JP3791164B2 - 洗濯機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータで回転駆動される撹拌翼または洗濯脱水槽により衣類を洗濯または脱水させる洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭用の洗濯機では、負荷量によるモータ回転数の差をなくすため、あるいは衣類の種類に応じて回転数変えるために、撹拌翼等を駆動するモータを位相制御する洗濯機が提案されている。
【0003】
従来、この種の洗濯機は、特開平6−304378号公報に示すように構成されていた。すなわち、内槽および翼を回転させるためのモータと、マグネットとリードスイッチからなる回転検知手段と、モータを位相制御回転させるためのマイクロコンピュータより構成され、位相制御の初期導通角を負荷量に応じて設定し、回転数の変動を少なくさせるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の洗濯機では、電源電圧変動、電源周波数やモータ起動トルク変動により起動時の回転数が大きく変化し、洗濯物の量が比較的少ない場合には、撹拌翼の回転数増加により水の飛び散りが大きくなったり、衣類の布傷みが大きくなるという問題を有していた。また、洗濯物の量が多い場合には、撹拌翼の回転数が目標とする回転数に達するのに時間がかかり、所定の洗浄性能が得られないという問題を有していた。
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、衣類の量や、電源電圧変動、電源周波数やモータ起動トルク変動に影響されず、回転起動時のオーバーシュートを減らし、また撹拌翼の回転数がすみやかに目標回転数に達することで、洗濯物の量が比較的少ない場合でも水の飛び散りがなく、また洗濯物の量が多い場合でも所定の洗浄性能が得られる洗濯機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、インバータ回路により駆動されるモータのロータの位置を検出する位置検出手段からのデータに基づき、インバータ回路を制御するために駆動回路に制御信号を出力するとともに、モータまたは撹拌翼または洗濯兼脱水槽の回転数を位置検出手段により検知して所定回転数に制御する回転制御手段により、モータまたは撹拌翼が所定の回転角だけ回転したことを検知して、モータ起動からの経過時間に応じて徐々に増加したパワースイッチング手段の通電比を記憶する通電比記憶手段からの制御信号を駆動回路に出力する第1の回転制御方法から、モータまたは撹拌翼または洗濯兼脱水槽の回転数の変化量と設定回転数からの回転数偏差に基づいて通電比を設定する通電比設定手段からの制御信号を前記駆動回路に出力する第2の回転制御方法に切り換えるようにしたものである。
【0007】
これにより、衣類の量や、電源電圧変動、電源周波数やモータ起動トルク変動に影響されず、回転起動時のオーバーシュートを減らし、また撹拌翼の回転数がすみやかに目標回転数に達することで、洗濯物の量が比較的少ない場合でも水の飛び散りがなく、また洗濯物の量が多い場合でも所定の洗浄性能が得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され正反転制御される撹拌翼または洗濯兼脱水槽を駆動するために洗濯兼脱水槽の底部に配設されたモータと、前記インバータ回路のパワースイッチング手段を駆動する駆動回路と、前記モータのロータの位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段からのデータに基づき前記パワースイッチング手段をオン・オフ制御するために前記駆動回路に制御信号を出力するとともに、前記モータまたは前記撹拌翼または洗濯兼脱水槽の回転数または回転角を検知して前記モータまたは前記撹拌翼または洗濯兼脱水槽を所定回転数に制御する回転制御手段を備え、前記回転制御手段は、前記モータまたは撹拌翼または洗濯兼脱水槽が前記位置検出手段により所定の回転角だけ回転したことを検知して、モータ起動からの経過時間に応じて徐々に増加したパワースイッチング手段の通電比を記憶する通電比記憶手段からの制御信号を前記駆動回路に出力する第1の回転制御方法から、前記位置検出手段からのデータに基づき前記モータまたは撹拌翼または洗濯兼脱水槽の回転数の変化量と設定回転数からの回転数偏差に基づいて通電比を設定する通電比設定手段からの制御信号を前記駆動回路に出力する第2の回転制御方法に切り換えるようにしたものであり、洗濯物の多い少ないにかかわらず、モータの回転起動時にオーバーシュートが小さく撹拌翼または洗濯兼脱水槽の回転数をすみやかに目標回転数に達することができ、また、目標回転数で安定した回転数制御が実現でき、洗濯物の量が比較的少ない場合でも水の飛び散りがなく、また洗濯物の量が多い場合でも所定の洗浄性能が得ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、使用者に異常を知らせる報知手段を備え、回転制御手段は、モータの起動時に所定時間経過しても第1の回転制御方法から第2の回転制御方法に切り換わらないことが複数回おこれば、異常と判断して前記報知手段により異常を報知するようにしたものであり、位置検出手段やパワースイッチング手段、モータ等の故障を使用者に知らせることができ、使い勝手を向上することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、洗い、すすぎ、脱水の各行程の少なくとも1つ以上の行程を実行させる制御手段を備え、回転制御手段は、前記制御手段が実行している行程により、第1の回転制御方法の通電比を設定するようにしたものである。
【0011】
通常洗濯と脱水は1つのモータで兼用しており、洗濯中の撹拌翼のオン・オフ時限は、例えば1.6秒オン1秒オフ等であり、短時間のうちに目標とする回転数に達しなければ所定の洗浄性能が得られないので、回転数上昇率が高くなるようモータを制御しなければならない。一方、脱水中に急激に洗濯槽の回転数を上げすぎると、排水が追いつかず洗濯槽の底部に水がたまり、モータが過負荷状態となってしまうという問題があるので、洗濯槽が緩やかに上昇するようにモータを制御しなければならない。そこで、洗濯中と脱水中でモータ回転起動時のパワースイッチング手段の通電比を変えることにより、洗濯中は急激に、脱水中は緩やかに上昇するようモータを制御することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、運転コース等を設定するための入力設定手段を備え、回転制御手段は、前記入力設定手段の設定に基づき、第1の回転制御方法の通電比を設定するようにしたものであり、運転コース毎にモータの回転起動時のパワースイッチング手段の通電比を設定することができ、例えば、使用者が強い水流のコースを設定した場合は、通電比を大きく設定して、モータ回転起動時の回転数上昇率を高くすることにより強い水流を実現することができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
(実施例1)
図2に示すように、水槽1は、洗濯兼脱水槽(洗濯槽)2を内包し、洗濯兼脱水槽2の底部に撹拌翼3を回転自在に設けている。減速機構4は、直流ブラシレスモータで構成したモータ5からの駆動力をベルトを介して洗濯時には減速して、例えば減速比6対1で撹拌翼3に伝達し、脱水時には1対1で洗濯兼脱水槽2に伝達する。すなわち、モータ5が600r/minで回転したとすれば、洗濯時には撹拌翼3の回転数は100r/min、脱水時には洗濯兼脱水槽2の回転数は600r/minで回転駆動されることになる。
【0015】
この時の脱水と洗濯の切り換えは排水弁6を駆動することにより行われ、排水弁6を駆動すると、洗濯水の排水が行われるとともに減速機構4のクラッチが切り換わり脱水運転が行われる。洗濯槽蓋7は、中央部に蝶番を持った折り畳み構造とし、外枠8の上面開口部を覆っている。
【0016】
水位検知手段9は水槽1の下部にある接続部(トリップ点)10の水圧を電気的な周波数に変換することにより、水位を検知している。位置検出手段11は、モータ5本体に取付られており、モータ5の回転に応じた信号を出力し、その信号を制御装置12に入力するように構成している。給水弁13は水槽1内に給水するものである。
【0017】
制御装置12は、図1に示すように、モータ5、排水弁6、給水弁13などの動作を制御し、洗濯、すすぎ、脱水などの一連の行程を逐次制御するマイクロコンピュータからなる制御手段14等から構成される。制御手段14は、運転コース等を設定するための入力設定手段15からの情報を入力して、その情報を基に表示手段16で表示して使用者に知らせるとともに、入力設定手段15により運転開始が設定されると、水位検知手段9等からのデータを入力して負荷駆動手段17を介して排水弁6や給水弁13の動作を制御して洗濯運転を行う。このとき回転制御手段18は、位置検出手段11からの情報に基づいて駆動回路19を介してインバータ回路20を制御することによりモータ5を回転制御するようにしている。
【0018】
モータ5は直流ブラシレスモータで、図示していないが、3相巻線を有するステータと、リング上に2極の永久磁石を配設しているロータから構成され、ステータは3相巻線を構成する第1の巻線21a、第2の巻線21b、第3の巻線21cをスロットを設けた鉄心に巻き付けることで構成されている。
【0019】
インバータ回路20は、パワートランジスタ(IGBT)と逆導通ダイオードの並列回路からなるスイッチング素子(スイッチング手段)で構成されている。第1のスイッチング素子20aと第2のスイッチング素子20bの直列回路と、第3のスイッチング素子20cと第4のスイッチング素子20dの直列回路と、第5のスイッチング素子20eと第6のスイッチング素子20fの直列回路で構成し、各スイッチング素子の直列回路は並列接続されている。
【0020】
ここで、スイッチング素子の直列回路の両端は入力端子で、直流電源が接続され、スイッチング素子の直列回路を構成する2つのスイッチング素子の接続点に、それぞれ出力端子を接続している。出力端子は、3相巻線のU端子、V端子、W端子に接続し、スイッチング素子の直列回路を構成する2つのスイッチング素子のオン・オフの組合せにより、U端子、V端子、W端子をそれぞれ正電圧、零電圧、解放の3状態にする。
【0021】
スイッチング素子のオン・オフは、ホールICからなる3つの位置検出手段11a、11b、11cからの情報に基づいて回転制御手段18により制御される。位置検出手段11a、11b、11cは電気角で120度の間隔でロータが有する永久磁石に対向するように、ステータに配設されているものとする。
【0022】
図3に示すように、ロータが1回転する間に、3つの位置検出手段11a、11b、11cは、それぞれ図に示したようなタイミングでパルスを出力する。回転制御手段18は、図に示した矢印のタイミング(3つの位置検出手段のいずれかの信号の状態が変わった時)を検知して、位置検出手段11a、11b、11cの信号を基に、スイッチング素子20a〜20fのオン・オフ状態を変えていくことで、U端子、V端子、W端子を正電圧、零電圧、解放の3状態にし、ステータの第1の巻線21a、第2の巻線21b、第3の巻線21cに通電して磁界を作り、ロータを回転させるものである。
【0023】
また、スイッチング素子20a、20c、20eはそれぞれパルス幅変調(PWM)制御され、例えば、繰り返し周波数10kHzでハイ、ローの通電比を制御することで、ロータの回転数を制御するようにしてあり、回転制御手段18は、3つの位置検出手段11a、11b、11cのいずれかの信号の状態が変わる度にその周期を検出し、その周期よりロータの回転数を算出して、設定回転数になるようにスイッチング素子20a、20c、20eをPWM制御する。
【0024】
抵抗21は電流を検知するもので、抵抗21の両端電圧でインバータ20の入力電流値を検知するものとする。商用電源22は、ダイオードブリッジ23、チョークコイル24、平滑用コンデンサ25からなる直流電源変換装置を介して、インバータ20に接続している。ただし、これは一例であり、直流ブラシレスモータ5の構成、インバータ20の構成等は、これに限定されるものではない。
【0025】
回転制御手段18は、図4に示すように、位置検出手段11からの信号を入力してモータ5の回転数を検知する回転数検知手段18aと、モータ5の回転数を設定する回転数設定手段18bと、回転数設定手段18bと回転検知手段18aで検知された回転数とを比較する回転数比較手段18cと、回転数の変化量を検知する回転数変化量検知手段18dと、回転数比較手段18cと回転数変化量検知手段18dからの入力に基づき、モータ5の回転数を設定回転数に近づけるためにスイッチング素子20a、20c、20eの通電比の操作量を決定する操作量決定手段と18eと、操作量決定手段と18eにより操作された後のスイッチング素子20a、20c、20eの通電比を設定し駆動回路19に出力する通電比設定手段18fと、モータ5の起動からの経過時間に応じて徐々に増加したスイッチング素子20a、20c、20eの通電比を記憶し駆動回路19に出力する通電比記憶手段18gから構成されている。
【0026】
回転制御手段18では、モータ5の起動時に、3つの位置検出手段11a、11b、11cのいずれかの信号の状態が変わる回数が3回まで、すなわちモータ5が1/2回転するまでは、通電比記憶手段18gの出力信号で、それ以後は通電比設定手段18fの出力信号で駆動回路19を駆動することにより、スイッチング素子20a、20c、20eの通電比を制御するようにしている。
【0027】
図5は、洗濯時のモータ5の回転の様子を示しており、モータ5が600r/minになるように、すなわち撹拌翼3が100r/minになるように1.6秒オン1秒オフで、正転反転を繰り返すようにしている。
【0028】
上記構成において図6を参照しながら動作を説明する。図6は、洗濯中に、回転制御手段18が位置検出手段11a、11b、11cの信号を入力して、モータ5を駆動するためのインバータ回路20の各スイッチング素子の通電比を制御して撹拌翼3の回転数を制御する方法を示したものである。
【0029】
まず、ステップ50で異常カウンタを0とし、ステップ51でモータ5の回転数を例えば600r/minに設定し、ステップ52で正転および反転を交互に行うよう設定し、ステップ53でモータ5をオンする。そしてステップ54で起動制御(第1の回転制御方法)を行う。
【0030】
ここで、起動制御は、(表1)に示すように、起動開始からの経過時間毎に予め決められた通電比で、インバータ回路20のスイッチング素子20a、20c、20eを制御するよう駆動回路19を駆動する。なお、(表1)の値は、繰り返し周波数を例えば10kHzとしたときのPWM信号の通電比(単位%)を示したものである。
【0031】
【表1】
【0032】
そして、ステップ55で、位置検出手段11a、11b、11cのいずれかの信号の状態が変わる回数が3回、すなわちモータ5が1/2回転したかどうかを判定し、モータ5が1/2回転すれば起動制御を終了してステップ60へ進む。回転信号が3回入力されていなければ起動制御を継続し、ステップ56で起動開始から0.6秒経過していなければ、ステップ54の起動制御にもどるが、0.6秒経過していれば、何らかの異常とみなして、ステップ57へ進み、異常カウンタを+1する。
【0033】
ステップ58で異常カウンタが8となっていれば、位置検出手段11やインバータ回路20、モータ5の故障とみなして、ステップ59でモータ5の駆動を停止して異常報知を行う。異常報知の方法としては、表示手段16に数字表示器(報知手段)を設け、例えば『F12』と表示するようにして異常内容を使用者に知らせる。さらにブザーを吹鳴するようにして、確実に使用者に知らせるようにしてもよい。一方、ステップ58で異常カウンタが8に達していなければ、ステップ51にもどり、必要に応じて再度回転数を設定し、正転反転を切り換えるようにする。
【0034】
ステップ60では、起動制御からフィードバック制御(第2の回転制御方法)に切り換わる過程で、フィードバック制御を安定化させるために通電比の初期値を設定する。ステップ61では、モータ5の回転周期を検知して回転周期データを回転数データに変換し、モータ5が設定回転数になるようにスイッチング素子20a、20c、20eの通電比をフィードバック制御する。
【0035】
ステップ62では、モータ5の回転起動から1.6秒経過していなければステップ61にもどってフィードバック制御するようにし、1.6秒経過していればステップ63でいって、フィードバック制御の最後の通電比を記憶するようにし、そしてステップ64で1秒間モータ5をオフした後、ステップ65で洗濯時間が終了するまで繰り返し行う。
【0036】
ここで、ステップ54の起動制御において、ステップ63でフィードバック制御の最後の通電比を記憶するようにして、この記憶された通電比(Dcとする)を基準値として、(表2)に示すような起動開始からの経過時間毎の通電比で、インバータ回路20のスイッチング素子20a、20c、20eを制御するよう駆動回路19を駆動することにより、洗濯物の量に関係なくすみやかに設定回転数に到達させることが可能となる。
【0037】
【表2】
【0038】
図7は、モータ5の回転数フィードバック制御サブルーチンのフローチャートであり、ステップ70で、位置検出手段11a、11b、11cのいずれかの信号の状態が変わるまでの時間、すなわちモータ5の回転周期を検知し、ステップ71で回転周期データを回転数データに変換する。そしてステップ72で回転数の変化量ΔNを算出し、ステップ73で設定回転数Nsと現在の回転数Naiとの偏差Neを計算する。
【0039】
ステップ74で、変化量ΔNと偏差Neに基づき、スイッチング素子20a、20c、20eの通電比の操作量ΔDxを決定する。そしてステップ75で、モータ5の回転数が設定回転数になるように、現在出力中のスイッチング素子20a、20c、20eの通電比をΔDxだけ操作するよう駆動回路19を駆動する。
【0040】
このように本実施例では、モータ5の回転起動時に、モータ5が略半回転したことを検知して起動制御(第1の回転制御方法)からフィードバック制御(第2の回転制御方法)に切り換えるようにすることで、洗濯物の多い少ないにかかわらず、洗濯中の撹拌翼3の回転数のオーバーシュートを低くおさえることができ、水の飛び散りのない洗濯機とすることができる。また、位置検出手段11やパワースイッチング手段20a〜20f、モータ5等の故障を使用者に知らせることができ、安全性を向上できるとともに、使い勝手を向上することができる。
【0041】
なお、本実施例では、モータの駆動力をベルトを介して減速機構に伝え、撹拌翼または洗濯兼脱水槽を回転駆動する方式としたが、ベルトを介さずにダイレクトに減速機構に伝える方式でもよく、さらに減速機構無しでモータの駆動力をダイレクトに撹拌翼または洗濯兼脱水槽に伝える方式でもよい。
【0042】
(実施例2)
図1および図2、図3の構成において、インバータ回路20のスイッチング素子20a、20c、20eの通電比の操作量の決定を、設定回転数と現在の回転数の偏差と、回転数の変化量をファジィ推論器でファジィ推論することにより行う方法について、図8および図9を参照しながら説明する。
【0043】
ファジィ推論は「回転数偏差が正で小さく、回転数変化量がほぼ0ならば、通電比を正で少しだけ操作する」といったルールを基に行われる。回転数偏差が「正で小さい」とか、回転数変化量が「ほぼ0」とか、導通時間の操作量が「正で少し」といった定性的な概念は、図8の(a)〜(c)に示すようなメンバーシップ関数により定量的に表現される。
【0044】
図9はファジィ推論の構成であり、回転数偏差適合度演算手段30aでは、回転数偏差の入力値と回転数偏差に関するメンバーシップ関数の適合度を両者のMAXをとることにより求める。回転数変化量適合度演算手段30bでは、回転数変化量の入力値とメンバーシップ関数の適合度を同様に求める。前件部ミニマム演算手段30eでは、前記2つの適合度のMINをとり前件部の適合度とする。
【0045】
後件部ミニマム演算手段30gでは、この前件部適合度と後件部の導通時間操作量メンバーシップ関数のMINをとってそのルールの結論とする。全てのルールについて、それぞれの結論を求めた後、重心演算手段30iでは全結論のMAXをとり、その重心を計算することにより最終的にスイッチング素子20a、20c、20eの通電比の操作量が決まる。
【0046】
回転数偏差、回転数変化量および導通時間操作量に関するメンバーシップ関数は、それぞれ回転数偏差メンバーシップ関数記憶手段30c、回転数変化量メンバーシップ関数記憶手段30dおよび通電比操作量メンバーシップ関数記憶手段30を参照することにより得られる。また推論のルールは、通電比操作量推論ルール記憶手段30fを参照することにより得られる。
【0047】
なお、本実施例では、ファジィ推論をワンチップマイクロコンピュータで演算で行う方法について記載したが、これは演算の結果をワンチップマイクロコンピュータのROM上にテーブルとしてもつようにしても同等の効果がある。
【0048】
(実施例3)
図1および図2、図3の構成において、制御手段14は、図10に示すように、洗いの後に排水を行い、中間脱水、給水、すすぎ、排水を1サイクルとして複数回のすすぎ運転を行い、そして最後に脱水して洗濯運転を終了するようにしている。脱水運転は、洗濯兼脱水槽2をほぼ1000r/minで高速回転させて脱水する。そしてその回転起動時においては、モータ5に非常に大きいトルクがかかるために、モータ5の回転数上昇率を急にすると過大な電流がモータ5に流れて、故障の原因ともなりかねない。
【0049】
そこで、回転制御手段18は、(表3)に示すように、脱水時のモータ5の回転起動を洗濯時よりも緩やかになるように、スイッチング素子20a、20c、20eの通電比を緩やかに上昇させている。
【0050】
【表3】
【0051】
このように本発明によれば、モータ5の回転起動時に、脱水時は洗濯時よりも緩やかにモータ5の回転数が上昇するように、スイッチング素子20a、20c、20eの通電比を設定し、過大な電流が流れないようにモータ5を制御するので、安全性を向上することができる。
【0052】
(実施例4)
図1および図2、図3の構成において、図11に示されるように、入力設定手段15は、水位、洗い時間、すすぎ回数、脱水時間をそれぞれ個別に設定する水位スイッチ15a、洗いスイッチ15b、すすぎスイッチ15c、脱水スイッチ15d、洗濯行程での異なる洗い時間、すすぎ回数、脱水時間を有する「標準コース」、「弱洗いコース」、「ゴシゴシコース」などを設定するコース設定スイッチ15eと、動作のスタート・一時停止を入力するスタート・一時停止スイッチ15fと、電源スイッチ15gとで構成している。
【0053】
表示手段16は、水位スイッチ15a、洗いスイッチ15b、すすぎスイッチ15c、脱水スイッチ15dにより個別に設定された水位、洗い時間、すすぎ回数、脱水時間を表示する水位表示ランプ16a、洗い時間表示ランプ16b、すすぎ回数表示ランプ16c、脱水時間表示ランプ16dと、運転終了までの残時間を表示する残時間表示ランプ16eと、コース設定スイッチ15eにより設定されたコースを表示するコース表示ランプ16fとで構成している。
【0054】
そこで回転制御手段18は、設定された運転コースにより、(表4)に示すように、モータ5の回転起動時のスイッチング素子20a、20c、20eの通電比(%)を運転コース毎に変えるようにしている。
【0055】
【表4】
【0056】
このように本発明によれば、モータ5の回転起動時に、スイッチング素子20a、20c、20eの通電比を運転コース毎に変えるようにしているので、コース毎に撹拌翼3の回転起動時の回転数上昇率を変えることができ、水流の強さをコース毎に設定可能となり、使用勝手の良い洗濯機とすることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され正反転制御される撹拌翼または洗濯兼脱水槽を駆動するために洗濯兼脱水槽の底部に配設されたモータと、前記インバータ回路のパワースイッチング手段を駆動する駆動回路と、前記モータのロータの位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段からのデータに基づき前記パワースイッチング手段をオン・オフ制御するために前記駆動回路に制御信号を出力するとともに、前記モータまたは前記撹拌翼または洗濯兼脱水槽の回転数または回転角を検知して前記モータまたは前記撹拌翼または洗濯兼脱水槽を所定回転数に制御する回転制御手段を備え、前記回転制御手段は、前記モータまたは撹拌翼または洗濯兼脱水槽が前記位置検出手段により所定の回転角だけ回転したことを検知して、モータ起動からの経過時間に応じて徐々に増加したパワースイッチング手段の通電比を記憶する通電比記憶手段からの制御信号を前記駆動回路に出力する第1の回転制御方法から、前記位置検出手段からのデータに基づき前記モータまたは撹拌翼または洗濯兼脱水槽の回転数の変化量と設定回転数からの回転数偏差に基づいて通電比を設定する通電比設定手段からの制御信号を前記駆動回路に出力する第2の回転制御方法に切り換えるようにしたから、洗濯物の多い少ないにかかわらず、モータの回転起動時にオーバーシュートが小さく撹拌翼または洗濯兼脱水槽の回転数をすみやかに目標回転数に達することができ、また、目標回転数で安定した回転数制御が実現でき、洗濯物の量が比較的少ない場合でも水の飛び散りがなく、また洗濯物の量が多い場合でも所定の洗浄性能が得ることができる。
【0058】
また、請求項2に記載の発明によれば、使用者に異常を知らせる報知手段を備え、回転制御手段は、モータの起動時に所定時間経過しても第1の回転制御方法から第2の回転制御方法に切り換わらないことが複数回おこれば、異常と判断して前記報知手段により異常を報知するようにしたから、位置検出手段やパワースイッチング手段、モータ等の故障を使用者に知らせることができ、安全性および使い勝手を向上することができる。
【0059】
また、請求項3に記載の発明によれば、洗い、すすぎ、脱水の各行程の少なくとも1つ以上の行程を実行させる制御手段を備え、回転制御手段は、前記制御手段が実行している行程により、第1の回転制御方法の通電比を設定するようにしたから、洗濯および脱水でそれぞれ適切なモータの回転数制御を実現することができる。
【0060】
また、請求項4に記載の発明によれば、運転コース等を設定するための入力設定手段を備え、回転制御手段は、前記入力設定手段の設定に基づき、第1の回転制御方法の通電比を設定するようにしたから、使用者が強い水流のコースを設定した場合は、通電比を大きく設定して、モータ回転起動時の回転数上昇率を高くすることにより強い水流を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の洗濯機のブロック回路図
【図2】 同洗濯機の縦断面図
【図3】 同洗濯機のインバータ回路の動作タイミングチャート
【図4】 同洗濯機の回転制御手段のブロック回路図
【図5】 同洗濯機の洗濯時のモータの回転を示すタイミングチャート
【図6】 同洗濯機のフローチャート
【図7】 同洗濯機のフィードバック制御時のフローチャート
【図8】 本発明の第2の実施例の洗濯機のファジィ推論のメンバーシップ関数を示す図
【図9】 同洗濯機のファジィ推論器のブロック図
【図10】 本発明の第3の実施例の洗濯機の行程図
【図11】 本発明の第4の実施例の洗濯機の操作表示部の正面図
【符号の説明】
2 洗濯兼脱水槽(洗濯槽)
3 撹拌翼
5 モータ
11 位置検出手段
18 回転制御手段
19 駆動回路
20 インバータ回路
20a スイッチング素子(スイッチング手段)
20b スイッチング素子(スイッチング手段)
20c スイッチング素子(スイッチング手段)
20d スイッチング素子(スイッチング手段)
20e スイッチング素子(スイッチング手段)
20f スイッチング素子(スイッチング手段)
Claims (4)
- 直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され正反転制御される撹拌翼または洗濯兼脱水槽を駆動するために洗濯兼脱水槽の底部に配設されたモータと、前記インバータ回路のパワースイッチング手段を駆動する駆動回路と、前記モータのロータの位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段からのデータに基づき前記パワースイッチング手段をオン・オフ制御するために前記駆動回路に制御信号を出力するとともに、前記モータまたは前記撹拌翼または洗濯兼脱水槽の回転数または回転角を検知して前記モータまたは前記撹拌翼または洗濯兼脱水槽を所定回転数に制御する回転制御手段を備え、前記回転制御手段は、前記モータまたは撹拌翼または洗濯兼脱水槽が前記位置検出手段により所定の回転角だけ回転したことを検知して、モータ起動からの経過時間に応じて徐々に増加したパワースイッチング手段の通電比を記憶する通電比記憶手段からの制御信号を前記駆動回路に出力する第1の回転制御方法から、前記位置検出手段からのデータに基づき前記モータまたは撹拌翼または洗濯兼脱水槽の回転数の変化量と設定回転数からの回転数偏差に基づいて通電比を設定する通電比設定手段からの制御信号を前記駆動回路に出力する第2の回転制御方法に切り換えるようにした洗濯機。
- 使用者に異常を知らせる報知手段を備え、回転制御手段は、モータの起動時に所定時間経過しても第1の回転制御方法から第2の回転制御方法に切り換わらないことが複数回おこれば、異常と判断して前記報知手段により異常を報知するようにした請求項1記載の洗濯機。
- 洗い、すすぎ、脱水の各行程の少なくとも1つ以上の行程を実行させる制御手段を備え、回転制御手段は、前記制御手段が実行している行程により、第1の回転制御方法の通電比を設定するようにした請求項1記載の洗濯機。
- 運転コース等を設定するための入力設定手段を備え、回転制御手段は、前記入力設定手段の設定に基づき、第1の回転制御方法の通電比を設定するようにした請求項1記載の洗濯機。
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-
1997
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