JP3794945B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車に採用される自動変速機の油圧制御装置に関し、特に係合側の摩擦係合要素におけるいわゆるがた詰制御の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の摩擦係合要素(クラッチあるいはブレーキ)を備え、これら摩擦係合要素に油圧を供給することによって何れか1つ又は複数の摩擦係合要素を選択的に係合させ、もって複数の変速段を実現するようにした自動変速機が知られている。
【0003】
上記摩擦係合要素は、油圧室に油圧を供給するとピストンが前進して各クラッチ板等を互いに圧接させ、もって動力を伝達可能とし、又油圧を抜くとリターンスプリングがピストンを後退させ、各クラッチ板等が互いに分離して動力の伝達を遮断するようになっている。
【0004】
ところで上記油圧を供給開始してピストンを前進させても上記クラッチ板又はブレーキ板同士が即座に係合を開始する訳ではない。即ち、上記油圧を受けてピストンがリターンスプリングに抗して移動開始してから、各クラッチ板あるいはブレーキ板が互いに接触するまでの間は無効ストロークとなり、これが係合遅れの原因となる。
【0005】
このような係合遅れを解消するようにした自動変速機の制御装置として、従来例えば、特許第2850250号に記載されているように、係合初期圧を前回のイナーシャ相開始までの時間により補正するようにしたもの、あるいは特開平11−82704号公報に記載されているように、サーボ起動制御時間を学習制御によって一定に維持するようにしたものがある。このようにして、上述のピストンの無効ストロークをなくした状態で待機するいわゆるがた詰め制御を行ない、もって係合開始までの時間を短縮しようというのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来装置のような構成では、リターンスプリングのばね定数等の特性のばらつきや、ピストンの摺動抵抗のばらつき等によって上記がた詰めが十分に行なわれず、がたのない状態で待機していない場合がある。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、上述のピストンの無効ストロークを可能な限り小さくしておくことにより係合開始までの時間を短縮でき、変速時のタイムラグを小さくできる自動変速機の油圧制御装置を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、一方の摩擦係合要素を開放しつつ他方の摩擦係合要素を係合させることにより変速するようにした自動変速機の油圧制御装置において、変速指令が発せられると、係合側の摩擦係合要素の油圧室に所定の無効ストロークを無くすための油圧を出力し、続いて該係合側のピストンが動かない程度でかつ一定圧保持部分を有する待機圧を出力し、開放側の摩擦係合要素の油圧を抜いてタービン回転数が上昇するポイントが検出されると上記係合側の油圧室に上記待機圧より高くかつ一定圧保持部分を有するオフセット圧を出力し、しかる後に上記係合側の摩擦係合要素に係合初期圧を出力し、該係合初期圧は、上記タービン回転数が予め設定された速度で減少するよう学習制御して得られたものであり、上記オフセット圧は上記学習制御された係合初期圧に基づいて算出されたものであることを特徴としている。
【0010】
【発明の作用効果】
請求項1の発明によれば、係合側の油圧室に、無効ストロークを無くすための油圧を出力し、続いて該係合側のピストンが動かない程度の待機圧を出力し、さらにタービン回転数が上昇するポイントにおいて上記待機圧より高いオフセット圧を出力したので、係合初期圧の出力までの間に無効ストロークを十分に小さくすることができ、その結果係合開始までの時間を短縮でき、変速タイムラグを小さくできる。また係合開始までの時間を短縮できるので、限られた変速時間の中でタービン回転数を低減させる際の速度を緩くでき、変速ショックを低減できる。
【0011】
また、上記オフセット圧を、タービン回転数が予め設定された速度で減少するよう学習制御することにより得られた係合初期圧に基づいて算出するようにしたので、リターンスプリングのばね力やピストンの摺動抵抗のバラツキや油圧経路容積のバラツキ等に起因するがた詰め量のバラツキを吸収でき、無効ストロークを精度よく詰めた状態で係合初期圧の出力を待つことができ、応答性を向上できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図8は本発明の一実施形態を説明するための図である。本実施形態の自動変速機を搭載した車両のシステムを示す図1において、エンジン1の出力は、自動変速機2のトルクコンバータ3を経て変速機構4に伝達され、さらに該変速機構4から出力軸5を介して車輪(図示せず)に伝達される。
【0014】
上記自動変速機2はエンジン1によりトルクコンバータ3を介して駆動されるオイルポンプ6を備えており、このオイルポンプ6の吐出圧は油圧制御回路7に送られる。この油圧制御回路7はB1ブレーキ用,C2クラッチ用,C3クラッチ−B2ブレーキ用の3つの電磁弁32〜34を備えており、これら電磁弁32〜34をコントローラ35で開閉制御することにより、変速機構4に内蔵されている各種摩擦係合要素(クラッチ又はブレーキ)への油圧を走行状態に応じた各種の信号a〜eに応じて制御している。なお、ここでは上記コントローラ35にシフトポジション,タービン回転数,車速,スロットル開度,ATF油温,エンジン回転数などの信号a〜fが入力されているが、さらに他の信号を入力してもよい。
【0015】
図2は変速機構4の一例の模式図、図3はその断面側面図、図4は要部の拡大図である。この変速機構4は、エンジン動力がトルクコンバータ3のポンプ羽根車3aからタービン羽根車3bを介して伝達される入力軸10と、摩擦係合要素である3個のクラッチC1〜C3,2個のブレーキB1,B2,ワンウエイクラッチFからなる入力経路切替機構15と、ラビニヨウ型遊星歯車機構11と、差動装置14等とを備えている。
【0016】
上記遊星歯車機構11は以下の構造を備えている。
上記入力軸10と同一軸線上にかつ相対回転可能に配置された中間軸19の図示左部(後部)上に後サンギヤ11bが回転自在に配設され、該後サンギヤ11bに一体形成されて中間軸19の図示右部(前部)に延びる筒状のボス部11b′上に前サンギヤ11aが回転自在に配設されている。
【0017】
また上記中間軸19の図示左端部(後端部)にはキャリア11cが該中間軸15と共に回転するようにスプライン嵌合等により装着され、該キャリア11cに植設されて前側に延びる後ピニオン軸11gにより回転自在に支持された軸長の短い後ピニオン11eは上記後サンギヤ11bに噛合し、前ピニオン軸11hにより回転自在に支持された軸長の長い前ピニオン11dの前部は上記前サンギヤ11aに噛合し、さらに該前ピニオン11dの後部はリングギヤ11fの内歯に噛合している。なお、リングギヤ11fの回転はプライマリーリダクションドライブギヤ12からドリブンギヤ13を経て上記差動装置14に伝達される。
【0018】
上記入力経路切替機構15は以下の構造を有している。
上記クラッチC1は、上記入力軸10と上記前サンギヤ11aとを接断するためのもので、上記入力軸10にこれと共に回転するように装着されたカップ状のクラッチアウタ16aと、上記前サンギヤ11aに結合固定されたカップ状のクラッチインナ16bと、該クラッチインナ16b,クラッチアウタ16aとの間に配設された複数のクラッチ板16cと、該クラッチ板16cを軸方向に移動させて互いに圧接させるカップ状のピストン16dとを備えている。このピストン16dは上記クラッチアウタ16a内にこれと共に回転するように、かつ軸方向移動可能に配設され、該クラッチアウタ16aとピストン16dとの間の空間(クラッチC1用油圧室)16に油圧が供給されると、上記クラッチ板16cを圧接させて該クラッチC1を接続状態にする。
【0019】
上記クラッチC2は、上記入力軸10と上記後サンギヤ11bとを接断するためのもので、上記クラッチC1のピストン16dが兼用されているクラッチアウタ17aと、上記後サンギヤ11bのボス部11b′にこれと共に回転するようスプライン嵌合等で結合されたカップ状のクラッチインナ17bと、該クラッチインナ17b,上記クラッチアウタ17aとの間に配設された複数のクラッチ板17cと、該クラッチ板17cを軸方向に移動させて互いに圧接させるカップ状のピストン17dとを備えている。このピストン17dは上記ピストン16d内にこれと共に回転しかつ軸方向に移動可能に配設され、該ピストン16dと17dとの間の空間(クラッチC2用油圧室)17に油圧が供給されると、上記クラッチ板17cを互いに圧接させて該クラッチC2を接続状態にする。なお、16eはピストン16d,17dを後退端位置に付勢するリターンスプリングである。
【0020】
上記クラッチC3は、上記入力軸10と上記中間軸19ひいてはキャリア11cとを接断するためのもので、上記入力軸10に固定されたクラッチアウタ18aと、上記中間軸19に固定されたクラッチインナ18bと、該クラッチインナ,アウタ18b,18a間に配設された複数のクラッチ板18cと、該クラッチ板18cを軸方向に移動させて互いに圧接させるカップ状のピストン18dとを備えている。このピストン18dはアウタクラッチ18a内にこれと共に回転しかつ軸方向に移動可能に配設され、該アウタクラッチ18aとピストン18dとの間の空間(クラッチC3用油圧室)18に油圧が供給されると、上記クラッチ板18cを互いに圧接させて該クラッチC3を接続状態にする。なお、18eはピストン18dを後退端位置に付勢するリターンスプリングである。
【0021】
上記ブレーキB1は、上記前サンギヤ11aの回転を止めるためのものであり、ケーシング9側に固定されたブレーキアウタ20aと上記前サンギヤ11aに固定され上記クラッチC1のクラッチインナ16bが兼用されているブレーキインナ20bとの間に複数のブレーキ板20cを配設するとともにピストン20dにより該ブレーキ板20cを互いに圧接させるように構成されている。上記ピストン20dは、上記ケーシング9側に固定された環状のシリンダ部材20e内に軸方向に移動可能に配置されており、該シリンダ部材20eとピストン20dとの間の空間(ブレーキB1用油圧室)20に油圧を供給することにより上記ブレーキ板20c同士を圧接させて該ブレーキB1を作動状態とする。
【0022】
上記ブレーキB2は、上記キャリア11cの回転を止めるためのものであり、ケーシング9側に固定されたブレーキアウタ21aと上記キャリア11cに固定されたブレーキインナ21bとの間に複数のブレーキ板21cを配設するとともにピストン21dにより該ブレーキ板21c同士を互いに圧接させるように構成されている。上記ピストン21dは、上記ケーシング9に形成された環状のシリンダ部9a内に軸方向に移動可能に配置されており、該シリンダ部9aとピストン21dとの間の空間(ブレーキB2用油圧室)21に油圧を供給することにより上記ブレーキ板21c同士を圧接させて該ブレーキB2を作動状態とする。
【0023】
また、上記ワンウェイクラッチFは、上記キャリヤ11cに固定され上記ブレーキインナ21bが兼用されたクラッチインナと上記ケーシング9の内面との間に配設され、キャリヤ11cの正転(エンジン回転方向)のみを許容するようになっている。
【0024】
上記変速機構4は、クラッチC1,C2,C3、ブレーキB1,B2およびワンウェイクラッチFの作動によって、図5に示すように、前進4段、後退1段の変速段を実現している。図5において、●は油圧が作用していることを示している。なお、ブレーキB2は後退時とLレンジの第1速時のみ作動する。また、図5には上記3つの電磁弁32〜34の作動状態も示されている。○は通電状態、×は非通電状態、△は一時的な通電状態を示す。なおこの作動表は定常状態の作動を示している。
【0025】
図6は上記自動変速機2に用いられる油圧制御回路7の一例を示す。この油圧制御回路は、オイルポンプ6,レギュレータバルブ22,マニュアルバルブ23,ソレノイドモジュレータバルブ24,ソレノイドリレーバルブ36,シーケンスバルブ25,フェイルセールバルブ26,B1圧制御バルブ27,C2圧制御バルブ28,C2ロックバルブ29,C3圧制御バルブ30,B2圧制御バルブ31,B1電磁弁32,C2電磁弁33,C3−B2電磁弁34等を備えている。なお、このC3−B2電磁弁34は、ブレーキB2とクラッチC3とが同時に作動することはないことから、クラッチC3制御用とブレーキB2制御用とを兼ねている。
【0026】
上記レギュレータバルブ22はオイルポンプ6の吐出圧を所定のライン圧に調圧するためのバルブであり、マニュアルバルブ23,ソレノイドモジュレータバルブ24,B2圧制御バルブ31にライン圧を供給している。
【0027】
上記マニュアルバルブ23は、シフトレバーの手動操作に応じてスプールがL,2,D,N,R,Pの各レンジに切り換えられ、入力ポートから入力されたライン圧を前進用の出力ポート又は後退用の出力ポートから選択的に出力する。
【0028】
上記ソレノイドモジュレータバルブ24はライン圧を減圧して上記各電磁弁32〜34に一定の元圧を供給するバルブである。該ソレノイドモジュレータバルブ24の入力ポートにはレギュレータバルブ22からライン圧が入力され、出力ポートからソレノイドモジュレータ圧が上記各電磁弁32〜34及びC2ロックバルブ29の信号ポートに出力される。
【0029】
B1圧制御バルブ27は、ブレーキB1の圧力を制御する調圧バルブである。左端ポートには上記B1電磁弁32からのソレノイド圧が入力されており、該ソレノイド圧に比例した油圧を上記ブレーキB1に供給する。
【0030】
フェイルセーフバルブ26はDレンジで走行中に、クラッチC2,C3及びブレーキB1が同時に係合する多重噛み合い(インタロック)を防止するためのバルブである。
【0031】
シーケンスバルブ25は上記C2電磁弁33又はC2圧制御バルブ28の作動不良時に第1速を保証する機能を有する。また上記C3−B2電磁弁34をクラッチC3とブレーキB2の制御に兼用するためにB2圧制御バルブ31とC3圧制御バルブ30の元圧を切り換える機能、後退レンジへの切替過渡時にフェイルセーフバルブ26の右端ポートへRレンジ圧を導く機能、ブレーキB2圧を作用させるときにB1ブレーキ圧とクラッチC3圧の元圧をドレーンさせる機能等を有する。
【0032】
B2圧制御バルブ31は、B2ブレーキ圧を制御する調圧バルブであり、左端ポートには上記C3−B2電磁弁34からRレンジ時にソレノイド圧が入力されており、中央ポートはフェイルセーフバルブ26のポートと接続されている。また右端ポートはシーケンスバルブ25を介してブレーキB2と接続され、Lレンジの1速時及びRレンジへの切替過渡時にB2ブレーキへの油圧を供給する。
【0033】
C2圧制御バルブ28は、C2クラッチ圧を制御するためのバルブである。入力ポートには前進時のライン圧が入力され、出力ポートからC2クラッチ圧が出力される。左端ポートにはC2ロックバルブ29を介してC2電磁弁33のソレノイド圧が入力され、C2クラッチ圧はソレノイド圧に比例する。
【0034】
C2ロックバルブ29はC2圧制御バルブ28の左端ポートに対して、発進時にはC2電磁弁33のソレノイド圧を供給し、走行中(1〜3速)は最大油圧を供給するように切り換えるバルブである。
【0035】
C3圧制御バルブ30は、C3クラッチ圧を制御するためのバルブであり、左端ポートにはC3−B2電磁弁34のソレノイド圧が入力される。
【0036】
次に、本実施形態に係るがた詰め制御方法を、主として図7,図8に基づいて、例えば2速から3速への切替時を例にとって説明する。図7(a)はタービン回転数を、同図(b),(c)はB1電磁弁32,C3クラッチ用に切り換えられている場合のC3−B2電磁弁33への供給電流値を示しており、1A,0Aは最大(100%),最小(0%)を示す。同図(d)はB1用油圧室,C3用油圧室への供給油圧を示す。
【0037】
2速から3速への切替は、図5からわかるように、ブレーキB1を開放しつつクラッチC3を係合させることによって行なわれる。なお、ブレーキB1用電磁弁32はノーマルクローズ(常閉)弁であり、供給電流を増大することにより開度が増加し、2速状態では全開となっている。一方、クラッチC3用電磁弁33はノーマルオープン(常開)弁であり、供給電流を減少させることにより開度が増加し、2速状態では全閉となっている。
【0038】
2速から3速への変速指令が発せられると(ステップS1)、まずB1電磁弁32への電流が最大値1A(全開)から一段低い開放開始時電流値B1Aaに保持される(ステップS2)。続いて時間t1においてC3電磁弁34への電流が、上記B1電磁弁32への電流低減に僅かに遅れて最大電流1A(全閉)から0A(全開)に一定時間減少保持され、その後、最大値1Aから一段低い所定の待機電流C3Aaに一定時間保持され(ステップS3〜S5)。
【0039】
上記ステップS2のB1電流の減少により、B1用油圧室の油圧はライン圧Pから一段低い開放開始時圧B1Paに低下し、該変速機構4は作用する負荷が減少してニュートラル近似状態となり、タービン回転数が2速時の回転数T2から上昇し始める。
【0040】
また上記ステップS4,S5において、クラッチC3の油圧室への油圧は、該油圧室に作動油が充満するがピストン18dが移動しない程度の値に設定された待機圧C3Paに一定時間保持され、これにより油圧経路が作動油で充満され、僅かな油圧上昇によりピストン18dが移動開始する状態、即ち図4においてピストン18dの先端とクラッチ板18cとの間に隙間Sが確保されている状態に保持される。
【0041】
また上記タービン回転数が上記2速時の回転数T2より所定値(例えば50rpm)高い開放時回転数Taまで上昇すると、該開放時回転数Taに保持されるように上記B1電磁弁32への電流値B1Ab、ひいてはB1ブレーキへの油圧B1Pbがフィードバック制御される(ステップS6,S7)。
【0042】
上記タービン回転数が増加して上記フィードバック制御が開始された時t2から僅な遅れ時間t2′が経過すると上記C3電磁弁34への電流値はさらに一段低いオフセット電流C3Ab保持される(ステップS8,S9)。これにより上記油圧室18内は、ピストン18dが移動するもののクラッチ板18c同士が当接して動力を伝達するまでには至らない程度の値に設定されたオフセット圧C3Pbに保持される。これにより図4においてピストン18dとクラッチ板18cとの隙間Sはなくなり、さらにクラッチ板18c同士の隙間も略無くなった状態となっている。
【0043】
そして上記フィードバック制御の開始から所定時間が経過して時間t3になると上記B1電流値ひいてはB1油圧のフィードバック制御によるタービン回転数の制御が終了し、B1電流値はB1Axの値に任意の速度で減少される(ステップS10,S11)。代わってクラッチC3への電流が係合初期電流値C3Acに低下され、時間t3′でタービン回転数が低下開始したことをもってクラッチC3が係合開始したものと判断され、これ以降はタービン回転数Txが3速時の回転数T3に向かって所定の速度で減少するようにC3電流値ひいてはC3油圧がフィードバック制御される(ステップS12)。この場合のフィードバックされた電流値C3Acひいては油圧C3Pcの平均値が学習値となる。
【0044】
そしてタービン回転数が回転数T3よりわずかに高い同期回転数に達した時間t4以降はC3電流値はC3Axの値に任意の速度で減少され、さらに時間t4から所定時間が経過した時間t5において0Aとされ、変速制御は終了する(ステップS13〜S16)。
【0045】
ここで上記C3電磁弁34に供給されるオフセット電流C3Abひいてはオフセット圧C3Pbは、フィードバック電流値C3Acの平均値に基づいて設定される。具体的には、例えば該フィードバック電流値C3Acの平均値に一定の電流値ΔAを加算した値に設定される。なお、上記フィードバック電流値C3Acの平均値に所定の比率を乗算してオフセット電流値C3Abを求めても勿論構わない。
【0046】
本実施形態によれば、係合側クラッチC3の油圧室に、C3電流値を一定時間0Aに設定保持することでC3電磁弁34を全開として油圧経路を作動油で充満させもって無効ストロークを無くすための油圧を供給し、続いてC3電流を1Aより一段低い待機電流値C3Aaに設定保持することでクラッチC3のピストン18dが動かない程度の待機圧C3Paを供給し、さらにタービン回転数が上昇開始後僅か後のポイントでもってC3電流値を待機電流値より一段低いオフセット電流値C3Abに設定することで、上記待機圧C3Paより高くかつピストン18dがクラッチ板18c同士を当接させて係合力を発生するには至らない程度のオフセット圧C3Pbを供給するようにしたので、係合初期圧C3Pcを供給すると直ちにクラッチ板18c同士の係合を開始させ、もって係合開始までの時間t3′を短縮でき、変速タイムラグを小さくして応答性を向上できる。
【0047】
また係合開始までの時間t3′を短縮できるので、限られた変速時間の中で係合開始後の時間を確保でき、タービン回転数を低減させる際の速度Txを緩くでき、その結果変速ショックを低減できる。
【0048】
また上記オフセット電流値C3Abひいてはオフセット圧C3Pbを設定するにあたり、タービン回転数が予め設定された速度Txで減少するよう学習制御することにより得られた係合初期電流値C3Acひいては係合初期圧C3Pcに基づいて算出するようにしたので、リターンスプリング18eのばね力やピストン18dの摺動抵抗のバラツキや油圧経路容積のバラツキ等に起因するがた詰め量のバラツキを吸収でき、無効ストロークをより一層精度よく詰めた状態で係合初期圧の出力を待つことができ、応答性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による自動変速機の油圧制御装置を備えた車両の模式構成図である。
【図2】上記自動変速機の模式構成図である。
【図3】上記自動変速機の断面側面図である。
【図4】上記自動変速機のクラッチC3部分の拡大断面側面図である。
【図5】上記自動変速機の作動要素の作動一覧図である。
【図6】上記自動変速機の油圧回路の模式図である。
【図7】上記自動変速機の動作を説明するためのタービン回転数,電磁弁電流値,油圧の時間経過を示す特性図である。
【図8】上記自動変速機の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
2 自動変速機
18 係合側の摩擦係合要素の油圧室
B1 ブレーキ(一方の摩擦係合要素)
C3 クラッチ(他方の摩擦係合要素)
C3Pa 待機圧
C3Pb オフセット圧
C3Pc 学習制御された係合初期圧

Claims (1)

  1. 一方の摩擦係合要素を開放しつつ他方の摩擦係合要素を係合させることにより変速するようにした自動変速機の油圧制御装置において、変速指令が発せられると、係合側の摩擦係合要素の油圧室に所定の無効ストロークを無くすための油圧を出力し、続いて該係合側のピストンが動かない程度でかつ一定圧保持部分を有する待機圧を出力し、開放側の摩擦係合要素の油圧を抜いてタービン回転数が上昇するポイントが検出されると上記係合側の油圧室に上記待機圧より高くかつ一定圧保持部分を有するオフセット圧を出力し、しかる後に上記係合側の摩擦係合要素に係合初期圧を出力し、該係合初期圧は、上記タービン回転数が予め設定された速度で減少するよう学習制御して得られたものであり、上記オフセット圧は上記学習制御された係合初期圧に基づいて算出されたものであることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
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