JP2009178284A - クッション体およびクッション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の気体室への気体の充填量を独立に制御することなく、クッション体上に人または物が適正な姿勢で支持されるようにする。
【解決手段】相対向する2つの面をなす膜状体2を気体室形成接合部4〜10において線状に接合することにより複数の気体室11〜14を形成し、隣り合う2つの気体室11〜14を連通口16で連通する。気体室形成接合部4〜10とは別に、膜状体2を互いに線状に接合する姿勢調整用線状接合部19,20を設ける。複数の領域A〜Cにおいて、姿勢調整用線状接合部19,20の有無および(または)該姿勢調整用線状接合部19,20の設置密度を変えることにより、気体室11〜14に気体が適量充填された際、各領域A〜Cにおける無荷重時の気体室11〜14の最大厚さ部分の厚さTA,TB,TCが異なるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、寝具用マットレス(ベッド用マットレスおよび布団タイプのマットレス)、ソファー用マットレス、座布団、車椅子を含む椅子の座部等として使用するに好適なクッション体およびクッション装置に関する。
従来の一般的なクッション体は、その全面の硬度(押されて変形されようとするとき、その変形に対して呈する抵抗力の大きさ)が均一であったので、その上に支持される人または物のうちの、出っ張っていたり、重い部分が過度に沈み込み、クッション体上に支持される姿勢が不適正になるという問題があった。例えば、寝具用のマットレスの場合、使用者が仰向けに寝たとすると、出っ張っていて重い使用者の臀部が深く沈み込む一方、頭部側および足部側はあまり沈み込まないため、使用者は臀部が過度に沈み込んだ、本来は望ましくない、くの字状の姿勢で仰臥することを余儀なくされていた。
他方、クッション体として、従来より、内部に空気を封入したものが知られているが、このような空気封入タイプのクッション体の中には、(a)大きな1つの空気室のみを備えているもの、(b)多数の空気室がベース材に支持されており、かつこれら多数の空気室が互いに連通されているもの(例えば、特許文献1および2参照)、および(c)互いに連通されていない複数の空気室と、各空気室への空気の充填量(圧力)を独立に制御する手段とを備えているもの(例えば、特許文献3参照)があった。
しかし、前記(a)の大きな1つの空気室のみを備えているものは、人体や物体の支持対象物が非常に不安定に支持され、安定性がよくないという問題があった。また、所謂底付きを生じ易いという問題もあった。
また、前記(b)の互いに連通された多数の空気室を有するクッション体においては、多数の空気室を有することにより、上記問題を改善できる。また、各空気室は互いに連通されているので、それらがそれぞれ受ける変形の多少に関わらず同じ圧力になるため、広い領域において均一な圧力分布とすることができるから、使用者の体の一部にのみ局部的に大きな圧力が持続的に作用し、使用者の皮膚や筋肉組織を破壊する等の障害(例えば、寝たきり高齢者等に生じる床ずれがその一例である)を生じさせる虞を防止できる。
しかしながら、特許文献1および2等に開示されている、多数の空気室がベース材に支持されており、かつこれら多数の空気室が互いに連通されているクッション体は、縦横に格子状に設けられた連通路を介して各空気室が互いに連通される構成となっていたので、空気室および連通路の構造が複雑となり、製造コストが高くなるとともに比較的に重量が重くなるという問題があった。
そこで、本出願人は、先に特許文献4において、少なくとも1個のクッションユニットを有してなり、前記クッションユニットは、それぞれ膜状体に囲まれてなる3個以上の気体室と、これらの気体室に取り囲まれる位置に設けられ、各気体室を互いに連通する連通口とを有するクッション体を提案した。
このクッション体においては、気体室に空気等の気体を適量充填した状態とすると、外部から人体や物体に押圧された場合、押圧されることによって他の気体室より圧力が高くなった気体室の気体の一部が連通口を通って圧力の低い他の気体室へ押し出されて行く。この際、連通口は流体抵抗として機能し、高圧の気体室から低圧の気体室への気体の移動を急激ではなく、比較的に緩やかに行われるように作用する。これより、荷重状態の変動が無くなってから、ある時間経過後には、各クッションユニットの全ての気体室の圧力が等しくなる。
このクッション体は、構造を非常に簡単にすることができ、これにより、製造コストを極めて安価とすることができるとともに、極めて軽量とすることができる等、前記特許文献1および2等に開示されているクッション体の問題を解消できる。
しかしながら、前記特許文献4に開示されているクッション体は、前記(b)のタイプのクッション体とともに、クッション体上に支持される人または物の姿勢が不適正になるという問題を依然有していた。
これに対し、前記(c)のタイプの、互いに連通されていない複数の空気室と、各空気室への空気の充填量(圧力)を独立に制御する手段を備えたクッション体を用いた寝具は、各空気室への空気の充填量を変えて、各空気室の硬度を制御することにより、使用者の身体の各部の沈み込み量を制御して、使用者を適正な姿勢で支持することができる。
米国特許第4,005,236号明細書公報 米国特許第4,541,136号明細書公報 特開平3−215260号公報 特開2006−149986号公報
しかしながら、前記(c)のタイプのクッション体においては、各空気室への空気の充填量を独立に制御する手段が必要であるため、構成が非常に複雑になり、製造コストが非常に高くなるとともに、各空気室への空気の充填量を制御する作業自体も非常に面倒であるという問題があった。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、複数の気体室への気体の充填量を独立に制御することなく、クッション体上に人または物が適正な姿勢で支持されるようにすることができるクッション体およびクッション装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、構造が簡単で製造コストを安価にすることができるクッション体およびクッション装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
本発明によるクッション体は、
少なくとも1つの気体室群を有し、各前記気体室群は、相対向する2つの面をなす膜状体を線状の気体室形成接合部において互いに接合することにより形成された、互いに仕切られた状態で該膜状体に囲まれている複数の気体室と、隣り合う2つの前記気体室を互いに連通する連通口とを有してなり、各前記気体室群のすべての前記気体室は前記連通口を介して互いに連通されている、クッション体であって、
前記複数の気体室にそれぞれ跨って存在する複数の領域のうちの少なくとも1つの領域において、前記気体室形成接合部とは別に、前記気体室における前記相対向する2つの面をなす膜状体を互いに線状に接合しているが、前記気体室の外郭を構成するものではない姿勢調整用線状接合部をさらに有し、
前記複数の領域は、前記姿勢調整用線状接合部の有無および(または)該姿勢調整用線状接合部の設置密度を異にされることにより、各前記気体室に気体が適量充填された際の、各前記領域における無荷重時の前記気体室の最大厚さ部分の厚さが異なるようにされているものである。
また、本発明によるクッション装置は、
受け台と、この受け台上に載置されるクッション体とを有してなり、
前記クッション体は、少なくとも1つの気体室群を有し、各前記気体室群は、相対向する2つの面をなす膜状体を線状の気体室形成接合部において互いに接合することにより形成された、互いに仕切られた状態で該膜状体に囲まれている複数の気体室と、隣り合う2つの前記気体室を互いに連通する連通口とを有してなり、各前記気体室群のすべての前記気体室は前記連通口を介して互いに連通されており、
前記クッション体は、前記複数の気体室にそれぞれ跨って存在する複数の領域のうちの少なくとも1つの領域において、前記気体室形成接合部とは別に、前記気体室における前記相対向する2つの面をなす膜状体を互いに線状に接合しているが、前記気体室の外郭を構成するものではない姿勢調整用線状接合部をさらに有し、
前記複数の領域は、前記姿勢調整用線状接合部の有無および(または)該姿勢調整用線状接合部の設置密度を異にされることにより、各前記気体室に気体が適量充填された際の、各前記領域における無荷重時の前記気体室の最大厚さ部分の厚さが異なるようにされており、
前記受け台の上面は、各前記領域における無荷重時の前記気体室の最大厚さ部分の厚さに対応して段差を設けられており、各前記気体室に気体が適量充填された際、載置された前記クッション体の各前記領域の上面がほぼ1つの水平面をなすようにされているものである。
本発明のクッション体およびクッション装置においては、各気体室群の気体室に空気等の気体が適量充填されている状態において、外部から人体や物体に押圧された場合、押圧されることによって他の気体室より圧力が高くなった気体室の気体の一部が連通口を通って圧力の低い他の気体室へ押し出されて行く。この際、連通口は流体抵抗として機能し、高圧の気体室から低圧の気体室への気体の移動が急激ではなく、比較的に緩やかに行われるように作用する。これより、荷重状態の変動が無くなってから、ある時間経過後に、各クッションユニットの全ての気体室の圧力が等しくなる。
したがって、外部から人体や物体に押圧された部分は比較的緩やかに押し下げられて行く一方、その近傍の部分は比較的緩やかに膨張してクッション体側から人体や物体を押圧するようになるので、人体や物体がクッション体の広い領域で支持される。そして、連通口を通して気体室間を気体が移動している過程では、各クッションユニットの気体室間に多少の圧力差が存在しているものの、荷重の変動が無くなってから、ある時間経過後には、各気体室は同じ圧力となるので、人体や物体がクッション体の広い領域で均一な圧力で支持される。
また、仮にクッション体の全領域において、無荷重時の最大厚さ部分の厚さが等しくされているとすると、出っ張っていたり、重い部分は過度に沈み込み、比較的に平坦で軽い部分はあまり沈み込まないか、または沈み込んだ部分から押し出されて来た気体によりむしろ持ち上げられた状態となり、クッション体上に不適正な姿勢で人または物が支持されることになる。
しかるに、このクッション体においては、姿勢調整用線状接合部の有無および(または)該姿勢調整用線状接合部の設置密度を異にすることにより、気体を適量充填されたときの無荷重時の最大厚さ部分の厚さを、出っ張っていたり重い部分が載置されると予定される領域では厚くする一方、そうでない領域では薄くしておくことによって、薄い領域では収容可能な気体の量が小さくなるので、クッション体の全領域が等しく厚くされている場合に比較し、厚い領域では薄い領域への気体の流出が抑制されて、沈み込み量が抑制される一方、薄い領域では、厚い領域からの気体の流入による膨張、ひいては持ち上げ量が抑制される。したがって、各気体室への気体の充填量を独立に制御することなく、クッション体上に人または物が適正な姿勢で支持されるようにすることができる。
本発明のクッション体およびクッション装置によれば、
(イ)複数の気体室への気体の充填量を独立に制御することなく、クッション体上に人または物が適正な姿勢で支持されるようにすることができる、
(ロ)構造が簡単で製造コストを安価にすることができる、
等の優れた効果を得ることができる。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1〜6は、本発明の一実施例におけるクッション体1およびクッション装置を示しており、この実施例は本発明を寝具用マットレスに適用した例である。クッション体1は、ともに矩形状の第一および第二の膜状体2,3の所要部分を以下に詳しく説明するように互いに接合してなる。前記膜状体2,3は、ウレタンシートに植毛してなる植毛ウレタンシートからなり、ガスバリア性、柔軟性ないしは可撓性、および伸縮性を有している。
前記2枚の膜状体2,3は、 ヒートシール方式 、インパルスシール方式、高周波シール方式または超音波シール方式等により、図1および3によく示されるように、4本の周辺気体室形成接合部4〜7と、3本の中間気体室形成接合部8〜10とにおいて、互いに溶着接合されている。図1に示されるように、前記周辺気体室形成接合部4〜7は、膜状体2,3の周辺4辺を線状に延びている一方、前記中間気体室形成接合部8〜10は、膜状体2,3を4分割するようにして長さ方向に線状に延びている。これにより、1つのクッション体1に、互いに仕切られた状態で、膜状体2,3に囲まれた長さ方向に延びる細長い4つの気体室11〜14が形成されている。
前記中間気体室形成接合部8〜10の一端と幅方向に延びる周辺気体室形成接合部7との間には、膜状体2,3が互いに接合されていない非接合部分15がそれぞれ設けられている。そして、これらの非接合部分15により、隣り合う2つの気体室11と12、12と13および13と14とをそれぞれ互いに連通する3つの連通口16(図4および5参照)が形成されている。本実施例では、1つのクッション体1が前記4つの気体室11〜14からなる1つの気体室群のみを有しており、4つのすべての気体室11〜14が各連通口16を介して互いに連通されている。
各連通口16には、1本の共通の紐状体17が挿通されている。この紐状体17としては、例えば、布紐、ゴム紐、合成樹脂紐、紙紐等の種々のものを使用することができる。この紐状体17は、ある程度の伸縮性を持つことが好ましいが、その伸縮性はゴム紐のような大きな伸縮性でなくてもよく、通常の布紐、合成樹脂紐、紙紐程度の伸縮性でよい。紐状体17自体が通気性を全く有さない場合は、各連通口16の内面と紐状体17の外周との間に間隙を設ける必要があるが、布紐等のように紐状体17自体が通気性を有する場合は、各連通口16の内面と紐状体17の外周との間に間隙を設けなくてもよい。前記紐状体17の横断面形状は、円形でも、四角形等の非円形であってもよい。また、前記紐状体17は、その適所を膜状体2,3に対して固定してもよいが、各連通口16から抜け出てしまう虞がない場合は、どの部分も膜状体2,3に対し固定しなくてもよい。
前記気体室11には、従来公知の、逆止弁を内蔵した軟質プラスチックからなる気体注入・排出口18(図1参照)が設けられており、この気体注入・排出口18は一体に設けられた栓18aにより開閉できるようになっている。
前記クッション体1は、それぞれすべての気体室11〜14に跨る領域である頭部側領域A、中央領域Bおよび足部側領域Cの3つの領域に分割されている。前記頭部側領域Aはクッション体1の長さ方向一端側に位置し、使用者の頭部側が支持されると想定される領域、足部側領域Cはクッション体1の長さ方向他端側に位置し、使用者の足部側が支持されると想定される領域、中央領域Bは頭部側領域Aと足部側領域Cとの間に挟まれた領域であって、使用者の臀部等の中央部が支持されると想定される領域である。
前記2枚の膜状体2,3は、頭部側領域Aおよび足部側領域Cにおいて、前記気体室形成接合部4〜10とは別に、次に説明する線状の姿勢調整用線状接合部19,20によっても、気体室形成接合部4〜10と同じ方法により互いに溶着接合されている。前記頭部側領域Aには、各気体室11〜14につき1本の姿勢調整用線状接合部19が、各気体室11〜14の幅方向中央部を長さ方向に延びるようにして設けられており、これらの姿勢調整用線状接合部19において気体室11〜14における膜状体2,3が互いに線状に接合されている。同様にして、前記足部側領域Cには、各気体室11〜14につき2本の姿勢調整用線状接合部20が、各気体室11〜14を幅方向に3分割する位置において、それぞれ長さ方向に線状に設けられており、これらの姿勢調整用線状接合部20において気体室11〜14における膜状体2,3が互いに線状に接合されている。図1から明らかなように、前記姿勢調整用線状接合部19,20はいずれも気体室11〜14の外郭を構成するものではない。前記中央領域Bには、姿勢調整用線状接合部は設けられていない。
前述のようにクッション体1の頭部側領域A、中央領域Bおよび足部側領域Cの3つの領域では、それぞれ姿勢調整用線状接合部19,20の有無および設置密度が異にされている。これにより、気体室11〜14に空気が適量充填された際、各領域A,B,Cにおける無荷重時の気体室11〜14の最大厚さ部分の厚さTA,TB,TC(図2,3,6参照)が異なるようになっており、
B>TA>TC
とされている。
図7および8は、本実施例におけるクッション体1の製造工程を示している。まず、図7のように、水平面上に第二の膜状体3を広げ、この第二の膜状体3の所定位置に紐状体17を一直線状に延ばして載置するとともに、例えば粘着テープ等(図示せず)で第一の膜状体2に対して紐状体17を仮止めし、その後行う溶着作業中に第二の膜状体3に対して紐状体17が動かないようにする。次に、図8のように、第二の膜状体3および紐状体17の上に第二の膜状体4を重ねる。これにより、互いに対向させた第一および第二の膜状体2,3間に紐状体17を位置させた状態となる。
次に、膜状体3,4の所要部分を溶着して、周辺気体室形成接合部4〜7、中間気体室形成接合部8〜10および姿勢調整用線状接合部19,20を形成し、その際、紐状体17が置かれている部分には非接合部分15が形成されるようにする。これにより、前述ような互いに仕切られた複数の気体室11〜14が形成されるとともに、非接合部分15により連通口16が形成され、各連通口16に共通の紐状体17が挿通された状態となり、かつ前述のように厚さの異なる領域A〜Cが形成される。なお、前記溶着作業終了後は、前記仮止めは外れてしまっても構わない。
図1〜5は、クッション体1が重力の影響を受けないで自由な状態で膨らんでいる状態を示しており、本実施例における実際の使用状態を示している訳ではない。図6は、本実施例におけるクッション装置を示しており、クッション体1は受け台21上に載置された状態で使用される。前記受け台21の上面21aは一つの水平面ではなく、クッション体1の頭部側領域A、中央領域Bおよび足部側領域Cの最大厚さ部分の厚さTA,TB,TCに対応した段差を設けられており、載置されたクッション体1の各気体室11〜14に気体が適量充填された際、クッション体1の頭部側領域A、中央領域Bおよび足部側領域Cの上面がほぼ1つの水平面をなすようにされている。前記受け台21の材質は、スポンジ状物体等の柔らかい材質のものであっても、硬いものであってもよい。
次に、本発明の作動を説明する。
このクッション体1においては、気体注入・排出口18から気体室11に空気を注入すると、3つの連通口16を通って他の気体室12〜14にも空気が充填されて行く。
そして、各気体室11〜14に空気を適量充填した状態とすると、外部から人体や物体に押圧された場合、押圧されることによって他の気体室より圧力が高くなった気体室の空気の一部が各連通口16を通って圧力の低い他の気体室へ押し出されて行く。この際、連通口16は流体(空気)抵抗として機能し、高圧の気体室から低圧の気体室への気体の移動が急激ではなく、比較的に緩やかに行われるように作用する。これより、荷重状態の変動が無くなってから、ある時間経過後に、全ての気体室11〜14の圧力が等しくなる。
したがって、外部から人体や物体に押圧された部分は比較的緩やかに押し下げられて行く一方、その近傍の部分は比較的緩やかに膨張してクッション体11側から人体や物体を押圧するようになるので、人体や物体がクッション体11の広い領域で支持される。そして、空気が連通口16を通して気体室11〜14間を移動している過程では、気体室11〜14間に多少の圧力差が存在しているものの、荷重状態の変動が無くなってから、ある時間経過後には、各気体室11〜14は同じ圧力となるので、人体や物体がクッション体11の広い領域で均一な圧力で支持される。これ故、人体に接触される用途の場合は、使用者の体の一部にのみ局部的に大きな圧力が持続的に作用し、使用者の皮膚や筋肉組織を破壊する等の障害の発生を防止できる。
また、複数の気体室11〜14を有しているので、人体が安定に支持されるようにすることができるとともに、所謂底付きを生じ難くすることができる。
また、仮にクッション体1の全領域において、無荷重時の最大厚さ部分の厚さが等しくされている場合には、使用者の身体のうちの、臀部のように出っ張っていたり、重い部分は大きく沈み込む一方、比較的に平坦で軽い部分はあまり沈み込まないか、または沈み込んだ部分から押し出されて来た空気によりむしろ持ち上げられた状態となる。したがって、従来の一般のクッション体と同様に、臀部が過度に沈み込んだくの字状の不適正な姿勢でクッション体1上に使用者が支持されることになる。
しかるに、このクッション体1においては、空気を適量充填されたときの無荷重時の最大厚さ部分の厚さTA,TB,TCが3つの領域A,B,C毎に異なるようになっており、
B>TA>TC
とされているので、薄い頭部側領域Aおよび足部側領域Cでは収容可能な気体の量が小さくなるため、クッション体1の全領域が等しく厚くされている場合に比較し、クッション体1上に仰臥する使用者の臀部が支持される厚い中央領域Bでは、薄い頭部側領域Aおよび足部側領域Cへの空気の移動が抑制されて沈み込み量が抑制される一方、薄い頭部側領域Aおよび足部側領域Cでは、厚い中央領域Bからの空気の流入による膨張、ひいては持ち上げ量が抑制されるので、使用者がクッション体1上に仰臥した際の、使用者の各部の身体の上下方向位置を自律的に調整し、使用者がクッション体1に支持される姿勢を適正な生理的に真直ぐな姿勢とすることができる。
なお、体重の重い人ほど臀部の沈み込み量が大きくなるので、使用者の体重に応じて、クッション体1内への空気の充填量を変えて、圧力調整をすれば、より一層使用者の姿勢を適正に調整することができる。
このクッション体1では、各気体室11〜14は互いに連通されており、荷重状態が変動しなくなってから、ある時間経過後には、各気体室11〜14の気圧は同一になるので、各気体室11〜14への空気の充填量を独立に制御する手段は必要ないため、構成が非常に単純であり、製造コストを安くすることができるとともに、各気体室へ空気の充填も非常に容易である。
また、前記実施例では、連通口16に紐状体17が挿通されているが、本発明においては、必ずしも連通口に紐状体を挿通する必要はない。しかし、紐状体またはそれに代わる手段を設けない場合は、場合によっては、外部から圧力を作用されても、連通口において相対向する膜状体の内面同士が互いに貼り付いて密着したままとなることによって、連通口が閉じたままとなり、気体室間で空気の移動が行われないことがある一方、突然相対向する膜状体の内面同士が大きく離れ、したがって連通口が大きく開き、突然気体室間で空気の移動が大きく行われるようになったりして、動作が不安定になる虞がある。
しかしながら、本実施例では、連通口16に紐状体17が挿通されているので、連通口16における膜状体2,3の内面同士の貼り付きを確実に防止し、気体室11〜14間における空気の移動が常に安定に行われるようにすることができる。
そして、単に連通口16に紐状体17を挿通するだけで、連通口16における膜状体2,3の内面同士の貼り付きを防止できるため、製造が極めて容易であり、製造コストを極めて安価とすることができる。
また、本出願人が特許文献4において提案したクッション体においては、1つの連通口が3つ以上の気体室に取り囲まれていたので、気体室間を空気等の気体が移動するとき、その気体流が複雑な流れとなるため、異音が発生しやすいという問題や、長尺のものは製造しにくいという問題もあった。また、それぞれ3つ以上の気体室に取り囲まれている連通口部分に、該連通口における膜状体の内面同士の間の貼り付きを防止するリング状等の貼り付き防止体を設けると、気体室間の気体移動が常に安定に行われるようにすることができるが、その場合、製造が比較的に面倒になり、製造コストが上昇するという問題もあった。
しかるに、本実施例では、各連通口16は、隣り合う2つの気体室11〜14のみを連通しているだけなので、気体室11〜14間を空気が移動するとき、その空気流が複雑な流れとなることがないため、異音が発生しにくい。また、前述のように連通口16に挿通される紐状体17を貼り付き防止体とすることができるので、製造が極めて容易であり、製造コストを極めて安価とすることができる。
また、前記実施例では、受け台21がその全体を一体的に構成されているが、本発明においては、受け台はその各部が適当に分割された構成としてもよい。
また、本発明においては、場合によっては前記受け台は必要ではない。しかし、多くの場合には、前記受け台を設ければ、無荷重時にクッション体の上面全面がほぼ同一水平面に位置するようにして、人または物がクッション体上に支持される姿勢をより適正にすることができる。
また、前記実施例では、気体室11〜14を構成する膜状体2,3としてウレタンシートを使用しているが、本発明において気体室を構成する膜状体としては、柔軟性ないしは可撓性を有するものであれば、他の種の材料からなるフィルムないしはシート等も使用可能である。また、本発明において気体室を構成する膜状体としては、ガスバリア性を有するもの、伸縮性を有するものが好ましいが、場合によっては、伸縮性の乏しい膜状体も使用可能である。また、膜状体を溶融させて接合部を作成する場合は、例えば、熱可塑性ポリウレタン樹脂、EVA、スチレン系エラスマー、オレフィン系エラストマー等の熱可塑エラスマーが好適に使用できる。
また、前記各実施例では、気体室11〜14を構成する膜状体2,3として特に植毛されたウレタンシートを使用しているが、本発明においては、植毛されていない膜状体を使用してもよい。ただし、前記実施例のように気体室を構成する膜状体として植毛されているものを用いれば、クッション体使用時、膜状体同士や膜状体と外皮(この外皮で膜状体を包む場合)との接触により異音が発生することがないという利点が得られる。
また、前記実施例では、2枚の膜状体2,3により1つのクッション体1を作成しているが、1枚の膜状体を2つ折りして相対向させる等により、1枚の膜状体から1つのクッション体を作成することも可能である。
また、前記実施例では、気体室形成接合部4〜10および姿勢調整用線状接合部19,20の形成を溶着により行っているが、これらを接着、縫合等の他の手段により行ってもよい。
また、本発明においては、1つのクッション体に設ける気体室の数、形状、配置等、および姿勢調整用線状接合部の数、形状、配置等は、前記実施例のものに限られることはない。
また、前記実施例は、本発明を寝具用マットレスに適用した例であるが、本発明は他の種のクッション体にも適用できるものである。例えば、座布団やソファーの場合、従来品では膝側の部分に比し臀部側の部分が過度に沈み込みがちであるが、各気体室の臀部側の領域より膝部側の領域において、姿勢調整用線状接合部の設置密度を大きくするか、または膝部側の領域には姿勢調整用線状接合部を設置するが、臀部側の領域には姿勢調整用線状接合部を設けないことにより、気体を適量充填された際の無荷重時の最大厚さ部分の厚さが、膝部側領域より臀部側領域の方が厚くなるようにすることにより、使用者が適正な姿勢で支持されるようにすることができる。
また、前記実施例では、1つのクッション体1が気体室群を1つのみ有しているが、本発明においては、1つのクッション体が気体室群を複数有してもよい。この場合は、各気体室群の空気量の調整はそれぞれ独立に行わなければならないが、それでも各気体室の空気量(圧力)を独立に調整する必要はない。
また、前記実施例においては、気体室11〜14に空気を収容しているが、本発明においては、気体室に空気以外の気体を収容してもよい。
また、前記実施例は、人間を支持するクッション体およびクッション装置であるが、本発明は物体を支持するクッション体およびクッション装置にも適用できるものである。
以上のように本発明によるクッション体およびクッション装置は、寝具用マットレス、ソファー用マットレス、座布団、車椅子を含む椅子の座部等のクッション体およびクッション装置として有用である。
本発明の一実施例における各気体室に空気を適量充填した状態のクッション体を示す平面図である。 前記クッション体を示す側面図である。 前記クッション体を示す背面図である。 図1のIV−IV線における断面図である。 図1のV−V線における断面図である。 前記実施例におけるクッション装置を示す断面図である。 前記実施例のクッション体の製造工程において、第二の膜状体の上に紐状体が置かれた状態を示す断面図である。 前記実施例のクッション体の製造工程において、第二の膜状体および紐状体上に第一の膜状体が重ねられた状態を示す断面図である。
符号の説明
1 クッション体
2 第一の膜状体
3 第二の膜状体
4〜7 周辺気体室形成接合部
8〜10 中間気体室形成接合部
11〜14 気体室
15 非接合部分
16 連通口
17 紐状体
19,20 姿勢調整用線状接合部
21 受け台
21a 受け台の上面
A 頭部側領域
B 中央領域
C 足部側領域

Claims (3)

  1. 少なくとも1つの気体室群を有し、各前記気体室群は、相対向する2つの面をなす膜状体を線状の気体室形成接合部において互いに接合することにより形成された、互いに仕切られた状態で該膜状体に囲まれている複数の気体室と、隣り合う2つの前記気体室を互いに連通する連通口とを有してなり、各前記気体室群のすべての前記気体室は前記連通口を介して互いに連通されている、クッション体であって、
    前記複数の気体室にそれぞれ跨って存在する複数の領域のうちの少なくとも1つの領域において、前記気体室形成接合部とは別に、前記気体室における前記相対向する2つの面をなす膜状体を互いに線状に接合しているが、前記気体室の外郭を構成するものではない姿勢調整用線状接合部をさらに有し、
    前記複数の領域は、前記姿勢調整用線状接合部の有無および(または)該姿勢調整用線状接合部の設置密度を異にされることにより、各前記気体室に気体が適量充填された際の、各前記領域における無荷重時の前記気体室の最大厚さ部分の厚さが異なるようにされているクッション体。
  2. 前記連通口は、前記気体室形成接合部の間に設けられた、前記相対向する2つの面をなす膜状体が互いに接合されていない部分により形成されており、前記連通口に挿通された紐状体を有する請求項1記載のクッション体。
  3. 受け台と、この受け台上に載置されるクッション体とを有してなり、
    前記クッション体は、少なくとも1つの気体室群を有し、各前記気体室群は、相対向する2つの面をなす膜状体を線状の気体室形成接合部において互いに接合することにより形成された、互いに仕切られた状態で該膜状体に囲まれている複数の気体室と、隣り合う2つの前記気体室を互いに連通する連通口とを有してなり、各前記気体室群のすべての前記気体室は前記連通口を介して互いに連通されており、
    前記クッション体は、前記複数の気体室にそれぞれ跨って存在する複数の領域のうちの少なくとも1つの領域において、前記気体室形成接合部とは別に、前記気体室における前記相対向する2つの面をなす膜状体を互いに線状に接合しているが、前記気体室の外郭を構成するものではない姿勢調整用線状接合部をさらに有し、
    前記複数の領域は、前記姿勢調整用線状接合部の有無および(または)該姿勢調整用線状接合部の設置密度を異にされることにより、各前記気体室に気体が適量充填された際の、各前記領域における無荷重時の前記気体室の最大厚さ部分の厚さが異なるようにされており、
    前記受け台の上面は、各前記領域における無荷重時の前記気体室の最大厚さ部分の厚さに対応した段差を設けられており、各前記気体室に気体が適量充填された際、載置された前記クッション体の各前記領域の上面がほぼ1つの水平面をなすようにされているクッション装置。
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WO2011001546A1 (ja) 2009-06-29 2011-01-06 三菱重工業株式会社 太陽熱発電システムに係るガスタービンプラント、受熱器、発電装置、太陽光集光システム
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