JP3792486B2 - 給紙装置、自動原稿搬送装置、画像形成装置および読取装置 - Google Patents

給紙装置、自動原稿搬送装置、画像形成装置および読取装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給紙装置と、それを用いた原稿搬送装置、画像形成装置および読取装置に関し、特に載置台にセットされた原稿又はシートの束から原稿又はシートを1枚ずつ摩擦分離して搬送する場合に好適な機構および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カット紙等のシートの束を1枚ずつ分離して所定位置に搬送する場合、そのシート束の一面側に摩擦搬送ローラを押し当てて前記一面側のシートを分離位置側に給送する、いわゆる呼出し動作(ピックアップ動作)を行う分離給送の機構が多用されている。
【0003】
特に、複写機やファクシミリ装置等の画像形成装置に装備される自動原稿搬送装置においては、原稿載置台にセットされた原稿(ドキュメント)の束から原稿のシートを1枚ずつ分離して画像読取り部(スキャナ部)に搬送するが、その場合に、この種の機構が給紙装置として広く使用されている。
【0004】
このような給紙装置においては、ページ順に送信するというファクシミリ送信上のルールや、原稿の汚れを低減するため、原稿画像面を上にした状態で原稿をセットし、ページ順送りの給送をする形式が主流となり、一般化しつつある。
【0005】
その場合の給紙装置は、通常、原稿を分離しつつ搬送方向に送り出す分離部と、原稿を分離部に給送するピックアップローラ等からなる呼出し部とを有しているが、原稿画像面を上にした給送を行う場合、ピックアップローラを載置台上にセットされた最上位の原稿の画像面(上面)に当接させて分離部に送り出し、分離部で分離した最上位の原稿を原稿読取り位置に搬送するタイミングに合わせてピックアップローラを原稿画像面から離隔させ、次いで、ピックアップローラを次の原稿の原稿画像面に当接させる。
【0006】
この給紙装置においては、ピックアップローラを原稿画像面から離隔するよう上昇(待避)させ、原稿画像面に当接させるよう下降させるローラ昇降方式と、原稿載置台自体を昇降させる載置台昇降方式とがある。
【0007】
前者の載置台昇降方式の場合、大量の原稿が載置可能で、」かつ、少量の原稿が載置されているとき、原稿載置台の昇降に時間がかかり、特に原稿セット時に大きく上昇又は下降させる必要が生じるので、複写等の開始指令から原稿の分離給紙が開始されるときなどはかなり時間がかかる。特に、ピックアップローラの原稿への接触圧は、原稿の汚れを少なくするためにある程度小さくするのが好ましいが、原稿載置台と厚い原稿束を昇降させながらそのような接触圧を得るのは容易でなく、原稿汚れが生じ易い接触圧範囲に設定せざるを得ない。
【0008】
これに対し、後者のローラ昇降方式の場合、ピックアップローラをその自重かそれを主とする程度(ばね定数の小さい捩りばね等でわずかに下方に付勢する程度)の付勢力で原稿に押し付けることにより、原稿束の厚さに関係なく、摩擦搬送に好適な安定した加圧力を与えることができる。また、大物部品である原稿載置台を昇降させる必要がないため、その構成を簡素にできるという利点がある。
【0009】
また、分離機構は、通常原稿を給紙する給紙側と給紙対象に該当しない原稿を阻止する阻止側とからなるが、原稿を上から給紙する原稿送り装置の分離機構では、給紙側を無端ベルト(以下、給紙ベルトという)を使用すると、分離部のニップが大きく取れるので、原稿汚れの低減には給紙コロに対して有利である。さらに、呼出ローラの回転駆動を給紙ベルトによって伝達することによって、従来呼出ローラ専用に設けていた駆動系を省略することができるため、構成が簡素になり、低コスト化に寄与することができる(特開平10−279100号公報参照)。
【0010】
このように改良された給紙装置、例えば自動原稿搬送装置の一部を構成するものは、回動アームに支持され、原稿載置台上の原稿(シート)の束の上部に当接したときその上部の原稿を給紙方向に呼び出す昇降可能なピックアップローラと、呼び出された原稿のうち最上原稿のみを分離して給紙する分離機構とを備えている。そして、その分離機構は、原稿給送路の上方側に配置され、分離位置に呼び出された原稿を給送方向に摩擦給送する給紙ベルトと、原稿給送路の下方側に配置され、呼び出された原稿の下面に所定の摩擦抵抗を加えるように、給紙ベルトに所定の巻付け角度をもって係合する摩擦分離ローラと、給紙ベルトに所定の張力を付与しつつこれを回動可能に支持する一対のプーリおよびブラケット等からなるベルト支持手段と、を含んで構成されている(特開平11−143139号公報参照)。
【0011】
なお、ベルト支持手段のブラケットには一対のうち従動側プーリと共軸的に前記回動アームが回動可能に支持されており、ピックアップローラの昇降時にはベルト支持手段のブラケットが前記回動アームの支点となるようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような給紙装置、並びにそれを用いた自動原稿搬送装置、画像形成装置および読取装置にあっては、給紙ベルトの間欠的な駆動によって給紙ベルトの張力が大きく変化したり、ピックアップローラ(呼出し給送部材)の昇降によって前記ベルト支持手段のブラケットに加わる下向きの荷重が変化したりするため、ピックアップローラの昇降によって摩擦分離ローラに対する給紙ベルトの巻付け角が変化してしまうという問題があった。
【0013】
通常、給紙ベルトには加圧部材(通常はスプリング)によって所定の張力をかけるため、これによるベルトの張力やレイアウト上の必要から、摩擦分離ローラへの巻付け角が所定の角度になるように設定されるが、給紙ベルトに駆動がかかる瞬間は、給紙ベルトを駆動するときの駆動トルクにより給紙ベルトがリバースコロに押し付けられ、狙いの巻付け角より大きくなる傾向がある。
【0014】
特に、呼出ローラの支点が給紙ベルトのブラケット先端部にある場合、摩擦分離ローラの張力とブラケットの支持高さが関連するような構成となり、給紙処理速度の高速化の要求が高い昨今においてはピックアップローラの持ち上げを高速で行う必要があることから、摩擦分離ローラへの巻付け角が大きくなる。したがって、ピックアップローラの持ち上げを高速で行ったり給紙ベルトの駆動を開始したりするとき等、給紙ベルト張力が大きくなる時に、重なって呼び出されたシート間の摩擦が大きくなり、摩擦分離ローラが非分離搬送時と同様にそのリミットトルクを超えて給紙方向に駆動されてしまい、分離動作不良が生じてしまうという問題があった。
【0015】
これに対し、例えば外装カバーに給紙ベルトの支持ブラケット位置を固定するためのロック機構を装着することが考えられるが、外装カバーは開閉されるため、カバーが閉まるときに容易にロックし、開放時に容易にロック解除する機構が必要になるが、それを簡素な機構で達成する必要がある。
【0016】
このように、従来、巻付け角が大きくなると、狙いの分離性能を出すことができなくなってくるため、これを防ぐ必要性が生じるが、給紙部のジャムを処理するために給紙部の外装カバーを開放させることを考えると、外装カバーの操作性を損なうことなく給紙ベルトをいかに固定するかが重要な課題となっていた。
【0017】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、給紙ベルトの巻付け角が大きくなる要因がブラケットの下降方向への回動にあることに着目し、ピックアップローラ等の呼出し給送部材を給紙ベルトと同一支持系統で支持しながらも、その呼出し給送部材の上昇によって給紙ベルトの分離ローラへの巻付け角が変化するのを規制できるようにして、構成が簡素で、分離性能に優れた低コストの給紙装置を提供し、併せて、簡素な機構で給紙性能の向上を図った自動原稿搬送装置と、それを原稿読取に利用する高性能の画像形成装置および読取装置とを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、シートを積載可能な載置台と、前記載置台上に載置されたシートの束から上部のシートを分離位置に呼び出す昇降可能な呼出し給送部材と、該呼出し給送部材により前記分離位置に呼び出されたシートのうち最上のシートを他のシートから分離させる分離機構と、を含み、前記分離機構が、シート給送路の上方側に配置され、前記分離位置に呼び出されたシートを給送方向に送る無端ベルトと、シート給送路の下方側に配置され、前記分離位置に呼び出されたシートの下面に所定の摩擦抵抗を加えるよう該無端ベルトに所定の巻付け角度をもって係合し、前記給紙ベルトにより給送される最上位のシートから下側のシートを分離させる摩擦分離ローラと、前記無端ベルトに所定の張力を付与するとともに該無端ベルトを回転可能に支持するベルト支持手段と、を有する給紙装置において、前記無端ベルトと前記摩擦分離ローラとの相対変位を規制して、前記無端ベルトの前記摩擦分離ローラへの巻付け角が所定角度以上に変化するのを規制する規制手段を設けたことを特徴とする。
【0019】
この給紙装置では、無端ベルトの摩擦分離ローラへの巻付け角が所定角度以上に変化することが、規制手段によって規制される。したがって、給紙ベルト側から摩擦分離ローラに所定値を超える給紙方向のトルクが作用することが防止され、分離動作不良が防止されることになる。
【0020】
また、請求項2記載の発明は、前記規制手段が、前記ベルト支持手段と協働して前記無端ベルトの下降側への変位を所定位置で規制することを特徴とするものである。この構成では、無端ベルトの下降側への変位が所定位置で規制されるから、そのベルトの支持手段を規制手段の一部にも使用することができる。
【0021】
請求項3記載の発明は、前記ベルト支持手段が、前記無端ベルトの内周面に係合する一対のプーリと、該一対のプーリのうち従動側プーリを回転自在に支持するとともに該一対のプーリのうち駆動側プーリの軸線回りに上下方向に回動して従動側プーリを昇降させることができるブラケットと、を有し、前記規制手段が、前記ブラケットの下降方向への回動を所定位置で規制する回動規制部材を有することを特徴とする。この場合、ブラケットを介しての給紙ベルトの位置決めと変位規制が容易にできることになる。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の給紙装置において、前記回動規制部材が、前記載置台を支持する装置本体筐体側に固定されていることを特徴とする。この構成では、ブラケットに近接する装置本体側に回動規制部材が支持されるので、その配置や構成の自由度が高く、部品点数も少なくて済む。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の給紙装置において、前記装置本体筐体に固定され、分離給紙されるシートの上面をガイドするガイド部材を有し、前記回動規制部材が、該ガイド部材であることを特徴とする。この構成では、ブラケットに近接する既存のガイド部材を利用して回動規制部材を小形かつ簡素に構成できる。
【0024】
請求項6記載の発明は、請求項4に記載の給紙装置において、前記装置本体筐体に、給紙方向と直交する支持軸を有し、前記回動規制部材が、前記支持軸であることを特徴とする。この構成では、シート先端ストッパを支持する支持軸がブラケットの下降側への回動規制部材としても機能することになるから、ブラケット側に該支持軸との係合部を設けただけの簡素な規制手段とすることができる。
【0025】
請求項7記載の発明は、請求項4に記載の給紙装置において、前記装置本体筐体に開放可能に支持され前記分離機構を覆うカバー部材を有し、前記回動規制部材が、該カバー部材に支持されていることを特徴とする。この構成では、回動規制部材がカバー部材に支持されるので、より簡素な構成にできる。
【0026】
請求項8記載の発明は、請求項7に記載の給紙装置において、前記カバー部材が開放されるときに前記回動規制部材による前記ブラケットの下降方向への回動規制が解除されることを特徴とする。したがって、ジャム処理やメンテナンス作業がされるカバー開放時にブラケットの動きを規制することがない。
【0027】
請求項9記載の発明は、請求項7又は8に記載の給紙装置において、前記カバー部材が閉止されるときに前記回動規制部材が前記ブラケットに係合して、前記ブラケットの下降方向への回動が規制されることを特徴とする。したがって、ブラケットの下降規制のために特別な操作は必要でなく、操作性がよい。
【0028】
請求項10記載の発明は、請求項9に記載の給紙装置において、前記回動規制部材がフック状の爪部を有し、前記カバー部材が閉止されるとき、該回動規制部材の爪部が変位して前記ブラケットに係合することを特徴とする。この構成では、爪部による回動規制部材を用いるので、ブラケットの下降規制を確実に行うことができる。
【0029】
請求項11記載の発明は、請求項10に記載の給紙装置において、前記回動規制部材が、前記カバー部材に対し所定角度範囲で回動可能に支持されるとともに、前記カバー部材に対し所定角度をなすよう弾性部材によって回動方向一方側に付勢されたことを特徴とする。この構成では、回動規制部材の動作がより確実で、ブラケットの下降規制を確実に行うことができる簡素なものとなる。
【0030】
請求項12記載の発明は、請求項10又は11に記載の給紙装置において、前記回動規制部材の先端部に、前記ブラケットに係合可能な係合面を形成し、前記ブラケットと該回動規制部材の係合面が前記カバー部材の閉止方向への回動に伴って互いに摺動することを特徴とする。したがって、ブラケットと回動規制部材の係合を円滑にすることができる。
【0031】
請求項13記載の発明は、請求項8〜12のいずれかに記載の給紙装置において、前記カバー部材が、前記ブラケットとは異なる回動中心で前記装置本体筐体に対し回動可能に支持され、前記カバー部材が開放されるとき、該カバー部材に支持された前記回動規制部材により前記ブラケットが前記カバー部材の開放側に回動され、該ブラケットが所定角度だけ回動したとき、前記回動規制部材が前記ブラケットから離脱することを特徴とする。この構成では、カバー部材の開放時に所定の開放角度で確実に回動規制部材によるブラケットの下降規制が解除されるから、より確実な動作が可能になる。
【0032】
請求項14記載の発明は、請求項7記載の給紙装置において、前記装置本体筐体のカバー部材の内面側にストッパを突設するとともに、前記ブラケットに、該ブラケットの下降側への回動方向で前記ストッパに突き当たるストッパ係合部を設けて、該ストッパおよびストッパ係合部によって前記規制手段を構成したことを特徴とする。この構成では、カバー部材の内面側にストッパを突設し、これにブラケット側の係合部を係合させることから、きわめて簡素な構成でブラケットの下降規制ができることになる。
【0033】
請求項15記載の発明は、請求項14に記載の給紙装置において、前記ストッパ係合部が、前記ブラケットの回動支点より給送方向下流側で前記ストッパに当接することを特徴とする。この構成では、ブラケットの回動支点より給送方向下流側にスペースがあれば、そのスペースにストッパ係合部を設けて確実な下降規制ができることになる。
【0034】
請求項16記載の発明は、請求項15に記載の給紙装置において、前記ストッパ係合部が、前記ブラケットの回動支点より給送方向下流側で前記ストッパに当接する略上下方向の当接面部を有し、該当接面部により前記カバー部材に対する前記ブラケットの水平方向の位置決めをなすようにしたことを特徴とする。この構成では、ブラケットの回動支点より給送方向下流側にスペースがあれば、そのスペースにストッパ係合部を設けて確実な下降規制ができることになり、ブラケットの給紙方向上流側に余計な部品を設置する必要がなく、メンテナンス性に優れたものとなる。
【0035】
請求項17記載の発明は、請求項14〜16に記載の給紙装置において、前記カバー部材の開放を制限するロック機構を有し、前記ストッパが、シート給送方向における前記ロック機構の位置の近傍に設置されたことを特徴とする。この構成では、ロック機構によるカバー部材のロック位置近傍にストッパを設置することから、所要のストッパ位置精度を容易に確保できる。
【0036】
請求項18記載の発明は、請求項7に記載の給紙装置において、前記カバー部材の内面側にストッパを突設するとともに、前記ブラケットに、該ブラケットの下降側および上昇側への両回動方向で前記ストッパに突き当たる第1ストッパ係合部および第2ストッパ係合部を設けて、該ストッパと該第1ストッパ係合部および第2ストッパ係合部とによって前記規制手段を構成したことを特徴とする。この構成では、ブラケットを介して給紙ベルトの上下方向への変位を所定範囲内に確実に規制できる。
【0037】
請求項19記載の発明は、請求項18に記載の給紙装置において、前記第1ストッパ係合部が、前記ブラケットの回動支点より給送方向下流側で前記ストッパに当接する略上下方向の当接面部を有し、前記第2ストッパ係合部が、前記ブラケットの上昇方向の回動を所定位置で規制することを特徴とする。この場合、ブラケットの両端側に係合部を設けることで、ブラケットの不要な回動規制をより効果的に行うことができる。
【0038】
請求項20記載の発明は、請求項19に記載の給紙装置において、前記第1ストッパ係合部が、前記当接面部に加えて、前記カバー部材のストッパに当接して前記ブラケットの下降方向の回動を所定位置で規制する略水平方向の当接面部を併有することを特徴とする。この構成では、略垂直方向および水平方向の両当接面部による正確な位置決めができる。
【0039】
請求項21記載の発明の自動原稿搬送装置は、原稿を積載可能な載置台と、前記載置台上に載置された原稿の束から上部の原稿を分離位置に呼び出す昇降可能な呼出し給送部材と、該呼出し給送部材により前記分離位置に呼び出された原稿のうち最上の原稿を他の原稿から分離させる分離機構と、を含み、前記分離機構が、原稿給送路の上方側に配置され、前記分離位置に呼び出された原稿を給送方向に送る無端ベルトと、原稿給送路の下方側に配置され、前記分離位置に呼び出された原稿の下面に所定の摩擦抵抗を加えるよう該無端ベルトに所定の巻付け角度をもって係合し、前記給紙ベルトにより給送される最上位の原稿から他の原稿を分離させる摩擦分離ローラと、前記無端ベルトに所定の張力を付与するとともに該無端ベルトを回転可能に支持するベルト支持手段と、を有する給紙装置を備えた自動原稿搬送装置であって、前記無端ベルトと前記摩擦分離ローラとの相対変位を規制して、前記無端ベルトの前記摩擦分離ローラへの巻付け角が所定角度以上に変化するのを規制する規制手段を設けたことを特徴とする。
【0040】
この構成では、無端ベルトの摩擦分離ローラへの巻付け角が所定角度以上に変化することが、規制手段によって規制される。したがって、給紙ベルト側から摩擦分離ローラに所定値を超える給紙方向のトルクが作用することが防止され、分離動作不良が防止されることになり、簡素で分離性能に優れた低コストの自動原稿搬送装置となる。
【0041】
請求項22記載の発明の画像形成装置は、請求項1〜18のいずれかに記載の給紙装置又は請求項21に記載の自動原稿搬送装置を備えたものであり、簡素で分離性能に優れた低コストの画像形成装置となる。
【0042】
請求項23記載の発明は、請求項1〜18のいずれかに記載の給紙装置又は請求項21に記載の自動原稿搬送装置を備えたものであり、簡素で分離性能に優れた低コストの読取装置となる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
【0044】
図1〜図13は、本発明の第1実施形態に係る給紙装置およびそれを用いた自動原稿搬送装置と、その自動原稿搬送装置を装備した画像形成装置とを示す図である。
【0045】
図1に示す画像形成装置本体1000は、独立して複写機およびファクシミリ装置として作動するとともに、外部のコンピュータと接続された状態でスキャナ(画像読取装置)およびプリンタとしても使用可能な装置となっており、この画像形成装置本体1000上に自動原稿搬送装置(以下、ADFという)200が装備されている。
【0046】
ADF200を備えた画像形成装置の読み取り方式としては、原稿をコンタクトガラス上に停止させてスキャナ部を走査させることで読み取るスキャン方式と、スキャナ部を停止させて原稿を移動させることで読み取るシートスルー方式が知られているが、本実施形態においては、シートスルー方式となっている。すなわち、画像形成装置本体1000においては、固定された読取部(画像読取手段)にADF200から原稿を所定の速度で搬送しながら、その読取部で画像読取りを行うように構成されている。画像形成装置本体1000のこのような基本的構成は公知であるので、以下の説明においては、主にADF200について詳述する。
【0047】
図1において、ADF200は、被読み取り原稿のシート(以下、単に原稿という)の束をセットする原稿セット部1と、セットされた原稿の束(以下、原稿束という)から上部の原稿を呼び出し一枚ずつ分離して給送する分離給紙部2(分離機構)と、給送された原稿を一次突き当てにより整合する機能および整合後の原稿を引き出し搬送する機能を有するレジスト部3と、搬送される原稿をターン(反転)させることにより原稿面を読み取り側(下方)に向けて搬送する反転部4と、原稿の表面画像をコンタクトガラスの下方から読み取りを行わせる第1読取搬送部5と、表面画像読み取り後の原稿の裏面画像を読み取る第2読取搬送部6と、表裏の読み取りが完了した原稿を機外側に排紙する排紙部7と、所定サイズ以下の小サイズ原稿の排紙位置を外側にするよう選択的に排紙動作をする小サイズ原稿排出部8と、排紙部7又は小サイズ原稿排出部8からの排紙原稿をスタックするスタック部9と、を備えている。
【0048】
また、ADF200は、これら各部の駆動のための、図2に示す呼出しモータ101、給紙モータ102、読取りモータ103、小サイズ排紙モータ104および小サイズ排紙切換ソレノイド105等と、これら各部による一連の原稿搬送の動作を制御するコントローラ100等から構成されている。なお、詳細は後述するが、同図において、モータ101〜104は例えばステッピングモータからなり、呼出しモータ101は分離給紙部2のピックアップローラ20の昇降駆動を行い、給紙モータ102は分離給紙部2の給紙ベルト23およびレジストローラ30を駆動し、読取りモータ103は反転部4の読取り搬送ローラ43および加圧ローラ35、41と排紙部7の排紙ローラ71を駆動するようになっている。また、小サイズ排紙モータ104は小サイズ原稿排出部8の排紙ローラ対81、82を駆動し、小サイズ排紙切換ソレノイド105は排出ローラ対81,82から排出された原稿を小サイズ原稿排出部8へ選択的に案内するための切換爪80を回動させるようになっている。
【0049】
具体的には、図1に示す原稿セット部1は、原稿束がセットされる原稿セットテーブル10(載置台)と、セットされた原稿束を搬送方向と直交する方向(例えば原稿幅方向)について整合させる前後のサイドガイド11と、セットされた原稿の長さを検知するための第1原稿長さセンサ12および第2原稿長さセンサ14と、セットされた原稿の先端に突き当てられてその原稿束を搬送方向(例えば原稿長さ方向)について整合させる原稿ストッパ25(シート先端ストッパ)とを具備している。この原稿セット部1は、片面あるいは両面原稿の原稿束Pを載置するものである。この原稿セットテーブル10は、回転支点95を中心に上方に開放回転可能に構成され、スタック原稿の取り出しを容易にしている。また、第1原稿長さセンサ12および第2原稿長さセンサ14は、いずれも反射型センサ又は原稿1枚にても検知可能なアクチュエータ・タイプのセンサによって構成され、少なくとも同一原稿サイズの縦か横かを判断可能に配置されている。
【0050】
また、原稿ストッパ25は、ピックアップローラ20の回転駆動、すなわち呼出しモータの正転駆動によりにリセット(図1の実線位置に移動)され、そのリセット方向への力が働かない状態ではセット位置(図4(b)に示す位置)に復帰するように図示しない復帰ばね等によってセット位置側に付勢されている。原稿ストッパ25は、また、給紙方向と直交する方向に互いに離間するよう複数設けられており、原稿セットテーブル10に原稿セットがされるときにはこれら原稿ストッパ25の先端部がそれぞれ原稿セットテーブル10上のシート束の先端に当接するセット位置に停止し、複写開始を指示する開始ボタンが押下された時等にはリセット位置に移動する。
【0051】
また、図1において原稿セット部1に隣接する分離給紙部2は、原稿束Pの上部の原稿に当接して摩擦搬送によりその上部の原稿を搬送方向に送り出す動作、すなわち呼出し動作を行うピックアップローラ20(呼出し給送部材)と、呼び出された原稿を摩擦搬送により給紙する無端ベルトからなる給紙ベルト23と、給紙ベルト23の所定の張力を付与する巻き付け状態で係合する摩擦分離ローラ26とを含んで構成されている。この分離給紙部2においては、ピックアップローラ20の回転駆動と同時に原稿ストッパ25がリセット(図1の実線位置に移動)された後、ピックアップローラ20で呼び出された原稿の先端が給紙ベルト23と摩擦分離ローラ26とのニップ部に突き当たり、分離および給紙される。なお、ここでのピックアップローラ20の回転開始(原稿ストッパ25のリセット検知を兼ねる)は、例えば光学式ホームポジションセンサ19で検知される。
【0052】
レジスト部3は、図1に示すように、分離給紙部2より下流側で給紙された原稿の先端を突き当てにより整合し、その原稿を分離給紙部2から引き出して搬送するレジストローラ30と、レジストローラ30への原稿の付き当てを検知する突き当てセンサ29と、レジストローラ30により分離給紙部2から引き出され搬送される原稿の幅を検知する幅サイズセンサ32および34とを含んで構成されている。このレジスト部3は、分離給紙された原稿をレジストローラ30に突き当てて搬送原稿のスキューを補正し、その原稿をレジストローラ30により引き出して搬送しながら幅サイズセンサ32、34により原稿幅チェックをする動作を行う。
【0053】
図1の左端側に位置する反転部4は、レジスト部3からの原稿の上下面を反転させるようにU字形に湾曲させて搬送する読取り搬送ローラ43および加圧ローラ35、41と、これらにより搬送される原稿の先端が所定位置に達したことを検知するレジストセンサ40と、読取り搬送ローラ43に対向し読取り搬送ローラ43との間にUターン形状の反転通路を形成するガイド部材171とを有している。この反転部4は、読取位置に搬送される原稿の上下面を反転させてセット時に上側であった表面を下方側に向ける動作を行う。
【0054】
この反転部4からの原稿の表面画像を読み取る第1読取搬送部5は、画像形成用の白基準面を形成する白色背景板51と、原稿の画像面を平坦に支持するとともに原稿画像を光学的に読み取るための光を透過させるコンタクトガラス54とを含んで構成されており、読取り搬送中の原稿は、コンタクトガラス54とそのコンタクトガラス54の上面に所定の間隔を持って配置された白色背景板51との間を通過するようになっている。そして、画像形成装置本体1000内の図示しない読取系によって原稿の表面画像をコンタクトガラス54の下方より読み取らせ、その画像は前記読取系のCCDを介して電気信号に変換され、図示しないメモリ装置(画像メモリ)に記憶される。
【0055】
この第1読取搬送部5における搬送ギャップをできる限り狭くし、原稿の不要な動き少なくするため、読取り入り口ガイド42の内面から図示しない可撓性ガイド部材を白色背景板51側に向って張り出し、白色背景板51と搬送原稿の隙間を埋めるようになっている。また、コンタクトガラス54の上方に配置された白色背景板51は、コンタクトガラス54に対して0.5mm±0.2mm程度のギャップを保って配置されており、コンタクトガラス54上の搬送原稿に所定の弾力性を持って圧接できるようになっている。コンタクトガラス54の表面は、インク等の付着や固着が起き難いように、その表面に界面活性剤(シリコン系活性剤)処理がなされている。また、前記可撓性ガイド部材を読取位置近傍まで張り出すことによって、読取位置では原稿面が積極的にコンタクトガラス54に接触せず、かつ原稿先端はコンタクトガラス54の読取位置付近をワイピング(先端でガラス面の異物を掻き落とす作用)できるように構成されている。
【0056】
図1においてコンタクトガラス54の右斜め上に位置する第2読取搬送部6は、原稿搬送のタイミングに応じて原稿画像への露光処理を行い、取得した画情報を画像形成装置本体1000側に送出する密着イメージセンサ61と、白色背景板51と同様な働きをする押圧部材62とを含んで構成され、表面読取り後の原稿を搬送しながらその裏面画像を上方から読み取るようになっている。
【0057】
第2読取搬送部6の下流側に位置する排紙部7は、第2読取搬送部6を通過した原稿を外部に排紙する排紙駆動ローラ71および排紙加圧ローラ72と、その排紙の有無を検知する排紙センサ70等から構成されており、表裏面の読取りが完了した原稿は排紙部7から機外に排出される。なお、読み取り手段が片面側のみ設けられる場合、排紙部7からの排紙原稿を裏面読取りのために再度反転部4の入り口側にスイッチバック搬送する手段を設けることもできる。
【0058】
小サイズ原稿排出部8は、小サイズ排紙切換ソレノイド105により駆動されて上下方向に回動する切換爪80と、小サイズ排紙モータ104により駆動される排紙ローラ対81、82と、排紙通路83等から構成され、所定サイズ以下の小サイズの原稿を排紙する際に切換爪80を下方に回動させて、その小サイズ原稿を排紙通路83を通してスタック部91の外側の小サイズ専用スタッカ91に排紙する動作を行う。
【0059】
スタック部9は、排紙スタッカ90およびその外方側の一部を凹形状にした小サイズ専用スタッカ91から構成され、読取り完了後の原稿を積載保持する。この排紙スタッカ90における小サイズ専用スタッカ91は、小サイズ原稿の排出後の視認性を高め、排出原稿を取り出し易くするためのものである。
【0060】
ここで、本実施形態のADF200とそれを装備した画像形成装置本体1000との制御部の構成について説明する。
【0061】
ADF200は、図2に示すように、その動作を制御するコントローラ100を有しており、そのコントローラ100は、各センサ12、14、15、19、28、29、32、34、40、70等からの検知信号、各モータ101〜104、小サイズ排紙切換ソレノイド105、済スタンプ73からの状態信号、および本体制御部111とのインタフェース部(シリアル通信線)107を介して送信された制御信号(原稿給紙信号、読取りスタート信号等)、あるいは原稿セットテーブル10が開いていることを示すテーブルオープン信号等を入力する。
【0062】
また、コントローラ100は、図2に示すように、前記各センサからの検知情報に基づく信号(原稿サイズ信号(幅信号、長さ信号)、レジスト停止信号、排紙完了信号等)を本体制御部111に送信すると共に、本体制御部111から送信される制御信号に基づいて、各モータ101〜104、小サイズ排紙切換ソレノイド105、済スタンプ73等の駆動を制御する。例えば、原稿セットセンサ28が、原稿セットテーブル10に原稿束Pがセットされたことを検知すると、その検知情報は、コントローラ100によってインタフェース部107を介し原稿セット信号として本体制御部111へ送信される。あるいは、テーブル開閉センサ15が、ADF200の原稿セットテーブル10がリフトアップされた状態にあることを検知すると、その検知情報は、コントローラ100によってインタフェース部107を介しリフトアップ信号として本体制御部111へ送信される。さらに、第1読取搬送部5の直前に達した原稿の先端がレジストセンサ40により検知された場合、コントローラ100により、その読取り直前の原稿が先行する原稿の搬送状態等に応じて、レジストセンサ40により検知されてから読取りモータ103の駆動パルスの所定パルス分だけ搬送された位置で停止され、その状態を本体制御部に通知するレジスト停止信号が送信されるようになっている。
【0063】
また、コントローラ100は、ADF側に配設された密着イメージセンサ61に対して電源を供給する。さらに、コントローラ100は、本体制御部111から送信される制御信号に基づき、密着イメージセンサ61に対して読取タイミングを示すタイミング信号(表面DFゲートオン/オフ信号、裏面DFゲートオン/オフ信号等)を送出するとともに、露光のための光源を点灯/消灯させる。
【0064】
密着イメージセンサ61は、図3に示すように、原稿読取り時の露光のための光源部(LED)208、原稿の画像面を読み取ってその情報を電気信号(アナログ信号)に光電変換するCCDセンサチップ201、そのアナログ信号を増幅する増幅器202、増幅されたアナログ信号をディジタル信号に変換するA/Dコンバータ203、そのディジタル信号から画情報を生成する画処理部204、その画情報を展開して蓄積するためのフレームメモリ205、フレームメモリ205に蓄積された画情報をインタフェース回路207を介して本体制御部111に送出する出力制御回路206、等を備え、ADF側からのタイミング信号に従って露光処理を行い、取得した画情報を画像形成装置本体1000側に送出するように構成されている。
【0065】
また、コントローラ100には図示しないRAMを有し、このRAMには、画像形成装置本体1000側の操作部108から入力・設定された動作モードを記憶し、その動作モードが変更される度に記憶内容を更新する。例えば、サイズの異なる原稿を原稿セットテーブル10に混載し、そのサイズに応じて所定の搬送速度で原稿を読み取る混載モード、サイズの異なる原稿を読み取って同一サイズの記録紙に出力する統一サイズモード、両面又は片面原稿を読み取る両面/片面モード、読取り後の先行原稿が排紙センサ70を通過した時点(あるいは、レジストセンサ40通過後に所定パルス数だけ搬送された時点)で次原稿を給紙する先出しモード等の設定内容を記憶する。また、このRAMには、原稿長さセンサ12、14の検知情報を基にして算出された搬送方向と平行な方向である長さ方向の原稿サイズと、幅サイズセンサ群32によって検知された搬送方向と直交する方向である幅方向の原稿サイズとを組み合わせて確定された原稿サイズが記憶される。
【0066】
一方、本体制御部111は、装置全体を制御し、画像形成装置本体1000側の図示しない各種センサからの検知情報信号、入出力部(図示していない駆動モータ、クラッチ類等の各種負荷)からの状態信号、および操作部108からの各種信号、インタフェース部107を介してADF200から送信された信号、原稿ジャムやサービスマンコール等の情報信号、および、密着イメージセンサ61からの画情報等を受信する。
【0067】
また、本体制御部111は、こうして受信・入力された信号が示す情報に基づいて、前記入出力部の駆動制御や操作部108における表示制御等を行うと共に、ADF200に対し、動作モードを示す信号、あるいはピックアップローラ20を駆動回転させて給紙動作を開始させるための原稿給紙信号、ADF200の搬送タイミングに応じて密着イメージセンサ61による読取り動作を開始させるための読取りスタート信号、等の各種制御信号を送信し、コントローラ100に指示してADF200の給紙・搬送動作(先出し動作を含む)あるいは読取り速度(搬送速度)を制御する。特に、先出しモード時においては画像メモリとの同期や転写紙ジャム等、画像形成装置本体1000の状況によって一時停止が必要な場合のみ、読取りスタート信号を原稿の読取位置到着前に送信しないことによって、原稿読み取り前の一時停止による搬送ロスが最小限となるように制御する。
【0068】
操作部108には、図示していないスタートボタンやテンキー等の各種ボタンキー、およびLCD表示器等を有し、前記混載モード、片面/両面モード、等の各動作モードの設定や動作開始/停止の指示がユーザーの操作で可能なように構成されている。例えば、本体制御部111では原稿セット検知後に前記スタートボタンが押下された場合は、その押下情報を本体制御部111内の所定メモリ領域に記憶し、その押下情報によってADF200へスタート信号(原稿給紙信号)を送信する。こうしてスタート信号を送信することにより、ADF200で、自動的にピックアップローラ20を駆動回転させて給紙動作を開始し、画像形成装置本体1000側の第1読取搬送部5、ADF側の第2読取搬送部6で読取り動作を行う。
【0069】
なお、各モータ101〜104をステッピングモータから構成した場合、例えばその駆動パルス数をカウントし、1パルス当たりの駆動量を乗じることによって駆動量が容易に得られる。したがって、その駆動量と各センサ情報に基づき、原稿長さの検出を行うとともに、先行原稿と次原稿の搬送間隔(紙間)制御、読取位置到達タイミング制御、読取り動作終了タイミング制御等を行う。
【0070】
次に、ピックアップローラ20を支持しおよび昇降させる手段について、図4〜図6を用いて詳述すると、ピックアップローラ20は昇降駆動機構120を有する昇降手段140によって昇降駆動されるようになっている。
【0071】
図6に示すように、昇降駆動機構120は、呼出しモータ101の出力軸に取り付けられた歯付ホイール101aと内周部に歯が形成された歯付伝動ベルト122(タイミングベルト)とを介して歯付ホイール121、123を回転させるようになっており、歯付ホイール123は軸部材124を介してピックアップ入力歯車125に連結されている。歯車125はピックアップ駆動歯車126に噛合しており、このピックアップ駆動歯車126は歯車125からの回転動力により駆動カム131を回転させることができる。そして、呼出しモータ101が一方向に回転すると、ベルト122およびピックアップ入力歯車125を介してピックアップ駆動歯車126が図6中でR1方向に回転する。
【0072】
駆動カム131を回転させる駆動軸129は、ホームポジション検知用のフィラー128を装着したもので、ADF200の本体フレーム(装置本体筐体)の一部を構成するブラケット211(一部のみ図示している)に回転自在に支持されている。また、フィラー128の近傍に設けられたホームポジションセンサ19は発光素子および受光素子で構成されており、その発光素子から受光素子に照射される光がフィラー128によって遮断されたとき、ピックアップローラ20がホームポジションである上側停止位置(上昇位置)まで待避したことが検知されるようになっている。
【0073】
また、駆動カム131は図5に示すピックアップ駆動部材133(駆動伝動部材)の一端側に設けられたカムフォロワレバー部133aに当接・離隔するようになっており、このピックアップ駆動部材133は給紙ベルト23を駆動する給紙ベルト駆動軸134に支持されている。そして、駆動カム131がカムフォロワレバー部133aに当接しながら回動するとき、ピックアップ駆動部材133は給紙ベルト駆動軸134を中心に回動するようになっている。このピックアップ駆動部材133は必ずしも給紙ベルト駆動軸134と同一軸に支持される必要はないが、同一軸に支持すると、給紙搬送の機構を簡素化することができ、分離給紙部2の搬送路上でジャム原稿の除去等を容易に行うことができる。
【0074】
また、ピックアップ駆動部材133の他端側には昇降駆動用レバー部133bが設けられており、この昇降駆動用レバー部133bはピックアップ駆動部材133の回動に応じて揺動部材135を揺動させるようになっている。具体的には、揺動部材135は、給紙ベルト23を収納するブラケット138に回動自在に支持された揺動支持軸部135aと、ピックアップローラ20を回転自在に支持する一端部135bと、ピックアップ駆動部材133に設けられた昇降駆動用レバー部133bの長穴部に摺動可能に係合する他端部135cと、を有している。また、ブラケット138は、その基端側で給紙ベルト駆動軸134に上下回動自在に支持されるとともに、その先端側で従動側プーリ22を回転自在に支持しており、給紙ベルト23が、この従動側プーリ22と給紙ベルト駆動軸134に固定された駆動側プーリ24との間に巻き掛けられ、給紙ベルト駆動軸134の回転により駆動されるようになっている。また、揺動部材135にはピックアップローラ20を駆動するためにアイドル歯車137が取り付けられており、アイドル歯車137はピックアップローラ20の端部に形成された歯車20aに噛合するとともに、従動側プーリ22の端部に設けられた歯車22aに噛合しており、これら歯車20a、137および22aが常時噛合することで、給紙ベルト駆動軸134からの回転がピックアップローラ20に伝達されるようになっている。
【0075】
また、図7に示すように、従動側プーリ22と揺動部材135の揺動支持軸135aの間に筒状部材145が挿通されており、筒状部材145の両端部とブラケット138の間には圧縮スプリング146a、146bが縮設されている。これらスプリング146a、146bは従動側プーリ22を給紙ベルト駆動軸134から離隔する方向に付勢することにより、給紙ベルト23に一定の張力を付与するようになっている。また、給紙ベルト23はブラケット138を駆動側プーリ24の両端部の軸受24a、24bに押し当てる機能も有している。したがって、スプリング146a、146bを縮めると、給紙ベルト23の張力を解いて、給紙ベルト23、給紙ベルト駆動軸134および従動側プーリ22をブラケット138から取り外すことができる。
【0076】
また、給紙ベルト23が給紙ベルト駆動軸134と従動側プーリ22の間に所定の張力をもって巻き掛けられているので、従動側プーリ22およびこれを支持するブラケット138は共に給紙ベルト駆動軸134に対する回動を制限されることになる。この状態で、ピックアップローラ20は、通常、自重程度で下降側に付勢されている。
【0077】
具体的には、揺動部材135の揺動支持軸部135aの回りには、ブラケット138に対して揺動部材135をピックアップローラ20の下降側に付勢する低ばね定数の捩りばね141が装着されており、この捩りばね141によるピックアップローラ20の下降側への付勢力はピックアップローラ20の自重と同程度かまたはそれ以下となっている。したがって、ピックアップローラ20および歯車137等の重量により、図5(a)に示すように、揺動部材135は同図中の反時計方向に付勢されて傾斜し、カムフォロワレバー部133aが駆動カム131に当接するようになっている。そして、駆動カム131が回転するとき、ピックアップ駆動部材133が下方側に回動し、図5(b)に示すように、揺動部材135を介してピックアップローラ20を待避側に上昇させ、原稿束Pから離隔させることができる。
【0078】
ピックアップローラ20が原稿束Pから離隔して最上の待避位置に待避したときには、ホームポジションセンサ19がフィラー128の検知状態の変化を検知して(図6参照)、コントローラ100に待避検知信号を出力する。そして、コントローラ100は、このホームポジションセンサ19からの待避検知情報に基づいて、ピックアップローラ20が上側停止位置まで上昇したものと判断する。
【0079】
前記呼出しモータ101から駆動カム131までの昇降駆動機構120と、その出力に応じてピックアップローラ20を昇降させるピックアップ駆動部材133および揺動部材135とは、全体として、ピックアップローラ20を最上位の原稿から離隔するよう上昇側に待避させるとともに、ピックアップローラ20が自重を含む所定の付勢力によって下降するのを許容することでピックアップローラ20を下降させ、原稿セットテーブル10上のピックアップローラ20の高さを変化させる、前記昇降手段140を構成している。
【0080】
コントローラ100からの指令信号に基づいて駆動される給紙モータ102の駆動力は、図示しない歯付プーリ、タイミングベルト、ワンウェイクラッチおよび歯車を介して、給紙ベルト駆動軸134および摩擦分離ローラ26にそれぞれ伝達されるようになっている。さらに、その給紙モータ102の駆動力を図示しない電磁クラッチおよびワンウェイクラッチ等を介してレジストローラ30にも伝達するようになっている。
【0081】
ところで、図1に示すように、分離給紙部2(分離機構)においては、シート搬送路の上方側では給紙ベルト23が駆動側プーリ24と従動側プーリ22とに巻き掛けられ、一方、シート給送路の下方側では、摩擦分離ローラ26が前記分離位置に呼び出されたシートPの下面に所定の摩擦抵抗を加えるよう、給紙ベルト23に所定の巻付け角度θ(図8、図9参照)をもって係合している。
【0082】
ここでの巻付け角度θは、摩擦分離ローラ26が給紙ベルト23で給紙される最上位の原稿の下面に直接当接したときには、給紙ベルト23により搬送されるシートと摩擦分離ローラ26との摩擦力によるトルクが、摩擦分離ローラ26の駆動系に挿入された図示しないトルクリミッタのリミットトルクを超えるように、給紙ベルト23の張力設定値等に応じて設定されている。また、前記トルクリミッタのリミットトルクは、摩擦分離ローラ26が給紙ベルト23で給紙される最上位の原稿に重なって呼び出された下側のシートの下面に当接したときには、給紙ベルト23により搬送されるシートとその下側のシートとの間の分離抵抗(両シートを重合状態に保とうとする付着力、吸着力、摩擦抵抗等)よりも、摩擦分離ローラ26と下側のシートとの間の摩擦力の方が大きくなるように設定されている。
【0083】
また、給紙ベルト23が駆動側プーリ24と従動側プーリ22との間に巻き掛けられた状態で、給紙ベルト駆動軸134が給紙方向に回転すると、給紙ベルト23は摩擦分離ローラ26に巻き付けられるとともに所定の張力に達し、所定の巻付け角度θとなるようになっている。そして、この巻き付け状態において、給紙ベルト駆動軸134が回転するとき、給紙ベルト23により最上のシートが給紙されるとともに、その下側のシートが分離され、摩擦分離ローラ26が最上のシートにより給紙方向に連れ回されることになる。
【0084】
前記従動側プーリ22、駆動側プーリ24、ブラケット138およびスプリング146a、146bは、給紙ベルト23に所定の張力を付与するとともにこの給紙ベルト23を回動可能に支持するベルト支持手段150を構成している。
【0085】
ところで、本実施形態においては、給紙中のシートが給紙ベルト23から更に下流側の読取り搬送ローラ43による搬送領域に達すると(シート先端がセンサ34に検知されると)、ピックアップローラ20がシート束上(下降位置)から持ち上げられ、所定の待避位置に待避する。そのとき、ピックアップローラ20はピックアップ駆動部材133により揺動部材135のピン状他端部135cを押下して、従動側プーリ22の中心回りに持ち上げられるので、図9および図10に示すように、その反作用としてブラケット138の先端側を下降させる力が加わることになる。
【0086】
したがって、ブラケット138の先端側を下降させる力に対し、そのブラケット138の下降を規制しなければ、給紙ベルト23の張力によって給紙ベルト23の摩擦分離ローラ26への巻付け角θが保たれている構成上、ピックアップローラ20の持ち上げに際して、給紙ベルト23の張力が若干増大するとともに、巻付け角θが増加することになる。
【0087】
そこで、本実施形態の給紙装置においては、図11に示すように、ベルト支持手段150と後述する巻付け角の規制手段165とを協働させて、給紙ベルト23の下降側への変位、すなわち、ブラケット138の下降側への回動変位を、所定位置で規制するようになっている。そして、本実施形態における巻付け角の規制手段165は、給紙ベルト23と摩擦分離ローラ26との相対変位(主として上下方向)を規制することにより、給紙ベルト23の摩擦分離ローラ26への巻付け角θが所定角度以上に変化するのを規制するようになっている。
【0088】
具体的には、ベルト支持手段150は、上述のように、給紙ベルト23の内周面に係合する駆動側および従動側のプーリ22、24と、従動側プーリ22を回転自在に支持するとともに駆動側プーリ24の軸線回りに上下方向に回動して従動側プーリ22を昇降させることができるブラケット138と、を有している。そして、規制手段165は、ブラケット138の下降方向への回動を所定位置で規制するストッパ161を有している。このストッパ161は、例えば分離給紙部2を覆うカバー部材170の内面側に突設されている。
【0089】
カバー部材170は、原稿セットテーブル10を設置したADF200の図示しない本体フレーム(装置本体筐体)に対し支点部172を回動支点として開放可能に装着された例えばプラスチック製のものであり、ストッパ161は、カバー部材170の内面側に多数設けられた補強リブの一部として、又はそのリブとは別のリブ状に形成されて、給紙ベルト駆動軸134と平行に延在している。すなわち、ストッパ161は、カバー部材170の内面側に一体に支持されている。
【0090】
そして、ブラケット138には、このブラケット138の下降側への回動方向でストッパに161の下端部に突き当たるストッパ係合部162が設けられており、ストッパ係合部162はブラケット138に一体成形して設けられている。
【0091】
このストッパ係合部162は、ブラケット138の回動支点である給紙ベルト駆動軸134よりも給送方向下流側(図11中の左側)でストッパ161の下端部の側縁部に当接する略上下方向の当接面部162aと、当接面部162aがストッパ161に当接したときストッパ161の下端面に対し所定の微小隙間を隔てて対向し、当接面部162aがストッパ161に当接した後にストッパ161の下端面に当接可能な略水平方向の当接面部162bとを有している。ここで、ストッパ係合部162の略上下方向の当接面部162aは、ブラケット138の回動支点より給送方向下流側でストッパ161に当接し、カバー部材170に対するブラケット138の水平方向の位置決めをなすようになっている。
【0092】
なお、ストッパ係合部162は当接面部162aを給紙ベルト駆動軸134の軸方向に延ばしたリブ状のものでも、ブラケット138上に突設された複数の突起状のものでもよい。また、ストッパ161は、必ずしも、ストッパ係合部162との当接面が平坦なものでなくともよい。
【0093】
ストッパ161は、また、給紙方向(図11の左右方向)の両端部の下面でブラケット138に近接するよう、下面部に凹凸を設けたものとなっており、その平面形状(水平断面形状)が、例えばストッパ係合部162側を頭部161aとする略T字形の部分形状を有している。また、図11に示すように、ブラケット138には、ストッパ係合部162を第1ストッパ係合部として、これとは別個の第2ストッパ係合部163が設けられており、この第2ストッパ係合部163をストッパ161の下部161bに係合させることで、ブラケット138の上昇方向の回動を所定位置で規制するようになっている。これらストッパ161と、第1ストッパ係合部162と、ストッパ161の下部161bに当接する第2ストッパ係合部163とは、ブラケット138の下降側および上昇側への両回動方向で回動範囲を規定する規制手段165を構成している。
【0094】
この規制手段165によるブラケット138の所定位置での下降方向への回動規制は、カバー部材170の開放時には解除される。すなわち、カバー部材170は、ブラケット138とは異なる回動中心である支点部172でADF200の装置フレーム(図示していない)に対し回動可能に支持されており、カバー部材170が開放されるときには、規制手段165を介してブラケット138がカバー部材170の開放される側に多少回動するが、ブラケット138が所定角度だけ回動したときには、規制手段165のストッパ161がブラケット138側のストッパ係合部162と離脱することから、両者の係合が解除される。
【0095】
一方、カバー部材170が閉止されるときには、規制部材としてのストッパ161がブラケット138側のストッパ係合部162に係合して、ブラケット138の下降方向の変位が上述のように規制される。このとき、ストッパ係合部162の略上下方向の当接面部162aが図11中で反時計方向(上端側ほどストッパ161から離隔する側)に傾斜しているので、係合が円滑にでき、水平方向の位置決めも確実にできる。
【0096】
なお、ピックアップローラ20の位置は、駆動カム131の位置によって決まるので、この駆動カム131と一体回転するフィラー128をセンサ19で検知することにより、ピックアップローラ20の上昇、下降の際の基準位置を定めることができる。また、ピックアップ駆動部材133のレバー部133aが給紙ベルト駆動軸134に取り付けられ、ピックアップ駆動部材133の回転のための新たな軸を設けないので、給紙構造を簡素化にするとともに、分離給紙部2の上部側にそのような機構部品を配置することで、ミスフィード時の原稿の除去が容易化される。
【0097】
また、呼出しモータ101がステッピングモータの場合、フィラー128の検知位置を基準にして、所定のパルス数だけカウントすることで、駆動カム131の位置を制御し、ピックアップローラ20の高さをコントロールすることができる。
【0098】
次にその動作について説明する。
((待機状態))
まず、電源投入後、ピックアップローラ20が図4(a)に示す状態から図4(b)に示す状態へと上昇し、原稿ストッパ25が原稿セットテーブル10上に突出して、ADF200の待機状態となる。
【0099】
((原稿セット))
次いで、図4(b)に示すように、読取り対象の原稿の束Pの先端を原稿ストッパ25に突き当てた状態で原稿セットテーブル10上にセットし、さらに、原稿束Pの左右両側のサイドガイド11によって幅方向の位置決めをする。
【0100】
この状態で、原稿セット検知フィラー21が図1の破線位置から実線位置に移動し、これに伴って原稿セットセンサ28の遮光が解除され、原稿のセットが検知され、インタフェース部107を介して本体制御部111に原稿セット信号が送信される。さらに、原稿セットテーブル面に設けられた第1原稿長さセンサ12又は第2原稿長さセンサ14により、原稿の搬送方向長さの概略が判定される。
【0101】
その後、原稿給紙信号(操作部108より入力され、本体制御部111からインタフェース部107を介してコントローラ100へ給紙を指示する信号)により、例えば図12および図13に示すような原稿給紙動作が実行される。
【0102】
((原稿給紙・搬送動作))
図12および図13において、まず、原稿セットセンサ28により原稿のセットが検知され(ステップS1 )、原稿が原稿セットテーブル10上にセットされていなければ今回の処理を終了するが、原稿が原稿セットテーブル10にセットされていれば、呼出しモータ101が正転(CW)駆動され(ステップS2 )、原稿ストッパ25が原稿と当接しないリセット位置に待避されるとともに、ピックアップローラ20が上側停止位置から下降する。
【0103】
次いで、ピックアップローラ20が原稿束Pの上面に自重程度の所定の圧力で当接する呼出し位置に移動したか否かが、例えば呼出しモータ101のパルス検出値から判別され(ステップS3 の“はい”)、呼出しモータ101が停止される(ステップS4)。なお、呼出しモータ101をステッピングモータで構成した場合、前述のホームポジションセンサ19により検知された位置から、呼出しモータ101が所定の下降量に相当する駆動パルス分だけ正転駆動されると、ピックアップローラ20は原稿セットテーブル10に当接する下降位置まで移動したとなるから、これによってピックアップローラ20が呼出し位置に移動したか否かを判別することができる。
【0104】
その後、所定の時間を経て、給紙ベルト23およびレジストローラ30を駆動する給紙モータ102が正転駆動され(ステップS4 )、ピックアップローラ20を時計方向に給送回転させて原稿束Pの最上位から分離給紙部2の方向へ最上部の原稿を送り込む(ステップS5)。
【0105】
このとき、摩擦分離ローラ26は、所定の大きさのトルクを有する図示しないトルクリミッタを介して駆動され、給紙ベルト23との直接係合時、又は原稿1枚を介して係合している状態では、給紙ベルト23の回転に連れ回されるが、原稿が万が一、2枚以上、給紙ベルト23と摩擦分離ローラ26の間に進入した場合は、原稿間の摩擦抵抗よりもトルクリミッタの負荷トルクに基づく下側の原稿(他のシート)の摩擦抵抗が大きくなるようにその負荷トルク設定がされているため、図8に示すように、摩擦分離ローラ26が分離方向に回転し、最上位の原稿に連れ出された下側の余分な原稿を押し戻し、重送を防止することができる。
【0106】
給紙ベルト23と摩擦分離ローラ26との作用により1枚に分離された原稿は、給紙ベルト23によってさらに搬送され、給紙経路27中を進む。この過程で、突き当てセンサ29によって先端が検知されると(ステップS6 の“はい”)、さらに進んで停止しているレジストローラ30に突き当たる。ここで、原稿を所定量だけ突き当てるため、図示しないカウンタによって給紙モータ102の駆動パルス数のカウント、いわゆる突き当てカウントを開始する(ステップS9 )。なお、球モータ102を正転させてから、ステップS6 で突き当てセンサ29がオンしないまま、所定時間が経過した場合には(ステップS7 )、所定の突き当て未達ジャムの処理を実行する(ステップS8 )。
【0107】
突き当てカウントが所定値に達すると、呼出しモータ101を正転させることによって(ステップS10)、ピックアップローラ20を原稿上面から離隔するよう上側に待避させるとともに、ピックアップローラ20が所定の待避位置に達したか否かを判別する(ステップS11)。そして、ピックアップローラ20がその退避位置に達すると、呼出しモータ101を停止させる(ステップS12)。
【0108】
この間、原稿を給紙ベルト23の搬送力のみで送ることにより、原稿の先端はレジストローラ30の上下ローラ対のニップ部に進入し、先端の整合(突き当てスキュー修正)が行われる。
【0109】
呼出しモータ101が停止した後、原稿は突き当てセンサ29の検知から給紙モータ102の正転で所定距離(所定パルス数)だけ搬送されるが、このとき、前記突き当てカウント量が所定パルス数か否かが判別され(ステップS13)、所定パルス数であれば、給紙原稿の先端側がレジストローラ30に所定量の撓みをもって押し当てられた状態で、給紙モータ102を逆転させることにより伝動経路上の図示しないワンウェイクラッチを介して給紙ベルト23の駆動が停止される(ステップS14)。
【0110】
この状態で給紙原稿の先端がレジストローラ30のニップ部に進入して、先端の整合(スキューの修正)が行われると、給紙モータ102の逆転および読取りモータ103の正転により、レジストローラ30および読取り搬送ローラ43がそれぞれ所定速度で駆動され、原稿が反転部4側に搬送される(ステップS15)。なお、前述のステップS7 で突き当てセンサ29が所定時間OFFでタイムオーバーとなった場合、ジャム検知と判断して突き当て未達ジャムであることを操作部108に表示させる。
【0111】
((画像読取))
レジストセンサ40で先端検知されてから読取りモータ103の所定駆動パルス分だけ搬送されてレジスト停止している原稿、あるいは、レジスト停止せずに読取り搬送ローラ43と加圧ローラ41のニップ部に送り込まれた原稿は、本体制御部111からコントローラ100への読取りスタート信号に基づき、読取りモータ103の正転駆動によって回転する読取り搬送ローラ43と加圧ローラ41とにより、第1読取搬送部5に送り込まれる。
【0112】
原稿先端が読取搬送部5に到達するタイミングは、原稿先端がレジストセンサ40を通過してからの読取りモータ103の駆動パルス数のカウントにより制御されており、このタイミングで副走査方向の表面画像の有効読取領域を示す表面DFゲートオン信号を送信する。
【0113】
その後、原稿は読取りを行いながら搬送され、ピックアップガイド52を経て中間搬送加圧コロ53に送り込まれる。この中間搬送加圧コロ53と加圧ローラ41とは読取り搬送ローラ43による共通駆動であるため、送り込みと引き出し速度は同一となり、受け渡しショックの発生を低減させる効果がある。
【0114】
中間搬送加圧コロ53によって第1読取搬送部5から送り出された原稿は、裏面読取り用の第2読取搬送部6に送り込まれ、搬送路上方で読取部を下方に向けて配置された密着イメージセンサ61と、搬送路下方で密着イメージセンサ61の読取り面に対向し、所定圧と所定の間隔を持って配置された押圧部材62と、の間を通過する。
【0115】
両面モードの場合は、原稿先端が密着イメージセンサ61による読取位置に到達するタイミングをレジストセンサの先端検知からの搬送パルスカウントにより制御し、そのタイミングで裏面画像の有効読取領域を通知するため、密着センサユニットへ裏面DFゲートオン信号を送信する。この信号に基いて原稿の裏面に当たる面の画像が読み取られ、表面側と同様に電気信号に変換され、図3に示すフレームメモリ205に一時記憶された後、本体制御部111に転送される。前記押圧部材62は、シェーディングの基準となるとともに白色背景板として作用する。この押圧部材62は、図1では板状のガイド部材で構成されているが、この他に回転体で構成することも可能である。
【0116】
このようにして所定の読み取り動作が実行される(ステップS16)。
【0117】
表面および裏面の原稿読取り領域終了のタイミングは、原稿先端を排紙センサ70で検知し、原稿後端をレジストセンサ40で検知した時点からのパルス数のカウントによって制御する。そして、画像読み取り位置を通過した原稿の後端が排紙センサ70によって検知されると(ステップS17)、次の原稿給紙信号が生成される(ステップS18)。
【0118】
その後、先の読み取り原稿は、排紙駆動ローラ71と排紙加圧ローラ72とによりスタック部9に排出される。なお、排紙スタッカ90は下流側が高く構成され、排出原稿の飛び出し防止とスタック原稿の揃え精度向上に寄与している。
【0119】
複数枚原稿の連続読取り時には、排紙原稿の排出完了タイミングより前に、次原稿先出し動作とそのレジスト停止動作がされ、読取りモータ103の駆動が停止される。そして、読取り完了した原稿の排出動作においては、次原稿の読取り開始による読取りモータ103の駆動再開がされ、先行する読取り完了原稿の後端が排紙センサ70を抜けた時点で、コントローラ100から本体制御部111へ排紙完了信号を送信して、原稿排出動作を完了することになる。
【0120】
なお、小サイズ原稿のスタック時は、小サイズ原稿排出8の切換爪80を小サイズ排紙切換ソレノイド105により破線で示す状態に切り換えて、排紙ローラ対81、82から排紙スタッカ90の小サイズ専用スタッカ91上に排出することによって、排出後の視認性を良くする。なお、原稿セットテーブル10は回転支点95を中心に上方に回転待避させるから、スタックされた原稿をより容易に取り出すことができる。
【0121】
また、原稿排出時、切換爪80の動作と排出原稿後端との同期を取り、原稿が排出された直後に切換爪80を小サイズ排紙切換ソレノイド105により破線方向に回動させ、排出原稿の後端を叩くことによって、排出原稿後端残りを防止する制御が行われている。
【0122】
以上は同一サイズの原稿束Pを分離搬送する場合の動作であって、異なるサイズを含む原稿束Pを搬送する混載モード時の搬送動作も可能であるが、ここではそれについての詳細な説明を割愛する。
【0123】
((作用))
上述のような動作がされる場合、図9に示すように、ピックアップローラ20の持ち上げ時にその反作用でブラケット138の先端側に下降方向の力が作用するが、ブラケット138の下降方向への回動は規制手段165のストッパ161およびストッパ係合部162によって規制されることから、給紙ベルト23の摩擦分離ローラ26への巻付け角θが所定角度以上に変化することが防止される。したがって、巻付け角θが過大となってシート間摩擦力等が増大し、給紙ベルト23側から摩擦分離ローラ26に前記負荷トルクを超える給紙方向のトルクが作用することが防止され、摩擦分離ローラ26の負荷トルク不足による分離動作不良が防止されることになる。
【0124】
また、規制手段165は、ベルト支持手段150と協働して給紙ベルト23の下降側への変位を所定位置で規制することから、給紙ベルト23の下降側への変位が所定位置で確実に規制され、給紙ベルト23の支持手段であるブラケット138等を規制手段165の一部としても使用することができ、簡素な構成となる。すなわち、ベルト支持手段150は、給紙ベルト23の内周面に係合する一対のプーリ22、24と、駆動側プーリ24の軸線回りに上下方向に回動して従動側プーリ22を昇降させることができるブラケット138とを有しており、規制手段165は、そのブラケット138の下降方向への回動を所定位置で規制するストッパ161を有しているので、ブラケット138を介しての給紙ベルト23の位置決めと変位規制が容易に可能となる。
【0125】
しかも、原稿セットテーブル10を設置したADF200の本体フレームに対し開放可能に装着されたカバー部材170と、ブラケット138との間に、規制手段165が介装されていることから、互いに近接するカバー部材170とブラケット138の間に規制手段165を容易に介在させることができ、規制手段165の配置や構成の自由度が高く、その部品点数も少なくて済む。
【0126】
さらに、本実施形態では、カバー部材170の内面側にストッパ161を突設して一体支持させていることから、規制手段165をより簡素に構成できる。
【0127】
また、規制手段165によるブラケット138の所定位置での下降方向への回動規制が、カバー部材170の開放時には自然に解除されるから、ジャム処理作業やメンテナンス作業がされるカバー開放時にブラケット138の動きを規制することがなく、作業性がよい。これに加えて、本実施形態においては、カバー部材170が閉止されるとき、規制手段165をブラケット138に円滑に係合させてブラケット138の下降方向の変位を規制することができるから、ブラケット138の下降規制のために特別な操作は必要でなく、非常に操作性がよい。
【0128】
なお、上述の実施形態においては、規制手段165をブラケット138とカバー部材170の間に介装されていたが、規制手段165をADF200の本体側(装置本体1000側)の回動規制された他の部材であってブラケット138の近傍に位置するものとの間に介装することもできる。
【0129】
[第2実施形態]
図14および図15は本発明の第2実施形態に係る給紙装置を示す図で、その分離機構の要部構成を示している。なお、その他の構成については、上述の実施形態と同様であるので、同一若しくはそれに相当する構成については上述の実施形態と同一の符号を用いて説明する。
【0130】
図14および図15において、ブラケット238は、上述例のブラケット138のストッパ係合部162に代えて、給紙ベルト駆動軸134の軸線を中心とする円弧状の断面を有する所定軸長のストッパ係合部262を設けたものである。270は給送路ガイド部材で、分離給紙部2に対し搬送方向と直交する幅方向の両側に配設されている。この給送路ガイド部材270は、分離給紙される原稿の上面をガイドするガイド部材として、ストッパ係合部262に近接する軸受け部271および図示しない他の同様な軸受け部で給紙ベルト駆動軸134に回動自在に支持されるとともに、ADF200の本体フレームに回動を規制された状態(一定姿勢)で支持されている。そして、この給送路ガイド部材270の軸受け部271に、その径方向に突出する回動規制部材としてのストッパ261が設けられている。
【0131】
このストッパ261は給送路ガイド部材270上で定位置に固定された状態であり、ブラケット238がピックアップローラ20の急な持ち上げ等によって下がろうとするときには、ストッパ係合部262がブラケット238の下降側への回動方向でストッパ261に突き当たり、ブラケット238の下降側への回動が規制されることになる。
【0132】
これらストッパ261およびストッパ係合部262は、ブラケット238とADF200の本体側の部材との間に介装された規制手段265を構成しており、この規制手段265は、給送路ガイド部材270および給紙ベルト駆動軸134と共に、全体として、給紙ベルト23と摩擦分離ローラ26との相対変位を規制して、給紙ベルト23の摩擦分離ローラ26への巻付け角θが所定角度以上に変化するのを規制する。
【0133】
本実施形態においても、上述の実施形態と同様な作用効果が得られる。しかも、給送路ガイド部材270の支持部271を用いて簡素な規制手段265を構成することができる。
【0134】
なお、外装カバーの開放時に給送路ガイド部材270の装置本体に対する固定状態を解けるようにしておき、給紙ベルト駆動軸134回りで給送路ガイド部材270の回動を許容するようにすれば、上述の実施形態と同様にジャム除去作業が容易にできる。
【0135】
[第3実施形態]
図16〜図20は、本発明の第3実施形態に係る給紙装置を示す図で、その分離給紙部2(分離機構)の構成を示している。なお、以下の実施形態においても、上述の実施形態と同一若しくはそれに相当する構成については同一の符号を用いて説明する。
【0136】
図16〜図18に示すように、この実施形態においては、カバー部材370をその回動支点部372でADF200の本体フレームに回動自在に支持させ、そのカバー部材370に、フック状の爪部を有する回動規制部材361(回動規制部材)を回動可能に支持させた構成となっている。ブラケット338は上述のブラケット138からストッパ係合部162を除去し、回動規制部材361との係合面部338aを傾斜面とした構成となっており、他の部分は上述と同様である。
【0137】
回動規制部材361は、カバー部材370の内壁面371に当接可能な長手方向一端側の回動ストッパ部361aと、ブラケット338の係合面部338aに近接する長手方向他端側の一対の鉤爪部361b(図19参照)とを有している。また、この回動規制部材361とカバー部材370の間には、支持軸ピン381と捩りばね382(引張りばねその他の弾性部材であってもよい)が介装されており、回動規制部材361はこの捩りばね382によって回動ストッパ部361aが内壁面371に接近する回動方向、すなわち、鉤爪部361bがブラケット338に接近する方向に付勢されている。そして、カバー部材370が閉止されるとき、この回動規制部材361の鉤爪部361bがブラケット338の係合面部338aに係合し、回動規制部材361は捩りばね382の付勢力に抗して図17中の反時計方向に一旦回動した後、カバー部材370が完全に閉じる直前に鉤爪部361bがブラケット338の係合面部338aを乗り越えたとき、係止側に復帰する。そして、この復帰状態で、規制部材361の鉤爪部361bにより、ブラケット338の先端部が下降方向の回動を規制される。
【0138】
この構成では、回動規制部材361が、その基端側でカバー部材370に対し回動可能に支持されるとともに、カバー部材370に対し所定角度をなすよう捩りばね382によってその回動方向一方側に付勢され、一方、ブラケット338には、回動規制部材361の先端の鉤爪部361bに当接可能な係合面部338aが設けられているので、カバー部材370の閉止方向への移動に伴って回動規制部材361を所定方向に回動させることができ、回動規制部材361の動作が確実で、しかも、ブラケット338の下降規制を確実に行うことができる簡素な機構となる。
【0139】
さらに、本実施形態でも、カバー部材370の回動中心軸とブラケット338の回動中心軸とが平行に離間するよう、カバー部材370が、ブラケット338とは異なる回動中心でADF200の本体フレームに対し回動可能に支持されているので、カバー部材370が開放されるときには、回動規制部材361を介してブラケット338がカバー部材370の開放される側に回動され、そのブラケット338が所定角度だけ回動したときに、回動規制部材361の鉤爪部361bがブラケット338から離脱する。したがって、カバー部材370の開放時に所定の開放角度で確実に回動規制部材361によるブラケット338の下降規制が解除される。したがって、面倒な操作を行うことなく、カバー部材370の開閉だけで、ブラケット338の確実な下降規制動作とその解除が可能になる。
【0140】
[第4実施形態]
図21は、本発明の第4実施形態に係る給紙装置を示すその要部側面断面図である。
【0141】
本実施形態の装置は、同図に示すように、第1実施形態とはカバー部材およびそのロック機構が異なるだけで、他の構成は第1実施形態と同様のものである。
【0142】
この実施形態においては、カバー部材470の内面部にストッパ161を突設している点は第1実施形態と同様であるが、本実施形態においては、カバー部材470を装置本体筐体側に固定保持するための所定のロック機構450を、給紙方向において規制手段165(図11参照)の配設位置に近いブラケット138の基端近傍に設置している点で相違する。
【0143】
この場合、カバー部材470は、ADF200の本体フレームに対し回動支点部472で回動可能に支持されるとともに、その閉止位置でロック機構450によってADF200の本体フレームに係止され、開放を制限されている。
【0144】
このロック機構450は、カバー部材470の上面側に支軸部455aで回動可能に支持された操作レバー455と、この操作レバー455と一体に連結された操作軸456にシート給送路の幅方向両側に離間するよう支持された一対の係止爪457と、係止爪457の先端の鉤爪部457aが係止可能なピンからなりADF200の本体フレームに支持されたロック用の固定ピン458と、を含んで構成されている。そして、操作レバー455を図21中に実線で示す位置から同図中に仮想線で示す位置へと回動させることにより、係止爪457を固定ピン458から離脱させると、カバー部材470のロックが解除され、逆方向に回動させると、ロックが可能になる。勿論、係止爪457を常時ロック位置側に付勢する弾性部材を設けることもできる。
【0145】
本実施形態においては、ストッパ161が、シート給送方向におけるロック機構450の配設位置の近傍に設置されているので、カバー部材470の位置制度を確保することで、所要のストッパ位置精度を容易に確保することができる。
【0146】
このようにしても、第1実施形態と同様な作用効果が得られる。さらに、カバー部材470のロック位置を工夫して、ストッパ161の位置精度を高めることができ、原稿分離性能をより安定させることができる。
【0147】
[第5実施形態]
図22および図23は、本発明の第5実施形態に係る給紙装置を示すその要部側面断面図である。
【0148】
本実施形態の給紙装置は、図22および図23にそれぞれ示すように、上述の実施形態における原稿ストッパ25に代えて、シート給送路の上側に位置する複数の原稿ストッパ525を設けて、これら原稿ストッパ525によって原稿セット時の原稿束の先端位置を揃えるようになっている。これら原稿ストッパ525は支持軸512を介してADF200の本体フレームに上下回動可能に支持されており、そのストッパ動作と解除の制御は上述の第1実施形態の場合と同様である。
【0149】
一方、ブラケット538にはその先端側に突出するフック状のストッパ係合部562(係合部)が設けられており、このストッパ係合部562は回動規制部材としての支持軸512に当接し、その下降方向の回動を所定位置で規制されるようになっている。ここで、原稿ストッパ525の支持軸512によってブラケット538の下降側への回動を規制する位置は、給紙ベルト23の摩擦分離ローラ26への巻付け角θが所定値となる位置に設定されている。
【0150】
支持軸512およびストッパ係合部562は、ブラケット538(ストッパ係合部562を除く部分)とADF200の本体フレームとの間に介在してブラケット538の下降側への回動を規制する規制手段565を構成している。その他の構成は上述した実施形態と同様である。
【0151】
本実施形態においては、ブラケット538の回動端部(給紙方向上流側の端部)側に原稿ストッパ525の支持軸512側に係合するストッパ係合部562を突設しているので、既存の構成を利用して、別部品を追加することなく、きわめて簡素な構成でブラケット538の不要な下降を規制することができ、上述の実施形態と同様に、分離動作不良を防止することができる。
【0152】
[第6実施形態]
図24は、本発明の第6実施形態に係る給紙装置を示すその要部側面断面図である。
【0153】
この実施形態は、第1実施形態と類似のストッパ661を外装のカバー部材670の内面に突設し、これにブラケット638を係合させるようになっている。また、ブラケット638には、その下降側および上昇側への両回動方向でストッパ661に突き当たる第1ストッパ係合部638aおよび第2ストッパ係合部638bが設けられている。
【0154】
ここで、ストッパ係合部638aはブラケット638の回動支点である給紙ベルト駆動軸134の軸心より給送方向下流側でストッパ661の下降ストッパ部661aに当接するようになっており、ブラケット638の回動支点より給送方向下流側にスペースがあれば、そのスペースにストッパ係合部638aを設けて確実な下降規制ができる。ストッパ661の上昇ストッパ部661bとブラケット638の第2ストッパ係合部638bとは、所定の隙間をもって対向しており、これによってブラケット638のわずかな上昇については許容されるようにされている。そして、ストッパ661と両ストッパ係合部638a、638bとにより、ブラケット638を介して給紙ベルト23の上下方向への変位を所定範囲内に確実に規制する規制手段665が構成されている。
【0155】
このように、本実施形態では、第1ストッパ係合部638aがブラケット638の回動支点より給送方向下流側でストッパ661に当接し、第2ストッパ係合部638bがブラケット638の回動支点より給送方向上流側でブラケット638の上昇方向の回動を規制するので、ブラケット638の両端側に係合部638a、638bを設けるだけの簡素な構成で、ブラケット638の不要な回動規制を効果的に行うことができる。
【0156】
[第7実施形態]
図25および図26は、本発明の第7実施形態に係る給紙装置を示すその要部側面断面図である。
【0157】
上述の各実施形態におけるピックアップローラ20が給紙ベルト23を巻き掛けた従動側プーリの回転中心軸を回動支点として昇降し、給紙ベルト23に連動するものであった。
【0158】
これに対し、本実施形態は、ピックアップローラ20の駆動手段および支持手段を、給紙ベルト23の支持手段とは別に設けたものであり、給紙ベルト駆動軸134にピックアップローラ20を支持する外側ブラケット721を設け、給紙ベルト駆動軸134にピックアップローラ駆動用の伝動ギヤ723aを、その外側ブラケット721にピックアップローラ20の支軸722および複数の伝動ギヤ723b、723c、723d、タイミングベルト724およびタイミングプール725を、それぞれ装着したものとなっている。
【0159】
そして、給紙ベルト駆動軸134から伝動ギヤ723a〜723d、タイミングベルト724およびタイミングプーリ725を介してピックアップローラ20に回転動力が伝えられる。また、外側ブラケット721は図示しないソレノイドによってブラケット738からは独立して昇降制御され、呼出し動作を所定のタイミングで実行することができる。
【0160】
給紙ベルト23を支持するブラケット738は第1実施形態のブラケット138とほぼ同様に構成されており、外側ブラケット721は少なくともブラケット738がカバー部材170と当接する付近が切り欠かれた形状となっている。
【0161】
770A、770Bはシート給送路の上側を形成するガイド板である。
【0162】
本実施形態においても、第1実施形態と同様な効果が期待でき、さらに、ピックアップローラ20が外側ブラケット721に支持されており、給紙ベルト23を支持するブラケット738に対して、ピックアップローラ20の持ち上げの反作用として下降方向の力が加わるのを防止することができる。
【0163】
なお、本実施形態のようにピックアップローラ20を支持する専用ブラケットを設ける場合、回動規制部材を上述例のごとく外装カバーや給送路ガイド、原稿ストッパの支持軸などに設けるのでなく、外側ブラケット721に設けて、外側ブラケット721の一部によりブラケット738の下降方向への回動を所定位置で規制するようにすることも考えられる。
【0164】
上述の各実施形態のように、本発明の給紙装置を用いると、簡素で分離性能に優れた低コストの自動原稿搬送装置となり、それによって簡素で分離性能に優れた低コストの画像形成装置を提供することができる。また、本発明の給紙装置は、画像形成装置の一部でなく読取専用の装置(画像読取装置)に設けることができることは勿論であり、その場合にも、簡素で分離性能に優れた低コストの読取装置となる。
【0165】
なお、上述の実施形態においてはシートスルー方式の自動原稿搬送装置を例示したが、スキャン方式の自動原稿搬送装置を画像形成装置本体1000に対して開閉動作可能に装着したものであってもよいことはいうまでもない。
【0166】
【発明の効果】
上述のように、請求項1記載の発明によれば、無端ベルトの摩擦分離ローラへの巻付け角が所定角度以上に変化するのを規制手段によって規制するようにしているので、給紙ベルト側から摩擦分離ローラに所定値を超える給紙方向のトルクが作用するのを防止することができ、シート分離性能に優れた給紙装置を提供することができる。その結果、この給紙装置を用いて簡素で原稿分離性能に優れた原稿搬送装置、画像形成装置および読取装置を提供することができる。
【0167】
また、請求項2記載の発明によれば、無端ベルトの下降側への変位を所定位置で規制するので、そのベルトの支持手段を規制手段の一部に使用した簡素な機構とすることができる。
【0168】
請求項3記載の発明によれば、規制手段が、ブラケットの下降方向への回動を所定位置で規制する回動規制部材を有するので、ブラケットを介しての給紙ベルトの位置決めと変位規制を容易にすることができる。
【0169】
請求項4記載の発明によれば、回動規制部材がブラケットに近接するよう装置本体側に支持されているので、その配置や構成の自由度が高く、部品点数を少なくすることができる。
【0170】
請求項5記載の発明によれば、分離給紙されるシートの上面をガイドするガイド部材の一部を前記回動規制部材として機能させているので、ブラケットに近接する既存のガイド部材を利用して回動規制部材を小形かつ簡素に構成することができる。
【0171】
請求項6記載の発明によれば、シート先端ストッパを支持する支持軸がブラケットの下降側への回動規制部材としても機能するので、ブラケット側に支持軸への係合部を設けただけの簡素な規制手段を構成することができる。
【0172】
請求項7記載の発明によれば、前記装置本体筐体にカバー部材が開放可能に支持され、前記回動規制部材が該カバー部材に装着されているので、より簡素な構成にできる。
【0173】
請求項8記載の発明によれば、前記カバー部材が開放されるときに前記回動規制部材による前記ブラケットの下降方向への回動規制が解除されるので、ジャム処理やメンテナンス作業がされるカバー開放時にブラケットの動きを規制することがなく、作業性をよくすることができる。
【0174】
請求項9記載の発明によれば、前記カバー部材が閉止されるときに前記回動規制部材が前記ブラケットに係合して、前記ブラケットの下降方向への回動が規制されるので、ブラケットの下降規制のための特別な操作の必要をなくして、操作性をよくすることができる。
【0175】
請求項10記載の発明によれば、前記カバー部材が閉止されるとき、回動規制部材の爪部が変位して前記ブラケットに係合するので、ブラケットの下降規制を確実に行うことができる。
【0176】
請求項11記載の発明によれば、前記回動規制部材が、前記カバー部材に対し所定角度範囲で回動可能に支持されるとともに、前記カバー部材に対し所定角度をなすよう弾性部材によって回動方向一方側に付勢されているので、回動規制部材の動作をより確実にし、簡素な機構でブラケットの下降規制を確実に行うことができる。
【0177】
請求項12記載の発明によれば、前記回動規制部材の先端部にブラケットに係合可能な係合面を形成し、ブラケットと該回動規制部材の係合面が前記カバー部材の閉止方向への回動に伴って互いに摺動するようにしているので、ブラケットと回動規制部材の係合を円滑にすることができる。
【0178】
請求項13記載の発明によれば、カバー部材が開放されるとき、カバー部材に支持された回動規制部材によりブラケットがカバー部材の開放側に回動され、該ブラケットが所定角度だけ回動したとき、回動規制部材がブラケットから離脱するので、カバー部材の開放時に所定の開放角度で確実に回動規制部材によるブラケットの下降規制を解除することができ、より確実な動作ができる。
【0179】
請求項14記載の発明によれば、前記カバー部材の内面側にストッパを突設するとともに、前記ブラケットにその下降側への回動方向でストッパに突き当たるストッパ係合部を設けて規制手段を構成しているので、きわめて簡素な構成でブラケットの下降規制ができる。
【0180】
請求項15記載の発明によれば、前記ストッパ係合部が、前記ブラケットの回動支点より給送方向下流側でストッパに当接するので、ブラケットの回動支点より給送方向下流側にスペースがあれば、そのスペースにストッパ係合部を設けて確実な下降規制を行うことができる。
【0181】
請求項16記載の発明によれば、前記ストッパ係合部が、前記ブラケットの回動支点より給送方向下流側で前記ストッパに当接する略上下方向の当接面部を有し、該当接面部により前記カバー部材に対する前記ブラケットの水平方向の位置決めをなすようにしているので、ブラケットの回動支点より給送方向下流側にスペースがあれば、そのスペースにストッパ係合部を設けて確実な下降規制ができ、ブラケットの給紙方向上流側に余計な部品を設置する必要のない、メンテナンス性に優れた機構にできる。しかも、ブラケットの水平方向の位置決めを確実に行うことができる。
【0182】
請求項17記載の発明によれば、ロック機構によるカバー部材のロック位置近傍にストッパを設置するので、所要のストッパ位置精度を容易に確保できる。
【0183】
請求項18記載の発明によれば、前記ブラケットにその下降側および上昇側への両回動方向で前記ストッパに突き当たる第1および第2ストッパ係合部を設けているので、ブラケットを介して給紙ベルトの上下方向への変位を所定範囲内に確実に規制できる。
【0184】
請求項19記載の発明によれば、前記ブラケットの両端側に係合部を設けることで、ブラケットの不要な回動規制をより効果的に行うことができる。
【0185】
請求項20記載の発明によれば、前記当接面部に加えて、前記カバー部材のストッパに当接して前記ブラケットの下降方向の回動を所定位置で規制する略水平方向の当接面部を併有するので、略垂直方向および水平方向の両当接面部による正確な位置決めができる。
【0186】
請求項21記載の発明の自動原稿搬送装置によれば、無端ベルトの摩擦分離ローラへの巻付け角が所定角度以上に変化することを、規制手段によって規制するので、給紙ベルト側から摩擦分離ローラに所定値を超える給紙方向のトルクが作用することを防止し、分離動作不良を防止して、簡素で分離性能に優れた低コストの自動原稿搬送装置を提供することができる。
【0187】
請求項22記載の発明によれば、上記給紙装置又は自動原稿搬送装置を備えているので、簡素で分離性能に優れた低コストの画像形成装置を提供することができる。
【0188】
請求項23記載の発明によれば、上記給紙装置又は自動原稿搬送装置を備えているので、簡素で分離性能に優れた低コストの読取装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る給紙装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。
【図2】第1実施形態の画像形成装置の制御系のブロック図である。
【図3】第1実施形態の密着イメージセンサの構成を示すそのブロック図である。
【図4】第1実施形態の給紙装置におけるピックアップローラの昇降動作および原稿ストッパの動作を示す動作説明図である。
【図5】第1実施形態の給紙装置における給紙ベルトの支持手段の構成を示すその斜視図で、(a)はそのピックアップローラの下降状態、(b)はそのピックアップローラの待避状態を示している。
【図6】第1実施形態の給紙装置におけるピックアップローラの昇降駆動部のうち駆動モータから駆動カムまでの斜視図である。
【図7】第1実施形態の給紙ベルトの支持手段の分解斜視図である。
【図8】第1実施形態の給紙ベルトの摩擦分離ローラへの巻付け状態を説明する説明図である。
【図9】第1実施形態の給紙装置におけるピックアップローラの昇降と給紙ベルト側へのその反作用を説明する説明図である。
【図10】第1実施形態の給紙装置におけるピックアップローラの支持手段の構成を示す斜視図である。
【図11】第1実施形態の給紙装置におけるブラケットの下降側への回動を規制する手段を示すそのブラケット周辺の側面図である。
【図12】第1実施形態の給紙装置における給紙動作のフローチャートである。
【図13】図12のフローチャートに続くフローチャートである。
【図14】本発明の第2実施形態の給紙装置の要部斜視図である。
【図15】第2実施形態の給紙装置におけるブラケットの下降側への回動を規制する手段を示すそのブラケット周辺の分解斜視図である。
【図16】本発明の第3実施形態の給紙装置の要部構成を示すその側面図である。図15に続く給紙動作のフローチャートである。
【図17】第3実施形態の給紙装置における回動規制部材とブラケットとの係合部を示すその側面図である。
【図18】第3実施形態の給紙装置における回動規制部材とブラケットとの係合部を示す図17の部分拡大図である。
【図19】第3実施形態の給紙装置における回動規制部材とその支持部の斜視図である。
【図20】第3実施形態の給紙装置におけるカバー部材の内面側の斜視図である。
【図21】第4実施形態の給紙装置におけるカバー部材およびそのロック機構の配設位置を示すそのカバー部材の側面断面図である。
【図22】本発明の第5実施形態の給紙装置の要部斜視図である。
【図23】第5実施形態の給紙装置の要部側面図である。
【図24】本発明の第6実施形態の給紙装置におけるブラケットの下降側への回動を規制する手段を示すそのブラケット周辺の側面図である。
【図25】本発明の第7実施形態の給紙装置の要部斜視図である。
【図26】第7実施形態の給紙装置におけるピックアップローラ専用の支持部を示すその概略斜視図である。
【符号の説明】
1 原稿セット部
2 分離給紙部(分離機構)
3 レジスト部
4 反転部
5 第1読取搬送部
6 第2読取搬送部
7 排紙部
8 反転搬送部
9 スタック部
10 原稿セットテーブル(載置台、原稿載置台)
20 ピックアップローラ(呼出し給送部材)
22 従動側プーリ
23 給紙ベルト(無端ベルト)
24 駆動側プーリ
25、525 原稿ストッパ
26 摩擦分離ローラ
138、238、338、538、638、738 ブラケット
100 コントローラ
101 昇降駆動モータ
120 昇降駆動機構
131 駆動カム
133 ピックアップ駆動部材
134 給紙ベルト駆動軸
135 揺動部材(ピックアップアーム)
140 昇降手段
150 ベルト支持手段
161、261、761 ストッパ(回動規制部材)
162 第1ストッパ係合部(ストッパ係合部)
163 第2ストッパ係合部
165、265、565、765 規制手段(巻付け角規制手段)
170、370、470、770 カバー部材
200 ADF(自動原稿搬送装置、装置本体筐体)
262、562、738a ストッパ係合部
270 給送路ガイド部材(ガイド部材)
338a 係合面部
361 回動規制部材(規制手段)
361b 鉤爪部(爪部)
450 ロック機構
455 操作レバー
512 支持軸(回動規制部材)
562 ストッパ係合部(係合部)
621 外側ブラケット
738a 第1ストッパ係合部
738b 第2ストッパ係合部
761a 下降ストッパ部
761b 上昇ストッパ部
1000 画像形成装置本体

Claims (23)

  1. シートを積載可能な載置台と、
    前記載置台上に載置されたシートの束から上部のシートを分離位置に呼び出す昇降可能な呼出し給送部材と、
    該呼出し給送部材により前記分離位置に呼び出されたシートのうち最上のシートを他のシートから分離させる分離機構と、を含み、
    前記分離機構が、シート給送路の上方側に配置され、前記分離位置に呼び出されたシートを給送方向に送る無端ベルトと、シート給送路の下方側に配置され、前記分離位置に呼び出されたシートの下面に所定の摩擦抵抗を加えるよう該無端ベルトに所定の巻付け角度をもって係合し、前記給紙ベルトにより給送される最上位のシートから下側のシートを分離させる摩擦分離ローラと、前記無端ベルトに所定の張力を付与するとともに該無端ベルトを回転可能に支持するベルト支持手段と、を有する給紙装置において、
    前記無端ベルトと前記摩擦分離ローラとの相対変位を規制して、前記無端ベルトの前記摩擦分離ローラへの巻付け角が所定角度以上に変化するのを規制する規制手段を設けたことを特徴とする給紙装置。
  2. 前記規制手段が、前記ベルト支持手段と協働して前記無端ベルトの下降側への変位を所定位置で規制することを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  3. 前記ベルト支持手段が、前記無端ベルトの内周面に係合する一対のプーリと、該一対のプーリのうち従動側プーリを回転自在に支持するとともに該一対のプーリのうち駆動側プーリの軸線回りに上下方向に回動して従動側プーリを昇降させることができるブラケットと、を有し、
    前記規制手段が、前記ブラケットの下降方向への回動を所定位置で規制する回動規制部材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の給紙装置。
  4. 前記回動規制部材が、装置本体筐体側に固定されていることを特徴とする請求項3に記載の給紙装置。
  5. 前記装置本体筐体に固定され、分離給紙されるシートの上面をガイドするガイド部材を有し、
    前記回動規制部材が、該ガイド部材であることを特徴とする請求項4に記載の給紙装置。
  6. 前記装置本体筐体に、給紙方向と直交する支持軸を有し、
    前記回動規制部材が、前記支持軸であることを特徴とする請求項4に記載の給紙装置。
  7. 前記装置本体筐体に開放可能に支持され、前記分離機構を覆うカバー部材を有し、
    前記回動規制部材が、該カバー部材に支持されていることを特徴とする請求項4に記載の給紙装置。
  8. 前記カバー部材が開放されるときに前記回動規制部材による前記ブラケットの下降方向への回動規制が解除されることを特徴とする請求項7に記載の給紙装置。
  9. 前記カバー部材が閉止されるときに前記回動規制部材が前記ブラケットに係合して、前記ブラケットの下降方向への回動が規制されることを特徴とする請求項7又は8に記載の給紙装置。
  10. 前記回動規制部材がフック状の爪部を有し、前記カバー部材が閉止されるとき、該回動規制部材の爪部が変位して前記ブラケットに係合することを特徴とする請求項9に記載の給紙装置。
  11. 前記回動規制部材が、前記カバー部材に対し所定角度範囲で回動可能に支持されるとともに、前記カバー部材に対し所定角度をなすよう弾性部材によって回動方向一方側に付勢されたことを特徴とする請求項10に記載の給紙装置。
  12. 前記回動規制部材の先端部に、前記ブラケットに係合可能な係合面を形成し、前記ブラケットと該回動規制部材の係合面が前記カバー部材の閉止方向への回動に伴って互いに摺動することを特徴とする請求項10又は11に記載の給紙装置。
  13. 前記カバー部材が、前記ブラケットとは異なる回動中心で前記装置本体筐体に対し回動可能に支持され、
    前記カバー部材が開放されるとき、該カバー部材に支持された前記回動規制部材により前記ブラケットが前記カバー部材の開放側に回動され、該ブラケットが所定角度だけ回動したとき、前記回動規制部材が前記ブラケットから離脱することを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の給紙装置。
  14. 前記カバー部材の内面側にストッパを突設するとともに、
    前記ブラケットに、該ブラケットの下降側への回動方向で前記ストッパに突き当たるストッパ係合部を設けて、
    該ストッパおよびストッパ係合部によって前記規制手段を構成したことを特徴とする請求項7に記載の給紙装置。
  15. 前記ストッパ係合部が、前記ブラケットの回動支点より給送方向下流側で前記ストッパに当接することを特徴とする請求項14に記載の給紙装置。
  16. 前記ストッパ係合部が、前記ブラケットの回動支点より給送方向下流側で前記ストッパに当接する略上下方向の当接面部を有し、該当接面部により前記カバー部材に対する前記ブラケットの水平方向の位置決めをなすようにしたことを特徴とする請求項15に記載の給紙装置。
  17. 前記カバー部材の開放を制限するロック機構を有し、
    前記ストッパが、シート給送方向における前記ロック機構の位置の近傍に設置されたことを特徴とする請求項14、15又は16に記載の給紙装置。
  18. 前記カバー部材の内面側にストッパを突設するとともに、
    前記ブラケットに、該ブラケットの下降側および上昇側への両回動方向で前記ストッパに突き当たる第1ストッパ係合部および第2ストッパ係合部を設けて、該ストッパと該第1ストッパ係合部および第2ストッパ係合部とによって前記規制手段を構成したことを特徴とする請求項7に記載の給紙装置。
  19. 前記第1ストッパ係合部が、前記ブラケットの回動支点より給送方向下流側で前記ストッパに当接する略上下方向の当接面部を有し、
    前記第2ストッパ係合部が、前記ブラケットの上昇方向の回動を所定位置で規制することを特徴とする請求項18に記載の給紙装置。
  20. 前記第1ストッパ係合部が、前記当接面部に加えて、前記カバー部材のストッパに当接して前記ブラケットの下降方向の回動を所定位置で規制する略水平方向の当接面部を併有することを特徴とする請求項19に記載の給紙装置。
  21. 原稿を積載可能な載置台と、
    前記載置台上に載置された原稿の束から上部の原稿を分離位置に呼び出す昇降可能な呼出し給送部材と、
    該呼出し給送部材により前記分離位置に呼び出された原稿のうち最上の原稿を他の原稿から分離させる分離機構と、を含み、
    前記分離機構が、原稿給送路の上方側に配置され、前記分離位置に呼び出された原稿を給送方向に送る無端ベルトと、原稿給送路の下方側に配置され、前記分離位置に呼び出された原稿の下面に所定の摩擦抵抗を加えるよう該無端ベルトに所定の巻付け角度をもって係合し、前記給紙ベルトにより給送される最上位の原稿から他の原稿を分離させる摩擦分離ローラと、前記無端ベルトに所定の張力を付与するとともに該無端ベルトを回転可能に支持するベルト支持手段と、を有する給紙装置を備えた自動原稿搬送装置であって、
    前記無端ベルトと前記摩擦分離ローラとの相対変位を規制して、前記無端ベルトの前記摩擦分離ローラへの巻付け角が所定角度以上に変化するのを規制する規制手段を設けたことを特徴とする自動原稿搬送装置。
  22. 請求項1〜18のいずれかに記載の給紙装置又は請求項21に記載の自動原稿搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  23. 請求項1〜18のいずれかに記載の給紙装置又は請求項21に記載の自動原稿搬送装置を備えたことを特徴とする読取装置。
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