第1の発明は、略水平または斜めの回転中心軸を有する回転ドラムと、前記回転ドラムを内包する水受け槽と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記モータに流れる電流を検知する電流検知手段と、前記モータ等を制御し、一連の洗濯動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記回転ドラムの回転時において、前記回転ドラムの回転周期以上の時間毎に、前記電流検知手段が検知する前記モータの電流の平均値と変動幅を計算することにより、前記回転ドラム内の洗濯物の状態を検知する洗濯物状態検知行程を実行可能とし、前記洗濯物状態検知行程において、前記モータの電流の平均値が第3の所定値以下で、かつ前記モータの電流の変動幅が第1の所定値以下のとき、前記回転ドラム内で洗濯物が浮いて空回り状態であると判定するもので、回転ドラム内の洗濯物の状態、すなわち、回転ドラム内の突起板で持ち上げられて上方で自重により落下するいわゆるたたき洗いをしているかどうかを正確に検知することができ、例えば、回転ドラム内の洗濯物が洗濯水に浮いて、機械力が正しく加えられていない状態と判定した時に、所定量の洗濯水を排水し、洗濯水量を減らすようにすれば、洗濯物の量、あるいは、布質に応じた最適な洗濯運転を実行することができ、洗濯物の汚れを確実に落とすことができる。
さらに、洗濯物状態検知行程において、モータに流れる電流値の平均値と変動幅との両方により、回転ドラム内の洗濯物の状態を検知しているので、回転ドラム内の洗濯物の回転状態をより正確に検知し、それにふさわしい洗濯を行うことができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の制御手段は、回転ドラムを一定回転数に制御したときに、洗濯物状態検知行程を実行するようにしたもので、回転ドラム内の洗濯物の状態を安定させた状態で、洗濯物の状態を検知することができるので、洗濯物が正常に回転しているか、洗濯水に浮いて空回りしているかを精度良く判定することができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の制御手段は、洗濯物状態検知行程において、変動幅の計算を複数回行い、前記複数個の変動幅のうち、第1の所定値以下の頻度が第2の所定値以上のとき、回転ドラム内で洗濯物が浮いて空回り状態であると判定するようにしたもので、洗濯物の種類や量、洗濯水の量、洗濯物の状態により、洗濯物が浮いたり、正常に回転したりを繰り返す場合など常に変化している場合において、複数回の変動幅の計算による複数個の変動幅から、洗濯物の状態を検知するので、精度良く洗濯物の状態を検知できる。
第4の発明は、特に、第1〜3いずれか1つの発明の制御手段は、制御手段は、洗い動作を開始してから所定時間後に、洗濯物状態検知行程を実行するようにしたもので、洗濯物の種類によっては繊維の中まで水が浸透するのに時間がかかるものがあり、洗濯初期は浮いている状態でも、徐々に洗濯水を含み重量が増えて正常に回転し始めるものもあり、特に、新しい洗濯物では水をはじきやすくなっており、洗濯水が浸透するのに時間がかかるので、洗濯動作を始めて所定時間後に、回転ドラム内の洗濯物の回転状態を検知することにより、誤判定を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態における洗濯機について、図1〜図9を用いて説明する。
図1は、本実施の形態における洗濯機の概略断面図である。図1において、洗濯機本体9は、水受け槽3と、その水受け槽3内に回転自在に配され回転ドラム1を内蔵している。回転ドラム1は、有底円筒形に形成され外周全面に多数の通水孔2を有している。回転ドラム1の回転中心に略傾斜方向に回転軸(回転中心軸)4を設け、回転ドラム1の軸心
方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設している。この回転軸4に、水受け槽3の背面に取り付けたモータ5を連結し、回転ドラム1を正転、逆転方向に回転駆動するようにしている。回転ドラム1の内壁面に複数個の突起板6を設けている。
水受け槽3の正面側の上向き傾斜面に設けた開口部3aを蓋体7により開閉自在に覆い、この蓋体7を開くことにより洗濯物出入口8を介して回転ドラム1内に洗濯物を出し入れできるようにしている。蓋体7を上向き傾斜面に設けているため、洗濯物の出し入れは、腰を屈めることなく行うことができる。
水受け槽3は、洗濯機本体9よりばね体(図示せず)で揺動可能に吊り下げられており、水受け槽3の下部に排水経路10の一端を接続し、排水経路10の他端を排水弁(排水手段)11に接続して水受け槽3内の洗濯水を排水するようにしている。給水弁(給水手段)12は給水経路13を通して水受け槽3内に水を給水するためのものである。
なお、本実施の形態では、回転ドラム1の回転中心に略傾斜方向に回転軸4を設け、回転ドラム1の軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設しているが、回転ドラム1の回転中心に略水平方向に回転軸4を設け、回転ドラム1の軸心方向を略水平方向に配設してもよい。
次に、各電気部品を制御する制御装置14について、回路図を示す図2を用いて説明する。図2において、制御装置14は、モータ5、排水弁11、給水弁12などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水の一連の行程を逐次制御するマイクロコンピュータからなる制御手段15を有している。制御手段15は、運転コース等を設定するための入力設定手段16からの情報が入力され、その情報を基に表示手段17で表示して使用者に知らせるとともに、入力設定手段16により運転開始が設定されると、水受け槽3内の水位を検知する水位検知手段18等からのデータを受けて、スイッチング手段駆動回路19を介してスイッチング手段20を制御し、排水弁11、給水弁12などの動作を制御し、洗濯運転を行う。
このとき、制御手段15は、モータ5のロータ(図示せず)の位置を検出する位置検出手段21からの情報に基づいて、インバータ駆動回路22を介してインバータ23を制御することによりモータ5を回転制御するようにしている。モータ5は直流ブラシレスモータで、図示していないが、3相巻線を有するステータと、リング上に2極の永久磁石を配設しているロータとで構成し、ステータは、3相巻線を構成する第1の巻線5a、第2の巻線5b、第3の巻線5cをスロットを設けた鉄心に巻き付けて構成している。
インバータ23は、パワートランジスタ(IGBT)と逆導通ダイオードの並列回路からなるスイッチング素子で構成している。第1のスイッチング素子23aと第2のスイッチング素子23bの直列回路と、第3のスイッチング素子23cと第4のスイッチング素子23dの直列回路と、第5のスイッチング素子23eと第6のスイッチング素子23fの直列回路で構成し、各スイッチング素子の直列回路は並列接続されている。
ここで、各スイッチング素子の直列回路の両端は入力端子で直流電源が接続され、各スイッチング素子の直列回路を構成する2つのスイッチング素子の接続点に、それぞれ出力端子を接続している。出力端子は、3相巻線のU端子、V端子、W端子の夫々に接続され、スイッチング素子の直列回路を構成する2つのスイッチング素子のオン・オフの組合せにより、U端子、V端子、W端子をそれぞれ正電圧、零電圧、解放の3状態にする。
スイッチング素子のオン・オフは、ホールICからなる3つの位置検出手段21a、21b、21cからの情報に基づいて制御手段15により制御される。位置検出手段21a
、21b、21cは電気角で120度の間隔でロータが有する永久磁石に対向するように、ステータに配設されている。
ロータが1回転する間に、3つの位置検出手段21a、21b、21cは、それぞれ電気角で120度の間隔でパルスを出力する。制御手段15は、3つの位置検出手段21a、21b、21cのいずれかの信号の状態が変わったときを検知し、位置検出手段21a、21b、21cの信号を基に、スイッチング素子23a〜23fのオン・オフ状態を変えていくことで、U端子、V端子、W端子を正電圧、零電圧、解放の3状態にし、ステータの第1の巻線5a、第2の巻線5b、第3の巻線5cに通電して磁界を作り、ロータを回転させるようにしている。
また、スイッチング素子23a、23c、23eはそれぞれパルス幅変調(PWM)制御され、例えば、繰り返し周波数10kHzでハイ、ローの通電比を制御することで、ロータの回転数を制御するようにしてあり、制御手段15は、3つの位置検出手段21a、21b、21cのいずれかの信号の状態が変わるたびにその周期を検出し、その周期よりロータの回転数を算出して、設定回転数になるようにスイッチング素子23a、23c、23eをPWM制御する。
電流検知手段24は、インバータ23の一方の入力端子に接続した抵抗25と、この抵抗25に接続した電流検知回路26とで構成され、インバータ23の入力電流、すなわちモータ5の電流を検知して、それを電圧信号に変換し、その電圧信号を制御手段15に入力している。また、制御手段15は、入力した電圧信号をA/D変換してデジタルデータとして演算処理し、モータ5を制御するようにしている。
モータ5が直流ブラシレスモータの場合は、トルクは入力電流にほぼ比例するので、抵抗25に接続した電流検知回路26により、インバータ23の入力電流値を検知することで、モータ5のトルクを検知することができる。
布量検知手段27は、回転ドラム1内の洗濯物の量を検知するもので、回転ドラム1を所定回転数(例えば、200r/min)に立ち上げるときの電流検知手段24からの信号により回転ドラム1内の洗濯物の量を検知するようにしている。
商用電源28は、ダイオードブリッジ29、チョークコイル30、平滑用コンデンサ31からなる直流電源変換装置を介して、インバータ23に接続している。ただし、これは一例であり、直流ブラシレスモータ5の構成、インバータ23の構成等は、これに限定されるものではない。
次に、図3を用いて、入力設定手段16、表示手段17の一例について説明する。図3に示すように、入力設定手段16として、洗い時間を設定する洗い時間設定スイッチ16a、すすぎ回数を設定するすすぎ回数設定スイッチ16b、脱水時間を設定する脱水時間設定スイッチ16c、コース設定スイッチ16d、スタート・一時停止スイッチ16e、電源入りスイッチ16f、電源切りスイッチ16gなどを有し、表示手段17は、洗い時間表示部17a、すすぎ回数表示部17b、脱水時間表示部17c、コース設定表示部17d、洗剤量表示部17e、残り時間表示部17f、数字表示部17gなどを有している。
上記構成において図4〜図9を参照しながら動作を説明する。図4において、回転ドラム1内に洗濯物を投入し、電源入りスイッチ16fをオンし、コース設定スイッチ16dにより洗濯物の種類に応じて運転コースを選択入力した後、ステップ100で、スタート・一時停止スイッチ16eをオンして動作を開始する。
最初に、ステップ101で、制御手段15は、回転ドラム1を回転させて、布量検知手段27により回転ドラム1内の洗濯物の量を検知する。
次に、ステップ102で、検知した布量を2kg毎に、ランク0〜4まで設定する。例えば、0〜2kgをランク0、2〜4kgをランク1、4〜6kgをランク2、6〜8kgをランク3とする。そして、検知した洗濯物の量に応じて、洗剤量を洗剤量表示部17eと数字表示部17gに表示するとともに、洗い行程における水受け槽3内に給水する水量(水位で制御)を、表1のように、検知した洗濯物の量に応じて設定する。なお、給水量は、回転ドラム1の最下点からの高さを示している。すなわち、布量が多いと検知した場合は、より多くの洗濯水で洗い動作を行うほうが、汚れが落ちやすく、また、布量が少ないと検知した場合は、少ない洗濯水で洗い動作しても、汚れは落ちるのでこのような水位設定にしている。
次に、ステップ103から、洗い行程を開始する。ステップ103で、給水弁12をオンして、検知した洗濯物の量に応じた水位まで、水受け槽3内に洗濯水を給水する。布量が多い場合は、水位を高く、少ない場合は低い水位を設定する。ステップ104で、モータ5を駆動して回転ドラム1を回転させ、洗い動作を開始する。洗い動作中は、モータ5を図5に示すようなタイミングチャートで左右駆動し、回転ドラム1を回転させる。このとき、洗濯物に、回転力、摩擦力を加えることにより、洗濯物に付着した汚れを落とす洗い動作となる。
次に、ステップ105で、モータの起動を開始する。このとき、ステップ106で洗濯物の洗い動作が開始されてから3分間経過したかどうか判定する。洗濯物の種類によっては繊維の中まで水が浸透するのに時間がかかるものがあり、洗濯初期は浮いている状態でも、徐々に洗濯水を含み重量が増えて正常に回り始めるものもある。特に、新しい洗濯物では水をはじきやすくなっているので、洗濯水が浸透するのに時間がかかる。よって、洗濯動作を始めて第1の所定時間後(例えば3分後)であれば、洗濯物の浮きによる空回りを検知する行程である洗濯物状態検知行程を実行する。一方、洗濯動作を始めて第1の所定時間後(例えば3分後)でなければ、洗濯物状態検知行程をとばし、ステップ115に進む。
ここで、モータ5の回転中、起動からの経過時間と、モータ5に流れる電流値との関係を図6に示す。図6(a)は、洗濯物が正常に回転している場合の起動からの経過時間とモータ5に流れる電流値との関係図、図6(b)は、洗濯物が空回りしている場合の起動からの経過時間とモータ5に流れる電流値との関係図である。図6(a)、(b)ともに
、モータ5の起動時は、モータ5を定常回転状態で回転させる時よりも、より大きいトルク(起動トルク)が必要なためより多くの電流が流れる。したがって、起動から第2の所定時間(例えば3秒)は、起動制御中であり、モータ5に多くの電流が流れる。
すなわち、以下、洗濯物状態検知行程においては、まず、ステップ107で起動開始から第2の所定時間(例えば3秒)経過したかを判定し、第2の所定時間経過したら、ステップ108に進む。このとき、モータ5に流れる電流にはオーバーシュートがあり、電流が落ち着くまでには第2の所定時間必要である。このオーバーシュートの大きさと時間は、モータ5の起動制御方法により異なり、電流が落ち着くまでの第2の所定時間も起動制御の方法で変化するので、ステップ108では、第2の所定時間で判断せず、回転ドラム1の平均回転数が30±3r/minになっているか否かを判断する。
このとき、洗濯物は回転ドラム1の回転に同期して回転するため、モータ5の電流も回転ドラム1の回転数に同期して増減する。回転ドラム1の回転数が不安定であったり、変動していると、回転ドラム1内の洗濯物の動きも一定にならず、回転したり滑ったりして、一様の動きをしないので、洗濯物の状態が検知しにくくなる。
また、制御手段15が回転ドラム1を30r/minに制御していても、洗濯物の量や起動制御の方法により、安定して30r/minで回転するまで時間がかかることがある。特に起動時に大きなトルクにより回転ドラム1を回転させると、オーバーシュートをして回転数が高くなり、その反動として回転数を低く制御してしまうと、偏りの大きい洗濯物など(トレーナーなど)、回転ドラムの回転数が一時的に下がってしまう。よって、制御手段15は回転ドラム1の回転数の平均が30r/minになってから、すなわち回転数が安定してから、洗濯物の浮きによる空回りを検知するようにしているので、正確に洗濯物の状態を検知することができる。
次に、ステップ109で、図6に示す、モータ5に流れる電流値の電流振幅A(Imo_amp)を検出する。回転ドラム1の回転周期に応じて、モータ5に流れる電流値も同期して(1回転すれば、洗濯物は元の状態に戻る)変化するので、回転ドラム1が1回転する時間以上(例えば30r/min時は2秒以上)のモータ電流値の最大値と最小値の差により回転ドラム1内の洗濯物の回転状態を判断するようにする。
以下、電流振幅A(Imo_amp)の検出方法を図7のフローチャートで説明する。図7において、ステップ120でモータ5の電流を検知するタイミングであるか否かを判定する。例えば、0.1秒毎に検知するとしたら、前回の検知から0.1秒経過したかを判定し、0.1秒経過したと判定した場合は、ステップ121に進み電流を検知する。0.1秒経過以前は、今回は電流検知しないとしてステップ128に進み、このサブルーチンを終了する。
次に、ステップ121で、電流検知手段24が検知するモータ5の電流値に相当する電圧信号を制御手段15に入力し、制御手段15は、この入力電圧信号よりモータ電流値Imoを求める。ステップ122で、制御手段15は、電流値の振幅を算出するためのモータ電流値の最大値Imo_maxを書き換える。今まで検出したモータ電流値の最大値Imo_maxと今回検知したモータ電流値Imoを比較して、最大値Imo_max以上なら、今回検知したモータ電流値Imoを新しいモータ電流値の最大値Imo_maxとする。
次に、ステップ123で、制御手段15は、電流値の振幅を算出するためのモータ電流値の最小値Imo_minを書き換える。今まで検出したモータ電流値の最小値Imo_minと今回検知したモータ電流値Imoを比較して、最小値Imo_min以下なら、
今回検知したモータ電流値Imoを新しいモータ電流値の最小値Imo_minとする。
次に、ステップ124で、回転ドラム1の1回転に要する時間の間隔で電流振幅値を求めるとするならば、前回電流振幅値を算出してから回転ドラムが一回転したか否かを判定し、一回転したならば、ステップ125に進み電流振幅値A(Imo_amp=Imo_max−Imo_min)を算出する。回転ドラムが一回転していなければ、今回は電流振幅値Aを算出しないとして、ステップ128に進み、このサブルーチンを終了する。回転ドラムが一回転する間隔で電流振幅値を検知する理由は、回転ドラム1内の洗濯物の回転状態をそのまま電流値に表すことができるからである。なお、電流振幅値を算出するタイミングは回転ドラムの1回転に要する時間より長い時間であれば同様に、洗濯物の回転状態を精度良く検知することができる。
ステップ125で電流振幅値Aを算出した後は、ステップ126で、次回モータ電流の電流振幅を算出するために、モータ電流の最小値Imo_minと最大値Imo_maxをクリアする。そして、ステップ127で、モータ電流の電流振幅値が算出されたことを示す、少量検知1タイミングFをセットする。そして、このサブルーチンを終了する。
電流振幅値を算出する図7のフローチャート終了後、再び図4のフローチャートに戻り、ステップ110で少量検知1判定を行う。
以下、少量検知1判定方法を図8のフローチャートで説明する。ステップ130で、後述する少量検知終了Fがセットされているか否かを判定する。少量検知終了Fがセットされている場合は、既に洗濯物の少量状態を検知し、水受け槽内3内の洗濯水を所定回数排水し、洗濯物が洗濯水に浮く状態を修正している時であり、すなわち、再度少量検知1を行わないことを示している。
少量検知終了Fがセットされている場合は、ステップ142に進み、このサブルーチンを終了し、一方、少量検知終了Fがセットされていない場合は、ステップ131に進む。ステップ132では、洗濯物の少量状態を検知し、その修正のために排水動作を現在行っているか否かを判定する。現在排水動作を行っている場合は、後述する少量排水中Fがセットされており、この間少量状態を検知する必要はないので、ステップ142に進みこのサブルーチンを終了する。
一方、少量排水中Fがセットされていない場合、すなわち排水中でない場合は、ステップ132で、少量検知1タイミングFがセットされているか否かを判定する。この少量検知1タイミングFは、前記したように、モータ5の電流振幅値Aが算出されたことを示すフラグであり、フラグがセットされていれば、新たなモータ5の電流振幅値Aが算出されたので、少量検知1を行うためにステップ133に進む。
ステップ133では、次回の検知のために少量検知1タイミングFをクリアし、ステップ134で、少量検知1の検知総数を示す(モータ5の電流振幅値Aが算出された全ての回数)検知総数CTKを+1する。ステップ135で、今回算出されたモータ5の電流振幅値Aが第1の所定電流値(例えば、0.5A)以下であるかを判定する。
ここで、正常に洗濯されている状態、すなわち、回転ドラム内の洗濯物は突起板6により上方に持ち上げられ、自重により落下する状態である場合には、図6(a)のように、この周期は回転ドラム1の回転する周期に同期しているので、回転ドラム1が30r/minに制御されている状態で、回転ドラム1(モータ5)が1回転する時間でモータにかかる負荷が大きく変化し、電流値が大きく変化し、電流振幅値Aは第1の所定電流値より大きくなり、洗濯物が正常に回転していると判定することができる。一方、洗濯物が洗濯水に対して少なくて洗濯水に浮いている場合は、突起板6により上方に持ち上げられるこ
とがなく、回転ドラム1が1回転する間の負荷変動も小さくなる。つまり、洗濯物の負荷を受けずに空回り状態であることと、モータ5の電流振幅値Aが第1の所定値以下になることとが同等の状態である。そこで、電流振幅値Aが第1の所定電流値以下である場合は、洗濯物が洗濯水に浮いていると判定し、ステップ136に進み少量検知CTSを+1する。一方、電流振幅値Aが第1の所定電流値以下でない場合は、洗濯物が洗濯水に浮いていないと判定し、ステップ137に進む。
ステップ137で検知総数CTKが第1の所定検知回数(例えば、20回)以上であるかを判定する。洗濯物の吸水性の良し悪しすなわち布種類や、回転ドラム内でのからみなどの状態や、洗濯物の回転状態によって、モータ5の電流振幅値Aは上下するので、例えば1回(2秒間)だけの電流値をもって洗濯物が洗濯水に浮いているかを判定するのは、誤検知する恐れがある。そこで、例えば20回で検知するようにした場合、より正確に回転ドラム1内の洗濯物の回転状態を検知することができる。検知精度を向上させるために、複数回検知してその検知総数に対して、ある一定回数以上ならば、洗濯物が洗濯水に浮いていると判定するようにする。第1の所定検知回数、検知を行った場合は、ステップ138で洗濯物が洗濯水に浮いているかを判定し、第1の所定検知回数、検知をしていない場合は、このサブルーチンを終了し、引き続き検知を継続する。
次に、ステップ138で、少量検知CTSが第2の所定回数以上(例えば19回)であるか判定する。すなわち、さらに誤検知を防ぐため、検知総数に対して、第2の所定回数以上モータ電流振幅値が第1の所定値以下の場合、洗濯物が洗濯水に浮いていると判定する。このように少量検知をした場合は、ステップ139で、少量Fをセットし、検知しなかった場合は、ステップ139を跳ばし、ステップ140に進む。ステップ140、ステップ141で、次回の少量検知のため、少量検知CTSと検知総数CTKをクリアする。
少量検知1の判定終了後、図4のフローチャートに戻り、ステップ111の排水制御を行う。排水制御を図9のフローチャートで説明する。少量検知をした場合は、水受け槽3内の洗濯水を所定量排水し、洗濯物が洗濯水に浮いている状態を修正する行程を実行する。
図9において、ステップ150で、少量検知終了Fがセットさせているかを判定し、少量検知終了Fがセットさせている場合は、排水制御処理を終了させる。ステップ151では、少量排水中Fがセットされているか判定し、少量状態を検知し現在排水中の場合は、引き続き排水動作を行うため、ステップ156に進み、現在排水中でない場合は、ステップ152に進み少量Fがセットされているかを判定する。少量Fがセットされている場合は、排水動作を開始するために、ステップ153以降の処理を行い、少量Fがセットされていない場合は、排水制御サブルーチンを終了する。
ステップ153で、少量Fをクリアし、ステップ154で、現在排水中であることを示す少量排水中Fをセットする。そして、ステップ155で、制御手段15により排水弁11を動作させ、排水動作を開始する。ステップ156では、排水弁11の駆動を継続し、排水動作を行い、ステップ157で、排水時間である第3の所定時間経過したかを判定し、経過した場合は排水動作を終了する。
第3の所定時間は、表2に示すように、布量検知手段27により決定された布量に応じて設定するようにする。例えば、布量が多いと判定されて、高い水位まで給水されている場合は、より多くの洗濯水を排水する必要があるので、30秒間排水するように第3の所定時間を設定し、布量が少ないと判定した場合は、多くの洗濯水を排水しすぎると洗濯水が無くなって洗い動作ができなくなる恐れがあるので、少なめな時間10秒間排水するように第3の所定時間を設定する。
第3の所定時間経過後は、すなわち、排水動作終了後、ステップ158で少量検知により何回排水制御が行われたかをカウントする排水CTHを+1し、ステップ159で、少量排水中Fをクリアする。ステップ160で、排水CTHが、表3に示すように布量に応じて設定した所定回数以上であると判定した場合は、ステップ161で、今後少量検知を行わないことを示す少量検知終了Fをセットする。この動作は、1回の排水制御だけでは、洗濯物が洗濯水に浮いている状態を解消できない場合があるので、何回か排水動作を分けて行うため、このようなことを行うものである。また、上限の回数を設定するのは、排水しすぎて、洗い動作が行われなくなるのを防ぐためである。これで、排水制御サブルーチンを終了し、再び図5のフローチャートのステップ112に戻る。
再び、図4のフローチャートにより説明する。ステップ112で、モータ5を駆動する時間が経過したか否かを判定する。前記したように、洗い動作は、図5に示すタイミングチャートでモータ5を左右駆動して行うので、その1回あたりの駆動動作が経過したかを判定する。駆動時間が終了していない場合は、ステップ108に戻り再び、少量検知を行い、駆動時間が終了した場合は、モータ5を一端オフさせるためにステップ113に進みモータ5をオフする。
モータ5のオフ時間が経過したことをステップ114で検知したら、ステップ115で洗い動作(例えば30分間)の終了時間になったかを判定し、終了時間になった場合は、ステップ115に進み次行程(排水し、すすぎ等を実行)を行う。終了時間になっていない場合は、再度ステップ105に戻り、モータ5を反対方向に起動させ、洗い動作を継続
するとともに、洗濯物状態検知行程を行う。
このように、洗濯動作中に、電流検知手段24が検知するモータ5の電流値で、回転ドラム1内の洗濯物が少量で、しかも、回転ドラム1内で空回り状態であることを検知するようにし、しかも、その後、水受け槽3内の洗濯水を所定量排水するようにしたので、洗濯物の状態に応じた洗濯運転を行うことが可能になり、洗濯物の汚れを確実に落とすことができるものである。
なお、本実施の形態においては、排水制御における排水は、布量に応じて排水時間を設定し、排水量を決定したが、水位検知手段18が検知する水位で制御し、例えば150mmから100mmまで、約50mm排水するようにしてもよい。この場合、水受け槽3の洗濯水が全部なくらならにように、水位に下限を設ければよい。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態における洗濯機について、図10〜図12を用いて説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図10において、回転ドラム1内に洗濯物を投入し、電源入りスイッチ16fをオンし、コース設定スイッチ16dにより洗濯物の種類に応じて運転コースを選択入力した後、ステップ200で、スタート・一時停止スイッチ16eをオンして動作を開始する。
最初に、ステップ201で、制御手段15は、回転ドラム1を回転させて、布量検知手段27により回転ドラム1内の洗濯物の量を検知する。
次に、ステップ202で、検知した布量を2kg毎に、ランク0〜4まで設定する。例えば、0〜2kgをランク0、2〜4kgをランク1、4〜6kgをランク2、6〜8kgをランク3とする。そして、検知した洗濯物の量に応じて、洗剤量を洗剤量表示部17eと数字表示部17gに表示するとともに、洗い行程における水受け槽3内に給水する水量(水位で制御)を、第1の実施の形態の表1のように、検知した洗濯物の量に応じて設定する。すなわち、布量が多いと検知した場合は、より多くの洗濯水で洗い動作を行うほうが、汚れが落ちやすく、また、布量が少ないと検知した場合は、少ない洗濯水で洗い動作しても、汚れは落ちるのでこのような水位設定にしている。
次に、ステップ303から、洗い行程を開始する。ステップ203で、給水弁12をオンして、検知した洗濯物の量に応じた水位まで、水受け槽3内に洗濯水を給水する。布量が多い場合は、水位を高く、少ない場合は低い水位を設定する。ステップ204で、モータ5を駆動して回転ドラム1を回転させ、洗い動作を開始する。洗い動作中は、モータ5を第1の実施の形態の図5に示すようなタイミングチャートで左右駆動し、回転ドラム1を回転させる。このとき、洗濯物に、回転力、摩擦力を加えることにより、洗濯物に付着した汚れを落とす洗い動作となる。
次に、ステップ205で、モータの起動を開始する。このとき、ステップ206で洗濯物の洗い動作が開始されてから3分間経過したかどうか判定する。洗濯物の種類によっては繊維の中まで水が浸透するのに時間がかかるものがあり、洗濯初期は浮いている状態でも、徐々に洗濯水を含み重量が増えて正常に回り始めるものもある。特に、新しい洗濯物では水をはじきやすくなっているので、洗濯水が浸透するのに時間がかかる。よって、洗濯動作を始めて第4の所定時間後(例えば3分後)であれば、洗濯物の浮きによる空回りを検知する行程である洗濯物状態検知行程を実行する。一方、洗濯動作を始めて第4の所定時間後(例えば3分後)であれば、洗濯物状態検知行程をとばし、ステップ215に進
む。
以下、洗濯物状態検知行程においては、第1の実施の形態と同様に、ステップ207で起動開始から第5の所定時間(例えば3秒)経過したかを判定し、第5の所定時間経過したら、ステップ208に進む。このとき、モータ5に流れる電流にはオーバーシュートがあり、電流が落ち着くまでには第5の所定時間必要である。このオーバーシュートの大きさと時間は、モータ5の起動制御方法により異なり、電流が落ち着くまでの第5の所定時間も起動制御の方法で変化するので、ステップ208では、第5の所定時間で判断せず、回転ドラム1の平均回転数が30±3r/minになっているか否かを判断する。
次に、ステップ209で、モータ5回転中に流れる、平均電流値B(Imo_avg)と電流値の電流振幅C(Imo_amp)を検出する。第1の実施の形態に示すように、洗濯水に洗濯物が浮いた状態では、モータ5の電流値の平均電流値Bが小さくなるが、また、一方で、洗濯物が回転ドラム1に張り付いて同期して回転している場合も平均電流値Bが小さくなる。しかし、洗濯物が回転ドラム1に張り付いて同期して回転している場合は、洗濯水に洗濯物が浮いた状態に比べ、回転ドラム1の回転に要するトルクが大きくなることから、洗濯物が回転ドラム1に張り付いて同期して回転している場合の平均電流値Bは、洗濯水に洗濯物が浮いた状態での平均電流値Bに比べ、大きくなる傾向にある。したがって、平均電流値Bと電流値の電流振幅Cの両方を検知し、それらにより判定することで、より正確に回転ドラム1内の洗濯物の状態を判定することができる。
次に、ステップ209の平均電流値Bと電流振幅Cの検出方法を、図11のフローチャートを用い説明する。ステップ220でモータ5の電流を検知するタイミングであるか否かを判定する。例えば、0.1秒毎に検知するとしたら、前回の検知から0.1秒経過したかを判定し、0.1秒経過したと判定した場合は、ステップ221に進み電流を検知する。0.1秒経過以前は、今回は電流検知しないとしてステップ231に進み、このサブルーチンを終了する。
次に、ステップ221で、電流検知手段24が検知するモータ5の電流値に相当する電圧信号を制御手段15に入力し、制御手段15は、この入力電圧信号よりモータ電流値Imoを求める。ステップ222で、制御手段15は、平均電流値Bを算出するためのモータ電流値積算Isumに今回検知したモータ電流値Imoを積算する。この時、積算した回数をカウントする積算カウントCTのカウント数を+1する。
次に、ステップ223で、制御手段15は、電流値の振幅を算出するためのモータ電流値の最大値Imo_maxを書き換える。今まで検出したモータ電流値の最大値Imo_maxと今回検知したモータ電流値Imoを比較して、今回検知したモータ電流値Imoが最大値Imo_max以上なら、そのモータ電流値Imoを新しいモータ電流値の最大値Imo_maxとする。
次に、ステップ224で、制御手段15は、電流値の振幅を算出するためのモータ電流値の最小値Imo_minを書き換える。今まで検出したモータ電流値の最小値Imo_minと今回検知したモータ電流値Imoを比較して、今回検知したモータ電流値Imoが最小値Imo_min以下なら、今回検知したモータ電流値Imoを新しいモータ電流値の最小値Imo_minとする。
次に、ステップ225で、平均電流値Bと電流振幅値Cを算出するタイミングかを判定する。例えば前記した理由により、回転ドラムの一回転毎(30r/minでは2秒毎)に検知するようにする。前回算出したタイミングから回転ドラムが一回転したか否かを判定し、一回転したならば、ステップ226に進む。回転ドラムが一回転していなければ、
今回は平均電流値Bと電流振幅値Cを算出しないとして、ステップ231に進み、このサブルーチンを終了する。一定時間ごとに算出していない理由としては、回転ドラム1の回転は洗濯物のアンバランスと制御方式の影響により絶えず変動しているので、算出時間を固定してしまうと洗濯物の状態を正確に検知できない場合が発生するからである。例えば、アンバランスで回転数が低下し瞬間的に20r/minに下がると30r/min設定であっても2秒以上一回転に要し、2秒間隔の算出ではモータの電流値の振幅が小さくなってしまうからである。
ステップ226で、モータ電流値積算Isumと積算カウントCTからモータ5の平均電流値Bを算出する。算出方法は、平均電流値B:Imo_avg=Isum/CTであり、平均電流値Bの算出後は、ステップ227で、次回のモータの平均電流値Bを算出するために、モータ電流値積算Isumと積算カウントCTをクリアする。
ステップ228では、電流振幅値C(=Imo_max−Imo_min)を算出し、そして、ステップ229で、次回モータ5の電流振幅値Cを算出するために、モータ5の電流の最小値Imo_minと最大値Imo_maxをクリアする。ステップ230では、モータ電流の電流平均値Bと電流振幅値Cが算出されたことを示す、少量検知2タイミングFをセットする。そして、このサブルーチンを終了する。
電流平均値Bと電流振幅値Cを算出する図11のフローチャート終了後、再び図10のフローチャートに戻り、ステップ210で少量検知2の判定を行う。少量検知2の判定のフローチャートを図12に示す。
図12において、ステップ240で、後述する少量検知終了Fがセットされているか否かを判定する。少量検知終了Fがセットされている場合は、既に洗濯物の少量状態を検知し、水受け槽内3内の洗濯水を所定回数排水し、洗濯物が洗濯水に浮く状態を修正している時であり、すなわち、再度少量検知を行わないことを示しているので、ステップ256に進み、このサブルーチンを終了する。
一方、少量検知終了Fがセットされていない場合は、ステップ241進む。ステップ241では、洗濯物の少量状態を検知し、その修正のために排水動作を現在行っているか否かを判定する。現在排水動作を行っている場合は、後述する少量排水中Fがセットされており、この間少量状態を検知する必要はないでの、ステップ256に進みこのサブルーチンを終了する。
一方、少量排水中Fがセットされていない場合、すなわち排水中でない場合は、ステップ242で、少量検知2タイミングFがセットされているかを判定する。この少量検知2タイミングFは、前記したように、モータ5の平均電流値Bと電流振幅値Cが算出さたことを示すフラグであり、フラグがセットされていれば、新たなモータ5の平均電流値Bと電流振幅値Cが算出されたので、少量検知2を行うためにステップ243に進む。
ステップ243では、次回の検知のために少量検知2タイミングFをクリアし、ステップ244で、少量検知2の検知総数を示す(平均電流値Bと電流振幅値Cが算出された全ての回数)検知総数CTKを+1する。
ステップ245で、今回算出された電流振幅値Cが第2の所定電流値(例えば、0.5A)以下であるかを判定する。洗濯物が洗濯水に対して少なくて洗濯水に浮いている場合および洗濯物が回転ドラム1に張り付いて同期して回転している場合は、前述したように、回転ドラム1(モータ5)が1回転する間の負荷変動も小さくなる。つまり、洗濯物の負荷を受けずに空回り状態であるか、洗濯物が回転ドラム1に張り付いて同期して回転し
ている状態であることと、モータ電流の振幅値が所定値以下になることとが同等の状態である。そこで、電流振幅値Cが第2の所定電流値以下の場合、洗濯物が洗濯水に浮いているか、洗濯物が回転ドラム1に張り付いて同期して回転していると判定し、ステップ246に進み振幅検知CTSPを+1する。
ステップ247で今回算出されたモータ5の平均電流値Bが第3の所定電流値(例えば、ピーク電流値で1.0A)以下であるかを判定する。前述したように、洗濯物が洗濯水に対して少なくて洗濯水に浮いている場合は、洗濯物が回転ドラム1に張り付いて同期して回転している場合に比べ、モータ5にかかる負荷(トルク)は少なくなり、モータ5に流れる電流値も少なくなる。そこで、モータ平均電流値Bが第3の所定電流値以下の場合は、洗濯物が回転ドラム1に張り付いて同期して回転しているのではなく、洗濯物が洗濯水に浮いていると判定するのと同等である。第3の所定電流値以下と判定した場合は、ステップ246で平均電流検知CTHDを+1する。
次に、ステップ249で検知総数CTKが第2の所定検知回数(例えば、20回)以上であるか否かを判定する。第1の実施の形態と同様に、検知精度を向上させるため、複数回検知して、その検知総数に対して、ある一定回数以上ならば、本当に洗濯物が洗濯水に浮いていると判定するようにする。第2の所定回数検知するまでは、引き続き検知を継続するため、ステップ356に進み、このサブルーチンを終了する。
ステップ250で、振幅電流検知CTSPが第3の所定検知回数(例えば19回)以上であるか否かを判定する。検知精度を向上させるため、複数回検知して、その検知回数が、第3の所定回数以上の場合、洗濯物が洗濯水に浮いているか、洗濯物が回転ドラム1に張り付いて同期して回転していると判定する。その検知回数が、第3の所定回数以下の場合、はステップ253に進む。
次に、ステップ250で、洗濯物が洗濯水に浮いているか、洗濯物が回転ドラム1に張り付いて同期して回転していると判定した場合は、更に電流振幅による判定をステップ251で行い、洗濯物が洗濯水に浮いているのか、洗濯物が回転ドラム1に張り付いて同期して回転しているのかの判定を行う。ステップ251において、平均電流検知CTHDが第4の所定回数以上(例えば19回)であるか否かを判定する。検知精度を向上させるため、複数回検知して、その検知回数が、第4の所定回数以上の場合、洗濯物が洗濯水に浮いていると判定する。その検知回数が、第4の所定回数以下の場合、はステップ253に進む。
ステップ250と、ステップ251により、洗濯物が洗濯水に浮いていると判定した場合は、ステップ252で少量Fをセットし、判定しなかった場合は、ステップ252を跳ばし、ステップ253に進む。ステップ253、ステップ254、ステップ256で次回の少量検知のため、平均電流値検知CTHDと振幅検知CTSPと検知総数CTKをクリアする。
少量検知2の判定終了後、図10のフローチャートに戻り、ステップ211の排水制御処理を行う。排水制御処理は、第1の実施の形態で示した図9のフローチャートと同じであり、説明は省略する。排水制御を行うことにより、洗濯水を少なくして、洗濯物の空回り状態を修正する。
排水制御処理終了後、再び図10のフローチャートのステップ212に戻り、モータ5を駆動する時間が経過したかを判定する。前記したように、洗い動作は、図5に示すタイミングチャートでモータ5を左右駆動して行うので、その1回あたりの駆動動作が経過したかを判定する。駆動時間が終了していない場合は、ステップ208に戻り再び、少量検
知を行い、駆動時間が終了した場合は、モータ5を一端オフさせるためにステップ213に進みモータ5をオフする。
モータ5のオフ時間が経過したことをステップ214で検知したら、ステップ215で洗い動作(例えば30分間)の終了時間になったかを判定し、終了時間になった場合は、ステップ216に進み次行程(排水し、すすぎ等を実行)を行う。終了時間になっていない場合は、再度ステップ205に戻り、モータ5を反対方向に起動させ、洗い動作を継続するとともに、洗濯物状態検知行程を行う。
このように、洗濯動作中に、電流検知手段24が検知するモータ5の電流値と電流値の振幅で、洗濯物が回転ドラム1に張り付いて同期して回転しているのではなく、回転ドラム1内で空回り状態であるとことを正確に検知するようにし、しかも、その後、水受け槽3内の洗濯水を所定量排水するようにしたので、洗濯物の状態に応じた洗濯運転を行うことが可能になり、洗濯物の汚れを確実に落とすことができる。