JP3792012B2 - 正電圧動作型高周波電力増幅器 - Google Patents

正電圧動作型高周波電力増幅器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、GaAsMESFETを高周波増幅素子とする正電圧動作型の高周波電力増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2にGaAsMESFETを用いた従来の高周波電力増幅器の回路構成例を示す。
【0003】
増幅用素子、GaAsMESFET12のゲート端子に入力整合回路13が、ドレイン端子には出力整合回路14がそれぞれ接続され、ソース端子は接地されている。上記整合回路13及び14は、それぞれ直流阻止用キャパシタ15及び16を介して、それぞれ信号入力端子17及び信号出力端子18に接続されている。
【0004】
GaAsMESFET12のゲートバイアス及びドレインバイアスは、それぞれゲートバイアス端子21及びドレインバイアス端子22から、それぞれチョークコイル19及び20を介して供給される。
【0005】
上記構成の回路においては、ゲートバイアス端子21には負電圧を、ドレインバイアス端子22には正電圧を供給し、ゲートバイアスによる制御によりドレイン電流を所要値に設定して用いる。
【0006】
信号入力端子17へ入力したマイクロ波信号は、整合回路13及び14により入出力整合されたMESFET12により電力増幅され、増幅されたマイクロ波信号は信号出力端子18から出力される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、GaAsMESFETを用いた高周波電力増幅器においては、ドレインバイアスには正電圧を、ゲートバイアスには負電圧が必要となるため、このような増幅器を駆動するには、外部に正電圧電源と共に負電圧電源を設けることが不可欠となる。
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解消し、外部から供給する電圧は全て正電圧で動作が可能な高周波電力増幅器を実現しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
ドレインに正バイアス電圧を印加し、ゲートに負バイアス電圧印加するMESFETを高周波増幅素子とするGaAsICと、正電圧を入力して負電圧を発生るDC/DCコンバータ回路、及び該正電圧と該負電圧を電源とし、正のゲートバイアス電圧を入力して反転出力端子から負のゲートバイアス電圧出力する入力反転回路を有するシリコンICと一つのパッケージ内に設けた互いに分離し独立した二つのダイアイランドにそれぞれ個別に実装するとともに、前記反転出力端子を前記GaAsICのゲートバイアス端子に接続するように構成した。
【0010】
また、前記シリコンICの、前記DC/DCコンバータ回路及び前記入力反転回路のGND端子を、前記GaAsICを実装したダイアイランドに接続し、該ダイアイランドを外部のGNDに接地するようにした。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の正電圧動作型高周波電力増幅器の一実施例の回路図を示す。本増幅器の主要部は、二つのICチップ、シリコンICチップ10とGaAsICチップ23とで構成されている。
【0012】
上記シリコンICチップ10は、DC/DCコンバータ回路1と、演算増幅器3、入力抵抗4(R1)及び帰還抵抗5(R2)とを含む入力反転回路2とにより構成されている。
【0013】
一方、GaAsICチップ23は、図2で示した従来例と同様なGaAsMESFET12を含む電力増幅器で構成されている。
【0014】
上記のように構成されたシリコンICチップ10とGaAsICチップ23とは一つのパッケージ内に設けられた互いに分離、独立したダイアイランド、シリコンIC用ダイアイランド11とGaAsIC用ダイアイランド24にそれぞれ個別に実装される。
【0015】
このように分離、独立したダイアイランドに個別に実装するのは、シリコンICチップ10とGaAsICチップ23とでは基板電位が異なるためであるが、両ICのGNDを共通にするために、以下のように接続する。
【0016】
すなわち、GaAsICチップ23のFETソース端子をGaAsIC用ダイアイランド24に接地し、シリコンICチップ10のDC/DCコンバータ回路1と入力反転回路2の各GNDをGND端子9に接地する。そして、GND端子9をGaAsIC用ダイアイランド24に接続し、同ダイアイランドを外部回路のGNDに接地することで、各GND電位は全て共通にされる。
【0017】
また、シリコンICチップ10の反転出力端子8は、GaAsICチップ23のゲートバイアス端子21に接続される。
【0018】
以下、本高周波電力増幅器の動作について説明する。+VDD端子6に正電圧(+VDD)が印加されると、シリコンICチップ10では、まずDC/DCコンバータ回路1により、上記正電圧(+VDD)が負電圧(−VDD)に変換される。
【0019】
また、入力反転回路2では、演算増幅器3に電源として上記+VDDと上記変換により発生した−VDDが入力され、+VGG端子7から正のゲートバイアス電圧として正電圧(+VGG)を入力すると、反転出力端子8には入力反転出力として負電圧(−k・VGG)が出力される。
【0020】
ここで、kは入力抵抗(R1)と帰還抵抗(R2)とで下式により決まる定数であり、
k=R1/R2
所要な値に設定される。
【0021】
反転出力端子8に出力された負電圧(−k・VGG)は、負のゲートバイアス電圧として、ゲートバイアス端子21及びチョークコイル19を介してGaAsMESFET12のゲートに供給される。ドレインバイアスは、図2の従来例と同様に、ドレインバイアス端子22及びチョークコイル20を介してドレインに供給される。
【0022】
本高周波電力増幅器は上述のように構成されているので、+VGG端子7に印加する正のゲートバイアス電圧、+VGGを制御することにより、GaAsMESFET12に供給する負のバイアス電圧が制御され、ドレイン電流は所望の値に設定される。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の高周波電力増幅器では、GaAsMESFETを有するGaAsICと共に、DC/DCコンバータ回路及び入力反転回路を有するシリコンICを設け、正のゲートバイアス電圧を入力して負の電圧に反転させ、その電圧を負のゲートバイアス電圧としてGaAsMESFETのゲートに供給できるようにしたので、外部よりの電源の供給は正電圧のみで済み、負電圧の必要はなくなる。
【0024】
特に、本発明の高周波電力増幅器は互いに分離され独立した二つのダイアイランドを有する一つのパッケージ内に、前記シリコンICチップ及び前記GaAsICチップをそれぞれ個別に実装することで、両ICの基板電位の違いに対処した構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の正電圧動作型高周波電力増幅器の一実施例の回路図である。
【図2】GaAsMESFETを用いた高周波電力増幅器の従来例の回路図である。
【符号の説明】
1 DC/DCコンバータ回路
2 入力反転回路
3 演算増幅器
4 入力抵抗
5 帰還抵抗
6 +VDD端子
7 +VGG端子
8 反転出力端子
9 GND端子
10 シリコンICチップ
11 シリコンIC用ダイアイランド
12 GaAsMESFET
13 入力整合回路
14 出力整合回路
15、16 直流阻止用キャパシタ
17 信号入力端子
18 信号出力端子
19、20 チョークコイル
21 ゲートバイアス端子
22 ドレインバイアス端子
23 GaAsICチップ
24 GaAsIC用ダイアイランド。

Claims (2)

  1. ドレインに正バイアス電圧を印加し、ゲートに負バイアス電圧印加するMESFETを高周波増幅素子とするGaAsICと、正電圧を入力して負電圧を発生るDC/DCコンバータ回路、及び該正電圧と該負電圧を電源とし、正のゲートバイアス電圧を入力して反転出力端子から負のゲートバイアス電圧出力する入力反転回路を有するシリコンICと
    一つのパッケージ内に設けた互いに分離し独立した二つのダイアイランドにそれぞれ個別に実装するとともに、前記反転出力端子を前記GaAsICのゲートバイアス端子に接続することを特徴とする正電圧動作型高周波電力増幅器。
  2. 前記シリコンICの、前記DC/DCコンバータ回路及び前記入力反転回路のGND端子を、前記GaAsICを実装したダイアイランドに接続し、該ダイアイランドを外部のGNDに接地することを特徴とする請求項1記載の正電圧動作型高周波電力増幅器。
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