JP3794896B2 - 防振構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動を発生する機械の防振支持部品、建造構築物の防振部材および自動車のエンジンマウント、ラバーブッシュ、サスペンションリング、ストラットマウント、チェンジレバー等に用いられる耐蝕性の良好な防振構造体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
防振ゴム構造体は、振動する側と振動を受ける側との間に介在して、その間の振動伝達を防ぐために用いられるものであり、例えば、同心状に配置された金属製の内筒及び外筒(金属基材)と、それらの間に介装された防振ゴム本体とからなるブッシュタイプのものが自動車等に使用されている。ここで、内筒及び外筒(金属基材)は、取付力、衝撃力及び支承強度等の剛性を受け持つ役割を果たし、防振ゴム本体は、振動の減衰及び防振等の弾性を受け持つ役割を果たすものである。そして、かかる防振ゴム構造体は、従来、図20に示すように、内筒aと防振ゴム本体bとを一体加硫成形し、その防振ゴム本体bの外周面に接着剤cを塗布した後、それを外筒dに挿入して加熱することにより複合化し、次いで、その複合体eに低温焼付型のメラミンーアルキッド系などの水性塗料やラッカーなどの溶剤型塗料を塗布して耐蝕性を付与するという方法により製造されていた。しかし、カナダを含む北米などの寒冷地では、路面の凍結防止のために岩塩や塩化カリウム等が道路に大量に散布され、その塩害を受けるため上記塗料の塗布では金属基材に十分な耐蝕性を付与することができないという問題があった。このため、自動車の防振ゴム構造体の腐蝕が問題視されることとなり、最も厳しい耐用基準が課せられるようになった。そして、かかる問題を解決する手段として、特公昭58−54665号公報には、予め塩害による腐蝕の発生しやすい金属基材の表面に熱硬化性樹脂塗料を塗布した後、それを高温下で硬化させて焼付塗膜を形成し、そして、金属基材と防振ゴム本体とをエポキシ系又はウレタン系接着剤により接着複合化するという防振ゴム構造体の製造方法が開示されており、これにより塩水のような腐蝕性条件下にあっても、金属基材と防振ゴム本体との接着力の低下が見られず、著しく耐久性に優れる防振ゴム構造体が得られるということが記載されている。具体的には、予め内筒及び外筒(金属基材)の表面に電着塗装などにより熱硬化性樹脂塗料を塗布し、これを高温下で硬化させて焼付塗膜を形成し、そして、内外周面にエポキシ系又はウレタン系樹脂接着剤(いわゆる潤滑性接着剤)を塗布した防振ゴム本体を同心状に配置された内筒及び外筒の両者間に介装されるように圧入し、接着剤を加熱硬化させることにより防振ゴム本体を内筒及び外筒に接着するというものである。
【0003】
また、防振ゴム構造体の製造の効率化と共に防振ゴム本体の劣化防止を図る手段として、特公昭59−19018号公報には、接着剤を塗布した金属製の内筒及び外筒の間に加硫成形した防振ゴム本体を圧入して未接着の防振ゴム構造体を組み立て、電磁誘導加熱装置により内筒及び外筒のうち少なくとも一方を加熱し、防振ゴム本体と内筒及び/又は外筒とを接着させる防振ゴム構造体の製造方法が開示されており、これにより内筒等を構成する金属体部分のみが短時間で発熱し、この金属体部分に接している接着剤及び防振ゴム本体の表面部分のみが局部的に加熱されることとなるので、極めて短時間で防振ゴム本体と内筒及び/又は外筒とを接着することができると共に、防振ゴム本体の劣化防止及び耐久性の向上が図られるということが記載されている
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特公昭59−19018号公報に記載されている手段では、金属基材と防振ゴム本体とを接触させた状態で外側に電磁誘導加熱用ワークコイルを配置し、その状態で電磁誘電加熱を行うものであるため、特公昭58−54665号公報に記載されているような熱硬化性樹脂系塗料による焼付塗膜が形成された金属基材にこの方法による電磁誘電加熱を適用したのでは、その外部に露出する部分の焼付塗膜が過剰に昇温されて熱劣化する虞があるという問題がある。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであって、その目的は金属基材が電着塗装、粉体塗装等によって熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜で被覆されるような場合であっても、焼付塗膜の劣化を最小限に抑えつつ電磁誘電加熱を用いて金属基材と防振ゴム本体との接着一体化が図れるような防振構造体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する解決手段は、少なくとも外部に露出する部分が熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜で被覆された金属基材の被接着面に誘電加熱用ワークコイルを近接させて昇温させ、そして、金属基材の昇温させた被接着面と熱硬化性樹脂接着剤を付着させた防振材本体とを圧接させるようにしたものである。
【0007】
具体的には、該解決手段は、少なくとも外部に露出する部分が熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜で被覆された金属基材に、弾性材料で形成された防振材本体が熱硬化性樹脂接着剤により接着固定されてなる防振構造体の製造方法であって、
上記金属基材の被接着面に電磁誘導加熱用ワークコイルを近接させ、電磁誘導加熱により該被接着面を上記熱硬化性樹脂接着剤がゲル状態となるゲル状温度域に昇温させる工程と、
上記防振材本体に上記熱硬化性樹脂接着剤を付着させる工程と、
上記金属基材のゲル状温度域まで昇温させた被接着面と、上記防振材本体の熱硬化性接着剤の付着部とを圧接させる工程と、
を備えている。
【0008】
上記の構成によれば、金属基材の被接着面が直接電磁誘電加熱により昇温することとなり、熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜で被覆された金属基材の外部に露出する部分に余計な熱が加わることがないので、その部分の焼付塗膜の熱劣化が抑止されることとなる。
【0009】
また、被接着面が直接昇温することにより、過剰な発熱を生じさせる必要がなく、省エネルギー化が図られることとなる。具体的には、例えば、金属円筒体の内周面を内部から直接電磁誘電加熱して昇温させる場合の方が、外部から電磁誘電加熱して昇温させる場合よりも、要する瞬間電力が5〜7kW程度低くなる。
【0010】
さらに、金属基材は、ゲル状の熱硬化性樹脂接着剤を介して防振材本体と圧接されることとなるので、接着剤が完全溶融状態となった場合のように金属基材と防振材本体との位置ずれが生じることがなく、良好な位置決め精度で両者が複合化されることとなる。
【0011】
また、ゲル状温度域にある熱硬化性樹脂接着剤は、そのまま放置することにより経時的に硬化反応が進行する。従って、金属基材と防振材本体との間に介在する熱硬化性樹脂接着剤はゲル状態から徐々に冷却固化することとなるので、その熱硬化性樹脂接着剤層には外径が0.5mm以上の気泡が含まれず、このようにして製造された防振構造体は、破壊起点となるクラックが少なく、耐久性に優れたものとなる。
【0012】
ここで、防振材本体を構成する弾性材料としては、特に限定されるものではなく、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ニトリルゴム等のジエン系ゴムの単体又はブレンド物を主体とするゴム組成物や発泡ウレタン組成物等を使用することができる。
【0013】
また、金属基材を構成する金属材料としては、特に限定されるものではなく、鉄、アルミニウム、錫、ニッケル等、及びこれらの合金が好適に使用できる。そして、金属基材には、熱硬化性樹脂塗料による焼付塗装が施されるが、その熱硬化性樹脂塗料としては、粉体塗装用組成物、電着塗装用組成物が広く使用でき、なかでも分解温度が230℃以下であるカチオン型電着塗装用エポキシ樹脂系塗料組成物が好適に使用できる。ここで、焼付塗膜の分解温度とは、その温度以上では焼付塗膜が劣化分解し、それが軟化剥離したり、発泡炭化したりして、金属基材の耐蝕性付与という機能を満足し得なくなる温度をいう。
【0014】
さらに、防振材本体に付着させる熱硬化性樹脂接着剤としては、特に限定されるものではなく、エポキシ系又はウレタン系の潤滑性接着剤等を使用でき、ゲル化開始温度が100℃以上であって且つ硬化温度が180℃以下であるポリウレタン系樹脂接着剤が好適に用いられる。ここで、ゲル化開始温度とは、熱可塑性樹脂接着剤を昇温した際にゲル状態を呈し始める温度をいう。また、これらの接着剤をゴム製の防振材本体に付着させる場合には、付着面を予め表面処理することが好ましく、それには次亜塩素酸ナトリウム溶液や塩素化シアヌール酸溶液が好適に使用できる。
【0015】
また、電磁誘電加熱する金属基材の被接着面には接着剤が付着していないことが好ましい。金属基材の昇温過程で接着剤が変質したり、希釈剤としての有機溶剤が発火して燃焼爆発したりする危険が防がれるからである。
【0016】
そして、防振構造体としては、ブッシュタイプ、ストラットマウントタイプなどの一対の筒状(環状)金属基材間に防振ゴム本体を介挿した形式の防振ゴム構造体の他、板状金属体間に防振ゴム本体を介装した形式の防振ゴム構造体であってもよい。ここで、筒状(環状)とは、端面が閉じた茶筒状形状、円盤状形式を含み、内部に空洞がない中実状円柱、角柱とその外側の筒状(環状)金属基材間に防振ゴム本体を介装した形式の防振ゴム構造体をも含むものである。また、金属製のケーシングに発泡ウレタンにより形成されたバンプストッパ本体が取り付けられたバンプストッパにより防振構造体を構成してもよい。さらに、金属筒状の上部レバーと棒状の下部レバーとを防振材本体を介して一体化したチェンジレバーも防振材構造体として構成することができる。
【0017】
そして、金属基材の被接着面を電磁誘導加熱するに際しては、温度の均一化を図るべく被接着面の各部とワークコイルとの距離が均一となるようにすることが好ましい。ここで、ワークコイルは銅など導電性金属のパイプが好適に使用でき、その内部には冷却のために水が流される。シングルターン、ダブルターン、マルチターンなどの突条ワークコイルが好適に用いられる。また、突条ワークコイルに強磁性体(たとえば、ニッケル)を組み合わせれば電磁誘導加熱能力を向上させることが出来る。
【0018】
また、電磁誘導加熱するための発振周波数は10〜300kHzの範囲とすることが好ましい。このようにすれば、金属基材の被接着面を適度に昇温させつつ、金属基材全体の過度の加熱を防止できることとなる。すなわち、電磁誘導加熱の発振周波数が高くなるほどジュール熱を生じる加熱エネルギーが強くなるが、300kHzを越えるといわゆる表皮効果が大きくなって表面のみが昇温することとなるため温度低下が早くなってしまう。他方、10kHzより低い発振周波数では、金属基材が全体的に高温に昇温するため熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜を劣化させる虞がある。かかる観点から、発信周波数を50〜250kHzとするのが好ましい。その場合、瞬間電力は2〜20kWとなる。
【0019】
さらに、電磁誘導加熱の時間は、金属基材の容積、電力諸条件によって異なるものの1〜10秒(ブッシュタイプのものは1〜3秒でも可)とすることが好ましい。そして、実験結果から、10〜300kHzの発振周波数範囲における電磁誘導作用によって磁性体または導電体である金属に生じる発熱は一定均質のものではなく、用いるワークコイル形状、金属基材の形状や容積、ワークコイルと金属基材との距離、電力、電磁誘導加熱するための発振周波数等によって偏った温度分布が発現されるということが確認されている(例えば、ワークコイルをラバーブッシュ用外筒の内側に挿入して電磁誘導加熱した場合、周波数200kHz、瞬間電力5kWで3秒間加熱することにより、ワークコイルに近い外筒の内周面部分では130〜200℃となるのに対し、内部〜外周面部分では100〜170℃となる。)。
【0020】
そして、金属基材の電磁誘導加熱に際しては、金属基材の被接着面を、一旦、熱硬化性樹脂接着剤の硬化温度以上であって且つ熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜の分解温度よりも低い温度に昇温させた後、所定時間放冷して熱硬化性樹脂接着剤がゲル状となるゲル状温度域とするようにしてもよい。かかる構成によれば、一旦、金属基材の被接着面がゲル状温度域よりも高い温度に昇温した後、所定時間放冷されることにより、電磁誘導加熱によって生じた局部的に偏った温度分布が伝導均質化することとなるので、焼付塗膜を劣化させることなく、被接着面の温度の均一化が図られることとなる。ここで、熱硬化性樹脂接着剤の硬化温度以上であって且つ熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜の分解温度よりも低い温度とは、接着剤種や塗料種にもよるが、概ね180〜230℃である。
【0021】
また、圧接させた金属基材及び防振材本体を、圧接させた状態で所定時間保持して放冷するようにすることが好ましい。このようにすれば、金属基材の被接着面と防振材本体の接着剤付着部とが圧接された状態で、熱硬化性樹脂接着剤が冷却固化することとなるので、両者を複合化するに際しての位置決め精度を確実に良好なものにすることができる。ここで、放冷に要する時間は1〜10秒(ブッシュタイプのものでは1〜3秒でも可)である。
【0022】
ところで、防振材本体に熱硬化性樹脂接着剤を付着させる工程と、金属基材の被接着面を電磁誘導加熱する工程とは、いずれの工程を先に行ってもよいが、好ましくは両工程を並行して行うのがよく、そして、防振材本体に付着した熱硬化性樹脂接着剤が良好な乾燥状態となり、且つ金属基材の温度が適温となった状態で両者を圧接するようにすれば、高品質の防振構造体が安定して製造されることとなる。
【0023】
以上のような製造方法を、少なくとも外部に露出する部分が熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜で被覆された内筒及び外筒と、円筒ゴム状の防振ゴム本体とが接着固定されてなるブッシュタイプの防振ゴム構造体の製造に適用した場合、以下のような各工程で構成されることとなる。すなわち、(1)内筒の外周面及び外筒の内周面に電磁誘導加熱用のワークコイルを近接させ、電磁誘導加熱により内筒の外周面及び外筒の内周面を、一旦、防振ゴム本体との接着に使用するエポキシ系又はウレタン系樹脂接着剤の硬化温度以上であって且つ熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜の分解温度よりも低い温度に昇温させた後、所定時間放冷して樹脂接着剤がゲル状態となるゲル状温度にする工程、(2)加硫成形された防振ゴム本体の内周面及び外周面に樹脂接着剤を付着させる工程、(3)外周面が接着可能温度となった内筒を防振ゴム本体に挿入すると共に、防振ゴム本体を内周面が接着可能温度となった外筒に挿入する工程、である。この場合、内筒及び外筒を別々のワークコイルに近接させて電磁誘電加熱するようにしてもよく、同心状に配置した内筒と外筒との間にワークコイルを挿入して両方を一度に電磁誘電加熱するようにしてもよい。
【0024】
また、内筒と防振ゴム本体との一体化は、内筒の外周面にハロゲン化エラストマーを主成分とするゴム接着剤を付着させ、そのゴム接着剤を付着させた内筒を覆うように防振ゴム本体となる未加硫ゴム組成物を設け、これを加硫成形することにより行い、そして、これに樹脂接着剤を付着させて外筒に挿入するようにしてもよい。この場合、ハロゲン化エラストマーを主成分とする接着剤としては、塩化ゴム系のオーバ−コート接着剤(米国ヒューソンケミカル社製商品名 ケムロック220、ケムロック250又はケムロック252など)が使用できる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、金属基材の被接着面が直接電磁誘電加熱により昇温することとなり、熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜で被覆された金属基材の外部に露出する部分に余計な熱が加わることがないので、その部分の焼付塗膜の熱劣化を抑止することができる。
【0026】
また、被接着面が直接昇温することにより、過剰な発熱を生じさせる必要がなく、省エネルギー化が図られることとなる。
【0027】
また、防振材本体にだけ熱硬化性接着剤が付着し、電磁誘導加熱する金属基材には接着剤が付着されないので、金属基材の昇温過程で接着剤が変質したり、希釈剤としての有機溶剤が発火して燃焼爆発したりする危険を防ぐことができる。
【0028】
また、金属基材は、ゲル状の熱硬化性樹脂接着剤を介して防振材本体と圧接されることとなるので、接着剤が完全溶融状態となった場合のように金属基材と防振材本体との位置ずれが生じることなく、良好な位置決め精度で両者を複合化することができる。
【0029】
また、ゲル状温度域にある熱硬化性樹脂接着剤は、そのまま放置することにより経時的に硬化反応が進行し、金属基材と防振材本体との間に介在する熱硬化性樹脂接着剤はゲル状態から徐々に冷却固化することとなるので、その熱硬化性樹脂接着剤層には外径が0.5mm以上の気泡が含まれず、このようにして製造された防振構造体は、破壊起点となるクラックが少なく、耐久性に優れたものとなる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
実施形態1として、ブッシュタイプの防振ゴム構造体の製造方法について説明する。
<内筒、外筒及び防振ゴム本体準備工程>
小径及び大径の一対の金属筒(鉄等)11a,12aの表面にそれぞれ熱硬化性樹脂塗料を塗布し、それらを高温下に晒すことによって焼付塗膜11b,12bを形成させ、図1に示すような内筒11及び外筒12を作成する。ここで、熱硬化性樹脂塗料には、分解温度が230℃以下であるカチオン型電着塗装用エポキシ樹脂系塗料等が用いられる。焼付塗膜11b,12bの分解温度とは、その温度以上では焼付塗膜11b,12bが劣化分解し、それが軟化剥離したり、発泡炭化したりして、耐蝕性付与という機能を満足し得なくなる温度をいう。
【0031】
また、天然ゴム等によるゴム組成物から肉厚円筒状の防振ゴム本体13を加硫成形する。
<電磁誘導加熱工程>
図2(a)に示すように、内筒11及び外筒12を同心状に配置すると共に、把持具14aにより保持された環状電磁石14bを外筒12を囲うように配置し、図2(b)に示すようなマルチターンの電磁誘導加熱用ワークコイル15を、コイル内側に内筒11が配置され、コイル外側に外筒12が配置されるようにして内筒11及び外筒12の間隙に挿入する。そして、ワークコイル15に繋がった発振器16を10〜300kHzの発振周波数で発振させることにより、内筒11の外周面及び外筒12の内周面を1〜10秒間電磁誘電加熱して昇温させる。この時、内筒11の外周面及び外筒12の内周面を、一旦、防振ゴム本体13との接着に使用される樹脂接着剤の硬化温度以上であって且つ熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜11b,12bの分解温度よりも低い温度(180〜230℃)に昇温させ、そして、1〜10秒間放冷することにより樹脂接着剤がゲル状態となるゲル状温度域となるようにする。
<接着剤塗布工程>
防振ゴム本体13の内周面及び外周面を次亜塩素酸ナトリウム溶液や塩素化シアヌール酸溶液により表面処理し、そして、図3に示すように、ゲル化開始温度が100℃以上であって且つ硬化温度が180℃以下であるウレタン系樹脂接着剤やエポキシ系樹脂接着剤等の熱硬化性樹脂接着剤17を塗布する。なお、この工程は、電磁誘導加熱工程と並行して行う。
<圧入工程>
図4に示すように、昇温した内筒11及び外筒12をそれらが同心状に配置されるように載置台18aに設置する。ここで、載置台18aには内筒11及び外筒12を設置するための内筒設置用凹部及び外筒設置用凹部がそれぞれ設けられている。次いで、上方に行くに従って孔径が大きく形成されたテーパ孔を有し、そのテーパ孔の下側開口部の径が外筒12の内径と同一とされている外筒押さえ治具18bにより、下側開口部が外筒12の上端部を下方に押すようにして外筒12を固定する。また、内筒押さえ治具18cにより内筒11の上端部を下方に押すようにして内筒11を固定する。そして、圧入治具19を用いて外筒押さえ治具18aのテーパ孔に沿わせるようにして樹脂接着剤17が塗布された防振ゴム本体13を内筒11及び外筒12の間隙に圧入する。
<放冷工程>
内筒11及び外筒12の間隙に防振ゴム本体13を圧入した状態で1〜10秒間放冷し、その後、内筒押さえ治具18c、外筒押さえ治具18b及び圧入治具19による拘束を解除し、載置台18aへの固定を外すことにより、図5に示すようなブッシュタイプの防振ゴム構造体が製造される。
【0032】
図6は、内筒11の外周面及び外筒12の内周面における被接着面の温度の経時的変化と、防振ゴム本体13の内筒11及び外筒12との接触面の温度の経時的変化とを示す。この図によれば、内筒11の外周面及び外筒12の内周面は電磁誘導加熱により、一旦、樹脂接着剤17の硬化温度以上であって且つ熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜11b,12bの分解温度よりも低い温度に昇温され、その後放冷されて伝導均質化することにより樹脂接着剤17のゲル化開始温度以上であって且つ硬化温度より低い温度(ゲル状温度域)となる(電磁誘導加熱工程)。その間に、防振ゴム本体13には樹脂接着剤17が塗布されて室温下で風乾された状態にある(接着剤塗布工程)。次いで、樹脂接着剤17が塗布された防振ゴム本体13を内筒11及び外筒12に圧入することにより、内筒11及び外筒12の温度がさらに低下すると共に、防振ゴム本体13の内筒11及び外筒12との接触面が昇温することとなる(圧入工程)。そして、内筒11及び外筒12の間隙に防振ゴム本体13を圧入した状態で放冷することにより、内筒11及び外筒12と防振ゴム本体13との温度が均一化していくこととなる(放冷工程)。
【0033】
上記構成の製造方法によれば、内筒11の外周面及び外筒12の内周面が直接電磁誘電加熱により昇温することとなり、熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜11b,12bの外部に露出する部分に余計な熱が加わることがないので、その部分の焼付塗膜11b,12bの熱劣化が抑止されることとなる。
【0034】
また、内筒11の外周面及び外筒12の内周面が直接昇温することとなるので、過剰な発熱を生じさせる必要がなく、省エネルギー化が図られることとなる。
【0035】
さらに、防振ゴム本体13にだけ樹脂接着剤17が塗布され、電磁誘導加熱する内筒11及び外筒12には接着剤が塗布されないので、内筒11及び外筒12の昇温過程で接着剤が変質したり、希釈剤としての有機溶剤が発火して燃焼爆発したりする危険が防がれる。
【0036】
そして、内筒11及び外筒12は、ゲル状の樹脂接着剤17を介して防振ゴム本体13と圧接されることとなるので、接着剤が完全溶融状態となった場合のように内筒及び外筒と防振ゴム本体との位置ずれが生じることなく、良好な位置決め精度で両者が複合化されることとなる。しかも、圧接させた内筒11及び外筒12と防振ゴム本体13とを、圧接させた状態で所定時間保持して放冷するようにしているので、その状態で樹脂接着剤17が冷却固化することとなり、両者を複合化するに際しての位置決め精度は極めて良好なものとなる。
【0037】
また、ゲル状温度域にある樹脂接着剤17は、そのまま放置しておいても経時的に硬化反応が進行し、内筒11及び外筒12と防振ゴム本体13との間に介在する樹脂接着剤17はゲル状態から徐々に冷却固化することとなるので、その樹脂接着剤層には外径が0.5mm以上の気泡が含まれず、このようにして製造された防振ゴム構造体は、破壊起点となるクラックが少なく、耐久性に優れたものとなる。
【0038】
そして、電磁誘導加熱するための発振周波数が10〜300kHzの範囲とされているので、内筒11の外周面及び外筒12の内周面を適度に昇温させつつ、内筒11及び外筒12全体の過度の加熱が防止されることとなる。
【0039】
また、内筒11及び外筒12の電磁誘導加熱に際しては、内筒11の外周面及び外筒12の内周面を、一旦、樹脂接着剤17の硬化温度以上であって且つ熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜11b,12bの分解温度よりも低い温度に昇温させた後、所定時間放冷してゲル状温度域とするようにしているので、電磁誘導加熱によって生じた局部的に偏った温度分布が伝導均質化することとなり、焼付塗膜11b,12bを劣化させることなく、内筒11の外周面及び外筒12の内周面の温度の均一化が図られることとなる。
(実施形態2)
実施形態2として、ブッシュタイプの防振ゴム構造体の実施形態1とは別の製造方法について説明する。
<内筒、外筒及び防振ゴム本体準備工程>
小径及び大径の一対の金属筒(鉄等)21a,22aの表面にそれぞれ熱硬化性樹脂塗料を塗布し、それらを高温下に晒すことによって焼付塗膜21b,22bを形成させ、内筒21及び外筒22を作成する。ここで、熱硬化性樹脂塗料には、分解温度が230℃以下であるカチオン型電着塗装用エポキシ樹脂系塗料等が用いられる。
<内筒と防振ゴム本体との一体加硫成形工程>
内筒21の外周面にハロゲン化エラストマーを主成分とするゴム接着剤を塗布し、ゴム接着剤を塗布した内筒21を覆うように天然ゴム等の未加硫ゴム組成物を設け、これらを所定の金型にセットして所定時間加熱することにより、内筒21と防振ゴム本体23との一体物を加硫成形する。
<電磁誘導加熱工程>
図7(a)及び8に示すように、外筒22をロッド24により把持すると共に、図7(b)及び8に示すような強磁性体28aを挟んだシングルターンの電磁誘導加熱用ワークコイル25aを、外筒22の内側に挿入する。そして、ワークコイル25aに繋がった発振器26を10〜300kHzの発振周波数で発振させることにより、外筒22の内周面を1〜10秒間電磁誘電加熱して昇温させる。この時、外筒22の内周面を、一旦、防振ゴム本体23との接着に使用される樹脂接着剤の硬化温度以上であって且つ熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜22bの分解温度よりも低い温度(180〜230℃)に昇温させ、そして、1〜10秒間放冷することにより樹脂接着剤がゲル状態となるゲル状温度域となるようにする。なお、電磁誘導加熱用ワークコイルとして、シングルターンのものではなく、図9に示すような強磁性体28bを巻くように形成されたダブルターンのワークコイル25bを用いてもよい。
<接着剤塗布工程>
内筒21と一体となった防振ゴム本体23の外周面を次亜塩素酸ナトリウム溶液や塩素化シアヌール酸溶液により表面処理し、そして、図10に示すように、ゲル化開始温度が100℃以上であって且つ硬化温度が180℃以下であるウレタン系樹脂接着剤やエポキシ系樹脂接着剤等の熱硬化性樹脂接着剤27を塗布する。なお、この工程は、電磁誘導加熱工程と並行して行う。
<圧入工程>
昇温させた外筒22を載置台に設置する。次いで、実施形態1の場合と同一の外筒押さえ治具により外筒22を固定する。そして、圧入治具を用いて外筒押さえ治具のテーパ孔に沿わせるようにして樹脂接着剤27が塗布された防振ゴム本体23を内筒21と共に外筒22に圧入する。
<放冷工程>
外筒22に防振ゴム本体23を圧入した状態で所定時間放冷し、その後外筒押さえ治具及び圧入治具による拘束を解除し、載置台への固定を外すことにより、ブッシュタイプの防振ゴム構造体が製造される。
【0040】
作用・効果については、実施形態1と同一である。
(実施形態3)
実施形態3として、マウンティングラバータイプの防振ゴム構造体の製造方法について説明する。
<内側金属基材、外側金属基材及び防振ゴム本体準備工程>
ドーナツ形状の金属板により中心部に突起部が形成されるように成形した金属成形体31aに熱硬化性樹脂塗料を塗布し、高温下に晒すことによって焼付塗膜31bで被覆された内側金属基材31を作成する。同じく、ドーナツ形状の金属板により皿型に成形した金属成形体32aに熱硬化性樹脂塗料を塗布し、高温下に晒すことによって焼付塗膜32bで被覆された外側金属基材32を作成する。ここで、熱硬化性樹脂塗料には、分解温度が230℃以下であるカチオン型電着塗装用エポキシ樹脂系塗料等が用いられる。
【0041】
また、天然ゴム等のゴム組成物から肉厚ドーナツ型の防振ゴム本体33を加硫成形する。
<電磁誘導加熱工程>
図11に示すように、外側金属基材32をとぐろ型に形成された電磁誘導加熱用ワークコイル35aを覆うように配置する。それと同時に、図12に示すように、載置台38の上に置いた内側金属基材31をとぐろ型に形成された別の電磁誘導加熱用ワークコイル35bで覆われるように配置する。そして、両ワークコイル35a,35bに繋がった発振器を10〜300Hzの発振周波数で発振させ、外側金属基材32の内面及び内側金属基材31の外面を1〜10秒間電磁誘電加熱して昇温させる。この時、外側金属基材32の内面及び内側金属基材31の外面を、一旦、防振ゴム本体33との接着に使用される樹脂接着剤の硬化温度以上であって且つ熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜31b,32bの分解温度よりも低い温度(180〜230℃)に昇温させ、そして、1〜10秒間放冷することにより樹脂接着剤がゲル状態となるゲル状温度域となるようにする。なお、とぐろ型の電磁誘導加熱用ワークコイルを内側金属基材31及び外側金属基材32で間隔をおいて挟むように配置することにより、1つのワークコイルで両方を昇温させるようにしてもよい。
<接着剤塗布工程>
防振ゴム本体33の内周面及び外周面を次亜塩素酸ナトリウム溶液や塩素化シアヌール酸溶液により表面処理し、そして、図13に示すように、ゲル化開始温度が100℃以上であって且つ硬化温度が180℃以下であるウレタン系樹脂接着剤やエポキシ系樹脂接着剤等の熱硬化性樹脂接着剤37を塗布する。なお、この工程は、電磁誘導加熱工程と並行して行う。
<複合化工程>
図14に示すように、昇温された内側金属基材31、樹脂接着剤が塗布された防振ゴム本体33及び外側金属基材32を順に同心状に積層し、これらに上方から圧力をかけて複合化させる。この際、内側金属基材31の突起部が防振ゴム本体33の中心の穴に嵌まり、防振ゴム本体33が外側金属基材32の凹部に嵌まることとなる。
<放冷工程>
内側金属基材31と外側金属基材32との間に防振ゴム本体33を挟んで上方から圧力をかけた状態で所定時間放冷し、その後その圧力を解除することにより、図15に示すようなマウンティングラバータイプの防振ゴム構造体が製造される。
【0042】
作用・効果については、実施形態1と同一である。
(実施形態4)
実施形態4として、防振ゴム構造体としてのチェンジレバーの製造方法について説明する。
<上側レバー、下側レバー及び防振ゴム本体の準備工程>
チェンジレバー本体40先端の金属円柱部41a表面に熱硬化性樹脂塗料を塗布し、それらを高温下に晒すことによって焼付塗膜41bを形成させ、その部分を下側レバー41とする。ここで、熱硬化性樹脂塗料には、分解温度が230℃以下であるカチオン型電着塗装用エポキシ樹脂系塗料等が用いられる。
【0043】
また、キャップ型に形成された金属製の上側レバー42を準備する。
【0044】
そして、天然ゴム等のゴム組成物から大小2つの肉厚円筒体を同軸に積み重ねたように形成された防振ゴム本体43を加硫成形する。
<電磁誘導加熱工程>
図16に示すように、上側レバー42を載置台48aに固定し、マルチターンの電磁誘導加熱用ワークコイル45aのコイル内に上側レバー42が配置されるようにし、上側レバー42の内面が防振ゴム本体43との接着に使用される樹脂接着剤がゲル状態となるゲル状温度域となるように、電磁誘電加熱する。
【0045】
また、図17に示すように、チェンジレバー本体40を載置台48bに固定し、マルチターンの別の電磁誘導加熱用ワークコイル45bのコイル内に下側レバー41が配置されるようにする。そして、ワークコイル45bに繋がった発振器を10〜300kHzの発振周波数で発振させることにより、下側レバー41の表面を1〜10秒間電磁誘電加熱して昇温させる。この時、下側レバー41の表面を、一旦、防振ゴム本体43との接着に使用される樹脂接着剤の硬化温度以上であって且つ熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜の分解温度よりも低い温度(180〜230℃)に昇温させ、そして、1〜10秒間放冷することにより樹脂接着剤がゲル状態となるゲル状温度域となるようにする。
<接着剤塗布工程>
図18に示すように、防振ゴム本体43を載置台48cに固定し、その内周面及び外周面を次亜塩素酸ナトリウム溶液や塩素化シアヌール酸溶液により表面処理し、そして、ゲル化開始温度が100℃以上であって且つ硬化温度が180℃以下であるウレタン系樹脂接着剤やエポキシ系樹脂接着剤等の熱硬化性樹脂接着剤47を塗布する。なお、この工程は、電磁誘導加熱工程と並行して行う。
<圧入工程>
図19に示すように、昇温させた上側レバー42を別の載置台48dに固定し、樹脂接着剤47が塗布された防振ゴム本体43をその上側レバー42に挿入すると共に、昇温させた下側レバー41を防振ゴム本体43に挿入することにより、上側レバー42及び下側レバー41を防振ゴム本体43に固定する。
<放冷工程>
上側レバー42及び下側レバー41を防振ゴム本体43に固定した状態で1〜10秒間放冷し、その後その固定を解除することにより防振ゴム構造体としてのチェンジレバーが製造される。
【0046】
作用・効果については、実施形態1と同一である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1に係る防振ゴム構造体の内筒及び外筒の断面図である。
【図2】 実施形態1に係る防振ゴム構造体の製造方法における電磁誘導加熱工程の説明図である。
【図3】 実施形態1に係る防振ゴム構造体の防振ゴム本体の断面図である。
【図4】 実施形態1に係る防振ゴム構造体の製造方法における圧入工程の説明図である。
【図5】 実施形態1に係る防振ゴム構造体の断面図である。
【図6】 実施形態1に係る防振ゴム構造体の製造方法における内筒の外周面及び外筒の内周面における被接着面の温度の経時的変化と、防振ゴム本体の内筒及び外筒との接触面の温度の経時的変化とを示すグラフ図である。
【図7】 実施形態2に係る防振ゴム構造体の製造方法における電磁誘導加熱工程の説明図(側断面)である。
【図8】 実施形態2に係る防振ゴム構造体の製造方法における電磁誘導加熱工程の説明図(上面)である。
【図9】 ダブルターンのワークコイルの側面図(a)及び上面図(b)である。
【図10】 実施形態2に係る防振ゴム構造体の内筒と防振ゴム本体との一体物の断面図である。
【図11】 実施形態3に係る防振ゴム構造体の製造方法における電磁誘導加熱工程(外側金属基材)の説明図である。
【図12】 実施形態3に係る防振ゴム構造体の製造方法における電磁誘導加熱工程(内側金属基材)の説明図である。
【図13】 実施形態3に係る防振ゴム構造体の防振ゴム本体の断面図である。
【図14】 実施形態3に係る防振ゴム構造体の製造方法における複合化工程の説明図である。
【図15】 実施形態3に係る防振ゴム構造体の断面図である。
【図16】 実施形態4に係るチェンジレバーの製造方法における電磁誘導加熱工程(上側レバー)の説明図である。
【図17】 実施形態4に係るチェンジレバーの製造方法における電磁誘導加熱工程(下側レバー)の説明図である。
【図18】 実施形態4に係るチェンジレバーの製造方法における接着剤塗布工程の説明図である。
【図19】 実施形態4に係るチェンジレバーの製造方法における圧入工程の説明図である。
【図20】 従来例に係る防振ゴム構造体の製造工程の概略図である。
【符号の説明】
11,21 内筒
11a,12a,21a,22a 金属筒
11b,12b,21b,22b,31b,32b,41b 焼付塗膜
12,22 外筒
13,23,33,43 防振ゴム本体
14a 把持具
14b 環状電磁石
15,25a,25b,35a,35b,45a,45b ワークコイル
16,26 発振器
17,27,37,47 樹脂接着剤
18a 載置台
18b 外筒押さえ治具
18c 内筒押さえ治具
19 圧入治具
24 ロッド
28a,28b 強磁性体
31 内側金属基材
32 外側金属基材
38,48a〜d 載置台
40 チェンジレバー本体
41 上側レバー
42 下側レバー
a 内筒
b 防振ゴム本体
c 接着剤
d 外筒
e 複合体

Claims (5)

  1. 少なくとも外部に露出する部分が熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜で被覆された金属基材に、弾性材料で形成された防振材本体が熱硬化性樹脂接着剤により接着固定されてなる防振構造体の製造方法であって、
    上記金属基材の被接着面に電磁誘導加熱用ワークコイルを近接させ、電磁誘導加熱により該被接着面を上記熱硬化性樹脂接着剤がゲル状態となるゲル状温度域に昇温させる工程と、
    上記防振材本体に上記熱硬化性樹脂接着剤を付着させる工程と、
    上記金属基材のゲル状温度域まで昇温させた被接着面と、上記防振材本体の熱硬化性接着剤の付着部とを圧接させる工程と、
    を備え、
    上記熱硬化性樹脂塗料は、分解温度が230℃以下であるエポキシ系カチオン樹脂であると共に、上記熱硬化性樹脂接着剤は、ゲル化開始温度が100℃以上であって且つ硬化温度が180℃以下であるポリウレタン系樹脂接着剤であることを特徴とする防振構造体の製造方法。
  2. 少なくとも外部に露出する部分が熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜で被覆された金属基材に、弾性材料で形成された防振材本体が熱硬化性樹脂接着剤により接着固定されてなる防振構造体の製造方法であって、
    上記金属基材の被接着面に電磁誘導加熱用ワークコイルを近接させ、電磁誘導加熱により該被接着面を、一旦、上記熱硬化性樹脂接着剤の硬化温度以上であって且つ上記熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜の分解温度よりも低い温度に昇温させた後、所定時間放冷して該熱硬化性樹脂接着剤がゲル状態となるゲル状温度域にする工程と、
    上記防振材本体に上記熱硬化性樹脂接着剤を付着させる工程と、
    上記金属基材のゲル状温度域まで放冷された被接着面と、上記防振材本体の熱硬化性接着剤の付着部とを圧接させる圧接工程と、
    を備えていることを特徴とする防振構造体の製造方法。
  3. 上記熱硬化性樹脂塗料は、分解温度が230℃以下であるエポキシ系カチオン樹脂であると共に、上記熱硬化性樹脂接着剤は、ゲル化開始温度が100℃以上であって且つ硬化温度が180℃以下であるポリウレタン系樹脂接着剤であることを特徴とする請求項に記載の防振構造体の製造方法。
  4. 互いに同心状に間隔をおいて配置され、各々、少なくとも外部に露出する部分が熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜で被覆された金属製の内筒及び外筒と、該内筒と該外筒との間に介装された円筒ゴム状の防振ゴム本体とがエポキシ系又はウレタン系樹脂接着剤により接着固定されてなる防振ゴム構造体の製造方法であって、
    上記内筒の外周面及び上記外筒の内周面に電磁誘導加熱用ワークコイルを近接させ、電磁誘導加熱により該内筒の外周面及び該外筒の内周面を、一旦、上記樹脂接着剤の硬化温度以上であって且つ上記熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜の分解温度よりも低い温度に昇温させた後、所定時間放冷して該熱硬化性樹脂接着剤がゲル状態となるゲル状温度域にする工程と、
    加硫成形された上記防振ゴム本体の内周面及び外周面に上記樹脂接着剤を付着させる工程と、
    上記外周面がゲル状温度域まで放冷された内筒を上記防振ゴム本体に挿入すると共に、該防振ゴム本体を上記内周面がゲル状温度域まで放冷された外筒に挿入する工程と、
    を備えていることを特徴とする防振ゴム構造体の製造方法。
  5. 互いに同心状に間隔をおいて配置され、各々、少なくとも外部に露出する部分が熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜で被覆された金属製の内筒及び外筒と、該内筒と該外筒との間に介装された円筒ゴム状の防振ゴム本体とを備え、該内筒と該防振ゴム本体とがハロゲン化エラストマーを主成分とするゴム接着剤により接着固定され、該外筒と該防振ゴム本体とがエポキシ系又はウレタン系樹脂接着剤により接着固定されてなる防振ゴム構造体の製造方法であって、
    上記内筒の外周面に上記ハロゲン化エラストマーを主成分とするゴム接着剤を付着させ、該ゴム接着剤を付着させた内筒を覆うように上記防振ゴム本体となる未加硫ゴム組成物を設け、該内筒と該防振ゴム本体との一体物を加熱加硫成形する工程と、
    上記外筒の内周面に電磁誘導加熱用ワークコイルを近接させ、電磁加熱誘導により該外筒の内周面を、一旦、上記樹脂接着剤の硬化温度以上であって且つ上記熱硬化性樹脂塗料よりなる焼付塗膜の分解温度よりも低い温度に昇温させた後、所定時間放冷して該熱硬化性樹脂接着剤がゲル状態となるゲル状温度域にする工程と、
    上記防振ゴム本体の外周面に上記樹脂接着剤を付着させる工程と、
    上記内筒と防振ゴム本体との一体物を上記内周面がゲル状温度域まで放冷された外筒に挿入する工程と、
    を備えていることを特徴とする防振ゴム構造体の製造方法。
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