JP3793930B2 - 筆記具用キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、筆記具のキャップ、特に幼児等が誤って飲み込んだ場合に、気管において気道を確保し得るいわゆる安全キャップの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、幼児等が筆記具のキャップを飲み込み、気管に詰まらせて窒息する事故等が発生したことから、キャップが気管に縦に詰まった場合にも気道を確保し得る筆記具用キャップが開発されてきた。その際、キャップが筆記部先端を密嵌することと、キャップ自体に気道を確保することという二つの要件を同時に充足するために、安全キャップを内キャップと外キャップとの二重構造とし、内キャップによって筆記部先端の密嵌性を保持するとともに、キャップの先端部に空気孔を設けた上、内キャップと外キャップを連結し、その部分に間隙部を設けて、その間隙部によって気道を確保するという構造や、クリップをも含めて一体成形されているキャップの先端部に空気孔を設けた上、クリップのキャップ本体への結合によってクリップ支柱の裏面域と連通しさらにクリップ裏面域とキャップ本体部分に空気孔を設けて気道を確保する構造等が提案された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のものにおいては、その確保される気道が、内キャップと外キャップとの間の中空の間隙部あるいはキャップ本体部分に設けられた空気孔というように一箇所に限定されることから、その安全キャッブが幼児等により飲み込まれる前から、あるいは飲み込まれることにより、何らかの原因によってその気道が閉塞されていた場合には、気道の確保がなされず、安全キャップの用をなさないという欠点があった。
【0004】
又、上記従来のものの内、特に後者のものにおいては、クリップがキャップ本体とともに一体成形されている場合には、クリップがキャップ本体から分離することはないものの、一体成形のためにクリップとキャップ本体とを別異に着色するためには過分のコストを要し、意匠的に優れているクリップとキャップ本体との色分けが困難であった。そして、クリップをキャップ本体と別体として成形した場合には、その色分けは容易になるものの、何らかの原因によってクリップがキャップ本体から分離した場合に、そのクリップ本体部分のみが飲み込まれると、気道が確保できないという欠点があった。
【0005】
更に、キャップ自体の表面に鋭角部分が存在すると、そのキャップが飲み込まれた際に、その鋭角部分が気管の壁面を傷付ける危険性があった。
【0006】
そこで、この発明は上記従来のものの有する欠点を改良するものであり、簡単な構成により、複数の気道を確保して、飲み込まれた場合の安全性をより向上させるとともに、キャップ本体とクリップとを別体にして意匠性を向上させた際にも安全性を維持しうるようにし、又、キャップ表面の鋭角部分を無くして、その鋭角部分による危険性をも除去するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのために、クリップ体支持部に外部に通じる空気導入孔を設けた上、該クリップ体支持部後端側の外側に周回して設けられた係合段部に外キャップの先端縁を係合させることによって、該クリップ体支持部後端縁と内キャップの密嵌部上部との間に距離を確保することにより、内キャップの密嵌部の上部外方とクリップ体との間に中空の間隙を設けるとともに、外キャップと内キャップとをリブにより一体とすることにより、外キャップと内キャップとの間にも空間部を設け、更に、外キャップのクリップ体を挿入するスリットを設けるとともに、クリップ体の支柱部は一定の空気流通路を確保するよう、内キャップとは接触せず、しかも、外キャップに設けられた前記スリット全体を覆うことがないようにすることで、外キャップとクリップ部の裏面との間に外キャップ内より外部に通じる空気流通路が設けられてなり、更には、クリップ体の頭頂部に空気導入孔を設けるとともに、クリップ体の頭部表面を曲面に構成してなるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
上記構成を具えるので、実施にあたり、このキャップの後端側において、外キャップと内キャップとの間に設けられた空間部と、外キャップに設けられたスリットの二箇所に空気流通路が確保されるので、万一、一方の空気流通路が何らかの原因により閉塞することがあっても、安全性を確保することができ、又、キャップ本体とクリップとを別体として形成した場合に、万一、キャップ本体とクリップとが分離することがあっても、キャップ本体もクリップもいずれも空気流通路を確保しうる構造となっており、より一層の安全性を確保することができる。そして、クリップ体の頭部表面を曲面として、キャップ自体の鋭角部分を無くすことにより、その鋭角部分による気管への傷害の危険を回避することができ、キャップ自体の安全性を更に向上させることができる。
【0009】
【実施例】
この発明を図に示す実施例により更に説明する。(1)はこの発明の実施例である筆記具用キャップであり、一体に成形された内キャップ(2)と外キャップ(3)に別体のクリップ体(4)の支持部(16)の係合段部(19)を外キャップ(3)の先端周縁に係合固定させることによって形成され、その内キャップ(2)は筆記具の筆記部(8)に緊密に嵌合する密嵌部(5)とその上部より外方先端側に突出する円筒形状の係合部(6)とからなり、密嵌部(5)は筆記部保持部(7)と係合して筆記部(8)を密嵌し、又、内キャップ(2)外側面には外キャップ(3)内壁を連結して一体とするリブ(9)が設けられ、一方、上記係合部(6)は中空の円筒形状であって、且つ、縦方向にスリット(10)が設けられ、その中空部分及びスリット(10)によって空気流通路が形成される。一方、外キャップ(3)は円筒形状であって、リブ(9)により内キャップ(2)と一体となるため、内キャップ(2)との間に空気を流通させる空間部(12)を有し、又、外キャップ(3)の後端側は内キャップ(2)の後端より突出して、筆記具の外筒(13)の先方部と係合して、キャップ(1)自体を筆記具に固定し、一方、外キャップ(3)の先端縁は内キャップ(2)の密嵌部(5)の上部と係合部(6)との中間位置まで突出し、更に、その先端縁から縦方向に略中間位置までクリップ部(15)の支柱部(17)を挿入する外キャップスリット(14)が設けられる。
【0010】
クリップ体(4)はクリップ部(15)とクリップ部(15)を外キャップ(3)に連結させる支持部(16)並びに支柱部(17)とからなり、支持部(16)の頭頂部には外部に通じる空気導入孔(18)が開口されるとともに、その頭頂部の周縁は曲面に構成されている。そして、内キャップ(2)の係合部(6)がクリップ部(15)の支持部(16)の内側に嵌入されて固定されるとともに、支持部(16)後端側の外側に周回して設けられた係合段部(19)に外キャップ(3)の先端縁が係合することによって、支持部(16)後端縁と内キャップ(2)の密嵌部(5)上部との間に距離が確保されることで、内キャップ(2)の密嵌部(5)の上部外方とクリップ体(4)との間に中空の間隙(22)が設けられ、更に同時にクリップ部(15)の下部に設けられた支柱部(17)を外キャップスリット(14)に挿入の上、係合してクリップ体(4)が外キャップ(3)及び内キャップ(2)と一体に係合される。なお、その際、クリップ体(4)の支柱部(17)は内キャップ(2)とは接触せず一定の空気流通路を確保し、また、外キャップスリット(14)全体を覆うことがなく、クリップ部(15)の裏面との間に外キャップ(3)内より外部に通じる空気流通路が設けられるよう、寸法が調整されている。ここで上記係合部(6)は、クリップ部(15)の支持部(16)と嵌合し、他方、クリップ部(15)の支持部(16)は外キャップ(3)の先端周縁に嵌合固定も可能であり、係合部(6)は常に必要ではなく、また、クリップ体(4)を内外より係合部(6)と支持部(16)の両方で外キャップ(3)に嵌合固定してその脱落を確実に防止することもできる。
【0011】
この発明は以上の構成を具えるので、幼児等が誤ってこのキャップ(1)を一体として飲み込み、気管に詰まらせた場合、クリップ体(4)の支持部(16)の頭頂部に設けられる空気導入孔(18)から、内キャップ(2)の係合部(6)の中空部分及びスリット(10)による空気孔(11)並びに、中空の間隙(22)を通って外キャップ(3)と内キャップ(2)間の空間部(12)を経てキャップ(1)自体の後端側へ至る空気流通路と、クリップ体(4)の支持部(16)の頭頂部に設けられる空気導入孔(18)から、内キャップ(2)の係合部(6)の中空部分及びスリット(10)による空気孔(11)を経て、更に中空の間隙(22)を通って外キャップスリット(14)からクリップ部(15)の裏面へ抜ける空気流通路の2本の空気流通路を確保することができ、万一、何らかの原因によって一方の空気流通路が閉塞してもキャップ(1)の安全性を確保することができる。また、クリップ体(4)は外キャップ(3)及び内キャップ(2)に対して別体となっているので、それぞれ異なる彩色を施すことによって、キャップ(1)自体の意匠性を向上させることができ、又、それらが別体で構成されていることによって、万一、クリップ体(4)と外キャップ(3)及び内キャップ(2)が分離し、個別に気管に詰まるようなことがあっても、クリップ体(4)自体は空気導入孔(18)を有して空気流通路を確保することができ、その上、外キャップ(3)及び内キャップ(2)もその先端側に嵌合されていたクリップ体(4)が喪失しても、前述したものと同じ1本の空気流通路が確保されるため、同様にその安全性を確保することができる。
【0012】
他の実施例として第3図に示すように、内キャップ(2)の密嵌部(5)上部より外方に突出する係合部(6’)を円筒形状の軸芯部(20)と放射状に突出する複数のリブ(21)より構成し、このリブ(21)間に創出された空気孔(11’)によって、クリップ体(4)の空気導入孔(18)から該空気孔(11’)を経て、外キャップ(3)と内キャップ(2)間の空間部(12)へ、また、外キャップスリット(14)へと、空気流通路を確保することができる。
【0013】
【発明の効果】
以上の通り、簡単な構成で複数の空気流通路を確保することができるので、キャップ自体の安全性をより一層向上させることができるとともに、クリップ体と外キャップ及び内キャップとを別体で構成することによって、その安全性を維持したままキャップの意匠性を向上させることができ、更に、キャップの表面において鋭角部分を無くすことによって、より一層の安全性を確保することができるという優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例である筆記具用キャップの一部切欠を有する分解斜視図である。
【図2】 同じく筆記具用キャップの縦断面図である。
【図3】 他の実施例における筆記具用キャップの先端部分の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 筆記具用キャップ
2 内キャップ
3 外キャップ
4 クリップ体
5 密嵌部
6、6’ 係合部
7 筆記部保持部
8 筆記部
9 リブ
10 スリット
11、11’ 空気孔
12 空間部
13 外筒
14 外キャップスリット
15 クリップ部
16 支持部
17 支柱部
18 空気導入孔
19 係合段部
20 軸芯
21 リブ
22 中空の間隙
Claims (2)
- 内キャップと外キャップ並びにクリップ体より構成され、クリップ体支持部に外部に通じる空気導入孔を設けた上、該クリップ体支持部後端側の外側に周回して設けられた係合段部に外キャップの先端縁を係合させることによって、該クリップ体支持部後端縁と内キャップの密嵌部上部との間に距離を確保することにより、内キャップの密嵌部の上部外方とクリップ体との間に中空の間隙を設けるとともに、外キャップと内キャップとをリブにより一体とすることにより、外キャップと内キャップとの間にも空間部を設け、更に、外キャップのクリップ体を挿入するスリットを設けるとともに、クリップ体の支柱部は一定の空気流通路を確保するよう、内キャップとは接触せず、しかも、外キャップに設けられた前記スリット全体を覆うことがないようにすることで、外キャップとクリップ部の裏面との間に外キャップ内より外部に通じる空気流通路が設けられてなる筆記具用キャップ。
- クリップ体支持部の頭頂部に空気導入孔を設けるとともに、クリップ体の頭部表面を曲面に構成してなる請求項1記載の筆記具用キャップ。
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