JP3790159B2 - 無線通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信サーバ装置と複数の移動機である無線通信端末装置との間で、無線通信網を介して情報を相互に通信するように構成した無線通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のMCA(マルチチャネルアクセス)方式無線を利用した無線通信システムは、例えば、特開平10−49798号公報に記載されており、これを図7および図8を用いて説明する。MCA無線通信では、例えば、データを制御局側36から移動局37へ送達しようとした場合、ステップS24で送達データが発生すると、先ず、制御局36はステップS25で通信するための回線チャネルを取得する動作を行なう。その結果、回線に空きチャネルがない場合にはチャネルが空くまで待ち状態となる。その後、回線チャネルに空きチャネルが発生したならば、ステップS26で回線チャネルを取得し、移動局37に対してデータの送達が可能となる。これによりステップS27で制御局側36から当該移動局37を呼び出し、ステップS28で移動局37が呼び出しに応答してから、ステップS29でデータ送達が始まることになる。
【0003】
制御局36からの呼び出しに対して、移動局37がある一定時間応答しない場合には、再度、上述した使用回線の取得動作から始める必要がある。また上述の呼び出し動作により送達されたデータに対して移動局37が送達確認データを制御局36に送信しようとした場合にも、制御局36が行なった回線チャネルの取得動作と同一の動作を繰り返して送信を行なう必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の無線通信システムでは、MCA無線の性格上、制御局36から移動局37へ、あるいは移動局37から制御局36ヘデータ送達を行ないたい場合、回線に空きチャネルがない限り通信を行なうことができないという不便があった。また、送達データが発生する度に上述したような回線取得動作を行なう必要があり、そのための時問的損失が大きく、さらには制御局36と移動局37とが互いに同一回線を使用することができないため、両方向でのデータ通信を同時に行なうことができない。加えて、制御局36に対して複数の移動局37が存在した場合、1つの制御局に対するN個の移動局からの複数同時回線接続を行なうことができなかった。
【0005】
本発明の目的は、1つの通信サーバ装置と複数の無線通信端末装置との間で構成される無線通信網を介して相互に情報通信を行なうことを可能とすることにより、複数の無線通信端末装置と通信サーバ装置問において効率的な通信を行なうことができるようにした無線通信システムを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、無線電波が弱い地域においても確実に無線通信が行なえるようにしてより広範囲での安定した無線通信を可能にした無線通信システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、送るべき送信データを持つ少なくとも1つの通信サーバ装置と、送るべき送信データを持つ複数の無線通信端末装置との間に無線通信網を介してそれらのデータのデータ送受信を行なう無線通信システムにおいて、
無線通信網は、通常使用時の無線通信網と異常時使用の無線通信網とを有し、
上記通信サーバ装置は、上記無線通信端末装置と通信を行なう送受信制御部と、送信データの入力を行なう入力制御部と、送信データを保存するデータ保存部と、上記無線通信端末装置の稼動状態の管理を行なう移動機管理部とを有しており、
上記複数の無線通信端末装置の各々は、電気信号と無線信号の間で送受信データの変換を行なう無線制御部と、上記通信サーバ装置との通信を行なう送受信制御部と、送受信データの入力を行なう入力制御部と、上記通常使用および異常時使用の無線通信網の各々に対応してそれらの通信網の電波の強弱を検出する電波強度検出部と、この電波強度検知部によって検出した電波強度により通信可能か否かを判定する電波状態判定部と、この電波状態判定部の判定結果に基づいて上記無線通信網を選択し切り替える無線通信切替部とを備え、
各無線通信端末装置は、通常使用時の無線通信網が使用可能かを自己の電波強度検出部の検出結果に基づき上記判定部で判定し、使用可能ならばその無線通信網を介して上記通信サーバ装置へ送るべき自己の送信データを送り出し、使用不可ならば、自己の無線通信切替部により異常時使用の無線通信網に切替えて上記通信サーバ装置へ自己の送信データを送り出し、
通信サーバ装置は、無線通信端末装置へ送るべき送信データがあるときは各端末装置対応に送信データを、対応する端末装置からの無線通信網を介して送信データを受信するまで自己のデータ保存部に保存しておき、対応する端末装置からの送られてきた送信データを受け取ったときにそれ迄保存していた送信データをその送られてきた無線通信網を介して対応する端末装置に送信するものとした、ことを特徴とする無線通信システムを開示する。
【0008】
本発明による無線通信システムによれば、1つの通信サーバ装置と複数の無線通信端末装置との間で構成される無線通信網を介して相互に情報通信を行なうことを可能とすることにより、複数の無線通信端末装置と通信サーバ装置問において効率的な通信を行なうことができるようになり、また電波強度検知部によって検出した電波強度により通信可能か否かを電波状態判定部で判定し、この判定結果に基づいて無線通信切替部で無線通信網を選択し切り替えるようにしているため、無線電波が弱い地域においても異常時使用の無線通信網により確実に無線通信が行なえるようにしてより広範囲で安定した無線通信が可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による無線通信システムの概略構成図である。無線通信システムは、通信サーバ装置1にローカルネットワーク2(以下、LANと称す)を介して接続した二種類の無線通信網6A,6Bを備え、この無線通信網6Aは論理的にデータを中継するためのデータ中継機3A〜4Aおよび専用線5Aを有し、無線通信網6Bは論理的にデータを中継するためのデータ中継機3B〜4Bおよび専用線5Bを有し、これらの無線通信網6A,6Bに複数の無線通信網用電波基地局14A1〜14An,14B1〜14Bnを接続し、移動機用アンテナ12A1〜12Anおよび移動機用アンテナ12B1〜12Bnをそれぞれ有する複数の通信端末装置11A〜11N(以下、移動機と称す)とを有して構成している。
【0010】
無線通信網6Aは通常使用のものであり、山間部や海辺を除いて全国の殆どのエリアをカバーすることができ、一方、無線通信網6Bは異常時使用のもので、山間部や海辺を含んでカバーすることにできる衛星通信網などである。
【0011】
通信サーバ装置1は、移動機11A〜11Nと通信を行なう送受信制御部28と、複数の移動機11A〜11Nとの通信回線の確立と維持を行なうコネクション制御部30と、送信データの入力を行なう入力制御部31と、この入力制御部31による入力したデータを表示する表示制御部29と、移動機11A〜11Nの稼働状態の管理を行なう移動機管理部32と、移動機11A〜11Nへの未送信データの保存蓄積を行なうデータ保存部33と、移動機11A〜11Nへの送達データの送達確認データの受信タイムアウト管理のための計時管理等を行なうタイマ制御部34と、送信に失敗したデータを保管する保留データ管理部35とを備えて構成している。
【0012】
移動機11A〜11Nはそれぞれ同一構成であるから、ここでは移動機11Aについてのみ説明する。
この移動機11Aは、図2に示したブロック構成図に示すように無線通信網6Aに対応する移動機用アンテナ12A1〜12Anおよび無線通信網6Bに対応する移動機用アンテナ12B1〜12Bnと、無線通信網6Aの電波状態を管理するを電波状態管理部A16Aと、無線通信網6Bの電波状態を管理するを電波状態管理部A16Bと、電気的信号から無線信号へまたは無線信号から電気的信号へ送受信データの変換を行なう無線制御部17A,17Bと、通信サーバ装置1との通信を行なう送受信制御部21と、通信サーバ装置1との通信回線の確立と維持を行なうコネクション信制御部23と、各々の無線通信網6A,6Bから使用可能な無線通信網を選択し切り替える無線通信切替部20と、オペレータ操作によりデータ入力する入力制御部24と、この入力制御部24からの入力データを表示制御する表示制御部22と、入力データを格納して保存するデータ保存部25と、所定の生存確認周期や所定のデータ送信周期や通信サーバ装置1への送達データの送達確認データの受信タイムアウト等の計時管理を行なうタイマ制御部26と、送信に失敗したデータを保管して送達の確認管理を行なう保留データ管理部27とを備えており、各電波状態管理部A16A,16Bは、各々の無線通信網6A,6Bに対応して電波の強弱を検出する電波強度検知部18A,18Bと、電波強度より通信を行なうことが可能か否かを判定する電波状態判定部19A,19Bとを有して構成している。
【0013】
次に、通信サーバ装置1と各移動機11A間の通信について説明する。
先ず、図2に示すように通信サーバ装置1と移動機11Aとの間では、移動機11A専用の通信回線を確立するため、移動機11Aのコネクション制御部23と通信サーバ装置1のコネクション制御部30が働き、すなわち移動機11Aからの回線接続動作によって接続される。このとき移動機11Aは電波状態管理部16Aにより、無線通信網切替部20によって接続された通常利用の無線通信網6Aにおける電波の状態を監視している。すなわち、電波強度検知部18Aで無線電波の強弱を検出して電波状態判定部19Aにより自身が現在無線通信可能地域に位置しているどうかを監視している。
【0014】
通信に支障無い電波強度であれば無線通信網切替部20はそのまま電波状態管理部16Aを選択し通信を行なう。山間部や海辺などあるいは万一の事態で電波強度が弱く通信不可と判断した場合には無線通信切替部20は電波状態管理部16Bに同様の指示を与え、電波状態管理部16Bの電波強度検知部18Bにより無線通信網6Bの電波状態を監視し、電波状態判定部19Bが同様の動作で無線通信網6Bが使用可能と判断すれば電波状態管理部16Bを選択する。
【0015】
移動機11Aにおいて、入力制御部24からオペレータ操作によりデータが入力されると、この入力データはデータ保存部25へ格納される。この入力方法としては、キーによる入力やマウスによる入力あるいは音声による入力も可能である。また表示制御部22によりその入力したデータを表示することもできる。移動機11Aのコネクション制御部23は、通信サーバ装置1のコネクション制御部30との間で回線接続制御や回線状態管理を行なう。そして、コネクション制御部23は、送信に失敗したデータを保留データ管理部27内に保管し、これによって送達の確認管理が行われる。データの送受信制御は送受信制御部21によって行なわれ、この送受信制御部21では送信データの編集や受信データの解析等が行なわれる。
【0016】
また、移動機11Aは、無線通信網6A,6Bとの送受信のためにその無線制御部17A,17Bが移動機用アンテナ12A1,12B1を介して電波基地局14A1〜14Bnとの通信を行なう。タイマ制御部26では、所定の生存確認周期や所定のデータ送信周期、通信サーバ装置1への送達データの送達確認データの受信タイムアウト等の計時管理を行なう。
【0017】
一方、通信サーバ装置1は、図1に示すように入力制御部31からオペレータ操作によりデータが入力されると、この入力されたデータはデータ保存部33へ格納される。この入力方法としても、上述の場合と同様にキーによる入力やマウスによる入力と共に、音声による入力も可能である。また表示制御部20により入力したデータを表示することもできる。
【0018】
通信サーバ装置1では、コネクション制御部30が移動機11Aからの回線接続要求の受付などの接続制御や回線状態の管理を行なう。またデータの送受信制御は送受信制御部28によって行なわれ、この送受信制御部28では、さらに送信データの編集や受信データの解析等が行なわれる。また送信に失敗したデータは保留データ管理部35にて保管し、送達の確認管理が行われる。タイマ制御部34では、移動機11Aへの送達データの送達確認データの受信タイムアウト管理のための計時管理等を行なう。さらに移動機管理部32では、移動機11Aへの送達データ管理や移動機11Aの稼動状態管理を行なう。
【0019】
全体的なデータの流れとしては、互いに送達すべきデータが発生した場合に、通信サーバ装置1は即時送信はせず送信を保留してデータを溜めておく。移動機11Aは即時通信サーバ装置1に送信すると、通信サーバ装置1は移動機11Aからのデータ受信を動機として送達データに対する送達確認データの返信と共に、溜めておいたデータを移動機11Aに送信する。移動機11Aからのデータの流れは、無線通信網用の電波基地局14A1〜14Anに入って無線通信網6Aへ届けられ、通信サーバ装置1に渡せるデータ形式に変換して、無線通信網6A側のデータ中継機4Aおよび専用線5Aを利用し、通信サーバ装置側データ中継機3Aを介して通信サーバ装置1へと流れてくる。一方、通信サーバ装置1からはそれらの逆のルートにて移動機11Aへと渡っていく。
【0020】
図3は、通信回線の接続処理動作を示すフローチャートである。
回線の接続動作は、各移動機11A〜11Nから行われ、通信サーバ装置1は接続要求待ち状態である。移動機11AではステップS1で無線通信切替部20の指示により、電波状態管理部16A内の電波強度検知部18Aで通常利用の無線通信網6Aの電波強度を検知し、さらに電波状態判定部19Aにて使用可能か判断し、この判定の結果が通信に支障ない電波強度であればステップS2で通常使用の無線通信網6Aを選択し通信を行なう。しかし、山間部や海辺などの電波強度が弱い場所であったり万一の事態のために通信不可と判断した場合は、ステップS3で電波状態管理部16Bに同様の指示をし、同様の動作で無線通信網6Bが使用可能と判断すればステップS4で電波状態管理部16Bを使用する。
【0021】
次に、ステップS5で移動機11Aから回線接続要求を発し、ステップS6で回線が接続されたか否かを判断し、接続できたならステップS7で再度回線状態をチェックする。ステップS6にて接続できなかった場合、またステップS7にて回線が切断状態になってしまった場合には、詳細を図5で説明するステップS8の生存確認処理へと移行する。
【0022】
図5は、上述した生存確認処理を示すフローチャートである。
この生存確認処理は移動機11Aにて動作して周期的に起動される処理である。先ず、ステップS17で生存確認時刻になったかどうか判断し、生存確認時刻になった場合には、ステップS18で通信回線の状態を確認し、回線未接続であるならばステップS23の回線接続処理へと移行する。しかし回線接続状態であるならばステップS19で生存確認データを送信する。
【0023】
生存確認データを送信したら、ステップS20で次回の生存確認のための周期をタイマにセットする。続いてステップS21で移動機11Aからの生存確認データに対して通信サーバ装置1から生存確認データの応答が返信されたかどうかを判断する。この結果、移動機11Aに応答返信がされたと判定された場合には、ステップS22で保留となっているデータの送信を行なう。
【0024】
図4は、移動機11Aからのデータ送信処理を示すフローチャートである。
ステップS11において移動機11A内でデータが発生すると、ステップS12で通信回線の状態を確認し、この結果、切断状態の場合にはステップS14でデータを保留して溜め次回生存確認動作の動機にて送信する。しかし、ステップS12の判定結果が接続状態であった場合は、ステップS13で送信し、ステップS15で通信サーバ装置1からの送達確認データの返信の有無を確認する。この判定の結果、返信がない場合にはステップS14へと移行し、一方、判定の結果として返信が確認されたならば、ステップS16で送信したデータの送達完了処理が行われる。
【0025】
図6は、通信サーバ装置1からのデータ送信処理動作を示すフローチャートである。
先ず、ステップS30で通信サーバ装置1内でデータが発生したかを確認し、データが発生していた場合には、ステップS31でデータをデータ保存部24に保留して溜める。また通信サーバ装置1は、ステップS32で常に移動機11Aからのデータ受信を監視しており、受信した場合にはステップS33でそれを動機として送信保留してあったデータを送信する。次に、このデータ送信に対し、ステップS34で移動機11Aから送達確認データが返信されたか否かを判断し、その結果として送達確認データがあった場合には、ステップS35で送達完了処理を行ない、一方、送達確認データがなき場合には、ステップS36でデータを再度保留する。
【0026】
次に、複数の移動機のうちある移動機11Bが、通信サーバ装置1へ連続的に送達を失敗した場合、例えば、ある定められた試行回数を越えた場合の代理サーバ機能について説明する。代理サーバ装置となる移動機とその他の移動機との関係は、ある複数の移動機において、予め決められたグループ分けを行なっておく。そして、当該グループに所属する移動機に対して予め代理サーバ装置としての機能を搭載する。この代理サーバ装置は、同一のグループに所属する移動機のみとだけ通信を行なうことができる。この代理サーバ装置は、本来の通信相手となるべきサーバの機能を有している。
【0027】
すなわち、この無線通信システムにおいて、ある移動機11Bが通信サーバ装置1にデータを送達できないことを防止するために、ある定められた移動機11Mを代理サーバ装置として、該当移動機11Bからのデータを代理サーバ装置11Mにて一時的に受け取り、これを中継して通信サーバ装置1にデータ送達する。この場合、代理サーバ装置11Mの動作は上述した通信サーバ装置1と同等の動作をして移動機11Bとの送受信を行なう。中継したデータは、代理サーバ装置11Mから自分自身のデータと共に通信サーバ装置1に送信することができる。一方、代理サーバ装置11Mは、サーバ装置1にて当該移動機11Bに送るべきデータが発生した場合、先ずデータを代理サーバ装置11Mへ送り、それを当該移動機11Bへ中継送信することとなる。
【0028】
ただし代理サーバ装置は、他の代理サーバ装置とはなり得ない移動機とは一対一による通信を行なう。そして、代理サーバ装置とはならない移動機には、代理サーバとなり得る移動機の情報を設定しておく。他の移動機は、何等かの障害によって通信サーバ装置1と通信が行なえなくなった場合に、この代理サーバ装置にデータを送り、これによりあたかも通信サーバ装置1と通信している動作と何等変わりなく通信を行なうことができる。
【0029】
上述した無線通信システムにおける通信サーバ装置1と移動機11A〜11Nとの問のデータのやり取りのタイミングは、通信サーバ装置1側では送達すべきデータが発生した場合でも即時に送信はせず、送信を保留してデータを溜めておく。また移動機11A〜11Nと通信サーバ装置1との間の通信回線は、移動機11A〜11Nからの接続起動とすることにより行なわれ、所謂、移動機11A〜11N側から通信サーバ装置1側への単方向の通信起動となっている。このため移動機11A〜11Nは、先ず接続要求を送信し、これに対して通信サーバ装置1が接続要求許可を当該移動機11A〜11Nに送信することにより通信回線が確立される。その後、移動機11A〜11Nは、無線電波の強弱の検出を行なう電波状態管理部10によりデータ送受信の可能である期間は常時接続状態となる。
【0030】
すなわち、移動機11A〜11N側からは、タイマ制御部26の働きにより所定の生存確認周期、例えば10分後に生存確認データを送信する。これに対し、通信サーバ装置1側では、生存確認応答と共にそれまで溜めていた保留データをも併せて移動機側へ返送する。また、移動機側では、通信サーバ装置側からのデータに対してデータの応答を行なうこと、さらには、上記生存確認データを通信サーバ装置側に送信する際に、例えば10分後などの周期中に溜めた保留データをも併せて送信することができる。
【0031】
何等かの通信障害により回線が切断された場合には、当該移動機は、即時回線接続動作を行なわず、次回の生存確認動作によるデータ送信の動機にて例えば10分後に回線接続動作を行なうことになる。
【0032】
ところで、任意の移動機11A〜11Nが山間部や海部に移動して無線通信網6Aの電波サポート範囲を外れると、その移動機は無線通信網切替部20の指示により電波状態管理部16A内の電波強度検知部18Aで通常利用の無線通信網6Aの電波強度を検知し、その電波状態判定部19Aにて無線通信網6Aの電波サポート範囲を外れたり異常が生じたことが検出される。すると無線通信網切替部20は、無線制御部17Aから無線制御部17Bに切り替え、電波状態管理部16から電波状態管理部16Bに切り替えられる。従って、通常使用の無線通信網6Aから異常時使用の無線通信網6Bに切り替えられ、異常時使用の電波状態管理部16Bとは衛星通信網であり、山間部や海部に移動した移動機でも良好に使用できる。
【0033】
このような無線通信システムによれば、1つの通信サーバ装置と複数の無線通信端末装置との間で構成される無線通信網を介して相互に情報通信を行なうことを可能とすることにより、複数の無線通信端末装置と通信サーバ装置問において効率的な通信を行なうことができ、また無線電波が弱い地域においても確実に無線通信が行なえるようにしてより広範囲での安定した無線通信が可能となる。
【0034】
つまり、このような無線通信システムによれば、通信サーバ装置1は複数の移動機11A〜11Nとの同時に通信可能となるように各移動機11A〜11Nとの通信回線を確立するため、移動機11A〜11Nは通信サーバ装置1に対して他の移動機とは係わりなく、当該移動機自身の動作状態に応じてデータ送達を行なうことができる。また、移動機11A〜11Nおよび通信サーバ装置1は、共に複数の移動機に対応して通信回線を割り当てたことにより、空き通信回線を探すといった動作は不要となり、さらに、通信サーバ装置1は、全ての移動機の稼動状況を同時に把握することができる。また、移動機及び通信サーバ装置から、相手先にデータ送達時に、送達確認データを受信側から送信元へ返信することにより、データ欠損を防止し、通信サーバ装置と移動機間のデータ通信に関して、信頼性の向上を図ることができる。
【0035】
また、移動機11A〜11Nと通信サーバ装置1は、互いの生存状態の確認のために生存確認用データを移動機からの起動により定期的に通信サーバ装置1宛に送信し、通信サーバ装置1は送信元の移動機11A〜11Nに応答返信することで互いの生存状態を確認することにより、各移動機ごとの通信回線の健全性や、通信サーバ装置1および各移動機11A〜11Nの健全性を確認でき、さらに通信サーバ装置1において全移動機の健全性を一括管理することができる。
【0036】
さらに、移動機11A〜11Nと通信サーバ装置1の通信回線は、無線電波の強弱を検出してデータ送受信の可否の判断を行う電波状態管理部16A,16Bを備えた移動機11A〜11Nから接続起動とすることにより、換言すれば移動機が現在無線電波が弱く無線通信が行えない地域にあった場合にも通信サーバ装置1から接続起動を行なわない構成とすることにより、サーバ装置1側からの当該移動機に対する無用な接続動作を防止することができる。また各移動機11A〜11Nと通信サーバ装置1との間の回線接続期間を常時接続とすることにより、各移動機からの無用な接続動作を削減できると共に、接続動作時に発生するコネクション確立のためデータに対する無用な通信費を削減でき、さらには、無用な電波の発信を防止することができる。しかも何等かの通信障害により回線が切断された場合には、当該移動機は、即時回線接続動作を行わず、次回の生存確認動作によるデータ送信の動機にて、回線接続動作を行うことにより、移動機の接続動作の低減と、接続動作によって発生し得るデータに対する通信費の削減や、無用な電波の発信を防止することができる。
【0037】
加えて、移動機11A〜11Nは、通信サーバ装置1ヘデータ送達する際の何等かの通信障害発生時、あるいは通信サーバ装置1から送達確認データが返信されない場合には、次回の生存確認によって通信サーバ装置1からの生存確認が行えるまで、送達不能となったデータおよびその後に発生する送達データを移動機内に蓄積しておく。その後、通信サーバ装置1からの生存確認が行われたことを動機として、この移動機内に蓄積された送達不能となったデータ及び送達保留データを通信サーバ装置1宛に送信する。このため、無用な送信動作の低減と送信動作によって発生し得るデータに対する通信費の削減や無用な電波の発信を防止することができる。
【0038】
さらに、移動機11A〜11Nと通信サーバ装置1との間において、互いに相手先への送達データを送信する動機は、移動機11A〜11N側から通信サーバ装置1側への単方向の通信起動とすることにより、移動機11A〜11Nが無線電波が弱く通信が行えない地域にあった場合に通信サーバ装置1から送達すべきデータが発生した動機にて即時送信動作を行なわない。このことによって、データ受信が不可能となっている移動機に対する無用な送信動作を防止すると共に、送信動作によって発生する可能性のある回線切断の防止や無用な電波の発信を防止することができる。切断が発生しないことにより、無用な回線接続動作の低減や接続動作時に発生するコネクション確立のためのデータに対する通信費の削減や、無用な電波の発信を防止することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】
以上からも明らかなように本発明の無線通信システムによれば、1つの通信サーバ装置と複数の無線通信端末装置との間で構成される無線通信網を介して相互に情報通信を行なうことを可能とすることにより、複数の無線通信端末装置と通信サーバ装置問において効率的な通信を行なうことができるようになり、また無線電波が弱い地域においても確実に無線通信が行なえるようにしてより広範囲で安定した無線通信が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による無線通信システムを示す概略構成図である。
【図2】図1に示した無線通信システムにおける移動機を示すブロック構成図である。
【図3】図1に示した無線通信システムの移動機における通信回線接続処理動作を示すフローチャートである。
【図4】図1に示した無線通信システムの移動機におけるデータ送信処理動作を示すフローチャートである。
【図5】図1に示した無線通信システムの移動機における生存確認処理動作を示すフローチャートである。
【図6】図1に示した無線通信システムの通信サーバ装置におけるデータ送信処理動作を示すフローチャートである。
【図7】従来の無線通信システムの概略構成図である。
【図8】図7に示した無線通信システムにおける送信手順動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 通信サーバ装置
2 ローカルネットワーク
6A,6B 無線通信網
11A〜11N 移動機
12A1〜12Bn 移動機用アンテナ
16A,16B 電波状態管理部
17A,17B 無線制御部
18A,18B 電波強度検知部
19A,19B 電波状態判定部
21,28 送受信制御
23,30 コネクション制御部
24,31 入力制御部
32 移動機管理部
Claims (1)
- 送るべき送信データを持つ少なくとも1つの通信サーバ装置と、送るべき送信データを持つ複数の無線通信端末装置との間に無線通信網を介してそれらのデータのデータ送受信を行なう無線通信システムにおいて、
無線通信網は、通常使用時の無線通信網と異常時使用の無線通信網とを有し、
上記通信サーバ装置は、上記無線通信端末装置と通信を行なう送受信制御部と、送信データの入力を行なう入力制御部と、送信データを保存するデータ保存部と、上記無線通信端末装置の稼動状態の管理を行なう移動機管理部とを有しており、
上記複数の無線通信端末装置の各々は、電気信号と無線信号の間で送受信データの変換を行なう無線制御部と、上記通信サーバ装置との通信を行なう送受信制御部と、送受信データの入力を行なう入力制御部と、上記通常使用および異常時使用の無線通信網の各々に対応してそれらの通信網の電波の強弱を検出する電波強度検出部と、この電波強度検知部によって検出した電波強度により通信可能か否かを判定する電波状態判定部と、この電波状態判定部の判定結果に基づいて上記無線通信網を選択し切り替える無線通信切替部とを備え、
各無線通信端末装置は、通常使用時の無線通信網が使用可能かを自己の電波強度検出部の検出結果に基づき上記判定部で判定し、使用可能ならばその無線通信網を介して上記通信サーバ装置へ送るべき自己の送信データを送り出し、使用不可ならば、自己の無線通信切替部により異常時使用の無線通信網に切替えて上記通信サーバ装置へ自己の送信データを送り出し、
通信サーバ装置は、無線通信端末装置へ送るべき送信データがあるときは各端末装置対応に送信データを、対応する端末装置からの無線通信網を介して送信データを受信するまで自己のデータ保存部に保存しておき、対応する端末装置からの送られてきた送信データを受け取ったときにそれ迄保存していた送信データをその送られてきた無線通信網を介して対応する端末装置に送信するものとした、ことを特徴とする無線通信システム。
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