JP3795952B2 - 2位に置換基を有するビタミン▲d3▼誘導体 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2位に置換基を有するビタミンD3誘導体に関する。さらに詳しくは、一般式(I)
【化4】
(式中、R1,R2は同一または異なって炭素数1から4のアルキル基を示し、R3は水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1から4のアルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基で置換されていてもよい、炭素数1から7のアルコキシ基を示す。
ただし、R1,R2が同時にメチル基であることはない。)で表される化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
活性型ビタミンD3はカルシウム代謝調節作用の他、分化誘導作用、免疫調節作用など多くの生理活性を有することが知られている。従来2位に置換基を有するビタミンD3誘導体は、たとえば特公平6−23185号公報および特開平6−41059号公報などに記載されており、これらの化合物の中には骨粗鬆症治療薬として有効な化合物も存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年ビタミンD類の生理活性が逐次明らかにされてきている。ビタミンD類、例えば、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3はカルシウム代謝調節作用、腫瘍細胞などの増殖抑制作用や分化誘導作用、免疫調節作用など多岐にわたって生理活性を示すことが知られている。最近、ビタミンD類の作用の分離を目的として数多くのビタミンD誘導体が合成され、その生理活性が検討されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、一般式(I)
【化5】
(式中、R1,R2は同一または異なって炭素数1から4のアルキル基を示し、R3は水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1から4のアルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基で置換されていてもよい、炭素数1から7のアルコキシ基を示す。
ただし、R1,R2が同時にメチル基であることはない。)で表される化合物が医薬として有用であることを見いだし本発明を完成した。
【0005】
【発明の実施の形態】
すなわち本発明は、一般式(I)
【化6】
(式中、R1,R2は同一または異なって炭素数1から4のアルキル基を示し、R3は水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1から4のアルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基で置換されていてもよい、炭素数1から7のアルコキシ基を示す。
ただし、R1,R2が同時にメチル基であることはない。)で表される化合物に関する。
【0006】
一般式(I)で表される化合物のうち、好ましいものとして、R3が、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から7のアルコキシ基である化合物があげられる。
【0007】
さらに好ましいものとしては、R3が、水酸基で置換されている炭素数1から7のアルコキシ基である化合物があげられる。
【0008】
また、一般式(I)で表される化合物のうち、好ましいものとして、一般式(II)
【化7】
(式中、R1,R2は同一または異なって炭素数1から4のアルキル基を示し、R3は水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1から4のアルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基で置換されていてもよい、炭素数1から7のアルコキシ基を示す。
ただし、R1,R2が同時にメチル基であることはない。)で表される化合物をあげることもできる。
【0009】
この化合物のうち、さらに好ましいものとしては、R3が、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から7のアルコキシ基である化合物があげられる。
【0010】
さらに好ましいものとして、R3が、水酸基で置換されている炭素数1から7のアルコキシ基である化合物があげられる。
【0011】
また、さらに好ましいものとして、R1,R2がエチル基、n−プロピル基から選ばれる基である化合物をあげることができる。
【0012】
本発明の化合物のうち最も好ましいものとして、一般式(III)
【化8】
(式中、R1,R2は同一または異なってエチル基、n−プロピル基を示す)で表される化合物があげられる。本発明の化合物のR1,R2は同一でも異なっていてもかまわないが同一のものがより好ましい。
【0013】
本発明において、炭素数1から4のアルキル基とは、直鎖または分岐鎖状のアルキル基を示し、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基があげられ、好ましくはエチル基、n−プロピル基が、さらに好ましくはエチル基があげられる。
【0014】
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を示し、好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子などがあげられ、さらに好ましくはフッ素原子があげられる。炭素数1から4のアルコキシ基とは、直鎖または分岐鎖状のアルキルオキシ基を示し、たとえばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基があげられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基が、さらに好ましくはメトキシ基があげられる。
【0015】
アシルアミノ基とは置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基または置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基を示す。
上記の置換基の好ましい例としては、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルコキシ基などがあげられ、さらに好ましくは塩素原子、メトキシ基などがあげられる。
置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基の好ましい例としては、アセチルアミノ基、トリクロロアセチルアミノ基などがあげられ、さらに好ましくはアセチルアミノ基があげられる。置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基の好ましい例としては、ベンゾイルアミノ基、p−メトキシベンゾイルアミノ基などがあげられる。
【0016】
炭素数1から7のアルコキシ基とは、直鎖または分岐鎖状のアルキルオキシ基を示し、たとえばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基のほか、ペントキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基などが挙げられ、好ましくはn−プロポキシ基、n−ブトキシ基であり、さらに好ましくはn−プロポキシ基である。
【0017】
置換基を有する炭素数1から7のアルコキシ基上の置換基の数は1でも複数であってもかまわないが、1であることが好ましい。
【0018】
水酸基で置換されていてもよい炭素数1から7のアルコキシ基の、水酸基の置換位置はどこであってもかまわないが、好ましくは末端の炭素原子上である。
【0019】
すなわち、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から7のアルコキシ基の好ましい例としては、たとえば、2−ヒドロキシエトキシ基、3−ヒドロキシプロポキシ基、4−ヒドロキシブトキシ基、5−ヒドロキシペントキシ基、6−ヒドロキシヘキシルオキシ基、7−ヒドロキシヘプチルオキシ基などが挙げられ、好ましくは3−ヒドロキシプロポキシ基、4−ヒドロキシブトキシ基であり、さらに好ましくは3−ヒドロキシプロポキシ基である。
【0020】
本発明の化合物は、新規化合物であり、本発明の化合物のうち一般式(II)で表される化合物はたとえば以下のように合成できる。
【化9】
(式中、R1,R2は同一または異なって炭素数1から4のアルキル基を示し、R3は水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1から4のアルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基で置換されていてもよい、炭素数1から7のアルコキシ基を示す。
ただし、R1,R2が同時にメチル基であることはない。A1,A2は同一または異なって保護基を示す。)
【0021】
すなわち、化合物(1)のエポキシ化合物に常法、たとえば特公平6−23185号公報、特開平6−41059号公報、国際公開WO94/12522号公報などに記載の方法により、2位に置換基を導入し、得られた化合物(2)の水酸基を必要に応じ適当な保護基で保護し化合物(3)を得る。用いる保護基としては、以下のグリニャール型の反応において不活性で、保護基の導入、脱保護の際にプロビタミンDの骨格に影響を与えないものであればかまわないが、好ましい例として、たとえば、置換シリル基、置換ベンジルオキシ基、メトキシメチル基などがあげられ、好ましくは置換シリル基であり、最も好ましいものとしてはt−ブチルジメチルシリル基があげられる。ここで出発物質の化合物(1)は、たとえばCosta等の方法(J. Chem. Soc.Perkin Trans.I,1985,1331−1336)により合成することができる。
【0022】
化合物(3)をグリニャール型の反応に付し化合物(4)を得る。本反応に用いられる溶媒としては、通常グリニャール型の反応に用いられる溶媒、たとえばエーテル系の溶媒や芳香族炭化水素系の溶媒が用いられ、好ましくはエーテル系の溶媒、さらに好ましくはテトラヒドロフランがあげられる。用いられる試薬としては、通常のグリニャール試薬の他、たとえばリチウム試薬(有機リチウム化合物)などを用いることができる。
【0023】
得られた化合物(4)を必要に応じ脱保護した後、常法により光照射、熱異性化を行い化合物(II)を得ることができる。
【0024】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0025】
実施例1 1α,3β−ジヒドロキシ−2β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−20(R)−(3−メトキシカルボニルプロピル)プレグナ−5,7−ジエンの合成
【化10】
1α,2α−エポキシ−3β−ヒドロキシ−20(R)−(3−メトキシカルボニルプロピル)プレグナ−5,7−ジエン 673mg(1.63mmol),カリウム−t−ブトキシド 545mg(4.86mmol),および1,3−プロパンジオール 9.38ml(129mmol)の混合物を110℃で14時間撹拌。反応混合物に水 500μlを加え、110℃で30分間撹拌。氷冷下、酢酸 600μlを加え10分間撹拌後、メタノール 1.3ml,テトラヒドロフラン4ml,およびトリメチルシリルジアゾメタン 6ml(2.0Mヘキサン溶液,12.0mmol)を順次加え、室温で1時間撹拌。反応混合物を飽和食塩水に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出、飽和食塩水で洗浄。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して得られる残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、エタノール:ジクロロメタン=3:25)で精製し、淡黄色粉末状の標記化合物 348mg(44%)を得た。
1H−NMR δ:0.62(3H,s),0.96(3H,d,J=6.1Hz),1.06(3H,s),3.49−4.03(7H,m),3.67(3H,s),5.30−5.41(1H,m),5.70(1H,brd,J−5.4Hz).
IR(neat):3385(br),2940,2870,1735,1440,1385,1165,1095,1050,1030cm−1.MS(m/z):490(M+),131(100%).
UVλmax nm: 293,281,271.
【0026】
実施例2 26,27−ジメチル−2β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−1α3β,25−トリヒドロキシコレスタ−5,7−ジエンの合成
【化11】
実施例1で得られた化合物 12mg(24,5μmol)をテトラヒドロフラン 2mlに溶解し、エチルマグネシウムブロマイド(テトラヒドロフラン溶液 1.04M) 490μl(510μmol)を加えて、アルゴン雰囲気下、2時間室温で撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出。水で二度洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去により得られた残査を分取用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル ジクロロメタン.エタノール=10:1)で精製し白色粉末状の標記化合物 12mg(95%)を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ:0.62(3H,s),0.86(6H,t,J=7.5Hz),0.95(3H,d,J=6.6Hz),1.07(3H,s),3.58−4.01(7H,m),5.32−5.40(1H,m),5.67−5.73(1H,m)
UV(EtOH)nm: λmax 293,282,271
IR(KBr)cm−1: 3400(br),2960,2950,2880,1460,1380,1140,1100,1060MS(m/z): 518(M+),87(100%)
【0027】
実施例3 26、27−ジメチル−2β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−1α,3β,25−トリヒドロキシ−9,10−セココレスタ−5,7,10(19)−トリエンの合成
【化12】
実施例2で得られた化合物 9.3mg(18.0μmol)をエタノール200mlに溶解し氷冷下、アルゴンガスを通気しながらバイコールフィルタ−を通じて400W高圧水銀灯で90秒間光照射した後、アルゴン雰囲気下で3時間30分間加熱還流した。溶媒を留去し残査を分取用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル ジクロロメタン:エタノール=10:1)で精製し無色油状の標記化合物 1.3mg(14%)を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ:0.55(3H,s),0.86(6H,t,J=7.6Hz),0.93(3H,d,J=6.3Hz),3.26(1H,dd,J=2.8,9.0Hz),3.68−3.97(4H,m),4.21−4.37(2H,m),5.08(1H,s),5.49(1H,s),6.04(1H,d,J=11.2Hz),6.36(1H,d,J=11.2Hz)
UV(EtOH)nm: λmax 264 λmin 228
IR(neat)cm−1:3400(br),2950,2890,1460,1380,1120,1080,760
MS(m/z):518(M+),87(100%)
【0028】
実施例4 1α,3β−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2β−(3−t−ブチルジメチルシリルオキシプロポキシ)−20(R)−(3−メトキシカルボニルプロピル)プレグナ−5,7−ジエンの合成
【化13】
実施例1で得られた化合物 348mg(710μmol)のジクロロメタン(30ml)溶液にt−ブチルジメチルシリルトリフラート 2.19ml(9.54mmol)および2,6−ルチジン 1.85ml(15.9mmol)を加え、室温で1.5時間撹拌。反応混合物を冷1N塩酸に注ぎ、ジクロロメタンで2回抽出、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して得られる残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、2%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製し、無色油状の化合物(16) 541mg(92%)を得た。
1H−NMR(200MHz)δ: 0.05(9H,s),0.07(3H,s),0.10(3H,s),0.13(3H,s),0.62(3H,s),0.89(27H,s),0.96(3H,d,J=6.3Hz),1.03(3H,s),3.49−4.12(7H,m),3.67(3H,s),5.25−5.37(1H,m),5.52−5.65(1H,m).
IR(neat): 2950,2925,2850,1745,1470,1385,1255,1090,835cm−1.
MS(m/z): 832(M+),73(100%).
UVλmax nm: 293,281,271.
【0029】
実施例5 1α,3β−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−26,27−ジエチル−25−ヒドロキシ−2β−(3−t−ブチルジメチルシリルオキシプロポキシ)コレスタ−5,7−ジエンの合成
【化14】
塩化セリウム(III)7水和物 485mg(1303μmol)を電気炉で脱水し(250℃ 2.5時間)、反応容器に入れさらに減圧下乾燥(140℃1時間)した。アルゴン置換後、テトラヒドロフラン1mlを加え室温で1時間撹拌した。プロピルマグネシウムブロマイド(テトラヒドロフラン溶液 2M) 594μl(1189μmol)を加え室温で1時間撹拌した。実施例4の化合物のテトラヒドロフラン 2ml溶液を加え14時間加熱還流した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出。水で二度洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去により得られた残査を分取用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 酢酸エチル:ヘキサン=1:5))で精製し無色油状の標記化合物 49mg(94%)を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ: 0.05−0.12(18H,m),0.62(3H,s),0.81−0.92(36H,m),1.03(3H,s),3.50−4.10(7H,m),5.28−5.34(1H,m),5.45−5.50(1H,m)
UV(EtOH)nm: λmax 293,282,271
IR(neat)cm−1: 3450(br),2950,2930,2850,1460,1080,830,770
【0030】
実施例6 26,27−ジエチル−2β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−1α,3β,25−トリヒドロキシコレスタ−5,7−ジエンの合成
【化15】
実施例5で得られた化合物 49mg(54.4μmol)をテトラヒドロフラン 2mlに溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオリド(テトラヒドロフラン溶液 1M) 814μl(814μmol)を加えて、アルゴン雰囲気下、2時間加熱還流した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水で2度洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去により得られた残査を分取用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル ジクロロメタン:エタノール=10:1)で精製し白色粉末状の標記化合物 12mg(40%)を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ: 0.63(3H,s),0.91−0.99(9H,m),1.07(3H,s),3.67−4.00(7H,m),5.34−5.40(1H,m),5.67−5.72(1H,m)
UV(EtOH)nm: λmax 293,281,271
IR(neat)cm−1: 3400(br),2950,2870,1470,1380,1100,1060,760
MS(m/z): 546(M+),56(100%)
【0031】
実施例7 26,27−ジエチル−2β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−1α3β,25−トリヒドロキシ−9,10−セココレスタ−5,7,10(19)−トリエンの合成
【化16】
実施例6で得られた化合物 12mg(22.1μmol)をエタノール 200mlに溶解し氷冷下、アルゴンガスを通気しながらバイコールフィルターを通じて400W高圧水銀灯で90秒間光照射した後、アルゴン雰囲気下で3時間30分間加熱還流した。溶媒を留去し残査を分取用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル ジクロロメタン:エタノール=10:1)で精製し白色粉末状の標記化合物 2.2mg(18%)を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ: 0.55(3H,s),0.87−0.94(9H,m),3.27(1H,dd,J=3.0,8.9Hz),370−3.97(4H,m),4.23−4.35(2H,m),5.08(1H,s),5.49(1H,s),6.04(1H,d,J=11.2Hz),6.36(1H,d,J=11.2Hz)
UV(EtOH)nm: λmax 264 λmin 228
IR(neat)cm−1: 3400(br),2960,2940,2880,1110,1080
MS(m/z): 546(M+),56(100%)
【0032】
試験例 骨粗鬆症モデルラットにおける骨量増加作用
8週齢のWistar−Imamichiラットに卵巣摘出術(OVX)および偽手術を施した。2週間の回復期間を経たのち、実施例3で得られた化合物(化合物(5))
【化17】
を0.008および0.04μg/kgの投与量で、また、実施例7で得られた化合物(化合物(6))
【化18】
を0.008,0.04および0.2μg/kgの投与量で、週5回、6週間経口投与した。実験期間中1.2%のCaを含む普通食で飼育した。投与終了後、椎体骨の骨密度をDXA法で測定した。
結果を図1に示す。図1に示されるグラフは、OVXおよび誘導体投与による椎体骨の骨量変化を示す。化合物(5)の 0.04μg/kg投与群および化合物(6)の 0.2μg/kg投与群では偽手術群以上の増加が認められ、骨塩量増加作用を示した。
【0033】
【発明の効果】
本発明の化合物は、骨塩量増加作用を示し、骨粗鬆症治療剤などの医薬として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物の投与による骨塩量の変化を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、2位に置換基を有するビタミンD3誘導体に関する。さらに詳しくは、一般式(I)
【化4】
(式中、R1,R2は同一または異なって炭素数1から4のアルキル基を示し、R3は水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1から4のアルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基で置換されていてもよい、炭素数1から7のアルコキシ基を示す。
ただし、R1,R2が同時にメチル基であることはない。)で表される化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
活性型ビタミンD3はカルシウム代謝調節作用の他、分化誘導作用、免疫調節作用など多くの生理活性を有することが知られている。従来2位に置換基を有するビタミンD3誘導体は、たとえば特公平6−23185号公報および特開平6−41059号公報などに記載されており、これらの化合物の中には骨粗鬆症治療薬として有効な化合物も存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年ビタミンD類の生理活性が逐次明らかにされてきている。ビタミンD類、例えば、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3はカルシウム代謝調節作用、腫瘍細胞などの増殖抑制作用や分化誘導作用、免疫調節作用など多岐にわたって生理活性を示すことが知られている。最近、ビタミンD類の作用の分離を目的として数多くのビタミンD誘導体が合成され、その生理活性が検討されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、一般式(I)
【化5】
(式中、R1,R2は同一または異なって炭素数1から4のアルキル基を示し、R3は水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1から4のアルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基で置換されていてもよい、炭素数1から7のアルコキシ基を示す。
ただし、R1,R2が同時にメチル基であることはない。)で表される化合物が医薬として有用であることを見いだし本発明を完成した。
【0005】
【発明の実施の形態】
すなわち本発明は、一般式(I)
【化6】
(式中、R1,R2は同一または異なって炭素数1から4のアルキル基を示し、R3は水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1から4のアルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基で置換されていてもよい、炭素数1から7のアルコキシ基を示す。
ただし、R1,R2が同時にメチル基であることはない。)で表される化合物に関する。
【0006】
一般式(I)で表される化合物のうち、好ましいものとして、R3が、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から7のアルコキシ基である化合物があげられる。
【0007】
さらに好ましいものとしては、R3が、水酸基で置換されている炭素数1から7のアルコキシ基である化合物があげられる。
【0008】
また、一般式(I)で表される化合物のうち、好ましいものとして、一般式(II)
【化7】
(式中、R1,R2は同一または異なって炭素数1から4のアルキル基を示し、R3は水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1から4のアルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基で置換されていてもよい、炭素数1から7のアルコキシ基を示す。
ただし、R1,R2が同時にメチル基であることはない。)で表される化合物をあげることもできる。
【0009】
この化合物のうち、さらに好ましいものとしては、R3が、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から7のアルコキシ基である化合物があげられる。
【0010】
さらに好ましいものとして、R3が、水酸基で置換されている炭素数1から7のアルコキシ基である化合物があげられる。
【0011】
また、さらに好ましいものとして、R1,R2がエチル基、n−プロピル基から選ばれる基である化合物をあげることができる。
【0012】
本発明の化合物のうち最も好ましいものとして、一般式(III)
【化8】
(式中、R1,R2は同一または異なってエチル基、n−プロピル基を示す)で表される化合物があげられる。本発明の化合物のR1,R2は同一でも異なっていてもかまわないが同一のものがより好ましい。
【0013】
本発明において、炭素数1から4のアルキル基とは、直鎖または分岐鎖状のアルキル基を示し、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基があげられ、好ましくはエチル基、n−プロピル基が、さらに好ましくはエチル基があげられる。
【0014】
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を示し、好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子などがあげられ、さらに好ましくはフッ素原子があげられる。炭素数1から4のアルコキシ基とは、直鎖または分岐鎖状のアルキルオキシ基を示し、たとえばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基があげられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基が、さらに好ましくはメトキシ基があげられる。
【0015】
アシルアミノ基とは置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基または置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基を示す。
上記の置換基の好ましい例としては、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルコキシ基などがあげられ、さらに好ましくは塩素原子、メトキシ基などがあげられる。
置換基を有していてもよいアルキルカルボニルアミノ基の好ましい例としては、アセチルアミノ基、トリクロロアセチルアミノ基などがあげられ、さらに好ましくはアセチルアミノ基があげられる。置換基を有していてもよいアリールカルボニルアミノ基の好ましい例としては、ベンゾイルアミノ基、p−メトキシベンゾイルアミノ基などがあげられる。
【0016】
炭素数1から7のアルコキシ基とは、直鎖または分岐鎖状のアルキルオキシ基を示し、たとえばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基のほか、ペントキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基などが挙げられ、好ましくはn−プロポキシ基、n−ブトキシ基であり、さらに好ましくはn−プロポキシ基である。
【0017】
置換基を有する炭素数1から7のアルコキシ基上の置換基の数は1でも複数であってもかまわないが、1であることが好ましい。
【0018】
水酸基で置換されていてもよい炭素数1から7のアルコキシ基の、水酸基の置換位置はどこであってもかまわないが、好ましくは末端の炭素原子上である。
【0019】
すなわち、水酸基で置換されていてもよい炭素数1から7のアルコキシ基の好ましい例としては、たとえば、2−ヒドロキシエトキシ基、3−ヒドロキシプロポキシ基、4−ヒドロキシブトキシ基、5−ヒドロキシペントキシ基、6−ヒドロキシヘキシルオキシ基、7−ヒドロキシヘプチルオキシ基などが挙げられ、好ましくは3−ヒドロキシプロポキシ基、4−ヒドロキシブトキシ基であり、さらに好ましくは3−ヒドロキシプロポキシ基である。
【0020】
本発明の化合物は、新規化合物であり、本発明の化合物のうち一般式(II)で表される化合物はたとえば以下のように合成できる。
【化9】
(式中、R1,R2は同一または異なって炭素数1から4のアルキル基を示し、R3は水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1から4のアルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基で置換されていてもよい、炭素数1から7のアルコキシ基を示す。
ただし、R1,R2が同時にメチル基であることはない。A1,A2は同一または異なって保護基を示す。)
【0021】
すなわち、化合物(1)のエポキシ化合物に常法、たとえば特公平6−23185号公報、特開平6−41059号公報、国際公開WO94/12522号公報などに記載の方法により、2位に置換基を導入し、得られた化合物(2)の水酸基を必要に応じ適当な保護基で保護し化合物(3)を得る。用いる保護基としては、以下のグリニャール型の反応において不活性で、保護基の導入、脱保護の際にプロビタミンDの骨格に影響を与えないものであればかまわないが、好ましい例として、たとえば、置換シリル基、置換ベンジルオキシ基、メトキシメチル基などがあげられ、好ましくは置換シリル基であり、最も好ましいものとしてはt−ブチルジメチルシリル基があげられる。ここで出発物質の化合物(1)は、たとえばCosta等の方法(J. Chem. Soc.Perkin Trans.I,1985,1331−1336)により合成することができる。
【0022】
化合物(3)をグリニャール型の反応に付し化合物(4)を得る。本反応に用いられる溶媒としては、通常グリニャール型の反応に用いられる溶媒、たとえばエーテル系の溶媒や芳香族炭化水素系の溶媒が用いられ、好ましくはエーテル系の溶媒、さらに好ましくはテトラヒドロフランがあげられる。用いられる試薬としては、通常のグリニャール試薬の他、たとえばリチウム試薬(有機リチウム化合物)などを用いることができる。
【0023】
得られた化合物(4)を必要に応じ脱保護した後、常法により光照射、熱異性化を行い化合物(II)を得ることができる。
【0024】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0025】
実施例1 1α,3β−ジヒドロキシ−2β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−20(R)−(3−メトキシカルボニルプロピル)プレグナ−5,7−ジエンの合成
【化10】
1α,2α−エポキシ−3β−ヒドロキシ−20(R)−(3−メトキシカルボニルプロピル)プレグナ−5,7−ジエン 673mg(1.63mmol),カリウム−t−ブトキシド 545mg(4.86mmol),および1,3−プロパンジオール 9.38ml(129mmol)の混合物を110℃で14時間撹拌。反応混合物に水 500μlを加え、110℃で30分間撹拌。氷冷下、酢酸 600μlを加え10分間撹拌後、メタノール 1.3ml,テトラヒドロフラン4ml,およびトリメチルシリルジアゾメタン 6ml(2.0Mヘキサン溶液,12.0mmol)を順次加え、室温で1時間撹拌。反応混合物を飽和食塩水に注ぎ、酢酸エチルで2回抽出、飽和食塩水で洗浄。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して得られる残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、エタノール:ジクロロメタン=3:25)で精製し、淡黄色粉末状の標記化合物 348mg(44%)を得た。
1H−NMR δ:0.62(3H,s),0.96(3H,d,J=6.1Hz),1.06(3H,s),3.49−4.03(7H,m),3.67(3H,s),5.30−5.41(1H,m),5.70(1H,brd,J−5.4Hz).
IR(neat):3385(br),2940,2870,1735,1440,1385,1165,1095,1050,1030cm−1.MS(m/z):490(M+),131(100%).
UVλmax nm: 293,281,271.
【0026】
実施例2 26,27−ジメチル−2β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−1α3β,25−トリヒドロキシコレスタ−5,7−ジエンの合成
【化11】
実施例1で得られた化合物 12mg(24,5μmol)をテトラヒドロフラン 2mlに溶解し、エチルマグネシウムブロマイド(テトラヒドロフラン溶液 1.04M) 490μl(510μmol)を加えて、アルゴン雰囲気下、2時間室温で撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出。水で二度洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去により得られた残査を分取用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル ジクロロメタン.エタノール=10:1)で精製し白色粉末状の標記化合物 12mg(95%)を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ:0.62(3H,s),0.86(6H,t,J=7.5Hz),0.95(3H,d,J=6.6Hz),1.07(3H,s),3.58−4.01(7H,m),5.32−5.40(1H,m),5.67−5.73(1H,m)
UV(EtOH)nm: λmax 293,282,271
IR(KBr)cm−1: 3400(br),2960,2950,2880,1460,1380,1140,1100,1060MS(m/z): 518(M+),87(100%)
【0027】
実施例3 26、27−ジメチル−2β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−1α,3β,25−トリヒドロキシ−9,10−セココレスタ−5,7,10(19)−トリエンの合成
【化12】
実施例2で得られた化合物 9.3mg(18.0μmol)をエタノール200mlに溶解し氷冷下、アルゴンガスを通気しながらバイコールフィルタ−を通じて400W高圧水銀灯で90秒間光照射した後、アルゴン雰囲気下で3時間30分間加熱還流した。溶媒を留去し残査を分取用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル ジクロロメタン:エタノール=10:1)で精製し無色油状の標記化合物 1.3mg(14%)を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ:0.55(3H,s),0.86(6H,t,J=7.6Hz),0.93(3H,d,J=6.3Hz),3.26(1H,dd,J=2.8,9.0Hz),3.68−3.97(4H,m),4.21−4.37(2H,m),5.08(1H,s),5.49(1H,s),6.04(1H,d,J=11.2Hz),6.36(1H,d,J=11.2Hz)
UV(EtOH)nm: λmax 264 λmin 228
IR(neat)cm−1:3400(br),2950,2890,1460,1380,1120,1080,760
MS(m/z):518(M+),87(100%)
【0028】
実施例4 1α,3β−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−2β−(3−t−ブチルジメチルシリルオキシプロポキシ)−20(R)−(3−メトキシカルボニルプロピル)プレグナ−5,7−ジエンの合成
【化13】
実施例1で得られた化合物 348mg(710μmol)のジクロロメタン(30ml)溶液にt−ブチルジメチルシリルトリフラート 2.19ml(9.54mmol)および2,6−ルチジン 1.85ml(15.9mmol)を加え、室温で1.5時間撹拌。反応混合物を冷1N塩酸に注ぎ、ジクロロメタンで2回抽出、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して得られる残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、2%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製し、無色油状の化合物(16) 541mg(92%)を得た。
1H−NMR(200MHz)δ: 0.05(9H,s),0.07(3H,s),0.10(3H,s),0.13(3H,s),0.62(3H,s),0.89(27H,s),0.96(3H,d,J=6.3Hz),1.03(3H,s),3.49−4.12(7H,m),3.67(3H,s),5.25−5.37(1H,m),5.52−5.65(1H,m).
IR(neat): 2950,2925,2850,1745,1470,1385,1255,1090,835cm−1.
MS(m/z): 832(M+),73(100%).
UVλmax nm: 293,281,271.
【0029】
実施例5 1α,3β−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−26,27−ジエチル−25−ヒドロキシ−2β−(3−t−ブチルジメチルシリルオキシプロポキシ)コレスタ−5,7−ジエンの合成
【化14】
塩化セリウム(III)7水和物 485mg(1303μmol)を電気炉で脱水し(250℃ 2.5時間)、反応容器に入れさらに減圧下乾燥(140℃1時間)した。アルゴン置換後、テトラヒドロフラン1mlを加え室温で1時間撹拌した。プロピルマグネシウムブロマイド(テトラヒドロフラン溶液 2M) 594μl(1189μmol)を加え室温で1時間撹拌した。実施例4の化合物のテトラヒドロフラン 2ml溶液を加え14時間加熱還流した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出。水で二度洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去により得られた残査を分取用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル 酢酸エチル:ヘキサン=1:5))で精製し無色油状の標記化合物 49mg(94%)を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ: 0.05−0.12(18H,m),0.62(3H,s),0.81−0.92(36H,m),1.03(3H,s),3.50−4.10(7H,m),5.28−5.34(1H,m),5.45−5.50(1H,m)
UV(EtOH)nm: λmax 293,282,271
IR(neat)cm−1: 3450(br),2950,2930,2850,1460,1080,830,770
【0030】
実施例6 26,27−ジエチル−2β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−1α,3β,25−トリヒドロキシコレスタ−5,7−ジエンの合成
【化15】
実施例5で得られた化合物 49mg(54.4μmol)をテトラヒドロフラン 2mlに溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオリド(テトラヒドロフラン溶液 1M) 814μl(814μmol)を加えて、アルゴン雰囲気下、2時間加熱還流した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水で2度洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去により得られた残査を分取用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル ジクロロメタン:エタノール=10:1)で精製し白色粉末状の標記化合物 12mg(40%)を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ: 0.63(3H,s),0.91−0.99(9H,m),1.07(3H,s),3.67−4.00(7H,m),5.34−5.40(1H,m),5.67−5.72(1H,m)
UV(EtOH)nm: λmax 293,281,271
IR(neat)cm−1: 3400(br),2950,2870,1470,1380,1100,1060,760
MS(m/z): 546(M+),56(100%)
【0031】
実施例7 26,27−ジエチル−2β−(3−ヒドロキシプロポキシ)−1α3β,25−トリヒドロキシ−9,10−セココレスタ−5,7,10(19)−トリエンの合成
【化16】
実施例6で得られた化合物 12mg(22.1μmol)をエタノール 200mlに溶解し氷冷下、アルゴンガスを通気しながらバイコールフィルターを通じて400W高圧水銀灯で90秒間光照射した後、アルゴン雰囲気下で3時間30分間加熱還流した。溶媒を留去し残査を分取用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル ジクロロメタン:エタノール=10:1)で精製し白色粉末状の標記化合物 2.2mg(18%)を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ: 0.55(3H,s),0.87−0.94(9H,m),3.27(1H,dd,J=3.0,8.9Hz),370−3.97(4H,m),4.23−4.35(2H,m),5.08(1H,s),5.49(1H,s),6.04(1H,d,J=11.2Hz),6.36(1H,d,J=11.2Hz)
UV(EtOH)nm: λmax 264 λmin 228
IR(neat)cm−1: 3400(br),2960,2940,2880,1110,1080
MS(m/z): 546(M+),56(100%)
【0032】
試験例 骨粗鬆症モデルラットにおける骨量増加作用
8週齢のWistar−Imamichiラットに卵巣摘出術(OVX)および偽手術を施した。2週間の回復期間を経たのち、実施例3で得られた化合物(化合物(5))
【化17】
を0.008および0.04μg/kgの投与量で、また、実施例7で得られた化合物(化合物(6))
【化18】
を0.008,0.04および0.2μg/kgの投与量で、週5回、6週間経口投与した。実験期間中1.2%のCaを含む普通食で飼育した。投与終了後、椎体骨の骨密度をDXA法で測定した。
結果を図1に示す。図1に示されるグラフは、OVXおよび誘導体投与による椎体骨の骨量変化を示す。化合物(5)の 0.04μg/kg投与群および化合物(6)の 0.2μg/kg投与群では偽手術群以上の増加が認められ、骨塩量増加作用を示した。
【0033】
【発明の効果】
本発明の化合物は、骨塩量増加作用を示し、骨粗鬆症治療剤などの医薬として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物の投与による骨塩量の変化を示す図である。
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