JP3796578B2 - 植物栽培容器、植物栽培方法 - Google Patents

植物栽培容器、植物栽培方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は植物栽培用容器および植物栽培方法に関するものであり、より詳しくは、根の倦回を防止でき、支根の発生を促進することができ、簡易な構造で取扱い性に優れ、しかも、栽培容器であるとともに他の植物栽培容器に移植する必要がなくてその搬送及び販売展示用容器としても使用できる植物栽培用容器と、管理が簡易であり、かつ根を生育に適した状態にすることができ、そして、植物を他の場所に定植する場合には、定植先の土壌に活着し易くするための根回し等煩雑な作業が不要となるとともに定着後の活着率にも優れた植物栽培方法の提供に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のかかる植物栽培用容器としては、例えば図7に示すように、底面部51と、互いに向い合う一対の側壁面52,52および互いに向かい合う他の一対の側壁面53,53よりなる側壁部と、前記側壁面52と側壁面53との間に設けられた連絡部54とを有し、前記連絡部54に、縦長の空気剪定用貫通孔55を縦一列に有する植木鉢50が公知である。
【0003】
この植物栽培用容器50を使用すると、栽培中の植物の根は、前記空気剪定用貫通孔55において空気と接触することによりその伸長が抑制され、支根の発生が促進される。また、この空気剪定用貫通孔55が形成された連絡部54は、側壁面53から略垂直に立設されているので、この連絡部54において物理的に根の伸長が抑制され、根が容器の側壁部の内周に沿って伸長することを防止でき、このようにして植物の支根の発生を促進し、根の側壁部内周に沿っての倦回伸長が防止できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこのような植物栽培用容器は、陶磁器で形成するには構造が複雑すぎて、製造が困難であるという問題点があり、一方、熱可塑性樹脂等の合成樹脂で形成するには、複雑な金型を製作しなければならず、またその形成等に大掛かりな装置が必要であるという問題点があった。
【0005】
しかも、陶磁器製の植物栽培用容器や樹脂成形体である植物栽培用容器は、それらを使用して苗を育成した場合、植え替え時にそれらの容器から土壌と共に苗を取り出すのが非常に困難であった。
【0006】
さらに、空気剪定用貫通孔を有していることから強度が比較的低く、例えばこの植物栽培用容器で栽培した植物を土壌と共に植物栽培用容器から取り出すときに、容器が破損することがあるという問題点があった。
【0007】
一方、植物栽培用の容器を用いない植物の栽培、すなわち地面に直接植物を植えて行われる栽培は、植物栽培用容器を用いた植物の栽培に比べて管理は容易であるが、植物を他の場所や他の植物栽培用容器に定植する場合、植物を定植先の土壌に活着し易くするための根回し等、煩雑な作業が必要になるという問題があった。
【0008】
ところで、従来の植物栽培容器において、特には樹木の苗を育成してこれを搬送し、さらに店頭で展示するという一連の過程を、同一の栽培容器で実施できるものは知られていない。
【0009】
本発明はこのような実情に鑑み鋭意創案されたものであって、その解決すべき課題は、上述した従来の植物栽培容器が具有する不都合や問題点を解消することである。そして、その目的とするところは、根が植物栽培容器の内周面に沿って倦回伸長することを防止でき、支根の発生を促進することができ、特には樹木苗の育成、搬送、及び店頭での展示までの一連の過程を同一の栽培容器で実施できて他の植物栽培用容器に定植する必要がない植物栽培容器を、簡単な構造で提供せんとするものである。
【0010】
さらに、本発明の他の目的とするところは、管理が容易であり、かつ他の植物栽培容器に定植する必要がなく、植物を他の場所に定植する場合、定植先の土壌に活着し易くするための根回し等煩雑な作業が一切不要となり、しかも、定着後の活着率に優れる植物栽培方法と、この植物栽培方法を可能ならしめる植物栽培用容器並びに植物栽培用構造体を、簡単な構造により提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために本発明が採用した手段の要旨とするところは、叙上の特許請求の範囲の欄に記載の通りである。
【0012】
このような構成を採用した請求項1に記載の植物栽培容器によると、ロール状に巻き込んだ若しくは折り曲げされた筒体の中に用土を収容することができるとともに、筒体の壁面に凸部と凹部が互い違いに備えられ前記用土に対して十分な通気性を確保できる。すなわち、この壁面に到達した植物の根は空気と接触することにより伸長が抑制される。また、このようにして、空気剪定を受けることになるから空気剪定を受けた根の先端部分以外から支根分岐が誘起され、発育伸長した根が壁面に到達しても根が容器本体の内側周面を回り込まず、植物の生育は良好となる。
【0013】
また、この植物栽培容器の内部に形成される筒体は、可撓性あるいは柔軟性を有するシートがロール状に巻かれて若しくは折り曲げられているものであるから、植物を所望する大きさとなるまで栽培した後、この植物栽培容器で栽培された植物を移植する際には、筒体内で栽培された植物の根を前記根塊部の状態のまま取り出しできるから、外部から大きな圧力が印加しても植物栽培容器自体は容易に破損することがない。また、移植先の土壌に活着し易くするための根回し等の煩雑な作業が一切不要となりかかる移植作業性の向上が図れるとともに、定着後の活着率に優れる。
【0014】
ロール状に巻き込んだ若しくは折り込んでなる筒体を簡単にシート状に開放できてこれを再使用できる。
【0015】
さらにまた、他の場所に搬送する際には、栽培容器内の筒体を開放すると、根塊部の外面と有底の栽培容器の内壁面との間に形成される隙間に、例えば吸水ポリマーに代表される保水材に水を含ませた状態で充填することができ、搬送時や栽培時等における灌水作業が不要になる。
【0016】
また、有底の栽培容器内に収容させたまま、根塊部の外面と有底の栽培容器の内壁面との間に形成される隙間に、通気性用土又は通気促進素材を充填することができて用土に対して十分な通気性を確保できる。すなわち、有底の栽培容器として展示・販売用の化粧鉢が使用されると、従来のように展示用容器に定植する必要が不要となり、植物栽培から店頭展示までの一連の過程、並びにその後の植物栽培を同一の栽培容器で実施できる。
【0017】
つぎに、このような構成を採用した請求項2に記載の植物栽培容器によると、請求項1に記載の植物栽培容器が具有する叙上の作用に加え、筒体の壁面に複数の貫通孔が存在するから、筒体にまで伸長した根は空気剪定を受けることになるから空気剪定を受けた根の先端部分以外から支根分岐が誘起されるから、植物の生育は良好となる。
【0018】
そして、そのまま有底の植物栽培容器内で栽培を続行すると、末端が肥大化した根が多数形成される。この末端が肥大化した根を有する植物は、他の土壌に移植する際に極めて良好な活着性を示す。
【0019】
つぎに、このような構成を採用した請求項4、5、7に記載の植物栽培方法によると、叙上の請求項1、2に記載の植物栽培容器が具有する叙上の作用を得ながら植物栽培ができ、実質的に請求項1、2の栽培容器と同一の作用が得られる。
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の植物栽培容器を使用して植物の栽培を行なう際に用いる用土としては、植物の栽培に通常使用されているそれ自体従来公知の各種の用土を使用することができ、天然土壌、人工土壌、あるいはこれらの混合物のいずれであっても良い。この発明においては、特に天然土壌と粒状あるいは破砕状の樹脂発泡体とを含有してなる軽量土壌を使用すると、重み等による植物栽培容器の変形を防止することができ、極めて良好な栽培ができると共に、軽量であり、取扱い性にも優れる。
【0022】
本発明になる植物栽培容器及び植物栽培用構造体には、天然土壌又は人工土壌が収容されるが、前記軽量土壌を使用することもできる。また、粒状樹脂発泡体に代えて、雲母とかパーライトなどのような他の通気促進素材を使用することもできる。
【0023】
前記天然土壌としては、特に制限はなく、栽培する植物に応じて適宜の用土を選択して用いることができる。
【0024】
前記樹脂発泡体としては、発泡ポリスチレンの粒状物および発泡ポリスチレンの破砕物が特に好適である。天然土壌と発泡ポリスチレンの粒状物あるいは破砕物とを組み合わせてなる軽量土壌を使用すると、保水性および通気性のバランスが良好に維持され、植物の生育が極めて良好である。前記粒状樹脂発泡体の粒径は、栽培する植物のサイズや成長の段階等に応じて適宜に決定することができる。また、発泡ポリスチレンの破砕物は、例えば使用済の発泡ポリスチレン容器を破砕することにより容易に得ることができ、使用済の発泡ポリスチレンの有効利用に繋がる。
【0025】
本発明の植物栽培容器を使用して栽培する植物としては、特に制限はなく、従来より植木鉢やプランター等で栽培されているいかなる植物をも栽培することができる。特に好適であるのは、草木ではなくて樹木の苗あるいは苗木である。
植物の苗あるいは苗木を本発明の植物栽培方法で栽培すると、移植時における移植操作が極めて容易であり、移植を極めて迅速に行なうことができる。また、これにより移植先の土壌への苗あるいは苗木の活着が極めて良好である。本発明の植物栽培用構造体は、栽培容器から用土毎に苗あるいは苗木を移植せずに、植物栽培用構造体毎の栽培ができる。
【0026】
以下、この発明の実施の形態を、図面で示すより具体的な実施例に基いてさらに詳細に説明するが、これは代表的なものを示したものであり、その要旨を越えない限りにおいて様々な設計変更が可能であることは言うまでもない。
【0027】
図1は発明になる第一実施例の植物栽培容器10を概略的に示す部分破断斜視図であり、図2は同植物栽培容器10の平面図、図3は同植物栽培容器10の縦断面図である。図4は、第一実施例の植物栽培容器10に備えた筒体13を形成するために使用したシート12を模式的に示す部分斜視図であり、図5は同シート12の断面図である。
【0028】
図において、この植物栽培容器10は、底面に排水孔15が形成された有底の栽培容器11と、シート12をロール状に巻いてなる筒体13とを含み構成されているものであり、筒体13の側壁の上下及び左右の両方向に凸部12aと凹部12bを互い違いに形成されており、栽培容器11の底面の中央部に筒体13が載置され、そして、この筒体13の中に植物を栽培するための用土14が充填される。すなわち、用土14に播種された植物の種若しくは植え付けされた苗木は、前記栽培容器11の内壁面と前記筒体13の外壁面との間に隙間16が形成された状態で育成されるようになっている。
【0029】
有底の栽培容器11は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂を所望する所定の寸法形状にブロー形成加工されたものであるが、例えば射出成形等のごとき公知の他の樹脂成形加工法によって成形することもできる。なお、栽培容器11の底面から側壁に至る隅部には、一般的に、角穴若しくはスリット形状の小穴が開設されている。
【0030】
シート12は合成樹脂製シートを真空シート成形加工してなるものであって、前後方向及び左右方向の両方向に一辺が3〜12mmの方形の凸部12aと一辺が3〜12mmの方形の凹部12bが等ピッチ間隔で互い違いに一体形成されており、任意の所望する径にロール状に巻き込んで若しくは折り込んで、その端縁部を重ねしろとして係止させるか、紐や糸、針金等により係止させることで筒体に形成できるとともに、形成された筒体自体が自立できる程度の剛性特性を有しているものである。但し、前記凸部12aと凹部12bの寸法形状や配列間隔などを制限するものではなく、凸部12aと凹部12bを不連続して連接するとか、シート12の全面に、図示しない複数の貫通孔を開設するとか等、適宜設計変更して実施できる。
【0031】
筒体13は、前記シート12をロール状に巻き込み若しくは折り込みされ、両端が開口する水平断面が円形乃至矩形の中空形状に形成されたものであり、巻き込み若しくは折り込みを開場することによってもとのシート形状に復元させることができる用になっている。筒体13は、植物栽培用の用土14が充填されても剥離したり破損することがなくしかも自立させることができるものであればよく、両端を重ねしろとしてホッチキスのような金属製の針で接合しても良く、接着剤で接着されていても良く、加熱して溶着されていても良く、或いは糸等により縫合できる等、適宜設計変更して実施することができるのである。
【0032】
ところで、前記栽培容器11の少なくとも外側壁がシルバー系若しくは白色系に彩色されていると、日光等に代表される熱線等を効率的に反射することができるから、これにより、優れた遮光効果を得ることができて栽培植物の根の成長が良好となって植物の生育が極めて良好となるので、そしてまた、優れた遮熱効果を得ることができて特には夏期に筒体13内の栽培用用土の温度が上昇してこの用土が異常乾燥する等を防止することができ栽培植物を例えば枯死させることなく安定且つ良好に生育させることができるので、極めて好適である。
【0033】
また、前記栽培容器11の底面に、ヤシ殻等に代表される天然の生分解繊維からなる不織布を敷設すれば(図示しない)、排水等を良好に保持できて寝腐れを防止することができ、又、用土の下端部に対して十分な通気性を確保できる。
【0034】
本発明の植物栽培容器10は、何らかの支持部材を有していても良い(図示しない)。例えば、合成樹脂や金属製の枠体である支持部材を植物栽培容器の外壁面に設けることができる。支持部材は、植物栽培容器を内部に収容して植物栽培容器を外壁面から支持する構成を有していても良いし、植物栽培容器の内部に装着されて植物栽培容器を内部から支持する構成を有していても良い。また、支持部材は植物栽培容器に脱着可能に設けられていても、植物栽培容器に脱離不可能に接着されていても良い。
【0035】
つぎに、本発明となる植物栽培容器10を使用する植物の栽培方法を説明する。
【0036】
まず、前記有底の栽培容器11の底面に、前記シート12を前記栽培容器11の底面と略同一の径となるようにロール状に巻き込み針金で固定してなる筒体13を装着し、地面上若しくは支持台上に載置する。なお、筒体13は、その天端が栽培容器11の開口部とほぼ同一となる高さ寸法に形成されていると、散水作業等に代表される種々な作業を簡単かつ効率的に実施できるので好ましいが、筒体13の高さ寸法を特に制限するものではなく適宜設計変更して実施することができる。
【0037】
つぎに、筒体13の中に所望する必要量の植物栽培用の用土を充填し、必要ならば肥料を施肥したその後に、植物の種を播種若しくは予め育成した植物の子苗を植え付けして、散水等を繰り返しながら所望する大きさになるまで植物を成長させる。
【0038】
このようにして植物の栽培を行なうと、筒体13の下端は、有底の栽培容器11の底面に載置されているのみであり、しかも栽培容器11と筒体13との間には外気を筒体13の下端に誘導できる隙間16が形成されていることから、栽培容器11と筒体13とで次のような作用が発生する。
【0039】
筒体13の下端においては、栽培用の用土中で伸長する植物の根が、栽培容器11の底面に至ると、植物の根は底面と筒体13の下端の間に形成される隙間を通って外側に突きでようとするが、その植物の根の先端は外部空気により剪定(エアープルーンとも称される。)を受ける。
【0040】
さらにまた、筒体13の内側面に至った植物の根は、筒体13の内周を倦回しようとするが、筒体13の側壁には複数の凸部と凹部が互い違いに形成されているので、用土の外側において十分な通気性を確保できる。すなわち、この壁面に到達した植物の根は空気と接触することにより伸長が抑制される。また、このようにして、空気剪定を受けることになるから空気剪定を受けた根の先端部分以外から支根分岐が誘起され、発育伸長した根が壁面に到達しても根が容器本体の内側周面を回り込まず、植物の生育は良好となる。
【0041】
さらにまた、栽培容器11の中に筒体13が装填されているから、直射日光に代表される熱線等を栽培容器11によって反射させることができて、筒体13に対する遮光及び遮熱の両作用が得られる。すなわち、特に夏期にあっては、筒体内の用土の温度上昇等が原因となって用土が異常乾燥し、そのために栽培植物が枯死すること等を防止できる。即ち、栽培植物を安定且つ良好に生育することができる。
【0042】
さらにまた、栽培容器11の底面に筒体13の下端が一体形成されていないから、筒体13の下端と栽培容器11の底面との間には僅かの隙間が形成されることになり、適度の通気性と排水性(保水性)の両方が確保できる。この場合においても植物の育成が促進される。
【0043】
つぎに、筒体13内で栽培した植物が所望する大きさになると、筒体13を開放してもとのシート12となすことにより簡単に除去できる。すなわち、根塊部17は、栽培容器11の底面に裸の状態で存在するから、根を傷つけることなく簡単に取り出しできて、定植する露地や他の栽培用若しくは展示用の容器に簡単に移植又は定植することができる。
すなわち、筒体13内で栽培した植物の根を、移植先の土壌に活着し易くするための根回し等の煩雑な作業が一切不要となり、かかる移植作業性の向上が図れるとともに、定着後の活着率に優れる。
【0044】
また、根塊部17の外面と有底の栽培容器11の内壁面との間の隙間16’に、栽培用用土R、通気性用土(若しくは通気促進素材)S、又は、吸水ポリマーの含水物若しくは含水天然体等に代表される保水材Tが補充充填されると、本発明になる植物栽培用構造体20を構築することができる(図6)。
【0045】
なお、補充充填される栽培用の用土として、筒体13に充填された人工用土よりも樹脂発泡体の配合割合が多い通気性用土(若しくは通気促進素材)Sを使用すると、極めて軽量で、水はけに優れるとともに通気性が確保できることから、取扱いが容易であると共に根腐れ等の発生が防止でき、植物の生育が良好であるから、好ましい。
また、前記隙間16’に、吸水ポリマーの含水物とか、含水不織布、寒天やゼラチンなどに代表される含水天然体等に代表される保水材Tを収容することもできる。この場合には、例えば搬送時、短期間の留守中等であっても毎日灌水する必要がないという作用効果が得られる。
【0046】
ただし、本発明になる植物栽培用構造体は、前記筒体13を使用してなる植物栽培用構造体20ではなくて、例えば、他の公知栽培容器内で栽培し、この栽培容器から取り出した植物を、前記栽培容器11に収容し、ついで、当該植物の根塊部の周りに、前記栽培用用土R、通気性用土若しくは通気促進素材S、又は、保水材Tのいずれかを補充充填したものを全て含む意味として使用されているものとする。
【0047】
このような植物栽培用構造体で植物の栽培が行なわれると、予め有底の栽培容器として例えば展示・販売用の化粧鉢が使用されていると、従来のように栽培済み植物を他の栽培用若しくは展示用容器に定植する作業が不要となり、植物栽培から店頭展示までの一連の過程を同一の栽培容器で実施できるという、作用効果が得られる。
【0048】
つぎに、本発明となる第二実施例の植物栽培容器は、上述した複数の貫通孔を開設したシート12をロール状に巻き込んで筒体13となし、この筒体13を有底の栽培容器11の中に装填した点を除き、他は叙上の第一実施例の植物栽培容器10と実質的に同一の構成を有するものである。
【0049】
このような構成を採用した第二実施例の植物栽培容器によると、第一実施例の植物栽培容器が奏する叙上の各作用効果に加え、筒体13の壁面に複数の貫通孔が存在するから、この貫通孔を通って筒体13の外部にまで伸長した根は、筒体13の壁面を挟む内側および/または外側において肥大化を生じる。そして、この筒体13が取り出しされると、筒体13の壁面を境として根が容易に切断される。
【0050】
そして、例えば、根塊部17と有底の栽培容器11の間に栽培用用土Rを補充してそのまま栽培を続行すると、末端が肥大化した根が多数形成される。この末端が肥大化した根を有する植物は、他の土壌に移植する際に極めて良好な活着性を示すようになるのである。
【0051】
このように栽培されたところの、細根の生じた肥大部を有する植物は、他の土壌に移植する際に極めて良好な活着性を示す。その理由は、この肥大化した末端から多数の根が発生し、この根が移植先の土壌中の水分や養分を迅速に吸収することによるからである。
【0052】
また、筒体の壁面に複数の貫通孔が存在するから、筒体に向かって伸長する根は空気剪定を受けることになるから、空気剪定を受けた根の先端部分以外から支根分岐が誘起され、筒体の内壁に沿って根巻きすることを防止でき、植物の生育は良好となる。
【0053】
第二実施例の植物栽培容器は、特には、請求項2に記載の発明の実施の態様である。
【0054】
以上述べた第一実施例の植物栽培容器若しくは第二実施例の植物栽培容器を使用した植物栽培方法によると、用土に対して十分な通気性を確保しながら植物栽培するから、空気剪定を受けた根の先端部分以外から支根分岐が誘起され、発育伸長した根が壁面に到達しても根が容器本体の内側周面を回り込まず、植物の生育は良好となる。
【0055】
また、植物を所望する大きさとなるまで栽培した後にあっては、筒体を簡単に開放してこれを除去することができ、筒体内で伸長した根と植物栽培に使用した用土とからなる根塊部のまま有底の栽培容器内に収容でき、そして、根塊部の外面と有底の栽培容器の内壁面との間に、好適には通気性用土を充填できる。すなわち、他の栽培用若しくは展示用容器に定植する必要が不要となり、例えば展示・販売用の化粧鉢が使用されていると、植物栽培から店頭展示までの一連の過程を同一の栽培容器で実施できる。
【0056】
そして、栽培済みの植物を他の場所に移植する際には、筒体内で栽培された植物の根を前記根塊部の状態のまま取り出しできるから、移植先の土壌に活着し易くするための根回し等の煩雑な作業が一切不要となり、かかる移植作業性の向上が図れるとともに、定着後の活着率に優れるのである。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたとおり、請求項1乃至2に記載の植物栽培容器によると、簡単な構造で、特には、根が植物栽培容器の内周面に沿って倦回伸長することを防止でき、支根の発生を促進することができ、特には樹木苗の育成、搬送、及び店頭での展示までの一連の過程を同一の栽培容器で実施できて他の植物栽培用容器に定植する必要がないという点において、そして請求項4、5、7に記載の植物栽培方法によると、管理が容易であり、かつ他の植物栽培容器に定植する必要がなく、植物を他の場所に定植する場合、定植先の土壌に活着し易くするための根回し等煩雑な作業が一切不要となり、しかも、定着後の活着率に優れるにおいて格別優れた作用効果を奏するものであり、極めて実効性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明になる第一実施例の植物栽培容器を概略的に示す部分破断斜視図である。
【図2】 図2は同植物栽培容器の平面図である。
【図3】 図3は、同植物栽培容器の縦断面図である。
【図4】 図4は、第一実施例の植物栽培容器に備えた筒体を形成するために使用したシートを模式的に示す部分斜視図である。
【図5】 図5は同シートの断面図である。
【図6】 図6は、本発明になる一植物栽培用構造体を概略的に示す断面図である。
【図7】 図7は、従来の一植物栽培用容器を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
10…植物栽培容器
11…有底の栽培容器
12…シート
12a…凸部
12b…凹部
13…筒体
14…用土
15…排水孔
16…隙間
16’…隙間
17…根塊部
20…植物栽培用構造体
50…従来の一植木鉢
51…底面部1
52…側壁面
53…側壁面
54…連絡部
55…空気剪定用貫通孔
R…栽培用用土
S…通気性用土(若しくは通気促進素材)
T…保水材

Claims (7)

  1. 有底の栽培容器と、上下及び左右の両方向に凸部と凹部を互い違いに形成した表面を有するシートからなる植物栽培用容器であって、前記有底の栽培容器の底部に、前記シートをロール状に巻き込んで若しくは折り曲げて、その形状が維持されるように固定された筒体を立て、前記栽培容器の内壁面と前記筒体の外壁面との間に隙間が確保されていることを特徴とする植物栽培用容器。
  2. 前記植物栽培用容器において、前記シートに複数の貫通孔が開設されていることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培用容器。
  3. 前記栽培容器の底面上に、天然の生分解繊維からなる不織布が備えられていることを特徴とする請求項1または2記載の植物栽培用容器。
  4. 有底の栽培容器の底部に、上下及び左右の両方向に凸部と凹部を互い違いに形成した表面を有するシートを、その底部に対応させてロール状に巻き込んで若しくは折り曲げて、その形状が維持されるように固定された筒体を立て、前記栽培容器の内壁面と前記筒体の外壁面との間に隙間を確保し、この筒体の中に植物栽培用土を収容して植物を栽培することを特徴とする植物栽培方法。
  5. 前記シートに複数の貫通孔が開設されていることを特徴とする請求項4に記載の植物栽培方法。
  6. 前記栽培容器の底面上に、天然の生分解繊維からなる不織布が備えられていることを特徴とする請求項4または5に記載の植物栽培方法。
  7. 前記筒体の内部で植物の育成がされた後に、該筒体を構成する前記シートを除去し、該植物の根とこの植物を育成するために使用した用土とからなる根塊部と、前記有底の栽培容器の内壁面との間に形成された隙間に、植物栽培用土、通気性用土若しくは通気促進素材、又は保水材のいずれかを収容して植物を栽培することを特徴とする請求項4から6のいずれか記載の植物栽培方法。
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