないようにしている。このエアークリーナ2のクリーナ室3の流入口3aは第一のエアーパイプ4aを介してエアー取入口5に接続され、クリーナ室3の流出口3bは第二のエアーパイプ4bを介してエンジン1の吸気口1aに接続されている。
【0003】
図4に示すように、エアークリーナ2のクリーナ室3は円筒状で、クリーナ室3の側面に形成された流入口3aに第一のエアーパイプ4aが接続され、クリーナ室3の一端面に形成された流出口3bに第二のエアーパイプ4bが接続され、クリーナ室3の他端面はカバー3cで塞がれている。クリーナ室3内に設けられているクリーナエレメント6は円筒状で、一端がエンドプレート6aで閉塞され、両端にリング状のパッキン6b、6cが設けられている。そして、クリーナ室3の流出口3bにクリーナエレメント6が挿入され、クリーナ室3をカバー3cで塞いだときにパッキン6b、6cで気密に固定されるようになっている。
【0004】
このように構成されたエアークリーナ2のクリーナ室3内を流れるエアーは、エンジン1の駆動状態に応じて変化し、クリーナエレメント6のエンドプレート6aを振動させて騒音が発生する。特に、排気ブレーキを装着した自動車がブレーキを作動させたときには、エンジン1からエアーが逆流し、エンドプレート6aが強く振動して高レベルの騒音が発生する。
【0005】
この騒音を防止するために、クリーナ室3の外面にビードを設けたもの(実開平5ー96458号)、クリーナ室3に共鳴管を設けたもの(実開平6−22559号)等が提案されている。これらは有効であるが、コストアップとなる不都合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した様な従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、騒音防止効果が高く、殆どコストアップとならず、しかも重量増加をもたらさないエアークリーナを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のエアクリーナは、クリーナ室(3)はその一端面に流出口(3b)が形成され、他端面はカバー(3c)で塞さがれ、かつ側面には流入口(3a)が形成されており、そのクリーナ室(3)内には端面をエンドプレート(6a)で塞いだクリーナエレメント(6)が両端面にパッキン(6b、6c)を介装し前記カバー(3c)により気密に固定されているエアクリーナ(2)において、前記エレメント(6)のカバー(3c)側のエンドプレート(6a)とそのカバー(3c)との間には振動抑制材(7)が介装されており、その振動抑制材(7)はクリーナエレメント(6)のエンドプレート(6a)に形成された凹部(6d)に配置され、前記カバー(3c)によってエンドプレート(6a)が押圧されてその振動を抑制する態様で介装されている。
【0008】
かかる構成を具備する本発明によれば、前記振動抑制材は、クリーナ室のカバーと、クリーナ室内に設けられたクリーナエレメントの前記カバー側のエンドプレートとの間の領域であって、エンドプレートの剛性が低く且つ振動し易い部分をカバーする領域に、介装されており、且つ、エンドプレートを押圧してその振動を抑制する態様で介装されているので、エンドプレートの振動を押さえて騒音を防止することができる。また、振動抑制材を介装しただけであるので、エアークリーナのコストアップは殆どない。
【0009】
そして、前記振動抑制材はクリーナ室(3)のカバー(3c)とクリーナエレメント(6)のエンドプレート(6a)とのいずれか一方に貼着されている。
【0010】
前記振動抑制材をクリーナ室のカバーまたはクリーナエレメントのエンドプレートに貼着することで作業性が向上し、特に、クリーナ室のカバーに振動抑制材を貼着することが、コスト抑制の観点から好ましい。すなわち、クリーナエレメントに振動抑制材を貼着した場合には、当該クリーナエレメントの単価が上昇し、交換等に際してユーザーに余分な出費を強いることになる恐れがある。
【0011】
さらに、前記振動抑制材をクリーナエレメントのエンドプレート側のパッキンと一体に形成することにより、組み立てが容易となり、製造のコストを低く押さえることができるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、従来と同じ部分には同一符号を付している。図1に示す様に、本発明のエアークリーナ2も従来のものと同様に、エアークリーナ2のクリーナ室3は円筒状で、クリーナ室3の側面に形成された流入口3aに第一のエアーパイプ4aが接続され、クリーナ室3の一端面に形成された流出口3bに第二のエアーパイプ4bが接続され、クリーナ室3の他端面はカバー3cで塞がれている。クリーナ室3内に設けられているクリーナエレメント6は円筒状で、一端がエンドプレート6aで閉塞され、両端にリング状のパッキン6b、6cが設けられている。そして、クリーナ室3の流出口3bにクリーナエレメント6が挿入され、クリーナ室3にカバー3cをしたときにパッキン6b、6cで気密に固定されるようになっている。
【0013】
そして、本発明では、カバー3c側のエンドプレート6aとカバー3cの間の領域であって、エンドプレート6aの剛性が低く且つ振動し易い部分をカバーする領域、すなわちにエンドプレート6aの凹部6dに振動抑制材7が介装されている。この振動抑制材7は、振動抑制効果が高く、比較的安価な発泡ウレタンラバーが用いられている。
【0014】
このように、エンドプレート6aの剛性が低く且つ振動し易い部分に振動抑制材7を設けたので、クリーナ室3内を流れるエアーによってクリーナエレメント6のエンドプレート6aが振動することが殆どなくなり、騒音が発生することがなくなる。また、排気ブレーキを装着した自動車がブレーキを作動させてエンジン1からエアーが逆流しても、振動抑制材7がエンドプレート6aの振動を抑制し、騒音の発生を低く押さえることができるようになる。
【0015】
そして、前記振動抑制材7をクリーナエレメント6のエンドプレート6aに形成された凹部6dに配置し、前記カバー3cでエンドプレート6a側に押圧するようにすることにより、既存のエアークリーナ2にも容易に実施できようになる。
【0016】
上述した実施例では、振動抑制材7をエンドプレート6aに形成された凹部6dに配置し、カバー3cで押さえるようにしているが、振動抑制材7をカバー3cに貼着するか、或いは、エンドプレート6aに貼着してもよい。その様に構成した場合には、カバー3c或いはエンドプレート6aに貼着することにより、振動抑制材7はカバー3c或いはエンドプレート6aと一体になり、作業性が向上する。
【0017】
また、図2に示すように、前記振動抑制材7をクリーナエレメント6のエンドプレート6a側のパッキン6bと一体に形成してもよい。振動抑制材7をパッキン6bと一体に形成することにより、組み立てが容易となり、製造コストを低く押さえることができるようになる。
【0018】
【発明の効果】
以上のように本発明のエアークリーナは、クリーナ室内に設けられたクリーナエレメントのエンドプレートとクリーナ室のカバーとの間のエンドプレートの剛性が低く且つ振動し易い領域に、振動抑制材を介装したので、エンドプレートの振動を押さえて騒音を防止することができる。また、振動抑制材を介装しただけであるので、エアークリーナのコストアップ或いは重量増加という不都合は、殆ど生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアークリーナの部分断面図である。
【図2】クリーナエレメントのパッキンと一体成型した振動抑制材の断面図である。
【図3】エアークリーナを装着した自動車の概念図である。
【図4】従来のエアークリーナの断面図である。
Claims (2)
- クリーナ室(3)はその一端面に流出口(3b)が形成され、他端面はカバー(3c)で塞さがれ、かつ側面には流入口(3a)が形成されており、そのクリーナ室(3)内には端面をエンドプレート(6a)で塞いだクリーナエレメント(6)が両端面にパッキン(6b、6c)を介装し前記カバー(3c)により気密に固定されているエアクリーナ(2)において、前記エレメント(6)のカバー(3c)側のエンドプレート(6a)とそのカバー(3c)との間には振動抑制材(7)が介装されており、その振動抑制材(7)はクリーナエレメント(6)のエンドプレート(6a)に形成された凹部(6d)に配置され前記カバー(3c)によってエンドプレート(6a)が押圧されてその振動を抑制する態様で介装されていることを特徴とするエアクリーナ。
- 前記振動抑制材(7)はクリーナ室(3)のカバー(3c)とクリーナエレメント(6)のエンドプレート(6a)とのいずれか一方に貼着されている請求項1に記載のエアクリーナ。
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