JP3797422B2 - ビジュアル式変位センサ - Google Patents
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Description
【技術分野】
この発明は、計測光としてラインビームを使用しかつ撮像素子として二次元撮像素子を使用した新規なビジュアル式変位センサに係り、特に、測定点座標抽出の対象となる撮像素子の視野を任意に限定可能としたビジュアル式変位センサに関する。
【0002】
【背景技術】
本発明者等は、先に、計測光としてラインビームを使用しかつ計測用撮像素子として二次元撮像素子を使用した新規なビジュアル式変位センサを提案した。
【0003】
斯かるビジュアル式ラインセンサによれば、計測光としてラインビームを使用していることから、計測対象部位の変位を点状ではなく線状に計測することができること、等の優れた特長を有する。
【0004】
この種のビジュアル式変位センサの基本構成は、計測対象物体に対して所定角度でラインビームを照射するための発光素子(例えばレーザダイオード)と、ラインビームが照射された計測対象物体を別の角度から撮影するための二次元撮像素子(例えば二次元CCD)と、二次元撮像素子で撮影された画像中のラインビーム照射光像に基づいて、測定点座標の決定を行う測定点座標決定手段と、決定された測定点座標に基づいて、目的とする変位の計測を行う変位計測手段と、を含むものである。
【0005】
計測環境が理想的なものであれば、二次元撮像素子の視野内に現れるラインビームの照射光像の個数は、本来、予定された個数となる筈である。すなわち、計測対象物が不透明体でその表面に段差等が存在しなければ、二次元撮像素子の視野内に現れるラインビームの照射光像の個数は1個となる筈である。計測対象物がガラス板等の透明板であったり、或いは、計測対象物が不透明体であってもその表面に段差等が存在する場合には、二次元撮像素子の視野内に現れるラインビームの照射光像の個数は、透明板の積層枚数や段差の段数等で定まる予定された複数個となる筈である。
【0006】
一方、決定された測定点座標に基づいて、目的とする変位の計測を行う変位計測アルゴリズムは、当該センサが予定された計測環境下に置かれた場合に限って正常に作動して、目的とする変位を計測する。すなわち、二次元撮像素子の視野内に現れるラインビームの照射光像の個数が予定された個数でないと、目的とする計測変位の測定に支障を来たす場合が想定される。
【0007】
同様に、二次元撮像素子で撮影された画像中のラインビーム照射光像に基づいて、測定点座標の決定を行う測定点座標決定アルゴリズムについても、当該センサが予定された計測環境下に置かれた場合に限って正常に作動して、測定点座標の決定を行う。すなわち、二次元撮像素子の視野内に現れるラインビームの照射光像の濃度が規定範囲に収まっていないと、測定点座標の決定を行えない場合が想定される。
【0008】
そのため、この種のビジュアル式変位センサにあっては、計測環境が適切でないことにより、二次元撮像素子の視野内に外乱光に起因するラインビーム照射光像類似の光像が現れ、測定点座標の個数が予定された個数を超えてしまうと、当該センサに組み込まれた変位計測アルゴリズムによっては、目的とする変位を正常に計測することができない場合が想定される。
【0009】
また、この種のビジュアル式変位センサにあっては、例えばブラウン管のガラス板や液晶パネルのガラス板等のように、計測対象となる透明板の裏面に反射率の高い金属被膜が被着されていると、濃度自動調整機能が正常に作用したとしても、二次元撮像素子の視野内に変位測定方向へ間隔を開けて現れるラインビーム照射光像の濃度を、全ての光像について規定範囲内に収めることができなくなり、これにより濃度が既定値を外れたラインビーム照射光像部分については、当該センサに組み込まれた測定点座標決定アルゴリズムによっては、測定点座標を決定することができず、結果として、目的とする変位を正常に計測することができない場合が想定される。
【0010】
さらに、この種のビジュアル式変位センサにあっては、計測対象となる段差に跨るようにしてラインビームを照射しつつ段差計測を行うような場合において、当該段差を構成する上段面と下段面とに大きな反射率差が存在すると、濃度自動調整機能が作用したとしても、二次元撮像素子の視野内に変位測定方向と直交する方向へ間隔を開けて現れるラインビーム照射光像の濃度を、全ての光像について規定範囲内に収めることができなくなり、これにより濃度が既定値を外れたラインビーム照射光像部分については、当該センサに組み込まれた測定点座標決定アルゴリズムによっては、測定点座標を決定することができず、結果として、目的とする変位を正常に計測することができない場合が想定される。
【0011】
この発明は、計測光としてラインビームを使用しかつ計測用撮像素子として2次元撮像素子を使用したビジュアル式変位センサにおける以上の問題点に着目してなされてものであり、その目的とするところは、計測環境が適切でないことにより、二次元撮像素子の視野内に外乱光に起因するラインビーム照射光像類似の光像が現れ、測定点座標の個数が予定された個数を超えてしまった場合にも、オペレータが簡単な支援操作を行うだけで、当該センサに組み込まれた変位計測アルゴリズムによって、目的とする変位を正常に計測可能な状態に復帰できるようにしたビジュアル式変位センサを提供することにある。
【0012】
この発明の他の目的は、例えばブラウン管のガラス板や液晶パネルのガラス板等のように、計測対象となる透明板の裏面に反射率の高い金属被膜が被着されていることに起因して、濃度自動調整機能が作用したとしても、二次元撮像素子の視野内に変位測定方向へ間隔を開けて現れるラインビーム照射光像の濃度を、全ての光像について規定範囲内に収めることができなくなった場合にも、オペレータが簡単な支援操作を行うだけで、濃度が既定値を外れたラインビーム照射光像部分についても、当該センサに組み込まれた測定点座標決定アルゴリズムによって、測定点座標を決定することができ、結果として、目的とする変位を正常に計測可能な状態に復帰できるようにしたビジュアル式変位センサを提供することにある。
【0013】
この発明の他の目的とするところは、計測対象となる段差に交差するようにしてラインビームを照射しつつ段差計測を行うような場合において、当該段差を構成する上段面と下段面とに大きな反射率差が存在することに起因して、濃度自動調整機能が作用したとしても、二次元撮像素子の視野内に変位測定方向と直交する方向へ間隔を開けて現れるラインビーム照射光像の濃度を、全ての光像について規定範囲内に収めることができなくなくなった場合にも、オペレータが簡単な支援操作を行うだけで、濃度が既定値を外れたラインビーム照射光像部分についても、当該センサに組み込まれた測定点座標決定アルゴリズムによって、測定点座標を決定することができ、結果として、目的とする変位を正常に計測可能な状態に復帰できるようにしたビジュアル式変位センサを提供することにある。
【0014】
この発明の他の目的とするところは、厚み計測中のガラス板の位置が厚さ方向へ変動したり、あるいはラインビームを照射しつつ段差計測中の物体の位置がライン方向へと変動したような場合にも、厚み計測や段差計測を安定的に継続することが可能なビジュアル式変位センサを提供することにある。
【0015】
この発明の他の目的とするところは、外乱光の存在、透明板の反射率表裏差、段差の段間反射率差に起因する計測不能の事態が発生した場合には、そられの原因をオペレータに対して的確に知らせることができる案内表示を付加したビジュアル式変位センサを提供することにある。
【0016】
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、以下の明細書の記載を参照することにより、当業者で有れば容易に理解されるであろう。
【0017】
【発明の開示】
一面から見た、この発明のビジュアル式変位センサは、計測対象物体に対して所定角度でラインビームを照射するための発光素子と、ラインビームが照射された計測対象物体を別の角度から撮影するための二次元撮像素子と、二次元撮像素子の視野内に1若しくは2以上の計測対象領域を設定することが可能な計測対象領域設定手段と、二次元撮像素子で撮影された画像に基づいて、設定された計測対象領域に含まれる1若しくは2以上の測定点座標の決定を行う測定点座標決定手段と、決定された1若しくは2以上の測定点座標に基づいて、目的とする変位の計測を行う変位計測手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0018】
このような構成によれば、計測環境が適切でないこと等により、二次元撮像素子の視野内に外乱光に起因するラインビーム照射光像類似の光像が現れ、測定点座標の個数が予定された個数を超えてしまった場合にも、オペレータが外乱光に基づく光像が除外されるようにして計測対象領域を設定するだけで、当該センサに組み込まれた変位計測アルゴリズムによって、目的とする変位を正常に計測可能な状態に復帰させることができる。
【0019】
ここで、計測対象領域設定手段により設定される1若しくは2以上の計測対象領域は、二次元撮像素子の視野内における変位測定方向に設定可能としてもよく、また二次元撮像素子の視野内における変位測定方向と直交する方向に設定可能としてもよく、さらに二次元撮像素子の視野内における変位測定方向及びこれと直交する方向との双方に沿って設定可能としてもよい。
【0020】
また、本発明の好ましい実施の形態では、測定点座標決定手段が、二次元撮像素子で撮影された画像全体から、設定された1若しくは2以上の計測対象領域以外の領域の画像をマスクして抽出された画像に基づいて、1若しくは2以上の測定点座標を決定する、ようにしてもよい。
【0021】
また、本発明の好ましい実施の形態では、測定点座標決定手段が、二次元撮像素子で撮影された画像全体に基づいて、1若しくは2以上の測定点座標を仮決定し、この仮決定された1若しくは2以上の測定点座標を、設定された1若しくは2以上の計測対象領域の該当するものとそれぞれ照合することにより、1若しくは2以上の測定点座標を本決定する、ようにしてもよい。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態では、二次元撮像素子で撮影された生画像の状態に対応する情報を画像モニタの画面上に表示させるためのモニタ用画像編集手段を有する、ようにしてもよい。このとき、生画像の状態に対応する情報が、生画像そのもの、及び/又は、生画像に対応するラインブライト波形である、ようにしてもよい。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態では、二次元撮像素子で撮影された生画像から設定された計測対象領域以外の領域をマスクして抽出したマスク済み画像の状態に対応する情報を画像モニタの画面上に表示させるためのモニタ画像編集手段を有する、ようにしてもよい。このとき、マスク済み画像の状態に対応する情報が、マスク済み画像そのもの、及び/又は、マスク済み画像に対応するラインブライト波形である、ようにしてもよい。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態では、二次元撮像素子の視野内に設定された計測対象領域に対応する情報を画像モニタの画面上に表示させるためのモニタ用画像編集手段を有する、ようにしてもよい。このとき、計測対象領域に対応する情報が、生画像若しくはマスク済み画像上における計測対象領域の境界位置、及び/又は、境界を示す数値である、ようにしてもよい。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態では、二次元撮像素子の視野内において決定された測定点座標に対応する情報を画像モニタの画面上に表示させるためのモニタ画像編集手段を有する、ようにしてもよい。このとき、測定点座標に対応する情報が、生画像若しくはマスク済み画像上における測定点座標の位置、及び/又は、測定点座標を示す数値である、ようにしてもよい。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態では、二次元撮像素子の視野内における計測対象領域の設定、設定変更、設定解除等を、画像モニタの画面上における操作で実現可能とするためのグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)を有する、ようにしてもよい。
【0027】
他の一面から見た本発明のビジュアル式変位センサは、計測対象物体に対して所定角度でラインビームを照射するための発光素子と、ラインビームが照射された計測対象物体を別の角度から撮影するための二次元撮像素子と、二次元撮像素子の視野内に2以上の計測対象領域を変位測定方向にその位置及び長さを指定して設定することが可能な計測対象領域設定手段と、各計測対象領域に1以上のラインビーム光像が含まれるとき計測対象領域毎に少なくとも一つのラインビーム光像濃度を計測適切値に調整した上で、二次元撮像素子で撮影された画像に基づいて、設定された計測対象領域に含まれる1若しくは2以上の測定点座標の決定を行う濃度調整機能付き測定点座標決定手段と、決定された1若しくは2以上の測定点座標に基づいて、目的とする変位の計測を行う変位計測手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0028】
このような構成によれば、例えばブラウン管のガラス板や液晶パネルのガラス板等のように、計測対象となる透明板の裏面に反射率の高い金属被膜が被着されていることに起因して、濃度自動調整機能が作用したとしても、二次元撮像素子の視野内に変位測定方向へ間隔を開けて現れるラインビーム照射光像の濃度を全ての光像について規定範囲内に収めることができなくなった場合にも、オペレータが個々のラインビーム照射光像に独立した計測対象領域を設定するだけで、濃度が既定値を外れたラインビーム照射光像部分についても、当該センサに組み込まれた測定点座標決定アルゴリズムによって、測定点座標を決定することができ、結果として、目的とする変位を正常に計測可能な状態に復帰させることができる。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態においては、計測対象物体の基準面についての計測変位の変動に追従させて、少なくとも一つの計測対象領域を変位測定方向に移動させる領域自動追従手段を有する、ようにしてもよい。
【0030】
他の一面から見た本発明のビジュアル式変位センサは、計測対象物体に対して所定角度でラインビームを照射するための発光素子と、ラインビームが照射された計測対象物体を別の角度から撮影するための二次元撮像素子と、二次元撮像素子の視野内に2以上の計測対象領域を変位測定方向と直交する方向にその位置及び長さを指定して設定することが可能な計測対象領域設定手段と、各計測対象領域に1以上のラインビーム光像が含まれるとき各計測対象領域毎に少なくとも一つのラインビーム光像濃度を計測適切値に調整した上で、二次元撮像素子で撮影された画像に基づいて、設定された計測対象領域に含まれる1若しくは2以上の測定点座標の決定を行う濃度調整機能付き測定点座標決定手段と、決定された1若しくは2以上の測定点座標に基づいて、目的とする変位の計測を行う変位計測手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0031】
このような構成によれば、計測対象となる段差に跨るようにしてラインビームを照射しつつ段差計測を行うような場合において、当該段差を構成する上段面と下段面とに大きな反射率差が存在することに起因して、濃度自動調整機能が作用したとしても、二次元撮像素子の視野内に変位測定方向と直交する方向へ間隔を開けて現れるラインビーム照射光像の濃度を全ての光像について規定範囲内に収めることができなくなくなった場合にも、オペレータが下段表面と上段表面とに別々の計測可能領域を設定するだけで、濃度が既定値を外れたラインビーム照射光像部分についても、当該センサに組み込まれた測定点座標決定アルゴリズムによって、測定点座標を決定することができ、結果として、目的とする変位を正常に計測可能な状態に復帰させることができる。
【0032】
他の一面から見た本発明のビジュアル式変位センサは、計測対象物体に対して所定角度でラインビームを照射するための発光素子と、ラインビームが照射された計測対象物体を別の角度から撮影するための二次元撮像素子と、二次元撮像素子の視野内に2以上の計測対象領域を、変位測定方向並びにこれと直交する方向に、二次元的拡がりを以て、設定することが可能な計測対象領域設定手段と、設定された計測対象領域を考慮しかつ個々のラインビーム光像濃度を計測適切値に調整した上で、二次元撮像素子で撮影された画像に基づいて、1若しくは2以上の測定点座標の決定を行う領域判定並びに濃度調整機能付き測定点座標決定手段と、決定された1若しくは2以上の測定点座標に基づいて、目的とする変位の計測を行う変位計測手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0033】
このような構成によれば、例えばブラウン管のガラス板や液晶パネルのガラス板等のように、計測対象となる透明板の裏面に反射率の高い金属被膜が被着されていることに起因して、濃度自動調整機能が作用したとしても、二次元撮像素子の視野内に変位測定方向へ間隔を開けて現れるラインビーム照射光像の濃度を全ての光像について規定範囲内に収めることができなくなった場合にも、オペレータが個々のラインビーム照射光像に独立した計測対象領域を設定するだけで、濃度が既定値を外れたラインビーム照射光像部分についても、当該センサに組み込まれた測定点座標決定アルゴリズムによって、測定点座標を決定することができ、結果として、目的とする変位を正常に計測可能な状態に復帰させることができる。加えて、このような構成によれば、計測対象となる段差に跨るようにしてラインビームを照射しつつ段差計測を行うような場合において、当該段差を構成する上段面と下段面とに大きな反射率差が存在することに起因して、濃度自動調整機能が作用したとしても、二次元撮像素子の視野内に変位測定方向と直交する方向へ間隔を開けて現れるラインビーム照射光像の濃度を全ての光像について規定範囲内に収めることができなくなくなった場合にも、オペレータが下段表面と上段表面とに別々の計測可能領域を設定するだけで、濃度が既定値を外れたラインビーム照射光像部分についても、当該センサに組み込まれた測定点座標決定アルゴリズムによって、測定点座標を決定することができ、結果として、目的とする変位を正常に計測可能な状態に復帰させることができる。
【0034】
他の一面から見た本発明のビジュアル式変位センサは、計測対象物体に対して所定角度でラインビームを照射するための発光素子と、ラインビームが照射された計測対象物体を別の角度から撮影するための二次元撮像素子と、二次元撮像素子の視野内に1若しくは2以上の計測対象領域を設定することが可能な計測対象領域設定手段と、二次元撮像素子で撮影された画像に基づいて、設定された計測対象領域に含まれる1若しくは2以上の測定点座標の決定を行う測定点座標決定手段と、決定された1若しくは2以上の測定点座標に基づいて、目的とする変位の計測を行う変位計測手段と、設定された1若しくは2以上の計測対象領域の少なくとも一つを、二次元撮像素子で撮影された画像から判定される情報に基づいて移動させる設定領域移動手段と、を具備することを特徴とする。
【0035】
本発明の好ましい実施の形態においては、設定領域移動手段が、二次元撮像素子で撮影された画像に基づいて、計測対象物体上の基準面が移動したと判定されたとき、基準面と対をなす面に対応する計測対象領域を、基準面の移動に追従させて変位測定方向へと移動させる、ようにしてもよい。
【0036】
本発明の好ましい実施の形態においては、基準面が移動したか否かの判定は、基準面に対応して予め設定された計測対象領域を使用して計測された変位が変動したことに基づいて行われる、ようにしてもよい。
【0037】
本発明の好ましい実施の形態においては、設定領域移動手段が、二次元撮像素子で撮影された画像に基づいて、計測対象物体上の段差境界線が移動したと判定されたとき、段差境界線を挟んでその両脇に段差測定のために設定された一対の計測対象領域を、段差境界線の移動に追従させて、変位測定方向と直交する方向へと移動させる、ようにしてもよい。
【0038】
このとき、段差境界線が移動したか否かの判定は、ラインビームに沿う計測変位と規定の変位しきい値との交差点が変位測定方向と直交する方向へと移動したことに基づいて行われる、ようにしてもよい。
このとき、変位しきい値が、段差を構成する基準段面の計測値に追従して設定される、ようにしてもよい。
【0039】
他の一面から見た本発明のビジュアル式変位センサは、既知の厚さを有する透明体に関して、厚さ測定を試験的に行う試験測定手段と、当該透明体の厚さを教示するための厚さ教示手段と、試験的に測定された厚さと教示された厚さとに基づいて、透明体の厚さ算出のための演算式を校正する演算式校正手段と、を具備する、ことを特徴とするものである。
【0040】
本発明の好ましい実施の形態においては、厚さ試験測定乃至厚さ教示に必要な操作案内情報を画像モニタの画面上に対話的に表示させるためのモニタ画像編集手段を有する、ようにしてもよい。
【0041】
このような構成によれば、この種の変位センサにおける透明体厚さ測定のための校正作業がユーザに取って格段に簡単なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下に、本発明に係るビジュアル式変位センサの実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0043】
本発明の一実施形態であるビジュアル式変位センサの電気的構成の全体を示すブロック図が図1に示されている。同図に示されるように、このビジュアル式変位センサ100は、センサヘッド部1とセンサ本体部2と画像モニタ6とコンソールユニット7とを含んでいる。
【0044】
センサヘッド部1は、計測対象物3の表面に計測光であるラインビームを所定角度で照射し、その状態で計測対象物3の表面を2次元撮像素子で別の角度から撮影して、ラインビームの照射光像を含む計測対象物体表面の映像信号vsを生成する。投受光系としては、正反射系と拡散反射系とがある。
【0045】
尚、図中、4はラインビーム(断面直線状のビーム)の照射光、5はラインビームの反射光、vsは映像信号である。センサ本体部2は、センサヘッド部1から得られた映像中のラインビームによる光像位置から、所定の測距原理(例えば三角測量法など)に従って、目的とする変位量(移動量や寸法など)を計測し、変位量計測値として出力する。
【0046】
センサヘッド部1の内部構成の一例が図2に詳細に示されている。同図に示されるように、センサヘッド部1の内部には、計測光を計測対象物3へと照射するための投光系要素(LD駆動回路111、LD112、投光レンズ113)と、計測対象物体3からの反射光を受光するための受光系要素(受光レンズ121、CCD122,増幅回路123、HPF124、P/H回路125、AGC増幅回路126)とが含まれている。
【0047】
投光系要素について説明する。タイミング信号発生回路101は、レーザダイオード(以下、LDという)112を発光させるためのLD駆動パルス信号P1を発生する。LD駆動パルス信号P1に応答してLD駆動回路111がLD112をパルス発光させる。又、タイミング信号発生回路101はLD駆動回路111を介してパルス状レーザ光のピークパワーを制御する。LD112から出射されたパルス状レーザ光は、投光レンズ113を通して、計測対象物体3の表面に計測光(照射光4)として照射される。これにより、計測対象物体3の表面には、計測光の照射による線状の光像(ラインビームの照射光像)が形成される。
【0048】
受光系要素について説明する。計測対象物体3で反射したラインビーム(反射光5)は、受光レンズ121を通して撮像素子であるCCD2次元イメージセンサ(以下、単にCCDという)122へと入射される。すなわち、計測対象物体3の表面は、CCD122により別の角度から撮影されて、ラインビームの照射光像を含む映像信号に変換される。
【0049】
CCD122の受光面上におけるラインビームの照射光像位置が、目的とする変位(例えば、センサヘッド部1と計測対象物体3との距離)に応じて変化するように、LD112、CCD122、投光レンズ113、受光レンズ121の位置関係が決められる。この位置関係の決定には、例えば、三角測距方式応用の光切断法などが利用される。
【0050】
CCD122から出力される映像信号は、各画素毎に増幅回路123で増幅さたのち、ハイパスフィルタ(HPF)124及びピークホールド(P/H)回路125により各画素間に現れるゼロレベル信号の揺らぎが除去されて、各画素信号が正しく受光量を表すように調整される。その後、AGC増幅回路126により信号値の大きさが適切に制御され、映像信号vsとしてセンサ本体部2へと送られる。
【0051】
タイミング信号発生回路101より送られるパルス信号P2により、CCD制御回路131を介してシャッター時間を含むCCD122の駆動態様が制御される。同様にして、パルス信号P3〜P5により、ハイパスフィルタ(HPF)124のフィルタタイミング、ピークホールド回路(P/H)125のピークホールドタイミング、AGC増幅回路126のゲインとその切り替えタイミングが制御される。
【0052】
撮影条件格納部141には、CCDシャッター時間、LD発光時間、LDピークパワー、AGC増幅回路のゲインからなる撮影条件が複数パターン格納されており、センサ本体部2からの受光量制御信号CONTにより計測に最適な撮影条件が選択される。
【0053】
なお、画像モニタ6は、計測結果、操作ガイド、ラインビームの照射光像、ラインブライト波形、計測対象領域の輪郭、CCDから得られる生画像等々の表示に使用されるもので、CRTやLCDディスプレイ等で構成することができる。また、コンソールユニット7には、GUIと共同して各種の操作を実行するためのキーが配置されており、センサ本体部2に対して各種の指令を与えるため等に使用される。
【0054】
次に、センサ本体部の内部構成を概略的に示すブロック図(その1)が図3に示されている。同図に示されるように、このセンサ本体部(第1実施形態)は、A/D変換器201と、領域判定部202と、表示合成部204と、D/A変換器205と、変位、濃度抽出部206と、コンソールインタフェース207と、外部I/Oインタフェース208と、メモリ209と、CPU250とを含んでいる。
【0055】
CPU250は、マイクロプロセッサを主体として構成され、この例では、ソフトウェア的に3つの機能が主として実現されている。その1つは、領域設定部251である。この領域設定部251は、コンソールインタフェース207に接続されたコンソールユニット7の所定操作に応答して、センサヘッド部1を構成する2次元CCD122の視野Zに、計測対象領域を設定する機能を有する。この計測対象領域とは、2次元CCD122にて撮影される全画像の中で、計測の対象となる領域の画像を限定するものである。この領域設定部251で設定された計測対象領域は、領域判定部202へと通知され、ここで領域判定処理のための基準として使用される。領域設定部251においては、2次元CCD122のxyいずれの方向においても、任意の拡がり幅をもって、計測対象領域を設定可能となされている。つまり、この種の2次元CCD122を使用した変位センサにおいては、2次元CCD122内の長方形視野Zのうちの、長手方向に沿って変位測定方向Xを設定する一方、これと直交する方向にラインビームの照射光像の向きを割り当て、ラインビームの照射光像の延在方向Yに沿っても、各点の高さないし変位を測定可能としているのであるが、ここで言う領域設定処理においては、上述した長方形領域の長手方向X並びにこれと直交する方向Yのいずれにおいても計測対象領域を設定可能となされている。加えて、設定される計測対象領域の数は、1若しくは2以上の数の設定が可能であって、これにより全画素領域内において、離散的に複数の任意の大きさを有する領域を計測対象領域として設定することが可能となされている。
【0056】
計測対象領域の設定態様のいくつかの例を示す図が図4(a)〜図4(h)に示されている。尚、図において、Zは二次元撮像素子であるCCD122の視野(受光面とも言う)、Xは変位測定方向、Yは変位測定方向と直交する方向(ラインビームの照射により生ずるライン状光像の延在方向でもあることから「ライン方向」ともいう)である。
【0057】
図4(a)においてK1は、変位測定方向Xに位置及び長さが設定された1個の計測対象領域、図4(b)においてK2はライン方向Yに位置及び長さが設定された1個の計測対象領域である。
【0058】
図4(c)においてK11,K12は変位測定方向Xに位置及び長さが設定された2個の計測対象領域、図4(d)においてK21,K22はライン方向Yに位置及び長さが設定された2個の計測対象領域である。
【0059】
図4(e)においてK111,AK121は、変位測定方向X及びライン方向Yの双方に亘って位置及び長さが設定された2個の計測対象領域である。尚、この例ではライン方向Yの位置及び長さについては、K111とK121とで同一である。
【0060】
図4(f)においてK211,K221は、変位測定方向X及びライン方向Yの双方に亘って位置及び長さが設定された2個の計測対象領域である。尚、この例では、変位測定方向Xの位置及び長さについては、K211とK221とで同一である。
【0061】
図4(g)においてK01,K02は、変位測定方向X及びライン方向Yの双方に亘って位置及び長さが設定された2個の計測対象領域である。尚、この例では、変位測定方向X及びライン方向YのいずれについてもK01とK02とで異なる。
【0062】
図4(h)においてK001,K002,K003は、変位測定方向X及びライン方向Yの双方に亘って位置及び長さが設定された3個の計測対象領域である。
【0063】
図4(a)〜図4(h)に示される各計測対象領域の設定は、変位測定方向Xについては、例えばCCDのピクセル番号により、ライン方向YについてはCCDの水平走査ライン番号により行なうことができる。
【0064】
一方、領域判定部202では、領域設定部251にて設定された領域に対応して、センサヘッド1からA/D変換器201を介して送られてくるディジタル映像信号を選択的にゲートすることとなる。つまり、設定された計測対象領域が、画面中に1若しくは2以上存在する場合、それらの計測対象領域のタイミングにおいて、ディジタル映像信号を通過させることによって、計測対象領域の画素出力列のみを抽出して、抽出画像を生成する。こうして得られた抽出画像は、領域判定部202から表示合成部204へ送られる。
【0065】
領域判定部202からの抽出画像は、領域設定部251から送られてくる計測対象領域の境界線などを示すグラフィック画像と表示合成部204において合成され、こうして得られた合成画像はD/A変換器205を介して、画像モニタ6へと送られ、画像モニタ6の画面上には、2次元CCD122で撮影されかつ領域判定部202においてマスキング処理された生画像データや、特定水平走査ラインの濃度分布(輝度分布)を示すラインブライト波形などと共に表示されるのである。尚、これらの表示態様については、後に画面説明図を参照しながら詳細に説明する。
【0066】
一方、領域判定部202において抽出された画像データは、変位、濃度抽出部206へも並列に送られる。この変位、濃度抽出部206では、領域判定部202から得られた抽出画像に基づいて、変位位置(測定点を示す画素座標)並びにその濃度を求め、これをCPU250の演算部252へと供給する。この演算部252には、画素座標を変位量(mm)に変換するための画素/mm換算演算、変位量に基づいて各種の定型演算(平均値演算、最大値演算、最小値演算、段差演算等々)を行う計測処理演算、計測値に基づき製品良否を判定するための良否判定演算、画像モニタへの表示データを編集する表示処理演算などの様々な演算機能が組み込まれている。
【0067】
そのため、変位、濃度抽出部206から供給される変位位置並びに濃度データは、それらの演算に供される。すなわち、画素/mm換算演算部では、変位位置から実際の変位がmm単位で求められる。又、計測処理演算部では、得られた1若しくは2以上の変位量に基づき、最大、最小、ピークホールド、その他各種の定型計測演算処理により、該当する計測値が求められる。
【0068】
又、良否判定部では、上述の処理で得られた変位や各種計測値を予め設定された許容値と比較することで、検査対象製品の良否が判定される。更に、表示処理部においては、こうして得られた計測結果や変位量並びに良否変換結果などを表示用の画像データに編集し、表示合成部204並びにD/A変換器205を経由して、画像モニタ6へと送り出す。
【0069】
又、変位、濃度抽出部206にて求められた濃度データ(例えば特定水平走査ラインのラインビーム照射光像の濃度)は感度判定部253において感度判定演算に供せられ、こうして得られた感度判定結果に基づきセンサヘッド部1の受光光量制御用のデータCONTが生成され、この制御データCONTによりセンサヘッド部1の撮影条件が変更されて、映像信号中のラインビーム照射光像の濃度は計測に適した値に自動制御される。
【0070】
次に、以上説明した変位センサのセンサ本体部2の動作を図5〜図12を参照しながらより詳細に説明する。
【0071】
センサ本体部2における変位量測定動作を概略的に示すゼネラルフローチャートが図5に示されている。同図において、まず最初のステップでは、センサヘッド1内のCCD122で撮影された画像をセンサ本体部2へと取り込む(ステップ501)。
【0072】
センサヘッド部1内のCCD122で撮像された画像の説明図が図6に示されている。同図に示されるように、センサヘッド部1に内蔵されたCCD122は、細長長方形の視野122aを有する。この視野122aの長辺に沿うX方向は変位測定方向とされており、また短辺に沿うY方向はライン方向とされている。また、センサの視野122a内には、この例ではジクザグ状の直線(計測対象物表面に凹凸が存在することに相当)としてラインビーム照射光像A1が描かれている。また、変位測定方向において、図中左側がセンサヘッドに近い方向、逆に右側がセンサヘッドに遠い方向とされている。
【0073】
図5に戻って、次のステップとして、測定範囲内の特徴点抽出処理を実行する(ステップ502)。測定範囲内における測定点抽出処理の説明図が図7に示されている。同図に示されるように、センサの視野122a内には、図中左右方向へ延びる2本の互いに平行な点線A2,A3によって計測対象領域A4が示されている。そして、この測定点抽出処理では、この計測対象領域A4内において、所定の特徴点抽出アルゴリズムを使用することにより、ピーク位置(Px,Py)並びにボトム位置(Bx,By)が抽出される。なお、後述するように、計測対象領域A4を特定する始点A2及び終点A3は予めユーザにより、GUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェイス)並びにコンソールユニット7の所定操作で設定されたものである。
【0074】
図5に戻って、次のステップでは、特徴点を含む水平走査ラインのラインブライトを抽出する処理を実行する(ステップ503)。CCDによる撮影画像とラインブライト波形との関係を示す説明図が図8に示されている。同図に示されるように、このラインブライト抽出処理では、図中一点鎖線で示されるピーク位置を含むラインA6上において、各ピクセルの受光輝度が抽出され、これが変位測定方向に配列されることによって、図に示されるラインブライト波形A5が生成される。図8に示されるように、このラインブライト波形A5は、横軸を変位測定方向及び縦軸を階調(濃度)とする直交座標上において描かれている。
【0075】
図5に戻って、次のステップでは、所定のアルゴリズムに従って、ラインブライト波形上の測定点座標が抽出される(ステップ504)。この測定点座標の抽出は、しきい値決定処理と測定点座標決定処理とを経て行われる。しきい値決定処理の一例を示す説明図が図9に示されている。同図に示されるように、しきい値THの決定はピーク値を示すピクセルPPの輝度Vpに対してa%として決定される。すなわち、TH=Vp×a%として自動的に決定される。また、測定点座標決定処理の説明図が図10に示されている。測定点座標抽出処理には、この例では、重心モードとエッジ中心モードと片側エッジモードとの3種類のモードが用意されている。重心モードにおいては、図10(a)に示されるように、図中ハッチングで示されるしきい値THを超える部分の濃淡重心として測定点座標が求められる。また、エッジ中心モードにおいては、図10(b)に示されるように、ラインブライト波形としきい値THとの交点である2つのエッジの中心として測定点が求められる。更に、片側エッジモードにおいては、図10(c)に示されるように、ラインブライト波形としきい値THとの片側エッジとして測定点座標が求められる。
【0076】
図5に戻って、次のステップでは、測定点座標から変位量が算出される(ステップ505)。その変位量算出処理は例えば光学系が三角測距である場合、変位量Z=A×B/(C×X)として求められる。ここで、Xは変位測定方向座標、A,B,Cはそれぞれ光学系により決定される定数である。
【0077】
図5に戻って、次のステップでは、得られた変位量(必要であれば判定出力)を画像モニタ4及び外部機器6へと出力する(ステップ506)。
【0078】
モニタ画面上に画像を生成する方法の説明図が図11に示されている。同図に示されるように、この実施の形態においては、4枚(層)の画像メモリ(0)〜(3)が使用される。それらのうちで、画像メモリ(0)はセンサヘッド部1から取り込まれた生画像が、画像メモリ(1)には画面枠、判定値、固定枠画面部分などが、画像メモリ(2)にはラインブライト波形並びに測定値が、画像メモリ(3)には変位量並びに判定基準などがそれぞれ格納可能となされている。そして、これらの画像メモリ(0)〜(3)上のデータは、CRTコントローラ等の作用により、互いに重ねて、並べて、又は単独で、読み出され、画像モニタ6の画面上に表示される。
【0079】
CCDによる撮像画像とラインブライト波形等との関係を示すモニタ画面の説明図が図12に示されれている。なお、同図において、6aは画像モニタ6のモニタ画面、A1はラインビームの照射光像、A2,A3は計測対象領域の境界線、A4はユーザにより設定された計測対象領域、A5はピークラインA6のラインブライト波形、A6はピークライン、A7は決定された測定点座標を示す十字状の測定点マーク、M1,M2はマスク領域である。
【0080】
図から明らかなように、この実施形態の変位センサでは、計測対象領域A4内においてのみ、測定点座標の抽出が行われる。そのため、計測対象領域A4以外の領域に外乱光に基づく誤った光像が存在しても、それに惑わされることなく、測定点座標を的確に抽出して、正確な計測を行うことができる。また、測定点抽出のための演算の対象となる画像データは計測対象領域A4にあるものに限られることから、その分だけ演算所要時間も短縮され、センサの応答速度は高速化される。さらに、マスク領域M1,M2としてハッチングに塗られているように、計測対象領域A4以外の領域の画像は画像モニタに表示されないから、モニタ画面からラインビームの照射位置が理解しやすい利点もある。
【0081】
なお、この実施形態では、計測対象領域A4は1個しか設定されていないが、先に図4を参照して説明したように、2以上の個数を設定してもよい。また、その方向も、変位測定方向X及び/又はライン方向Yのいずれでもよい。さらに、計測対象領域A4内にて抽出される測定点座標の個数も1又は2以上の任意個数とすることができる。
【0082】
このように図2に示されるセンサヘッド部1と図3に示されるセンサ本体部2とが協働することによって、この実施形態のビジュアル式変位センサによれば、2次元撮像素子である2次元CCDの視野内に1若しくは2以上の計測対象領域を設定すると共に、2次元CCDで撮影された画像に基づいて、設定された計測対象領域に含まれる1若しくは2以上の測定点座標の決定が行われ、この決定された1若しくは2以上の測定点座標に基づいて、目的とする変位の計測が行われる。
【0083】
もっとも、上述のように、CCDの視野内にある複数個の測定点が全て正常に抽出できるのは、それらの測定点に対応する光像の濃度が全て計測適切値を示す場合に限られる。すなわち、例えば2個の照射光像の濃度差が大きすぎているような場合、如何に撮影条件自動制御が正常に作動しても、双方の光像をいずれも計測に適した濃度に設定することは困難であり、濃度の低い方の光像の濃度を適切値に調整すれば、他方の光像に対する映像信号の濃度は飽和してしまう。
【0084】
そこで、本発明者等は上記の問題を領域別濃度調整処理という新規な手法を用いて解決した。
【0085】
領域別濃度調整処理を示すタイムチャートが図13に示されている。同図に示されるように、この実施形態の変位センサにおいては、1若しくは2以上の計測対象領域が2次元CCDの視野内に設定されると、各計測対象領域内のビーム照射点の光像に対する濃度は常に計測に適した濃度に自動調整されるのである。
【0086】
今仮に、CCDの視野内に変位測定方向へ位置及び長さを異ならせて、図4(c)に示されるように、2つの計測対象領域A1(領域0)、A2(領域1)が設定され、それぞれの領域内にラインビームの照射光像が存在するものと想定する。このように、各光像毎に計測対象領域を設定すると、各計測対象領域内のピーク映像はいずれも計測に適した大きさに調整される。
【0087】
すなわち、図13において、(a)に示されるVD信号の列と、(c)に示される領域設定の列とを照合して明らかなように、この実施形態にあっては、相連続する垂直周期において、交互に領域(エリア)1と領域(エリア)0とに切り替えて、時分割的に受光感度の制御が行われる。その結果、2次元CCDの視野内に、2つの映像ピークが存在し、そのうち一方が他方に比べて極端に大きいか又は小さいような場合、この時分割切り替えによる感度自動調整機能が働くことによって、いずれのピークにおいても、適切な濃度をもって測定点座標の決定処理が可能となる。
【0088】
すなわち、図13の例では、領域0に含まれる映像は第2周期においては濃度不足であるが、順次濃度自動調整が行われる結果、適切な濃度まで濃度を増加させた第4周期の時点で、例えば図15に示されるような特徴点抽出演算を用いて、測定点座標の抽出が行われる。一方、領域1に含まれる映像は当初(第3周期)より適切な濃度を有するため、これに基づきそのまま測定点座標の決定が行われる。従前は、このように1つの画面上に濃度の大きく異なる2つの映像が存在した場合、一括して濃度調整を行おうとすると、いずれか一方の映像において濃度不足又は濃度過度が生じ、測定点座標の決定に支障を来したのであるが、このように領域別に濃度自動調整を行うようにしているため、いずれの映像においても適切な濃度において測定点座標の決定が行われ、これに基づき目的とする計測(例えば、透明体の厚さ計測など)が可能となるのである。
【0089】
尚、図15に示される特徴点抽出演算は、各ピクセル毎の濃度値を規定のスレッシュ値と比較して左右のエッジを求め、サブピクセルまで計算された左右エッジの中心位置として測定点座標を決定するものである。
【0090】
また、本発明の領域限定機能は、必ずしも個々のピーク映像毎に行うものではなく、図14に示されるように、1つの計測対象領域中に2以上のピーク映像(山1、山2)が含まれる場合も差し支えない
【0091】
次に、図16〜図22を参照して、特定の画像モニタの画面を使用し、計測対象領域を2以上設定して、透明体の厚さ計測を行うための操作を説明する。
【0092】
図16(a)に示されるように、表面70aはガラスが剥き出しであっても、裏面70bに金属被膜70cが存在するガラス板70などがしばしば存在する。このようなガラス板としては、テレビのブラウン管に使用されたガラス板、液晶表示パネルのガラス板などが相当する。このようなガラス板70をビジュアル式変位センサのセンサヘッド1で計測しようとすると、表面70aと裏面70bとの反射率差が大きすぎることから、表面70aの光像濃度を計測適切値とすると裏面70bの変位計測に支障を来すことが知られている。
【0093】
すなわち、図16(b)のモニタ画面に示されるように、濃度の正常な表面照射光像702については細い像として表示されるが、濃度が飽和している裏面照射光像701については太い像で示されている。又、画面上には、表面ラインブライト波形704と裏面ラインブライト波形703とが表示されており、裏面ラインブライト波形703の頂部が階調255ライン713まで達していることからも明らかなように、裏面照射光像701は濃度が高すぎて計測に適さない。より具体的には、測定点座標計測アルゴリズムとして、先に図15を参照して説明した特徴抽出演算を行おうとしても、適切な測定点座標を求めることができない。尚、同図において、701は裏面照射光像、702は表面照射光像、703は裏面ラインブライト波形、704は表面ラインブライト波形、705は裏面の測定点座標表示、706は表面の測定点座標表示、707は領域表示、708は感度表示、709はピーク値表示、710はモード表示、711,712,713はそれぞれ階調100,200,255を示すライン、714は計測値表示、715は良否判定結果表示である。
【0094】
このような場合、本発明の変位センサにおいては、裏面照射光像701と表面照射光像702とを別々の計測対象領域(エリア0とエリア1)に設定する。
すなわち、まず、図17(a)に示されるように、画面上のガイドに従って、設定する領域数を選択する。ここでは、2つの領域を選択するため、『2領域(エリア0とエリア1)』を所定操作で選択する。
【0095】
すると、図17(b)に示されるように、モニタ画面上には、図中細長長方形状の点線枠で示されるように、領域指定ウィンドウ711が表示される。この領域指定ウィンドウ711は、所定操作で左右方向に拡大並びに縮小が可能であり、これにより、変位方向に沿って所定領域を指定することが可能となっている。
【0096】
そこで、まず図18(a)に示されるように、図中矢印Z1に示されるように領域指定ウィンドウ711の右側縦線を左方向へ移動させて、表面照射光像702の右隣りに近接して位置させる。次に、図中矢印Z2で示される左側縦線についてはそのままの位置に固定し、所定の確定操作を行う。これにより、図18(b)に示されるように、領域0の設定操作が完了する。
【0097】
続いて、図19に示されるように、所定のガイドに従って、エリア1の測定領域の指定を開始し、領域指定ウィンドウ711を構成する左右の縦線によって、今度は裏面照射光像701を囲むことによって、測定領域1の設定を完了する。
【0098】
すると、図20に示されるように、モニタ画面上には、上下2段に領域0及び領域1の撮影画像が別々に表示され、同時に、それぞれの領域別に、先に図13のタイムチャートで説明したように、時分割的な濃度自動調整処理が実行され、裏面照射光像701並びに表面照射光像702はいずれも細幅の像で示すように適切な濃度に設定される。尚、裏面照射光像701と重ねて描かれた裏面ラインブライト波形703からも明らかなように、ピーク波形の濃度は飽和することなく、計測に適した値に自動調整される。
【0099】
このとき、画面の右隅には、エリア0及びエリア1のそれぞれに対応して、ピーク表示並びに感度表示が行われる。すなわち、図の例では、エリア0に関しては感度『13』並びにピークレベル『200』であることが理解され、エリア1については感度『6』並びにピークレベル『150』であることが理解される。
【0100】
そのため、これらの表示によれば、ガラス板の表裏において大きな反射率差が存在するにも拘わらず、裏面側の撮影における感度を低下させたことにより、表裏いずれにおいても変位が適切に計測されたことをオペレータは容易に理解することができる。
【0101】
尚、本発明の領域限定式計測処理においては、必ずしも、領域判定部202においてマスク処理の結果得られた抽出画像に基づいて、変位並びに濃度の抽出を行うことを必須のものとするものではない。
【0102】
すなわち、マスク画像を使用する測定点座標抽出処理では不都合が生ずる場合もある。このような問題点は、以下に説明する第2実施形態の測定点抽出処理にて解決できる。
【0103】
マスク画像を使用する測定点座標抽出処理の問題点を説明するための図が図21に、測定点座標抽出処理の第2実施形態を説明するための図が図22にそれぞれ示されている。
【0104】
入力画像そのものから抽出された測定点座標が図21(a)に、入力画像をマスクして得られたマスク画像から抽出された測定点座標が図21(b)にそれぞれ示されている。尚、L1,L2は計測対象領域の左右境界線、THはしきい値、PL1は入力画像としきい値THとが交叉する左側エッジ、PR1は同右側エッジ、PM1は入力画像からエッジ中心アルゴリズムを使用して抽出された測定点座標である。また、PL2はマスク画像としきい値THとが交叉する左側エッジ、PR2は同右側エッジ、PM2はマスク画像からエッジ中心アルゴリズムを使用して抽出された測定点座標である。
【0105】
それらの図から明らかなように、ラインビームの照射光像が計測対象領域の内側に存在しても、それが計測対象領域の境界線に近接して存在すると、図21(b)に白塗り領域で示されるように、左側境界線L1よりも左側に位置する計測対象領域外の光像成分はラインビーム照射光像から除外されてしまう。そのため、マスク済み画像としきい値THとの交点である左右エッジPL2,PR2に基づきエッジ中心アルゴリズムにて算出された測定点座標PM2(図21(b)参照)は、入力画像としきい値THとの交点である左右エッジPL1,PR1に基づきエッジ中心アルゴリズムにて算出された測定点座標PM1(図21(a)参照)とは一致しなくなる。図示例では、測定点座標PM2の方が、測定点座標PM1よりも右側へ移動されている。
【0106】
このような不都合を回避するためには、変位並びに濃度抽出については、マスク処理を通過する前の、生画像を用いて、各々の測定点座標を決定し、これを仮決定として、更にその後に測定点座標と測定対象領域との比較を行い、それらが照合するものについて、最終的に測定点座標と本決定するようにすればよい。
【0107】
すなわち、図22(a)に示されるように、今仮にCCDの視野内にラインビームの照射による正常な光像と外乱光の照射による光像とが存在し、正常な光像は左側境界線L1に近接して計測対象領域の内側に存在する一方、外乱光による光像は計測対象領域の外側に位置するものと想定する。
【0108】
このような場合、本発明では、先ず、それらの光像そのものに対して(マスク画像ではない)、エッジ中心アルゴリズムを使用して、測定点座標PM11,PM12をそれぞれ抽出し、これを測定点座標として仮決定する。尚、図22(a)において、L1,L2は計測対象領域の左右の境界線、THはしきい値、PL11,PR11はしきい値と正常光像とが交叉する左右のエッジ、PL12,PR12はしきい値と外乱光像とが交叉する左右のエッジである。
【0109】
本発明では、次に、仮決定された測定点座標PM11,PM12と計測対象領域とを照合することにより、それら仮決定された2個の測定点座標PM11,PM12のうちで、計測対象領域の内側に存在するもののみを真の測定点座標として本決定し、それ以外のものを真の測定点座標の対象から除外する。具体的には、図22の場合で言うと、測定点座標PM11のみが真の測定点座標であると本決定され、測定点座標PM12は本決定の対象から除外される。
【0110】
以上の構成によれば、外乱光像に基づく測定点座標PM12は除外されるから、外乱光に基づく誤計測が回避される。加えて、本決定される測定点座標PM11は、入力画像そのものを基として抽出されたものであるから、マスク画像を基として抽出されたものに比べて精度が良好である。
【0111】
このような処理を行うための電気的構成を概略的に説明したのが、図23に示されるセンサ本体部の内部構成を概略的に示すブロック図(その2)である。
【0112】
この図23に示される例においては、センサヘッド1から得られたアナログ映像信号vsは、A/D変換器201を介してディジタル信号に変換された後、直接に変位、濃度抽出部210へと与えられる。この変位、濃度抽出部210では、マスキング前の生の画像に基づいて、従前通りに変位並びに濃度の抽出を行い、得られた変位並びに濃度を含む画像を表示合成部204へと送る。一方、同様にして得られた変位並びに抽出濃度は、ここで初めて領域判定部211へと送られる。
【0113】
その結果、画像モニタの画面上には、生画像そのものがあるいは生画像から抽出されたラインブライト波形がそのまま表示される一方、変位、濃度抽出部210で抽出された変位並びに濃度は、領域判定部211において適切なものであるかどうの判定が初めて行われる。
【0114】
すなわち、変位、濃度抽出部210から得られる変位並びに濃度(仮決定状態)については、外乱光やその他不要な信号も含まれている可能性があるものの、これは領域判定部211中においてフィルタリングされ、設定された領域に収まるもののみが真の変位位置並びに濃度(本決定状態)として演算部252や感度判定部253へと送られ、先ほどと同様にして演算処理や受光光量制御信号CONTの生成に利用されるのである。
【0115】
以上説明したように、本発明の領域限定機能付きの計測処理によれば、裏面70bに金属被膜70cを有するガラス板70の厚み測定に応用した場合、格別の作用効果を奏するものである。
【0116】
もっとも、表面70aと裏面70bとのそれぞれに計測対象領域を設定しておいても、様々な原因で、計測対象物であるガラス板70の表面70aのレベルが上下すると、2つの領域の位置を固定したままでは、いささか不都合が生ずることが知見された。
【0117】
すなわち、これは、図24(a)に示されるように、何らかの理由で矢印A1に示されるように、ガラス板70が垂直に上下動した場合や、図24(b)に示されるように、矢印A2方向へとコンベア上を流れてくるガラス板70に反りや撓みがある場合などに発生する。尚、反りや撓みのあるガラスとしては、代表的なものにブラウン管が挙げられる。
【0118】
このような場合、本発明のセンサ本体部2においては、図25に示されるように、表面70aの計測値を常時監視しており、これに変動が生じた場合には、その変動量に応じて、裏面70bに相当する計測対象領域の位置を、これに追従するように制御する。すなわち、図25に示されるように、本実施形態においては、連続する2つの垂直周期毎に、設定領域の切り替えを交互に実施する。そして、連続する2つの垂直周期の前の周期において、表面70aに相当する第0領域の変位(高さ)を求め、これに変動があった場合には、後の周期において、裏面70bに対応する領域の位置を、ガラスの厚さ一定を前提として、再計算するのである。その結果、次の領域1に関する設定においては、裏面70bに対応する領域1の位置も変動に追従しているため、裏面の計測に際し、裏面の位置が計測対象領域からはずれて、濃度自動調整処理がうまく働かないといった不都合を回避することができる。
【0119】
より具体的に説明すると、図25(b)に示されるレーザの点灯、CCDのシャッタ時間およびAGC増幅回路のゲインに関しては、第0周期については領域0(ガラス板表面)の感度で、第2周期については領域1(ガラス板裏面)の感度で、第4周期については領域0(ガラス板表面)の感度で行なわれる。図25(c)に示される計測対象となる領域設定に関しては、第1及び第2周期については領域0(ガラス板表面)に、第3及び第4周期については領域1(ガラス板裏面)に、第5及び第6周期については領域0(ガラス板表面)に、それぞれ設定される。図25(d)に示される映像信号の取得は、第1周期、第3周期、第5周期といったように1周期おきに飛び飛びで行なわれる。図25(f)に示される計測表示処理に関しては、領域0と領域1とに1周期置きに交互に変えて、計測の実施と表示更新とが繰り返される。図25(e)に示される領域演算に関しては、領域0の変位計測値を元に領域1の範囲を再計算する。再計算された領域1の範囲は次の周期の領域1設定処理に反映される。
【0120】
尚、図25(b)に示すレーザ点灯制御は、感度判定部253で生成される制御信号CONTを受けて、センサヘッド1内の撮影条件格納部141から適切な撮影条件が読み出され、タイミング信号発生回路101を介して投光系、受光系回路が制御されることで実現される。また、図25(c)に示す領域設定処理は、領域設定部251で設定された領域に基づいて領域判定部202がマスク処理を実行することで実現される。また、図25(e)に示す領域演算処理は、領域設定部251が領域0の変位計測値を基に領域1の範囲を再計算することで実現される。さらに、図25(f)に示す計測表示処理は、演算部252内の画素/mm換算処理、計測処理、良否処理、表示処理が作動することで実現される。
【0121】
このことをモニタ画面上の例で示すのが図26である。すなわち、図26(a)はガラス板の表面高さが変動する前の状態であり、同図(b)に示されるものが、ガラス板の高さが様々な原因で変動した場合の例である。それらから明らかなように、表面計測領域713並びに裏面計測領域714が正常に設定されていれば、表面照射光像702並びに裏面照射光像701は適当な細幅に維持されているのに対し、何らかの原因で計測対象となるガラス板が上下動すると、もしも裏面計測領域714が固定されたままであれば、裏面照射光像701は領域をはみ出し、裏面画像を認識できなくなり、計測不能に陥る。
【0122】
これに対して、先に説明した領域再計算の手法を用いれば、裏面計測領域714Aが再計算されて適切に設定されるため、図26(b)の下段に示されるように、裏面照射光像701Aは新たに作成された裏面計測領域714Aに収まるから、透明板が上下動する場合にも、その厚さ計測を安定的に維持することができる。
【0123】
このように、本発明では、2次元撮像素子である2次元CCDの視野内に、1若しくは2以上の計測対象領域を設定することにより、外乱光に基づくピーク波形をマスクしたり或いは高反射率面に相当する飽和画像を適切に濃度調整して、常に最適な高精度の変位計測を行うことが可能となるのである。
【0124】
又、本発明の領域限定式の変位計測処理は、ラインビームのライン方向すなわち計測方向と直交する方向においても領域を複数設定しかつ領域別に濃度調整を実行することができる。このような例を示すのが図27並びに28である。
【0125】
図27において、1はセンサヘッド部、801は計測対象物体、802は計測対象物体上の段部、803は段差である。このように、センサヘッド部1から発せられたラインビーム804を、段部802に跨るように設定することによって、段差803の計測を行うことができる。
【0126】
その際、段部802を構成する上段の面と下段の面とに大きな反射率の差があると、先ほどと同様に、いずれかの一方の面において受光光量が飽和し、計測不能に陥ることがある。
【0127】
このような場合にも、上段の面と下段の面とにそれぞれ別々の計測対象領域を設定すれば、各々の反射光量を適切な値に自動調整して、計測不能に陥ったり大きな計測誤差が生ずることを確実に回避することができる。
【0128】
段差計測時におけるモニタ画面の説明図が図28に示されている。尚、図において、805Aはエリア0の感度、806Aはエリア0のピークレベル、805Bはエリア1の感度、806Bはエリア1のピークレベル、807は第1表示領域、808は第2表示領域、波線で囲まれた807Aは第1表示領域における計測対象領域、波線で囲まれた808Aは第2表示領域における計測対象領域、809は段差計測結果の表示、810は上段面反射光のラインブライト波形、811は下段面反射光のラインブライト波形、812は上段面反射光の光像、812Aは上段面反射光の濃度調整後の光像、813は下段面反射光の光像である。
【0129】
このように2次元CCDの視野内において、そのライン方向に離隔して、それぞれ独立に計測対象領域807A,808Aを設定したことにより、同画面の第2表示領域808のほぼ中央に示されるように、上段反射光並びに下段反射光のそれぞれに対応するラインブライト波形810,811はいずれも適切な濃度に制御され、双方の面を確実に計測することができる。すなわち、2次元CCDから出力される各水平走査ライン出力のうち、領域808Aに相当する領域に関して適切な濃度制御を行い、同時に領域807Aに相当する領域からの水平走査ライン出力に対して適切な濃度調整を行うことによって、それぞれの領域におけるラインブライト波形810,811のピークを適切な値に制御し、高精度の計測を行うことが可能となるのである。
【0130】
次に、上記の段差計測における横ずれ追従制御について説明する。段差計測における物体横ずれ時の問題点の説明図が図29に示されている。尚、図において、801は計測対象物体、802は段部、803は段差、804はラインビームである。同図(a)に示されるように、計測対象物体801が基準位置にあるとき、ライン方向へ設定された2つの計測対象領域A,Bは段差803を構成する下段面と上段面とに位置決めされている。これに対して、同図(b)に示されるように、計測対象物体801が横方向へずれると、計測対象領域Aには段部802が入り込むことから、段差計測に支障を来すこととなる。この問題は、計測対象物体801の横ずれに追従させて、計測対象領域A5Bも横方向へ移動させることで解決することができる。
【0131】
段差計測時の横ずれ追従制御の説明図が図30に、同制御における処理の流れを示すタイムチャートが図31にそれぞれ示されている。
【0132】
段部802の位置がラインビーム804のラインに沿って左右に移動する場合には、図30に示されるように、例えば変位値として基準線821を抽出するためのしきい値TH0を設定し、計測画像における全ラインの計測結果である線820との交点822を基準線821の位置とする。このとき、基準線821の算出方法としては一般的なエッジ検出方法が適用できる。このようにして、基準線821の位置が決まったならば、次いで基準線821の両側へ例えば、ΔYずつ離隔させた位置に計測対象領域0,1を再設定することで、物体821の移動と計測対象領域0,1の移動とを連動させ、領域0,1を常に段差の上段面と下段面とに適切に位置決めすることができる。
【0133】
すなわち、本発明にあっては、計測中の対象物体801がライン方向へ移動した場合には、ラインビーム804の照射ラインに沿って計測対象物体801の高さを測定し直し、あらかじめ決められた高さ相当のしきい値TH0に達する位置を段部802と認識して、段部802の位置を基準としてその両側に適宜離間して計測対象領域0,1を設定し直すのである。
【0134】
より具体的には、図31に示されるように、レーザの点灯、CCDのシャッタ時間およびAGC増幅回路を制御して行う感度調整については図25の場合と同様である。第0周期のレーザ点灯により生成された画像は第1周期にて計測画像として取得される。次いで、第2周期では、計測表示処理として、領域0計測画像に対して、変位計測が実施されるとともに、設定されたしきい値TH0を元に基準線821を算出し、領域演算では、この基準線821から次の計測に用いる領域0,1の領域範囲を再計算する。この再計算に基づき、第4周期及び第5周期において、領域0範囲並びに領域1範囲の輪郭表示位置が変更される。次いで、第3及び第4周期では、第2周期で再計算された領域1範囲により領域1計測画像が取得され、領域1の計測が実施される。以後、同様にして、領域0,1の再計算乃至再設定が繰り返し行なわれる結果、計測対象物体801がライン方向へ振れても、領域0,1は段部802を跨ぐことなく、上段面、下段面に分離して適切に位置決めされる。
【0135】
尚、基準線821の位置検出のために使用したしきい値TH0は固定値としてもよいが、段差の上段面又は下段面のどちらか(あらかじめ決めた方を基準面と言う)に対応する距離計測値としきい値THとの差が一定となるようにしきい値TH0自体も追従させると、段差位置のライン方向への変動だけでなく、基準面の距離方向の変位(段差のある物体全体としての上下変動)にも追従できるという利点がある。
【0136】
このように、以上説明した本発明の実施形態によれば、2次元CCDの視野内において、変位測定方向並びにこれと直交する方向に任意に幅並びに位置を決めて計測対象領域を設定し、これによりマスクされる部分については計測処理を行なわないことによって、外乱光などの影響を排除し、さらに計測対象領域に含まれる部分については計測処理に利用するのみならず、その濃度を適切に自動調整するようにしたことによって、複数の領域に含まれるラインブライト波形が大きくレベル差があるような場合でも、これを時分割的に濃度自動調整することによって、いずれの光像についても測定点座標を確実に決定できるのである。このことから、本発明によれば、外乱光の存在する環境や、金属被膜の形成されたガラス板、さらには反射率の大きく異なる2面間の段差を測定するのに実用上極めて好適なものとなる。
【0137】
加えて、本発明にあっては、変位測定方向又はライン方向へ複数設定した計測対象領域を、いずれかの領域の計測値変動に追従して相対移動可能としているため、ガラスの板厚計測中にガラス板が上下動したり、段差計測中に段差の境界線が横ずれしたりした場合にも、物体上の目的とする位置に計測対象領域を正確に位置決め維持できるという利点もある。
【0138】
次に、図32及び図33を参照して画像モニタ6のための表示合成処理について簡単に説明する。この実施形態のビジュアル式変位センサにあっては、図32に示されるように、5枚のグラフィックメモリ(0〜5)と、1枚の画像メモリとを設けて、画像編集及び表示処理を実現している。図32において、画像メモリには、背景としての計測画像が格納される。一方、グラフィックメモリ(0〜4)にはグラフィック画像が格納される。すなわち、グラフィックメモリ(0)には、ラインブライトガイド、設定メニュー、感度情報ガイド[白、描画更新しない]が格納される。グラフィックメモリ(1)には、計測結果[白]が格納される。グラフィックメモリ(2)には、ラインブライト、LV、PEAK[黄]が格納される。グラフィックメモリ(3)には、測定点[赤]が格納される。グラフィックメモリ(4)には、計測領域[緑]が格納される。これらのメモリの格納内容は、図33に示されるように、互いに上書き加算処理されて、画像モニタ6用の表示画像に編集され、画像モニタ6の画面上にカラー表示される。
【0139】
尚、以上の説明の中でガラスの厚み計測を例に挙げたが、もちろんこの厚み計測にはガラスの屈折率などに起因するキャリブレーション処理を前もって行うことが必要となる。従来、このキャリブレーション処理は、オペレータが決められた手順で、計測対象となる透明体の屈折率に応じた数値を正確に入力するといった複雑な操作が必要であり、この種のビジュアル式変位センサの使い勝手を損ねる一因となっていた。
【0140】
そこで、本発明者等は、新たに非常に簡単にキャリブレーション処理を対話形式で行うことができる変位センサを提供した。
【0141】
以下、透明体厚み演算のキャリブレーション処理を図34〜図36に示されるフローチャート、並びに、図37〜図43に示される説明図を参照して系統的に説明する。
【0142】
まず、ビジュアル式変位センサの透明体厚さ測定でキャリブレーション処理が必要となる理由を図44を参照して簡単に説明する。
【0143】
同図に示されるように、このような透明板に計測光であるレーザビームを照射した場合、そのレーザビームは、表面に入射した時点で当該透明体の屈折率に応じて屈折する。その結果、実際の裏面と見かけ上の裏面位置との間には、誤差が生ずる。ビジュアル式変位センサにおいては、この誤差がそのまま2次元撮像素子上の測定点座標の誤差として現れるため、何等補正を行わないと、正確な透明体の厚さを測定することはできない。
【0144】
透明体厚み演算キャリブレーションのアルゴリズムを説明するための図が図43に示されている。同図に示されるように、キャリブレーション前における測定変位をP1,P2とすると、キャリブレーション後における透明体表裏の変位はD1,D2となる。すなわち、見かけ上の厚さP2−P1から実際の厚さD2−D1を求めるためには、スパンS並びにオフセットOの値を装置に教示せねばならない。
【0145】
以上を前提として、図34の処理が開始されると、設定開始を待機する状態となる(ステップ3401)。この状態において、設定開始のための所定操作が行われると(ステップ3401YES)、続いてアプリケーションの選択を待機する状態となる(ステップ3402)。この状態において、所定操作でアプリケーションの選択(この場合には『透明体厚み』が実行されると(ステップ3402『透明体厚み』)、続いてワークの設置完了を待機する状態となる(ステップ3403)。(図37及び図38参照)
【0146】
この状態において、基準となる透明体を設置し、表面の指定を行い(ステップ3404)、完了の指示を行い(ステップ3405)、更に裏面の領域指定を行い(ステップ3406)、完了の指示を行うと(ステップ3407『ENT』)、表面P1(mm)の計測(キャリブレーション前)が行われる(ステップ3501)。
【0147】
続いて、この計測が正常に完了したならば(ステップ3502YES)、続いて、表面の位置D1(mm)の入力(キャリブレーション後)並びに裏面P2(mm)の計測(キャリブレーション前)が実行され(ステップ3503,3504)、それらが正常に計測されたならば(ステップ3505YES)、裏面の位置D2(mm)の入力(キャリブレーション後)が行われ、続いて図36へ移って、キャリブレーションの実行処理(ステップ3601)、OUT0の設定(厚み)(ステップ3602)、OUT1の設定(ガラスの表面)並びにOUT2の設定(ガラス表面)(ステップ3603)が実行される。(図39〜図42参照)
【0148】
これにより、オペレータは、特別な知識や操作などを習熟せずとも、苦もなく、この種の透明体厚み演算キャリブレーション操作を実施することが可能となる。
【0149】
【産業上の利用可能性】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、計測環境が適切でないこと等により、二次元撮像素子の視野内に外乱光に起因するラインビーム照射光像類似の光像が現れ、測定点座標の個数が予定された個数を超えてしまった場合にも、オペレータが外乱光に基づく光像が除外されるようにして計測対象領域を設定するだけで、当該センサに組み込まれた変位計測アルゴリズムによって、目的とする変位を正常に計測可能な状態に復帰させることができる。
【0150】
また、本発明によれば、例えばブラウン管のガラス板や液晶パネルのガラス板等のように、計測対象となる透明板の裏面に反射率の高い金属被膜が被着されていることに起因して、濃度自動調整機能が作用したとしても、二次元撮像素子の視野内に変位測定方向へ間隔を開けて現れるラインビーム照射光像の濃度を全ての光像について規定範囲内に収めることができなくなった場合にも、例えば、オペレータが個々のラインビーム照射光像に独立した計測対象領域を設定するだけで、濃度が既定値を外れたラインビーム照射光像部分についても、当該センサに組み込まれた測定点座標決定アルゴリズムによって、測定点座標を決定することができ、結果として、目的とする変位を正常に計測可能な状態に復帰させることができる。
【0151】
また、本発明によれば、計測対象となる段差に跨るようにしてラインビームを照射しつつ段差計測を行うような場合において、当該段差を構成する上段面と下段面とに大きな反射率差が存在することに起因して、濃度自動調整機能が作用したとしても、二次元撮像素子の視野内に変位測定方向と直交する方向へ間隔を開けて現れるラインビーム照射光像の濃度を全ての光像について規定範囲内に収めることができなくなくなった場合にも、オペレータが下段表面と上段表面とに別々の計測可能領域を設定するだけで、濃度が既定値を外れたラインビーム照射光像部分についても、当該センサに組み込まれた測定点座標決定アルゴリズムによって、測定点座標を決定することができ、結果として、目的とする変位を正常に計測可能な状態に復帰させることができる。
【0152】
また、本発明によれば、厚み計測対象であるガラス板が上下に移動したり段差計測対象である段付物体がライン方向へ左右に移動した場合にも、それらの移動に計測対象領域を追従させて、計測不能に陥ることを未然防止できる。
【0153】
さらに、本発明によれば、外乱光の存在、透明板の反射率表裏差、段差の段間反射率差に起因する計測不能の事態が発生した場合には、そられの原因をオペレータに対して的確に知らせることができる案内表示を付加したビジュアル式変位センサを提供することができる。
【0154】
【図面の簡単な説明】
第1図は、ビジュアル式変位センサの全体を示す図であり、第2図は、センサヘッド部の内部構成を示す図であり、第3図は、センサ本体部の内部構成を概念的に示すブロック図(その1)であり、第4図は、計測対象領域の設定態様を示す図であり、第5図は、センサ本体部の変位量測定動作を概略的に示すゼネラルフローチャートであり、第6図は、センサヘッド部内のCCDで撮像された画像の説明図であり、第7図は、測定範囲内における測定点抽出処理の説明図であり、第8図は、CCDによる撮像画像とラインブライト波形との関係を示す図であり、第9図は、しきい値決定処理の説明図であり、第10図は、測定点座標決定処理の説明図であり、第11図は、モニタ画面生成方法の説明図であり、第12図は、CCDによる撮像画像とラインブライト波形等との関係を示すモニタ画面の説明図であり、第13図は、領域別濃度調整処理を示すタイムチャートであり、第14図は、ラインブライト波形と計測対象領域との関係を示す説明図であり、第15図は、測定点座標を決定するための特徴抽出演算を説明するための図であり、第16図は、従来の計測結果を示す図であり、第17図は、領域設定に際するモニタ画面の説明図(その1)であり、第18図は、領域設定に際するモニタ画面の説明図(その2)であり、第19図は、領域設定に際するモニタ画面の説明図(その3)であり、第20図は、2領域設定後の計測に際するモニタ画面の説明図であり、第21図は、マスク画像を使用する測定点抽出処理の問題点を説明するための図であり、第22図は、測定点座標抽出処理の第2実施形態を説明するための図であり、第23図は、センサ本体部の内部構成を概念的に示すブロック図(その2)であり、第24図は、計測点の上下変動の態様を示す図であり、第25図は、計測点の上下変動に設定領域を追従させる処理を示すタイムチャートであり、第26図は、計測点の上下変動の前後におけるモニタ画面の様子を示す説明図であり、第27図は、段差計測時のセンサと計測対象物体との位置関係を示す図であり、第28図は、段差計測時のモニタ画面を示す説明図であり、第29図は、段差計測時における物体横ズレ時の問題点を示す説明図であり、第30図は、段差計測時の横ズレ追従制御の説明図であり、第31図は、段差計測時の横ズレ追従制御における処理の流れを示すタイムチャートであり、第32図は、画像モニタのための表示合成処理の説明図(その1)であり、第33図は、画像モニタのための表示合成処理の説明図(その2)であり、第34図は、透明体厚み演算のキャリブレーション処理を示すフローチャート(その1)であり、第35図は、透明体厚み演算のキャリブレーション処理を示すフローチャート(その2)であり、第36図は、透明体厚み演算のキャリブレーション処理を示すフローチャート(その3)であり、第37図は、透明体厚み演算キャリブレーション操作のための画面説明図(その1)であり、第38図は、透明体厚み演算キャリブレーション操作のための画面説明図(その2)であり、第39図は、透明体厚み演算キャリブレーション操作のための画面説明図(その3)であり、第40図は、透明体厚み演算キャリブレーション操作のための画面説明図(その4)であり、第41図は、透明体厚み演算キャリブレーション操作のための画面説明図(その5)であり、第42図は、透明体厚み演算キャリブレーション操作のための画面説明図(その6)であり、第43図は、透明体厚み演算キャリブレーションのアルゴリズムを説明するための図であり、第44図は、ビジュアル式変位センサの透明体厚さ測定でキャリブレーションが必要となる理由の説明図である。
Claims (9)
- 計測対象物体に対して所定角度でラインビームを照射するための発光素子と、
ラインビームが照射された計測対象物体を別の角度から撮影するための二次元撮像素子と、
二次元撮像素子の視野内に第1の計測対象領域及び第2の計測対象領域を変位測定方向の位置を異ならせて設定することが可能な計測対象領域設定手段と、
二次元撮像素子で撮影された画像に基づいて、設定された計測対象領域に含まれる1若しくは2以上の測定点座標の決定を行う測定点座標決定手段と、
決定された1若しくは2以上の測定点座標に対応する変位の計測を行う変位計測手段と、
を具備することを特徴とするビジュアル式変位センサ。 - 測定点座標決定手段は、各計測対象領域に1以上のラインビーム光像が含まれるとき計測対象領域毎に少なくとも一つのラインビーム光像濃度を計測適切値に調整した上で、二次元撮像素子で撮影された画像に基づいて、設定された計測対象領域に含まれる1若しくは2以上の測定点座標の決定を行う濃度調整機能付き測定点座標決定手段である、
請求項1に記載のビジュアル式変位センサ。 - 第1の計測対象領域に基準面上のラインビーム光像が含まれるときに、第1の計測対象領域において計測された基準面の変位測定方向の移動に追従させて第2の計測対象領域を変位測定方向へと移動させる、請求項1に記載のビジュアル式変位センサ。
- 計測対象物体に対して所定角度でラインビームを照射するための発光素子と、
ラインビームが照射された計測対象物体を別の角度から撮影するための二次元撮像素子と、
二次元撮像素子の視野内に第1の計測対象領域及び第2の計測対象領域を変位測定方向と直交する方向の位置を異ならせて設定することが可能な計測対象領域設定手段と、
二次元撮像素子で撮影された画像に基づいて、設定された計測対象領域に含まれる1若しくは2以上の測定点座標の決定を行う測定点座標決定手段と、
決定された1若しくは2以上の測定点座標に対応する変位の計測を行う変位計測手段と、
を具備することを特徴とするビジュアル式変位センサ。 - 測定点座標決定手段は、各計測対象領域に1以上のラインビーム光像が含まれるとき計測対象領域毎に少なくとも一つのラインビーム光像濃度を計測適切値に調整した上で、二次元撮像素子で撮影された画像に基づいて、設定された計測対象領域に含まれる1若しくは2以上の測定点座標の決定を行う濃度調整機能付き測定点座標決定手段である、請求項4に記載のビジュアル式変位センサ。
- 第1の計測対象領域に基準面上のラインビーム光像が含まれるときに、第1の計測対象領域において計測された基準面の変位測定方向の移動に追従させて第2の計測対象領域を変位測定方向へと移動させる、請求項4に記載のビジュアル式変位センサ。
- 二次元撮像素子で撮影された画像に基づいて、計測対象物体上の段差境界線が移動したと判定されたとき、段差境界線を挟んでその両脇に段差測定のために設定された第1の計測対象領域及び第2の計測対象領域を、段差境界線の移動に追従させて、変位測定方向と直交する方向へと移動させる、請求項4に記載のビジュアル式変位センサ。
- 段差境界線が移動したか否かの判定は、ラインビームに沿う計測変位と規定の変位しきい値との交差点が変位測定方向と直交する方向へと移動したことに基づいて行われる、請求項7に記載のビジュアル式変位センサ。
- 変位しきい値が、段差を構成する基準段面の計測値に追従して設定される、請求項8に記載のビジュアル式変位センサ。
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