JP3791066B2 - フード跳ね上げ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行中の車両が障害物(例えば歩行者)に衝突した際、衝突後の障害物が跳ね上げられて、車両前部のフード上に倒れ込んだ場合のフード上面との二次衝突の衝撃を吸収緩和して、障害物を保護する自動車のフード跳ね上げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のフード跳ね上げ装置の機能は、走行中の車両が障害物に衝突した際、フードの後端を跳ね上げて、エンジンルーム内の構造物とフードとの間にクリアランスを確保し、フード上面に障害物が二次衝突した場合の衝撃を吸収緩和するというものである。
【0003】
従来、この種の装置として、実開昭49−110432号公報あるいは特開昭59−26370号公報に記載のものが知られている。
【0004】
前者の公報に記載の技術を図11に示す。
【0005】
この装置では、後端側が開く形式のフード301の下側に、バネ302で上方に付勢された突き上げロッド303が配置され、常時は突き上げロッド303を下方位置に保持しているロック304が、衝突時の衝撃力によって機械的に解除され、突き上げロッド303の上昇によって、フード301の後端が跳ね上げられるようになっている。
【0006】
また、後者の公報に記載の技術を図12に示す。
【0007】
この装置では、ピン支点401で上下方向回動可能に支持されたヒンジリンク402の先端に2つのピン403、404が設けられ、後側のピン403には、フード410の下面に設けたブラケット405の長孔406が係合し、前側のピン404には、ブラケット405の切欠407が係合している。通常時は、ブラケット405が2個のピン403、404に係合しているので、フード410はヒンジリンク401を介してピン支点401回りに回動可能となり、フード410の前側を上方に開くことができる。また、衝突時には、フード410が矢印X方向に押されて、切欠407がピン404から外れることにより、ブラケット405が一方のピン403のみに係合した状態になる。したがって、フード410に加わる衝撃力により、ヒンジリンク402にモーメントMが働き、ヒンジリンク402が右方向に回って、ヒンジリンク402の先端がフード410を直接押し上げる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前者の公報に記載の装置では、衝突時にフード301の後端を持ち上げるように構成されているが、通常のエンジンルームの点検時にフード301の前側を開閉する形式とすることは難しい。
【0009】
また、後者の公報に記載の装置では、衝突時のフード410の水平方向力を、ヒンジリンク402によって垂直方向力に変換する必要があるため、ヒンジリンク402が大型化し、機構のコンパクト化が図れなくなる。さらに、衝突時の衝撃力で直接フードの後端を跳ね上げる形式としているため、衝突以外の衝撃でもフードに跳ね上げ方向の力が作用する可能性があり、フードがガタつくおそれがある。
【0010】
本発明は、上記事情を考慮し、点検時等にフードの前側を開閉する形式とすることができ、しかも、コンパクトな機構で、フードのガタつきの心配のないフード跳ね上げ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、車両の前端が障害物に衝突したとき、車両の前部に設けられたフードを跳ね上げるフード跳ね上げ装置において、通常時にフードの後端を定位置に拘束し、且つ該定位置を支点にしてフードを上下方向に開閉自在に支持するヒンジ機構と、前記フードを閉じた状態でフードの前端を車体にロックするフードロック機構と、車両の前端が障害物に衝突したことを検出する衝突検出手段と、該衝突検出手段の検出出力に応じて、前記ヒンジ機構によるフードの後端の拘束を解き、フードの後端を跳ね上げる跳ね上げ手段とを備え、前記ヒンジ機構が、前記フードの後端に設けられた支点ピンと、車体側に固定され、上方から前記支点ピンを嵌合し得る嵌合溝を有したブラケットと、弾性部材によって付与される付勢力によって前記嵌合溝内に嵌合された状態の前記支点ピンを押え、嵌合溝からの支点ピンの抜けを阻止して、支点ピンを前記定位置に拘束すると共に、前記跳ね上げ手段による跳ね上げ力が前記付勢力を上回ったとき拘束位置から変位して、嵌合溝からの支点ピンの抜けを許すピンロック部材とを備えていることを特徴とする。
【0012】
この装置では、車両の前端が障害物に衝突したことを衝突検出手段が検出すると、その検出出力に応じて跳ね上げ手段が作動し、ヒンジ機構によるフードの後端の拘束を解いて、フードの後端を跳ね上げる。従って、フードと車体側の構造物との間にクリアランスが確保され、衝突後の障害物がフード上に倒れ込んだ場合のフード上面との二次衝突の衝撃を吸収緩和して、障害物を保護することができる。一方、通常時には、ヒンジ機構がフードの後端を定位置に拘束しているので、その定位置を支点にしてフードの前側を上下方向に自由に開閉することができる。
【0014】
さらに、この装置では、通常時はピンロック部材が支点ピンを嵌合溝内の定位置に保持するので、定位置にある支点ピンを中心にして、フードを上下方向に回動させることができる。また、跳ね上げ装置が作動した場合は、その跳ね上げ力が、弾性部材によってピンロック部材に与えられている付勢力に打ち勝つことで、ピンロック部材を、支点ピンを定位置に拘束する位置から、嵌合溝よりのピンの抜けを許す位置まで変位する。したがって、支点ピンが車体側のブラケットの嵌合溝より抜けることで、フードの後端の拘束が解かれ、フード後端が跳ね上げ手段の力によって跳ね上げられる。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1記載のフード跳ね上げ装置であって、前記ピンロック部材が、前記嵌合溝内の前記支点ピンの外周に支点ピンの抜け方向に対して斜めに当接する押え部を有し、且つ、支点ピンに抜け方向の力が作用したとき、前記押え部に働く力によって前記嵌合溝の入口を開く方向に回動変位するよう設けられていることを特徴とする。
【0016】
この装置では、跳ね上げ手段の作動により、支点ピンが上向きの力を受けたとき、その力によってピンロック部材が押されて回動変位し、ブラケットの嵌合溝の入口が開く。よって、支点ピンがピンロック部材を押し退けながら、嵌合溝より抜け、フードの後端の拘束が解かれる。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1または2記載のフード跳ね上げ装置であって、前記支点ピンに一定長のアームの一端が上下方向回動可能に連結され、該アームの他端が、前記ブラケットに形成した溝にスライド可能に係合され、該溝の端部に、フードの後端の跳ね上げ動作に伴ってアームの他端が溝をスライドしたとき、該スライド方向およびその反対方向へのアームの他端の移動を阻止するスライドストッパ部が設けられていることを特徴とする。
【0018】
この装置では、フードの跳ね上げ動作に伴い、支点ピンがブラケットの嵌合溝を抜けて上方へ移動した際に、支点ピンに連結されたアームの他端が、ブラケットに形成した溝をスライドする。そして、溝の端部のスライドストッパ部にアームの他端が至ることで、アームがロックされ、それによりフードが一定の跳ね上げ高さで固定される。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフード跳ね上げ装置であって、前記跳ね上げ手段が、エアバッグ内のガス圧の上昇により膨脹してフードの後端に上向き力を与えるエアバッグ式アクチュエータよりなることを特徴とする。
【0020】
この装置では、衝突検出手段の検出出力に応じてエアバッグ式アクチュエータが作動することにより、エアバッグが膨張して、フードの後端を跳ね上げる。
【0021】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフード跳ね上げ装置であって、車両の車速を検出する車速検出手段を備え、前記跳ね上げ手段は、前記衝突検出手段及び車速検出手段の検出出力に応じて、前記ヒンジ機構によるフードの後端の拘束を解き、フードの後端を跳ね上げることを特徴とする。
【0022】
従って、車速を考慮した制御を行なうことができ、停車中は、衝突検出手段がいたずら等で検出動作を行なっても跳ね上げ手段を作動させないようにすることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、車両の前端が障害物に衝突した際にフードの後端を跳ね上げるので、障害物がフード上に倒れ込んだ場合のフード上面との二次衝突の衝撃を吸収緩和して、障害物を保護することができる。また、通常時はヒンジ機構によってフードの後端を定位置に拘束するので、フードの前側を自由に開閉する形式とすることができ、点検等がしやすくなる。
【0024】
また、本発明のフード跳ね上げ装置では、障害物との衝突を検出する衝突検出手段と、フードを跳ね上げる跳ね上げ手段とを別に設けたので、それぞれの機能を分化し、最適な構成を採用することができる。
【0025】
即ち、衝突検出手段として電気信号を出力するセンサを用い、跳ね上げ手段として、電気信号の入力で垂直上方への力を発する機構を用いることができる。このため、衝突検出手段と跳ね上げ手段とをそれぞれにコンパクトに設計することができる上、衝突検出手段から跳ね上げ手段に信号を伝える系統(主に電気系統が採用される)まで含めて、全体のコンパクト化が図れる。さらに、衝突時の衝撃力によって直接フードを跳ね上げるのではないから、衝突以外の衝撃と衝突時の衝撃とを区別して判断することが可能となり、フードの無用なガタつきを抑えることができる。
【0026】
また、ヒンジ機構を、フードの後端の支点ピンと、支点ピンの嵌合溝を有する車体側ブラケットと、通常時は嵌合溝内に支点ピンを拘束し、跳ね上げ手段の力で拘束を解除するピンロック部材とで構成したので、簡単でコンパクトな構造にすることができる。
【0027】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明におけるピンロック部材の押さえ部を支点ピンに対して斜めに当接させるようにしたので、支点ピンに跳ね上げ手段の力が与えられるだけで、支点ピンを、ピンロック部材を押し退けながら嵌合溝より抜けさせることができる。したがって、簡単でコンパクトな構造により、請求項1の発明の効果を奏することができる。
【0028】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明における支点ピンにアームの一端を連結し、アームの他端をブラケットの溝にスライド可能に係合させ、溝の端部にスライドストッパ部を設けたので、フードの後端を跳ね上げた際に、一定の高さにフードを固定することができる。したがって、請求項1または2の発明の効果の他に、フードと車体側構造物との間に一定のクリアランスを確保することができて、フードとアームとにより効率的な衝撃吸収を行うことができるという効果を奏する。
【0029】
請求項4の発明によれば、エアバッグによってフードを跳ね上げるようにしたので、請求項1〜3のいずれか1項の発明の効果の他に次の効果を奏する。即ち、フードの跳ね上げ速度を速めることができると共に、エアバッグのクッション作用によって衝撃吸収力を高めることができる。
【0030】
請求項5の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項の発明の効果の他に、車両の停車中は、むやみにフードを跳ね上げないようにすることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
図1は本発明の実施形態のフード跳ね上げ装置を備えた車両の概略構成を示している。この車両1は、車体2の前部にエンジンルーム3を有し、エンジンルーム3の前方にバンパ4を有し、エンジンルーム3の上面に該上面を覆うフード5を有する。
【0033】
図2はフード跳ね上げ装置の衝突時の作動状態(a)と、通常時に点検のためフード5の前側を開いた状態(b)を示している。
【0034】
フード跳ね上げ装置は、車両1の前端が障害物(主として歩行者が考えられるので、ここでは歩行者として説明する)に衝突したときに、図2(a)に示すように、フード5の後端5bを一定高さに跳ね上げるものであり、ここでは、フード5の後端5bを車体2に連結する左右勝手違いの一対のヒンジ機構6と、フード5を閉じた状態でフード5の前端5aを車体2にロックするフードロック機構7と、車両1の前端(バンパ4)が障害物(歩行者)に衝突したことを検出するバンパセンサ(衝突検出手段)9と、バンパセンサ9の検出出力に応じてフード5の後端5bを跳ね上げるべきか否かを判断して作動信号を出力するコントローラ10と、コントローラ10からの信号を受けて作動することにより、ヒンジ機構6によるフード5の後端5bの拘束を解き、フード5の後端5bを、前端5aのフードロック機構7を支点にして跳ね上げるエアバッグ式のアクチュエータ(跳ね上げ手段)8とからなる。
【0035】
エアバッグ式のアクチュエータ8は、内部のガス圧の上昇によりエアバッグ8aが膨脹して、フード5を下側から持ち上げるものであり、フード5の後半部の下側に配設されている。
【0036】
ヒンジ機構6は、通常時にフード5の左右後端5bを定位置に拘束し、且つ該定位置を支点にしてフード5を上下方向に開閉自在に支持するものであり、具体的には図3、図4、図5に示すように構成され、左右一対フード5の幅方向外側に配置されている。
【0037】
ヒンジ機構6は、通常時にフード5の前側を開く際の回動支点となる支点ピン23を有する。支点ピン23は、フード5の後端5bにボルト止めされたフード側ブラケット20の後方延出端に配置固定されている。この支点ピン23のフード幅方向外側には、フード5を跳ね上げたときの高さを固定するための一定長のアーム22の一端が、上下方向回動可能に連結されている。支点ピン23のアーム22を連結した位置より外側には、図4、図5に示すように、アーム22の一端の軸線方向のずれを防ぐフランジ部23aが設けられ、該フランジ部23aの外側には円柱部23bが突設されている。
【0038】
また、アーム22の他端には外向きに係合ピン24が突設されている。この係合ピン24はアーム22の他端に固定されており、支点ピン23と同様に、フランジ部24aと、その外側に突出した円柱部24bを有している。
【0039】
一方、車体(車体側のフレーム)2には、車両の前後方向に沿わせて略水平状態に車体側ブラケット30が固定されている。車体側ブラケット30は、上方に起立した側板31を有している。側板31の後端には、前記支点ピン23を定位置に拘束する拘束部32が設けられ、側板31の前端にはフード幅方向外方にL形に曲げられたバネ掛け片35が設けられている。
【0040】
拘束部32には、フード5側に設けた支点ピン23の円柱部23bを、上方から嵌合し得るU字形の嵌合溝32aが形成されている。また、拘束部32には、回動ピン47によって上下方向に回動自在にピンロック部材40が取り付けられている。ピンロック部材40は、ブラケット30の側板31に沿う平板部41を有し、平板部41は、その高さ方向略中央部で、回動ピン47によりブラケット30に連結されている。回動ピン47を挟んで、平板部41の下端にはバネ掛け片43が設けられると共に、上端にはピンロック片44が設けられている。ピンロック部材40のバネ掛け片43と、ブラケット30のバネ掛け片35との間には、弾性部材である引張バネ50が張設されており、この引張バネ50によってピンロック部材40は図3中右回りに付勢されている。
【0041】
ピンロック片44は、引張バネ50による付勢力により、嵌合溝32a内に嵌合された状態の支点ピン23を押え、嵌合溝32aからの支点ピン23の抜けを阻止して、支点ピン23を定位置に拘束するものであり、図2に示したエアバッグ式のアクチュエータ8による跳ね上げ力が引張バネ50の付勢力を上回ったとき、図3の拘束位置から変位して、嵌合溝32aからの支点ピン23の抜けを許すように構成されている。
【0042】
即ち、ピンロック部材40は、嵌合溝32a内の支点ピン23の円柱部23bに当接する斜めの押さえ部44aを有している。この押さえ部44aは、支点ピン23の円柱部23bの外周に、支点ピン23の抜け方向つまり上方に対し傾斜した方向から当接している。したがって、支点ピン23に抜け方向の力(上向き力)が作用したとき、押え部44aには、嵌合溝32aの入口を開く方向の力が働き、ピンロック部材40が図3中左方向に回動変位して、嵌合溝32aからの支点ピン23の抜けを許す。
【0043】
また、ブラケット30の側板31には、略水平に前後方向に延びるスライド溝34が形成され、このスライド溝34に、前記アーム22の他端に設けた係合ピン24の円柱部24bが、スライド可能に嵌められている。このスライド溝34は、フード5の跳ね上げ時に支点ピン23が移動する回転半径内に設けられており、直線部34aと、直線部34aの後端で下方に折れ曲がった鍵溝部34bとからなる。アーム22は、通常時は、略水平状態に折り畳まれており、係合ピン24が直線部34aに嵌まっている。鍵溝部34bは、係合ピン24の円柱部24bがちょうど落ちこめる大きさに形成されており、係合ピン24がスライド溝34を後端側へスライドしてこの鍵溝部34bに落ち込むことにより、そのスライド方向の移動限を定めると共に、反対方向への戻りを阻止する。つまり、鍵溝部34bはスライドストッパ部として機能する。
【0044】
また、図1に示したフード5の前端5aを車体2にロックするフードロック機構7は、図6に示すように構成されている。この機構は周知のものであるから簡単に説明する。フードロック機構7は、図6(b)に示す車体側のロック金具71と、図6(a)に示すフード側ロック金具72とからなる。車体側のロック金具71によるロックは、車内からワイヤ(図ではそのガイドを示す)73で解除でき、その状態で安全ロックレバー74を手で外すことにより、フード5を開くことができる。
【0045】
また、制御系は概略図9に示すように構成されている。
【0046】
コントローラ10には車速センサ90及びバンパセンサ9の検出信号が入力され、コントローラ10は、それらの信号によりフードの後端を跳ね上げるべきか否かを判断し、跳ね上げると判断した場合は、アクチュエータ8に作動信号を出力する。
【0047】
この場合の制御動作は、図10に示すように、ステップS101で車速Vが設定車速以上であるかどうか判断すると共に、ステップS102でバンパセンサ9がONしたかどうか判断し、両方ともYESの場合のみ、ステップS103でフード跳ね上げ用のアクチュエータ8を作動させる。車速の条件を入れたのは、停車中の車両にいたずら等で衝撃が加えられた時に作動しないようにするためである。
【0048】
次に実施形態の装置の作用を説明する。
【0049】
この装置では、通常時は、ヒンジ機構6のピンロック部材40が支点ピン23を車体側ブラケット30の嵌合溝32a内の定位置に保持するので、定位置にある支点ピン23を中心にして、フード5を上下方向に開閉することができる。よって、図2(b)あるいは図7に示すように、点検時に支点ピン23(図7のみ図示)を中心にフード5の前側を開けることができる。
【0050】
一方、車両1の前端が障害物(特に歩行者)に衝突した時には次のように動作する。
【0051】
まず、設定車速以上で車両1の前端が障害物に衝突したことをコントローラ10が判断すると、作動信号が出力されて、エアバッグ式のアクチュエータ8が作動する。
【0052】
エアバッグ式のアクチュエータ8が作動を開始し、エアバッグ8aが膨張してフード5に上向きの跳ね上げ力が作用すると、その跳ね上げ力が、引張バネ50による付勢力に打ち勝った時点で、図8に示すように、支点ピン23がピンロック部材40を押し退けながら嵌合溝32aより抜け、フード5の後端5bの拘束が解ける。よって、フード5の後端5bが、エアバッグ式のアクチュエータ8の力によって跳ね上げられる。
【0053】
このフード5の跳ね上げ動作に伴い、上方へ移動する支点ピン23に引きずられてアーム22の係合ピン24がスライド溝34を車両後方へスライドする。そして、スライド溝34の鍵溝部34bに係合ピン24が嵌まることで、アーム22がいずれの方向にもスライドできないようロックされ、それによりフード5が一定の跳ね上げ高さHで固定される。
【0054】
したがって、フード5とエンジンルーム内の構造物との間にアーム22によって確実に一定のクリアランスが確保され、衝突後の歩行者がフード5上に倒れ込んだ場合のフード5の上面との二次衝突の衝撃を吸収緩和し、歩行者を保護することができる。
【0055】
また、この装置の場合、衝突検出をバンパセンサ9で電気的に行い、フード5の跳ね上げをエアバッグ式のアクチュエータ8で行うので、それぞれの機能を最適分化し、コンパクト化を図ることができる。特に、衝突検出から跳ね上げまでを電気信号の授受で行うので、全体のコンパクト化が図れる。また、衝突時の衝撃力によって直接フード5を跳ね上げるわけではないから、前述したように、衝突以外の衝撃と衝突時の衝撃とを区別して判断することが可能となり、フード5の無用の跳ね上げやガタつきを抑えることができる。また、この実施形態の装置では、ヒンジ機構6の構成もコンパクトになっている。
【0056】
また、エアバッグ式のアクチュエータ8を採用したことによるメリットして、フード5の跳ね上げ速度を速めることができる点、エアバッグ8aのクッション作用によって衝撃吸収力を高めることができる点を上げることができる。
【0057】
なお、跳ね上げ手段として、エアバッグ式以外のアクチュエータを採用してもよいし、衝突検出をバンパセンサ以外で行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のフード跳ね上げ装置を備えた車両の全体図である。
【図2】本発明の実施形態のフード跳ね上げ装置の機能説明図であり、(a)は車両の前端が障害物と衝突したときの作動状態を示す概略側面図、(b)は通常の点検時にフードを開いた状態を示す概略側面図である。
【図3】本発明の実施形態のフード跳ね上げ装置のヒンジ機構6の構成を具体的に示す側面図である。
【図4】図3のIV矢視図である。
【図5】図4のV矢視図である。
【図6】本発明の実施形態のフード跳ね上げ装置におけるフードロック機構の説明図であり、(a)はフード側の構造を示す斜視図、(b)は車体側の構造を示す斜視図である。
【図7】図3に示したヒンジ機構の作動説明図で、点検のためフードの前側を開いたときの作動状態を示す側面図である。
【図8】図3に示したヒンジ機構のフード跳ね上げ時の作動状態を示す側面図である。
【図9】本発明の実施形態のフード跳ね上げ装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図10】図9の制御系の動作内容を示すフローチャートである。
【図11】従来のフード跳ね上げ装置の例を示す側面図である。
【図12】従来の他のフード跳ね上げ装置の例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 車両
2 車体
5 フード
5a 前端
5b 後端
6 ヒンジ機構
7 フードロック機構
8 エアバッグ式アクチュエータ(跳ね上げ手段)
8a エアバッグ
9 バンパセンサ(衝突検出手段)
22 アーム
23 支点ピン
30 ブラケット
32a 嵌合溝
34 スライド溝
34b 鍵溝部(スライドストッパ部)
40 ピンロック部材
44a 押さえ部
50 引張バネ(弾性部材)
Claims (5)
- 車両の前端が障害物に衝突したとき、車両の前部に設けられたフードを跳ね上げるフード跳ね上げ装置において、
通常時にフードの後端を定位置に拘束し、且つ該定位置を支点にしてフードを上下方向に開閉自在に支持するヒンジ機構と、
前記フードを閉じた状態でフードの前端を車体にロックするフードロック機構と、
車両の前端が障害物に衝突したことを検出する衝突検出手段と、
該衝突検出手段の検出出力に応じて、前記ヒンジ機構によるフードの後端の拘束を解き、フードの後端を跳ね上げる跳ね上げ手段とを備え、
前記ヒンジ機構が、
前記フードの後端に設けられた支点ピンと、
車体側に固定され、上方から前記支点ピンを嵌合し得る嵌合溝を有したブラケットと、
弾性部材によって付与される付勢力によって前記嵌合溝内に嵌合された状態の前記支点ピンを押え、嵌合溝からの支点ピンの抜けを阻止して、支点ピンを前記定位置に拘束すると共に、前記跳ね上げ手段による跳ね上げ力が前記付勢力を上回ったとき拘束位置から変位して、嵌合溝からの支点ピンの抜けを許すピンロック部材とを備えていることを特徴とするフード跳ね上げ装置。 - 請求項1記載のフード跳ね上げ装置であって、
前記ピンロック部材が、前記嵌合溝内の前記支点ピンの外周に支点ピンの抜け方向に対して斜めに当接する押え部を有し、且つ、支点ピンに抜け方向の力が作用したとき、前記押え部に働く力によって前記嵌合溝の入口を開く方向に回動変位するよう設けられていることを特徴とするフード跳ね上げ装置。 - 請求項1または2記載のフード跳ね上げ装置であって、
前記支点ピンに一定長のアームの一端が上下方向回動可能に連結され、
該アームの他端が、前記ブラケットに形成した溝にスライド可能に係合され、
該溝の端部に、フードの後端の跳ね上げ動作に伴ってアームの他端が溝をスライドしたとき、該スライド方向およびその反対方向へのアームの他端の移動を阻止するスライドストッパ部が設けられていることを特徴とするフード跳ね上げ装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフード跳ね上げ装置であって、
前記跳ね上げ手段が、
エアバッグ内のガス圧の上昇により膨脹してフードの後端に上向き力を与えるエアバッグ式アクチュエータよりなることを特徴とするフード跳ね上げ装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフード跳ね上げ装置であって、
車両の車速を検出する車速検出手段を備え、
前記跳ね上げ手段は、前記衝突検出手段及び車速検出手段の検出出力に応じて、前記ヒンジ機構によるフードの後端の拘束を解き、フードの後端を跳ね上げることを特徴とするフード跳ね上げ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27640696A JP3791066B2 (ja) | 1996-10-18 | 1996-10-18 | フード跳ね上げ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27640696A JP3791066B2 (ja) | 1996-10-18 | 1996-10-18 | フード跳ね上げ装置 |
Publications (2)
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