JP3797020B2 - 打込機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は連結部材によって複数の釘等の止具を連結した連結止具を用い、連結止具を装填するマガジンから連結止具の先端の止具を打込む射出部まで連結止具を案内する給送部の構成を工夫した打込機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3に従来の打込機の一例を示す。
【0003】
図に示す打込機は圧縮空気を駆動源とし、本体1内部に上下動可能に保持されたドライブビット10を急激に下降させることにより、本体1下部の射出部7内に供給された釘等の止具(以下釘という)5を被打込材6に打込むものである。
【0004】
本体1には複数の釘5を連結部材により連結した連結釘を装填するマガジン8が設けられていると共に、マガジン8内の連結釘の先端釘を順次射出部7内に供給する給送部9が設けられている。
【0005】
連結釘には大きく、図4に示す連結部材が針金2である針金連結釘3と、図5に示す連結部材がプラスチック製のシート4aであるシート連結釘4とがある。
【0006】
従来の打込機は2種の連結釘3、4を用いることができるようにするために、給送部9を2種の連結釘3、4を案内することができる構成としている。
【0007】
以下、給送部9の構成を図6〜図13を用いて詳細に説明する。
【0008】
図6は給送部9を示す要部拡大図、図7は給送部9の要部拡大断面図、図8は針金連結釘3が装填された状態の給送部9を示す要部断面図、図9はシート連結釘4が装填された状態の給送部9を示す要部断面図、図10〜図13は針金連結釘3が装填された際の給送部9の動作状態を示す図6のC−C線断面図であり、図6はドア部材13が開状態となった状態を示している。
【0009】
図6に示すように給送部9は本体1下部に設けられた送りガイド部材12、送りガイド部材12に回動可能に取付けられたドア部材13とを有し、送りガイド部材12のガイド面12aとドア部材13の内壁面13aとにより、連結釘3、4を案内する釘案内通路14を形成する構成をしている。なお、送りガイド部材12には釘案内通路14内の連結釘3、4の釘軸部5aと係合する複数の送り爪15aを有し、打込み動作時に連動して射出部7から離れる方向に後退し(図11)、打込み終了後に射出部7側に前進して給送部9内の連結釘3、4の先端釘を射出部7内に給送する(図12、図13)送り部材15が設けられている。
【0010】
また、ドア部材13には回動可能に取付けられ、常に釘案内通路14内に突出するようスプリング20により付勢された上可動逆止部材16と下可動逆止部材17が設けられており、上可動逆止部材16には図に示すように給送部9内の針金連結釘3の釘軸部5aと係合し、送り部材15が後退した際に針金連結釘3が後退することを抑制する上逆止爪19、下可動逆止部材17には針金連結釘3及びシート連結釘4の釘軸部5aと係合し送り部材15が後退した際に針金連結釘3及びシート連結釘4が後退することを抑制する下逆止爪18が設けられている。
【0011】
また、ドア部材13の内壁面13aには図9に示すように給送部9内のシート連結釘4のシート4aの逆止穴4cと係合し、送り部材15が後退した際にシート連結釘4が後退することを抑制する固定逆止爪21が設けられている。
【0012】
上記したように従来の打込機では、給送部9内の2種の連結釘3、4の射出部7への給送を送り部材15により行い、送り部材15が後退する際にこれに伴って連結釘3、4が後退してしまうことを針金連結釘3の場合には下可動逆止部材17の下逆止爪18と上可動逆止部材16の上逆止爪19とによって抑制し、シート連結釘4の場合には下可動逆止部材17の下逆止爪18と固定逆止爪21によって抑制する構成となっていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような構成をした従来の打込機では、図9に示すように下可動逆止部材17の下逆止爪18が釘軸部5aと係合すると共に固定逆止爪21がシート4aの逆止穴4cと係合し、シート連結釘4の後退を抑制するようになるが、このとき上可動逆止部材16はシート4aによってスプリング20の付勢力に抗してドア部材13内に後退するよう回動した状態となる。このため、釘5を連結するシート4aが上可動逆止部材16の上逆止爪19によって変形してしまい、固定逆止爪21とシート4aの逆止穴4cとの係合が不十分となり、送り部材15の後退時に釘軸部5aと係合している下逆止爪18を支点として図14、図15に示すようにシート連結釘4の上方部が後退するように傾いてしまう恐れがあった。
【0014】
このようにシート連結釘4が傾いてしまうと、射出部7内に釘5が供給されていない状態でドライブビット10が下降してしまう空打ちが発生してしまう。
【0015】
上記シート連結釘4の傾き(空打ち)を抑制する方法として、固定逆止爪21の突出量を大きくして上可動逆止部材16によってシート4aが変形してしまったとしても逆止穴4cと固定逆止爪21とが十分係合するようにすること、上可動逆止部材16を釘案内通路14側に付勢するスプリング20のばね定数を小さくしてシート4aの変形を抑制すること等が考えられるが、送り部材15が前進し、シート連結釘4の先端釘を射出部7内に給送する際にはシート4aは固定逆止爪21を乗り越えて前進するものであるため、前者の構成とした場合にはシート連結釘4の前進時の抵抗が大きくなりシート連結釘4の給送がスムーズに行われなくなり、打込み動作開始前に射出部7内に釘5を供給することができなくなる恐れがあり、後者の構成とした場合には上可動逆止部材16を釘案内通路14内に突出させる力が弱くなり、針金連結釘3の場合上可動逆止部材16の上逆止爪19と釘軸5aとの係合が不十分となって上記シート連結釘4と同様に針金連結釘3が傾いてしまう恐れがある。また、固定逆止爪21を上可動逆止部材16の上逆止爪19より射出部7から離れる位置に設け、上可動逆止部材16によって変形しない個所で固定逆止爪21がシート4aと係合するようにすることが考えられるが、この場合には固定逆止爪21が射出部7から離れた個所に位置するため、シート連結釘4の寸法精度の影響が大きくなり逆止穴4cと固定逆止爪21とが係合しなくなる等の恐れが発生し、釘送り精度が低下してしまうという欠点があった。
【0016】
本発明の目的は、上記欠点を解消し、連結釘の給送動作の信頼性を向上させることができる打込機を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、固定逆止爪を連結釘の送り方向に沿って複数個設けることにより達成される。
【0018】
【発明の実施形態】
図1、図2に本発明打込機の一実施形態を示す。なお、従来の打込機と同様の構成をした部位には同一の符号を付したので説明を省略する。
【0019】
図に示すようにドア部材13には従来の打込機同様、上逆止爪19を有する上可動逆止部材16、下逆止爪18を有する下可動逆止部材17と、それぞれの可動逆止部材16、17を常に釘案内通路14側に付勢する2個のスプリング20とが設けられており、ドア部材13の内壁面13aには固定逆止爪21が設けられている。
【0020】
また、図に示すようにドア部材13の内壁面13aには固定逆止爪21の他に釘案内通路14に沿って固定逆止爪21よりも射出部7から離れる位置に第2固定逆止爪23が設けられている。
【0021】
このような構成とすることにより、針金連結釘3の場合には従来の打込機と同様、可動逆止部材16、17の逆止爪18、19によって送り部材15の後退時に針金連結釘3が後退してしまうことを抑制し、シート連結釘4の場合には下逆止爪18と固定逆止爪21及び第2固定逆止爪23とによって送り部材15の後退時にシート連結釘4が後退してしまうことを抑制するようになる。
【0022】
なお、シート連結釘4の場合にはシート4aによって上可動逆止部材16がスプリング20の付勢力に抗してドア部材13内に後退するよう回動するが、シート4aが上可動逆止部材16の上逆止爪19によって変形してしまう場合がある。この際には固定逆止爪21とシート4aの逆止穴4cとの係合が不十分となってしまうことがあるが、第2固定逆止爪23は上可動逆止部材16の上逆止爪19と離れた個所に設けられているため変形の少ない部分のシート4aの逆止穴4cと係合する。このため、上可動逆止部材16によってシート4aが変形してしまったとしても、シート連結釘4の上方部が後退するように傾いてしまうことを確実に抑制することができ空打ちの発生を抑制する。
【0023】
本発明を構成する給送部9は、固定逆止爪21の突出量を大きくしなくとも良いと共に上可動逆止部材16を付勢するスプリング20のばね定数も小さくしなくとも良く、また射出部7近傍に位置する固定逆止爪21を有する構成をしているため、シート連結釘4の給送をスムーズに行うことができると共に針金連結釘3の後退についても確実に抑制することができ、シート連結釘4の送り精度の低下を招くことのない、連結釘3、4の給送動作の信頼性の高い打込機を提供することができるようになる。
【0024】
なお、上記実施形態はドア部材13の上下位置に可動逆止部材を2個設けた構成であるが、上可動逆止部材16のみを有する構成であっても良い。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、固定逆止爪を連結釘の送り方向に沿って複数個設けた構成としたことにより、給送部にシート連結釘を装填した際に可動逆止部材によってシートが変形してしまったとしてもシート連結釘が後退してしまうことを確実に抑制することができるようになり、連結釘の給送動作の信頼性を向上させることができる打込機を提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明打込機を構成する給送部の一実施形態を示す要部拡大図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】打込機の一例を示す正面図。
【図4】針金連結釘の一例を示す拡大図。
【図5】シート連結釘の一例を示す拡大図。
【図6】従来の打込機を構成する給送部の一例を示す要部拡大図。
【図7】図6の要部拡大図。
【図8】針金連結釘の場合の給送部を示す図3のB−B線断面図。
【図9】シート連結釘の場合の給送部を示す図3のB−B線断面図。
【図10】針金連結釘の場合の給送部を示す図6のC−C線断面図。
【図11】針金連結釘の場合の給送部の動作状態を示す図6のC−C線断面図。
【図12】針金連結釘の場合の給送部の動作状態を示す図6のC−C線断面図。
【図13】針金連結釘の場合の給送部の動作状態を示す図6のC−C線断面図。
【図14】シート連結釘の場合の給送部の動作状態を示す図6のC−C線断面図。
【図15】シート連結釘の場合の給送部の動作状態を示す図6のC−C線断面図。
【符号の説明】
1は本体、3は針金連結釘、4はシート連結釘、5は釘、7は射出部、8はマガジン、9は給送部、13はドア部材、14は釘案内通路、15は送り部材、16は上可動逆止部材、17は下可動逆止部材、18は下逆止爪、19は上逆止爪、21は固定逆止爪、23は第2固定逆止爪である。
Claims (1)
- 本体内部に上下動可能に保持されたドライブビットと、本体下部に設けられドライブビットの上下動を案内する射出部と、本体下部に設けられ、複数の止具を針金部材により連結させた針金連結止具及びシート部材により連結させたシート連結止具の一方を装填するマガジンと、マガジン内の連結止具を案内し順次先端止具を射出部内に供給する給送部とを有し、前記給送部を、本体下部に設けられた送りガイド部材と、送りガイド部材に回動可能に取付けられ、送りガイド部材とにより形成する止具案内通路を開閉可能なドア部材と、止具案内通路内の連結止具を射出部側へ前進させる送り部材と、ドア部材の止具の送り方向と直角の高さ方向上下の離れた位置に回動可能に設けられ、付勢部材によって止具案内通路内に突出するよう付勢され連結止具の軸部に当接して連結止具の後退を抑制する少なくとも2個の可動逆止爪と、ドア部材の前記高さ方向に沿った前記2個の可動逆止爪の間に設けられ、シート連結止具のシートの逆止穴に係合してシート連結止具の後退を抑制する固定逆止爪とにより構成し、2個の可動逆止爪により針金連結止具の後退を抑制し、上方の可動逆止爪及び固定逆止爪によりシート連結止具の後退を抑制するようにした打込機であって、
前記固定逆止爪のマガジン側後方にシートの逆止穴に係合してシート連結止具の後退を抑制する第2固定逆止爪を設けたことを特徴とする打込機。
Priority Applications (1)
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JP14951699A JP3797020B2 (ja) | 1999-05-28 | 1999-05-28 | 打込機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP14951699A JP3797020B2 (ja) | 1999-05-28 | 1999-05-28 | 打込機 |
Publications (3)
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Family Applications (1)
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JP14951699A Expired - Lifetime JP3797020B2 (ja) | 1999-05-28 | 1999-05-28 | 打込機 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100393431B1 (ko) * | 2001-03-05 | 2003-08-02 | 김국진 | 타정기 |
-
1999
- 1999-05-28 JP JP14951699A patent/JP3797020B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP2000334673A (ja) | 2000-12-05 |
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