JP3797210B2 - 流量測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気の流量を測定する流量測定装置に関し、例えば内燃機関の吸入空気量測定装置などに適用される流量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の吸入空気量等を測定する装置として、薄膜式のエアフローセンサを使用し、被測定空気を流す流路にエアフローセンサを配置した流量測定装置が使用されている。
【0003】
内燃機関の吸気系にはエアフィルタが配設され、吸入空気中に含まれる砂などの比較的大粒のパーティクルは、このエアフィルタで除去するようにしている。しかし、吸入される空気中には、エアフィルタでは除去されない比較的小径(例えば数百μm)のパーティクルが含まれており、これらのパーティクルが流路に入った場合、このパーティクルが例えば数十m/secの速度でセンシング部に衝突すると、センシング部が破壊される虞が生じる。特に、薄膜式のエアフロセンサを用いる流量測定装置では、センサのメンブレンの厚さが約1μm程度と非常に薄く形成されているため、パーティクルが衝突すると、メンブレンが破損しやすいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、従来、特開2000‐304585号公報において、流量測定装置を配置する空気通路内にルーバーを配設すると共にガイド部を配設し、ルーバーとガイド部の作用により、パーティクルを流量測定装置のセンシング部から離れた位置に排除して、センシング部にパーティクルの影響を与えないようした流量測定装置が提案されている。また、特表2001‐504943号公報において、略S字状に湾曲した空気流路内にセンシング部を配置し、空気流軸線方向に対し流路を傾斜して配設し、パーティクルの衝突を回避するようにした流量測定装置が提案されている。
【0005】
しかし、前者の流量測定装置は、ルーバーによってセンシング部へのパーティクルの衝突をある程度回避することができるものの、センシング部近傍への空気の流れがルーバーによって大きく減少し、流量の測定精度が低下する問題があった。また、後者のものでは、湾曲した流路にセンシング部を設けてはいるが、単に空気流路を湾曲形状としているだけであるため、パーティクルの衝突を避けることができず、センシング部の破損や汚染物質の付着により測定精度が低下する問題があった。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、センシング部へのパーティクルの衝突や汚染物質の付着を防止すると共に、空気流量を安定して正確に測定することができる流量測定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の流量測定装置は、被測定空気を導入して流通させる流路と、該流路内に配設され被測定空気の流量測定を行うセンシング部と、を備えた流量測定装置において、該流路内に流れを変曲させるループ状のループ状湾曲部が形成され、該ループ状湾曲部の最小曲率半径部分の内側寄りにセンシング部が配置されたことを特徴とする。
【0013】
これによれば、パーティクルを含む被測定空気が流路内のループ状湾曲部に進入した際、そこを通過する被測定空気中のパーティクルは、遠心力により或いは慣性力により湾曲部の外側寄りを通過し、且つループ状湾曲部の最小曲率半径部分を通過する際には、最も外側寄りを通過する。したがって、その部分の内側寄りにはパーティクルを含まない清浄な空気が流れ、センシング部の破損や汚染物質の付着を防止することができる。
【0014】
ここで、請求項2のように、流路のループ状湾曲部内におけるセンシング部の上流側に、ガイドルーバーを流路の略軸線方向に向けて或いは軸線方向に対し外側に傾斜して配設することができる。また、請求項3のように、ガイドルーバーは、流路の入口からセンシング部の位置までの間に設けることができる。
【0015】
これによれば、パーティクルを含む被測定空気が流路に進入し、ループ状湾曲部を通過する際、パーティクルは、遠心力或いは慣性力によりガイドルーバーの間を抜け、ガイドルーバーより流路の外側を通過するから、上記と同様に、センシング部にはパーティクルを含まない清浄な空気が流れ、センシング部の破損や汚染物質の付着を防止することができる。また、ガイドルーバーは、流路の外側壁部に当たって跳ね返ったパーティクルを止め、それが内側寄りに配置されたセンシング部に向うことを防止するため、センシング部の破損や汚染物質の付着を低減することができる。
【0016】
また、請求項4のように、上記に加えてさらにガイドルーバーをセンシング部の位置から流路の出口までの間に設け、そのガイドルーバーを流路の軸線に対し内側に傾斜して配設することができる。これによれば、内燃機関の吸気管内のように、空気の吹き返しによって逆流が発生し、空気が出口から流路に入って流路を逆流する際にも、パーティクルは流路の外側寄りを通過するから、センシング部にはパーティクルを含まない清浄な空気を流し、センシング部の破損や汚染物質の付着を防止することができる。また、上記と同様に、ガイドルーバーは、流路の外側壁部に当たって跳ね返ったパーティクルを止め、それが内側寄りに配置されたセンシング部に向うことを防止するため、センシング部の破損や汚染物質の付着を低減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は第1実施形態の流量測定装置の断面図を示している。この流量測定装置は、本体1内に形成した被測定空気を導入して流通させる流路3と、流路3内に配設され被測定空気の流量測定を行うセンシング部4と、を備えて構成される。流路3は略逆U字状に形成され、その一端側面(上流側)に入口15が設けられ、その他端側面(下流側)に出口16が設けられる。
【0018】
また、本体1の流路3内には、入口15の近傍に入口側湾曲部5が形成され、出口16の近傍に出口側湾曲部7が設けられ、流路3の中央に中央湾曲部6が形成されている。入口側湾曲部5の下流側で中央湾曲部6の上流側に、センシング部4が、その入口側湾曲部5の内側寄りに、つまり入口側湾曲部5の外側壁部とは反対側の壁寄りに配置される。被測定空気は、入口15から流路に入り、入口側湾曲部5で上方に曲げられて流れるが、この空気が曲げられる際の内側寄りで、且つ入口側湾曲部5より下流側にセンシング部4が配置される。言い換えると、センシング部4は、本体1の上流側の壁部に取り付けられると共に、入口側湾曲部5の流路3内の上流側壁部寄りに配設されている。
【0019】
一方、本体1の上部には回路モジュール2が取り付けられ、回路モジュール2の下部の取付部にはOリングなどのシール材12が装着される。回路モジュール2内には、信号処理用の回路が収納され、電源線及び信号線用のコネクタ11がその側部に設けられる。
【0020】
本体1は、例えばガラス繊維入りPBT,PPS等の合成樹脂により成形され、上記のようにその内部に、略逆U字状(或いは略S字状)を呈した流路3が形成されている。そして、この流路3内の入口側湾曲部5の下流側の内側寄り(上流側の壁部)に測定用のセンシング部4が配設される。センシング部4は、例えば薄膜式のエアフローセンサからなり、半導体基板17上に、流量検出用抵抗体及び発熱抵抗体を配置したメンブレンを形成し、その近傍に吸気温検出用抵抗体を形成して構成され、抵抗体の温度-抵抗特性を利用して、空気流量を測定する。半導体基板17は台座14に固定され、基板上の各端子はワイヤボンディングなどを介して回路モジュール2内の回路に接続されている。
【0021】
このように構成された流量測定装置は、図1に示すように、内燃機関などの吸気管10に設けられた取付孔に本体1を挿入し、空気流の上流側に本体1の正面側の入口15を向け、下流側に出口16を向けて、装着される。この際、本体1の上部のシール部材12が取付孔との間の隙間をシールする。
【0022】
吸気動作によって吸気管10内を空気が流れると、管内の空気流の一部が本体1の入口15から流路3内に流入し、略逆U字状の流路3に沿って流れる。このとき、空気中に含まれるパーティクルは、流路3に入り入口側湾曲部5に達したとき、その進行方向をその湾曲方向に曲げられるが、この際、その遠心力または慣性力によってパーティクルは流路3の湾曲部5の外側に沿って進み、流路3を上昇する。
【0023】
したがって、パーティクルを含まない空気流は、入口側湾曲部5からそのまま流路3の軸線に沿って上昇し、センシング部4の周囲を通過し、中央湾曲部6を通り、出口側湾曲部7を介して、出口16から導出される。
【0024】
このため、センシング部4が配置された箇所の流路3に流れるパーティクルは著しく減少し、センシング部4へのパーティクルの衝突を回避してセンシング部4の破損や汚染物質の付着を防止することができる。また、流路3は、センシング部4の位置する流路を含めて複数本ではなく一本の通路であって、十分な流量の空気を流すことができるから、空気の流速を、少流量時でもある程度高く維持することができ、空気流量を安定して正確に測定することができる。なお、本体1または本体1の湾曲部5は、軟質合成樹脂、発泡合成樹脂などの跳ね返り係数の小さい材料で形成することができる。
【0025】
図2は第2実施形態の流量測定装置の断面図を示している。この実施形態では、上記第1実施形態の装置における流路3内に複数のガイドルーバー9a〜9dが配設される。上記実施形態と同じ構成の部分については、上記と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0026】
ガイドルーバー9a〜9dは、図3の拡大図に示すように、流路3内における入口側湾曲部5の近傍に、流路3の軸線Lに沿って配設される。ガイドルーバー9a〜9dは、図3のように流線型にすると、空気抵抗が少なく、良好であるが、板状のルーバーを使用することもできる。基本的には、ガイドルーバー9aは流路3の入口15の近傍に略軸線Lに沿って配置され、ガイドルーバー9b、9cは入口側湾曲部5の近傍でその湾曲した軸線Lに略沿って配置され、ガイドルーバー9dはセンシング部4の近傍に軸線Lに沿って配置される。
【0027】
ガイドルーバー9a〜9dの取付角度は、軸線Lの方向と略一致させて取り付けることも可能であるが、図3に示すように、ガイドルーバー9cのごとく、軸線Lに対し所定の角度αだけ湾曲部の外側に傾斜させ、或いはガイドルーバー9bのごとく、軸線Lの接線に対し所定の角度βだけ外側(湾曲部の外側)に傾斜させることが良好である。
【0028】
すなわち図3の例では、流路3内の軸線Lが曲線となる湾曲部のガイドルーバー9a、9bは、軸線Lの接線方向に対し所定の角度だけ外側に傾斜して配置され、軸線Lが直線となる直線部分のガイドルーバー9c、9dは、軸線Lに対し所定の角度だけ外側に傾斜して配置されている。また、ガイドルーバー9a〜9dは、図3に示すように、軸線Lの横方向から見た場合、重なり合う部分を持つように、各ルーバーの間隔は設定されている。
【0029】
また、ガイドルーバー9a〜9dは、軟質合成樹脂或いは発泡合成樹脂などの跳ね返り係数の小さい材料で成形することができ、これにより、パーティクルがそこに当たった際の跳ね返りを小さくすることができる。さらに、ガイドルーバー9a〜9dは、流路3内でその角度を調整可能に取り付けることもでき、製品の出荷時にその角度を調整するようにしても良い。
【0030】
このような構成の流量測定装置では、吸気動作によって吸気管10内を空気が流れると、管内の空気流の一部が本体1の入口15から流路3内に流入し、略逆U字状の流路3に沿って流れる。このとき、空気中に含まれるパーティクルは、流路3に入り入口側湾曲部5に達するが、そこにはガイドルーバー9a〜9dが流路の軸線Lに沿って配設され且つその角度が若干外側に傾斜して配設されるため、ガイドルーバー9a〜9dによってパーティクルを含む空気流は流路3内の湾曲部の外側寄りに効果的に流れ、その際、空気中のパーティクルはその遠心力または慣性力によって流路3の入口側湾曲部5の外側寄りに沿って進み、流路3を上昇する。
【0031】
したがって、パーティクルを含まない空気流は、入口側湾曲部5の流路3の軸線Lの内側寄りに上昇し、センシング部4の周囲を通過していく。また、入口側湾曲部5の外側壁部に当たって跳ね返ったパーティクルは、ガイドルーバー9a〜9dに当たって内側に入ることを防止され、流路3の外側(湾曲部の外側)を進行することになる。
【0032】
このため、センシング部4が配置された流路3の湾曲部の下流側の外側寄り箇所に流れるパーティクルは著しく減少し、センシング部4へのパーティクルの衝突を回避してセンシング部4の破損や汚染物質の付着を防止することができる。また、流路3は、センシング部4の位置する流路を含めて複数本ではなく一本の通路であって、十分な流量の空気を流すことができるから、空気の流速を、少流量時でもある程度高く維持することができ、空気流量を安定して正確に測定することができる。
【0033】
図4、図5はガイドルーバーの変形例を示している。図4の(a)は流線型で直線状のガイドルーバー9eであり、流路3の軸線Lに対し外側への傾斜角度αだけ傾斜して配設される。これに対し、図4の(b)は湾曲状に曲がった形状のガイドルーバー9fであり、流路3の軸線Lの湾曲した部分に且つその湾曲方向に曲がった形態で配置される。
【0034】
このように曲がったガイドルーバー9fは、湾曲部の外側壁部で跳ね返ったパーティクルを効果的に止めることができる。また、図5の(a)は上記とは反対側に曲がった形状のガイドルーバー9gであり、流路3の軸線Lの湾曲した部分に且つその湾曲方向とは反対側に曲がった形態で配置される。このように曲がったガイドルーバー9gは、湾曲部における空気の流れを、外側壁寄りにより効果的にガイドすることができる。また、図5の(b)のガイドルーバー9hは、その先端部外側に、異物トラップ部9iを設けている。これによれば、湾曲部の外側壁部で跳ね返ったパーティクルをその異物トラップ部9iの内側で良好に捕捉することができる。
【0035】
図6、図7は第3実施形態の流量測定装置の正面図、断面図を示している。この流量測定装置では、上記の逆U字状の流路に代えて、ループ状湾曲部22を有する流路23が本体21内に形成される。この流路23内におけるループ状湾曲部22の最小曲率半径部分(図7上では流路23の最上部)の内側寄りにセンシング部4が配置される。なお、上記実施形態と同様な構造の部分については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0036】
流路23は1ターンのループ状に形成され、そこには軸線方向に沿って湾曲するループ状湾曲部22が形成され、その一端側面(正面側)に入口35が設けられ、その他端側面(背面側)に出口36が設けられる。このループ状湾曲部22を有する流路23は、略全ての部分で湾曲して形成され、その湾曲部の最小曲率半径部分は、流路23の図7における最上部に形成されている。また、その最小半径部分は流路23の最小断面積を持つように形成され、流路23はその最小曲率半径で最小断面積を持った部分から両側に徐々に断面積が広がるように、つまり両側に徐々に太くなるように形成されている。センシング部4は、その流路23内における最小曲率半径で最小断面積を持った部分の内側寄りに配設される。
【0037】
このような構成の流量測定装置は、吸気動作によって吸気管10内を空気が流れると、管内の空気流の一部が本体1の入口35から流路23内に流入し、ループ状に湾曲した流路23つまりループ状湾曲部22に沿って流れる。このとき、パーティクルを含む空気は、ループ状湾曲部22の湾曲した軸線に沿ってその湾曲方向に曲げられるが、この際、空気中のパーティクルはその遠心力または慣性力によって湾曲部の外側寄りに進み、流路23を上昇し、流路23の最上部近傍においても外側寄りを進行し、センシング部4の上側を通過する。このため、センシング部4の位置する流路23内の最上部の下側寄りには、パーティクルの少ない清浄な空気が通過し、それらは流路23を下降して、出口36から導出される。
【0038】
したがって、センシング部4が配置された流路23の最上湾曲部の内側寄りに流れるパーティクルは著しく減少し、センシング部4へのパーティクルの衝突を回避してセンシング部4の破損を防止することができる。また、センシング部4の位置する流路23の最上部分が、最小断面積を持つように最も細く形成されているから、空気流量が少ない場合でも、空気の流速をある程度高く維持することができ、空気流量を安定して正確に測定することができる。さらに、このセンシング部4の位置する最小断面積の部分は、流路23の最小曲率半径の部分でもあるから、パーティクルの遠心力や慣性力を有効に作用させ、細い通路であっても、パーティクルをセンシング部4のない外側壁部寄りに集めて通過させ、パーティクルのセンシング部への影響を最小にすることができる。
【0039】
図8は第4実施形態の流量測定装置の断面図を示している。この実施形態では、上記第3実施形態の装置における流路23内に複数のガイドルーバー29a〜29fが配設される。上記実施形態と同じ構成の部分については、上記と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0040】
ガイドルーバー29a〜29fは、図8に示すように、流路23内におけるループ状湾曲部22の入口35からセンシング部4が位置する最上部までの間に、流路23の軸線に沿って配設される。ガイドルーバー29a〜29fは、上記と同様に流線型にすると、空気抵抗が少なく、良好であるが、板状のルーバーを使用することもできる。基本的には、全てのガイドルーバー29a〜29fは、流路23の軸線の接線方向に対し所定の傾斜角度だけ外側に傾斜して配設される。
【0041】
なお、ガイドルーバー29a〜29fは、平板状のほか、上記図3、図4の(a)のように、直線状の流線型にすることができ、また、図4の(b)、図5の(a)のように、湾曲状に曲った流線型としてもよい。
【0042】
このような構成の流量測定装置では、吸気動作によって吸気管10内を空気が流れると、管内の空気流の一部が本体21の入口35から流路23内に流入し、ループ状湾曲部22に沿ってガイドルーバー29a〜29fのある流路23を上昇する。このとき、パーティクルを含む空気は、ガイドルーバー29a〜29fによって流路23内の湾曲部の外側寄りに流れ、その際、空気中のパーティクルはその遠心力または慣性力によってループ状湾曲部22の外側寄りに沿って進み、流路23を上昇し、最上部の内側寄りに位置するセンシング部4の外側寄り通過する。
【0043】
したがって、パーティクルを含まない空気流は、ループ状湾曲部22の流路23の内側寄りを上昇し、最上部の内側寄りに位置するセンシング部4の周囲を通過していく。また、ループ状湾曲部22の外側壁部に当たって跳ね返ったパーティクルは、ガイドルーバー29a〜29fに当たって内側に入ることを防止され、流路23の外側(ループ状湾曲部22の外側)を進行することになる。
【0044】
このため、センシング部4が配置された流路23のループ状湾曲部22の最上部の内側寄りを流れるパーティクルは著しく減少し、センシング部4へのパーティクルの衝突を回避してセンシング部4の破損や汚染物質の付着を防止することができる。また、上記と同様に、流路23は、センシング部4の位置する箇所が最小断面積を持つように形成されているから、空気の流量が少流量時でも、その流速をある程度高く維持することができ、空気流量を安定して正確に測定することができる。
【0045】
図9は、第5実施形態の流量測定装置の断面図を示している。この実施形態では、上記第4実施形態の装置の流路23内における最上部(センシング部4が配置される最小曲率半径部)と出口36の間にガイドルーバー29g〜29kが配設される。上記実施形態と同じ構成の部分については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0046】
ガイドルーバー29g〜29kは、図9に示すように、流路23内におけるループ状湾曲部22のセンシング部4が位置する最上部から下流側に、つまり出口36までの間に、流路23の軸線に沿って配設される。ガイドルーバー29g〜29kは、上記と同様に流線型にすると、空気抵抗が少なく、良好であるが、板状のルーバーを使用することもできる。基本的には、ガイドルーバー29g〜29kは、流路23の軸線の接線方向に対し所定の傾斜角度だけ内側に傾斜して配設される。つまり、センシング部4の位置する最上部から下流側のガイドルーバー29g〜29kは、その反対側の入口35から最上部までに配設されたガイドルーバー29a〜29fとは逆側(内側)に傾斜して配設されている。なお、これらのガイドルーバー29g〜29kも、上記と同様に、平板状のほか、直線状の流線型、或いは湾曲状に曲った流線型とすることができる。
【0047】
このような構成の流量測定装置では、上記と同様に、吸気動作によって吸気管10内を空気が流れると、管内の空気流の一部が本体21の入口35から流路23内に流入し、ループ状湾曲部22に沿ってガイドルーバー29a〜29fのある流路23を上昇する。このとき、パーティクルを含む空気は、上記と同様に、ガイドルーバー29a〜29fによって流路23内の湾曲部の外側寄りに流れ、その際、空気中のパーティクルはその遠心力または慣性力によってループ状湾曲部22の外側寄りに沿って進み、流路23を上昇し、最上部の内側寄りに位置するセンシング部4の外側寄り通過する。
【0048】
一方、内燃機関の吸気管10内に空気の吹き返しによって逆流が発生し、空気が装置の出口36から流路23に入ってループ状湾曲部22を逆流すると、ガイドルーバー29g〜29kによりパーティクルを含む空気は、流路23の外側寄りに誘導され、センシング部4にはパーティクルを含まない清浄な空気が流れ、センシング部の破損や汚染物質の付着を防止することができる。また、上記と同様に、ガイドルーバー29g〜29kは、流路23の外側壁部に当たって跳ね返ったパーティクルを止め、それが内側寄りに配置されたセンシング部4に向うことを防止するため、センシング部4の破損や汚染物質の付着を低減することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の流量測定装置によれば、パーティクルを含む被測定空気が流路に進入した際、湾曲部を通過する被測定空気中のパーティクルは、遠心力または慣性力により湾曲部の外側を通過するから、湾曲部の下流側の内側寄りにはパーティクルを含まない清浄な空気が流れ、センシング部の破損や汚染物質の付着を防止することができる。また、センシング部が位置する流路に充分な流量の空気を流すことができ、空気の流速を、少流量時でもある程度高く維持し、空気流量を安定して正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の流量測定装置の断面図である。
【図2】第2実施形態の流量測定装置の断面図である。
【図3】同流量測定装置の要部拡大断面図である。
【図4】同流量測定装置のガイドルーバーの変形例である。
【図5】同流量測定装置のガイドルーバーの変形例である。
【図6】第3実施形態の流量測定装置の正面図である。
【図7】同流量測定装置の断面図である。
【図8】第4実施形態の流量測定装置の断面図である。
【図9】同流量測定装置の変形例の断面図である。
【符号の説明】
1−本体
3−流路
4−センシング部
5−入口側湾曲部
6−中央湾曲部
9a〜9d−ガイドルーバー
15−入口
16−出口
Claims (6)
- 被測定空気を導入して流通させる流路と、該流路内に配設され被測定空気の流量測定を行うセンシング部と、を備えた流量測定装置において、
該流路内に流れを変曲させるループ状のループ状湾曲部が形成され、該ループ状湾曲部の最小曲率半径部分の内側寄りにセンシング部が配置されたことを特徴とする流量測定装置。 - 前記流路のループ状湾曲部内における前記センシング部の上流側に、ガイドルーバーが該流路の略軸線方向に向けて或いは軸線方向に対し外側に傾斜して配設されている請求項1記載の流量測定装置。
- 前記ガイドルーバーは、流路の入口からセンシング部の位置までの間に設けられている請求項2記載の流量測定装置。
- 前記ガイドルーバーが、さらに前記センシング部の位置から流路の出口までの間に設けられ、該ガイドルーバーが流路の軸線に対し内側に傾斜して配設されている請求項3記載の流量測定装置。
- 前記ガイドルーバーは前記流路の軸線に沿って複数設けられ、該複数のガイドルーバーが軸線の横方向から見て相互に重なり部分を持つように配置されている請求項2記載の流量測定装置。
- 被測定空気を導入して流通させる流路と、該流路内に配設され被測定空気の流量測定を行うセンシング部と、を備えた流量測定装置において、
該流路内に流れを変曲させるループ状のループ状湾曲部が形成され、該ループ状湾曲部の内側寄りにセンシング部が配置され、該センシング部が配置されるループ状湾曲部が該流路の最小断面積を持った箇所に形成されたことを特徴とする流量測定装置。
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