JP3796487B2 - 杭材打込方法及び杭材打込装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤に杭材を打ち込む際に使用される杭材打込方法及び杭材打込装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、地盤に杭材を打ち込む方法としては、杭材として鋼管を用い、この鋼管を打ち込みと引き上げとの繰り返しにより徐々に地盤に打ち込むものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この方法では、鋼管を引き上げる際に鋼管内に水を充填し、鋼管を打ち込む際に鋼管の上端部を密閉した状態とする。鋼管を地盤に打ち込んだ際、鋼管内の水は、鋼管内に土砂が侵入することにより圧迫されて鋼管の下端部から噴出する。そして、鋼管から噴出した水は、鋼管の外面と土砂との間を通って上方に噴出する。このとき、上記水は、鋼管の先端及び側面の外側において土砂を掘削・攪拌するため、側面抵抗及び先端抵抗を軽減することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−232264号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法では、鋼管内に水を充填させているため、断続的に繰り返される打ち込みに対して、鋼管の外面と土砂との間における水の流通は断続的となってしまう。
【0006】
このため、掘削により発生した土砂の運搬が円滑に行われず、掘削効果が十分ではない。
【0007】
また、鋼管内に水を充填することにより、地盤上方に多量の水が排出されることとなり、排出された水の処理の負担が大きい。
【0008】
本発明の目的は、掘削効果が高く、廃液処理が容易な杭材打込方法及び杭材打込装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、管状の杭材を地盤に打ち込む杭材打込方法であって、杭材の中空部内に杭材の上端側から気体及び液体を供給し、杭材の中空部の半分以下となるように液体を中空部内に収容した状態とし、杭材の上端面を密閉した状態で杭材を地盤に打ち込むこと、を特徴とするものである。
また本発明において、中空部の10〜30%となるように液体を中空部内に収容した状態とすることが好ましい。
【0010】
本発明に係る杭材打込方法によれば、杭材を打ち込む際に、液体は杭材の内壁と地盤との間を流通し、その後、杭材の先端及び側面の外側を流通して、地盤上方に排出される。これにより、杭材の先端及び外壁における抵抗が軽減されると共に、地盤の掘削により発生した土砂類を地盤上方に排出させることができる。このとき、杭材内には気体が供給されているため、打ち込み時に気体が適宜圧縮され、流体は連続的に流通する。このため、掘削効果が向上する。
【0011】
また、気体を供給することにより、その分、杭材の中空部内に供給する液体の量を少なくすることができる。これにより、地盤上方に排出される液体の量を少なくすることができるため、廃液処理が容易となる。
【0012】
本発明は、管状の杭材を地盤に打ち込む杭材打込装置であって、杭材を地盤に打ち込む杭材打込手段と、杭材の上端面を密閉する密閉部材と、杭材の中空部内に杭材の上端側から気体及び液体を供給する流体供給手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る杭材打込装置によれば、杭材の中空部内に液体と共に気体を供給し、杭材の上端面を密閉した状態で杭材を地盤に打ち込む。打ち込みの際、液体は杭材の内壁と地盤との間を流通し、その後、杭材の先端及び側面の外側を流通して、地盤上方に排出される。これにより、杭材の先端及び外壁における抵抗が軽減されると共に、地盤の掘削により発生した土砂類を地盤上方に排出させることができる。このとき、杭材内には気体が供給されているため、打ち込み時に気体が適宜圧縮され、流体は連続的に流通する。このため、掘削効果が向上する。
【0014】
また、杭材の中空部内へ液体と共に気体を供給することにより、その分、液体の供給量を少なくすることができる。これにより、地盤上方に排出される液体の量を少なくすることができるため、廃液処理が容易となる。
【0015】
好ましくは、杭材は、密閉部材に備えられた第1係合部に着脱自在に係合する第2係合部を備え、第1係合部と第2係合部との係合により杭材と密閉部材とが圧接され杭材の上端部が密閉される。これにより、密閉部材を杭材の上端面に容易に着脱することができると共に、杭材の上端面を容易に密閉することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る杭材打込装置の一例を示す図である。杭材打込装置1は、リーダ2を備えている。リーダ2には、リーダ2に沿って昇降可能な杭材打込ユニット3が取り付けられている。
【0018】
杭材打込ユニット3は、管状の杭材4を地盤に打ち込む杭材打込手段として機能するものであり、例えば、振動により杭材4の打ち込みを行う振動式のものが用いられる。尚、杭材打込ユニット3の振動数は、例えば、2500cpm〜3500cpmであるが、望ましくは、8000cpm〜9000cpm程度の高振動数とするのがよい。また、杭材打込ユニット3は、杭材に対して振動と共に回転を与えるものであっても良い。
【0019】
リーダ2の下部には、ベース5が取り付けられている。ベース5は、アンカー6などの固定手段によって施工位置の地盤や施工位置に構築される構造物に固定可能となっている。リーダ2は、下部をベース5によって支持され、上部をクレーン7によって支持されることにより、安定して施工位置に縦立される。
【0020】
杭材4には、上端面を密閉する密閉部材8が取り付けられる。図2は、その密閉部材8と杭材4とを示す図である。密閉部材8は、当接することにより杭材4の上端面を密閉する蓋部10と、杭材4の外周面の一部を覆う円筒部11とによって構成されている。
【0021】
蓋部10には、杭材打込ユニット3に着脱自在に連結される中空のロッド12が設けられている。ロッド12内には、パイプ13が挿入されている。このパイプ13は、杭材4内に圧縮空気などの気体及び水や洗浄液などの液体を供給する流体供給手段として機能するものである。
【0022】
円筒部11には、周方向と交差する方向に傾斜した傾斜部14を有する切欠部(第1係合部)15が形成されている。一方、杭材4の外周面には、切欠部15と係合し、傾斜部14に当接する傾斜部16を有する突部(第2係合部)17が設けられている。これら切欠部15と突部17との係合により、杭材4と密閉部材8とが圧接され、杭材4の上端部が密閉されるようになっている。
【0023】
図3は、杭材4への密閉部材8の取り付け過程を示す図である。杭材4に密閉部材8を取り付ける場合は、図2に示す状態から、突部17と切欠部15とが係合するように、密閉部材8を杭材4の上端部分に嵌め込む。
【0024】
そして、突部17の傾斜部16と切欠部15の傾斜部14とを当接させた状態で、杭材4と密閉部材8との少なくとも一方を周方向(図3に示す矢印の方向)に回転させ、傾斜部14と傾斜部16との接触面積を徐々に大きくさせる。
【0025】
このとき、傾斜部14と傾斜部16との接触面積が大きくなるに従って、密閉部材8は下方に移動し、杭材4は上方に移動する。このため、密閉部材8の蓋部10と杭材4の上端面とが圧接される。これにより、杭材4の上端面が密閉され、杭材4に密閉部材8が取り付けられる。図4は、切欠部15と突部17との係合により、杭材4に密閉部材8が取り付けられた状態を示す図である。
【0026】
以上のように、切欠部15と突部17とを用いることにより、密閉部材8を杭材4の上端面に容易に着脱することができると共に、杭材4の上端面を容易に密閉することができる。
【0027】
次に、本実施形態に係る杭材打込装置によって杭材4を地盤に打ち込む杭材打込方法について、図5及び図6を参照して説明する。
【0028】
まず、図5に示すように、杭材打込ユニット3に取り付けられ、上端面を密閉部材8によって密閉された杭材4の中空部内に、パイプ13から気体20及び液体21を供給する。このとき、液体の供給量は、掘削時に必要な量とされ、多くとも杭材4の中空部内の半分以下であり、望ましくは、杭材4の中空部の10%〜30%である。そして、杭材打込ユニット3を稼働させ、杭材4を地盤に打ち込む。
【0029】
図6は、杭材4の打込過程を示す図である。杭材4は、杭材打込ユニット3による上下方向の振動によって、徐々に下方へと打ち込まれる。打ち込みにより、杭材4が下方に移動すると、中空部内の圧力が上昇する。このため、中空部内の液体21は、下方へ押し下げられ、杭材4の内壁と地盤との間を流通する。その後、液体21は、杭材4の先端及び側面の外側を流通して、地盤上方に排出される。
【0030】
これにより、杭材4の先端及び外壁における抵抗が軽減されると共に、地盤の掘削により発生した土砂類22を地盤上方に排出させることができる。このとき、杭材内には気体が供給されているため、打ち込み時に気体が適宜圧縮され、流体は連続的に流通する。このため、掘削効果が向上する。
【0031】
更に、杭材4の中空部内へ液体21と共に気体20を供給することにより、その分、液体21の供給量を少なくすることができる。これにより、地盤上方に排出される液体21の量を少なくすることができるため、廃液処理が容易となる。
【0032】
また、杭材4を地盤に打ち込む際に発生する衝撃圧の大部分は、気体20を介して液体21から杭材4に伝達されるが、その衝撃圧の大部分は気体20によって吸収される。従って、杭材4や杭材打込ユニット3などに伝達される衝撃圧を低減させることができるため、杭材打込装置1の耐久性を向上させることができる。
【0033】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、切欠部15と突部17とを係合させて、杭材4に密閉部材8を取り付けているが、クランプなどの把持具を用いて杭材4に密閉部材8を取り付けるようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、掘削効果が高く、廃液処理が容易な杭材打込方法及び杭材打込装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る杭材打込装置の一例を示す図である。
【図2】図1に示す杭材打込装置の密閉部材と杭材とを示す図である。
【図3】図2に示す杭材への密閉部材の取り付け過程を示す図である。
【図4】杭材に密閉部材が取り付けられた状態を示す図である。
【図5】杭材の打込過程を示す図である。
【図6】杭材の打込過程を示す図である。
【符号の説明】
1…杭材打込装置
2…リーダ
3…杭材打込ユニット
4…杭材
5…ベース
6…アンカー
7…クレーン
8…密閉部材
10…蓋部
11…円筒部
12…ロッド
13…パイプ
14…傾斜部
15…切欠部
16…傾斜部
17…突部
20…気体
21…液体
Claims (3)
- 管状の杭材を地盤に打ち込む杭材打込方法であって、
前記杭材の中空部内に前記杭材の上端側から気体及び液体を供給し、
前記杭材の中空部の半分以下となるように前記液体を前記中空部内に収容した状態とし、
前記杭材の上端面を密閉した状態で前記杭材を地盤に打ち込むこと、
を特徴とする杭材打込方法。 - 前記中空部の10〜30%となるように前記液体を前記中空部内に収容した状態とすること、
を特徴とする請求項1に記載の杭材打込方法。 - 管状の杭材を地盤に打ち込む杭材打込装置であって、
前記杭材を地盤に打ち込む杭材打込手段と、
前記杭材の上端面を密閉する密閉部材と、
前記杭材の中空部内に前記杭材の上端側から気体及び液体を供給する流体供給手段と、
を備えることを特徴とする杭材打込装置。
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