JP3793940B2 - 現金処理装置およびその入金処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金融機関等において使用される現金処理装置とその入金処理方法に関し、特に小型の現金処理装置において、入金処理時に多数枚の紙幣を一括して一時保留することができる現金処理装置およびその入金処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術においては、入金紙幣の一時保留部は、各金種別収納庫と一体となった金種別一時保留部に金種別に一時保留する方式(A方式)と、金種別収納庫とは別に、一時保留部用収納庫を設け、金種混合で一括して一時保留する方式(B方式)とがある。すなわち、前者のA方式では、図1に示すように、各金種別スタッカの上にそれぞれ金種別の一時保留部を設けて、入金された紙幣を鑑別すると、搬送路を通って金種別一時保留部にそれぞれ一時保留した後、顧客が確認ボタンを押下することにより、金種別スタッカに収納している。また、後者のB方式(図示省略)では、金種別の一時保留部の代りに、1箇所の金種混合の一時保留部用収納庫を設けて、入金された紙幣を鑑別すると、搬送路を通って一時保留部分収納庫に一時保留した後、顧客が確認ボタンを押下することにより、再度、鑑別部で金種を判別することで、搬送路を通って各金種別スタッカに収納している。
【0003】
金融機関の一線窓口(相談カウンタ等)における現金処理機では、カウンタの設置スペースの問題もあり、小型化が要求されており、一時保留、及び金種別収納庫いずれも、紙幣400枚を超える多数枚入金の一括処理を確保するだけの容量となっていない。すなわち、100枚から200枚では、現金処理機で入金処理を行うことができるが、400枚を一括して入金したい場合には、カウンタから後方の係員に渡して枚数を計数していた。
また、400枚を超える多数枚入金を分割して処理する方法も提案されている。この方法では、金種別一時保留部から金種別スタッカに収納して、一旦、金種別スタッカをフル状態にし、金種別スタッカが空きになるまで紙幣を装填回収カセットに搬送して紙幣を抜き取った後、残りの分を再度、金種別一時保留部に一時保留し、それを空きになった金種別スタッカに収納する。このように、一時保留部と金種別スタッカを何回かに分割して使用するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の金融機関の一線窓口業務での現金処理機では、入金紙幣の一時保留部は、各金種別収納庫と一体となった金種別一時保留部に金種別に一時保留する方式(A方式)、または金種別収納庫とは別に、一時保留部用収納庫を設け、金種混合で一括して一時保留する方式(B方式)があった。そして、一線窓口における現金処理機では、カウンタの設置スペースの問題もあり小型化が要求され、一時保留、および金種別収納庫のいずれも、400枚を超える多数枚入金の一括処理を確保するだけの容量となっていない。
したがって、一線業務において、一時保留部容量を超える多数枚の大口入金の一括処理ができないという問題があった。
また、多数枚の大口入金を分割して入金し、一線業務で処理する方式があるが、取消処理、障害発生時、途中満杯等の運用が複雑となってしまい、処理時間がかかる上に誤処理も生じ易い状況になっていた。
【0005】
そこで、本発明の目的は、これら従来の課題を解決し、多数枚の入金紙幣を一括処理する場合、中断したり、分割することなく処理することができ、一線業務の効率の向上を図ることが可能な現金処理装置およびその入金処理方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、簡便な回金処理を行うことで、資金運用の効率を高めることができる現金処理装置およびその入金処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による現金処理装置の入金処理方法では、装填および回収を行うための装填回収カセットを、装填および回収時以外では紙幣搬送することなく、常時空状態とすることで、多数枚の入金紙幣を処理する場合、一時保留部が満杯時、装填回収カセットを保留部化して、中断することなく、装填回収カセットに入金紙幣を搬送し、多数枚の入金紙幣を一括一時保留することにより、業務の効率向上を図る。
さらに、脱着可能な装填回収カセットを一時保留部化することで、装置に収納する際に、各金種別スタッカが満杯状態であった場合、装填回収カセットごと、装置から抜取ることにより、出納への回金処理を簡便にし、かつ資金運用の効率を高める。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による現金処理装置の入金処理方法では、装填および回収を行うための装填回収カセットを、装填および回収時以外では紙幣搬送することなく、常時空状態とすることで、多数枚の入金紙幣を処理する場合、一時保留部が満杯時、装填回収カセットを保留用に用いることで、中断することなく、装填回収カセットに入金紙幣を搬送し、多数枚の入金紙幣を一括一時保留することにより、業務の効率向上を図る。
さらに、脱着可能な装填回収カセットを一時保留用に用いることで、装置に収納する際に、各金種別スタッカが満杯状態であった場合、装填回収カセットごと、装置から抜取ることにより、出納への回金処理を簡便にし、かつ資金運用の効率を高める。
【0008】
図2は、図1における紙幣処理装置の制御系のブロック図である。
図2において、制御部30は外部インタフェース25を介してセンタ40と接続様れており、紙幣処理装置1の全体を制御する。入出金口部19は図1の入金口部2と出金口部3を含めたもので、顧客と紙幣を授受し現金処理を行うものである。記帳機20は、通帳出入口(図示省略)を介して顧客と通帳の受渡しを行い、通帳に印字処理を行うものである。また、カードリーダ21は、カード出入口(図示省略)を介して顧客とカードの受渡しを行い、カードに登録された口座番号等の読み取りを行うものである。明細票印字機22は、取引の内容を明細票に印字し、明細票出口(図示省略)を介して顧客に発行するものである。タッチキーセンサ23は、表示装置の上面に設けられ、顧客が取引の選択、取引金額の入力等を行うための入力装置である。金種別スタッカ・ニアフル表示部24は、係員が金種別スタッカがニアフル状態になったことを確認する表示部である。主メモリ26は、制御部30が紙幣処理装置1を制御するために必要なデータ、処理後のデータ、および実行すべきプログラム等を格納しておくメモリである。音声出力機27は、顧客に入力を促すためのガイダンスを発声するものである。また、鑑別部17は搬送されてくる紙幣の金種の判別、使用不適切か適切かを判別する。搬送駆動制御部28は、搬送モータ14,紙幣搬送路13,切換えゲート16等を制御する。センサ29は、搬送路13の各所に配置されており、検出結果を制御部30に報告する。電源装置31は、制御部30に電源を供給するものである。
制御部30は、センサ29からの報告や金種別スタッカ・ニアフル表示部24からの報告により、搬送駆動制御部28を制御して、本発明に係る一括一時保留や収納動作を行う。
【0009】
(通常の入金・出金処理)
図1に示した紙幣処理装置において、一時保留部9、10、11の容量未満の紙幣枚数における入金処理および出金処理の動作を説明する。
上位機よりの入金指示で、入金口部2にセットされた紙幣は、一枚づつ繰り出されて、紙幣搬送路13により鑑別部17に搬送され、鑑別部17で鑑別された後、切替えゲート16によりそれぞれ一時保留部9、10、11に搬送される。
鑑別部17により、使用するには不適切と判別されたリジェクト紙幣は、リジェクト部15に搬送され、再度入金計数を行う。
鑑別部17で通過した紙幣を計数することにより、指定された金額に達したならば、上位機の収納指示で、各一時保留部11、10、9の紙幣は、それぞれ千円スタッカ部8、万円スタッカ部6、五千円スタッカ部7に収納される。
返却を選択した場合、一時保留部11、10、9より繰り出され紙幣搬送路13を介して搬送され、切替えゲート16により出金口部3へ放出する。
また、上位機よりの出金指示では、各スタッカ部6、7、8より紙幣を繰り出し、紙幣搬送路13により搬送して鑑別部17で鑑別し、指定枚数を切替えゲート16により出金口3へ搬送する。リジェクト紙幣は、リジェクトボックス5に搬送する。リジェクトされた場合には、その分だけ新たにスタッカ部6,7,8から繰り出すことにより、指定枚数に達した時点で出金口3の紙幣を放出する。
【0010】
(本実施例の一括一時保留動作)
図1に示した紙幣処理装置において、一時保留部9、10、11の容量を超える多数枚の大口入金処理が発生したときの動作について説明する。
上位機の入金指示で、入金口部2にセットされた紙幣は、一枚づつ繰り出され、紙幣搬送路13を介して鑑別部17に搬送され、鑑別部17で鑑別された後、切替えゲート16により各一時保留部9、10、11に搬送される。リジェクト紙幣は、リジェクト部15に搬送される。
各一時保留部9、10、11がフル状態となった該当金種のオーバーフロー紙幣は、切替えゲート16を切替えることにより、装填回収カセット4へ搬送される。これにより、多数枚の大口入金の一括一時保留が可能となり、一線にて大口入金の処理が可能となり、エンドユーザに対する処理時間短縮が図れる。
【0011】
(収納動作)
次に、収納動作について説明する。
図3は、本発明の収納動作の説明図であって、(a)は金種別スタッカがニアフル状態でない場合、(b)は金種別スタッカがニアフル状態である場合の各動作を示す。
各金種別一時保留部9,10,11、および、装填回収カセット4に集積された紙幣の収納指示に対し、収納前に万円スタッカ部6、五千円スタッカ部7、千円スタッカ部8の集積枚数が装填回収カセット4の紙幣を集積できないニアフル状態でないか否かをチェックをする。このチェックは、図2の金種別スタッカ・ニアフル表示部24により各金種別スタッカ毎に画面に表示されるので、これをソフト的に検出することで、制御部30に報告することは容易である。
ニアフル状態でない場合、図3(a)の太線矢印で示すように、各金種別一時保留部9、10、11の紙幣をそれぞれ万円スタッカ部6、五千円スタッカ部7、千円スタッカ部8に収納する。次に、装填回収カセット4に集積された紙幣18を一枚づつ繰り出し、紙幣搬送路13を介して鑑別部17に搬送し、鑑別部17で鑑別した後、切替えゲート16により各一時保留部9、10、11に搬送して、それぞれの万円スタッカ部6、五千円スタッカ部7、千円スタッカ部8に収納する。
この動作を、装填回収カセット4が空きになるまで繰り返す。鑑別部17でリジェクトと判断した紙幣は、リジェクトボックス5に搬送する。
【0012】
ニアフル状態の場合、図3(b)の太線矢印で示すように、各金種別一時保留部9、10、11の紙幣をそれぞれの万円スタッカ部6、五千円スタッカ部7、千円スタッカ部8に一旦、収納する。ニアフル状態では、図3(b)に示すように、スタッカ6,7,8内は満杯ではなく、90%程度の容量となっている。
次に、各金種別スタッカ6,7,8から順次、紙幣を繰り出して、搬送路13を介して装填回収カセット4に回収する。
次に、装填回収カセット4を抜取り待ち状態とし、係員がカセット12を抜取ることにより、装填回収カセット4の紙幣を出納に戻す回金処理を行う。図3(b)は、係員によりカセット12が抜き取られた状態を示している。
この装填回収カセット4の紙幣の回金処理では、係員はカセット12ごと出納に運搬できるので、操作を簡便にすることができる。さらに、現金処理装置1内の紙幣の余剰資金を回金できるため、例えば隣接する現金処理装置の資金として利用することもでき、資金効率を高めることができる。
【0013】
(多数枚入金処理の流れ)
図4は、本発明の一実施例を示す現金処理装置の入金処理方法の動作フローチャートであって、(a)は多数枚入金時の一括保留処理を示し、(b)は金種別スタッカへの収納処理または回金処理を示す。
一括入金の場合、図4(a)に示すように、入金口に紙幣がセットされたか否かを判別し(ステップ101)、セットされたならば、搬送路を介して紙幣を鑑別部に搬送する(ステップ102)。鑑別部で鑑別した後(ステップ103)、リジェクト紙幣であれば、リジェクト部に搬送する(ステップ104,108)。また、リジェクト紙幣でなければ、各一時保留部に搬送する(ステップ105)。次に、各一時保留部がフル状態であるか否かを判別し(ステップ106)、フル状態でなければ、フル状態になるまで各一時保留部に搬送する。また、各一時保留部がフル状態になったならば、該当する一時保留部の残りの紙幣を装填回収カセットに搬送する(ステップ107)。この後、図4(b)に示す収納処理に移ることになる。
【0014】
収納処理の場合には、図4(b)に示すように、収納する前に金種別スタッカがニアフル状態にあるか否かを判別し(ステップ201)、ニアフル状態でない場合には、一時保留部の紙幣を各金種別スタッカに収納し(ステップ211)、次に、装填回収カセットの一時保留している紙幣を搬送路を介して鑑別部に搬送し、鑑別部で金種その他を鑑別することにより、各金種別の一時保留部に搬送し、そこから各金種別スタッカに紙幣を収納する(ステップ212)。
一方、金種別スタッカがニアフル状態である場合には、金種別一時保留部の紙幣を一旦、金種別スタッカに収納した後(ステップ202)、順次、金種別スタッカの紙幣を繰り出して、搬送路を介して装填回収カセットに搬送する(ステップ203)。そして、装填回収カセットを抜取り待ち状態とする(ステップ204)。係員によりカセット12が抜き取られたならば(ステップ205)、回金処理を行う(ステップ206)。回金処理では、前述のように、カセット12ごと出納に運搬することができる。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、装填回収カセットを一時保留用に用いることで、多数枚の入金紙幣を処理する場合にも中断することなく、多数枚の入金紙幣を一括一時保留することができ、金融機関の一線業務の効率向上が図れる。さらに、脱着可能な装填回収カセットを一時保留用に用いることで、装置に収納する際には、各金種別スタッカが満杯状態であった場合、装填回収カセットごと、装置から抜取り出納へ運搬できるので、回金処理を簡便にでき、かつ資金運用の効率も高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す紙幣処理装置の構成図である。
【図2】図1における紙幣処理装置の制御系のブロック図である。
【図3】本発明の一実施例を示す紙幣の収納動作を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施例を示す現金処理装置の入金処理方法の動作フローチャートである。
【符号の説明】
1…紙幣処理装置、2…入金口部、3…出金口部、4…装填回収カセット、
5…リジェクトボックス、6…万円スタッカ部、7…五千円スタッカ部、
8…千円スタッカ部、9…千円一時保留部、10…五千円一時保留部、
11…万円一時保留部、12…カセット部、13…紙幣搬送路、
14…搬送モータ、15…リジェクト部、16…切替えゲート、
17…鑑別部、18…オーバーフロー紙幣、19…入出金口部、
20…記帳機、21…カードリーダ、22…明細書印字機、
23…タッチキーセンサ、24…金種別スタッカ・ニアフル表示部、
25…外部インタフェース、26…主メモリ、27…音声出力機、
28…搬送駆動制御部、29…センサ、30…制御部、31…電源装置、
40…センタ。
Claims (3)
- 入金された紙幣を鑑別・計数する鑑別部と、計数された紙幣を一旦保留する一時保留部と、保留した金種別紙幣を収納する収納庫とを備えた現金処理装置であって、
前記現金処理装置に対して着脱可能な装填回収カセットを備え、
一時保留される紙幣が上記一時保留部の容量を超えた場合に、残りの紙幣を金種混合で前記装填回収カセットに一時保留した後、上記鑑別部で鑑別することにより、一時保留した前記残りの紙幣を各金種別の収納庫に搬送することを特徴とする現金処理装置。 - 請求項1に記載の現金処理装置において、
前記装填回収カセットは、一時保留部満杯時には、一時保留される紙幣のうち前記一時保留部に収納できない紙幣を一時保留し、かつ金種別収納庫満杯時には各金種別収納庫から回収された紙幣を収納することを特徴とする現金処理装置。 - 入金口に紙幣がセットされると、該紙幣を鑑別して一時保留部に搬送するステップと、
該一時保留部がフル状態になったか否かを判別するステップと、
フル状態と判別した場合、一時保留すべき残りの紙幣を装填回収カセットに搬送するステップと、
金種別紙幣収納庫がニアフル状態であるか否かを判別するステップと、
ニアフル状態でない場合、一時保留部から各金種別紙幣収納庫に紙幣を収納した後に、装填回収カセットの紙幣を鑑別してから、各金種別紙幣収納庫にそれぞれ収納するステップと、
ニアフル状態と判別した場合、一時保留部から各金種別紙幣収納庫に紙幣を収納した後、各金種別紙幣収納庫から上記装填回収カセットに回収のために搬送するステップと、
該装填回収カセットを抜取り待ち状態にするステップとを有することを特徴とする現金処理装置の入金処理方法。
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