JP3792985B2 - ディレクトリサーバおよび周辺装置、その制御方法、並びに記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の装置に分散した各種のサービスを分散オブジェクト技術を用いて組み合わせるネットワークシステムの中で、ネットワークシステムに存在する各種サービスの情報を蓄積管理し、クライアントに登録されているサービスの情報を提供するディレクトリサーバ、および2台以上の装置からなるグループを構成している周辺装置、その制御方法、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、イメージスキャナやデジタルカメラ、ファクシミリ受信装置等の入力装置とプリンタやファクシミリ送信装置等の出力装置などの単機能の装置を互いにネットワークを介して接続し、これら単機能装置の機能(例えば、データ入力機能、データ出力機能、二次記憶装置(network attached storage)に格納されるデータの入出力等の単機能)を組み合わせた復号機能をクライアントに提供する分散型の文書処理システムの開発研究が盛んに行なわれている。
【0003】
また、複数の単機能装置の機能を単一の筐体内に統合したいわゆるマルチファンクションプロダクト(MFP)においても、上記と同様に、その単機能の一つまたは幾つかを選択的に切り出してネットワークを介して更に他の装置の機能と組み合わせることで、種々の復号機能を適宜実現することを可能にした分散型の文書処理システムの開発研究が盛んに行なわれている。
【0004】
このネットワークに分散した情報処理装置間に跨った機能の提供を容易にするためのプログラミングモデルとして、リモートプロシージャコール(RPC)や分散オブジェクトの技術が広く知られている。この分散オブジェクトは、オブジェクト指向のソフトウェアモデルを分散システムに拡張したものであり、あるネットワークノード上のオブジェクトが同一ノード上のオブジェクトの操作を呼び出す手順と同等の手順によって、等価に他のネットワークノード上のオブジェクトの操作の呼び出しを可能とする。
【0005】
文書入力や文書出力を含む文書処理においても、分散オブジェクト技術を適用することで複数の機能の柔軟な連係を達成することが期待されている。純粋な計算などの情報処理の分散処理以外も視野におさめた分散オブジェクトに基づくシステムの提案は、例えばSun(Stanford University Network) によるJava(ジャバ)の応用であるJiniやObject Management Group (OMG:オブジェクト管理グループ)によるCORBA(Common Object Request Broker Architecture & Specification:共通オブジェクト・リクエスト・ブローカ・アーキテクチャ標準仕様書)の一環としての提案等の中に見ることができる。
【0006】
ネットワークに接続された文書処理のための各種装置群が分散オブジェクトにより制御可能となれば、所定のインターフェースに基づくオブジェクトを提供する各種装置を可換に組み合わせる柔軟なクライアントアプリケーションを容易に記述することが可能となる。また、オブジェクトを操作するためのインターフェースを動的に問い合わせることや、あるいは、遠隔地にあり実際にサービスを提供するサーバオブジェクトとの通信を隠蔽するスタブオブジェクト(あるいは代理オブジェクト)を動的にダウンロードすることで、装置の拡張等に伴う制御インターフェースの変更に対応可能なクライアントアプリケーションを容易に記述することもできる。
【0007】
クライアントが実行時に動的に分散されたサービスと結び付き(ダイナミックバインディング)、分散オブジェクトのサービスを利用するシステムにおいては、クライアントが所望のサービスを見つけるために、利用可能なサービスの情報を集めたディレクトリサーバ(ネームサーバ、レジストリサーバ、ルックアップサーバ等)が用いられる。複数のサービスやクライアントが分散したシステムでは、サービスを提供する装置のダウンや、サービスとの間を中継するネットワークの切断などにより、一部のサービスが一時的に利用不能となる場合がある。したがって、ディレクトリサーバに登録されているサービス群の情報をメンテナンスし、利用不能なサービスがクライアントに紹介されないように情報を維持する必要がある。
【0008】
ここで、個々のサービスが正常にシャットダウンされ不活性化する場合は、サービスがあらかじめディレクトリサーバに対して登録の解消を指示することができる。しかし、システムのクラッシュやネットワーク経由の到達性が失われるような場合は、登録されるサービス側が主導してディレクトリサーバの情報を更新することは不可能である。また特に、文書処理装置のような装置においてはユーザによって突然電源が切断される場合に備える必要があるが、このような場合も装置サービス側の申告に基づくディレクトリ情報のメンテナンスはうまく機能しない。
【0009】
また、JavaのJiniのような分散オブジェクトシステムでは、クライアントが各種のサービスの利用権の期限付きの貸与を受ける(リース)モデルを採用している。ルックアップサーバを利用して、自らのサービスの情報を登録するというサービスを一例にとると、このルックアップサーバの利用も期限付きでリースされたものであり、リース期限が過ぎる前に定期的にその継続利用を申請しなければその登録が無効になる。これに対処するため、Jiniのシステムでは、サービスの無申告の消滅に対応して登録情報の維持を実現している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来例では、通常、ネットワークに参加してくる装置は、正常終了すれば格納手段のサービスを削除してシャットダウンする。しかしながら、ネットワーク上のトラフィックやサービスの品質は絶えず変動する。よって、サービスの登録を要求してきたデバイスのサービス情報の全てを登録し、そのまま維持すると、時間の経過によって、あるいは元々から、実際には使用に適しないほどの品質しかないサービスの情報も登録されてしまう。クライアントから問合せに応じて係るサービス情報を返却すると、クライアントは品質の悪いサービスを試用してしまうことになる。
【0015】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、実際にサービスの品質を保証できるサービスをディレクトリサーバの格納手段において更新維持することができるようにすることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、複数の装置においてそれぞれ実行されるサービスの情報を管理するディレクトリサーバにおいて、装置上で実行されるサービスの情報を格納する格納手段と、サービスを実行する装置からの要求に応じて、当該サービスの情報を前記格納手段に対して登録する登録手段と、前記登録手段により登録されている前記サービスを試用するオペレーションを繰り返して実行するサービス試用手段と、
前記サービス試用手段により試用するたびごとに、試用したサービスの品質を検出する品質検出手段と、前記品質検出手段により検出した前記サービスの品質が、予め定めた品質評価基準を満たさない場合には、前記登録手段が登録したサービスの情報を削除する削除手段とを有することを特徴とする。
【0020】
ここで、前記品質検出手段により検出された品質の評価結果を当該サービスの登録属性として前記格納手段に格納される管理テーブルとして記憶し、クライアントからの問い合わせに応じて該評価結果を返答する評価結果通知手段を有することを特徴とすることができる。
【0021】
また、前記品質検出手段により検出されたサービスの品質が特定の規準に満たなければ、当該サービスの登録を前記格納手段に格納される管理テーブルから抹消する登録更新手段を有することを特徴とすることができる。
【0022】
また、前記品質評価基準は、当該サービスに対する任意の操作の呼び出しに要する所要時間にもとづく評価基準であることを特徴とすることができる。
【0023】
また、前記品質評価基準は、当該サービスに対する任意の操作の呼び出しにより生じたエラーの頻度にもとづく評価基準であることを特徴とすることができる。
【0024】
また、前記サービス試用手段はストレージサービスを試用してテストデータの書き込み操作と読み出し操作を組み合わせたアクセステストを行い、前記アクセステストの結果の品質を評価することを特徴とすることができる。
【0025】
また、前記サービス試用手段はサービスの動的な状態の問い合わせ操作を行い、前記品質検出手段は、前記動的な状態の問い合わせ操作の結果の品質を評価することを特徴とすることができる。
【0026】
また、前記サービス試用手段はプリントサービスの動的な状態の問い合わせ操作を行い、前記品質検出手段は前記動的な状態の問い合わせ操作の結果得られた時点で利用可能な色及び用紙等のプリンタ資源の状態を検出し、サービスの品質として評価することを特徴とすることができる。
【0027】
上記目的を達成するため、請求項9の発明は、同等の機能を提供するサービスを提供する2台以上の装置からなるグループに属する周辺装置において、前記グループを構成する他の装置のサービスの各々について試用するためのオペレーションを実行するサービス試用手段と、前記サービス試用手段を介して試用した前記サービスの品質を繰り返して検出する品質検出手段と、前記品質検出手段が検出したサービスの品質が予め定めた規準に満たないと判定されるたびごとに、当該サービスの登録を管理テーブルから削除させることをディレクトリサーバに対して指示するサービス登録代理削除手段とを有することを特徴とする。
【0028】
上記目的を達成するため、請求項10の発明は、同等の機能を提供するサービスを提供する2台以上の装置からなるグループに属する周辺装置において、前記グループを構成する他の装置のサービスを試用するオペレーションを繰り返し実行するサービス試用手段と、前記サービス試用手段を介して利用した前記サービスの品質を繰り返し検出する品質検出手段と、前記検出手段が検出したサービスの品質が特定の規準に満たない場合に、当該サービスに対する処理を自らが提供するサービスに対する処理でもって代替登録することをディレクトリサーバに対して指示する代替サービス登録要求手段とを有することを特徴とする。
【0029】
ここで、前記品質の評価基準は、当該サービスの任意の操作の呼び出しに要する所要時間にもとづく評価基準であることを特徴とすることができる。
【0030】
また、前記品質の評価基準は、当該サービスの任意の操作の呼び出しにより生じたエラーの頻度にもとづく評価基準であることを特徴とすることができる。
【0031】
また、前記サービス試用手段はストレージサービスを試用してテストデータの書き込み操作と読み出し操作を組み合わせたアクセステストを行い、前記品質検出手段は前記アクセステストの結果の品質を検出し、前記品質検出手段が検出した前記アクセステストの結果の品質を評価することを特徴とすることができる。
【0032】
また、前記サービス試用手段はサービスの動的な状態の問い合わせ操作を行い、前記品質検出手段は前記動的な状態の問い合わせ操作の結果の品質を検出し、前記動的な状態の問い合わせ操作の結果の品質を評価することを特徴とすることができる。
【0033】
また、前記サービス試用手段はプリントサービスの動的な状態の問い合わせ操作を行い、前記品質検出手段は前記動的な状態の問い合わせ操作の結果得られた時点で利用可能な色や用紙等のプリンタ資源の状態を検出し、プリンタ資源の状態を検出した時点で利用可能な色や用紙等のプリンタ資源の状態に関して評価することを特徴とすることができる。
【0034】
上記目的を達成するため、請求項16の発明は、複数の装置においてそれぞれ実行されるサービスの情報を管理するディレクトリサーバの制御方法において、サービスを実行する装置からの要求に応じて、当該サービスの情報を格納手段に登録する登録ステップと、前記登録ステップにより登録されている前記サービスを試用するオペレーションを繰り返して実行するサービス試用ステップと、前記サービス試用ステップにより試用するたびごとに、試用したサービスの品質を検出する品質検出ステップと、前記品質検出ステップにより検出した前記サービスの品質が、予め定めた品質評価基準を満たさない場合には、前記登録ステップで登録したサービスの情報を削除する削除ステップとを有することを特徴とする。
【0035】
上記目的を達成するため、請求項24の発明は、同等の機能を提供するサービスを提供する2台以上の装置からなるグループに属する周辺装置の制御方法において、前記グループを構成する他の装置のサービスの各々について試用するためのオペレーションを実行するサービス試用ステップと、前記サービス試用ステップを介して試用した前記サービスの品質を繰り返して検出する品質検出ステップと、前記品質検出ステップが検出したサービスの品質が予め定めた規準に満たないと判定されるたびごとに、当該サービスの登録を管理テーブルから削除させることをディレクトリサーバに対して指示するサービス登録代理削除ステップとを有することを特徴とする。
【0036】
上記目的を達成するため、請求項25の発明は、同等の機能を提供するサービスを提供する2台以上の装置からなるグループに属する周辺装置の制御方法において、前記グループを構成する他の装置のサービスを試用するオペレーションを繰り返し実行するサービス試用ステップと、前記サービス試用ステップを介して利用した前記サービスの品質を繰り返し検出する品質検出ステップと、前記検出ステップが検出したサービスの品質が特定の規準に満たない場合に、当該サービスに対する処理を自らが提供するサービスに対する処理でもって代替登録することをディレクトリサーバに対して指示する代替サービス登録要求ステップとを有することを特徴とする。
【0037】
上記目的を達成するため、請求項31の発明は、複数の装置においてそれぞれ実行されるサービスの情報を管理するディレクトリサーバをコンピュータにより制御するための制御プログラムを記録した記録媒体であって、該制御プログラムはコンピュータに対し、サービスを実行する装置からの要求に応じて、当該サービスの情報を格納手段に登録させ、前記格納手段に登録されている前記サービスを試用するオペレーションを繰り返して実行させ、前記格納手段に登録されている前記サービスを試用するたびごとに、試用したサービスの品質を検出させ、検出した前記サービスの品質が、予め定めた品質評価基準を満たさない場合には、前記登録したサービスの情報を削除させることを特徴とする。
【0038】
上記目的を達成するため、請求項32の発明は、同等の機能を提供するサービスを提供する2台以上の装置からなるグループに属する周辺装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムを記録した記録媒体であって、該制御プログラムはコンピュータに対し、前記グループを構成する他の装置のサービスの各々について試用するためのオペレーションを実行させ、試用した前記サービスの品質を繰り返して検出させ、検出したサービスの品質が予め定めた規準に満たないと判定されるたびごとに、当該サービスの登録を管理テーブルから削除させることをディレクトリサーバに対して指示させことを特徴とする。
【0039】
上記目的を達成するため、請求項33の発明は、同等の機能を提供するサービスを提供する2台以上の装置からなるグループに属する周辺装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムを記録した記録媒体であって、該制御プログラムはコンピュータに対し、前記グループを構成する他の装置のサービスを試用するオペレーションを繰り返し実行させ、前記サービス試用で利用した前記サービスの品質を繰り返し検出させ、前記検出したサービスの品質が特定の規準に満たない場合に、当該サービスに対する処理を自らが提供するサービスに対する処理でもって代替登録することをディレクトリサーバに対して指示させることを特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(共通の構成と機能)
本発明の各実施形態を詳述する前に、各実施形態に共通に用いる本発明に係るシステムおよび装置の構成とその装置等の機能について説明する。
【0041】
図1は本発明の実施形態におけるネットワークシステムを示す。同図に示すように、ネットワーク11には、JavaのJiniやCORBAといったような分散オブジェクト環境に対応している2台の画像入出力装置12−1,12−2と、クライアントコンピュータ13と、ルックアップサーバコンピュータ14とが接続されている。
【0042】
分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12−1と12−2は、それぞれのデータをネットワーク11を介して転送することができる。また、クライアントコンピュータ13から分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12−1と12−2をそれぞれ遠隔操作を行えるようになっている。ルックアップサーバー14には、クライアントコンピュータ13から分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12−1,12−2(以下、総括符号を12とする)を遠隔操作するのに必要なサービスプロクシオブジェクトがその属性情報とともに登録されている。
【0043】
図2は図1の分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12の構成例を示す。同図に示すように、分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12は、リーダ部1、プリンタ部2、および画像入出力制御部3を有する。リーダ部1は原稿の画像を読み取り、原稿画像に応じた画像データを画像入出力制御部3へ出力する。プリンタ部2は画像入出力制御部3からの画像データに応じた画像を記録紙上に記録する。画像入出力制御部3はリーダ部1およびプリンタ部2に接続されており、ファクシミリ部4、ストレージ部5、コンピュータインターフェース部7、RIP(Raster Image Processor:ラスタ・イメージ・プロセッサ)部8、操作部9、コア部10などからなる。
【0044】
ファクシミリ部4は電話回線を介して受信した圧縮画像データを伸張して、伸張された画像データをコア部10へ転送し、また、コア部10から転送された画像データを圧縮して、圧縮された圧縮画像データを電話回線を介して送信する。送受信する画像データは、ストレージ部5に接続されたハードディスク6中に一時的に保存することができる。
【0045】
ストレージ部5にはハードディスク6が接続されており、ストレージ部5はコア部10から転送された画像データを圧縮し、その画像データを検索するためのID(識別)番号とともにハードディスク6に記憶させる。また、ストレージ部5はコア部10を介して転送されたコードデータに基づいてハードディスク6に記憶されている圧縮画像データを検索し、検索された圧縮画像データを読み出して伸張し、伸張された画像データをコア部10へ転送する。
【0046】
コンピュータインターフェース部7は、ネットワーク11とコア部10の間のインターフェースであり、クライアントコンピュータ13や他の分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12とのデータのやり取りを行う。
【0047】
RIP部8はネットワーク11から転送された画像を表すコードデータ(PDL:図形記述言語)をプリンタ部2で記録できる画像データに展開する。
【0048】
操作部9はタッチパネルディスプレイとハードキー(図示しない)とを備え、ユーザーインターフェースにより本分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12への動作指示や動作設定等を行う。
【0049】
コア部10の詳細については後述するが、コア部10はリーダ部1、プリンタ部2、ファクシミリ部4、ストレージ部5、コンピュータインターフェース部7、RIP部8、操作部9のそれぞれの間のデータの流れを制御する。
【0050】
図3は図2のリーダ部1及びプリンタ部2の断面構成を示す。リーダ部1の原稿給送装置101は原稿を先頭順に1枚ずつプラテンガラス102上へ給送し、原稿の読み取り動作終了後、プラテンガラス102上の原稿を排出するものである。原稿がプラテンガラス102上に搬送されると、ランプ103を点灯し、スキャナユニット104の移動を開始させて、原稿を露光走査する。この時の原稿からの反射光は、ミラー105,106,107、及びレンズ108によってCCD(電荷結合素子)イメージセンサ(以下、CCDという)109へ導かれる。このように、走査された原稿の画像はCCD109によって読み取られる。CCD109から出力される画像データは、所定の処理が施された後、画像入出力制御部3のコア部10へ転送される。
【0051】
プリンタ部2のレーザドライバ221はレーザ発光部201を駆動するものであり、画像入出力制御部3のコア部10から出力された画像データに応じたレーザ光をレーザ発光部201に発光させる。このレーザ光は感光ドラム202に照射され、感光ドラム202にはレーザ光に応じた潜像が形成される。この感光ドラム202の潜像の部分には現像器203によって現像剤が付着される。そして、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで、カセット204及びカセット205のいずれかから記録紙を給紙して転写部206へ搬送し、感光ドラム202に付着された現像剤を記録紙に転写する。
【0052】
現像剤の乗った記録紙は定着部207に搬送され、定着部207の熱と圧力により現像剤は記録紙に定着される。定着部207を通過した記録紙は排出ローラ208によってフィニッシャー220へ排出され、フィニッシャー220は排出された記録紙を束ねて記録紙を仕分けをしたり、仕分けされた記録紙のステイプルを行う。
【0053】
また、両面記録が設定されている場合は、排出ローラ208のところまで記録紙を一旦搬送した後、排出ローラ208の回転方向を逆転させ、フラッパ209によって再給紙搬送路210へと導く。再給紙搬送路210へ導かれた記録紙は上述したタイミングで転写部206へ再び給紙される。
【0054】
図4は図2のコア部10の構成例を示す。本図に示すように、コア部10は、インターフェース(I/F)120、データ処理部121、インターフェース122、CPU(中央演算処理ユニット)130、およびメモリ124などからなる。リーダ部1からの画像データはインターフェース122を介して、データ処理部121へ転送される。データ処理部121は画像の回転処理や変倍処理などの画像処理や画像データの圧縮、伸張を行うものであり、内部にA4/レターサイズ相当の画像データ複数ページ分のページメモリ(図示しない)を有する。リーダ部1からデータ処理部121へ転送された画像データは、そのページメモリに一時的に記憶された後、圧縮されてインターフェース120を介してストレージ部5へ転送される。
【0055】
また、コンピュータインターフェース部7を介して入力された画像を表すコードデータ(PDL)は、インターフェース120を介してデータ処理部121に転送された後、RIP部8へ転送されて画像データに展開され、展開されたこの画像データはデータ処理部121に転送された後、上記のページメモリ(図示しない)に一時的に記憶された後、圧縮されてインターフェース120を介してストレージ部5へ転送される。
【0056】
ファクシミリ部4からの画像データは、データ処理部121へ転送された後、上記のページメモリ(図示しない)に一時的に記憶された後、圧縮されてインターフェース120を介してストレージ部5へ転送される。
【0057】
また、ストレージ部5からの画像データは、データ処理部121へ転送された後、伸張されて上記ページメモリ(図示しない)に一時的に記憶された後、インターフェース120を介してプリンタ部2やファクシミリ部4、コンピュータインターフェース部7へ転送される。
【0058】
さらに、ストレージ部5はコンピュータインターフェース部7を介して、画像データおよび非画像データの入出力を行い、外部装置に対してデータの格納機能を提供することができる。
【0059】
尚、前述したデータ処理部121へ各種画像データを入力し、内部のページメモリ(図示しない)に一時的に記憶した後で、ストレージ部5へその画像データを転送する前において、その画像データをプリンタ部2やファクシミリ部4、コンピュータインターフェース部7へ転送することも、内部のセレクタ(図示しない)を切り替えることで可能である。
【0060】
CPU123はメモリ124に記憶されている制御プログラム、及び操作部9から転送された制御コマンドに従って、上述のような各種動作の制御を行う。また、メモリ124はCPU123の作業領域としても使われる。
【0061】
このように、分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12は、コア部10を中心にして、コア部10のデータ処理部121およびストレージ部5を介して、原稿画像の読み取り、画像のプリント、画像の送受信、画像の保存、コンピュータ(図1の13、14)からのデータの入出力などの機能を復号させた処理を行うことが可能である。
【0062】
次に、本実施形態に係る分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12におけるジョブ制御について、図5を参照して説明する。図5はジョブ制御の単位を論理的に示したものである。ジョブ制御の単位は、複数ページを含む画像データひとまとまりに対する入力および出力処理である。これにより制御されるジョブは画像入力ジョブと画像出力ジョブに大別される。
【0063】
画像入力ジョブは、リーダー部1で読み取った画像データを順次ストレージ部5へ記録する画像入力ジョブ411、RIP部8で展開された画像データを順次ストレージ部5へ記録する画像入力ジョブ412、ファクシミリ部4で受信された画像データを順次ストレージ部5へ記録する画像入力ジョブ413、およびコンピュータインターフェース部7から入力された画像データを順次ストレージ部5へ記録する画像入力ジョブ414とにさらに分類される。
【0064】
さらに、本実施形態に係る分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12は、そのストレージ部5を非画像データの蓄積のために利用する機能を提供し、画像入力ジョブ411ならびに画像入力ジョブ414は非画像データを扱うこともできる。
【0065】
また、画像出力ジョブは、ストレージ部5から読み出した画像データを順次プリンタ部2へ出力する画像出力ジョブ401、ストレージ部5から読み出した画像データを順次ファクシミリ部4へ出力する画像出力ジョブ403、およびストレージ部5から読み出した画像データを順次コンピュータインターフェース部7へ出力する画像出力ジョブ404とに分類される。
【0066】
図6は、上記複数のジョブを組み合わせた単位(以下、セッションと呼ぶ)の一例を示す。501はコピーセッションであり、画像入力ジョブ411と画像出力ジョブ401を組み合わせてセッションとして制御するものである。502はPDLプリントセッションであり、画像入力ジョブ412と画像出力ジョブ401を組み合わせてセッションとして制御するものである。503はファクシミリ受信セッションであり、画像入力ジョブ413と画像出力ジョブ401を組み合わせてセッションとして制御するものである。504はプリンタセッションであり、画像入力ジョブ414と画像出力ジョブ401を組み合わせてセッションとして制御するものである。505はファクシミリ送信セッションであり、画像入力ジョブ411と画像出力ジョブ403を組み合わせてセッションとして制御するものである。506はスキャンセッションであり、画像入力ジョブ411と画像出力ジョブ404を組み合わせてセッションとして制御するものである。507はFAXモデム受信セッションであり、画像入力ジョブ413と画像出力ジョブ404を組み合わせてセッションとして制御するものである。508はFAXモデム送信セッションであり、画像入力ジョブ414と画像出力ジョブ403を組み合わせてセッションとして制御するものである。
【0067】
尚、セッションは1つ以上のジョブを含む制御単位であり、例えば画像入力ジョブ412を1セッションとして扱ったり、また、画像出力ジョブ401を1セッションとして扱ったり、画像入力ジョブ412と画像出力ジョブ401と、画像出力ジョブ403を組み合わせて1セッションとして扱っても良い。
【0068】
図7は図1のクライアントコンピュータ13に用いられるホストコンピュータのシステム構成例を示す。クライアントコンピュータ13は稼働するソフトウェアのアルゴリズムによって特徴づけられるが、そのソフトウェアの振る舞いは後述する。
【0069】
図7において、2400はホストコンピュータで、ROM2403に含まれるプログラム用ROMに記憶された文書処理プログラム等に基づいて図形、イメージ、文字、表(表計算等を含む)等が混在した文書処理を実行するCPU2401を備え、システムバス2413に接続される各デバイスをCPU2401が総括的に制御する。ROM2403に含まれるプログラム用ROMには、CPU2401の制御プログラム等を記憶する。2402はRAMで、CPU2401の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0070】
2405はキーボードコントローラ(KBC)で、キーボード2409やポインティングデバイス(図示しない)からのキー入力を制御する。2406はCRTコントローラ(CRTC)で、CRTディスプレイ(CRT)2410の表示を制御する。
【0071】
2407はディスクコントローラ(DKC)で、ブートプログラム,種々のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル等を記憶するハードディスク(HD)、フロッピーディスク(FD)等の外部記憶装置2411とのアクセスを制御する。2408はネットワークインターフェース(I/F)でネットワーク11を介して他のホストコンピュータや各入出力装置との通信制御処理を実行する。
【0072】
CPU2401は、例えばRAM2402上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、CRT2410上でのWYSIWYG(見たままのものが得られる、即ちディスプレイ上で最終出力形態がその都度確認できること、仕上り希望通りにディスプレイに表示したり、表示通りに出力装置で出力できること)を可能としている。また、CPU2401は、CRT2410上のマウスカーソル等(図示しない)で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。
【0073】
図8はルックアップサーバコンピュータ14に上記と同様に用いられるホストコンピュータのシステム構成例を示す。ルックアップサーバコンピュータ14はハードウェア的にはよく知られた汎用コンピュータの構成であればよく、それを特長づける機能は稼働するソフトウェアのアルゴリズムによって果たされる。例えばこのソフトウェアを分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12のハードウェア上で稼働させることも可能であり、その場合は分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12がルックアップサーバ14を兼ねることになる。ソフトウェアの振る舞いは後述する。
【0074】
図8において、2500はホストコンピュータで、ROM2503に含まれるプログラム用ROMに記憶されたプログラム等に基づいて処理を実行するCPU2501を備え、システムバス2513に接続される各デバイスをCPU2501が総括的に制御する。2502はRAMで、CPU2501の主メモリ,ワークエリア等として機能する。2505はキーボードコントローラ(KBC)で、キーボード2509やポインティングデバイス(図示しない)からのキー入力を制御する。2506はCRTコントローラ(CRTC)で、CRTディスプレイ(CRT)2510の表示を制御する。2507はディスクコントローラ(DKC)で、ブートプログラム,種々のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル等を記憶するハードディスク(HD)、フロッピーディスク(FD)等の外部記憶装置2511とのアクセスを制御する。2508はネットワークインターフェースでネットワーク11を介して他のホストコンピュータや各入出力装置との通信制御処理を実行する。CPU2501は、RAM2502上でプログラムの実行を行う。
【0075】
以下では、本実施形態に係る分散オブジェクトシステムについて概説する。なお、本実施形態においては、上述したJaveのJiniという枠組みに類似した分散オブジェクトシステムを採用して説明を行う。
【0076】
図4のコア部10内のメモリ124には、図6で説明した各セッションによって実現される装置機能をサービスとして利用するための、ソフトウェア単位であるサービスオブジェクトが複数格納されている。このサービスオブジェクトは、PDLプリント、画像プリント、画像スキャン、ファクス送信、ファクス受信、データ蓄積、装置管理、ジョブ管理、等の分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12が提供するサービスのそれぞれに対応して構成されている。
【0077】
サービスオブジェクトは、公知のオブジェクト指向技術におけるオブジェクトと呼ばれるソフトウェア構造の一種であり、クライアントに機能を提供するインターフェースと、そのインターフェースを通じて要求された機能を装置制御によって実現するための実装とを持つ。特に、本実施形態に係るサービスオブジェクトは、公知の分散オブジェクト技術におけるオブジェクトの一種であり、装置のローカルなメモリ空間に配置されたクライアントソフトウェアのみならず、ネットワーク11を介して遠隔にある外部装置(例えば、クライアントコンピュータ13)のメモリ空間に配置されたクライアントソフトウェアからも、上記のインターフェースを呼び出してサービスを利用できるように構築されている。
【0078】
次に、本発明の各実施形態について詳述する。
【0079】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1〜第3の実施形態に係る、クライアントにサービスを提供するサービスオブジェクトの概略構成を説明する。図9はサービスオブジェクトの1つであるデータ蓄積サービスオブジェクトの構成を概念的に示す。
【0080】
図9の(A)では、クライアントソフトウェア702が装置内部のメモリ124の空間からインターフェース705を利用する、一般的なオブジェクト指向システムの様子を示している。
【0081】
データ蓄積サービスオブジェクト703は、装置内部のストレージ部5を、クライアントが2次記憶装置として利用するためのインターフェース705を提供する。インターフェース705には、ストレージ部5に記憶されるファイルを生成したり、生成済のファイルにアクセスするための記述子を取得するためのopen(オープン)、ファイルへのアクセスの完了を宣言するclose(クローズ)、ファイルからデータを読み出すread(リード)、ファイルへデータを書き込むwrite(ライト)、ファイルを消去するunlink(アンリンク)等、公知の一般的なファイルシステムが提供する操作(操作1、操作2、操作3、操作4…)の集合によって定義されるインターフェースを持つ。
【0082】
インターフェース705によって定義されたそれぞれの操作が呼び出されると、インターフェース705に対応する実装を提供する装置制御ソフトウェア704が活性化される。この結果、CPU123はストレージ部5を制御して、それぞれの操作に対応する所定の機能を実現する。
【0083】
以上はクライアントソフトウェアが装置内部のメモリ124の空間からインターフェースを利用する、一般的なオブジェクト指向システムの振る舞いを示している。更に、図9の(B)に示すように、分散オブジェクトシステムである本実施形態に係るサービスオブジェクトは、遠隔地にある他の装置(例えば、クライアントコンピュータ13)のメモリ空間に配置されるサービス代理オブジェクト713と、装置内部のメモリ空間に配置されるサービス実装オブジェクト723とが分散連携して、遠隔地の装置のメモリ空間にあるクライアントソフトウェアにサービスのインターフェースを提供する。
【0084】
データ蓄積サービス代理オブジェクト713は、装置内部のストレージ部5を、クライアントが2次記憶装置として利用するためのインターフェース715を提供する。インターフェース715には、ストレージ部5に記憶されるファイルを生成したり、生成済のファイルにアクセスするための記述子を取得するopen(オープン)、ファイルへのアクセスの完了を宣言するclose(クローズ) 、ファイルからデータを読み出すread(リード)、ファイルへデータを書き込むwrite(ライト) 、ファイルを消去するunlink(アンリンク)等、上述したものと同じインターフェースを持つ。
【0085】
遠隔地の装置のメモリ空間において、クライアントからインターフェース715によって定義されたそれぞれの操作が呼び出されると、その操作呼び出し要求をネットワーク11経由で装置に転送するためのソフトウェアが活性化される。遠隔装置のCPU(例えば、2401)はこのソフトウェアにしたがって、要求された操作を識別する識別子の値や、呼び出しに引数として渡されたデータ構造を、ネットワーク11経由で送信可能なバイト列に符号化する。この符号化処理はマーシャリングあるいはシリアライズ(直列化)等と呼ばれ、いくつかの技術が知られている。
【0086】
遠隔装置のCPUは、次に、符号化したバイト列をネットワーク11経由で装置12に送信する。この通信のためには、例えばOMG(Object-Oriented Management Group:オブジェクト管理グループ)のIIOPやSun(Stanford University Network:スタンフォード大学ネットワーク)のRMI等のプロトコルが用いられる。
【0087】
装置12のローカルなメモリ空間において、一般にオブジェクト要求ブローカ722と呼ばれるソフトウェアが、ネットワーク11からの要求データの受信を常時監視している。そして、オブジェクト要求ブローカ722は、ネットワーク11からの要求データのバイト列を受信すると、そのバイト列を復号化して、もとのオブジェクトの操作の呼び出しと、それに引数として渡されるデータ構造を復元し、サービス実装オブジェクト723の対応する操作を呼び出す。この結果、インターフェース725に対応する実装を提供する制御ソフトウェアが活性化される。この結果、CPU123はストレージ部5を制御して、それぞれの操作に対応する所定の機能を実現する。
【0088】
以上の説明において、クライアントソフトウェア712は、装置12のサービスを実際に実現するサービス実装オブジェクト723がネットワーク11を介した他のメモリ空間に存在することを意識してプログラミングする必要はない。すなわち、操作呼び出しを符号化する処理やネットワーク経由の通信処理等は、サービス代理オブジェクト713が内部に隠蔽しているため、クライアントソフトウェア712は自らと同じメモリ空間にサービスオブジェクトが実装されている場合と同等に、容易にサービスを利用することができる。このように、クライアントソフトウェア712のプログラマに対しネットワークの等価性を提供することは、分散オブジェクト環境の重要な利点の一つである。
【0089】
また、以上の説明におけるサービス代理オブジェクト713が行う、符号化と通信の処理は、あらかじめ定められた符号化アルゴリズムとあらかじめ定められた通信プロトコルに基づく処理である。すなわち、これらの処理は、個々のサービスオブジェクトでそれぞれ異なるインターフェースとは独立に厳密に定義可能である。そこで、分散オブジェクト環境において提供されるコンパイラ(一般に、IDLコンパイラと呼ばれる)が、サービスのインターフェースを厳格に定義した記述をデータとして読み込み、解釈および変換処理を行うことで、機械的にサービス代理オブジェクト713のプログラムを生成できる。システムを構築するプログラマが、IDL(Integrated Data Oriented Language)コンパイラをツールとして用いて容易にサービス代理オブジェクト713のプログラムを得られることは、分散オブジェクト環境の重要な利点のもう一つである。
【0090】
次に、クライアントコンピュータ13、ルックアップサーバ14、および分散オブジェクト対応画像入出力装置12が連携したシステムの動作について、ルックアップサーバ14の作用を中心に説明する。
【0091】
図10に、周辺機器の分散オブジェクト対応画像入出力装置12からサービス代理オブジェクトをルックアップサーバ14へアップロードするまでの過程を示す。まず、分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12は、ネットワーク11に接続された瞬間に、ネットワーク11上に対してルックアップサーバ14が存在するか否かの問合せのブロードキャストパケットを投げる(ステップS01)。
【0092】
そのブロードキャストパケットを受け取ったルックアップサーバ14は、分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12に対して、ルックアップサーバ14の存在を通知する(ステップS02)。
【0093】
その後、分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12は発見したルックアップサーバ14に対してドライバ617を登録する。即ち、ネットワーク11に接続された分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12−1と12−2はサービス代理オブジェクト群617−1,617−2をそれぞれルックアップサーバ14に登録する(ステップS03)。
【0094】
ルックアップサーバ14内では、登録されたサービス代理オブジェクトが、図12に示すように、登録された日時、サービスの名称(周辺機器名)、サービスの仕様(サービス内容)、サービスの所在地等の属性とともに管理されている。登録される属性の種類は、プリンタ、ストレージといったサービスのカテゴリごとに、jiniコミュニティによる標準スキーマが定められている。また、サービスに固有の独自情報をその属性としてルックアップサーバ14に登録することもできる。ルックアップサーバ14はクライアントソフトウェアからの問い合わせに応じて、登録されているサービスの各属性を応答するように構成されている。
【0095】
図11に、ルックアップサーバ14からクライアントコンピュータ13へサービス代理オブジェクトをダウンロードするまでの過程を示す。クライアントコンピュータ13が分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12を利用する場合、クライアントコンピュータ13は、まずルックアップサーバ14に対して、どのようなサービスに対応しているサービス代理オブジェクトが存在しているかどうかを検索する(ステップS1)。そして、クライアントコンピュータ13は所望のサービス代理オブジェクトをルックアップサーバ14からダウンロードし(ステップS2)、目的のサービスを提供する分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12と通信を行う(ステップS3)。
【0096】
クライアントコンピュータ13は「プリントサービスを受けたい」、「スキャンサービスを受けたい」という要求がある場合には、まず、図12に示すようなルックアップサーバ14の管理テーブル1801を見て、どのようなサービスが登録されているのかを確認し、所望のサービスをルックアップサーバ14からダウンロードする。
【0097】
本実施形態に係る分散オブジェクトシステムにおいて、サービスはその利用権を一定期間クライアントに貸与(リース)するモデルが採用されている。すなわち、分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12は、ルックアップサーバ14のサービスを利用して自らの存在をルックアップサーバ14に登録するが、この登録にも有効期限が設定される。登録がいったん行われた後にも定期的に登録を繰り返さなければやがては失効し、この失効の仕組みがルックアップサーバ14のクライアントである各種サーバがシステムダウン等によってその機能を失った際に、いつまでも無効な情報がルックアップサービスに登録され続けるという不都合を解消するのに寄与している。
【0098】
図13のフローチャートは、本発明の第1の実施形態における、ルックアップサーバ14のCPU2501が実行するサービス評価処理の手順を示す。CPU2501はタイマ(図示しない)の計時に基づくタイマ処理によって、定期的にこのサービス評価処理の手順を繰り返し、登録情報の評価を行う。
【0099】
説明を簡単にするため、本実施形態のルックアップサーバ14はクライアントに一時的な二次記憶の機能を提供するストレージサービスの情報を専門に登録するルックアップサーバとしている。本フローチャートのプロセスは、ルックアップサーバ14のCPU2501の時分割処理によって、上述のルックアップサーバの作用を果たす他の処理と並行に実行される。本フローチャートのプロセスは、ルックアップサーバ14内部で、一種の擬似的なクライアントとして、ルックアップサーバ14自身および登録されているサービスを利用するものである。
【0100】
サービス評価処理を開始すると、ステップS11で、図12のように管理テーブル1801に登録されているサービスのリストから一つのサービスを選択する。
【0101】
次のステップS12で、もしもサービスが管理テーブル1801に一つも登録されていないと判断した場合、もしくは、登録されているすべてのサービスの評価を終えている場合には、本サービス評価処理を終了する。そうでなければ、ステップS13で、上記選択した登録サービスのサービス代理オブジェクトを取得する。サービス代理オブジェクトのダウンロードは図11で説明した通常のクライアントが行う処理と同様に行われる。
【0102】
次いで、ステップS14で、タイマ(図示しない)から現在時刻を取得して以下の一連の処理の所用時間計測を開始する。次に、ステップS15で、通常のクライアントが行うのと同様に図9のサービス代理オブジェクト713のインターフェース715からopen(オープン)操作を呼び出してファイルをオープンする。そして、ステップS16で、サービス代理オブジェクト713のwrite(ライト) 操作を呼び出してあらかじめ用意したテストデータをファイルに書き込む。次のステップS17で、サービス代理オブジェクト713のread(リード)操作を呼び出して、前のステップS16でファイルに書き込んだはずのデータを読み出す。さらに、ステップS18で、サービス代理オブジェクト713のclose (クローズ)操作を呼び出してファイルをクローズする。
【0103】
続いて、ステップS19で、上記タイマ(図示しない)から現在時刻を取得し、ステップS14で取得した時刻と現在時刻との差分から一連の処理に要した所要時間を得る。ステップS20で、前ステップS19で得た所要時間(以下、応答時間と称する)を当該サービスの登録属性の一つとして、図12の管理テーブル1801に追記する。
【0104】
さらに、ステップS11に戻り、以上の処理をすべての登録サービスの各々に関して繰り返す。
【0105】
サービス評価処理の過程で属性情報として管理テーブル1801に追記した評価結果としての応答時間は、管理テーブル1801の他の属性と同様に、クライアントからの問い合わせに応じて返答することができる。
【0106】
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、ルックアップサーバ14が自らが保持している登録サービスのそれぞれについて、実際にクライアントとしてそのサービスを試用し、その応答時間の情報をクライアントに伝えることが可能である。その結果、クライアントはその応答時間の情報からそのサービスの性能やそのサービスに至るネットワーク11の性能を推測することが可能であり、ルックアップサーバ14による客観的な評価結果に基づく最適なサービスを選択できる。
【0107】
最近の応答時間だけでなく、過去数回の履歴もしくは平均、最良値と最悪値等を組み合わせて、属性として管理テーブル1801に追記してもよい。また、応答時間の情報を適宜正規化して、例えば、サービスの性能としてA,B,Cのような何段階かにランクづけた指標をクライアントに伝えるように構成してもよい。
【0108】
本発明の第1の実施形態におけるルックアップサーバ14は、図13のサービス評価処理によるサービスの試用と評価ならびに評価結果をクライアントに応答する処理に加えて、評価結果に基づく登録情報の更新処理を行う。
【0109】
図14のフローチャートは、本発明の第1の実施形態における、ルックアップサーバ14のCPU2501が実行するサービス登録更新処理の手順を示す。CPU2501はタイマ(図示しない)の計時に基づくタイマ処理によって、定期的にこのサービス登録更新処理の手順を繰り返し、登録情報の更新を行う。本フローチャートのプロセスは、ルックアップサーバ14のCPU2501の時分割処理によって、上述のルックアップサーバの作用を果たす他の処理と並行に実行される。
【0110】
サービス登録更新処理を開始すると、ステップS21で、図12のように管理テーブル1801に登録されているサービスのリストから一つのサービスを選択する。
【0111】
次のステップS22で、もしも管理テーブル1801にサービスが一つも登録されていないと判断した場合、もしくは、登録されているすべてのサービスの更新を終えている場合には本サービス登録更新処理を終了する。そうでなければ、ステップS23で、管理テーブル1801から当該サービスの登録時刻属性(最新のリースを行った時刻)を読み出す。次のステップS24で、現在時刻と登録時刻の差分がリース期間を越えていないか否かをを判定し、もしもリース期間内であればステップS25に進む。もしも、この登録がリース期間を過ぎていれば、ステップS27に移行する。
【0112】
ステップS25では、管理テーブル1801から、最近のサービス評価処理で試用評価した本サービスの応答時間属性を読み出す。ステップS26で、取得した応答時間の評価とあらかじめ定められた基準との比較を行い、もしも基準以上の性能を示していればステップS21に戻り、一連の処理をすべての登録サービスを対象に繰り返す。もしも基準以上の性能を示していなければ、ステップS27に移行する。
ステップS27では、管理テーブル1801から当該サービスの登録を抹消し、その後ステップS21に戻り、一連の処理をすべての登録サービスを対象に繰り返す。
【0113】
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、ルックアップサーバ14が自らが保持している登録サービスのそれぞれについて、実際にクライアントとしてそのサービスを試用し、その応答時間の情報に基づく評価が一定の基準を満たさない場合には、強制的に当該サービスの登録を抹消する。すなわち、ルックアップサーバ14は登録されているサービスの性能的な品質を保証するよう努力することができる。その結果、クライアントはルックアップサーバ14に登録されているサービス群は、他のこの処理を行わないルックアップサーバに登録されているサービス群と比較して、平均的に品質が高いであろうことを期待して、適切なサービスの選択を行うことができる。
【0114】
(第2の実施形態)
図15のフローチャートは、本発明の第2の実施形態における、ルックアップサーバ14のCPU2501が実行するサービス評価処理の手順を示す。CPU2501はタイマ(図示しない)に基づくタイマ処理によって、定期的にこのサービス評価処理の手順を繰り返し、登録情報の更新を行う。
【0115】
説明を簡単にするため、本実施形態のルックアップサーバはクライアントに一時的な二次記憶の機能を提供するストレージサービスの情報を専門に登録するルックアップサーバとしている。本フローチャートのプロセスはルックアップサーバ14のCPU2501の時分割処理によって、上述のルックアップサーバ14の作用を果たす他の処理と並行に実行される。本フローチャートのプロセスはルックアップサーバ14内部で、一種の擬似的なクライアントとしてルックアップサーバ14自身、および登録されているサービスを利用するものである。
【0116】
サービス評価処理を開始すると、ステップS31で、図12のように管理テーブル1801に登録されているサービスのリストから一つのサービスを選択する。次のステップS32で、もしも管理テーブル1801にサービスが一つも登録されていないと判断した場合、もしくは、登録されているすべてのサービスの評価を終えている場合には処理を終了する。そうでなければ、次のステップS33で、上記選択した登録サービスのサービス代理オブジェクト713を取得する。サービス代理オブジェクト713のダウンロードは前述の通常のクライアントが行う処理と同様に行われる。
【0117】
次のステップS34で、通常のクライアントが行うのと同様にサービス代理オブジェクト713のインターフェース715からopen(オープン)操作を呼び出してファイルをオープンする。続いて、ステップS35で、サービス代理オブジェクト713のwrite(ライト) 操作を呼び出してあらかじめ用意したテストデータをファイルに書き込む。そして、ステップS36で、サービス代理オブジェクト713のread(リード)操作を呼び出して前ステップS36でファイルに書き込んだはずのデータを読み出す。ステップS37で、サービス代理オブジェクト713のclose(クローズ) 操作を呼び出してファイルをクローズする。
【0118】
次のステップS38で、上記ステップS35で書き込んだデータと上記ステップS36で読み出したデータの間の比較を行い、もしも両データ間に差異が認められれば、エラーが発生したとして、内部カウンタ(図示しない)の異常度合を表わすカウント(以下、異常カウントと称する)をインクリメントする。また、上記の各ステップで呼び出した操作の結果がビジー等の非正常値を示していた場合にも、その回数を上記異常カウントに加算する。もしも、すべてが正常に完了した場合は内部カウンタ(図示しない)の正常度合を表わすカウント(以下、正常カウントと称する)をインクリメントする。
【0119】
次に、ステップS31に戻り、以上の処理をすべての登録サービスの各々に関して繰り返す。
【0120】
サービス評価処理の過程で属性情報として管理テーブル1801に追記した評価結果としての上記異常カウントおよび上記正常カウントの値は、管理テーブル1801の他の属性と同様に、クライアントからの問い合わせに応じて返答することができる。
【0121】
なお、本実施形態では、対象とするサービスをストレージに限定してファイルに対するアクセステストを行うことで、エラーの有無を判定したが、より一般的には、あらゆるサービスが備える「セルフテスト」のような操作を実行する操作を呼び出すことで、エラーの有無を判定するように構成してもよい。
【0122】
以上説明したように、本第2の実施形態によれば、ルックアップサーバ14が自らが保持している登録サービスのそれぞれについて、実際にクライアントとしてそのサービスを試用し、そのエラーの有無の情報をクライアントに伝えることが可能である。クライアントはそのエラーの有無の情報からそのサービスの信頼性やそのサービスに至るネットワーク11の信頼性を推測することが可能であり、ルックアップサーバ14による客観的な評価結果に基づく最適なサービスを選択できる。
【0123】
なお、本実施形態のルックアップサーバ14に、図14に示すと同様のサービス登録更新処理を組み合わせ、サービスの信頼性にもとづく登録情報の維持を行うこともできる。この場合、本実施形態によれば、ルックアップサーバ14が自らが保持している登録サービスのそれぞれについて、実際にクライアントとしてそのサービスを試用し、そのエラーの有無の情報に基づく評価が予め定めた一定の基準を満たさない場合には、強制的に当該サービスの登録を抹消する。すなわち、ルックアップサーバ14は登録されているサービスの信頼性の品質を保証するよう努力することができる。その結果、クライアントはルックアップサーバ14に登録されているサービス群は、他のこの処理を行わないルックアップサーバに登録されているサービス群と比較して、平均的に品質が高いであろうことを期待して、適切なサービスの選択を行うことができる。
【0124】
(第3の実施形態)
図16のフローチャートは、本発明の第3の実施形態における、ルックアップサーバ14のCPU2501が実行するサービス評価処理の手順を示す。CPU2501はタイマ(図示しない)に基づくタイマ処理によって、定期的にこのサービス評価処理の手順を繰り返し、登録情報の更新を行う。
【0125】
説明を簡単にするため、本実施形態のルックアップサーバ14はプリントサービスの情報を専門に登録するルックアップサーバとしている。本フローチャートのプロセスはルックアップサーバ14のCPU2501の時分割処理によって、上述のルックアップサーバの作用を果たす他の処理と並行に実行される。本フローチャートのプロセスはルックアップサーバ14内部で、一種の擬似的なクライアントとしてルックアップサーバ14自身および登録されているサービスを利用するものである。
【0126】
サービス評価処理を開始すると、ステップS41で、図12のように管理テーブル1801に登録されているサービスのリストから一つのサービスを選択する。次のステップS42で、もしもサービスが管理テーブル1801に一つも登録されていないと判断した場合、もしくは、管理テーブル1801に登録されているすべてのサービスの評価を終えている場合には、本サービス評価処理を終了する。そうでなければ、次のステップS43で、上記選択した登録サービスのサービス代理オブジェクト713を取得する。サービス代理オブジェクト713のダウンロードは前述の通常のクライアントが行う処理と同様に行われる。
【0127】
次のステップS44で、通常のクライアントが行うのと同様に、サービス代理オブジェクト713のインターフェース715から状態取得操作を呼び出してプリンタ部2の動的な状態情報を取得する。そして、ステップS45で、前ステップS44で得た状態情報をあらかじめ定められたアルゴリズムに基づき評価する。このアルゴリズムは例えば、カラープリンタであるにも関わらずカラーのトナーもしくはインクが欠乏している場合は大幅減点、あるいは、大判印刷が可能なプリンタであるにも関わらず大判の用紙が用紙切れの場合は減点されるような、広義の評価関数で定義される。
【0128】
さらに、ステップS46で、この評価結果(例えば、減点数)を管理テーブル1801に当該サービスの属性情報の一つとして追記する。さらに、このステップS46において、上記ステップS44で取得した装置の最新の状態情報を適切に整形し、当該サービスの登録属性の一つとして管理テーブル1801に追記するように構成してもよい。次に、ステップS41に戻り、以上の処理をすべての登録サービスの各々に関して繰り返す。
【0129】
サービス評価処理の過程で属性情報として追記した上記の評価結果は、管理テーブル1801の他の属性と同様に、クライアントからの問い合わせに応じて返答することができる。
【0130】
以上説明したように、本第3の実施形態によれば、ルックアップサーバ14が自らが保持している登録サービスのそれぞれについて、実際にクライアントとしてそのサービスを試用し、その動的な状態にもとづく評価(および動的な状態情報そのもの)をクライアントに伝えることが可能である。クライアントはあるサービスを選択しその代理オブジェクトをダウンロードする前に、当該サービスの重要な状態情報とその評価を知ることができ最適なサービスを選択できる。
【0131】
なお、本実施形態のルックアップサーバ14に、図14に示すと同様のサービス登録更新処理を組み合わせ、サービスの信頼性にもとづく登録情報の維持を行うこともできる。この場合、本実施形態によれば、ルックアップサーバ14が自らが保持している登録サービスのそれぞれについて、実際にクライアントとしてそのサービスを試用し、その動的な状態の情報に基づく評価が予め定めた一定の基準を満たさない場合には、強制的に当該サービスの登録を抹消する。すなわち、ルックアップサーバ14は登録されているサービスの動的な状態に依存する実質的な品質を保証するよう努力することができる。その結果、クライアントはルックアップサーバ14に登録されているサービス群は、他のこの処理を行わないルックアップサーバに登録されているサービス群と比較して、平均的に品質が高いであろうことを期待して、適切なサービスの選択を行うことができる。
【0132】
(第4の実施形態)
図17は、以下に説明する本発明の第4〜第7の実施形態に係る、ネットワーク11に接続された分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12−1と12−2がペアをなし、それぞれ互いのサービスのクライアントとして相手のサービスを試用する関係のソフトウェア構造を模式的に示す。なお同図において、前述の図9と同様な構成要素には同一符号を記している。
【0133】
図17に示すように、両分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12−1および12−2は同様なソフトウエア構造を有し、一方の装置のオブジェクト要求ブローカ722と他方の装置のサービス代理オブジェクト713とがネットワーク11を介して接続する構成となっている。
【0134】
図18のフローチャートは本発明の第4の実施形態における分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12−1,12−2の両者のCPU123がそれぞれ実行する相手方のサービス評価処理の手順を示す。CPU123はタイマ(図示しない)に基づくタイマ処理によって、定期的に本サービス評価処理の手順を繰り返し、相手方のサービスの品質の評価を行う。
【0135】
説明を簡単にするため、本実施形態では分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12が提供するサービスの内、クライアントに一時的な二次記憶の機能を提供するストレージサービスを扱っている。本フローチャートのプロセスは分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12のCPU123の時分割処理によって、前述の装置本来の作用を果たす処理と並行に実行される。本フローチャートのプロセスは分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12内部で、一種の擬似的なクライアントとして相手方の分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12のサービスを利用するものである。
【0136】
サービス評価処理を開始すると、ステップS51で、ルックアップサーバ14から相手方のサービス代理オブジェクト713を取得する。サービス代理オブジェクト713のダウンロードは前述の通常のクライアントが行う処理と同様に行われる。次のステップS52で、通常のクライアントが行うのと同様にサービス代理オブジェクト713のインターフェース715からopen(オープン)操作を呼び出してファイルをオープンする。
【0137】
次のステップS53で、サービス代理オブジェクト713のwrite(ライト) 操作を呼び出してあらかじめ用意したテストデータをファイルに書き込む。そして、ステップS54で、サービス代理オブジェクト713のread(リード)操作を呼び出して前ステップS53でファイルに書き込んだはずのデータを読み出す。続いて、ステップS55で、サービス代理オブジェクトのclose (クローズ)操作を呼び出してファイルをクローズする。
【0138】
次に、ステップS56で、上記ステップS53でファイルに書き込んだデータと上記ステップS54で読み出したデータの間の比較を行い、もしも両データ間で差異が認められれば、ステップS57に進む。また、上記各ステップで呼び出した操作の結果がビジーや応答なしタイムアウト等の非正常値を示していた場合もステップS57に進む。一方、ステップS56で、もしもすべてが正常に完了した場合は本サービス評価処理を終了する。
【0139】
ステップS57では、異常が認められた相手方のサービスの登録をルックアップサーバ14から削除するようにルックアップサーバ14のサービス登録強制削除操作を呼び出す。その後、本サービス評価処理を終了する。
【0140】
なお、本実施形態では対象とするサービスをストレージ5に限定してファイルに対するアクセステストを行うことでエラーの有無を判定したが、より一般的には、あらゆるサービスが備える「セルフテスト」のような操作を実行する操作を呼び出すことでエラーの有無を判定するように構成してもよい。
【0141】
以上説明したように、本第4の実施形態によれば、複数の分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12のそれぞれがペアを構成する相手のサービスを互いに試用することで、異常を検出した場合には速やかにルックアップサーバ14に異常なサービスの登録の削除を申し出ることが可能である。これによって、無効なサービスがルックアップサーバ14に登録され続ける時間が短くなり、クライアントが無効なサービスの利用を試みる危険性を低減することができる。
【0142】
(第5の実施形態)
図19のフローチャートは本発明の第5の実施形態における、分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12の両者のCPU123がそれぞれ実行する相手方のサービス評価処理の手順を示す。CPU123はタイマ(図示しない)に基づくタイマ処理によって、定期的に本サービス評価処理の手順を繰り返し、相手方のサービスの品質の評価を行う。
【0143】
説明を簡単にするため、本実施形態では分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12が提供するサービスの内、クライアントに一時的な二次記憶の機能を提供するストレージサービスを扱っている。本フローチャートのプロセスは分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12のCPU123の時分割処理によって、上述の装置本来の作用を果たす処理と並行に実行される。本フローチャートのプロセスは分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12内部で、一種の擬似的なクライアントとして相手方の分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12のサービスを利用するものである。
【0144】
サービス評価処理を開始すると、ステップS61で、ルックアップサーバ14から相手方のサービス代理オブジェクト713を取得する。サービス代理オブジェクト713のダウンロードは前述の通常のクライアントが行う処理と同様に行われる。次のステップS62で、通常のクライアントが行うのと同様にサービス代理オブジェクト713のインターフェースからopen(オープン)操作を呼び出してファイルをオープンする。
【0145】
次のステップS63で、サービス代理オブジェクト713のwrite(ライト) 操作を呼び出してあらかじめ用意したテストデータをファイルに書き込む。続いて、ステップS64で、サービス代理オブジェクト713のread(リード)操作を呼び出して前ステップS63で書き込んだはずのデータを読み出す。さらに、ステップS65で、サービス代理オブジェクト713のclose(クローズ) 操作を呼び出してファイルをクローズする。
【0146】
そして、次のステップS66で、上記ステップS63で書き込んだデータと上記ステップS64で読み出したデータの間の比較を行い、もしも両データ間に差異が認められればステップS67に進む。また、上記各ステップで呼び出した操作の結果がビジーや応答なしタイムアウト等の非正常値を示していた場合もステップS67に進む。
【0147】
一方、ステップS66で、もしもすべてが正常に完了した場合は本サービス評価処理を終了する。
【0148】
ステップS67では、異常が認められた相手方のサービスの代役として自らが提供するサービスをクライアントに紹介するようにと、ルックアップサーバ14のサービス転送指示操作を呼び出し、その後、本サービス評価処理を終了する。
【0149】
ルックアップサーバ14においては、上記のサービス転送指示操作が呼び出されると、図12の管理テーブル1801の該当するサービスのレコードの代替設定属性に、指定された転送先サービスの識別情報を設定する。
【0150】
なお、本実施形態では対象とするサービスをストレージ部5に限定しファイルに対するアクセステストを行うことでエラーの有無を判定したが、より一般的には、あらゆるサービスが備える「セルフテスト」のような操作を実行する操作を呼び出すことでエラーの有無を判定するように構成してもよい。
【0151】
図20のフローチャートは、本発明の第5の実施形態における、クライアントからサービス代理オブジェクト713のダウンロード要求を受け付けた際に、ルックアップサーバ14のCPU2501が実行する、サービス代理オブジェクト取得要求応答処理の手順を示す。
【0152】
最初のステップS71では、クライアントによって指定されたサービスに該当するレコードを図12の管理テーブル1801から検索する。次のステップS72では、検索したレコードに代替設定属性が設定されているか否かを判定する。もしも代替設定がされていなければステップS73に進む。一方、代替設定がされていればステップS74に進む。
【0153】
ステップS73では、指定されたサービスのサービス代理オブジェクトをクライアントに送信する。ステップS74では、代替設定属性に設定されている識別情報が指し示す代役のサービスのサービス代理オブジェクトをクライアントに送信する。
【0154】
以上説明したように、本第5の実施形態によれば、分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12のそれぞれがペアを構成する相手のサービスを互いに試用することで、異常を検出した場合には速やかにルックアップサーバ14に、異常なサービスに対するクライアントの要求を正常な側のサービスに転送するように指示することが可能である。これによって、無効なサービスがルックアップサーバ14に登録され続ける時間が短くなり、クライアントが無効なサービスの利用を試みる危険性を低減することができる。またさらに、無効となったサービスを利用しようとしたクライアントに対して同等のサービスを提供可能な代替サービスを自動的に供給することになり、当該サービスの可用性を向上することができる。
【0155】
(第6の実施形態)
図21のフローチャートは、本発明の第6の実施形態における、分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12の両者のCPU123がそれぞれ実行する相手方のサービス評価処理の手順を示す。CPU123はタイマ(図示しない)に基づくタイマ処理によって、定期的に本サービス評価処理の手順を繰り返し、相手方のサービスの品質の評価を行う。
【0156】
説明を簡単にするため、本実施形態では分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12が提供するサービスの内、クライアントに一時的な二次記憶の機能を提供するストレージサービスを扱っている。本フローチャートのプロセスは分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12のCPU123の時分割処理によって、上述の装置本来の作用を果たす処理と並行に実行される。本フローチャートのプロセスは分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12内部で、一種の擬似的なクライアントとして相手方の分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12のサービスを利用するものである。
【0157】
サービス評価処理を開始すると、ステップS81で、ルックアップサーバ14から相手方のサービス代理オブジェクト713を取得する。サービス代理オブジェクト713のダウンロードは前述の通常のクライアントが行う処理と同様に行われる。次のステップS82で、タイマ(図示しない)から現在時刻を取得して以下の一連の処理の所用時間計測を開始する。次にステップS83で、通常のクライアントが行うのと同様にサービス代理オブジェクト713のインターフェース715からopen(オープン)操作を呼び出してファイルをオープンする。
【0158】
次のステップS84で、サービス代理オブジェクト713のwrite(ライト) 操作を呼び出してあらかじめ用意したテストデータをファイルに書き込む。続いて、ステップS85で、サービス代理オブジェクト713のread(リード)操作を呼び出して前ステップS84で書き込んだはずのデータを読み出す。そして、ステップS86で、サービス代理オブジェクト713のclose(クローズ) 操作を呼び出してファイルをクローズする。
【0159】
次のステップS87で、上記タイマ(図示しない)から現在時刻を取得し、上記ステップS82で取得した時刻との差分から一連の処理に要した所用時間を得る。ステップS88では、その所用時間とあらかじめ定めた規準時間との間の比較を行い、所定のパフォーマンスが達成されているか否かを判定する。もしも所定のパフォーマンスが達成されていれば本サービス評価処理を終了する。
【0160】
一方、もしも所定のパフォーマンスが得られていなければ、次のステップS89に進む。ステップS89では、所定のパフォーマンスが達成されていない相手方のサービスの代役として自らが提供するサービスをクライアントに紹介するようにと、ルックアップサーバ14のサービス転送指示操作を呼び出し、その後、本サービス評価処理を終了する。
【0161】
ルックアップサーバ14においては、サービス転送指示操作が呼び出されると、図12の管理テーブル1801の該当するサービスのレコードの代替設定属性に、指定された転送先サービスの識別情報を設定する。
【0162】
上述の第6の実施形態と同様、本実施形態のルックアップサーバ14のCPU2501も、クライアントからサービス代理オブジェクトのダウンロード要求を受け付けた際に、図20に示した代理オブジェクト取得要求応答処理を実行する。
【0163】
以上説明したように、本第6の実施形態によれば、分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12のそれぞれがペアを構成する相手のサービスを互いに試用することで、相手方のサービスパフォーマンス低下を検出した場合には速やかにルックアップサーバ14に、相手方サービスに対するクライアントの要求を自らのサービスに転送するよう指示することが可能である。パフォーマンス低下が相手方サービスの異常を示していた場合は、これによって、第5実施形態と同様の効果が得られる。また、パフォーマンス低下が負荷の集中による正常な挙動であった場合には、これによって、高負荷な状況にある相手先サービスへの要求を自サービスに振り向けることで、ペアで負荷分散し、非常に単純なロードバランシングが簡単に実現される。なお、後者の場合、相手方のサービスはやがてリース期間の期限切れよりも前にルックアップサーバ14への登録更新処理を行い、この時点で代替サービスへの転送設定は解除される。
【0164】
なお、最新の応答時間だけでなく、過去数回の履歴もしくは平均、最良値と最悪値等とを組み合わせて、相手方のサービスのパフォーマンスを評価してもよい。
【0165】
(第7の実施形態)
図22のフローチャートは、本発明の第7の実施形態における、分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12の両者のCPU123がそれぞれ実行する相手方のサービス評価処理の手順を示す。CPU123はタイマ(図示しない)に基づくタイマ処理によって、定期的に本サービス評価処理の手順を繰り返し、相手方のサービスの品質の評価を行う。
【0166】
説明を簡単にするため、本実施形態では分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12が提供するサービスの内、クライアントにプリント機能を提供するプリントサービスを扱っている。本フローチャートのプロセスは分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12のCPU123の時分割処理によって、上述の装置本来の作用を果たす処理と並行に実行される。本フローチャートのプロセスは分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12内部で、一種の擬似的なクライアントとして相手方の分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12のサービスを利用するものである。
【0167】
サービス評価処理を開始すると、ステップS91で、ルックアップサーバ14から相手方のサービス代理オブジェクト713を取得する。サービス代理オブジェクト713のダウンロードは前述の通常のクライアントが行う処理と同様に行われる。
【0168】
次のステップS92で、サービス代理オブジェクト713のインターフェース715から状態取得操作を呼び出してプリンタの動的な状態情報を取得する。続いて、ステップS93で、前ステップS92で得た状態情報をあらかじめ定められたアルゴリズムにもとづき評価する。このアルゴリズムは例えば、カラープリンタであるにも関わらずカラーのトナーもしくはインクが欠乏している場合は大幅減点、あるいは、大判印刷が可能なプリンタであるにも関わらず大判の用紙が用紙切れの場合は減点されるような、広義の評価関数で定義される。
【0169】
次のステップS94で、上記ステップS93の評価結果(例えば、減点数)とあらかじめ定めた規準評価値との間の比較を行い、所定の評価が得られているかどうかを判定する。もしも所定の評価が得られていれば本サービス評価処理を終了する。
【0170】
一方、もしも所定の評価が得られていなければ、ステップS95に進む。ステップS95では、所定の評価が得られていない相手方のサービスの代役として自らが提供するサービスをクライアントに紹介するようにと、ルックアップサーバ14のサービス転送指示操作を呼び出し、その後、本サービス評価処理を終了する。
【0171】
ルックアップサーバ14においては、サービス転送指示操作が呼び出されると、図12の管理テーブル1801の該当するサービスのレコードの代替設定属性に、指定された転送先サービスの識別情報を設定する。
【0172】
以上説明したように、本第7の実施形態によれば、分散オブジェクト環境対応画像入出力装置12のそれぞれがペアを構成する相手のサービスを互いに試用することで、相手方サービスの実質的な品質が、動的に変化する状態(特に、装置の消耗品資源の不足等)によって落ちていることを検出した場合には速やかにルックアップサーバ14に異常なサービスの登録の削除を申し出ることが可能である。これによって、無効なサービスがルックアップサーバに登録され続ける時間は短くなり、クライアントが無効なサービスの利用を試みる危険性を低減することができる。
【0173】
(他の実施の形態)
なお、本発明は、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0174】
また、本発明の目的は、前述した実施の形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記録媒体(記憶媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し、実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0175】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0176】
そのプログラムコードを記録し、またテーブル等の変数データを記録する記録媒体としては、例えばフロッピディスク(FD)、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード(ICメモリカード)、ROMなどを用いことができる。
【0177】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述の実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づいて、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0178】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、登録されているサービスを試用するオペレーションを繰り返して実行し、サービスを試用するたびごとに、試用したサービスの品質を検出するようにしているので、サービスを繰り返しテストし、実際にサービスの品質を保証できるサービスをディレクトリサーバの格納手段において更新維持することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態に係るネットワーク構成を示す模式図である。
【図2】本発明の各実施形態に係る分散オブジェクト環境対応画像入出力装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の各実施形態に係る分散オブジェクト環境対応画像入出力装置のリーダ部及びプリンタ部の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の各実施形態に係る分散オブジェクト環境対応画像入出力装置のコア部の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の各実施形態に係る画像入力ジョブと画像出力ジョブのジョブ制御を説明するブロック図である。
【図6】本発明の各実施形態に係るセッションの構成例を示す概念図である。
【図7】本発明の各実施形態に係るクライアントコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の各実施形態に係るルックアップサーバの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1〜第4の実施形態に係るサービスオブジェクトの構成を概念的に示す模式図である。
【図10】本発明の第1〜第3の実施形態に係るルックアップサーバに周辺機器がサービス代理オブジェクトを登録する処理の流れを示す模式図である。
【図11】本発明の第1〜第3の実施形態に係るクライアントコンピュータがルックアップサーバからサービス代理オブジェクトを取得する処理の流れを示す模式図である。
【図12】本発明の各実施形態に係るルックアップサーバ内の管理テーブルの構成を示すメモリマップ図である。
【図13】本発明の第1の実施形態に係るルックアップサーバが実行するサービス評価処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第1の実施形態に係るルックアップサーバが実行するサービス登録更新処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施形態に係るルックアップサーバが実行するサービス評価処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第3の実施形態に係るルックアップサーバが実行するサービス評価処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第4〜第7の実施形態に係る対をなし監視し合う2台の分散オブジェクト環境対応画像入力装置のソフト構造を示す模式図である。
【図18】本発明の第4の実施形態に係る分散オブジェクト環境対応画像入出力装置が実行するサービス評価処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第5の実施形態に係る分散オブジェクト環境対応画像入出力装置が実行するサービス評価処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第5の実施形態に係るルックアップサーバが実行するサービス代理オブジェクト取得要求応答処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第6の実施形態に係る分散オブジェクト環境対応画像入出力装置が実行するサービス評価処理の手順を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第7の実施形態に係る分散オブジェクト環境対応画像入出力装置が実行するサービス評価処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 リーダ部
2 プリンタ部
3 画像入出力制御部
4 ファクシミリ部
5 ストレージ部
6 コンピュータインターフェース部
8 RIP部
9 操作部
10 コア部
11 ネットワーク
12−1 分散オブジェクト環境対応画像入出力装置1
12−2 分散オブジェクト環境対応画像入出力装置2
13 クライアントコンピュータ
14 ルックアップサーバ
121 データ処理部
123 CPU
124 メモリ
712 クライアントソフトウェア
713 サービス代理オブジェクト
715 インタフェース
722 オブジェクト要求ブローカ
723 サービス実装オブジェクト
725 インタフェース
724 装置制御ソフトウエア
1801 管理テーブル
Claims (33)
- 複数の装置においてそれぞれ実行されるサービスの情報を管理するディレクトリサーバにおいて、
装置上で実行されるサービスの情報を格納する格納手段と、
サービスを実行する装置からの要求に応じて、当該サービスの情報を前記格納手段に対して登録する登録手段と、
前記登録手段により登録されている前記サービスを試用するオペレーションを繰り返して実行するサービス試用手段と、
前記サービス試用手段により試用するたびごとに、試用したサービスの品質を検出する品質検出手段と、
前記品質検出手段により検出した前記サービスの品質が、予め定めた品質評価基準を満たさない場合には、前記登録手段が登録したサービスの情報を削除する削除手段と
を有することを特徴とするディレクトリサーバ。 - 前記品質検出手段により検出された品質の評価結果を当該サービスの登録属性として前記格納手段に格納される管理テーブルとして記憶し、クライアントからの問い合わせに応じて該評価結果を返答する評価結果通知手段を有することを特徴とする請求項1に記載のディレクトリサーバ。
- 前記品質検出手段により検出されたサービスの品質が特定の規準に満たなければ、当該サービスの登録を前記格納手段に格納される管理テーブルから抹消する登録更新手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載のディレクトリサーバ。
- 前記品質評価基準は、当該サービスに対する任意の操作の呼び出しに要する所要時間にもとづく評価基準であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のディレクトリサーバ。
- 前記品質評価基準は、当該サービスに対する任意の操作の呼び出しにより生じたエラーの頻度にもとづく評価基準であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のディレクトリサーバ。
- 前記サービス試用手段はストレージサービスを試用してテストデータの書き込み操作と読み出し操作を組み合わせたアクセステストを行い、
前記アクセステストの結果の品質を評価することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のディレクトリサーバ。 - 前記サービス試用手段はサービスの動的な状態の問い合わせ操作を行い、
前記品質検出手段は、前記動的な状態の問い合わせ操作の結果の品質を評価することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のディレクトリサーバ。 - 前記サービス試用手段はプリントサービスの動的な状態の問い合わせ操作を行い、
前記品質検出手段は前記動的な状態の問い合わせ操作の結果得られた時点で利用可能な色及び用紙等のプリンタ資源の状態を検出し、サービスの品質として評価することを特徴とする請求項7に記載のディレクトリサーバ。 - 同等の機能を提供するサービスを提供する2台以上の装置からなるグループに属する周辺装置において、
前記グループを構成する他の装置のサービスの各々について試用するためのオペレーションを実行するサービス試用手段と、
前記サービス試用手段を介して試用した前記サービスの品質を繰り返して検出する品質検出手段と、
前記品質検出手段が検出したサービスの品質が予め定めた規準に満たないと判定されるたびごとに、当該サービスの登録を管理テーブルから削除させることをディレクトリサーバに対して指示するサービス登録代理削除手段と
を有することを特徴とする周辺装置。 - 同等の機能を提供するサービスを提供する2台以上の装置からなるグループに属する周辺装置において、
前記グループを構成する他の装置のサービスを試用するオペレーションを繰り返し実行するサービス試用手段と、
前記サービス試用手段を介して利用した前記サービスの品質を繰り返し検出する品質検出手段と、
前記検出手段が検出したサービスの品質が特定の規準に満たない場合に、当該サービスに対する処理を自らが提供するサービスに対する処理でもって代替登録することをディレクトリサーバに対して指示する代替サービス登録要求手段と
を有することを特徴とする周辺装置。 - 前記品質の評価基準は、当該サービスの任意の操作の呼び出しに要する所要時間にもとづく評価基準であることを特徴とする請求項9または10に記載の周辺装置。
- 前記品質の評価基準は、当該サービスの任意の操作の呼び出しにより生じたエラーの頻度にもとづく評価基準であることを特徴とする請求項9または10に記載の周辺装置。
- 前記サービス試用手段はストレージサービスを試用してテストデータの書き込み操作と読み出し操作を組み合わせたアクセステストを行い、
前記品質検出手段は前記アクセステストの結果の品質を検出し、前記品質検出手段が検出した前記アクセステストの結果の品質を評価することを特徴とする請求項9または10に記載の周辺装置。 - 前記サービス試用手段はサービスの動的な状態の問い合わせ操作を行い、
前記品質検出手段は前記動的な状態の問い合わせ操作の結果の品質を検出し、前記動的な状態の問い合わせ操作の結果の品質を評価することを特徴とする請求項9または10に記載の周辺装置。 - 前記サービス試用手段はプリントサービスの動的な状態の問い合わせ操作を行い、
前記品質検出手段は前記動的な状態の問い合わせ操作の結果得られた時点で利用可能な色や用紙等のプリンタ資源の状態を検出し、
プリンタ資源の状態を検出した時点で利用可能な色や用紙等のプリンタ資源の状態に関して評価することを特徴とする請求項14に記載の周辺装置。 - 複数の装置においてそれぞれ実行されるサービスの情報を管理するディレクトリサーバの制御方法において、
サービスを実行する装置からの要求に応じて、当該サービスの情報を格納手段に登録する登録ステップと、
前記登録ステップにより登録されている前記サービスを試用するオペレーションを繰り返して実行するサービス試用ステップと、
前記サービス試用ステップにより試用するたびごとに、試用したサービスの品質を検出する品質検出ステップと、
前記品質検出ステップにより検出した前記サービスの品質が、予め定めた品質評価基準を満たさない場合には、前記登録ステップで登録したサービスの情報を削除する削除ステップと
を有することを特徴とするディレクトリサーバの制御方法。 - 前記品質検出ステップにより検出された品質の評価結果を当該サービスの登録属性として前記格納手段に格納される管理テーブルとして記憶し、クライアントからの問い合わせに応じて該評価結果を返答する評価結果通知ステップを含むことを特徴とする請求項16に記載のディレクトリサーバの制御方法。
- 前記品質検出ステップにより検出されたサービスの品質が特定の規準に満たなければ、当該サービスの登録を前記格納手段に格納される管理テーブルから抹消する登録更新ステップを含むことを特徴とする請求項16または17に記載のディレクトリサーバの制御方法。
- 前記品質評価基準は、当該サービスに対する任意の操作の呼び出しに要する所要時間にもとづく評価基準であることを特徴とする請求項16ないし18のいずれかに記載のディレクトリサーバの制御方法。
- 前記品質評価基準は、当該サービスに対する任意の操作の呼び出しにより生じたエラーの頻度にもとづく評価基準であることを特徴とする請求項16ないし18のいずれかに記載のディレクトリサーバの制御方法。
- 前記サービス試用ステップではストレージサービスを試用してテストデータの書き込み操作と読み出し操作を組み合わせたアクセステストを行い、
前記アクセステストの結果の品質を評価することを特徴とする請求項16ないし20のいずれかに記載のディレクトリサーバの制御方法。 - 前記サービス試用ステップではサービスの動的な状態の問い合わせ操作を行い、
前記品質検出ステップは、前記動的な状態の問い合わせ操作の結果の品質を評価することを特徴とする請求項16ないし20のいずれかに記載のディレクトリサーバの制御方法。 - 前記サービス試用ステップではプリントサービスの動的な状態の問い合わせ操作を行い、
前記品質検出ステップでは前記動的な状態の問い合わせ操作の結果得られた時点で利用可能な色及び用紙等のプリンタ資源の状態を検出し、サービスの品質として評価することを特徴とする請求項22に記載のディレクトリサーバの制御方法。 - 同等の機能を提供するサービスを提供する2台以上の装置からなるグループに属する周辺装置の制御方法において、
前記グループを構成する他の装置のサービスの各々について試用するためのオペレーションを実行するサービス試用ステップと、
前記サービス試用ステップを介して試用した前記サービスの品質を繰り返して検出する品質検出ステップと、
前記品質検出ステップが検出したサービスの品質が予め定めた規準に満たないと判定されるたびごとに、当該サービスの登録を管理テーブルから削除させることをディレクトリサーバに対して指示するサービス登録代理削除ステップと
を有することを特徴とする周辺装置の制御方法。 - 同等の機能を提供するサービスを提供する2台以上の装置からなるグループに属する周辺装置の制御方法において、
前記グループを構成する他の装置のサービスを試用するオペレーションを繰り返し実行するサービス試用ステップと、
前記サービス試用ステップを介して利用した前記サービスの品質を繰り返し検出する品質検出ステップと、
前記検出ステップが検出したサービスの品質が特定の規準に満たない場合に、当該サービスに対する処理を自らが提供するサービスに対する処理でもって代替登録することをディレクトリサーバに対して指示する代替サービス登録要求ステップと
を有することを特徴とする周辺装置の制御方法。 - 前記品質の評価基準は、当該サービスの任意の操作の呼び出しに要する所要時間にもとづく評価基準であることを特徴とする請求項24または25に記載の周辺装置の制御方法。
- 前記品質の評価基準は、当該サービスの任意の操作の呼び出しにより生じたエラーの頻度にもとづく評価基準であることを特徴とする請求項24または25に記載の周辺装置の制御方法。
- 前記サービス試用ステップではストレージサービスを試用してテストデータの書き込み操作と読み出し操作を組み合わせたアクセステストを行い、
前記品質検出ステップでは前記アクセステストの結果の品質を検出し、前記品質検出ステップが検出した前記アクセステストの結果の品質を評価することを特徴とする請求項24または25に記載の周辺装置の制御方法。 - 前記サービス試用ステップではサービスの動的な状態の問い合わせ操作を行い、
前記品質検出ステップでは前記動的な状態の問い合わせ操作の結果の品質を検出し、前記動的な状態の問い合わせ操作の結果の品質を評価することを特徴とする請求項24または25に記載の周辺装置の制御方法。 - 前記サービス試用ステップではプリントサービスの動的な状態の問い合わせ操作を行い、
前記品質検出ステップでは前記動的な状態の問い合わせ操作の結果得られた時点で利用可能な色や用紙等のプリンタ資源の状態を検出し、
プリンタ資源の状態を検出した時点で利用可能な色や用紙等のプリンタ資源の状態に関して評価することを特徴とする請求項29に記載の周辺装置の制御方法。 - 複数の装置においてそれぞれ実行されるサービスの情報を管理するディレクトリサーバをコンピュータにより制御するための制御プログラムを記録した記録媒体であって、該制御プログラムはコンピュータに対し、
サービスを実行する装置からの要求に応じて、当該サービスの情報を格納手段に登録させ、
前記格納手段に登録されている前記サービスを試用するオペレーションを繰り返して実行させ、
前記格納手段に登録されている前記サービスを試用するたびごとに、試用したサービスの品質を検出させ、
検出した前記サービスの品質が、予め定めた品質評価基準を満たさない場合には、前記登録したサービスの情報を削除させることを特徴とするディレクトリサーバの制御プログラムを記録した記録媒体。 - 同等の機能を提供するサービスを提供する2台以上の装置からなるグループに属する周辺装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムを記録した記録媒体であって、該制御プログラムはコンピュータに対し、
前記グループを構成する他の装置のサービスの各々について試用するためのオペレーションを実行させ、
試用した前記サービスの品質を繰り返して検出させ、
検出したサービスの品質が予め定めた規準に満たないと判定されるたびごとに、当該サービスの登録を管理テーブルから削除させることをディレクトリサーバに対して指示させことを特徴とする周辺装置の制御プログラムを記録した記録媒体。 - 同等の機能を提供するサービスを提供する2台以上の装置からなるグループに属する周辺装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムを記録した記録媒体であって、該制御プログラムはコンピュータに対し、
前記グループを構成する他の装置のサービスを試用するオペレーションを繰り返し実行させ、
前記サービス試用で利用した前記サービスの品質を繰り返し検出させ、
前記検出したサービスの品質が特定の規準に満たない場合に、当該サービスに対する処理を自らが提供するサービスに対する処理でもって代替登録することをディレクトリサーバに対して指示させることを特徴とする周辺装置の制御プログラムを記録した記録媒体。
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