第1の発明は、水平方向または傾斜方向に回転中心軸を有する回転ドラムと、洗濯機本体に弾性的に支持し前記回転ドラムを内包する水受け槽と、前記水受け槽内に給水する給水手段と、前記水受け槽内の水位を検知する水位検知手段と、前記回転ドラムを駆動するモータと、前記モータに電力を供給するスイッチング素子を有するインバータと、前記インバータの入力電流値を検知して電圧信号に変換するトルク検出手段と、前記インバータのスイッチング素子を制御して前記モータの駆動と前記給水手段と前記水位検知手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記水位検知手段で所定水位を検知するまで給水する給水行程と、前記回転ドラムを略静止状態から第1の所定回転数に徐々に立ち上げる布バランス行程と、略第1の所定回転数で前記電流検出手段により前記インバータの入力電流値を測定して布状態を判定する布状態判定行程と、第2の所定回転数に立ち上げて所定時間維持して予備洗浄を行う予備洗浄行程を順次行うようにしたものであり、予備洗浄行程にて回転ドラムの回転数を第2の所定回転数に立ち上げて所定時間維持することにより、水受け槽内に給水された洗剤を含む水は回転ドラムの回転方向に水流が発生し、水受け槽内の水は少ない給水量中に洗剤を含むため溶解した高濃度の洗濯液となって、水受け槽から回転ドラムの開口部を通して回転ドラム内に入り、回転ドラムの回転により撹拌されている洗濯物に満遍なく付着する。この高濃度の洗濯液が付着した洗濯物には高濃度の洗剤液が浸透して洗浄力の高い状態になるため、予備洗浄行程後の洗濯動作での洗浄性能を向上することができるとともに、予備洗浄行程にて高濃度の洗濯液を生成し洗濯物に浸透させるとき、布状態が良好な場合、すなわち回転ドラム内に洗濯物が張り付いてバランス状態が良好な場合のみ予備洗浄行程を行うので、振動、騒音がなく、安全に動作することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、制御手段は、給水行程において回転ドラムを第3の所定回転数で回転させながら給水するようにしたものであり、洗濯物全体が均一に洗濯液に濡れた状態となるので、回転ドラムを第1の回転数および第2の回転数に立ち上げたときの洗濯物のバランスをよくすることができる。
第3の発明は、上記第1の発明において、制御手段は、給水行程における回転ドラムの回転方向を布バランス行程以降の回転ドラムの回転方向とは逆方向としたものであり、洗濯物を一方向だけに回転させることによる布からみを抑制することができ、回転ドラムを第1の回転数および第2の回転数に立ち上げたときの洗濯物のバランスをよくすることができる。
第4の発明は、上記第1の発明において、制御手段は、布状態判定行程で布状態が悪いと判定したときに、布バランス行程からやり直すようにしたものであり、回転ドラムを一旦静止させ、再度布バランス行程で洗濯物を回転ドラムの内壁に徐々に張り付かせることで布状態を変えることができ、布状態が良好な場合、すなわち回転ドラム内に洗濯物が張り付いてバランス状態が良好な場合のみ洗濯物に高濃度の洗剤液を浸透させる予備洗浄行程を行うことができるので、洗濯物のアンバランスによる回転ドラムや水受け槽の異常振動をなくすことができ、製品の安全性を向上することができる。
第5の発明は、上記第4の発明において、制御手段は、布バランス判定行程で布状態が悪いと判定した回数が所定回数に達すれば予備洗浄行程を行わないようにしたものであり、布バランス行程を所定回数行っても洗濯物のバランス状態が改善されない場合に限り、予備洗浄行程を行わずに以降の洗濯行程を行うようにすることができ、洗濯時間が無意味に長くなりすぎて使用者が不満に感じる等の不具合をなくすことができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図2に示すように、回転ドラム1は、有底円筒形に形成し外周部に多数の通水孔2を全面に設け、水受け槽3内に回転自在に配設している。回転ドラム1の回転中心に傾斜方向に回転軸(回転中心軸)4を設け、回転ドラム1の軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設している。この回転軸4に、水受け槽3の背面に取り付けたモータ5を連結し、回転ドラム1を正転、逆転方向に回転駆動する。回転ドラム1の内壁面に数個の突起板6を設けている。
水受け槽3の正面側の上向き傾斜面に設けた開口部を蓋体7により開閉自在に覆い、この蓋体7を開くことにより衣類出入口8を通して回転ドラム1内に洗濯物を出し入れできるようにしている。蓋体7を上向き傾斜面に設けているため、洗濯物を出し入れする際、腰を屈めることなく行うことができる。
水受け槽3は洗濯機本体9よりばね体(図示せず)で揺動可能に吊り下げており、水受け槽3の下部に排水経路10の一端を接続し、排水経路10の他端を排水弁11に接続して水受け槽3内の洗濯水を排水するようにしている。給水弁12は給水経路13を通して水受け槽3内に水を給水するものである。
なお、本実施の形態では、回転ドラム1の回転中心に傾斜方向に回転軸4を設け、回転ドラム1の軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設しているが、回転ドラム1の回転中心に水平方向に回転軸4を設け、回転ドラム1の軸心方向を水平方向に配設してもよい。
制御装置15は、図1に示すように構成しており、モータ5、排水弁11、給水弁12などの動作を制御し、洗濯、すすぎ、脱水の一連の行程を逐次制御するマイクロコンピュータからなる制御手段16を有している。制御手段16は、運転コース等を設定するための入力設定手段17からの情報を入力して、その情報を基に表示手段18で表示して使用者に知らせるとともに、入力設定手段17により運転開始が設定されると、水受け槽3内の水位を検知する水位検知手段19等からのデータを入力して負荷駆動手段20を介して、排水弁11、給水弁12などの動作を制御し、洗濯運転を行う。
このとき、制御手段16は、モータ5のロータの位置を検出する位置検出手段21からの情報に基づいて、駆動回路22を介してインバータ23を制御することによりモータ5を回転制御するようにしている。モータ5は直流ブラシレスモータで、図示していないが、3相巻線を有するステータと、リング上に2極の永久磁石を配設しているロータとで構成し、ステータは3相巻線を構成する第1の巻線5a、第2の巻線5b、第3の巻線5cをスロットを設けた鉄心に巻き付けて構成している。
インバータ23は、パワートランジスタ(IGBT)と逆導通ダイオードの並列回路からなるスイッチング素子で構成している。第1のスイッチング素子23aと第2のスイッチング素子23bの直列回路と、第3のスイッチング素子23cと第4のスイッチング素子23dの直列回路と、第5のスイッチング素子23eと第6のスイッチング素子23fの直列回路で構成し、各スイッチング素子の直列回路は並列接続している。
ここで、スイッチング素子の直列回路の両端は入力端子で、直流電源を接続し、スイッチング素子の直列回路を構成する2つのスイッチング素子の接続点に、それぞれ出力端子を接続している。出力端子は、3相巻線のU端子、V端子、W端子に接続し、スイッチング素子の直列回路を構成する2つのスイッチング素子のオン・オフの組合せにより、U端子、V端子、W端子をそれぞれ正電圧、零電圧、解放の3状態にする。
スイッチング素子のオン・オフは、ホールICからなる3つの位置検出手段21a、21b、21cからの情報に基づいて制御手段16により制御される。位置検出手段21a、21b、21cは電気角で120度の間隔でロータが有する永久磁石に対向するように、ステータに配設されている。
ロータが1回転する間に、3つの位置検出手段21a、21b、21cは、それぞれ電気角で120度の間隔でパルスを出力する。制御手段16は、3つの位置検出手段21a、21b、21cのいずれかの信号の状態が変わったときを検知し、位置検出手段21a、21b、21cの信号を基に、スイッチング素子23a〜23fのオン・オフ状態を変えていくことで、U端子、V端子、W端子を正電圧、零電圧、解放の3状態にし、ステータの第1の巻線5a、第2の巻線5b、第3の巻線5cに通電して磁界を作り、ロータを回転させるよう構成している。
また、スイッチング素子23a、23c、23eはそれぞれパルス幅変調(PWM)制御され、例えば、繰り返し周波数10kHzでハイ、ローの通電比を制御することで、ロータの回転数を制御するようにしてあり、制御手段16は、3つの位置検出手段21a、21b、21cのいずれかの信号の状態が変わるたびにその周期を検出し、その周期よりロータの回転数を算出して、設定回転数になるようにスイッチング素子23a、23c、23eをPWM制御する。
電流検出手段26は、インバータ23の一方の入力端子に接続した抵抗25に流れる電流値を検知して電圧信号に変換し、その電圧信号を制御手段16に入力している。また、制御手段16は入力した電圧信号をA/D変換してデジタルデータとして演算処理している。
ここで、抵抗25に流れる電流はモータ5に流れる電流と等価であり、一般的にモータ5に流れる電流はモータ5にかかるトルクと比例関係にあるので、制御手段16は電流検出手段26からの電圧信号を入力することにより、モータ5にかかるトルクを検出することができる。
布量検知手段27は、回転ドラム1内の洗濯物の量を検知するもので、回転ドラム1を所定回転数(例えば、200r/min)に立ち上げるときの電流検出手段26からの信号により回転ドラム1内の洗濯物の量を検知するようにしている。
商用電源28は、ダイオードブリッジ29、チョークコイル30、平滑用コンデンサ31からなる直流電源変換装置を介して、インバータ23に接続している。ただし、これは一例であり、直流ブラシレスモータ5の構成、インバータ23の構成等は、これに限定されるものではない。
入力設定手段17は、図5に示すように、洗い時間を設定する洗い時間設定スイッチ17a、すすぎ回数を設定するすすぎ回数設定スイッチ17b、脱水時間を設定する脱水時間設定スイッチ17c、コース設定スイッチ17d、スタート・一時停止スイッチ17e、電源入りスイッチ17f、電源切りスイッチ17gなどを有し、表示手段18は、洗い時間表示部18a、すすぎ回数表示部18b、脱水時間表示部18c、コース設定表示部18d、洗剤量表示部18e、残り時間表示部18f、数字表示部18gなどを有している。
ここで、制御手段16は、水位検知手段19で所定水位(例えば、水柱100mm)を検知するまで給水する給水行程と、回転ドラム1を略静止状態から第1の所定回転数(例えば、90r/min)に徐々に立ち上げる布バランス行程と、略第1の所定回転数で布状態を判定する布状態判定行程と、第2の所定回転数(例えば、150r/min)に立ち上げて所定時間維持して予備洗浄を行う予備洗浄行程を順次行うようにしている。
また、制御手段16は、給水行程において回転ドラム1を第3の所定回転数(例えば、35r/min)で回転させながら給水するようにし、給水行程における回転ドラム1の回転方向を布バランス行程以降の回転ドラム1の回転方向とは逆方向としている。
また、制御手段16は、布状態判定行程で布状態が悪いと判定したときに、布バランス行程からやり直すようにし、布状態判定行程で布状態が悪いと判定した回数が所定回数(例えば、4回)に達すれば予備洗浄行程を行わないようにしている。
上記構成において図6を参照しながら動作を説明する。回転ドラム1内に洗濯物を投入し、電源入りスイッチ17fをオンし、コース設定スイッチ17dにより洗濯物の種類に応じて運転コースを選択入力した後、スタート・一時停止スイッチ17eをオンして動作を開始すると、最初に、制御手段16は回転ドラム1を回転させて、布量検知手段27により回転ドラム1内の洗濯物の量を検知する。そして、検知した洗濯物の量に応じて、洗剤量を洗剤量表示部18eと数字表示部18gに表示する。表示された洗剤量を給水経路13に設けた洗剤投入口(図示せず)に投入し、その後、終了までの残時間を残り時間表示部18fと数字表示部18gに表示する。
ついで、図6のステップ100にて洗濯行程を開始し、ステップ101にてデータの初期化(N=1)を行った後、ステップ102にてモータ5を駆動して回転ドラム1を第3の所定回転数(35r/min)で反転方向に回転させながら、ステップ103にて給水弁12をオンし、給水経路13を通して洗剤投入口より投入した洗剤を溶かしながら水受け槽3内に給水する。
このとき、同時に、回転ドラム1は第3の所定回転数で回転しているので、回転ドラム1内の洗濯物は、回転ドラム1の内壁面に設けた突起板6により、回転方向に持ち上げられ、回転に伴う慣性や遠心力よりも自重が勝る高さ位置に移動したとき回転ドラム1の下方内周面上に落下する。一方、水受け槽3内に給水された水は、回転ドラム1の外周部に設けた多数の通水孔2から回転ドラム1内にも侵入する。したがって、第3の所定回転数で回転する回転ドラム1によって持ち上げられて落下する挙動が繰り返される洗濯物は落下した際に水に満遍なく濡れた状態となる。
ついで、ステップ104にて水位検知手段19により検知した水位が所定水位(水柱100mm)になるとステップ105に進み、給水弁12をオフして給水を止めるとともに、回転ドラム1を停止する。なお、このときの所定水位は、洗濯動作を実施する水位より低い水位とする。
その後、ステップ106にてバランス行程に入り、回転ドラム1を正転させて略静止状態から第1の所定回転数(90r/min)に徐々に立ち上げる。すなわち、回転ドラム1を略静止状態から第1の所定回転数(90r/min)まで徐々に加速することにより、洗濯物に作用する重力よりも遠心力が大きくなるようにして、洗濯物を回転ドラム1内に張り付かせる。例えば、最初の5秒間は回転ドラム1の回転数を35r/min一定に制御した後、毎秒3r/minずつ加速して回転ドラム1の回転数を90r/minに制御する。
ここで、ドラム内の布状態として、布がドラム内に均一に張り付いている場合、または張り付いていなくてもドラム内で布がバランス良くばらけている場合など、布バラツキ状態が良い場合は回転モータ電流が低くなるが、布が張り付かず片寄っている場合は突起板に布が当たるため負荷がかかり、モータにかかるトルクが大きくなって電流値は高くなる。この状態で第2の所定回転数(150r/min)に上げると、布は片寄った状態でドラム内に張り付くために、バランスが悪くなり、振動、騒音が発生し、不安全な状態になる。これを防ぐために、例えば、しきい値の電流を「I」とし、ステップ107での布状態判定行程にて「I」以上と判断した場合は、布が回転ドラム1内に張り付いていないとみなしてステップ109を通りステップ110にて回転ドラム1を停止し、ステップ111にてNに1を加えてステップ106に戻り、布バランス行程からやり直すようにする。
ついで、ステップ108で、略第1の所定回転数(90r/min)で回転ドラム1内の洗濯物のバランス状態を判定する。すなわち、回転ドラム1の回転数を90r/min一定に保てる程度にモータ5に印加する電圧を固定した状態で回転数の変動を測定し、回転数の変動が大きいときは洗濯物の張り付き状態が悪く、バランス状態が悪いと判定する。
ステップ108にて、洗濯物の張り付きが悪いと判定すると、ステップ109を通りステップ110にて回転ドラム1を停止し、ステップ111にてNに1を加えてステップ106に戻り、布バランス行程からやり直すようにし、ステップ106からステップ111の動作を繰り返す。
ここで、洗濯物が張り付いていないか、もしくは洗濯物の張り付きが悪いと判定した回数が所定回数(4回)に達すると、すなわち、ステップ109にてN=4になると、ステップ115に進み、回転ドラム1を停止させ、予備洗浄行程を行わないようにする。
ステップ108にて、洗濯物の張り付きが良いと判定すると、予備洗浄行程に入り、ステップ112にて回転ドラム1の回転数を第2の所定回転数(150r/min)に立ち上げ、ステップ113にてタイマーをクリアし、ステップ114にて所定時間(1分)維持する。
給水行程中にドラム1内の洗濯物に水を満遍なく染込ませるために、第3の所定回転数は比較的低回転に設定し、以上のことから第1〜第3の所定回転数の大小関係は、第2>第1>第3としてある。
図3、図4に予備洗浄行程における回転ドラム1の回転数と入力電流の電圧変換値の関係を示す。図3は回転ドラム1に洗濯物が良く張り付いてバランスも良い場合で、例えば回転数が90r/minに安定している運転40秒後の入力電流の電圧換算値「a」は0.3Vと低くなる。図4は回転ドラム1への洗濯物の張り付きが悪い場合で、回転数が90r/minに安定している運転40秒後の入力電流の電圧換算値「b」は、回転ドラム1内の突起板6に洗濯物が当たり、回転数が低下するのを防ぐために入力電流が増え、電圧換算値が約1.3Vと高くなる。例えば、張り付きの良い場合と悪い場合のしきい値としてステップ107の電流値「I」を1Vに設定することにより、1Vより低い場合は洗濯物の張り付きが良くて、1V以上の場合は洗濯物が張り付きが悪いと判定する。
図4に示す様な洗濯物の張り付きが悪い状態は、洗濯物が少量の場合に発生しやすく、突起板に洗濯物が引っかからないために起こる。図4に示す様に、50秒後の入力電流の電圧換算値が2Vに跳ね上がっているのは、ドラムの回転数が140r/minに向けて上昇中に少量の洗濯物が突然張り付いたためにバランスが悪くなったためである。
予備洗浄行程では、水受け槽2内に、洗濯動作を実施する水位より低い所定水位まで給水し、回転ドラム1を第2の所定回転数(150r/min)で回転させるので、水受け槽3内に給水された洗剤を含む洗濯液は回転ドラム1の回転方向に水流が発生する。水受け槽3内の水は少ない給水量中に洗剤を含むため高濃度の洗濯液となった状態となる。
高濃度の洗濯液は水受け槽3内に充満して上昇し、開放されている正面側の開口部から回転ドラム1内に次々と入り洗濯物に付着する。第2の所定回転数で回転する回転ドラム1の内周面には洗濯物が張りついた状態にあり、回転ドラム1の中央に空いた空間に高濃度の洗濯液が入りやすく、洗濯物に付着する。洗濯物は先の第3の所定回転数(35r/min)で回転ドラム1が回転駆動されたことによって満遍なく水に濡れた状態にあり、これに高濃度の洗濯液が付着すると洗濯物の内部に洗剤成分が浸透しやすくなる。
高濃度の洗濯液を汚れた洗濯物の表面あるいは内部に浸透させると、親油基が油汚れおよび油に付着した粒子汚れに結合して持ち去ることになる。このように泡立てた高濃度の洗濯液を回転ドラム1内の洗濯物に付着浸透させることにより、汚れに洗剤成分が作用しやすくなり、高濃度の洗濯液が染み込みやすくなって洗いむらが抑制され、洗浄力が向上すると同時に洗濯時間を短縮することができる。
ステップ114にて所定時間(1分)が経過するとステップ115に進み、回転ドラム1の回転を停止し、ステップ116にて次行程に進む。
以上のように、本実施の形態においては、制御手段16は、水位検知手段19で所定水位を検知するまで給水する給水行程と、回転ドラム1を略静止状態から第1の所定回転数に徐々に立ち上げる布バランス行程と、略第1の所定回転数で布状態を判定する布状態判定行程と、第2の所定回転数に立ち上げて所定時間維持して予備洗浄を行う予備洗浄行程を順次行うようにしたので、予備洗浄行程にて、溶解した高濃度の洗濯液を回転ドラム内の洗濯物に浸透させることで洗浄性能を向上することができるとともに、予備洗浄行程にて高濃度の洗濯液を生成し洗濯物に浸透させるとき、布バランスが良好な場合のみ予備洗浄行程を行うので、振動、騒音がなく、安全に動作することができる。
また、制御手段16は、給水行程において回転ドラム1を第3の所定回転数で回転させながら給水するようにしたので、洗濯物全体が均一に洗濯液に濡れた状態となるので、回転ドラム1を第1の回転数および第2の回転数に立ち上げたときの洗濯物のバランスをよくすることができる。
また、制御手段16は、給水行程における回転ドラム1の回転方向を布バランス行程以降の回転ドラム1の回転方向とは逆方向としたので、洗濯物を一方向だけに回転させることによる布からみを抑制することができ、回転ドラム1を第1の回転数および第2の回転数に立ち上げたときの洗濯物のバランスをよくすることができる。
また、制御手段16は、布状態判定行程で布の張り付き状態が悪いと判定したときに、布バランス行程からやり直すようにしたので、回転ドラム1を一旦静止させることにより洗濯物を剥した後に、再度布バランス行程で洗濯物を回転ドラムの内壁に徐々に張り付かせることで布バランス状態を変えることができ、布バランスが良好な場合のみ洗濯物に高濃度の洗剤液を浸透させる予備洗浄行程を行うことができるので、洗濯物のアンバランスによる回転ドラム1や水受け槽3の異常振動をなくすことができ、製品の安全性を向上することができる。
また、制御手段16は、布状態判定行程で布の張り付き状態が悪いと判定した回数が所定回数に達すれば予備洗浄行程を行わないようにしたので、布バランス行程を所定回数行っても洗濯物のバランス状態が改善されない場合に限り、予備洗浄行程を行わずに以降の洗濯行程を行うようにすることができ、洗濯時間が無意味に長くなりすぎて使用者が不満に感じる等の不具合をなくすことができる。
なお、本実施の形態では、回転ドラム1内の洗濯物を乾燥する乾燥機能を有していないが、水受け槽3内に温風を送風して乾燥させる機能を有するようにしてもよく、同様の作用、効果を得ることができる。