JP3794510B2 - 車間距離制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車間距離制御装置に関し、より詳細には、前方道路のカーブ半径を予測し、この予測カーブ半径に基づいて車間距離測定手段に連結された回転手段の回転角を制御するように構成されている車間距離制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
長距離輸送を行うトラックや一般乗用車等の追突事故の原因は、運転者の居眠り運転や漫然運転が過半数を占めている。このような事情から、現在、自車と前方車両との車間距離を検知し、その距離がある所定距離以下になった場合、運転者に対して警報を発すると共に、所定の車間距離を保つべくスロットルバルブの開度等を自動的に制御する車間距離制御装置が開発されている。
【0003】
図8は従来のこの種車間距離制御装置を概略的に示したブロック図であり、図中21はエレクトロニック・コントロール・ユニット(Electronic Control Unit:以下、ECUと記す)を示している。ECU21は、スロットル制御手段22、スロットルバルブ(図示せず)等を介して速度を調整する速度調整手段21aと、警報発生手段28を介して警報を発生させる警報制御手段21bと、後述する回転手段25を介して車間距離測定手段24を水平方向に所定角度回転させる回転制御手段21cとを備えている。またECU21には自車のヨーレート(回転角速度)を検出するヨーレートセンサ23と、自車と前方車両との車間距離を測定する車間距離測定手段24とが接続され、車間距離測定手段24には回転手段25が機械的に連結されており、回転手段25により車間距離測定手段24が水平方向に回転させられるようになっている。この車間距離測定手段24としては、放射した赤外線が前方車両で反射されて戻るまでの時間に基づいて車間距離を測定するもの、あるいは放射した電波のドップラ作用を利用して前記車間距離及び自車と前方車両との相対速度を測定するもの等が用いられている。さらにECU21には自車速度を検出する車速検出手段26と、車間距離の自動制御に入るときに運転者により操作される操作スイッチ27とが接続されている。これらECU21、スロットル制御手段22、ヨーレートセンサ23、車間距離測定手段24、回転手段25、車速検出手段26、操作スイッチ27、警報発生手段28等を含んで車間距離制御装置20が構成されている。
【0004】
図9はヨーレートセンサ23におけるヨーレートと車両の回転方向及び回転半径との関係を概略的に示したグラフであり、車両が直進している場合、ヨーレートはゼロを示すようになっている。また車両が左回転している場合、ヨーレートはプラス値となる一方、車両が右回転している場合、ヨーレートはマイナス値となる。そしていずれの場合も、回転半径が小さくなるにつれてその絶対値が大きくなるようになっている。
【0005】
このように構成された車間距離制御装置20が搭載された車両で道路を走行する場合、ヨーレートセンサ23、車速検出手段26からの信号に基づき、ECU21においてカーブ半径Rn が演算され、このカーブ半径Rn に基づき、回転制御手段21cにより回転手段25の回転角が制御され、車間距離測定手段24から放射された赤外線や電波等のビームが前方車両に照射された後、車間距離測定手段24に再び入射される。すると車間距離測定手段24、車速検出手段26からの信号に基づき、ECU21においてその速度における適正な車間距離が保たれているか否かが判断され、保たれていないと判断されると、警報制御手段21bにより警報発生手段28が作動させられて運転者に注意が促されると共に、速度調整手段21bによりスロットル制御手段22等が制御され、車速が制御されることによって車間距離が維持される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
道路のカーブは複雑であり、左旋回カーブと右旋回カーブとが連続している場合がある。また例え同じ左旋回カーブであっても、道路のカーブ半径は一定ではなく、比較的長いカーブの途中においては、カーブ半径が大きくなったり、小さくなったりしている場合がある。またカーブ半径はカーブの入口では次第に小さく、カーブの出口では次第に大きくなるように道路法規上設定されている。
【0007】
上記した車間距離制御装置20においては、自車が現在走行しているカーブ半径Rn を前方道路のカーブ半径とみなして制御が行われており、次々とカーブ半径が変化する道路の前方に車間距離測定手段24を正確に向けることが難しく、車間距離の測定が困難となる場合があり、この結果、警報発生手段28からの警報が遅れたり、前方車両に接近し過ぎるおそれがあるという課題があった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、カーブ半径が刻々と変化しているような道路を走行していても前方道路のカーブ半径を予測することができ、該予測カーブ半径に基づいて回転手段の回転角を制御し、車間距離測定手段を前方道路に正確に向けて車間距離を確実に測定することができ、この結果、警報をタイミングよく発生させると共に、前方車両との車間距離を常時適正に維持することができる車間距離制御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成するために本発明に係る車間距離制御装置は、警報発生手段と、スロットル制御手段と、車間距離測定手段と、該車間距離測定手段を水平方向に回転させる回転手段と、ヨーレートセンサと、自車速度を検出する車速検出手段と、ヨーレート及び前記自車速度から求めたカーブ半径に基づいて前記回転手段の回転角を制御すると共に、車間距離及び前記自車速度に基づいて前記警報発生手段、前記スロットル制御手段を制御するエレクトロニック・コントロール・ユニット(ECU)とを備えた車間距離制御装置において、単位時間当りのヨーレート変化量に基づいて所定時間経過後の予測ヨーレートを演算し、該予測ヨーレートに基づいて予測カーブ半径を求めるように構成された制御手段が前記ECUに装備されていることを特徴としている(1)。
【0010】
上記車間距離制御装置(1)によれば、カーブ半径が刻々と変化しているような道路を走行していても、前記予測カーブ半径に基づき、前記ECUにより前記回転手段の回転角が正確に制御され、前記車間距離測定手段から放射された赤外線や電波等のビームを前方車両に確実に照射させた後、前記車間距離測定手段に入射させることができる。このため該車間距離測定手段からの信号に基づき、車間距離を確実に測定することができ、この結果、警報をタイミングよく発生させると共に、前方車両との車間距離を適正に維持することができる。
【0011】
また本発明に係る車間距離制御装置は、上記車間距離制御装置(1)において、現時刻のヨーレートと、前記現時刻より所定時間経過前のヨーレートとの差から求めた単位時間当りのヨーレート変化量に車間距離を自車速度で除した値からなる定数を乗じ、これに前記現時刻のヨーレートを加えることにより、前記所定時間経過後の予測ヨーレートを求めるように構成された制御手段が装備されていることを特徴としている(2)。
【0012】
上記車間距離制御装置(2)によれば、所定時間経過後の前記予測ヨーレートと、車速検出手段からの信号に基づいて求められた自車速度とに基づき、予測カーブ半径を適正かつ簡単に求めることができる。また、前記定数を自動的、かつ適正に設定することができる。
【0015】
また本発明に係る車間距離制御装置は、上記車間距離制御装置(2)において、前記ヨーレートセンサにおけるヨーレートは、車両が直進している場合はゼロ、方向へ回転している場合はプラス、方向へ回転している場合はマイナスの値を示し、現時刻のヨーレートがゼロを超え、ヨーレート変化量がゼロ未満、かつ予測ヨーレートがゼロ以下の場合、該予測ヨーレートをゼロに置き替える一方、前記現時刻のヨーレートがゼロ未満、前記ヨーレート変化量がゼロを超え、かつ前記予測ヨーレートがゼロ以上の場合、該予測ヨーレートをゼロに置き替えるように構成された制御手段が装備されていることを特徴としている(3)。
【0016】
上記車間距離制御装置(3)によれば、前記現時刻のヨーレートがゼロを超え、前記ヨーレート変化量がゼロ未満、かつ前記予測ヨーレートがゼロ以下となった場合、左旋回カーブの出口に近付いていると判断し、予測カーブ半径を無限大とするガードを掛けることができ、旋回に転じるとの判断誤りがなされることなく、回転手段を前記出口方向へ向けるように確実に制御することができる。一方、前記現時刻のヨーレートがゼロ未満、前記ヨーレート変化量がゼロを超え、
かつ前記予測ヨーレートがゼロ以上となった場合、右旋回カーブの出口に近付いていると判断し、予測カーブ半径を無限大とするガードを掛けることができ、旋回に転じるとの判断誤りがなされることなく、回転手段を前記出口方向へ向けるように確実に制御することができる。
【0017】
また本発明に係る車間距離制御装置は、上記車間距離制御装置(3)において、予測ヨーレートをゼロに置き替えた後、カ−ブガ−ドフラグ及びカーブガードフラグを立て、この後に現時刻のヨーレートがゼロ以下である場合、または現時刻のヨーレートがゼロ以下でなくしかもヨーレート変化量がゼロを超える場合はカーブガードフラグを降ろし、また現時刻のヨーレートがゼロ以上である場合、または現時刻のヨーレートがゼロ以上でなくしかもヨーレート変化量がゼロ未満である場合はカ−ブガードフラグを降ろすように構成された制御手段が装備されていることを特徴としている(4)。
【0018】
上記車間距離制御装置(4)によれば、カーブ出口近傍に比較的大きい半径のカーブがあっても、カーブ出口が終了するまで予測カーブ半径を無限大とすることができ、前記カーブ出口方向に回転手段を一層確実に向けることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車間距離制御装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、従来例と同一機能を有する構成部品には同一の符号を付すこととする。
図1は実施の形態1に係る車間距離制御装置を概略的に示したブロック図であり、図中11はECUを示している。ECU11は図8に示したものと同様の速度調整手段21a、警報制御手段21b、回転制御手段21cを備えている。またECU11には単位時間当りのヨーレート変化量DYに基づいて2秒後の予測ヨーレートYSを演算し、この予測ヨーレートYSに基づいて予測カーブ半径Rを求めるように構成された制御手段11aが装備されている。また制御手段11aのメモリ(図示せず)には、下記の数1〜数3が記憶されている。
【0020】
【数1】
DY=(YRn −YRn-1 )×2
ただし、DY:単位時間当りのヨーレート変化量(deg/s2)
YRn :現時刻のヨーレート(deg/s)
YRn-1 :現時刻より0.5秒前のヨーレート(deg/s)
2:単位時間当りに換算するための係数
【0021】
【数2】
YS=YRn +DY×A
ただし、YS:A秒後の予測ヨーレート(deg/s)
A:定数(s)
【0022】
【数3】
R=(180×V)/(π×YS)
ただし、R:予測カーブ半径(m)
V:自車速度(m/s)
その他の構成は図8に示したものと略同様であるので、ここではその構成の詳細な説明は省略することとする。これらECU11、スロットル制御手段22、ヨーレートセンサ23、車間距離測定手段24、回転手段25、車速検出手段26、操作スイッチ27、警報発生手段28等を含んで実施の形態1に係る車間距離制御装置10が構成されている。
【0023】
以下、実施の形態1に係る車間距離制御装置10におけるECU11の動作を図1〜2に基づいて説明する。図2はECU11の動作を概略的に示したフローチャートである。まずステップ(以下、Sと記す)1において操作スイッチ27がオンされているか否かを判断し、オンされていないと判断すると元に戻る一方、オンされていると判断すると、ヨーレートセンサ23からの信号に基づき、現時刻のヨーレートYRn を演算し(S2)、これをメモリにYRn-1 として記憶する(S3)。次にS4においてS2から0.5秒が経過したか否かを判断し、経過していないと判断するとS4に戻る一方、経過したと判断すると、ヨーレートセンサ23からの信号に基づき、現時刻のヨーレートYRn を演算する(S5)。次に上記数1に基づいて1秒間当りのヨーレート変化量DYを演算し(S6)、あらかじめ設定しておいた任意の定数A(例えば2)と上記数2とに基づき、2秒後における予測ヨーレートYSを演算した後(S7)、車速検出手段26からの信号に基づいて自車速度Vを演算する(S8)。次に上記数3に基づいて予測カーブ半径Rを演算・出力し、この予測カーブ半径Rに基づき、回転制御手段21cにより回転手段25の回転角を制御し、車間距離測定手段24からの信号より求められた車間距離と自車速度Vとに基づき、警報発生手段28、スロットル制御手段22を制御する(S9)。次にS10において操作スイッチ27がオフされているか否かを判断し、オフされていないと判断するとS3に戻る一方、オフされていると判断すると、他の処理へ進む。
【0024】
図3は実施の形態1に係る車間距離制御装置10におけるECU11より出力されるヨーレートと道路状況(左旋回カーブ)との関係を概略的に示したグラフであり、図中実線は走行時点のヨーレートYRn 、一点鎖線は予測ヨーレートYSを示している。直進道路においてはYS=YRn =0であるが、左旋回カーブ入り口以降においてはYSが次第に大きくなり、かつYS>YRn となり、その後YS(=YRn )が略一定となる。また左旋回カーブ出口直前においてはYSが次第に小さくなり、かつYS<YRn となり、直進道路においては再びYS=YRn =0となる。
【0025】
上記説明から明らかなように、実施の形態1に係る車間距離制御装置10によれば、カーブ半径が刻々と変化しているような道路を走行していても、予測カーブ半径Rに基づき、ECU11により回転手段25の回転角が正確に制御され、車間距離測定手段24から放射された赤外線や電波等のビームを前方車両に確実に照射させた後、車間距離測定手段24に入射させることができる。このため車間距離測定手段24からの信号に基づき、車間距離を確実に測定することができ、この結果、警報をタイミングよく発生させると共に、前方車両との車間距離を適正に維持することができる。
【0026】
また、所定時間経過後の予測ヨーレートYSと、車速検出手段26からの信号に基づいて求められた自車速度Vとに基づき、予測カーブ半径Rを適正かつ簡単に求めることができる。
【0027】
次に実施の形態2に係る車間距離制御装置について説明する。実施の形態2に係る車間距離制御装置では、車間距離Dを自車速度Vで除した値Tを定数Aとするように構成された制御手段が図1に示したECU11の制御手段11aの代わりに装備されている点が実施の形態1に係る車間距離制御装置10と異なっている。またこの制御手段のメモリには、下記の数4が記憶されている。
【0028】
【数4】
T=D/V
ただし、T:前方車両が存在する位置への到達時間(s)
D:車間距離
以下、実施の形態2に係る車間距離制御装置におけるECUの動作を図1、2、4に基づいて説明する。図4はECUの動作を概略的に示したフローチャートであり、S6(図2)においてヨーレート変化量DYを演算した後、車間距離測定手段24からの信号に基づいて車間距離Dを演算し(S11)、車速検出手段26からの信号に基づいて自車速度Vを演算する(S12)。次に上記数4に基づいて到達時間Tを演算し(S13)、定数Aを到達時間Tとした後(S14)、上記数2に基づいてT秒後の予測ヨーレートYSを演算する(S15)。次に上記数3に基づいてT秒後の予測カーブ半径Rを演算・出力した後(S16)、S10(図2)へ進む。
【0029】
上記説明から明らかなように、実施の形態2に係る車間距離制御装置では、定数Aを自動的、かつ適正に設定することができる。
【0030】
次に実施の形態3に係る車間距離制御装置について説明する。実施の形態3に係る車間距離制御装置では、現時刻のヨーレートYRn がゼロを超え、ヨーレート変化量DYがゼロ未満、かつ予測ヨーレートYSがゼロ以下の場合、この予測ヨーレートYSをゼロに置き替える。一方、現時刻のヨーレートYRn がゼロ未満、ヨーレート変化量DYがゼロを超え、かつ予測ヨーレートYSがゼロ以上の場合、この予測ヨーレートYSをゼロに置き替えるように構成された制御手段が図1に示したECU11の制御手段11aの代わりに装備されている。
【0031】
以下、実施の形態3に係る車間距離制御装置におけるECUの動作を図1〜3、5に基づいて説明する。図5はECUの動作を概略的に示したフローチャートであり、S7(図2)において2秒後の予測ヨーレートYSを演算した後、S21において現時刻のヨーレートYRn がゼロを超え、かつヨーレート変化量DYがゼロ未満であるか否かを判断する。そしてイエスであると判断すると、S22において予測ヨーレートYSがゼロを超えているか否かを判断し、ゼロを超えている(プラス側にある、すなわち左旋回カーブの出口に近づいていない)と判断すると、この予測ヨーレートYSをYS(図3に示した一点鎖線)に設定した後(S23)、S8(図2)へ進む。一方、S22において予測ヨーレートYSがゼロを超えていない(マイナス側になっている、すなわち左旋回カーブの出口に間もなく到達する)と判断すると、予測ヨーレートYSをゼロ(図3に示した点線)に置き替えた後(S24)、S8へ進む。他方、S21においてノーであると判断すると、S25において現時刻のヨーレートYRn がゼロ未満で、かつヨーレート変化量DYがゼロを超えているか否かを判断する。そしてノーであると判断するとS27へ進む一方、イエスであると判断すると、S26において予測ヨーレートYSがゼロ未満であるか否かを判断し、ゼロ未満である(マイナス側にある、すなわち右旋回カーブの出口に近づいていない)と判断すると、この予測ヨーレートYSをYSに設定した後(S27)、S8へ進む。他方、S26において予測ヨーレートYSがゼロ未満ではない(プラス側になっている、すなわち右旋回カーブの出口に間もなく到達する)と判断すると、予測ヨーレートYSをゼロに置き替えた後(S28)、S8へ進む。
【0032】
上記説明から明らかなように、実施の形態3に係る車間距離制御装置では、現時刻のヨーレートYRn がゼロを超え、ヨーレート変化量DYがゼロ未満、かつ予測ヨーレートYSがゼロ以下となった場合、左旋回カーブの出口に近付いていると判断し、予測カーブ半径Rが無限大となるようにガードを掛けることができ、右旋回に転じるとの判断誤りをなすことなく、回転手段25を出口方向へ向けるように確実に制御することができる。一方、現時刻のヨーレートYRn がゼロ未満、ヨーレート変化量DYがゼロを超え、かつ予測ヨーレートYSがゼロ以上となった場合、右旋回カーブの出口に近付いていると判断し、予測カーブ半径Rが無限大となるようにガードを掛けることができ、左旋回に転じるとの判断誤りをなすことなく、回転手段25を出口方向へ向けるように確実に制御することができる。
【0033】
次に実施の形態4に係る車間距離制御装置について説明する。実施の形態4に係る車間制御装置では、予測ヨーレートYSをゼロに置き替えた後、ガードフラグXLLIM、XRLIMを立て、この後に現時刻のヨーレートYRn がゼロ以下である場合、または現時刻のヨーレートーYRn がゼロ以下でなくしかもヨーレート変化量DYがゼロを超える場合は左カーブガードフラグXLLIMを降ろし、また現時刻のヨーレートYRn がゼロ以上である場合、または現時刻のヨーレートYRn がゼロ以上でなくしかもヨーレート変化量DYがゼロ未満である場合は右カーブガードフラグXRLIMを降ろすように構成された制御手段が装備されている。
【0034】
以下、実施の形態4に係る車間距離制御装置におけるECUの動作を図1〜2、6に基づいて説明する。図6はECUの動作を概略的に示したフローチャートであり、S6(図2)においてヨーレート変化量DYを演算した後、S31において現時刻のヨーレートYRn がゼロ以下であるか否かを判断し、ゼロ以下であると判断するとS33に進む。一方、ゼロ以下ではないと判断すると、S32においてヨ−レ−ト変化量DYがゼロを超えるか否かを判断し、ゼロを超えない(左旋回カーブの出口に向かっている)と判断するとS34に進み、他方、ゼロを超えると判断すると左カーブガードフラグXLLIMを降ろす(クリヤする)(S33)。次にS34において現時刻のヨーレートYRn がゼロ以上であるか否かを判断し、ゼロ以上であると判断するとS36に進む。一方、ゼロ以上でないと判断すると、S35においてヨ−レ−ト変化量DYがゼロ未満であるか否かを判断し、ゼロ未満でない(右旋回カーブ出口に向かっている)と判断するとS37に進み、他方、ゼロ未満であると判断すると右カーブガードフラグXRLIMを降ろす(クリヤする)(S36)。次に上記数2に基づいて2秒後の予測ヨーレートYSを演算し(S37)、S38において左カーブガードフラグXLLIMがすでに立っているか否かを判断し、立っていると判断するとS40に進む。一方、左カーブガードフラグXLLIMがまだ立っていないと判断すると、S39において右カーブガードフラグXRLIMがすでに立っているか否かを判断し、立っていると判断すると予測ヨーレートYSをゼロに置き替えた後(S40)、S8(図2)へ進む。他方、右カーブガードフラグXRLIMがまだ立っていないと判断すると、S41において現時刻のYRn がゼロを超え、かつヨーレート変化量DYがゼロ未満であるか否かを判断し、イエスであると判断すると、S42において予測ヨーレートYSがゼロを超えるか否かを判断し、超えていない(左旋回カーブ出口に近付いている)と判断すると、予測ヨーレートYSをゼロに置き替え(S43)、左カーブガードフラグXLLIMを立てた後(S44)、S8へ進む。一方、S41においてノーであると判断すると、S45において現時刻のヨーレートYRn がゼロ未満であり、かつヨーレート変化量DYがゼロを超えるているか否かを判断し、イエスであると判断すると、S46において予測ヨーレートYSがゼロ未満であるか否かを判断し、ゼロ未満でない(右旋回カーブ出口に近付いている)と判断すると、予測ヨーレートYSをゼロに置き替え(S47)、右カーブガードフラグXRLIMを立てた後(S48)、S8へ進む。他方、S42において予測ヨーレートYSがゼロを超えていると判断した場合、あるいはS45においてノーであると判断した場合、あるいはS46において予測ヨーレートYSがゼロ未満であると判断した場合、S49に進んで予測ヨーレートYSをYSに設定した後、S8へ進む。
【0035】
図7は左旋回カーブの出口近傍において実施の形態3、4に係る車間距離制御装置のECUにより出力されるヨーレートを概略的に示したグラフであり、図中実線は現時刻のヨーレートYRn 、点線は実施の形態3に係る車間距離制御装置における予測ヨーレートYS、一点鎖線は実施の形態4に係る車間距離制御装置における予測ヨーレートYSを示している。カーブの出口近傍において比較的大きな一定半径のカーブがある場合、実施の形態3に係る装置では、一旦YSがYRn となってしまうが、実施の形態4に係る装置ではYSがゼロに維持される。
【0036】
上記説明から明らかなように、実施の形態4に係る車間距離制御装置では、カーブ出口近傍に比較的大きい半径のカーブがあっても、カーブ出口が終了するまで予測カーブ半径を無限大とすることができ、前記カーブ出口方向に車間距離測定手段24を一層確実に向けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車間距離制御装置の実施の形態1を概略的に示したブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る車間距離制御装置のECUの動作を概略的に示したフローチャートである。
【図3】実施の形態1、3に係る車間距離制御装置におけるECUにより出力されるヨーレートと道路状況(左旋回カーブ)との関係を概略的に示したグラフである。
【図4】実施の形態2に係る車間距離制御装置のECUの動作を概略的に示したフローチャートである。
【図5】実施の形態3に係る車間距離制御装置のECUの動作を概略的に示したフローチャートである。
【図6】実施の形態4に係る車間距離制御装置のECUの動作を概略的に示したフローチャートである。
【図7】左旋回カーブの出口近傍において実施の形態3、4に係る車間距離制御装置のECUにより出力されるヨーレートを概略的に示したグラフであり、図中実線は現時刻のヨーレートYRn 、点線は実施の形態3に係る車間距離制御装置の予測ヨーレートYS、一点鎖線は実施の形態4に係る車間距離制御装置の予測ヨーレートYSを示している。
【図8】従来の車間距離制御装置を概略的に示したブロック図である。
【図9】ヨーレートセンサにおけるヨーレートと車両の回転方向及び回転半径との関係を説明するために概略的に示したグラフである。
【符号の説明】
10 車間距離制御装置
11 ECU
11a 制御手段
22 スロットル制御手段
23 ヨーレートセンサ
24 車間距離測定手段
25 回転手段
26 車速検出手段
28 警報発生手段

Claims (4)

  1. 警報発生手段と、スロットル制御手段と、車間距離測定手段と、該車間距離測定手段を水平方向に回転させる回転手段と、ヨーレートセンサと、自車速度を検出する車速検出手段と、ヨーレート及び前記自車速度から求めたカーブ半径に基づいて前記回転手段の回転角を制御すると共に、車間距離及び前記自車速度に基づいて前記警報発生手段、前記スロットル制御手段を制御するエレクトロニック・コントロール・ユニット(ECU)とを備えた車間距離制御装置において、単位時間当りのヨーレート変化量に基づいて所定時間経過後の予測ヨーレートを演算し、該予測ヨーレートに基づいて予測カーブ半径を求めるように構成された制御手段が前記ECUに装備されていることを特徴とする車間距離制御装置。
  2. 現時刻のヨーレートと、前記現時刻より所定時間経過前のヨーレートとの差から求めた単位時間当りのヨーレート変化量に車間距離を自車速度で除した値からなる定数を乗じ、これに前記現時刻のヨーレートを加えることにより、前記所定時間経過後の予測ヨーレートを求めるように構成された制御手段が装備されていることを特徴とする請求項1記載の車間距離制御装置。
  3. 前記ヨーレートセンサにおけるヨーレートは、車両が直進している場合はゼロ、方向へ回転している場合はプラス、方向へ回転している場合はマイナスの値を示し、
    現時刻のヨーレートがゼロを超え、ヨーレート変化量がゼロ未満、かつ予測ヨーレートがゼロ以下の場合、該予測ヨーレートをゼロに置き替える一方、前記現時刻のヨーレートがゼロ未満、前記ヨーレート変化量がゼロを超え、かつ前記予測ヨーレートがゼロ以上の場合、該予測ヨーレートをゼロに置き替えるように構成された制御手段が装備されていることを特徴とする請求項2記載の車間距離制御装置。
  4. 予測ヨーレートをゼロに置き替えた後、カ−ブガ−ドフラグ及びカーブガードフラグを立て、この後に現時刻のヨーレートがゼロ以下である場合、または現時刻のヨーレートがゼロ以下でなくしかもヨーレート変化量がゼロを超える場合はカーブガードフラグを降ろし、また現時刻のヨーレートがゼロ以上である場合、または現時刻のヨーレートがゼロ以上でなくしかもヨーレート変化量がゼロ未満である場合はカ−ブガードフラグを降ろすように構成された制御手段が装備されていることを特徴とする請求項3記載の車間距離制御装置。
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