JP3795795B2 - 床ずれ防止マット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、床ずれ防止マットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、長期にわたって寝たきり状態が続かざるを得ない病人や老人があり、そのようなベッド使用者(以下「使用者M’」とする)は、身体の一部に血行障害が生じて所謂床ずれを引き起こすおそれがあることから、図1に示すように、床ずれ防止マットXを使用することがあった。図中、B’はベッドであり、同ベッドB’にマットレス100を敷き、同マットレス100上に床ずれ防止マットXを敷いて使用する。
【0003】
この種の床ずれ防止用マットXは、図2に示すように、合成樹脂製のシートS’上に多数の空気セル110,120を平面方向に並設して空気セル群200を形成するとともに、同空気セル群200を、空気の給排が交互のタイミングで行われる二系統に区分して(第一のセル群210及び第二のセル群220)、第一の系統に属する空気セル110と第二の系統に属する空気セル120とを隣接するように配置して構成している。
【0004】
図2中、310は第一の給排系統を構成する第一給排パイプ、320は第二の給排系統を構成する第二給排パイプであり、流路切替弁400を介してポンプ500に連通連結している。そして、かかる第一、第二給排パイプ310,320に、連通管150を介して各空気セル110,120が連通している。
【0005】
なお、前記流路切替弁400は、15〜20分程度で予め設定された所定時間ごとにエアの送気流路を切り替えるように図示しない制御装置により制御されており、ポンプに連通するエアの送気流路が閉じられた場合は、逆に大気開放されるように構成されている。
【0006】
上記構成により、ポンプ500を駆動すると、第一のセル群210と第二のセル群220とに交互にエアが充填されることになり、エアが充填されていない側のセル群の各セル(図2において円形表示したセルのうち白抜きされたもの)は、使用者M’の体重が加わると萎むようになっている。
【0007】
したがって、使用者M’の身体一箇所に集中して加重が加わることがなく、うっ血が防止されて床ずれ防止となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の床ずれ防止マットXは、下記に示す課題があった。
【0009】
すなわち、従来の床ずれ防止マットXは、通常、実開昭58−145718号公報に開示されているように、たとえば布地の内面に熱溶着可能な合成樹脂製などの膜を設けた二枚のシートS’を重ね合わせてこれらの周縁部を溶着し、各空気セル110,120については、単に、二枚のシートS間に区画形成しただけであって、空気セル110,120自体には何ら腰がなく、空気が抜かれた状態では略ペチャンコ状態になってしまうものであった。
【0010】
したがって、たとえば、第一、第二のセル群210,220にエアを交互に給排する場合、再度エアを供給する際に時間を要することになっていた。
【0011】
また、各空気セル110,120を連通連結している連通管150もシートSに熱溶着したものとなっており、特に、合成樹脂などの膜や連通管150そのものが肉薄のものであれば、熱溶着時に流路を閉塞してしまうおそれがあるので、慎重な作業を要することになり、シートS’成形方法、すなわち床ずれ防止マットX自体の成形方法が複雑なものとなっていた。
【0012】
本発明は、上記課題を解決することのできる床ずれ防止マットを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1記載の本発明では、多数の空気セルを平面方向に並設して空気セル群を形成するとともに、同空気セル群を、空気の給排が所定のタイミング差をもって行われる複数系統に区分して、一の系統に属する空気セルと他の系統に属する空気セルとを隣接するように配置した床ずれ防止マットにおいて、前記空気セルを成型材により形成し、膨張させるための給気時間を短縮可能とするとともに、排気時の型くずれ量を低減した床ずれ防止マットであって、一つの空気セル群をなす各空気セル同士は、同空気セルと一体成型され対角線方向に設けられる連通管を介して連通しており、成型材により形成した下方開口の空気セルが多数並設されたシート材同士を、各開口同士が重合するように突合せて連接することによって、対角線方向に設けられた前記連通管同士を互いに突合せて十字形状を構成するとともに、互いに突合せて十字形状を構成した前記連通管のうち一方の連通管を、一つの空気セル群同士が連通するように閉塞した
【0014】
また、請求項2記載の本発明では、前記空気セルを、矩形箱型に形成した。
【0015】
また、請求項3記載の本発明では、前記空気セルを格子状に配設して空気セル群を形成した。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明は、多数の空気セルを平面方向に並設して空気セル群を形成するとともに、同空気セル群を、空気の給排が所定のタイミング差をもって行われる複数系統に区分して、一の系統に属する空気セルと他の系統に属する空気セルとを隣接するように配置した床ずれ防止マットにおいて、前記空気セルを成型材により形成し、膨張させるための給気時間を短縮可能とするとともに、排気時の型くずれ量を低減したものである。
【0020】
すなわち、成型材として例えば合成樹脂材料を用い、これを成型して多数の空気セルが平面方向に並設されたシートを形成しているので、床ずれ防止マットの製造を簡単に行え、しかも、成型によるので前記空気セルの型崩れを防止することができ、空気セルを膨張させるための給気時間を短縮可能とするとともに、排気時の型くずれを防止できる。
【0021】
したがって、使用者の身体を保持していた空気セルが排気されて萎むときに、隣接する空気セルは給気されると瞬時に膨張して身体を保持するので、身体の上下動などを引き起こして使い心地を損ねることがない。
【0022】
特に、前記空気セルは、矩形箱型に形成することが好ましく、かかる形態であれば、空気セルはシート地から起立した側壁部を周囲に有することになり、しっかりした腰があるので、排気した場合に型崩れ量を可及的に低減することが可能となる。また、各空気セル間の隙間に溜まり易い塵などの清掃も空気セル同士が被さったりすることがないのできわめて容易となる。
【0023】
空気セルを矩形箱型とした場合、空気セル群は、シート上に四方に列設して格子状、すなわち碁盤目状となるようにするとともに、空気の給排が所定のタイミング差をもって行われる複数系統に空気セル群を区分した例として、空気の給排が交互のタイミングで行われる第一のセル群と第二のセル群とに二系統に区分して、第一の系統に属する空気セルと第二の系統に属する空気セルとを隣接するように配置して構成するとよい。
【0024】
かかる構成であれば、使用者の身体を保持する部分の入れ替わりも近接したところでなされるので、使用者に体圧の変化を意識させることがなく、使い心地の良好さを維持できる。
【0025】
かかる構成とすれば、給気ポンプに連通連結して給排タイミングを異ならせた二系統の給排パイプを、シートの縁部に沿って二方向に設けることで、各給排パイプと各空気セルとの連通が容易となる。
【0026】
一つの空気セル群を構成する各空気セル同士は連通管を介して連通連結するとよく、この連通管は、各空気セルと同様に型により一体成型しており、一体成型することによって、床ずれ防止マットの製造工程も簡略化され、コスト的にも有利となる。
【0027】
さらに、本実施の形態に係る床ずれ防止マットは、成型材により形成した下方開口の空気セルが多数並設されたシート材同士を、各開口同士が重合するように突合せて連接することができる。
【0028】
すなわち、同一形状に成型されたシート同士を重合して、各空気セル同士が独立するように、かつ同一の給排系統に属するセル群においては、対角線方向に設けられる連通管を介して互いに連通するように、その周囲を熱溶着してシールしながら接合するものである。
【0029】
かかる構成では、同一のシート材を上下に重合することができ、一つの型で成形することが可能となり、製造コストを大きく低減することができる。
【0030】
また、床ずれ防止マットとしては、なるべく空気セルの高さは高いほうがクッション性もよく、また、膨張したセルと排気されたセルとの差が大きくなり床ずれ防止効果が向上するが、本実施形態では、同一のシート材を重合させているために、片方のシート材に形成する空気セルの高さは半分で済み、成形型もコンパクトとなり、なおかつ脱型しやすくなって、脱型のミスによる不良品の発生も可及的に防止できる。
【0031】
また、前記連通管を十字形状にすれば、マット形状が長方形のものであっても上下のシート材は同一型で成形した同一のものを用いることができ、このときタスキ掛け状となる上下の連通管のうち、連通させない通路を熱溶着により封止するとよい。
【0032】
以上説明してきたように、本実施の形態によれば、きわめて低コストで、腰のある空気セルを有し、エアの給排が迅速な床ずれ防止マットを提供することができる。
【0033】
【実施例】
以下、図面に基づいて、本発明に係る床ずれ防止マットの実施例について説明する。
【0034】
図3は本実施例に係る床ずれ防止マットAの使用状態を示す説明図、図4は同マットAの模式的説明図、図5は同マットAの平面図、図6は同マットAの一部拡大斜視図、図7は同マットAの膨張・収縮状態を示す説明図、図8は同マットAの空気セルの断面形状を示す説明図である。
【0035】
本実施例に係る床ずれ防止マットAの基本的な機能及びその使用形態については、従来技術の説明で述べた内容と同様であり(図1参照)、図3に示すように、ベッドB上に載置して使用するものである。Mは使用者である。
【0036】
本実施例の特徴となるのは、このように多数の空気セル11,12を平面方向に並設して空気セル群2を形成するとともに、同空気セル群2を、空気の給排が交互のタイミングで行われる二系統に区分して、第一の系統に属する空気セル11と第二の系統に属する空気セル12とを隣接するように配置した床ずれ防止マットAにおいて、前記空気セル11,12を図示しない成型材により形成し、膨張させるための給気時間を短縮可能とするとともに、排気時の型くずれ量を低減したことにある。なお、本実施例では、空気セル群を二系統に区分して説明するが、空気の給排が所定のタイミング差をもって行われる複数系統に区分したものであれば二系統に限定されるものではない。
【0037】
そして、本実施例では、図3、図7及び図8に示すように、透明の合成樹脂材料からなる成型材により形成した下方開口の空気セル11,12が多数並設されたシート材1,1同士を、各開口同士が重合するように突合せて連接した構成としている。
【0038】
すなわち、図3〜図8に示すように、本実施例に係る床ずれ防止マットAは、合成樹脂からなる成型材料を、図示しない成形型により、空気セル11,12を平面方向であって、四方に列状に多数一体成形したシート材1,1を重合してシート体10を構成し、上記多数の空気セル11,12により形成される空気セル群2を、第一のセル群21と第二のセル群22とに区分して、両者の間で空気の給排が交互のタイミングで行われるようにしている。しかも、第一のセル群21に属する空気セル11と第二のセル群22に属する空気セル12とは互いに隣接するようにして、所謂千鳥状に配置している(図4)。
【0039】
そして、給気ポンプPに給排パイプ3を連通連結するとともに、同給排パイプ3の中途に流路切替弁Vを設け、同流路切替弁Vを介して第一給排パイプ31と第二給排パイプ32とを接続している。
【0040】
前記流路切替弁Vは、15〜20分程度で予め設定された所定時間ごとにエアの送気流路を切り替えるように、図示しない制御装置により制御されており、給気ポンプPに連通するエアの送気ポートが閉じられた場合は、空気セル11,12中の空気を排気できるように大気開放される構成としている。
【0041】
また、前記第一給排パイプ31と第二給排パイプ32とは、各セル群21,22ごとの空気セル11,12同士を連通する連通管41,42に連通連結されるとともに、シート体10の縁部10aに形成された第一、第二給排路13,14に接続されている。本実施例では、前記連通管41,42を、各空気セル11,12と型により一体成型している。
【0042】
本実施例に係る空気セル11,12は、図5〜図8に示すように、矩形箱型に形成されており、シート体10から上下にそれぞれ突出した側壁部11a,12aを周囲に有する構成としている。なお、空気セル11,12を矩形箱型としたことにより、空気セル群2はシート材1上に四方に列設した格子状、すなわち碁盤目状となる(図5)。
【0043】
このように、空気セル11,12を箱型形状としたことにより、各空気セル11,12はしっかりした腰があることになり、排気した場合に略平坦となるペチャンコ状態になることがなく、図7の矢印Dで示すように、型崩れ量を可及的に低減することが可能となる。
【0044】
また、空気セル11,12同士が腰をもって各側壁部11a,12aが独立して起立状態となっているので、空気セル11,12同士が倒伏して互いに重なり合ったりすることがなく、各空気セル11,12間の間隙23に溜まり易い塵などの清掃もきわめて容易となる。
【0045】
ここで、上記構成の床ずれ防止マットAの作動について説明すると、前述したように、空気セル11,12により形成された空気セル群2は、第一のセル群21と第二のセル群22とに区分されており、両者の間で空気の給排が交互のタイミングで行われる。
【0046】
すなわち、給気ポンプPが駆動すると、エアは流路切替弁Vにより先ず一方の給排パイプ3に流される。例えば、先ず第一のセル群21にエアを送る場合、エアは第一給排パイプ31に流れ、さらに、図4に示すように、シート体10の縁部10aに形成された第一給排路13に流れるとともに、各連通管41から斜めに連設された複数の空気セル11に送られてこれを膨張させる(図7参照)。
【0047】
そして、所定時間(15〜20分)が経過すると、制御装置はエアを第二給排パイプ32に流すように前記流路切替弁Vのポート開閉を行って流路を切替える。
【0048】
すなわち、エアは第一給排路13と反対側のシート体10の縁部10aに形成された第二給排路14に流れ、各連通管42からやはり斜めに連設された複数の空気セル12に送られて同空気セル12を膨張させる。
【0049】
同時に、流路切替弁V内では、流路切替弁V内に構成した図示しない開放弁を開いて、第一のセル群21内の各空気セル11が使用者Mの体重で押圧された場合に、空気セル11→連通管41→第一給排パイプ31→流路切替弁Vとエアを流して大気に開放し、空気セル11内に充填されたエアが速やかに排気されるようにしている。
【0050】
このとき、使用者Mの体重により押圧された空気セル11の変形量は、図7の矢印Dで示すようにきわめて小さく、所定時間経過後に再度エアを充填する際、エアの充填量が少なくて済むことから、空気セル11の膨張もきわめて短時間のうちになされる。これは同様に、排気の場合にも当てはまるので、本実施例に係る床ずれ防止マットAでは、各空気セル11,12の膨張、収縮に要する時間がきわめて短くてすむ。
【0051】
したがって、使用者Mの身体を保持していた空気セル11(12)が排気されて萎むときに、隣接する空気セル12(11)は給気されると瞬時に膨張して身体を保持することになり、使用者Mは身体の上下動などを感じることがなく、使い心地が良好となる。しかも、第一のセル群21の空気セル11と第二のセル群22の空気セル12とが隣接しているので、使用者Mの身体を保持する空気セル11,12の入れ替わりも近接したところでなされることになり、使用者Mに体圧の変化を意識させることがなく、使い心地の良好さを維持できる。
【0052】
ここで、本実施例に係る床ずれ防止マットAの構成についてさらに詳述する。
【0053】
前述したように、本床ずれ防止マットAは、成型品であるシート材1を、同シート材1に一体成形された空気セル11,12の開口部同士が付き合わされた状態で重合溶着したもので、特に、互いに溶着されたシート材1は同一種のものを用いている。
【0054】
すなわち、図9(a)に示すように、型(図示せず)によって成型され、箱型形状の空気セル11,12と、断面視略蒲鉾形状の連通管41,42が一体成形された同種のシート材1,1を互いに突合せると、図9(b)に示すように、互いに付き合わされた連通管41,42同士はタスキ掛けのように×字状となって、全ての空気セル11,12が連通してしまうことになる。
【0055】
そこで、上下のシート材1,1同士を熱溶着する際に、図9(c)及び図10に示すように、第一のセル群21の空気セル11同士、及び第二のセル群22の空気セル12同士が連通するように、一方の連通管41(42)を開通状態にして他方の連通管42(41)を閉塞するように連通管ごと同時に溶着する。
【0056】
なお、図9(a)においては、凸印を表示しているものがシート材1の表面をなし、空気セル11,12の頂部が見えており、凹印を表示しているものは裏面をなすもので空気セル11,12の開口部が見えている。
【0057】
図11にシート材1,1同士を熱溶着した状態を示す。図中15は熱溶着部であり、各空気セル11,12がそれぞれ独立してシールされている。
【0058】
このように、本実施例によれば、シート材1が長方形であっても、同一のシート材1,1同士を重合してシート体10を形成することができ、製造がきわめて簡単になり、低コストで床ずれ防止マットAの製造が可能となる。また、空気セル11,12と連通管41,42とを同一型により一体成型しているので、製造が容易となり、製造コストも低減可能となる。
【0059】
なお、シート材1を正方形に形成しておけば、二枚のシート材1,1を上下重合させるときに、一方を90度回転させて付き合わせれば、図12に示すように、連通管41,42同士も整合し、重合状態で断面視円筒状の連通管41,42となるので、かかる正方形のシート材1を基本ユニットとして、これらを連接して長方形の床ずれ防止マットAを構成するようにしてもよい。
【0060】
あるいは、全く同種のシート材1同士を重合させるのではなく、他の実施例として、図13及び図14に示すように、一方のシート材1には断面視略蒲鉾状の連通管41,42を形成するが、他方のシート材1では連通管41,42は省略し、これらを重合させてシート体10を形成するものである。ここでも、図13(a)においては、凸印を表示しているものがシート材1の表面をなし、空気セル11,12の頂部が見えており、凹印を表示しているものは裏面をなすもので空気セル11,12の開口部が見えている。
【0061】
ところで、本実施例では、床ずれ防止マットAを、上述してきたように方形形状とした多数の空気セル11,12が碁盤状に一体成形された二枚のシート材1,1を重合したもので説明したが、図16〜図22のような変形したものであってもよい。
【0062】
図16に示したものは、上述してきたように方形形状とした空気セル11,12をシート材1の一方にのみ一体形成し、他方のシート材1は平面なシートのままで両者を接合したものである。
【0063】
図17に示したものは、シート材1に一体成形した多数の空気セル11,12を半球状にしたもので、これを上下に突合せて重合したものである。また、図18に示すように、かかる形状の空気セル11,12をシート材1の一方にのみ一体形成し、他方のシート材1は平面なシートのままで両者を接合することもできる。
【0064】
図19に示したものは、空気セル11,12を方形ではなく略長方形(略直方体)としたものである。なお、図20に示すように、シート材1から立ち上がる側壁部の稜線部分をなくして側壁部が曲面となるようにしてもよい。
【0065】
なお、これらについても、図21、図22に示すように、空気セル11,12をシート材1の一方にのみ一体形成し、他方のシート材1は平面なシートのままで両者を接合してもよい。
【0066】
以上説明してきたように、本実施例に係る床ずれ防止マットAは、空気セル11,12が型により成形されており、腰のある側壁部11a,12aを有する構成となっているので、排気しても型崩れしにくく、ある程度の原形を保持しているためにエアの給排が迅速に行え、使用者Mの使い心地を損なうことがない。しかも、製造コストの低減が図れる。
【0067】
また、シート材1を透明素材としているので、例えば、床ずれ防止マットAの下方から使用者Mの皮膚の状態を観察することができ、床ずれ予防や床ずれの研究などにも役立てることができる。
【発明の効果】
本発明は、以上に説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0068】
(1)請求項1記載の本発明では、多数の空気セルを平面方向に並設して空気セル群を形成するとともに、同空気セル群を、空気の給排が所定のタイミング差をもって行われる複数系統に区分して、一の系統に属する空気セルと他の系統に属する空気セルとを隣接するように配置した床ずれ防止マットにおいて、前記空気セルを成型材により形成し、膨張させるための給気時間を短縮可能とするとともに、排気時の型くずれ量を低減した床ずれ防止マットであって、一つの空気セル群をなす各空気セル同士は、同空気セルと一体成型され対角線方向に設けられる連通管を介して連通しており、成型材により形成した下方開口の空気セルが多数並設されたシート材同士を、各開口同士が重合するように突合せて連接することによって、対角線方向に設けられた前記連通管同士を互いに突合せて十字形状を構成するとともに、互いに突合せて十字形状を構成した前記連通管のうち一方の連通管を、一つの空気セル群同士が連通するように閉塞したことにより、空気セルを膨張させるための給気時間を短縮可能とするとともに、排気時の型くずれを防止でき、使用者の身体を保持していた空気セルが排気されて萎むときに、隣接する空気セルは給気されると瞬時に膨張して身体を保持するので、身体の上下動などを引き起こして使い心地を損ねることがない。
特に、一つの空気セル群をなす各空気セル同士は、同空気セルと一体成型された連通管を介して連通していることにより、空気セル群の給排を略同時に円滑に行え、しかも、製造コストの低減を図ることが可能となる。
また特に、成型材により形成した下方開口の空気セルが多数並設されたシート材同士を、各開口同士が重合するように突合せて連接したことにより、成形型の構成を変えることなく空気セルの高さを倍にすることができる。空気セルの高さが高いことから、クッション性も良好で使い心地が良好となるとともに、膨張したセルと排気されたセルとの差が大きくなり床ずれ防止効果が向上する。さらい、型の深さを特別深くする必要ないので、脱型しやすくなり、脱型ミスで不良品となるおそれもない。
また特に、前記連通管を十字形状にしたことにより、空気セル群を形成するシート材の形状が長方形であっても、同一型で成形した同じシート材を突き合わせて重合してマットを形成することができるので、コスト低減が図れる。
【0069】
(2)請求項2記載の本発明では、前記空気セルを、矩形箱型に形成したことにより、空気セルは側壁部を周囲に有することになり、しっかりした腰があるので排気した場合に型崩れ量を可及的に低減することが可能となる。また、各空気セル間の隙間に溜まり易い塵などの清掃も空気セル同士が被さったりすることがないのできわめて容易となる。
【0070】
(3)請求項3記載の本発明では、前記空気セルを格子状に配設して空気セル群を形成したことにより、空気の給排が交互のタイミングで行われる第一のセル群と第二のセル群とに二系統に区分したときに、第一の系統に属する空気セルと第二の系統に属する空気セルとを隣接するように配置することができるので、使用者の身体を保持する部分の入れ替わりを使用者に意識させることがなく、使い心地の良好さを維持できる。しかも、給排タイミングを異ならせた二系統の給排パイプを、シートの縁部に沿って二方向に設けることができるので、各給排パイプと各空気セルとの連通が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の床ずれ防止マットの使用状態を示す説明図である。
【図2】同従来の床ずれ防止マットの模式的説明図である。
【図3】本実施例に係る床ずれ防止マットの使用状態を示す説明図である。
【図4】同マットの模式的説明図である。
【図5】同マットの平面図である。
【図6】同マットの一部拡大斜視図である。
【図7】同マットの膨張・収縮状態を示す説明図である。
【図8】同マットの空気セルの断面形状を示す説明図である。
【図9】同マットの製造方法の概略を示す説明図である。
【図10】図9のI−I線における端面図である。
【図11】床ずれ防止マットの熱溶着部を示す説明図である。
【図12】連通管の変形例を示す説明図である。
【図13】他の実施例に係る床ずれ防止マットの製造方法概略を示す説明図である。
【図14】図13のII−II線における端面図である。
【図15】図13のIII−III線における端面図である。
【図16】空気セルの変形例を示す説明図である。
【図17】空気セルの変形例を示す説明図である。
【図18】空気セルの変形例を示す説明図である。
【図19】空気セルの変形例を示す説明図である。
【図20】空気セルの変形例を示す説明図である。
【図21】空気セルの変形例を示す説明図である。
【図22】空気セルの変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
A 床ずれ防止マット
1 シート材
2 空気セル群
10 シート体
11 空気セル
11a 側壁部
12 空気セル
12a 側壁部

Claims (3)

  1. 多数の空気セルを平面方向に並設して空気セル群を形成するとともに、同空気セル群を、空気の給排が所定のタイミング差をもって行われる複数系統に区分して、一の系統に属する空気セルと他の系統に属する空気セルとを隣接するように配置した床ずれ防止マットにおいて、前記空気セルを成型材により形成し、膨張させるための給気時間を短縮可能とするとともに、排気時の型くずれ量を低減した床ずれ防止マットであって、
    一つの空気セル群をなす各空気セル同士は、同空気セルと一体成型され対角線方向に設けられる連通管を介して連通しており、
    成型材により形成した下方開口の空気セルが多数並設されたシート材同士を、各開口同士が重合するように突合せて連接することによって、対角線方向に設けられた前記連通管同士を互いに突合せて十字形状を構成するとともに、互いに突合せて十字形状を構成した前記連通管のうち一方の連通管を、一つの空気セル群同士が連通するように閉塞したことを特徴とする床ずれ防止マット。
  2. 前記空気セルを、矩形箱型に形成したことを特徴とする請求項1記載の床ずれ防止マット。
  3. 空気セルを格子状に配設して空気セル群を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の床ずれ防止マット。
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