JP2018087010A - ゴムブッシュ付きスタビライザバーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加硫成形されたゴムブッシュの中空孔の周面に、加硫接着剤を塗布する塗布工程と、スタビライザバーの被接着部を加熱する加熱工程と、ゴムブッシュの加硫接着剤が塗布された中空部を、加熱されたスタビライザバーの被接着部に外嵌する嵌合工程と、挟圧装置でゴムブッシュを径方向に挟圧して、ゴムブッシュをスタビライザバーの被接着部へ外嵌固着する固着工程とを有する。
【選択図】図2
Description
加硫成形された中空部を有する筒状のゴムブッシュを、スタビライザバーの被接着部に外嵌固着してゴムブッシュ付きスタビライザバーを製造するゴムブッシュ付きスタビライザバーの製造方法であって、
前記ゴムブッシュの中空部の周面に、加硫接着剤を塗布する塗布工程と、
前記スタビライザバーの被接着部を加熱する加熱工程と、
前記ゴムブッシュの前記加硫接着剤が塗布された中空部を、前記加熱されたスタビライザバーの被接着部に外嵌する嵌合工程と
挟圧装置で、前記ゴムブッシュを径方向に挟圧して、当該ゴムブッシュを前記スタビライザバーの被接着部へ外嵌固着する固着工程と
を有することを特徴とするゴムブッシュ付きスタビライザバーの製造方法により解決することができる。
第1の実施形態に係るゴムブッシュ付きスタビライザバー1の構成を図1〜図4に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態に係るゴムブッシュ付きスタビライザバー1及び車両前輪の懸架装置kを示す斜視図である。図2は、ゴムブッシュ付きスタビライザバー1の構成を示す分解斜視図である。図3はゴムブッシュ付きスタビライザバー1の全体斜視図である。図4は図3のI−I矢視断面図である。
図示例のゴムブッシュ3は、上半部3Aと下半部3Bとに分割されており、前記中空孔33は、上半部3Aと下半部3Bの各内側面に設けられた半円弧形状の凹部30Aと30Bが嵌め合わされて形成される。
次に本実施形態に係るゴムブッシュ付きスタビライザバー1の製造方法を説明する。
加硫成形されたゴムブッシュ3の中空孔33の周面33aに、加硫接着剤としてロード社製の(Chemlok)ケムロック(登録商標)を塗布する。具体的には、ケムロック6100を下塗りし、その後ケムロック205を上塗りすることが好ましい。
次に、スタビライザバー2の被接着部20を、高周波誘導装置により高周波誘導加熱する。本実施形態で使用する高周波誘導装置のコイル部の一例を図5に示した。図5(A)は正面図、図5(B)は平面図、図5(C)は側面図を示した。図示例のコイル部6は、高周波電源60から伸びたアーム部61と、アーム部61と連結されスタビライザバー2の上面部と下面部を把持して高周波を入力する上下一対の把持部62とを有している。把持部62は、上位の把持部62aと下位の把持部62bを有しており、それぞれ上下方向に対峙する位置に配置されている。アーム部61は、上位の把持部62aの上面と連結される上位のアーム部61aと、下位の把持部62bの下面と連結される下位のアーム部61bとを有している。上位のアーム部61aと下位のアーム部62bとは、コイル部6の後方B側(高周波電源60側)で、連結部材63により連結されることで、コイル部6の正面F側にアーム部61の部材が存在しないようにしている。したがって、スタビライザバー2を把持部62へ配置し易く、また取り外し易い。また、把持部62の上位の把持部62aと下位の把持部62bは、スタビライザバー2の被接着部20と略同様の幅を有し、且つスタビライザバー2の外周面に沿う湾曲形状とされている。したがって、スタビライザバー2の被接着部20を均一に加熱できる。
次に、加熱工程で加熱されたスタビライザバー2の被接着部20に、ゴムブッシュ3の加硫接着剤が塗布された中空孔33を外嵌する嵌合工程が実施される。
図示は省略するが、装着用の1本のスリットが設けられたゴムブッシュ3をスタビライザバー2の被接着部20に外嵌する場合、ゴムブッシュ3のスリットを広げて嵌合(外嵌)すればよい。その後、上記したと略同様にスタビライザバー2を内在したゴムブッシュ3を上位ブラケット部材4の収容部41の内周面上に配置し、当該ゴムブッシュ3の扁平面32上に下位ブラケット部材5を配置して嵌め合わせることがなされる。
次に、スタビライザバー2を内在したゴムブッシュ3を挟圧して両者を固着する固着工程が実施される。固着工程の手順を図7(A)、図7(B)から説明する。
次に、固着工程によってゴムブッシュ3が外嵌固着されたゴムブッシュ付きスタビライザバー1を、図7(C)に示すように挟圧装置7及び下位治具81(上位治具82)から取外し、ボルト9、ナット90により締め付けた状態で30分程度放置し、自然冷却させると、図3に示すゴムブッシュ付きスタビライザバー1が完成する。放置工程における放置時間は、スタビライザバー2又はゴムブッシュ3の材質や径、及び加熱温度などにより変動するが、加熱温度が低く、小径になるにしたがい短かくなる。
次に、第2の実施形態に係るゴムブッシュ付きスタビライザバー10を図9、図10から説明する。図9は第2の実施形態に係るゴムブッシュ付きスタビライザバー10の斜視図である。図10は図9のII−II矢視断面図である。本実施形態のゴムブッシュ付きスタビライザバー10は、基本的に第1の実施形態で説明したゴムブッシュ付きスタビライザバー1と同じ構成である。
次に、第2の実施形態に係るゴムブッシュ付きスタビライザバー10の製造方法を説明する。本実施形態のゴムブッシュ付きスタビライザバー10の製造方法は、第1の実施形態で説明した製造方法とかなりの点で重複する。したがって、以下相違点を中心に説明する。
加硫成形されたゴムブッシュ3の中空孔33の周面33aに、加硫接着剤としてロード社製のケムロックを塗布する。この塗布工程において、加硫接着剤を複数回に分けて塗布して複数の接着層を有することが好ましい。
次に、スタビライザバー2の被接着部20を、高周波誘導装置により高周波誘導加熱する。加熱工程における加熱温度、加熱時間、周波数は、第1の実施形態で記載した通りであり説明を省略する。また、高周波誘導装置による加熱方法も同様である。
上記した加熱工程で加熱されたスタビライザバー2の被接着部20に、ゴムブッシュ3を外嵌する嵌合工程を図11から説明する。第1の実施形態におけるゴムブッシュ3は、上位ブラケット部材4と下位ブラケット部材5に収容される(外嵌される)構成であったが、本実施形態では図9などに示すようにゴムブッシュ3の外周面には何も外嵌されない。本実施形態の嵌合工程は、スタビライザバー2の被接着部20に、ゴムブッシュ3を外嵌した後、ゴムブッシュ3を挟圧するために設置される上位治具と下位治具が第1の実施形態と相違する。
次に、挟圧装置7によりゴムブッシュ3を径方向に挟圧して、スタビライザバー2と固着する工程を図12から説明する。
図12(A)に示すように、スタビライザバー2を内在したゴムブッシュ3の外周面に上位治具820と下位治具810が嵌合された状態で、当該上位治具820の上面に挟圧装置7の加圧部72がセットされて加圧される。すると、上位治具820と下位治具810によりゴムブッシュ3が径方向に挟圧されて、ゴムブッシュ3とスタビライザバー2とが強固に固着される。
因みに、挟圧装置7によりゴムブッシュ3へ加圧する加圧時間と加圧力は、ゴムブッシュ3の材質や径によって適宜最適な条件に設定される。特に本実施形態のゴムブッシュ3は、その外周面に何も外嵌されない構成であるため、十分な固着力を得られる条件で加圧される。
上記固着工程によってゴムブッシュ3を外嵌固着されたゴムブッシュ付きスタビライザバー10を、挟圧装置7から取外し、上記した上位又は下位治具(810、820)による締結状態を30分程度保持させた後、上位治具820と下位治具810をゴムブッシュ3から取外すと、図12(B)に示すようにゴムブッシュ付きスタビライザバー10が完成する。因みに、本実施形態のゴムブッシュ付きスタビライザバー10は、しかる後に別途設けた取付金具により車両のフレーム部FRに固定される。
2 スタビライザバー
20 被接着部
21 トーション部
22 肩部
23 アーム部
3 ゴムブッシュ
31 外壁面
32 扁平面
33 中空孔(中空部)
33a 周面
3A 上半部
30A 凹部
3B 下半部
30B 凹部
4 上位ブラケット部材
41 収容部
42 フランジ部
42a ボルト孔
5 下位ブラケット部材
51 収容部
52 フランジ部
52a ボルト孔
6 コイル部
60 高周波電源
61 アーム部
62 把持部
63 連結部材
7 挟圧装置
71 ベース部
72 加圧部
81、810 下位治具
81a、810a 凹部
82、820 上位治具
82a、820a 凹部
9 ボルト
90 ナット
k 懸架装置
R リンク部材
加硫成形された中空部を有する筒状のゴムブッシュを、スタビライザバーの被接着部に外嵌固着してゴムブッシュ付きスタビライザバーを製造するゴムブッシュ付きスタビライザバーの製造方法であって、
前記ゴムブッシュの中空部の周面に、加硫接着剤を塗布する塗布工程と、
前記スタビライザバーの被接着部を加熱する加熱工程と、
前記ゴムブッシュの前記加硫接着剤が塗布された中空部を、前記加熱されたスタビライザバーの被接着部に外嵌する嵌合工程と、
挟圧装置で、前記ゴムブッシュを径方向に挟圧して、当該ゴムブッシュを前記スタビライザバーの被接着部へ外嵌固着する固着工程と、
前記挟圧装置を取り外した後に、前記ゴムブッシュが外嵌固着された前記スタビライザバーを締め付けた状態で放置する放置工程と、
を有することを特徴とするゴムブッシュ付きスタビライザバーの製造方法により解決することができる。
次に、スタビライザバー2の被接着部20を、高周波誘導装置により高周波誘導加熱する。本実施形態で使用する高周波誘導装置のコイル部の一例を図5に示した。図5(A)は正面図、図5(B)は平面図、図5(C)は側面図を示した。図示例のコイル部6は、高周波電源60から伸びたアーム部61と、アーム部61と連結されスタビライザバー2の上面部と下面部を把持して高周波を入力する上下一対の把持部62とを有している。把持部62は、上位の把持部62aと下位の把持部62bを有しており、それぞれ上下方向に対峙する位置に配置されている。アーム部61は、上位の把持部62aの上面と連結される上位のアーム部61aと、下位の把持部62bの下面と連結される下位のアーム部61bとを有している。上位のアーム部61aと下位のアーム部61bとは、コイル部6の後方B側(高周波電源60側)で、連結部材63により連結されることで、コイル部6の正面F側にアーム部61の部材が存在しないようにしている。したがって、スタビライザバー2を把持部62へ配置し易く、また取り外し易い。また、把持部62の上位の把持部62aと下位の把持部62bは、スタビライザバー2の被接着部20と略同様の幅を有し、且つスタビライザバー2の外周面に沿う湾曲形状とされている。したがって、スタビライザバー2の被接着部20を均一に加熱できる。
上記固着工程によってゴムブッシュ3を外嵌固着されたゴムブッシュ付きスタビライザバー10を、挟圧装置7から取外す。そして、上記した上位治具820又は下位治具810による締結状態を30分程度保持させた後、上位治具820と下位治具810をゴムブッシュ3から取外す。この結果、図12(B)に示すようにゴムブッシュ付きスタビライザバー10が完成する。因みに、本実施形態のゴムブッシュ付きスタビライザバー10は、しかる後に別途設けた取付金具により車両のフレーム部FRに固定される。
Claims (5)
- 加硫成形された中空部を有する筒状のゴムブッシュを、スタビライザバーの被接着部に外嵌固着してゴムブッシュ付きスタビライザバーを製造するゴムブッシュ付きスタビライザバーの製造方法であって、
前記ゴムブッシュの中空部の周面に、加硫接着剤を塗布する塗布工程と、
前記スタビライザバーの被接着部を加熱する加熱工程と、
前記ゴムブッシュの前記加硫接着剤が塗布された中空部を、前記加熱されたスタビライザバーの被接着部に外嵌する嵌合工程と
挟圧装置で、前記ゴムブッシュを径方向に挟圧して、当該ゴムブッシュを前記スタビライザバーの被接着部へ外嵌固着する固着工程と
を有することを特徴とするゴムブッシュ付きスタビライザバーの製造方法。 - 前記加熱工程において、
前記スタビライザバーの被接着部を、高周波誘導加熱することを特徴とする請求項1に記載のゴムブッシュ付きスタビライザバーの製造方法。 - 前記加熱工程において、
前記スタビライザバーの被接着部を、加硫反応が生じる最小温度から、前記スタビライザバーの被接着部が損傷しない温度で、且つ前記ゴムブッシュが接着性能を発揮可能な温度の範囲内で加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載のゴムブッシュ付きスタビライザバーの製造方法。 - 前記加熱工程において、
前記スタビライザバーの被接着部を、中心部まで加熱することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のゴムブッシュ付きスタビライザバーの製造方法。 - 請求項1〜4の何れか一項に記載のゴムブッシュ付きスタビライザバーの製造方法で製造されたゴムブッシュ付きスタビライザバー。
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