JP3794275B2 - 光ディスク再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクに記録された情報を再生する、光ディスク再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク再生装置において、光ディスクを再生する場合には、再生信号の振幅を検出しながら、光ディスク表面への傷や汚れの付着によって発生するドロップアウトを検出しながら、再生を行っている。ドロップアウトを検出した場合には、サーボループをホールドしたり、データ再生に用いるPLL(Phase Looked Loop)をホールドするなどして、光ディスクの傷等によって、サーボ系が飛ばされたり(外れたり)、PLLが飛ばされて(外れて)、再生できなくなるのを防ぐことによって、光ディスク再生装置の安定性を高めている。このようなドロップアウト検出器に関しては、例えば、特開昭54−118211号公報などに開示されている。
【0003】
以下、従来例の光ディスク再生装置に関して図面を参照しながら説明する。
【0004】
図12は、従来例におけるドロップアウト検出機能を持った、光ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。
【0005】
図12において、1は光ディスクであり、回転手段2によって回転させ、光ピックアップ3により、光ディスク1上に記録された情報を再生している。
【0006】
光ピックアップ3から出力されるデータ信号は、アナログ信号の状態で、低域カットフィルタ4を通過し、光ディスク1の反射率変化を補償するためのオートゲインコントロール回路(以下、AGC回路という)5に供給されている。通常の再生時におけるAGC回路5の出力であるデータ信号の振幅は、一定の振幅になっている。
【0007】
この一定振幅になった信号は、2値化手段11を介して2値化されて、データ再生に用いられるとともに、ドロップアウト検出器6に入力され、光ディスク1の表面の傷や汚れ等によるドロップアウトを検出している。すなわち、光ディスク表面の傷や汚れによって、反射光がさえぎられると、データ信号の振幅が局所的に低下するので、その低下をドロップアウト検出器6は、レベル比較器7で検出している。
【0008】
レベル比較器7は、印加される比較レベルで、入力信号を2値化する一種の2値化回路であり、光ディスク表面の傷や汚れによって入力信号が劣化し、比較レベルよりも小さくなると、2値化出力が出なくなる。レベル比較器7の出力は、モノマルチバイブレータ(以下、モノマルチ回路と称す)9に入力されて、2値化出力が一定間隔以下の頻度で出る間(一定間隔以下で出ない間)は、モノマルチ回路9は出力せず、レベル比較器7の出力パルスが一定間隔以上となると、モノマルチ回路9からドロップアウト検出器6の出力として出力される。
【0009】
従って、光ディスク表面の傷や汚れによって入力信号が劣化し、比較レベルよりも小さくなり、所定間隔以上の2値化出力が出ると、ドロップアウトとして検出される。
【0010】
このようにして得られた、ドロップアウト信号は、サーボループのホールドや、データPLLのホールド用の信号に用いられている。
【0011】
【発明の解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来例の構成では、光ディスクに情報が記録されていて、データ信号(RF信号)の振幅があることが前提となっており、光ディスクに情報が記録されていないケース(未記録領域が存在するケース)は、考慮されていない。
【0012】
例えば、図4の信号波形図に示すように、例えばDVD−RAMのように記録部と未記録部とが点在する光ディスクにおいて、未記録部では、データ信号の振幅が記録部に比較して小さいために、AGC回路5において未記録部のノイズ成分を増幅してしまう。従って、AGC回路5の出力は、図4(a)に示すように、未記録部では、データ信号の劣化を判別する比較レベル(破線)を下回る信号を生成してしまうこととなり、レベル比較器7の出力は、図4(b)に示すように、未記録部では比較的広い間隔のパルスを出力する。その結果、モノマルチ回路9の出力も、図4(c)に示すように、この未記録部のノイズ成分をデータと認識しないため、ドロップアウトとして出力してしまう。
【0013】
よって、未記録部を有する光ディスクの場合には、未記録部におけるノイズ成分をドロップアウトとして、誤検出してしまうという課題が発生する。
【0014】
また、図13の信号波形図に示すように、例えばDVD−RAMのように、記録部と未記録部とが点在可能で、信号を記録すると記録部の反射率が下がる光ディスクにおいては、その再生時に未記録部から記録部に移ると、データ信号のDCレベルが急に下がってしまうために、記録部の開始部分をドロップアウトと誤検出してしまうという課題も発生する。
【0015】
図13(a)は、未記録部から記録部に移る部分のデータ信号を示した信号波形図であり、未記録部では比較レベル(破線)を信号レベルより少し下に設定している。しかしながら、未記録部から記録部に移った時には、記録部の先頭は、比較レベルよりも低いレベルに下がってしまうため、図13(b)に示すように、レベル比較器7の出力は、記録部の先頭で長いパルスを出力し、図13(c)に示すように、モノマルチ回路9の出力もドロップアウト信号として出力してしまう。
【0016】
さらに、図8の信号波形図に示すように、例えばDVD−RAMのように、ランドトラックとグルーブトラックといった反射率の異なるトラックを順次再生する光ディスクの場合には、ランドトラックとグルーブトラックの境目で、その反射率差により、データ信号のDCレベルが急に下がってしまうことがあるため、トラックの境目の反射率差をドロップアウトと誤検出してしまうという課題も発生する。
【0017】
図8(a)は、DVD−RAMディスクの未記録部における、ランドトラックとグルーブトラックの境目のデータ信号を示した図であり、ランドトラックでは比較レベル(破線)を信号レベルより少し下に設定している。しかしながら、ランドトラックからグルーブトラックに移った時には、ランドトラックとグルーブトラックとの反射率差により、トラック境界付近では、比較レベルよりも低いレベルに下がってしまう。このため、図8(b)に示すように、レベル比較器7の出力は、トラック境界部分で、長いパルスを出力し、図8(c)に示すように、モノマルチ回路9の出力も、トラックの境界部分でドロップアウト信号を出力してしまう。
【0018】
本発明の目的は、以上の様な課題を解決するため、未記録部分のある記録型の光ディスクにおいても、ドロップアウト信号の誤検出の少ない、光ディスク再生装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の光ディスク再生装置は、記録媒体からの再生信号を入力し、再生信号の低域周波数成分を除去する低域カットフィルタと、低域カットフィルタの出力の利得を制御するオートゲインコントロール回路と、オートゲインコントロール回路の出力からドロップアウトを検出するドロップアウト検出器と、低域カットフィルタの出力の振幅を検出する振幅検出手段と、振幅検出手段の出力に応じて、ドロップアウト検出器における比較レベルを設定する比較レベル設定手段とを備えたものである。
【0020】
これにより、例えば、記録部から未記録部に移った場合、未記録部におけるノイズ成分をドロップアウトとして検出することが無くなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の発明は、記録媒体からの再生信号を入力し、前記再生信号の低域周波数成分を除去する低域カットフィルタと、前記低域カットフィルタの出力の利得を制御するオートゲインコントロール回路と、前記オートゲインコントロール回路の出力からドロップアウトを検出するドロップアウト検出器と、前記低域カットフィルタの出力の振幅を検出する振幅検出手段と、前記振幅検出手段の出力に応じて、前記ドロップアウト検出器における比較レベルを設定する比較レベル設定手段とを備えたものである。
【0022】
これにより、オートゲインコントロール回路に入力される信号の振幅を振幅検出手段により検出することにより、記録部であるか未記録部であるかを判断し、未記録部である場合にはドロップアウト検出器の比較レベルを下げることにより、未記録部で発生するノイズ成分をドロップアウトと誤検出することが無くなる。
【0023】
また、本発明の第2の発明は、記録媒体からの再生信号を入力し、前記再生信号の低域周波数成分を除去する低域カットフィルタと、前記低域カットフィルタの出力の直流成分変動を抑えるインライン化手段と、前記インライン化手段の出力の利得を制御するオートゲインコントロール回路と、前記オートゲインコントロール回路の出力からドロップアウトを検出するドロップアウト検出器とを備えたものである。
【0024】
これにより、オートゲインコントロール回路に入力する前に、再生信号のDC変動を抑えるインライン化手段を用いることによって、未記録部と記録部のDC変動を抑圧することができるために、未記録部から記録部に移った際に、記録部の先頭をドロップアウトと誤検出することが無くなる。
【0025】
また、本発明の第3の発明は、記録媒体からの再生信号を入力し、前記再生信号の低域周波数成分を除去する低域カットフィルタと、前記低域カットフィルタの出力の利得を制御するオートゲインコントロール回路と、前記オートゲインコントロール回路の出力からドロップアウトを検出するドロップアウト検出器とを備え、前記低域カットフィルタは、前記記録媒体のデータを再生するときには、そのカットオフ周波数を下げ、データを再生しないときには、そのカットオフ周波数を上げる、帯域切り換え手段を有するものである。
【0026】
これにより、再生しない時に、オートゲインコントロール回路に入力する前に、低域カットフィルタのカットオフ周波数を上げることにより、未記録部での反射率差によって発生する信号のDC変動を抑圧できるので、ランドトラック、グルーブトラックの境界においても、反射率差の影響による信号の変動をドロップアウトと誤検出することが無くなる。
【0027】
また、本発明の第4の発明は、上記第1〜第3の発明において、ドロップアウト検出器は、入力信号を2値化する手段と、前記2値化された信号のパルス間隔に応じた信号を出力する手段とを有することを特徴とするものであり、これにより、2値化する手段からのパルス出力が一定間隔以上続くと出力されるモノマルチバイブレータ等によって、ドロップアウト検出器の出力を得ることにより、確実にドロップアウトを検出することができる。
【0028】
また、本発明の第5の発明は、上記第1〜第3の発明において、ドロップアウト検出器は、入力信号のエンベロープを検出した信号と所定の基準レベルとを、所望の比較レベルで比較する比較手段を有することを特徴とするものであり、これにより、エンベロープ検波した信号と、基準レベルを比較する比較手段から構成されるドロップアウト検出器とすることにより、確実にドロップアウトを検出することができる。
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0030】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における光ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。
【0031】
図1において、回転手段2により回転する光ディスク1から、光ピックアップ3により情報が再生される。光ピックアップ3によって読み取られたデータ信号は、低域カットフィルタ4により低域の周波数成分が除去されて、オートゲインコントロール回路(AGC回路)5に入力される。
【0032】
AGC回路5の出力は、2値化手段11を介して、信号再生に用いられるとともに、ドロップアウト検出器6に入力され、信号の欠落を検出し、その出力は、ドロップアウト信号として、サーボ回路やPLL回路(図示せず)のホールド等の制御に用いられ、光ディスク再生装置の読み取りの安定性を高めている。
【0033】
ドロップアウト検出器6の構成は、従来の技術で述べたものと同等のものであるが、レベル比較手段7に設定される比較レベルが異なる。この比較レベルは、比較レベル設定手段13によって設定され、比較レベル設定手段13の入力は、振幅検出手段12によって、AGC回路5に入力される前の再生信号の振幅を検出した結果である。よって、再生信号の振幅に基づいて、比較レベルが設定されている。
【0034】
このように構成された、光ディスク再生装置に関して、以下、その動作を説明する。
【0035】
AGC回路5は、入力信号の振幅を整える働きがあるので、光ディスク1から再生されたデータ信号の振幅を一定振幅に保っている。しかしながら、光ディスク1上に傷や、汚れがあって、反射光がさえぎられたときには、AGC回路5の出力も、一時的に振幅が劣化する。
【0036】
この振幅劣化をドロップアウト検出器6内のレベル比較器7で検出するが、その時、AGC回路5は、入力振幅が小さいと、出力振幅を大きくする働きがあるために、先に述べたように未記録部では、AGC回路5が働き、データ信号の振幅を大きくしてしまう。そのために、振幅の大きなノイズ成分が、ドロップアウト検出器6に入力されるために、レベル比較器7の比較レベルに引っかかり、ドロップアウト信号を出力してしまう。
【0037】
そこで、振幅検出手段12は、AGC回路5に入力される前の信号の振幅を検出し、記録信号があるのか、無いのかを判別している。
【0038】
振幅検出手段12は、例えば、AGC回路5に入力される前の信号を、2つのエンベロープ検波器で検波し、信号の有無を判別する。すなわち、入力信号の上側のエンベロープと、下側のエンベロープを各々検波し、その差を取ることによって、信号の有り無し、つまり、記録してあるか、記録してないかの記録・未記録を判別している。
【0039】
振幅検出手段12によって検出した振幅が小さいと、未記録と思われるので、比較レベル設定手段13は、ドロップアウト検出回路6の中の、レベル比較器7の検出レベルを下げることにより、ドロップアウトの検出感度を下げ、ドロップアウトの検出をしにくくしている。
【0040】
このように、振幅検出手段12によって、AGC回路5の前段で、入力信号の振幅を検出することによって、記録部か未記録部かを判別し、ドロップアウト信号の比較レベルを比較レベル設定手段13によって、記録部を再生している時と、未記録を再生している時とで変えることによって、未記録部で、ノイズ成分をドロップアウトと誤検出することが防止できる。
【0041】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について、図面を参照しながら、詳細に説明する。図2は、本実施の形態における光ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。
【0042】
図2において、実施の形態1と同じ働きをするものには、同じ符号を付けている。実施の形態1と異なる点は、ドロップアウト検出器6をエンベロープ検波器14、基準レベル発生器15、およびレベル比較器16で構成している点である。
【0043】
このように、ドロップアウト検出器6への入力信号のエンベロープをエンベロープ検波器14で検出し、それを一定の比較レベルで比較し、出力することにより、ドロップアウトによる信号振幅劣化を検出することができる。
【0044】
さらに、AGC回路5の前の振幅を検出する振幅検出手段12によって、比較レベル設定手段13で、レベル比較器16の比較レベルにオフセットを加えて設定することにより、未記録部では、ドロップアウトの検出感度を下げることができる様になり、未記録部で、ノイズ成分をドロップアウトと誤検出することが防止できる。
【0045】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について、図面を参照しながら、詳細に説明する。図3は、本実施の形態における光ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。
【0046】
図3において、実施の形態1または2と異なる点は、光ピックアップ3の出力は、低域カットフィルタ4を介した後、インライン化手段17を介して、AGC回路5に、入力されている点である。ドロップアウト検出器6は、図1、図2または図12に示した構成の何れであっても良い。また、実施の形態1または2に示した構成との組み合わせでも何ら問題はない。
【0047】
以下、インライン化手段17の動作を説明する。
【0048】
例えば、DVD−RAMディスクのような光ディスクは、記録溝の途中に、CAPA(Complimentary Allocated Pit Addressing)と呼ばれる、アドレス信号を、プレピットによって形成している。
【0049】
そのCAPA信号と、CAPA信号の間に信号を記録して行くために、図4(a)に示すように、それぞれの信号のDCレベルは、CAPA信号がもっともDCレベルが高く、次いで未記録部のデータ部、そして記録部のデータ部となっている。
【0050】
この信号をそのまま、実施の形態1または2で説明したドロップアウト検出器6に入力すると、未記録部から記録部に移る際には、記録部の方が未記録部よりも、DCレベルが下がっているために、記録部をドロップアウトと誤検出してしまい、図13(b)のように、ドロップアウト信号を出力してしまう。
【0051】
そこで、図14のように、記録部と未記録部のDCレベルの変動を少なくした信号を用いて、ドロップアウト検出をすれば、記録部をドロップアウトと誤検出することがなくなる。このように、CAPA信号、未記録部信号、記録部信号を揃える働きをするものが、インライン化手段17である。
【0052】
図5は、インライン化手段17の動作を説明するための信号波形図であり、同図(a)は入力されるデータ信号、同図(b)は図5(a)に時間的に対応したインライン化パルス、同図(c)はインライン化手段17によってDCレベルの変動を抑圧したデータ信号である。
【0053】
すなわち、図5に示すように、インライン化手段17は、CAPA部と、データ部の先頭で出力されるインライン化パルスを作り出し、これに基づいて、DCレベル変動を抑圧する。
【0054】
インライン化手段17の構成は、例えば、図6に示すように、低域カットフィルタとして働くコンデンサ21の出力をアナログスイッチ22によって、抵抗器23を介してインライン化パルスごとに基準レベルにショートするという構成とすることができる。
【0055】
このように、所望の基準レベルにDCレベルの合った信号をAGC回路5及びドロップアウト検出器6に入力することにより、未記録部から記録部に移った時にドロップアウト検出器6が誤動作するのを防ぐことができることとなる。
【0056】
なお、抵抗器23は、信号波形の応答性を調整するものなので、0Ωでも、無くても構わない。
【0057】
このように、AGC回路5の前に、インライン化手段17を備えることにより、未記録部から記録部に移った際にも、記録部の先頭をドロップアウトと誤検出することを防止できる。
【0058】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について、図面を参照しながら、詳細に説明する。図7は、本実施の形態における光ディスク再生装置の構成を示す図である。
【0059】
図7において、実施の形態1〜3と異なる点は、AGC回路5の前に、帯域切り換え手段を備えた低域カットフィルタとした点である。なお、図では、単に帯域切り換え手段18として示している。
【0060】
以下、帯域切り換え手段18について、その動作を説明する。
【0061】
例えば、DVD−RAMディスクのような光ディスクは、ランドグルーブ記録方式であるために、溝のランドトラックと、グルーブトラックともに記録を行っている。そのため、光学的な特性の異なるランドトラックとグルーブトラックをともに再生するために、図8(a)に示すように、ランドトラックから、グルーブトラックへ移った時、あるいはグルーブトラックからランドトラックへ移った際に、その反射率の差から、DC的な段差が発生する。
【0062】
特に、未記録部では、ランドとグルーブの反射率差の影響が、そのまま信号に現れてくる。
【0063】
この段差をドロップアウト検出器6がドロップアウトと誤検出してしまい、図8(b)に示すように、ドロップアウト信号を出力してしまう。
【0064】
そこで、図9に示すように、コンデンサ31と抵抗器32とで構成されたハイパスフィルタ(低域カットフィルタ)の出力をアナログスイッチ33によって、抵抗器34を介して非リード信号によって基準レベルにショートすることによって、非リード時には、ハイパスフィルタのカットオフを上げることができることとなる。
【0065】
非リード信号は、光ディスクの信号を再生するか、しないかの信号で、再生しない時に出力される信号である。
【0066】
このように、非リード時に入力のハイパスフィルターのカットオフを上げることによって、図10(a)に信号図を示すように、ランドトラックとグルーブトラックのDC変動を抑圧でき、ランドトラックとグルーブトラックの反射率差をドロップアウトと誤検出することがなく、ドロップアウト信号を図10(b)に示すように、反射率差によるDC変動をドロップアウトと誤検出した、ドロップアウト信号の出力幅を小さく抑えることができる。
【0067】
なお、光ピックアップからの出力信号のS/N比を大きく取るために、極性を反転させた信号で差動伝送をする場合があるが、その場合、帯域切り換え手段18は、図11のように、差動入力をコンデンサ41,42を介して出力し、その出力同士を抵抗器43によって接続し、抵抗器43と並列に、非リード信号によってショートされるアナログスイッチ44と抵抗器45によって、接続する方法でも構わない。
【0068】
なお、上記実施の形態では、記録媒体として、DVD−RAMを例に説明したが、本発明と同様の課題を有する光ディスクであれば、いかなるものでも良いことは言うまでもない。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の発明によれば、AGC回路に入力される信号の振幅を信号検出手段によって検出することにより、記録部であるか未記録部であるかを判断し、未記録部である場合には、ドロップアウト検出器の比較レベルを下げることにより、未記録部で発生するノイズ成分をドロップアウトと誤検出することを防止することができる。
【0070】
また、第2の発明では、AGC回路に入力する前に、再生信号のDC変動を抑えるインライン化手段を用いることによって、未記録部と記録部のDC変動を抑えることができるために、未記録部から記録部に移った際にも、記録部の先頭をドロップアウトと誤検出することを防止することができる。
【0071】
また、第3の発明では、再生しない時に、AGC回路に入力する前に、低域カットフィルタのカットオフ周波数を上げることにより、未記録部での反射率差によって発生する、信号DC変動を抑圧できるので、トラックの境目での反射率差をドロップアウトと誤検出することを防止することができる。
【0072】
また、第4の発明では、2値化する手段のパルスが一定間隔以上あると、出力されるモノマルチ回路によって、ドロップアウト検出器の出力を得ることにより、確実にドロップアウトを検出することができる。
【0073】
また、第5の発明では、エンベロープ検波した信号と、基準レベル発生器により発生した基準レベルを比較するレベル比較手段から構成されるドロップアウト検出器とすることにより、確実にドロップアウトを検出することができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における光ディスク再生装置の構成を示すブロック図
【図2】同実施の形態2における光ディスク再生装置の構成を示すブロック図
【図3】同実施の形態3における光ディスク再生装置の構成を示すブロック図
【図4】従来の光ディスク再生装置の課題を示す信号波形図
【図5】本発明の実施の形態3における光ディスク再生装置の動作を示す信号波形図
【図6】同光ディスク再生装置のインライン化手段の構成を示す回路図
【図7】本発明の実施の形態4における光ディスク再生装置の構成を示すブロック図
【図8】従来の光ディスク再生装置の課題を示す信号波形図
【図9】本発明の実施の形態4における光ディスク再生装置の帯域切り換え手段の構成を示す回路図
【図10】同光ディスク再生装置の動作を示す信号波形図
【図11】同光ディスク再生装置の帯域切り換え手段の他の構成を示す回路図
【図12】従来の光ディスク再生装置の構成を示すブロック図
【図13】従来の光ディスク再生装置における課題を示す信号波形図
【図14】本発明の実施の形態3における光ディスク再生装置の動作を示す信号波形図
【符号の説明】
1 光ディスク
2 回転手段
3 光ピックアップ
4 低域カットフィルタ
5 AGC回路
6 ドロップアウト検出器
7 レベル比較手段
9 モノマルチ回路
11 2値化手段
12 振幅検出手段
13 比較レベル設定手段
14 エンベロープ検波器
15 基準レベル発生器
16 レベル比較器
17 インライン化手段
18 帯域切り換え手段
Claims (5)
- 記録媒体からの再生信号を入力し、前記再生信号の低域周波数成分を除去する低域カットフィルタと、
前記低域カットフィルタの出力の利得を制御するオートゲインコントロール回路と、
前記オートゲインコントロール回路の出力からドロップアウトを検出するドロップアウト検出器と、
前記低域カットフィルタの出力の振幅を検出する振幅検出手段と、
前記振幅検出手段の出力に応じて、前記ドロップアウト検出器における比較レベルを設定する比較レベル設定手段とを備えた光ディスク再生装置。 - 記録媒体からの再生信号を入力し、前記再生信号の低域周波数成分を除去する低域カットフィルタと、
前記低域カットフィルタの出力の直流成分変動を抑えるインライン化手段と、前記インライン化手段の出力の利得を制御するオートゲインコントロール回路と、
前記オートゲインコントロール回路の出力からドロップアウトを検出するドロップアウト検出器とを備えた光ディスク再生装置。 - 記録媒体からの再生信号を入力し、前記再生信号の低域周波数成分を除去する低域カットフィルタと、
前記低域カットフィルタの出力の利得を制御するオートゲインコントロール回路と、
前記オートゲインコントロール回路の出力からドロップアウトを検出するドロップアウト検出器とを備え、
前記低域カットフィルタは、前記記録媒体のデータを再生するときには、そのカットオフ周波数を下げ、データを再生しないときには、そのカットオフ周波数を上げる、帯域切り換え手段を有する光ディスク再生装置。 - ドロップアウト検出器は、入力信号を2値化する手段と、前記2値化された信号のパルス間隔に応じた信号を出力する手段とを有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光ディスク再生装置。
- ドロップアウト検出器は、入力信号のエンベロープを検出した信号と所定の基準レベルとを、所望の比較レベルで比較する比較手段を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光ディスク再生装置。
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