JP3793862B2 - マウンタの部品供給方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マウンタの部品供給方法、更に詳細には、フィーダにより順次供給される部品を複数の吸着ノズルにより同時吸着して基板上の所定位置に搭載するマウンタの部品供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、IC部品などの複数の異る電子部品を回路基板上に搭載するマウンタ(部品実装装置)においては、搭載すべき各部品は、各部品をそれぞれ収納したフィーダから供給される。そして、各フィーダから供給される部品は、吸着ノズルを備えた吸着ヘッドにより吸着され、X、Y移動機構により基板上の搭載位置に移動され、順次基板上に搭載されている。通常搭載効率を向上させるために、吸着ヘッドには複数の吸着ノズルが設けられ、この複数の吸着ノズルの配置に対応して部品を配置することにより部品が各ノズルに同時吸着され、対応できないノズルはヘッドを移動して他の部品を吸着する順次吸着が行われ、その後基板上に移動される。各フィーダは、基板が搬送される通路の両側に配置されるので、多数の部品を効率よく短時間で基板上に搭載するようにするためには、各部品の搭載点数、搭載位置等を考慮して部品ごとに適切な数のフィーダを装着しなければならない。特に、吸着ノズルが複数個あり、同時吸着が行なわれる場合には、同時吸着する吸着ノズル数及び同時吸着回数をできるだけ多くし、順次吸着回数を少なくしてヘッドの移動時間、移動回数を減らすために、部品を供給するフィーダ数を部品ごとに最適化して部品を供給する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、このような部品供給の最適化は、熟練したオペレータが経験に基づき行なっていたので、搭載部品点数が多くなるとともに、プログラムすることが困難になる、という問題があった。
【0004】
従って、本発明は、このような問題を解消するためになされたもので、フィーダから供給される部品の搭載タクトを向上させ、多数の部品を効率よく短時間に基板上に搭載することが可能なマウンタの部品供給方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決するために、フィーダにより順次供給される部品を複数の吸着ノズルにより同時吸着して基板上の所定位置に搭載するマウンタの部品供給方法において、所定基準に従ってグループ化された部品を搭載点数の多い順にソートし、ソートされた部品を吸着ノズル数に応じた数でペアリングし、ペアリングされた部品の各搭載点数に所定値以上の差がある場合には、搭載点数の多い方の部品を分割して複数のフィーダから供給し同時吸着させる構成を採用した。
【0006】
このような構成では、2個または3個以上の複数の吸着ノズルで同時吸着すべくペアリング(組みをつくりグループ化すること)された部品間で搭載点数に所定値以上の差があり、不揃いになっている場合には、搭載点数の多い方の部品を一つのフィーダから供給するのではなく、分割して複数のフィーダから供給し同時吸着するようにしているので、同時吸着による搭載効率を向上させることができる。
【0007】
特に、ペアリングされた部品の各搭載点数に、グループ化された部品総数の平均値の1/2以上の差がある場合に、分割すると、効率が向上する。
【0008】
分割数は、吸着ノズル数であるのが好ましいが、ラインに複数のマウンタを用いる場合、ライン全体のノズル数と、分割される部品の搭載点数/平均値の内小さい方の数で分割する。このように、ラインに複数のステーションがあり各ステーションにマウンタが設けられる場合には、部品点数の多いものは、複数のステーションに分担させることにより、更に搭載タクトを上げることが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0010】
図1には、本発明方法が用いられる電子部品(以下、単に部品という)を回路基板上に実装するマウンタの構成が概略図示されている。図1に示すように、複数個、例えば3個の吸着ノズル10a〜10cを搭載した吸着ヘッド10が2次元方向に位置決め可能なXYユニット(不図示)上に搭載される。
【0011】
吸着ヘッド10の各吸着ノズル10a〜10cは、基板12の両側に配置される複数のフィーダ20、21から供給される部品を吸着して取りだし、搬送路11に沿って搬送されてくる基板12上に移動して各部品を基板に搭載する。その後、吸着ヘッド10は、次の部品を吸着すべく、所定のフィーダ位置に移動し、吸着ノズルが同様に次の部品を吸着して、基板の所定位置に順次部品を搭載していく。
【0012】
一つのフィーダ20は、図2(A)に拡大して図示したように、同一の部品(抵抗、コンデンサ等)をエンボステープ(例えば8mm幅のテープ)として収納しており、順次吸着位置に供給されるように構成されている。また、各フィーダは、それぞれ着脱可能なようになっており、その位置決め部材により所定位置に着脱自在に取り付けることができるように構成されている。
【0013】
また、マウンタには、異る径の複数の吸着ノズルA〜Rを配置した自動ノズル交換装置30が設けられており、搭載部品が決まると、図2(B)に示したように、吸着ノズルが自動ノズル交換装置30の位置に移動して搭載部品の径に合った吸着ノズルに交換できるように構成されている。
【0014】
通常搭載効率を向上させるために、吸着ヘッドは複数個(この実施形態の場合では3個)設けられ、この複数の吸着ノズルにより部品を可能な限り同時吸着させ、同時に基板上に移動させるようにしている。各フィーダ20は、基板が搬送される通路の両側に配置されるので、多数の部品を効率よく短時間で基板上に搭載するようにするためには、各部品の搭載点数、フィーダ数等を考慮してフィーダを装着しなければならい。
【0015】
このために、本発明では、以下のようにして部品供給を最適に行なうプログラムが作成される。その場合、各フィーダから供給される部品は、吸着ノズル10a〜10cにより同時吸着可能であることを前提にする。
【0016】
まず、図3のステップS1において、搭載される部品種別と外形寸法を調べ、部品種別が同じで、外形寸法もほぼ同じであり、同時吸着が可能である部品をグループ化する。このグループ化により図4(A)に示したように、抵抗群からなるグループ(1)と、(B)に示したようにコンデンサ群からなるグループ(2)が形成される。
【0017】
次に、ステップS2、S3において各グループに対してステップS4以下の処理を行なう。ステップS4では、グループ化された部品を供給するフィーダがトレイあるいはマトリックストレイ交換器(MTC)で行なわれるかが判断される。この種のフィーダである場合は、図2(A)に示したようなフィーダと異り、大型のフィーダであるので、フィーダ数=1とし、部品を分割せず供給する(ステップS5)。
【0018】
一方、部品がトレイでなく、図2(A)に示したようなエンボステープで供給される場合には、ステップS6、S7、S8において搭載点数の多い順にソートし、搭載点数(総数)の平均値を求め、吸着ペアリングを作成する。
【0019】
この状態が図4(C)に図示されており、グループ(1)では、抵抗(1)、抵抗(2)、……抵抗(n)の順で点数が少なくなり、吸着ノズルが3個であることから、多い順に抵抗(1)、(2)、(3)によりペアリング(1)を、また抵抗(4)、(5)、(6)によりペアリング(2)を、抵抗(7)、(8)、(9)によりペアリング(3)をそれぞれ形成し、以下の抵抗に対しても同様にペアリングを形成する。
【0020】
次に、ステップS9において、ペアリング中の最多部品と最少部品の搭載点数差が、所定値、例えば平均値の1/2以上であるかが判断される。この値は平均値の10%〜50%の間のいずれかの値をとってもよい。ある場合には、ペアリングを組んだ部品間に点数のばらつきが大きいので、最多部品を一つのフィーダで供給するよりも複数のフィーダで供給した方が効率が上がることから、何個のフィーダで供給するかをステップS10で計算する。通常、マウンタはラインに一つだけでなく複数配置されるので、ライン全体のノズル数を加味して計算され、ライン全体のノズル数と、分割される部品の搭載点数/平均値(四捨五入)の内、小さい方の数値に対応する分割数とする。
【0021】
例えば、ペアリング(1)では、最多部品の抵抗(1)と最少部品の抵抗(3)間には、平均値/2以上の差があるので、抵抗(1)を何分割かにし複数のフィーダで供給する。その場合、今ラインに配置されるマウンタが1台である場合には、ライン全体のノズル数は3であり、また搭載点数/平均値は4であるので、抵抗(1)を3分割し、3個のフィーダから抵抗(1)を供給する。
【0022】
一方、マウンタが2台配置される場合には、ノズル数は6となるので、搭載点数/平均値は4なので、抵抗(1)を4分割し、4個のフィーダから抵抗(1)を供給する。すなわち、一つのマウンタの吸着ノズルにより3個のフィーダから供給される当該抵抗を同時吸着し、他のマウンタの吸着ノズルにより残りのフィーダから供給される抵抗を吸着させるようにする。これは、抵抗(1)の搭載を1台のマウンタで担当するよりも、2台のマウンタで担当する方が効率が上がるとの認識に基づいている。
【0023】
このように、抵抗(1)は分割して供給されることになったので、次にステップS12において、そのペアリング(1)内の残りの部品について、まだ搭載点数に所定値以上の差があるかをステップS9に戻って調べる。ペアリング(1)では、抵抗(2)と抵抗(3)には、その差がないので、ステップS9の判断で否定されステップS11において、抵抗(2)、(3)に関しては分割供給されることなくそれぞれ1つのフィーダから供給されることになる。この場合、抵抗(2)、(3)は同時吸着され、吸着ノズル10a〜10cのうち一個のノズルが空いているので、点数の少ない抵抗(n)、……等を順次吸着するようにして効率を上げる。
【0024】
このようにして、ステップS12でペアリング(1)に対する処理が終了したので、ステップS13において、次のペアリングがあるかが判断される。まだペアリング(2)、(3)……が存在するので、ステップS9に戻り各ペアリングに対して同様な処理を行なう。
【0025】
ペアリング(2)に関しては、抵抗(4)、(5)に対してステップS9の判断が肯定されるので、ステップS10において分割供給される。例えば、マウンタが1台あるいは2台である場合には、MIN(3、3)、MIN(6、3)であるので、いずれにしても、抵抗(4)、(5)はそれぞれ3分割されて3個のフィーダで供給され1台のマウンタの3個のノズルで同時吸着されて供給される。この場合、抵抗(6)を吸着するとき、2個のノズルがフリーになるので、空いたノズルで点数の少ない部品を順次あるいは同時吸着するようにする。
【0026】
一方、ペアリング(3)及びそれ以降のペアリングに関しては、ステップS9の判断を肯定しないので、分割供給されることはない。
【0027】
このようにして、グループ(1)に対する処理が終了したので、ステップS13の判断が否定され、ステップS3に戻って次のグループ(2)に対して同様な処理が行なわれる。
【0028】
以上説明した実施形態で、部品種別と外形寸法に応じて搭載部品をグループ化したが、これに限定されず、使用される吸着ノズルの径を考慮してグループ化するようにしてもよい。
【0029】
また、吸着ノズル数でペアリングするようにしたが、前のペアリング(n−1)の空きノズル数を考慮してその数を決めるようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、ペアリングされた部品間で搭載点数に所定値以上の差があり、不揃いになっている場合には、搭載点数の多い方の部品を一つのフィーダから供給するのではなく、分割して複数のフィーダから供給し同時吸着するようにしているので、同時吸着による搭載効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるマウンタの構成を示す上面図である。
【図2】吸着ノズル及びフィーダを示した斜視図である。
【図3】部品供給の流れを示すフローチャートである。
【図4】部品をグループ化し、ソート並びにペアリングを行なった状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 吸着ヘッド
10a、10b、10c 吸着ノズル
12 基板
20、21 フィーダ

Claims (6)

  1. フィーダにより順次供給される部品を複数の吸着ノズルにより同時吸着して基板上の所定位置に搭載するマウンタの部品供給方法において、
    所定基準に従ってグループ化された部品を搭載点数の多い順にソートし、
    ソートされた部品を吸着ノズル数に応じた数でペアリングし、
    ペアリングされた部品の各搭載点数に所定値以上の差がある場合には、搭載点数の多い方の部品を分割して複数のフィーダから供給し同時吸着させることを特徴とするマウンタの部品供給方法。
  2. 前記所定基準が部品種別と外形寸法であり、これらのパラメータに従って搭載部品をグループ化することを特徴とする請求項1に記載のマウンタの部品供給方法。
  3. 吸着ノズル数でペアリングすることを特徴とする請求項1または2に記載のマウンタの部品供給方法。
  4. 前記所定値がグループ化された部品総数の平均値に関連して決定されることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のマウンタの部品供給方法。
  5. 前記分割が吸着ノズル数で行われることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のマウンタの部品供給方法。
  6. ラインに複数のマウンタを用いる場合、ライン全体のノズル数と、分割される部品の搭載点数/平均値の内小さい方の数で分割することを特徴とする請求項4または5に記載のマウンタの部品供給方法。
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