JP3955792B2 - 地盤改良装置及び地盤改良工法 - Google Patents

地盤改良装置及び地盤改良工法 Download PDF

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤改良装置及び地盤改良工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、地盤を改良する地盤改良装置の一形態として、掘削軸体の下部周面に撹拌翼体を取り付けると共に、同掘削軸体の下端部に掘削刃体を取り付け、掘削軸体の近傍に改良材吐出部を設けたものがある。
【0003】
そして、かかる地盤改良装置では、掘削軸体を介して掘削刃体を回転させることにより、同掘削刃体により地盤を掘削しながら地盤中に掘進させると共に、上記掘削刃体と一体的に回転する撹拌翼体により掘削土を攪拌し、かつ、改良材吐出部より改良材を吐出して、掘削土と改良材とを混練するようにしている。
【0004】
ここで、改良材としては、セメントペースト等の固化材を使用して、同固化材により掘削土を固化するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した地盤改良装置による地盤改良作業では、地盤中において、掘削土と改良材とを混練するようにしているため、かかる混練が確実にかつ満遍なく行われているか否かの確認が十分に行えず、今一つ信頼性に不安がある。
【0006】
すなわち、上記した混練作業が地盤中における作業であるため、改良材としての固化材により掘削土を固化させて改良土壌となした後に、同改良土壌のサンプリングを行って確認をするようにしているが、かかるサンプリング作業は地盤改良作業が終了した後であるために、事後確認をしているにすぎないという不具合がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、地盤に建て込む筒状のケーシング体と、同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出手段と、同土壌排出手段により土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水中に沈下させて、同ケーシング体内に可動な底部を形成する可動底部形成体と、同可動底部形成体の面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出手段と、同地下水排出手段により地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給手段と、同改良充填材供給手段により改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜手段とを具備することを特徴とする地盤改良装置を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、以下の構成にも特徴を有する。
【0009】
(1)地盤に建て込む筒状のケーシング体と、同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出手段と、同土壌排出手段により土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水の水面上に配置して、同ケーシング体内に可動な底部を形成する可動底部形成体と、同可動底部形成体の下面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出手段と、同地下水排出手段により地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給手段と、同改良充填材供給手段により改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜手段とを具備すること。
【0010】
(2)上記土壌排出手段により排出された土壌と、地下水排出手段により排出された地下水と、改良材とを、地上において混練して改良処理することにより改良済土壌となす改良処理手段を具備して、同改良処理手段により改良処理された改良済土壌を改良充填材として使用すること。
【0011】
(3)可動底部形成体には、同可動底部形成体とケーシング体とにより閉塞された空間内に、可動底部形成体の下方より地下水を取り込み可能とした地下水取込用逆止弁と、改良充填材供給手段より可動底部形成体の下方に改良充填材を供給可能とした改良充填材供給用逆止弁とを設けたこと。
【0012】
(4)可動底部形成体は上方へ凸状に形成して、同可動底部形成体の直下方位置に改良充填材供給空間を形成すると共に、同可動底部形成体の頂部に改良充填材供給用逆止弁を設けたこと。
【0014】
また、本発明は、地盤に筒状のケーシング体を建て込む建込工程と、同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出工程と、土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水中に可動底部形成体を沈下させる沈下工程と、同可動底部形成体の面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出工程と、同地下水排出工程にて地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給工程と、改良充填材供給工程にて改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜工程とにより地盤を改良する地盤改良工法にも特徴を有する。
【0015】
また、本発明は、以下の工程を有する地盤改良工法にも特徴を有する。
【0016】
(1)地下水排出工程と改良充填材供給工程とを同時に行うこと。
【0017】
(2)地盤に筒状のケーシング体を建て込む建込工程と、同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出工程と、土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水の水面上に可動底部形成体を配置する配置工程と、同可動底部形成体の下面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出工程と、同地下水排出工程にて地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給工程と、改良充填材供給工程にて改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜工程とにより地盤を改良すること。
【0018】
(3)上記土壌排出工程にて排出された土壌と、上記地下水排出工程にて排出された地下水と、改良材とを、地上において混練して改良処理する改良処理工程を具備して、同改良処理工程において改良処理された改良済土壌を改良充填材として使用すること。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
すなわち、本発明に係る第1実施形態としての地盤改良装置は、地盤に建て込む筒状のケーシング体と、同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出手段と、同土壌排出手段により土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水中に沈下させて、同ケーシング体内に可動な底部を形成する可動底部形成体と、同可動底部形成体の面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出手段と、同地下水排出手段により地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給手段と、同改良充填材供給手段により改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜手段とを具備している。
【0023】
また、本発明に係る第2実施形態としての地盤改良装置は、地盤に建て込む筒状のケーシング体と、同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出手段と、同土壌排出手段により土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水の水面上に配置して、同ケーシング体内に可動な底部を形成する可動底部形成体と、同可動底部形成体の下面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出手段と、同地下水排出手段により地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給手段と、同改良充填材供給手段により改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜手段とを具備している。
【0024】
そして、上記した第1・第2実施形態としての地盤改良装置では、土壌排出手段により排出された土壌と、地下水排出手段により排出された地下水と、改良材とを、地上において混練して改良処理することにより改良済土壌となす改良処理手段を具備して、同改良処理手段により改良処理された改良済土壌を改良充填材として使用することもできる。
【0025】
しかも、可動底部形成体には、同可動底部形成体とケーシング体とにより閉塞された空間内に、可動底部形成体の下方より地下水を取り込み可能とした地下水取込用逆止弁と、改良充填材供給手段より可動底部形成体の下方に改良充填材を供給可能とした改良充填材供給用逆止弁とを設けている。
【0026】
さらには、可動底部形成体は上方へ凸状に形成して、同可動底部形成体の直下方位置に改良充填材供給空間を形成すると共に、同可動底部形成体の頂部に改良充填材供給用逆止弁を設けることもできる。
【0027】
また、本発明に係る第3実施形態としての地盤改良装置は、地盤に建て込む筒状のケーシング体と、同ケーシング体内の土壌を掘削すると共に、同土壌と地下水とを撹拌して泥水となして、ケーシング体内に可動な底部を形成する可動底部形成体と、同可動底部形成体の下方に形成される泥水を排出する泥水排出手段と、同泥水排出手段により泥水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給手段と、同改良充填材供給手段により改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体1内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜手段とを具備している。
【0028】
また、本発明に係る第1実施形態としての地盤改良工法は、地盤に筒状のケーシング体を建て込む建込工程と、同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出工程と、土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水中に可動底部形成体を沈下させる沈下工程と、同可動底部形成体の面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出工程と、同地下水排出工程にて地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給工程と、改良充填材供給工程にて改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜工程とを具備している。
【0029】
この際、地下水排出工程と改良充填材供給工程とを同時に行うこともできる。
【0030】
また、本発明に係る第2実施形態としての地盤改良工法は、地盤に筒状のケーシング体を建て込む建込工程と、同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出工程と、土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水の水面上に可動底部形成体を配置する配置工程と、同可動底部形成体の下面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出工程と、同地下水排出工程にて地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給工程と、改良充填材供給工程にて改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜工程とを具備している。
【0031】
そして、上記した第1・第2実施形態の地盤改良工法では、土壌排出工程にて排出された土壌と、上記地下水排出工程にて排出された地下水と、改良材とを、地上において混練して改良処理する改良処理工程を具備して、同改良処理工程において改良処理された改良済土壌を改良充填材として使用することもできる。
【0032】
また、本発明に係る第3実施形態としての地盤改良工法は、地盤に筒状のケーシング体を建て込む建込工程と、ケーシング体内の土壌を可動底部形成体に設けた掘削体により掘削すると共に、地下水と一緒に撹拌して泥水化する泥水化工程と、泥水を排出する泥水排出工程と、同泥水排出工程にて泥水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給工程と、同改良充填材供給工程にて改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜工程とを具備している。
【0033】
この際、上記泥水排出工程にて排出された泥水と改良材とを、地上において混練して改良処理する改良処理工程を具備して、同改良処理工程において改良処理された改良済土壌を改良充填材として使用することもできる。
【0034】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0035】
[第1実施例としての地盤改良装置の説明]
図1は、本発明に係る第1実施例としての地盤改良装置Aによる地盤改良工法の工程説明図である。
【0036】
そして、第1実施例としての地盤改良装置Aは、図1に示すように、地盤Gに建て込む筒状のケーシング体1と、同ケーシング体1内の土壌gを排出する土壌排出手段2と、同土壌排出手段2により土壌gが排出されたケーシング体1内に浸入して滞留している地下水W中に沈下させて、同ケーシング体1内に可動な底部を形成する可動底部形成体3と、同可動底部形成体3の面とケーシング体1の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水Wを排出する地下水排出手段4と、同地下水排出手段4により地下水Wが排出されたケーシング体1内において、改良充填材Kを上記可動底部形成体3の下方に供給すると共に、可動底部形成体3を漸次上昇移動させながらケーシング体1内に改良充填材Kを充填する改良充填材供給手段5と、同改良充填材供給手段5により改良充填材Kを供給しながら、若しくは、ケーシング体1内に改良充填材Kを充填した後に、同ケーシング体1を地盤Gから引き抜く引抜手段6とを具備している。
【0037】
ケーシング体1は、図2及び図3に示すように、上下方向に伸延する円筒状に形成している。なお、ケーシング体1の形状は、円筒状に限らず、四角形筒状に形成することもできる。
【0038】
そして、ケーシング体1は、改良すべき地盤Gの所定の位置に建込装置(図示せず)により建て込むようにしている。
【0039】
土壌排出手段2は、図1(a)に示すように、ベースマシン10に土壌排出体11を着脱自在に取り付けている。
【0040】
そして、ベースマシン10は、自走可能なベースマシン本体12に上下方向に伸延するリーダ13を設け、同リーダ13にモータ支持体14を昇降自在に取り付け、同モータ支持体14に駆動用モータ15を搭載し、同駆動用モータ15に上下方向に伸延する掘削軸体16の上端部を着脱自在に取り付け、同掘削軸体16の下端部に土壌排出体11を取り付けている。
【0041】
また、土壌排出体11は、有底筒状に形成すると共に、底部に掘削刃(図示せず)と掘削土壌取込口(図示せず)を形成している。
【0042】
このようにして、地盤Gに建て込んだケーシング体1内の土壌gの直上方位置に土壌排出体11を配置し、同土壌排出体11を駆動用モータ15により掘削軸体16を介して回動させることにより、同ケーシング体1内の土壌gを掘削すると共に、掘削した土壌gを掘削土壌取込口を介して土壌排出体11内に取り込み、同土壌排出体11内に所定量の土壌gを取り込んだところで、掘削軸体16を上昇移動させることにより、同掘削軸体16の下端部に取り付けた土壌排出体11を地上に引き上げて、同土壌排出体11内から土壌gを排出することができる。
【0043】
そして、かかる土壌排出作業を繰り返し行うことにより、図1(b)に示すように、ケーシング体1内の土壌gを排出することができる。
【0044】
ここで、図1(b)に示すように、土壌gを排出したケーシング体1内には地下水Wが浸入して滞留している。
【0045】
可動底部形成体3は、図2及び図3に示すように、円板状に形成した底部形成片20と、同底部形成片20の周縁部より立ち上げて一体成形した円筒状の周壁21とを具備している。
【0046】
そして、底部形成片20には三個の地下水取込用逆止弁22,22,22を設けており、各地下水取込用逆止弁22は、周壁21の中途部に架設した支持体23に上下方向に伸縮する弁本体開閉作動用シリンダ22aを支持させ、同弁本体開閉作動用シリンダ22aの下端部に逆止弁本体22bを取り付けている。
【0047】
また、逆止弁本体22bの直下方に位置する底部形成片20の部分には、地下水取込口24を形成して、同地下水取込口24を逆止弁本体22bにより開閉可能としている。
【0048】
すなわち、弁本体開閉作動用シリンダ22 aを短縮作動させることにより、同弁本体開閉作動用シリンダ22aの下端部に取り付けた逆止弁本体22bを地下水取込口24より上方へ離隔させて、同地下水取込口24を開放することにより、底部形成片20の下方より地下水Wを可動底部形成体3内に取り込むことができるようにしている。
【0049】
そして、弁本体開閉作動用シリンダ22aを伸長作動させることにより、同弁本体開閉作動用シリンダ22aの下端部に取り付けた逆止弁本体22bを地下水取込口24の周縁部に当接させて、同地下水取込口24を閉塞することにより、底部形成片20の下方より地下水Wが可動底部形成体3内に流入するのを防止すると共に、同可動底部形成体3内に取り込んだ地下水Wが地下水取込口24を通して流出するのを防止することができるようにしている。
【0050】
また、底部形成片20の中央部には改良充填材供給用逆止弁25を設けており、同改良充填材供給用逆止弁25は、底部形成片20の中央部に形成した改良充填材供給口26より上方へ立ち上げて供給案内管25aを形成する一方、底部形成片20の下面に弾性素材により可撓性板状に形成した逆止弁本体25bの一側端部を取付ボルト27により取り付けて、同逆止弁本体2 5bにより改良充填材供給口26を下方より閉塞している。
【0051】
このようにして、供給案内管25aを通して上方から改良充填材Kを供給した際には、逆止弁本体25bが下方へ撓んで改良充填材供給口26を開放して、改良充填材Kを底部形成片20の下方へ供給することができるようにしている。
【0052】
そして、地下水Wの水圧が逆止弁本体25bに下方より作用した際には、同逆止弁本体25bが改良充填材供給口26を閉塞して、同改良充填材供給口26を通して地下水Wが可動底部形成体3内に流入するのを防止することができるようにしている。
【0053】
また、可動底部形成体3の周壁21にはシール体28を設けており、同シール体28は、複数の中空リング状のシール形成体28aを周壁21の外周面に沿わせて上下方向に連続させて配置すると共に、これらシール形成体28aを相互にを連通孔28bを介して連通し、最上部のシール形成体28aには周壁21を貫通させて空気出入用接続管28cを接続している。29,30は鍔状保護体、31は吊り下げ用連結片、32は吊り下げワイヤであり、同吊り下げワイヤ32を介してベースマシン10により可動底部形成体3を昇降させることができるようにしている。
【0054】
このようにして、地上に配置した空気圧送・吸引手段(図示せず)に空気出入用接続管28cを接続して、同空気圧送・吸引手段より空気出入用接続管28cを通して最上部のシール形成体28aに空気を圧送すると共に、同シール形成体28aから連通孔28bを通してその下段のシール形成体28aに順次空気を圧送して、全てのシール形成体28aを外側方(周壁21の半径方向)に膨張させることにより、ケーシング体1の内周面にシール体28を押圧させて、同シール体28によりケーシング体1を密閉状態に閉塞することができるようにしている。
【0055】
また、空気圧送・吸引手段により空気出入用接続管28cを通して、全てのシール形成体28aから空気を吸引して、全てのシール形成体28aを適度に収縮させることにより、シール体28とケーシング体1の内周面との間に間隙を保持して、可動底部形成体3をケーシング体1内にて円滑に昇降移動させることがでるようにしている。
【0056】
なお、本実施例では、吊り下げワイヤ32を介してベースマシン10により可動底部形成体3を昇降させるようにしているが、供給案内管25aに剛性を持たせることにより、同供給案内管25aを介してベースマシン10により可動底部形成体3を昇降させることも、また、供給案内管25aとは別途に昇降連結部材としての剛性パイプや剛性シャフト等の剛性体を設けることもできる。
【0057】
そして、供給案内管25aや剛性パイプを用いた場合には、これらを回転させることにより、可動底部形成体3をケーシング体1内で上下方向の軸線廻りに回転させながら昇降(引き上げ・押し下げ)させることもできる。
【0058】
また、ケーシング体1内の最下部位置まで可動底部形成体3を下降させた状態において、同可動底部形成体3の下方に地下水Wが浸入して、同可動底部形成体3の下面に地下水圧が下方より上方へ押し上げる方向に作用する場合には、剛性の供給案内管25aや剛性パイプを介して上方より下方へ押し下げる方向に適度に抵抗作用を加えることもできる。
【0059】
地下水排出手段4は、図1に示すように、地上に地下水貯留槽33を配置し、同地下水貯留槽33に地下水吸引パイプ34の基端部を接続する一方、図2及び図3に示すように、同地下水吸引パイプ34の先端部34a,34aを二又状に分岐させて形成して、可動底部形成体3内に配置している。
【0060】
このようにして、可動底部形成体3内に取り込んだ地下水Wを、地下水吸引パイブ34の先端部34a,34aより吸引して、地上に配置した地下水貯留槽33内に貯留することができるようにしている。
【0061】
改良充填材供給手段5は、図1に示すように、地上に改良充填材貯留槽40を配置し、同改良充填材貯留槽40に圧送ポンプ41の吸引口側を接続し、同圧送ポンプ41の吐出口側に改良充填材供給パイプ42の基端部を接続する一方、同改良充填材供給パイプ42の先端部を前記した供給案内管25aに接続している。
【0062】
このようにして、図1(c)(d)に示すように、改良充填材貯留槽40内に貯留している改良充填材Kを圧送ポンプ41により吸引すると共に、改良充填材供給パイプ42→供給案内管25a→改良充填材供給口26に圧送(供給)することにより、改良充填材供給口26を閉塞している逆止弁本体25bを開放させて、同改良充填材供給口26より改良充填材Kを底部形成片20の下方へ供給することができるようにしている。
【0063】
ここで、本実施例では、図1(c)に示すように、地上に、前記した土壌排出手段2により排出した排出土壌を貯留する排出土壌貯留槽43と、改良材(汚染土壌を浄化する浄化材やセメントミルク等の固化材)を供給する改良材供給槽44と、前記した地下水貯留槽33内に貯留している地下水Wと上記排出土壌と改良材とをミキシングして混練するミキサー45とを近接させて配置しており、同ミキサー45により混練した処理済土壌を改良充填材Kとなすようにしている。
【0064】
そして、ミキサー45に改良充填材貯留槽40を接続して、同ミキサー45より改良充填材貯留槽40に改良充填材Kを供給して貯留するようにしている。
【0065】
引抜手段6は、図1(e)に示すように、ベースマシン10に吊り下げワイヤ32を介してケーシング体1を連結することにより、同ベースマシン10によりケーシング体1を地盤Gより上方へ引き抜くことができるようにしている。
【0066】
[第1実施例としての地盤改良工法の説明]
次に、上記のように構成した第1実施例としての地盤改良装置Aにより地盤改良作業を行う地盤改良工法について、図1を参照しながら説明する。
【0067】
すなわち、第1実施例としての地盤改良工法は、〔建込工程〕と〔土壌排出工程〕と〔沈下工程〕と〔地下水排出工程〕と〔改良処理工程〕と〔改良充填材供給工程〕と〔引抜工程〕とからなる。
【0068】
(1)〔建込工程〕
地盤Gに筒状のケーシング体1を建て込む工程であり、ケーシング体1は、改良すべき地盤Gの所定の位置に建込装置(図示せず)により建て込むようにしている。
【0069】
(2)〔土壌排出工程〕
ケーシング体1内の土壌gを排出する工程であり、図1(a)に示すように、地盤Gに建て込んだケーシング体1内の土壌gの直上方位置に土壌排出体11を配置し、同土壌排出体11を駆動用モータ15により掘削軸体16を介して回動させることにより、同ケーシング体1内の土壌gを掘削すると共に、掘削した土壌gを掘削土壌取込口を介して土壌排出体11内に取り込み、同土壌排出体11内に所定量の土壌gを取り込んだところで、掘削軸体16を上昇移動させることにより、同掘削軸体16の下端部に取り付けた土壌排出体11を地上に引き上げて、同土壌排出体11内から土壌gを排出する。
【0070】
そして、かかる土壌排出作業を繰り返し行うことにより、図1(b)に示すように、ケーシング体1内の土壌gを排出する。
【0071】
(3)〔沈下工程〕
図1(b)に示すように、土壌gが排出されたケーシング体1内に浸入して滞留している地下水中に、図1(c)に示すように、可動底部形成体3を沈下させる工程である。
【0072】
すなわち、弁本体開閉作動用シリンダ22aを短縮作動させることにより、同弁本体開閉作動用シリンダ22aの下端部に取り付けた逆止弁本体22bを地下水取込口24より上方へ離隔させて、同地下水取込口24を開放する。
【0073】
これによって、底部形成片20の下方より地下水Wを可動底部形成体3内に取り込みながら、同可動底部形成体3を自重により沈下させる。
【0074】
そして、可動底部形成体3がケーシング体1の下部まで沈下したところで、弁本体開閉作動用シリンダ22aを伸長作動させることにより、同弁本体開閉作動用シリンダ22aの下端部に取り付けた逆止弁本体22bを地下水取込口24の周縁部に当接させて、同地下水取込口24を閉塞する。
【0075】
これによって、底部形成片20の下方より地下水Wが可動底部形成体3内に流入するのを防止すると共に、同可動底部形成体3内に取り込んだ地下水Wが地下水取込口24を通して流出するのを防止する。
【0076】
続いて、地上に配置した空気圧送・吸引手段(図示せず)に空気出入用接続管28cを接続して、同空気圧送・吸引手段より空気出入用接続管28cを通して最上部のシール形成体28aに空気を圧送すると共に、同シール形成体28aから連通孔28bを通してその下段のシール形成体28aに順次空気を圧送して、全てのシール形成体28aを外側方(周壁21の半径方向)に膨張させることにより、ケーシング体1の内周面にシール体28を押圧させて、同シール体28によりケーシング体1を密閉状態に閉塞する。
【0077】
(4)〔地下水排出工程〕
可動底部形成体3の上面とケーシング体1の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水Wを排出する工程である。
【0078】
すなわち、可動底部形成体3内に取り込んだ地下水Wを、地下水吸引パイブ34の先端部34a,34aより吸引して、地上に配置した地下水貯留槽33内に貯留する工程である。
【0079】
(5)〔改良処理工程〕
前記した〔土壌排出工程〕にて排出された土壌gと、前記した〔地下水排出工程〕にて排出された地下水Wと、改良材とを、地上においてミキサー45により混練して改良処理することにより、処理済土壌を改良充填材Kとなす工程である。
【0080】
この際、地上に排出された土壌gや地下水Wに有害物質が混在している場合には、改良材として所要の浄化材を加えることにより、有害物質を確実に浄化したり、又は、無害化することができる。
【0081】
また、改良材として、固化材を加えることにより、有害物質が混在した土壌gと地下水Wとを固化させることができて、柱状の改良充填材K中に有害物質を確実に封じ込めることができる。
【0082】
そして、地上に排出した土壌gと地下水Wに改良材を混練して改良充填材Kとなし、その後に埋め戻すため、地盤改良現場には排出土壌や排出地下水が残留することがない。
【0083】
また、かかる改良充填材Kは、ミキサー45より改良充填材貯留槽40に供給して貯留する。
【0084】
(6)〔改良充填材供給工程〕
前記した〔地下水排出工程〕にて地下水Wが排出されたケーシング体1内において、改良充填材Kを可動底部形成体3の下方に供給すると共に、可動底部形成体3を漸次上昇移動させながらケーシング体1内に改良充填材Kを充填する工程である。
【0085】
すなわち、図1(d)に示すように、改良充填材貯留槽40内に貯留している改良充填材Kを圧送ポンプ41により吸引すると共に、改良充填材供給パイプ42→供給案内管25a→改良充填材供給口26に圧送(供給)することにより、改良充填材供給口26を閉塞している逆止弁本体25bを開放させて、同改良充填材供給口26より改良充填材Kを底部形成片20の下方へ供給する工程である。
【0086】
この際、改良充填材Kは、可動底部形成体3の下方に供給すると共に、可動底部形成体3を漸次上昇移動させながらケーシング体1内に改良充填材Kを充填するようにしているため、改良材充填空間内に地下水が浸入するのを可及的に防止することができて、ケーシング体1を引き抜いた後には、図1(e)に示すように、地盤G中に柱状の改良充填材Kを確実に形成することができる。
【0087】
そして、地下水Wの水圧が逆止弁本体25bに下方より作用した場合には、同逆止弁本体25bが改良充填材供給口26を閉塞して、同改良充填材供給口26を通して地下水Wが可動底部形成体3内に流入するのを防止することができる。
【0088】
また、空気圧送・吸引手段により空気出入用接続管28cを通して、全てのシール形成体28aから空気を吸引して、全てのシール形成体28aを適度に収縮させることにより、シール体28の外周面とケーシング体1の内周面との間に間隙を保持して、可動底部形成体3をケーシング体1内にて円滑に上昇移動させることがでる。
【0089】
(7)〔引抜工程〕
図1(e)に示すように、前記した〔改良充填材供給工程〕にて改良充填材Kを供給しながら、若しくは、ケーシング体1内に改良充填材Kを充填した後に、同ケーシング体1を地盤Gから引き抜く工程である。
【0090】
すなわち、ベースマシン10に吊り下げワイヤ32を介してケーシング体1を連結することにより、同ベースマシン10によりケーシング体1を地盤Gより上方へ引き抜く工程である。
【0091】
また、本実施例では、〔地下水排出工程〕が完了した後に〔改良充填材供給工程〕に入るようにしているが、〔地下水排出工程〕と〔改良充填材供給工程〕は、同時に行うこともできる。
【0092】
このようにして、二つの工程を平行して同時に行うことにより、地盤改良作業を効率的に行うことができて、作業時間の短縮化と作業コストの低減化とを図ることができる。
【0093】
そして、図4に示すように、かかる柱状の改良充填材Kを地盤G中に連続的に形成することにより、同地盤Gを精度良く効率的に改良することができる。
【0094】
[第2実施例としての地盤改良装置の説明]
次に、第2実施例としての地盤改良装置Aについて説明する。
【0095】
すなわち、第2実施例としての地盤改良装置Aは、地盤Gに建て込む筒状のケーシング体1と、同ケーシング体1内の土壌gを排出する土壌排出手段2と、同土壌排出手段2により土壌gが排出されたケーシング体1内に浸入して滞留している地下水Wの水面Ws上に配置して、同ケーシング体1内に可動な底部を形成する可動底部形成体3と、同可動底部形成体3の下面とケーシング体1の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水Wを排出する地下水排出手段4と、同地下水排出手段4により地下水Wが排出されたケーシング体1内において、改良充填材Kを上記可動底部形成体3の下方に供給すると共に、可動底部形成体3を漸次上昇移動させながらケーシング体1内に改良充填材Kを充填する改良充填材供給手段5と、同改良充填材供給手段5により改良充填材Kを供給しながら、若しくは、ケーシング体1内に改良充填材Kを充填した後に、同ケーシング体1を地盤Gから引き抜く引抜手段6とを具備している。
【0096】
ここで、第2実施例としての地盤改良装置Aは、第1実施例としての地盤改良装置Aと基本的構造を同じくしているが、可動底部形成体3の構造において異なる。
【0097】
すなわち、第2実施例としての地盤改良装置Aの可動底部形成体3は、図5及び図6に示すように、第1実施例に係る可動底部形成体3と基本的構造を同じくしているが、底部形成片20の周囲に複数(本実施例では三個)の地下水取込口24,24,24を形成し、各地下水取込口24,24,24に地下水取込用逆止弁46,46,46を設けて、各地下水取込用逆止弁46,46,46の周囲を地下水吸引ケース47,47,47により被覆し、各地下水吸引ケース47,47,47に地下水吸引パイプ34より三つ又状に分岐させて形成した先端部34a,34a,34aを連通連設している。
【0098】
そして、地下水取込用逆止弁46は、底部形成片20の上面に弾性素材により可撓性板状に形成した逆止弁本体46aの一側端部を取付ボルト48により取り付けて、同逆止弁本体46aにより地下水取込口24を上方より閉塞している。
【0099】
このようにして、底部形成片20の下方より地下水Wが可撓性板状の逆止弁本体46aを下方より押圧した場合には、同逆止弁本体46aが上方へ屈曲状に変形されて、地下水取込口24が開口されることより、同地下水取込口24より地下水Wを容易に取り込むことができる。
【0100】
一方、可動底部形成体3内に取り込んだ地下水Wが逆止弁本体46aに上方より押圧作用した場合には、同逆止弁本体46aが地下水取込口24の周縁部に密閉状態に押圧されて、同地下水取込口24を密閉することより、可動底部形成体3内に一旦取り込んだ地下水Wが、地下水取込口24を通して可動底部形成体3の外部に流出するのを防止することができる。
【0101】
従って、第2実施例としての地盤改良装置Aでは、ケーシング体1内の土壌gを排出して、ケーシング体1内に地下水Wを浸入・滞留させ、同地下水Wの水面Ws上に可動底部形成体3を配置して、同配置状態にて地下水Wを地下水吸引パイプ34を通して排水しながら可動底部形成体3をケーシング体1の下部まで下降移動させることにより、ケーシング体1と可動底部形成体3とにより改良充填材Kを充填する空間を確保して、同空間内に品質管理されて所要の精度を有する改良充填材を充填することができる。
【0102】
この際、改良充填材貯留槽40内に貯留している改良充填材Kを圧送ポンプ41により吸引すると共に、改良充填材供給パイプ42→供給案内管25a→改良充填材供給口26に圧送(供給)することにより、改良充填材供給口26を閉塞している逆止弁本体25bを開放させて、同改良充填材供給口26より改良充填材Kを底部形成片20の下方へ供給する。
【0103】
従って、改良充填材Kを充填する空間内に地下水Wが浸入するのを可及的に防止することができて、ケーシング体1を引き抜いた後には、地盤G中に柱状の改良充填材Kを確実に形成することができる。
【0104】
また、可動底部形成体3を昇降させる際には、シール体28を適宜膨張・収縮させることにより、同シール体28の外周面とケーシング体1の内周面との間の間隙調整を行って、可動底部形成体3を円滑に昇降させることができる。
【0105】
[第2実施例としての地盤改良工法の説明]
次に、上記のように構成した第2実施例としての地盤改良装置Aにより地盤改良作業を行う地盤改良工法について、図1を参照しながら説明する。
【0106】
すなわち、第2実施例としての地盤改良工法は、〔建込工程〕と〔土壌排出工程〕と〔配置工程〕と〔地下水排出工程〕と〔改良処理工程〕と〔改良充填材供給工程〕と〔引抜工程〕とからなり、第1実施例としての地盤改良工法とは、〔配置工程〕と〔地下水排出工程〕において異なる。
【0107】
〔配置工程〕
配置工程は、土壌gが排出されたケーシング体1内に浸入して滞留している地下水Wの水面Ws上に可動底部形成体3を配置する工程である。
【0108】
〔地下水排出工程〕
地下水排出工程は、可動底部形成体3の下面とケーシング体1の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水Wを排出する工程である。
【0109】
すなわち、地下水Wの水面Wsに可動底部形成体3の底部形成片20の下面を接触させて、同接触状態にて地下水Wを地下水吸引パイプ34を通して排水しながら可動底部形成体3をケーシング体1の下部まで下降移動させる工程である。
【0110】
このように、第2実施例にかかる地盤改良工法では、地下水Wの水面Wsに可動底部形成体3の底部形成片20の下面を接触させた状態にて地下水Wの排水作業を行うようにしているため、第1実施例にかかる地盤改良工法のように、一旦可動底部形成体3をケーシング体1の下部まで沈下させた後に、地下水Wの排水作業を行う場合に比して、地下水Wの排出作業を迅速に行うことができる。
【0111】
[第1実施例に係る可動底部形成体の変容例の説明]
図7は、第1実施例に係る可動底部形成体3の変容例を示しており、同可動底部形成体3は、底部形成片20を上方へ凸状の略円錐形状に形成して、同底部形成片20の直下方位置に改良充填材供給空間Sを形成すると共に、同底部形成片20の頂部に改良充填材供給用逆止弁25を設けている。
【0112】
このようにして、可動底部形成体3の底部形成片20を上方へ凸状に形成して、同底部形成片20の頂部に設けた改良充填材供給用逆止弁25を介して改良充填材Kを供給するようにしているため、同改良充填材Kを底部形成片20の下面に沿わせて円滑に供給させることができて、同改良充填材Kにより地下水Wを上方より抑圧しながら充填していくことができる。
【0113】
[第3実施例としての可動底部形成体の説明]
図8は、第3実施例としての可動底部形成体3を示しており、同可動底部形成体3は、第1実施例に係る可動底部形成体3と基本的構造を同じくしているが、底部形成片20の中央部に、地下水取込口24と改良充填材供給口26とを兼用する取込・供給口50を形成し、同取込・供給口50に供給案内管25aと地下水吸引パイプ34とを兼用する吸引・供給管51の先端を接続している点で異なる。
【0114】
そして、吸引・供給管51の先端部に三方弁52を介して吸気管54の基端部を接続し、同吸気管54の先端部を可動底部形成体3内に開口させている。
【0115】
このようにして、三方弁52を切替操作することにより、吸引・供給管51内に上下方向に連通する地下水吸引流路55ないしは改良充填材供給流路56を形成することも、また、同三方弁52を切替操作することにより、吸引・供給管51の先端部と吸気管54とを連通させて吸気流路57を形成することもできる。
【0116】
従って、地下水Wを吸引する際には、三方弁52を切替操作して吸引・供給管51内に地下水吸引流路55を形成し、同状態にて地下水吸引流路55を通して地下水Wを吸引することができる。
【0117】
そして、改良充填材Kを充填する際には、一旦、三方弁52を切替操作して吸引・供給管51の先端部と吸気管54とを連通させて吸気流路57を形成し、同状態にて吸引・供給管51内に残っている地下水Wを吸引して排出し、その後に、三方弁52を切替操作して吸引・供給管51内に改良充填材供給流路56を形成し、同状態にて改良充填材供給流路56を通して改良充填材Kを供給することができる。
【0118】
このように、第3実施例に係る可動底部形成体3では、供給案内管25aと地下水吸引パイプ34とを吸引・供給管51により兼用しているため、同可動底部形成体3の構造が簡易となり、同可動底部形成体3を低コストにて製造することができる。
【0119】
そして、改良充填材Kを供給する前に、吸引・供給管51内の残水としての地下水Wを吸気流路57を通して排出することができるため、改良充填材Kを供給した際に、残水が改良充填材Kに先だって排出されることがない。
【0120】
[第3実施例としての地盤改良装置の説明]
図9は、本発明に係る第3実施例としての地盤改良装置Aによる地盤改良工法の工程説明図である。
【0121】
そして、第3実施例としての地盤改良装置Aは、図9に示すように、地盤Gに建て込む筒状のケーシング体1と、同ケーシング体1内の土壌gを掘削すると共に、同土壌gと地下水(図示せず)とを撹拌して泥水Dwとなして、ケーシング体1内に可動な底部を形成する可動底部形成体3と、同可動底部形成体3の下方に形成される泥水Dwを排出する泥水排出手段60と、同泥水排出手段60により泥水Dwが排出されたケーシング体1内において、改良充填材Kを上記可動底部形成体3の下方に供給すると共に、可動底部形成体3を漸次上昇移動させながらケーシング体1内に改良充填材Kを充填する改良充填材供給手段61と、同改良充填材供給手段61により改良充填材Kを供給しながら、若しくは、ケーシング体1内に改良充填材Kを充填した後に、同ケーシング体1を地盤Gから引き抜く引抜手段6とを具備している。
【0122】
可動底部形成体3は、図10及び図11に示すように、底部形成片20と、同底部形成片20の周縁部より立ち上げて一体成形した円筒状の周壁21とを具備している。
【0123】
そして、底部形成片20は、中央部20aを上方へ略星形錘形状に膨出させて、中央部下面に取込・供給空間S’を形成しており、同中央部20aの頂部には排出・供給口62を形成し、同排出・供給口62に後述する泥水排出手段60の一部を形成する排出・供給管63の先端部を接続し、周縁部20bに複数(本実施例では五個)の掘削体駆動用モータ64,64,64,64,64を円周方向に一定の間隔を開けて配置すると共に、各掘削体駆動用モータ64より直下方へ向けて駆動軸65を周縁部20bに貫通させ、各駆動軸65の下端部に掘削体66を取り付けている。
【0124】
このようにして、各掘削体駆動用モータ64を駆動させることにより、各駆動軸65を介して各掘削体66を回転させて、各掘削体66により土壌gを掘削すると共に、同土壌gと地下水とを撹拌してこれらを泥水Dwとなすようにしている。
【0125】
そして、泥水は、取込・供給空間S’内に取り込まれて、同取込・供給空間S’より排出・供給口62を通して後述する泥水排出手段60により地上に排出されるようにしている。
【0126】
周壁21内には昇降ロッド連結体67を架設して、同昇降ロッド連結体67にベースマシン10に設けた昇降ロッド68の下端部を連結して、同ベースマシン10により昇降ロッド68を介して可動底部形成体3を昇降させることができるようにしている。
【0127】
この際、可動底部形成体3は、必要に応じて、昇降ロッド68を回転駆動させることにより、上下方向の軸線廻りに回転させながら昇降させることもできる。
【0128】
また、周壁21の外周面には、シール体28を設けており、同シール体28を必要に応じて適宜膨張させてケーシング体1の内周面に密着させることも、また、適宜収縮させてケーシング体1の内周面との間に適度の間隙を形成して、可動底部形成体3をケーシング体1の内周面に沿って昇降摺動させることができるようにしている。
【0129】
泥水排出手段60は、図9(b)にも示すように、地上に泥水貯留槽69を配置し、同泥水貯留槽69に排出管70の基端部を接続し、同排出管70の先端部に三方弁71を介して排出・供給管63の基端部を接続する一方、図10に示すように、同排出・供給管63の先端部を前記した排出・供給口62に接続している。
【0130】
このようにして、取込・供給空間S’内に取り込まれた泥水Dwを、同取込・供給空間S’→排出・供給口62→排出・供給管63→三方弁71→排出管70→泥水貯留槽69に排出・貯留することができるようにしている。
【0131】
ここで、本実施例では、図9( b)に示すように、地上に、前記した泥水貯留槽69に近接させて給水槽72と改良材供給槽44とミキサー45と改良充填材貯留槽40と圧送ポンプ41とを配置している。
【0132】
このようにして、泥水貯留槽69内に貯留している泥水Dwと、給水槽72内の水と、改良材供給槽44内に収容している改良材とをミキサー45に供給して、これらを同ミキサー45により混練することにより、処理済土壌を改良充填材Kとなし、同改良充填材Kを改良充填材貯留槽40に供給して貯留するようにしている。
【0133】
改良充填材供給手段61は、図9(b)(c)及び図10に示すように、圧送ポンプ41に供給管73の基端部を接続し、同供給管73の先端部を三方弁71を介して排出・供給管63の基端部に接続している。
【0134】
このようにして、改良充填材Kを、圧送ポンプ41→供給管73→三方弁71→排出・供給管63→排出・供給口62→取込・供給空間S’内に圧送・供給することができるようにしている。
【0135】
また、本実施例では、給水手段74を設けており、同給水手段74は、給水槽72に給水管75の基端部を接続し、同給水管75の先端部を可動底部形成体3の周縁部20bに上方から下方へ貫通状態に接続している。
【0136】
このようにして、給水槽72より給水管75を通して可動底部形成体3の下方に給水することができるようにしており、泥水Dwの粘調性度合等に応じて給水することにより、泥水Dwをスムーズに排出することができるようにしている。
【0137】
[第3実施例としての地盤改良工法の説明]
次に、上記のように構成した第3実施例としての地盤改良装置Aにより地盤改良作業を行う地盤改良工法について、図9を参照しながら説明する。
【0138】
すなわち、第3実施例としての地盤改良工法は、〔建込工程〕と〔泥水化工程〕と〔泥水排出工程〕と〔改良処理工程〕と〔改良充填材供給工程〕と〔引抜工程〕とからなる。
【0139】
(1)〔建込工程〕
図9(a)に示すように、地盤Gに筒状のケーシング体1を建て込む工程であり、ケーシング体1は、改良すべき地盤Gの所定の位置に建込装置(図示せず)により建て込むようにしている。
【0140】
(2)〔泥水化工程〕
図9(b)に示すように、ケーシング体1内の土壌gを可動底部形成体3に設けた掘削体66により掘削すると共に、地下水と(必要に応じて給水と)一緒に撹拌して泥水化する工程であり、泥水Dwは、可動底部形成体3の取込・供給空間S’内に取り込まれるようにしている。
【0141】
(3)〔泥水排出工程〕
図9(b)に示すように、可動底部形成体3の取込・供給空間S’内に取り込まれた泥水Dwを、同取込・供給空間S’→排出・供給口62→排出・供給管63→三方弁71→排出管70→地上に配置した泥水貯留槽69に排出・貯留する工程である。
【0142】
このようにして、ケーシング体1内の土壌gを泥水化しながら地上に排出する。
【0143】
(4)〔改良処理工程〕
前記した〔泥水排出工程〕にて排出された泥水Dwと改良材とを、地上においてミキサー45により混練して改良処理することにより、処理済土壌を改良充填材Kとなす工程である。
【0144】
この際、地上に排出された泥水Dwに有害物質が混在している場合には、改良材として所要の浄化材を加えることにより、有害物質を確実に浄化したり、又は、無害化することができる。
【0145】
また、改良材として、固化材を加えることにより、有害物質が混在した泥水Dwを固化させることができて、柱状の改良充填材K中に有害物質を確実に封じ込めることができる。
【0146】
そして、地上に排出した泥水Dwに改良材を混練して改良充填材Kとなし、その後に埋め戻すため、地盤改良現場には排出泥水が残留することがない。
【0147】
また、かかる改良充填材Kは、ミキサー45より改良充填材貯留槽40に供給して貯留する。
【0148】
(5)〔改良充填材供給工程〕
前記した〔泥水排出工程〕にて泥水Dwが排出されたケーシング体1内において、改良充填材Kを可動底部形成体3の下方に供給すると共に、可動底部形成体3を漸次上昇移動させながらケーシング体1内に改良充填材Kを充填する工程である。
【0149】
すなわち、図9(c)に示すように、改良充填材貯留槽40内に貯留している改良充填材Kを圧送ポンプ41により吸引すると共に、圧送ポンプ41→供給管73→三方弁71→排出・供給管63→排出・供給口62→取込・供給空間S’内に圧送・供給する工程である。
【0150】
この際、改良充填材Kは、可動底部形成体3の下方に供給すると共に、可動底部形成体3を漸次上昇移動させながらケーシング体1内に改良充填材Kを充填するようにしているため、改良材充填空間内に地下水が浸入するのを可及的に防止することができて、ケーシング体1を引き抜いた後には、図1(d)に示すように、地盤G中に柱状の改良充填材Kを確実に形成することができる。
【0151】
また、空気圧送・吸引手段により空気出入用接続管28cを通して、全てのシール形成体28aから空気を吸引して、全てのシール形成体28aを適度に収縮させることにより、シール体28の外周面とケーシング体1の内周面との間に間隙を保持して、可動底部形成体3をケーシング体1内にて円滑に上昇移動させることができる。
【0152】
(6)〔引抜工程〕
図1(d)に示すように、前記した〔改良充填材供給工程〕にて改良充填材Kを供給しながら、若しくは、ケーシング体1内に改良充填材Kを充填した後に、同ケーシング体1を地盤Gから引き抜く工程である。
【0153】
すなわち、ベースマシン10に吊り下げワイヤ32を介してケーシング体1を連結することにより、同ベースマシン10によりケーシング体1を地盤Gより上方へ引き抜く工程である。
【0154】
そして、図4に示すように、かかる柱状の改良充填材Kを地盤G中に連続的に形成することにより、同地盤Gを精度良く効率的に改良することができる。
【0155】
【発明の効果】
(1)請求項1記載の本発明に係る地盤改良装置は、地盤に建て込む筒状のケーシング体と、同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出手段と、同土壌排出手段により土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水中に沈下させて、同ケーシング体内に可動な底部を形成する可動底部形成体と、同可動底部形成体の面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出手段と、同地下水排出手段により地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給手段と、同改良充填材供給手段により改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜手段とを具備している。
【0156】
このようにして、地盤に建て込んだケーシング体内の土壌を排出して、同ケーシング体内に地下水を浸入・滞留させ、ケーシング体内の地下水中に可動底部形成体を沈下させて、同可動底部形成体の面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出することにより、改良充填材を充填する空間を確保して、同空間内に品質管理されて所要の精度を有する改良充填材を充填することができる。
【0157】
この際、改良充填材は、可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながら充填空間内に改良充填材を充填するようにしているため、充填空間内に地下水が浸入するのを可及的に防止することができ、改良充填材と地下水とを可及的に接触させないようにして充填することができて、ケーシング体を引き抜いた後には、地盤中に品質管理された柱状の改良充填材を確実に形成することができる。
【0158】
そして、かかる柱状の改良充填材を地盤中に連続的に形成することにより、広範囲に地盤の改良を行うことができると共に、同地盤を精度良く効率的に改良することができる。
【0159】
ここで、廃棄物による地下汚染によって地盤の土壌に有害物質が混在している場合でも、有害物質が混在している土壌に代えて、柱状の改良充填材を地盤中に連続的に形成することにより、広範囲に地盤改良を行うことができる。
【0160】
この際、改良充填材として、有害物質浄化材や固化材を混練した充填材を使用することにより、改良した地盤が、有害物質や汚染された地下水により汚染されるのを防止することができる。
【0161】
(2)請求項2記載の本発明に係る地盤改良装置は、地盤に建て込む筒状のケーシング体と、同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出手段と、同土壌排出手段により土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水の水面上に配置して、同ケーシング体内に可動な底部を形成する可動底部形成体と、同可動底部形成体の下面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出手段と、同地下水排出手段により地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給手段と、同改良充填材供給手段により改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を土壌から引き抜く引抜手段とを具備している。
【0162】
このようにして、地盤に建て込んだケーシング体内の土壌を排出して、同ケーシング体内に地下水を浸入・滞留させ、同状態にてケーシング体内の地下水の水面上に可動底部形成体を配置して、同可動底部形成体の下面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排水しながら可動底部形成体を下降移動させることにより、ケーシング体と可動底部形成体とにより改良充填材を充填する空間を確保して、同空間内に品質管理されて所要の精度を有する改良充填材を充填することができる。
【0163】
この際、改良充填材は、可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながら充填空間内に改良充填材を充填するようにしているため、充填空間内に地下水が浸入するのを可及的に防止することができ、改良充填材と地下水とを可及的に接触させないようにして充填することができて、ケーシング体を引き抜いた後には、地盤中に品質管理された柱状の改良充填材を確実に形成することができる。
【0164】
そして、かかる柱状の改良充填材を地盤中に連続的に形成することにより、広範囲に地盤の改良を行うことができると共に、同地盤を精度良く効率的に改良することができる。
【0165】
ここで、廃棄物による地下汚染によって地盤の土壌に有害物質が混在している場合でも、有害物質が混在している土壌に代えて、柱状の改良充填材を地盤中に連続的に形成することにより、広範囲に地盤改良を行うことができる。
【0166】
この際、改良充填材として、有害物質浄化材や固化材を混練した充填材を使用することにより、改良した地盤が、有害物質や汚染された地下水により汚染されるのを防止することができる。
【0167】
(3)請求項3記載の本発明に係る地盤改良装置では、上記土壌排出手段により排出された土壌と、地下水排出手段により排出された地下水と、改良材とを、地上において混練して改良処理することにより改良済土壌となす改良処理手段を具備して、同改良処理手段により改良処理された改良済土壌を改良充填材として使用するようにしている。
【0168】
このようにして、ケーシング体内の土壌と地下水とを一旦地上に排出し、同地上において、これらの土壌と地下水に改良材を加えて、これらを混練して改良処理するようにしているため、かかる混練状況の確認・管理を容易に行うことができて、改良処理作業を効率良くしかも確実に行うことができる。
【0169】
この際、地上に排出された土壌や地下水に有害物質が混在している場合には、改良材として所要の浄化材を加えることにより、有害物質を確実に浄化したり、又は、無害化することができる。
【0170】
また、改良材として、固化材を加えることにより、有害物質が混在した土壌と地下水とを固化させることができて、柱状の改良充填材中に有害物質を確実に封じ込めることができる。
【0171】
そして、地上に排出した土壌と地下水に改良材を混練した後に埋め戻すため、地盤改良現場に排出土壌や排出地下水が残留することがない。
【0172】
(4)請求項4記載の本発明に係る地盤改良装置では、可動底部形成体には、同可動底部形成体とケーシング体とにより閉塞された空間内に、可動底部形成体の下方より地下水を取り込み可能とした地下水取込用逆止弁と、改良充填材供給手段より可動底部形成体の下方に改良充填材を供給可能とした改良充填材供給用逆止弁とを設けている。
【0173】
このようにして、可動底部形成体に設けた地下水取込用逆止弁を介して可動底部形成体の下方より地下水をケーシング体内に取り込むことができると共に、同可動底部形成体をケーシング体内の地下水中に沈下させることができる。
【0174】
そして、ケーシング体と可動底部形性体とにより形成される空間内に地下水を充満させて、同地下水を地下水排出手段により排出することができる。
【0175】
続いて、可動底部形成体に設けた改良充填材供給用逆止弁を介して可動底部形成体の下方へ改良充填材を改良充填材供給手段により供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させて、ケーシング体内に改良充填材を充填することができる。
【0176】
この際、可動底部形成体の上には地下水がないため、同可動底部形成体を楽に上昇移動させることができて、改良充填材の充填作業を迅速に行うことができる。
【0177】
(5)請求項5記載の本発明に係る地盤改良装置では、可動底部形成体は上方へ凸状に形成して、同可動底部形成体の直下方位置に改良充填材供給空間を形成すると共に、同可動底部形成体の頂部に改良充填材供給用逆止弁を設けている。
【0178】
このようにして、可動底部形成体を上方へ凸状に形成して、同可動底部形成体の頂部に設けた改良充填材供給用逆止弁を介して改良充填材を供給するようにしているため、同改良充填材を可動底部形成体の下面に沿わせて供給させることができて、同改良充填材により地下水を上方より抑圧しながら充填していくことができる。
【0186】
)請求項記載の本発明に係る地盤改良工法は、
1)地盤に筒状のケーシング体を建て込む建込工程と、
2)同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出工程と、
3)土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水中に可動底部形成体を沈下させる沈下工程と、
4)同可動底部形成体の面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出工程と、
5)同地下水排出手段により地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給工程と、
6)改良充填材供給工程にて改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜工程と、
を具備している。
【0187】
このようにして、建込工程→土壌排出工程→沈下工程→地下水排出工程→改良充填材供給工程→引抜工程を経ることにより、改良すべき地盤中に改良充填材を柱状に充填することができる。
【0188】
そして、かかる柱状の改良充填材を地盤中に連続的に形成することにより、広範囲に地盤の改良を行うことができると共に、同地盤を精度良く効率的に改良することができる。
【0189】
ここで、廃棄物による地下汚染によって地盤の土壌に有害物質が混在している場合でも、有害物質が混在している土壌に代えて、柱状の改良充填材を地盤中に連続的に形成することにより、広範囲に地盤改良を行うことができる。
【0190】
この際、改良充填材として、有害物質浄化材や固化材を混練した充填材を使用することにより、改良した地盤が、有害物質や汚染された地下水により汚染されるのを防止することができる。
【0191】
)請求項記載の本発明に係る地盤改良工法では、地下水排出工程と改良充填材供給工程とを同時に行うようにしている。
【0192】
このようにして、二つの工程を平行して同時に行うことにより、地盤改良作業を効率的に行うことができて、作業時間の短縮化と作業コストの低減化とを図ることができる。
【0193】
)請求項記載の本発明に係る地盤改良工法は、
1)地盤に筒状のケーシング体を建て込む建込工程と、
2)同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出工程と、
3)土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水の水面上に可動底部形成体を配置する配置工程と、
4)同可動底部形成体の下面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出工程と、
5)同地下水排出手段により地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給工程と、
6)改良充填材供給工程にて処理済土壌を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜工程と、
を具備している。
【0194】
このようにして、建込工程→土壌排出工程→配置工程→地下水排出工程→改良充填材供給工程→引抜工程を経ることにより、改良すべき地盤中に改良充填材を柱状に充填することができる。
【0195】
そして、かかる柱状の改良充填材を地盤中に連続的に形成することにより、地盤を広範囲に改良することができると共に、同地盤を精度良く効率的に改良することができる。
【0196】
ここで、廃棄物による地下汚染によって地盤の土壌に有害物質が混在している場合でも、有害物質が混在している土壌に代えて、柱状の改良充填材を地盤中に連続的に形成することにより、広範囲に地盤改良を行うことができる。
【0197】
この際、改良充填材として、有害物質浄化材や固化材を混練した充填材を使用することにより、改良した地盤が、有害物質や汚染された地下水により汚染されるのを防止することができる。
【0198】
)請求項記載の本発明に係る地盤改良工法では、上記土壌排出工程にて排出された土壌と、上記地下水排出工程にて排出された地下水と、改良材とを、地上において混練して改良処理する改良処理工程を具備して、同改良処理工程において改良処理された改良済土壌を改良充填材として使用するようにしている。
【0199】
このようにして、ケーシング体内の土壌と地下水とを一旦地上に排出し、同地上において、これらの土壌と地下水に改良材を加えて、これらを混練して改良処理するようにしているため、かかる混練状況の確認・管理を容易に行うことができて、改良処理作業を効率良く、しかも、確実に行うことができる。
【0200】
この際、地上に排出された土壌や地下水に有害物質が混在している場合でも、改良材として所要の浄化材を加えることにより、有害物質を確実に浄化したり、又は、無害化することができる。
【0201】
また、改良材として、固化材を加えることにより、有害物質が混在した土壌と地下水とを固化させることができて、柱状の改良充填在中に有害物質を確実に封じ込めることができる。
【0202】
そして、地上に排出した土壌と地下水に改良材を混練した後に埋め戻すため、地盤改良現場に排出土壌や排出地下水が残留することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例としての地盤改良装置の説明図。
【図2】同地盤改良装置に設けた可動底部形成体の断面正面説明図。
【図3】同可動底部形成体の断面平面説明図。
【図4】地盤改良状態の平面説明図。
【図5】第2実施例としての可動底部形成体の断面正面説明図。
【図6】同可動底部形成体の断面平面説明図。
【図7】第2実施例としての可動底部形成体の変容例の断面側面説明図。
【図8】第3実施例としての可動底部形成体の断面側面説明図。
【図9】第3実施例としての地盤改良装置の説明図。
【図10】同地盤改良装置に設けた可動底部形成体の断面正面説明図。
【図11】同可動底部形成体の底面説明図。
【符号の説明】
A 地盤改良装置
1 ケーシング体
2 土壌排出手段
3 可動底部形成体

Claims (9)

  1. 地盤に建て込む筒状のケーシング体と、
    同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出手段と、
    同土壌排出手段により土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水中に沈下させて、同ケーシング体内に可動な底部を形成する可動底部形成体と、
    同可動底部形成体の面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出手段と、
    同地下水排出手段により地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給手段と、
    同改良充填材供給手段により改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜手段とを具備することを特徴とする地盤改良装置。
  2. 地盤に建て込む筒状のケーシング体と、
    同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出手段と、
    同土壌排出手段により土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水の水面上に配置して、同ケーシング体内に可動な底部を形成する可動底部形成体と、
    同可動底部形成体の下面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出手段と、
    同地下水排出手段により地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給手段と、
    同改良充填材供給手段により改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜手段とを具備することを特徴とする地盤改良装置。
  3. 上記土壌排出手段により排出された土壌と、地下水排出手段により排出された地下水と、改良材とを、地上において混練して改良処理することにより改良済土壌となす改良処理手段を具備して、同改良処理手段により改良処理された改良済土壌を改良充填材として使用することを特徴とする請求項1又は2記載の地盤改良装置。
  4. 可動底部形成体には、同可動底部形成体とケーシング体とにより閉塞された空間内に、可動底部形成体の下方より地下水を取り込み可能とした地下水取込用逆止弁と、改良充填材供給手段より可動底部形成体の下方に改良充填材を供給可能とした改良充填材供給用逆止弁とを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の地盤改良装置。
  5. 可動底部形成体は上方へ凸状に形成して、同可動底部形成体の直下方位置に改良充填材供給空間を形成すると共に、同可動底部形成体の頂部に改良充填材供給用逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の地盤改良装置。
  6. (1)地盤に筒状のケーシング体を建て込む建込工程と、
    (2)同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出工程と、
    (3)土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水中に可動底部形成体を沈下させる沈下工程と、
    (4)同可動底部形成体の面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出工程と、
    (5)同地下水排出工程にて地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給工程と、
    (6)改良充填材供給工程にて改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜工程と、
    により地盤を改良することを特徴とする地盤改良工法。
  7. 地下水排出工程と改良充填材供給工程とを同時に行うことを特徴とする請求項記載の地盤改良工法。
  8. (1)地盤に筒状のケーシング体を建て込む建込工程と、
    (2)同ケーシング体内の土壌を排出する土壌排出工程と、
    (3)土壌が排出されたケーシング体内に浸入して滞留している地下水の水面上に可動底部形成体を配置する配置工程と、
    (4)同可動底部形成体の下面とケーシング体の内周面とにより閉塞された空間内に滞留している地下水を排出する地下水排出工程と、
    (5)同地下水排出工程にて地下水が排出されたケーシング体内において、改良充填材を上記可動底部形成体の下方に供給すると共に、可動底部形成体を漸次上昇移動させながらケーシング体内に改良充填材を充填する改良充填材供給工程と、
    (6)改良充填材供給工程にて改良充填材を供給しながら、若しくは、ケーシング体内に改良充填材を充填した後に、同ケーシング体を地盤から引き抜く引抜工程と、
    により地盤を改良することを特徴とする地盤改良工法。
  9. 上記土壌排出工程にて排出された土壌と、上記地下水排出工程にて排出された地下水と、改良材とを、地上において混練して改良処理する改良処理工程を具備して、同改良処理工程において改良処理された改良済土壌を改良充填材として使用することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の地盤改良工法。
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