JP3790106B2 - 塗料又はインキ組成物 - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明は、自動車、船舶、重電・弱電機器、建設機械、農業機械、家電などの表面加工の用途に利用される常乾、焼き付け、水性塗料、電着塗料組成物又は紙、プラスチックや木材などについて利用されるインキ組成物に関するものであって、酵素で分解した植物油脂肪酸を塗料類用樹脂の変性剤、硬化剤等に使用することによって、つきまわり性、塗膜外観、上塗り鮮映性、付着性などが優れている塗料又はインキ組成物に関するものである。
工業的に植物油を分解して脂肪酸を得る方法には、1897年Twitchell E.が開発した硫酸を用いるトイッチェル分解法、高温アルカリ分解と酸分解および熱時分離を組み合わせた方法(特開昭49−124103号公報)、あるいは1935年にVictor−Millsが発表した連続高圧分解法などがある。得られた脂肪酸はアルキッド樹脂等に変性剤として使用され、これらは低コストで肉持感などに優れているため、塗料、インキ分野で広く使用されている。しかし、脂肪酸の分解時における着色や熱的なダメージによる品質の劣化や、精製度が低い等の理由から、品質(物理的性質、化学的性質)は良いとはいえず、また、安定もしていなかった。
特にアマニ脂肪酸のような反応性の高い多価不飽和脂肪酸は、その分解工程において熱的ダメージを受け易く、トランス酸、重合物などが生成する。そのため、一般的に蒸留による精製が行われているが、色度、トランス酸含量については塗料類の原料として満足するものではなかった。さらに、技術革新が急速に進む今日において、塗料類に対する要求機能が高くなり、被塗布物に対するなじみ性、淡色、硬化性などの機能の向上が強く要望されている。
また、電着塗料類に関しても、環境保護、塗膜品質の向上などの点から自動車用カチオン電着塗料等に対して、重金属(鉛、スズ)使用量の削減、低温焼き付けタイプ、高つきまわりタイプなどの開発が望まれている。
発明の開示
本発明は、つきまわり性、塗膜外観、上塗り鮮明性、付着性に優れた、電着潜在性又は紫外線硬化性を有する塗料又はインキ組成物を提供することを目的とする。
本発明は、上記優れた塗料又はインキ組成物を提供することができる塗料用樹脂又はインキ用樹脂を提供することを目的とする。
本発明は、又、上記優れた塗料又はインキ組成物を提供することができる塗料用樹脂変性剤又はインキ用樹脂変性剤を提供することを目的とする。
本発明は、又、上記塗料用樹脂変性剤又はインキ用樹脂変性剤の効率的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、植物油脂を酵素を用いて分解した脂肪酸を樹脂の変性剤または硬化剤として使用することにより、得られる塗料又はインキ組成物のつきまわり性、塗膜外観、上塗り鮮明性、付着性などが向上することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、植物油脂を酵素分解して得られた脂肪酸で変性されてなる塗料用樹脂又はインキ用樹脂を含有することを特徴とする塗料又はインキ組成物を提供する。
本発明は、又、植物油脂を酵素分解して得られた脂肪酸で変性されてなる塗料用樹脂又はインキ用樹脂を提供する。
本発明は、又、植物油脂を酵素分解して得られた脂肪酸を含有することを特徴とする、塗料用樹脂変性剤又はインキ用樹脂変性剤を提供する。
本発明は、又、植物油脂を酵素分解し、脂肪酸を得ることを特徴とする、塗料用樹脂変性剤又はインキ用樹脂変性剤の製造方法を提供する。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、植物油脂を酵素を用いて分解した脂肪酸または/および該脂肪酸を含有する油脂を含む水分散性等に優れた塗料又はインキ用樹脂変性剤、およびつきまわり性、塗膜外観、上塗り鮮明性、付着性に優れた塗料又はインキ組成物に関する。
本発明において、塗料用樹脂変性剤又はインキ用樹脂変性剤として用いる脂肪酸は、好ましくは分解率が5〜99%であり、好ましくは植物油脂がアマニ油である。該脂肪酸を含有する油脂は、好ましくは該脂肪酸の含量が5〜99重量%である。また、好ましくは、不飽和度残存指数が95以上である。該変性剤を用いて変性した樹脂は、好ましくは水分散性に優れている。塗料又はインキ組成物は、好ましくは該変性した樹脂含量が1〜95重量%であり、好ましくは該脂肪酸を含有し、また、好ましくは電着潜在性を有するものである。
本発明の塗料又はインキ組成物とは、主に、塗膜形成主要素として、塗料類用樹脂、着色顔料、体質顔料、防錆顔料や染料などの着色剤を含むものをいい、これにはさらに可塑剤、乾燥剤、表面調整剤、色分かれ防止剤、消泡剤、レオロジー調整剤、紫外線吸収剤などの塗膜形成副要素が必要に応じて配合することができる。可塑剤、あるいは調整剤などの塗膜形成副要素として変性用脂肪酸、特にアマニ脂肪酸のように不飽和結合の多い脂肪酸を添加することも可能である。また塗膜形成助要素として、有機溶剤、水を使用する場合もある。ここで、本発明の塗料又はインキ組成物は、顔料及び/又は染料を2〜50質量%含有するのが好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。
また、塗膜形成主要素として、着色剤を含まない場合も本発明の塗料又はインキ組成物に含まれ、例えば本発明の塗料又はインキ用樹脂と溶剤のみで構成されるクリアーラッカー類も本発明の塗料又はインキ組成物に含まれる。この場合、溶剤を5〜60質量%含有するのが好ましく、より好ましくは30〜50質量%である。
本発明の塗料又はインキ組成物はさまざまな分類をすることができる。例えば、硬化(乾燥)方法で分類すると、常乾塗料又はインキ、焼き付け塗料又はインキ、紫外線硬化型塗料又はインキ、電子線硬化型塗料又はインキ、塗膜形成要素で分類すると、油性塗料又はインキ、合成樹脂塗料又はインキ、水性塗料又はインキ、エマルション塗料又はインキなどに分類され、さらに塗装法により、刷毛塗り塗料又はインキ、電着塗料又はインキなどに分類できる。
本発明のインキは、アマニ脂肪酸で変成したアルキッドワニスをインキのビヒクル成分としたものは金属板インキのほか、平板インキ、凸版インキ、スクリーンインキ、オフセット用オーバープリントインキなどに利用できる。
本発明の塗料又はインキ組成物には、本発明の塗料又はインキ用の変性した樹脂を1〜95重量%、好ましくは5〜90重量%、さらに好ましくは10〜85重量%、最も好ましくは15〜50重量%含有させることができる。
電着塗料又はインキは、電着塗料および電着潜在性を有する塗料又はインキをいう。
電着塗料又はインキは、その機構からアニオン型とカチオン型に区別され、被塗物として陽極に析出する場合をアニオン型電着、陰極に析出する場合をカチオン型電着と呼んでいる。現在、自動車用防錆下塗り塗料などに広く使用されているのはカチオン型電着塗料である。カチオン型電着塗料に使用される樹脂は、主としてエポキシ樹脂、アクリル樹脂などを骨格としたポリアミン化樹脂で、通常、有機酸で中和し、水分散化され正に荷電している。この塗料に直流電流を通じると、樹脂は陰極表面に析出し、塗膜を形成できる。被塗物は少なくともその表面が導電性金属で構成されているものであれば、その大きさ形状には特に制限はなく、特に刷毛塗り、スプレー塗装などでは困難な袋状部の塗装にも利用できる長所がある。さらに詳細を記載すると、骨格樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂が一般的で、アミノ基、アンモニウム塩基、スルホニウム塩基などの塩基性基の導入、また、エポキシ基を脂肪酸で変性したり、ε−カプロラクトン、脂肪酸などを側鎖に導入するなど、必要に応じて各種の変性がなされる。硬化剤はエポキシ樹脂中の水酸基、アミノ基をブロックイソシアネートで硬化するウレタン硬化タイプが主流を占めている。
電着潜在性とは、あらかじめ電着工程において電圧が印加され、電気化学的な反応を生じることが必須であって、単に加熱することのみによっては、硬化反応の進行がない性質のことを言う。この電着潜在性を有する電着塗料又はインキ組成物の焼き付け温度は、従来のブロックイソシアネート硬化タイプの電着塗料の焼き付け温度の比べて20〜30℃程低い140〜150℃程度で焼き付け可能である。
本発明の電着塗料又はインキ組成物には、さらに必要に応じて通常の塗料添加物、例えば、カーボンブラック、チタンホワイト、ベンガラなどの無機系、有機系着色顔料、染料、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、シリカなどの体質顔料、塩基性ケイ酸鉛、リン酸鉛、鉛丹、シアン化亜鉛、酸化亜鉛、ストロンチウムクロメートなどの防錆顔料を含有することができる。特にはカーボンブラック、チタンホワイトが好ましい。また硬化触媒、消泡剤、ハジキ防止剤などを配合することができる。この場合、本発明の塗料用樹脂又はインキ用樹脂を、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは15〜25重量%、顔料又は染料を好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%、溶剤(水又は有機溶剤)を好ましくは50〜90重量%、さらに好ましくは60〜80重量%含有するのがよい。
本発明の電着塗料又はインキ組成物は、熱的ダメージを受けていない淡色な樹脂変性用脂肪酸を使用しているために、均一な水性樹脂から構成されている。そのため、水分散時の粒子径が小さく揃っており、電着浴中での安定性、顔料分散性、電着性、塗料又はインキの電着槽中での安定性、塗膜形成性、淡色性に関し優れている。その結果、被塗布物に対する本発明の電着塗料又はインキ組成物は、つきまわり性、塗膜外観、上塗り鮮映性に優れている。
特に、本発明の電着潜在性を有する塗料又はインキ組成物は、塗料又はインキの電着槽中での安定性、塗膜形成性、淡色性に関しさらに優れている。
電着塗料又はインキの好ましい態様としては、アマニ油等の植物油脂を酵素、例えばリパーゼを用いて酵素分解して樹脂変性用脂肪酸を得た後、カチオン型アミノ変性エポキシ樹脂、あるいはスルホニウム変性エポキシ樹脂を合成する。このようにして得た電着塗料又はインキ用樹脂は、淡色で透明性に優れ、水に分散させたときに粒子径が小さく揃っている。このため、本発明の本電着塗料又はインキ組成物は、電着浴中での安定性、顔料分散性、電着性、塗膜形成性、淡色性に関し優れている。
本発明の塗料又はインキ組成物の用途としては、自動車、大型車両、船舶、重電・弱電機器、建設機械、農業機械、建築物、構造物、家電、金属缶、玩具、木工品、家具、プラスチックなどの表面加工、下塗り、防錆、印刷、オーバーコート等の用途に利用される。
本発明で用いる植物油脂としては、不飽和結合を2つ以上有する脂肪酸が、油脂中構成脂肪酸全体の好ましくは40〜99%、より好ましくは50〜99%、さらに好ましくは70〜99%である乾性油、半乾性油、不乾性油が好ましい。具体的には麻実油、アマニ油、エゴマ油、オイチシカ油、キリ油、サフラワー油、月見草油、ヒマワリ油、ホウセンカ種子油、ゴマ油、コーン油、大豆油、綿実油、脱水ヒマシ油、トール油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、ヤシ油、落花生油等が挙げられ、これらはそれぞれ単独、もしくは2種以上混合して使用することができる。本発明においては、特にアマニ油、サフラワー油、大豆油、脱水ヒマシ油、トール油が好ましく、アマニ油及び大豆油がより好ましい。これらを単独、もしくは2種以上混合して使用することができるが、単独で使用するのが好ましい。
本発明の脂肪酸により変性する樹脂には、塗料類用樹脂、接着用樹脂、プラスチック用樹脂、繊維用樹脂などを含む。
本発明の脂肪酸を得るには、酵素を用いて植物油脂を酵素分解する。酵素分解は100℃以下で行うため(好ましくは、30〜50℃で1〜48時間)、熱による重合、トランス酸の生成を抑制することができ、乾性油、半乾性油のように不飽和結合を多く持つ植物油から、脂肪酸を得るのに適している。
酵素分解とは、酵素を使用して脂肪酸分解する方法であり、従来の工業的な分解法と違い、比較的低温(通常100℃以下)で分解させるために、脂肪酸の熱的ダメージ、着色が少ない。それゆえに多価不飽和脂肪酸残基を有する植物油や、ヒマシ油、脱水ヒマシ油のように水酸基を有する植物油の分解に適している。また、酵素の種類によっては位置選択性を持つものもあり、トリアシルグリセライドの1,3−位に選択的の作用するもの、および2−位に選択的に作用するものが知られており、求める機能に応じ、酵素の種類を選択することができる。酵素の活性を高めるためには、分解に供する原料植物油は精製度が高く不純物が少ないことが必要であり、この結果、得られた脂肪酸の不純物含量を低く抑えることができる。
酵素分解に使用する酵素とは、リパーゼ類、フォスフォリパーゼ類、エステラーゼ類などがあげられる。リパーゼ類としては、リポプロテインリパーゼ、モノアシルグリセロリパーゼ、ジアシルグリセロリパーゼ、トリアシルグリセロリパーゼ、ガラクトリパーゼ等が挙げられる。フォスフォリパーゼ類としては、リゾフォスフォリパーゼ、フォスフォリパーゼA1,A2,B,C,Dなどが挙げられる。エステラーゼ類としては、コリンエステラーゼ、コレステロールエステラーゼ、ペクチンエステラーゼ、トロピンエステラーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、アセチルエステラーゼ、カルボキシエステラーゼ、アリルエステラーゼ等が挙げられる。また、ひま種子中の油脂分解酵素を用いたり、動物の内臓から抽出したものも利用できる。これらのうち、トリアシルグリセロリペーゼが好ましい。
酵素を産生する微生物としては、細菌、酵母、糸状菌、放線菌等特に限定されるものではないが、リゾプス属、ムコール属、アルカリゲネス属及びキャンディダ属等が挙げられる。
本発明で分解率とは、(中和価実測値/理論中和価)×100(%)の値をいう。理論中和価とは、(式)理論中和価=(56108/脂肪酸の平均分子量)で求められる値であり、リノール酸では200.1、リノレン酸は201.5、アマニ脂肪酸では約202である。本発明において、分解率は完全分解でも良いし、必要に応じて5〜99%、好ましくは30〜99%、さらに好ましくは50〜99%、最も好ましくは60〜97%に調整することもできる。
通常は分解率99%以下で求める機能が得られる。分解率を100%にすることは可能であるが、分解率99%の場合と比較して、分解時間は5倍以上、反応バッチ回数も3倍以上行う必要がある。分解率99%以下の場合、分解率100%の脂肪酸と同等の機能が得られ、製造時間、酵素の寿命等を含めた製造コストを低くすることができる。
分解率の調整は、酵素分解の時間や、その他の条件、例えば温度、水分、PH、攪拌条件、および使用する酵素の種類および量によって調整することができる。特に、酵素分解の時間、使用する酵素の種類および量によって調整することが操作性等に優れ好ましい。ここで、酵素の種類によってはトリアシルグリセライドの1,3−位の分解に選択的に作用するもの、および2−位を選択的に分解するものがあり、目標とする品質に応じ選択することができる。
また、後から油脂類を添加して分解率を調整することも可能である。
酵素分解率を調整した脂肪酸には、脂肪酸の他にモノアシルグリセライド、ジアシルグリセライド等も含まれ、これらの水酸基を官能基として利用することや、これらを乳化剤として利用することが可能であり、酵素分解率の調整により得られる樹脂変性用脂肪酸の性質を調整することができる。例えば、乾燥性の調整等を行うことが可能である。
酵素で分解した植物油脂肪酸の精製法としては活性白土、活性炭、シリカゲルから選ばれた1種、あるいは2種以上の吸着剤による吸着と、低温での蒸留を組み合わせることが好ましい。
塗料類および樹脂に脂肪酸を使用する目的および効果は、▲1▼脂肪酸の持つ不飽和結合を利用して、酸化重合により塗膜を架橋させる。▲2▼長鎖脂肪族炭化水素の導入により、塗膜に柔軟性、耐久性を付与する。▲3▼溶剤に対する溶解性を高め、あるいはまた、他の塗料又はインキ用樹脂、各種塗料添加剤との相溶性、顔料の分散性を高める、などである。脂肪酸は、塗料の塗膜形成主要素として利用する場合と塗膜形成副要素として利用する場合に大別される。塗膜形成主要素として利用する場合は、不飽和結合を利用する場合とカルボキシル基を利用する場合に分類できる。
本発明の脂肪酸は、熱的ダメージが少ないために、ヨウ素価が高く、淡色で、トランス酸含量が低く、脂肪酸組成の変化が小さい。また不純物含量が低い特徴がある。そのため、本発明の脂肪酸を用いた塗料用樹脂は、水分散性、顔料分散性に優れ、淡色で熱安定性の良好な性状を示す。
本発明の脂肪酸を含有する油脂とは、本発明で得られた脂肪酸を含有する植物油脂であり、脂肪酸と同様に塗料又はインキ用樹脂に配合することができる。乳化性、硬化性、乾燥性等の調整のため、脂肪酸を5重量%〜99重量%含有するものが好ましい。
この脂肪酸を含有する油脂は、分解率が完全な脂肪酸に油脂を配合すること、分解率を5〜99%に調整すること、またこれらに油脂を配合することで得ることができる。
分解率が完全ではない場合は、トリグリセライドの他に、モノ、ジアシルグリセライドも含まれ、上述のように水酸基を官能基として利用することや、乳化剤として利用することが可能であり、硬化性、乾燥性等の調整にも利用可能である。
油脂とは、植物油、動物油および脂肪酸等のことをいう。この油脂には脂肪酸の他に、塗料又はインキ用樹脂の性質を調整するための物質を配合することができる。例えばトリグリセライド、ジグリセライド、モノグリセライドの他、アルコール類、炭化水素、リン脂質、ロウエステル、トコフェロールなどが挙げられる。
本発明は、硬化性、乾燥性等に影響を及ぼす不飽和度に関し、従来法で問題になっていた、脂肪酸分解時に生じる不飽和度の低減を抑制することができる。すなわち、原料である植物油脂の不飽和度と、本発明の樹脂変性用脂肪酸または該脂肪酸を含む油脂の不飽和度の差を小さくすることができる。具体的には下記の式から算出される不飽和度残存指数が一定値以上になることである。
不飽和度残存指数=(B/A)×100
A:原料油脂のヨウ素価から算出した変性用脂肪酸または該脂肪酸含有油脂の理論ヨウ素価
B:分解後の変性用脂肪酸または該脂肪酸含有油脂のヨウ素価
植物油を分解して脂肪酸を得る反応において、グリセリンが系外に除かれるため、脂肪酸の理論ヨウ素価は、原料植物油のヨウ素価に比べて大きくなる。アマニ油を例にとって説明すると、アマニ油のヨウ素価が190の場合、分解率100%のアマニ脂肪酸の理論ヨウ素価は約200になる。しかしながら、実際には分解反応において、不飽和度が低減してしまう。したがって、この不飽和度残存指数が大きいほど脂肪分解による不飽和度の低下が抑制されたといえ、原料の植物油脂の有する機能を低下させることなく脂肪酸を製造することができたといえる。本発明の脂肪酸または脂肪酸含有油脂の不飽和度残存指数は95以上、好ましくは95〜99、最も好ましくは98〜99であり、原料の機能を保持している。
本発明の脂肪酸は、製造時における熱的ダメージが少ないために、上記のように不飽和度の低下が抑制される。また、トランス酸生成量が低く抑えられ、原料植物油と比較して脂肪酸組成の変化が小さい特徴を有している。トランス酸生成量は、5%以下が好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下であるのが望ましい。そのため、原料植物油の脂肪酸組成による機能を保持した樹脂変性用脂肪酸を得ることができる。また、熱的ダメージが少ないために淡色であり、また不ケン化物などの不純物含量が低い等の特徴も併せ持つ。また、同様の理由で塗料又はインキ用の樹脂の変性剤、硬化剤として優れている。
本発明の脂肪酸で変性させたか又は硬化させた樹脂は、水分散性、顔料分散性に優れ、淡色で熱安定性の良好な性状を示す。
また、本発明の脂肪酸を、直接塗料又はインキ組成物に配合することもできる。
塗料又はインキ用樹脂としては、油性塗料、合成塗料、水性塗料、電着塗料に利用される樹脂のことをいい、具体的には、アルキッド樹脂などのポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂等をいう。これらのうち、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びウレタン樹脂が好ましい。
脂肪酸変性アルキッド樹脂は、多価アルコール、多塩基酸および脂肪酸を通常の方法で反応させることによって得られるものであって、該脂肪酸変性アルキッド樹脂中の脂肪酸残基の含有率は10〜70重量%、好ましくは15〜65重量%、さらに好ましくは20〜60重量%である。この脂肪酸変性アルキッド樹脂の製造に使用する多価アルコールとしては、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられ、多塩基酸としては、例えば(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸などが挙げられる。脂肪酸変性アルキッド樹脂は常乾性に優れているが、さらに乾燥性を高めるために、硬化剤にアミノ樹脂を用いたアミノ樹脂変性アルキッド樹脂、イソシアナートを用いたウレタン変性アルキッド樹脂、シリコーン中間体を用いたシリコーン変性アルキッド樹脂などがある。また、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸などの各種石油系二重結合との共重合による脂肪酸変性アルキッド樹脂もある。
脂肪酸変性エポキシ樹脂は、ポリエポキシドと脂肪酸を周知の方法でエステル化したものであって、該脂肪酸変性エポキシ樹脂中の脂肪酸残基の含有率は10〜80重量%、好ましくは20〜75重量%、さらに好ましくは30〜70重量%である。この脂肪酸変性エポキシ樹脂の製造に使用するポリエポキシドとしては、例えばビスフェノール型ジエポキシド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどの脂肪族エーテル型ジエポキシド、ジグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレートなどが挙げられ、このうち特にビスフェノール型ジエポキシドが好適である。脂肪酸変性エポキシ樹脂は常乾性を有しているが、さらに硬化性を高めるために、エポキシ基と有機ポリアミンや酸無水物などの硬化剤との架橋反応の利用、水酸基、アミノ基、ビニル基など官能基を導入したエポキシ樹脂とイソシアナート、ブロックイソシアナートなどの硬化剤との反応などを併用することが可能である。
アクリル樹脂を脂肪酸で変性するには、常乾型の脂肪酸変性アルキッド樹脂とブレンドまたはグラフト重合する。該脂肪酸変性アクリル樹脂中の脂肪酸残基の含有率は1〜50重量%、好ましくは2〜35重量%、さらに好ましくは3〜20重量%である。この脂肪酸変性アクリル樹脂の製造に使用するアクリレートモノマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、t−ブチルアミノアクリレート、カプロラクタムアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプトパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなど、また、これらのアクリレート部分がメタクリレートになったものなどが挙げられる。アクリレートプレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレートなどが使用できる。
本発明の塗料又はインキ用樹脂は、求められる品質に応じ脂肪酸または/および脂肪酸含有油脂の含量を調整することができる。また、含有量とともに配合する脂肪酸等の製造時の分解率等を調整することによっても塗料又はインキ用樹脂の性質を調整することができる。
本発明の脂肪酸または脂肪酸含有油脂が変性剤、あるいは硬化剤等として使用された塗料又はインキ用樹脂は、水分散性、顔料分散性に優れ、淡色で熱安定性の良好な性状を示す。また、この塗料又はインキ用樹脂を含む塗料又はインキ組成物は、つきまわり性、塗膜外観、上塗り鮮映性、付着性などが優れている。
本発明の脂肪酸を用いた塗料又はインキ用樹脂は通常の方法で使用することができる。常乾塗料又はインキ、焼き付け塗料又はインキ、紫外線硬化型塗料又はインキ、電子線硬化型塗料又はインキ、電着塗料又はインキなどに配合することができ、特に従来の方法により得られる塗料又はインキ用樹脂に比べ淡色のため、クリアー系、白色系、淡色塗料又はインキに適している。また、カーボンブラックに代表される合成樹脂系塗料又はインキでは比較的分散しにくいといわれている顔料の分散性も良好であるため、鮮明な色の塗膜が形成できる。さらに特に水分散性に優れ、水に分散させた際、粒子径が小さく、かつ、均一であるので、水性塗料又はインキ、電着塗装用塗料又はインキ等に好適に使用することができる。
水分散性樹脂において、水分散時の粒子径は重要な因子である。粒子径が大きかったり、樹脂の熱安定性が低いと樹脂分が沈降して凝集してしまう。また粒子径が不均一であると塗膜の平滑性が悪くなり、均一な塗膜は得られない。粒子径の評価を行うには、直接的手法としては粒子径分布の測定、実使用的には電着塗料の保存安定性、被塗物に対するつきまわり性が指標となる。
本発明の樹脂は、淡色であり、水分散させた際の平均粒子径が0.1μm以下であり、樹脂の沈降量が1mg/h程度と少なく水分散液の保存安定性が優れている。そのため、電着特性の優れた水性カチオン型エポキシ樹脂を提供できる。
実施例
以下、実施例および比較例にて本発明を説明する。実施例中の%は重量%を示す。尚、本発明はここに挙げた実施例に限定されるものではない。
実施例、比較例中の不飽和度残存指数、色数(ガードナー、APHA)、トランス酸含量、粒子径、沈降量、塗装方法、電着塗装方法、つきまわり性、塗膜外観、上塗り鮮映性、電着塗料の電着槽中での安定性、乾燥方法および乾燥時間、UV硬化性評価、鉛筆硬度、付着性の評価は下記のごとく実施した。
[不飽和度残存指数]
基準油脂分析試験法 3.3.3.ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)
原料植物油と、樹脂変性用脂肪酸または該脂肪酸含有油脂のヨウ素価をそれぞれ測定して、樹脂変性用脂肪酸または該脂肪酸含有油脂の分解率より平均分子量を求めて理論ヨウ素価を算出し、実測値との百分率で表す。
[色 数]
ガードナーおよびAPHA法により測定した。
[トランス酸含量]
基準油脂分析試験法 2.4.4.2孤立トランス異性体
所定の方法により脂肪酸メチルエステルを調製し、その赤外スペクトルを測定して、規定の計算式からエライジン酸メチルとして算出した孤立トランス異性体の試料に対する百分率を求めた。
[粒子径]
レーザードップラー式粒度分測定装置(日機装社製、マイクロトラックUPA)を用いて、平均粒子径・累積分布50%・累積分布90%を測定した。
[沈降量]
ダイノメーター(BYK社製)で単位時間中の沈降物量(mg/h)を測定した。
[塗装方法]
冷間圧延鋼板(日本テストパネル社製、PB−3118、0.3×70×150mm)に50μmの膜厚で塗布した。
[電着塗装方法]
カーボン電極を陽極とし、リン酸亜鉛処理板(日本テストパネル社製、Bt3004、0.8×70×150mm)を陰極として、焼き付け後の膜圧が20μmとなる条件で電着塗装を行った。
[つきまわり性]
パイプ法により、塗装部の長さを測定した。
[塗膜外観]
サーフコーダー(Kosaka LaboratoryLtd.社製、SE−30D))でRaを測定した。
[上塗り鮮映性]
鮮明度光度計(東京光電社製、PGD−5)でPGDを測定した。
[電着塗料の電着槽中での安定性]
固形分安定残存率で評価する。固形分安定残存率は、分散直後の固形分(樹脂分、顔料など)の割合に対する、電着塗料を35℃に保持したときの、1ヶ月後の電着槽中間部における固形分の割合を100分率で表した値で表す。
[乾燥方法および乾燥時間]
JIS K5400 6.5
常乾:塗料を試験片に塗布した後、25℃に放置した場合で、粘着性を失い、塗膜を形成するまでの乾燥時間を表す。
UV:紫外線硬化装置(ウシオ電機社製、ハンディキュア800)で2秒間紫外線照射を行った。
[UV硬化性評価方法]
紫外線硬化性の評価は、
硬化乾燥 :塗面中央を親指と人差し指とで強く挟んで、塗膜に指紋によるへこみがつかない状態
半硬化乾燥:塗面の中央を指先で静かにこすって塗面に擦り跡がつかない状態
指触乾燥 :塗面の中央を指先で静かに触れて、指先が汚れない状態
未硬化乾燥:塗面の中央を指先で静かに触れて、指先が汚れる状態
[鉛筆硬度]
JIS K5400 8.4 鉛筆引っかき値
塗膜の硬さを鉛筆の芯で塗膜を引っかいて、塗膜の破れ、あるいはすり傷の状態から鉛筆の濃度記号で表す。
[付着性]
JIS K5400 8.5.3 Xカットテープ法
試験片の上の塗膜を貫通して、素地面に達するX状の切傷をカッターナイフで付け、その上にセロハン粘着テープを張りつけて引き剥がし、素地との付着性を0(劣)〜10(優)点で評価する。
実施例1 樹脂変性用脂肪酸の製造例1
N/Bアマニ油(日清製油社製)100部にイオン交換水40部、リパーゼOF(名糖産業社製)0.1部を加え、37℃で10時間分解反応を行い、静置後、水を除去しその分のイオン交換水を新たに加え、さらに5時間程度分解反応を行い、水洗を経て活性白土を用いて不純物の吸着除去を行い、200℃で蒸留精製を行った。分解率97%の樹脂変性用脂肪酸を70部得た。
得られた樹脂変性用脂肪酸の不飽和度残存指数、色数(ガードナー)、トランス酸含量を測定した。結果を表1に示す。
実施例2 樹脂変性用脂肪酸の製造例2
N/Bアマニ油(日清製油社製)100部にイオン交換水40部、リパーゼQL(名糖産業社製)0.1部を加え、37℃で5時間分解反応を行い、静置後、水を除去しその分のイオン交換水を新たに加え、さらに2時間程度分解反応を行い、水洗を行った後、活性炭で不純物の除去を行い、分解率60%の樹脂変性用脂肪酸を80部得た。
得られた樹脂変性用脂肪酸の不飽和度残存指数、色数(ガードナー)、トランス酸含量を測定した。結果を表1に示す。
実施例3 樹脂変性用脂肪酸の製造例3
大豆油(日清製油社製)100部を用いて実施例1と同様な方法で、分解率97%の樹脂変性用脂肪酸を70部得た。
得られた樹脂変性用脂肪酸の不飽和度残存指数、色数(ガードナー)、トランス酸含量を測定した。結果を表1に示す。
比較例1 樹脂変性用脂肪酸の比較製造例
N/Bアマニ油(日清製油社製)100部にイオン交換水40部、硫酸1.0部、アルキルベンゼンスルホン酸0.75部を加え、95℃で6時間分解反応を行った。その後、静置して水を除去し、同量のイオン交換水を新たに加え、さらに6時間反応を行い、さらに静置して水を除去し、同量のイオン交換水を新たに加え、さらに6時間反応を行い、水洗、乾燥を経て200℃で蒸留精製を行った。分解率97%の樹脂変性用脂肪酸を80部得た。
得られた樹脂変性用脂肪酸の不飽和度残存指数、色数(ガードナー)、トランス酸含量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0003790106
実施例1〜3、比較例1より本発明の樹脂変性用脂肪酸は不飽和度残存指数高く、色数が低く、トランス酸含量が低いことがわかった。これらのことから、本発明の樹脂変性用脂肪酸は、熱的ダメージが少なく、分解後も原料の機能を保持し淡色であることがわかった。
実施例4 水性脂肪酸変性エポキシ樹脂の製造例1
エポキシ当量187のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(東都化成社製:エポトートYD−128)22.1部、エポキシ当量475のビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(東都化成社製:エポトートYD−011)28.1部、プロピレングリコールモノメチルエーテル27.6部を仕込み、撹拌、加熱を行って100℃まで昇温して、100℃で1時間保持した後、80℃まで冷却した。次いでジエチルアミノプロピルアミン7.70部、ジエタノールアミン6.22部を投入し100℃まで昇温して、100℃で2時間保持した後、80℃まで冷却して取り出した。最後に実施例1で得られたアマニ油脂肪酸8.23部、パラトルエンスルホン酸0.1部を加えて、140〜150℃で3時間反応し、アミン変性アマニ油脂肪酸変性エポキシ樹脂を得た。
得られた樹脂の色数(APHA)、粒子径、沈降量を測定した。結果を表2に示す。
実施例5 水性脂肪酸変性エポキシ樹脂の製造例2
実施例2で得られた分解率60%のアマニ油脂肪酸を用いて、実施例4と同様な方法でアミン変性アマニ油脂肪酸変性エポキシ樹脂を得た。
得られた樹脂の色数(APHA)、粒子径、沈降量を測定した。結果を表2に示す。
実施例6 水性脂肪酸変性エポキシ樹脂の製造例3
実施例3で得られた分解率97%の大豆油脂肪酸を用いて、実施例4と同様な方法でアミン変性大豆油脂肪酸変性エポキシ樹脂を得た。
得られた樹脂の色数(APHA)、粒子径、沈降量を測定した。結果を表2に示す。
比較例2 水性脂肪酸変性エポキシ樹脂の比較製造例
比較例1で得られた分解率97%のアマニ油脂肪酸を用いて、実施例4と同様な方法でアミン変性アマニ油脂肪酸変性エポキシ樹脂を得た。
得られた樹脂の色数(APHA)、粒子径、沈降量を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0003790106
実施例4〜6、比較例2より、本発明の樹脂変性用脂肪酸を含むエポキシ樹脂は、淡色であり、粒子径は小さく均一であり、沈降量が少ないことがわかった。本発明の樹脂は、淡色であり、水分散性に優れていることがわかった。
実施例7 脂肪酸変性アルキッド樹脂の製造例
無水フタル酸43.6部とグリセリン21.8部を180℃で5時間反応させて、これに実施例1で得られた分解率97%のアマニ油脂肪酸を40.0部加え、220℃で10時間反応して遊離水酸基をエステル化して油長40%のアマニ油脂肪酸変性アルキッド樹脂を100部得た。
得られたアルキッド樹脂の色数(APHA)を測定した。結果を表3に示す。
比較例3 脂肪酸変性アルキッド樹脂の比較製造例
製造例4で得られた分解率97%のアマニ油脂肪酸を用いて、実施例7と同様な方法でアマニ油脂肪酸変性アルキッド樹脂を得た。
得られたアルキッド樹脂の色数(APHA)を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0003790106
実施例8 脂肪酸変性アクリル樹脂の製造例
アクリル酸メチル22.5部、メタクリル酸メチル26.2部、メタクリル酸11.3部をベンゼン60.0部中でAIBN0.15部を開始剤として窒素雰囲気下で45℃で共重合を行い、これに変性剤として製造例7で得られたアマニ油脂肪酸変性アルキッド樹脂を40.0部、アルキッド樹脂変性アクリル樹脂を100部得た。
得られたアルキッド樹脂の色数(APHA)を測定した。結果を表4に示す。
比較例4 脂肪酸変性アクリル樹脂の比較製造例
比較例3で得たトイッチェル分解アマニ油脂肪酸変性アルキッド樹脂を用いて、実施例8と同様な方法でアマニ油脂肪酸変性アルキッド変性アクリル樹脂を得た。
得られたアルキッド樹脂の色数(APHA)を測定した。結果を表4に示す。
Figure 0003790106
実施例7と比較例3、実施例8と比較例4より、本発明のアルキッド樹脂、アクリル樹脂は淡色であることがわかった。
実施例9 電着塗料の製造例1
(A)基剤樹脂
実施例4のアミン変性アマニ油脂肪酸変性エポキシ樹脂を基剤樹脂とした。
(B)硬化剤の製造
シクロヘキサノン11.6部、トルエン5.45部、ε−カプロラクタム16.8部を仕込み、撹拌、加熱を行って45℃まで昇温し30分保持した。その後45℃に保ちながらポリメチレンポリフェニルイソシアネート41.5部を1時間かけて仕込み、40〜50℃で3時間反応させた。次いで同温度を保持してエチレングリコールモノブチルエーテル24.7部を1時間かけて滴下し、滴下後100℃まで昇温し、100℃で2時間保持した後、80℃まで冷却して、ブロックイソシアネート(B)を得た。
(C)樹脂分散液の調整
基剤樹脂(A)66.2部、硬化剤(B)33.8部の混合物を、分散剤としてフェノキシプロパノール3.20部、中和剤としてギ酸1.16部、稀釈剤として脱イオン水380部の混合液中によく撹拌しながら仕込んで、樹脂水分散液(C)を得た。
(D)顔料ペーストの調整
基剤樹脂(A)29.6部、着色顔料としてカーボンブラック0.62部、チタンホワイト31.1部、体質顔料としてカオリン31.1部、硬化触媒としてジブチルスズオキサイド0.79部、防錆顔料としてカルシウムフェライト7.6部、分散剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテル4.14部、中和剤としてギ酸0.97部、稀釈剤として脱イオン水90.8部をディスパーで十分撹拌分散し、横形サンドミルで粒ゲージ粒度10μm以下になるまで分散して、顔料ペースト(D)を得た。
(E)電着塗料の調整
樹脂分散液(C)85部、顔料ペースト(D)15部を配合し樹脂分20%の電着塗料(E)を得た。
得られた電着塗料のつきまわり性、電着槽中での安定性を評価し、これを電着塗装、170℃、20分間焼き付けした後、塗膜外観、上塗り鮮映性を評価した。結果を、表5に示す。
実施例10 電着塗料の製造例2
実施例5で得られた分解率60%のアマニ油脂肪酸を用いて、実施例9と同様な方法で電着塗料を調整した。但し、樹脂分散液の調整および顔料ペーストの調整時には分散剤フェノキシプロパノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを添加しなかった。
得られた電着塗料のつきまわり性、電着槽中での安定性を評価し、これを電着塗装、170℃、20分間焼き付けした後、塗膜外観、上塗り鮮映性を評価した。結果を、表5に示す。
比較例5 電着塗料の比較製造例
比較例2で得たアミン変性アマニ油脂肪酸変性エポキシ樹脂を用いて、実施例9と同様の方法で電着塗料を得た。
得られた電着塗料のつきまわり性、電着槽中での安定性を評価し、これを電着塗装、170℃、20分間焼き付けした後、塗膜外観、上塗り鮮映性を評価した。結果を、表5に示す。
Figure 0003790106
実施例9、10、比較例5より、本発明の電着塗料は、つきまわり性、塗膜外観、上塗り鮮明性に優れていることがわかった。この結果は、本発明の電着塗料が樹脂分散性、顔料分散性に優れていることを示している。また、塗料の電着槽中での安定性については、樹脂、顔料の凝集、さらに架橋反応が影響するため、樹脂分散性、顔料分散性と相関した結果が得られた。
また、実施例10は、樹脂分散液の調整および顔料ペーストの調整時に分散剤(フェノキシプロパノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル)を添加していないが、脂肪酸分解率を調整することにより、樹脂中にモノ、ジアシルグリセライドが含まれ、これらが分散剤として作用するため、実施例9と同等の塗膜性能が得られた。
実施例11 電着潜在性電着塗料の製造例1
(A)基剤樹脂の製造
エポキシ当量188のポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(ダウケミカル社製:DER331J)22.1部、ビスフェノールA6.7部、ジメチルベンジルアミン0.01部、キシレン71.8部を仕込み、165℃で3.5時間加熱し、エポキシ当量490まで反応を進めた。このものにアミン当量200のポリオキシアルキレンジアミン(テキサコケミカル社製:ジェファーミンD−400)23.5部、キシレン12.4部を加えて、得られた混合物を125℃で5時間反応した。その後、実施例1で得られた樹脂変性用脂肪酸17.6部、パラトルエンスルホン酸0.1部、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド9.3部を加え、140〜150℃で3時間加熱し、アセト酢酸エチル15.3部を加えた。この混合物を150℃まで昇温させ、留出するエタノールを系外に除去しながら約3時間加熱反応させ、基剤樹脂の前駆体である活性メチレン基含有アミン変性アマニ油脂肪酸変性エポキシ樹脂(A−1)を得た。
(A−1)とトリメチロールプロパン/プロピレンオキサイド(6モル)付加物トリアクリレート(東亞合成化学工業社製:アロニックスM−320)とを、活性メチレン基/α,β−不飽和カルボニル基の官能基が1/1となるように配合し、70℃で30分系が均一になるまで攪拌混合して、基剤樹脂であるアミン変性アマニ油脂肪酸変性エポキシ樹脂を得た(A−2)。
(B)樹脂分散液の調整
基剤樹脂(A−2)を用いて、実施例9の(C)と同様な方法で樹脂水分散液(B)を得た。
(C)顔料ペーストの調整
樹脂分散液(B)100部にテトラブチルアンモニウムブロマイド1部を添加して、以下実施例9の(D)と同様な方法で顔料ペースト(C)を得た。
(D)電着潜在性電着塗料の調整
樹脂分散液(B)85部、顔料ペースト(C)15部を配合し樹脂分20%の電着潜在性電着塗料(E)を得た。
得られた電着塗料のつきまわり性、電着槽中での安定性を評価し、これを電着塗装、140℃、20分間焼き付けした後、塗膜外観、上塗り鮮映性を評価した。結果を、表6に示す。
比較例6 電着潜在性電着塗料の比較製造例
比較例1で得た樹脂変性用脂肪酸を用いて、実施例10と同様の方法で電着潜在性電着塗料を得た。
得られた電着塗料のつきまわり性、電着槽中での安定性を評価し、これを電着塗装、140℃、20分間焼き付けした後、塗膜外観、上塗り鮮映性を評価した。結果を、表6に示す。
Figure 0003790106
実施例11と比較例6より、本発明の電着塗料は、つきまわり性、塗膜外観、上塗り鮮明性に優れていることがわかった。この結果は、本発明の電着塗料が樹脂分散性、顔料分散性に優れていることを示している。また、塗料の浴中での安定性については、実施例11、さらに比較例6においても、実施例9よりも良好な結果を得ている。これは電着潜在性電着塗料の架橋反応は熱だけでは進行しないからである。
また、実施例9、10の電着塗料と比較すると、実施例11の電着潜在性電着塗料は、電着塗装の温度を低くすることができ、かつ、塗膜性能も優れていることがわかる。
実施例12 常乾アルキッド樹脂塗料の製造例
実施例7で得たアマニ油脂肪酸変性アルキッド樹脂40.3部に、ロジン変性マレイン酸樹脂(融点120〜130℃)2.5部、カーボンブラック2.2部、トルオール34.3部、キシロール20部、6%ナフテン酸コバルト0.2部、6%ナフテン酸マンガン0.2部、24%ナフテン酸鉛0.3部を加えて、常乾アルキッド樹脂塗料を得た。
得られた常乾アルキッド樹脂塗料を塗装し、乾燥時間、鉛筆硬度、付着性を評価した。結果を表7に示す。
比較例7 常乾アルキッド樹脂塗料の比較製造例
比較例3で得たアマニ油脂肪酸変性アルキッド樹脂を用いて、実施例12と同様の方法で常乾アルキッド樹脂塗料を得た。
得られた常乾アルキッド樹脂塗料を塗装し、乾燥時間、鉛筆硬度、付着性を評価した。結果を表7に示す。
Figure 0003790106
実施例12、比較例7より、本発明品の常乾アルキッド樹脂塗料は、乾燥性に優れ、鉛筆硬度が高く、付着性に優れていることがわかった。乾燥性に関しては、樹脂中の脂肪酸の不飽和度残存指数と相関していることもわかった。
実施例13 常乾アクリル樹脂塗料の製造例
実施例8で得たアルキッド樹脂変性アクリル樹脂70.7部に、チタンホワイト14.2部、トルオール6.9部、キシロール4.5部、ブタノール2.7部、セロソルブ1.0部、6%ナフテン酸コバルト0.08部、6%ナフテン酸マンガン0.08部、24%ナフテン酸鉛0.12部を加えて、常乾アクリル樹脂塗料を得た。
得られた常乾アクリル樹脂塗料を塗装し、乾燥時間、鉛筆硬度、付着性を評価した。結果を表8に示す。
比較例8 常乾アクリル樹脂塗料の比較製造例
比較例4で得たアマニ油脂肪酸変性アクリル樹脂を用いて、実施例13と同様の方法で常乾アクリル樹脂塗料を得た。
得られた常乾アクリル樹脂塗料を塗装し、乾燥時間、鉛筆硬度、付着性を評価した。結果を表8に示す。
Figure 0003790106
実施例13、比較例8より、本発明品の常乾アルキッド樹脂塗料は、乾燥性に優れ、鉛筆硬度が高く、付着性に優れていることがわかった。乾燥性に関しては、樹脂中の脂肪酸の不飽和度残存指数と相関していることもわかった。
実施例14 UV硬化型塗料の製造例
エポキシアクリレート(Shell Chemical社製、DRH303)50部に、実施例1で得たアマニ油脂肪酸5部、ペンタエリスリトールトリアクリレート10部、2−エチルヘキシルアクリレート20部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10部、ベンゾフェノン2.5部、ジエチルアミノエタノール2.5部を加えて、UV硬化型塗料を得た。
得られたUV硬化型塗料を塗装し、UV硬化性、鉛筆硬度、付着性を評価した。結果を表9に示す。
比較例9 UV硬化型塗料の比較製造例
比較例1で得たアマニ油脂肪酸を用いて、実施例14と同様の方法でUV硬化型塗料を得た。
得られたUV硬化型塗料を塗装し、UV硬化性、鉛筆硬度、付着性を評価した。結果を表9に示す。
Figure 0003790106
実施例14、比較例9より、本発明品のUV硬化型塗料は、UV乾燥性に優れ、鉛筆硬度が高く、付着性に優れていることがわかった。乾燥性に関しては、脂肪酸の不飽和度残存指数の結果と相関していることもわかった。
実施例15 金属用焼付け型白インキの製造例
酸化チタン27部、ブチル化メラミン樹脂(固形分60%)12部、100号ソルベント12部、n−ブチルアルコール2部に製造例7で得たアマニ脂肪酸変性アルキッド樹脂47部を加え、3本ロールミルで金属用焼付け型白インキを製造した。得られたインキは鋼板にスクリーン印刷した後、150℃で10分間焼付けを行った。印刷物の鉛筆硬度、付着性を評価した。表10に結果を示す。
比較例10 金属用焼付け型白インキの比較製造例
比較例3で得たアマニ脂肪酸変性アルキッド樹脂を用いて、実施例15と同じ方法で金属用焼付け型白インキを製造した。印刷物の鉛筆硬度、付着性を評価した。表10に結果を示す。
Figure 0003790106
実施例15及び比較例10より、本発明品の金属用焼付け型白インキは、鉛筆硬度が高く、鋼板に対する付着性に優れていることが分かった。これは本発明のアマニ脂肪酸変性アルキッド樹脂は重合性が高く、さらに金属とのなじみが良好であることを示している。

Claims (20)

  1. 植物油脂を酵素分解して得られた脂肪酸で変性されてなるインキ用樹脂を含有することを特徴とするインキ組成物。
  2. 前記脂肪酸が、植物油脂を酵素で5〜99%分解させて得られたものである請求項1記載のインキ組成物。
  3. 前記脂肪酸が、アマニ油又は大豆油を酵素分解して得られたものである請求項1記載のインキ組成物。
  4. 前記脂肪酸の不飽和残存指数が95以上である請求項1記載のインキ組成物。
  5. 顔料及び/又は染料を2〜50質量%含有する請求項1記載のインキ組成物。
  6. 植物油脂を酵素分解して得られた脂肪酸で変性されてなる塗料用樹脂、顔料及び水を含有することを特徴とする電着塗料組成物
  7. 前記脂肪酸が、植物油脂を酵素で〜99%分解させて得られたものである請求項6記載の電着塗料組成物。
  8. 前記脂肪酸が、アマニ油又は大豆油を酵素分解して得られたものである請求項6記載の電着塗料組成物。
  9. 植物油脂を酵素分解して得られた脂肪酸で変性されてなるインキ用樹脂。
  10. 前記脂肪酸が、植物油脂を酵素で5〜99%分解させて得られたものである請求項9記載の樹脂。
  11. 前記脂肪酸が、アマニ油又は大豆油を酵素分解して得られたものである請求項9記載の樹脂。
  12. 前記脂肪酸の不飽和残存指数が95以上である請求項9記載の樹脂。
  13. 植物油脂を酵素分解して得られた脂肪酸を含有することを特徴とする、インキ用樹脂変性剤。
  14. 前記脂肪酸が、植物油脂を酵素で5〜99%分解させて得られたものである請求項13記載の変性剤。
  15. 前記脂肪酸が、アマニ油又は大豆油を酵素分解して得られたものである請求項13記載の変性剤。
  16. 前記脂肪酸の不飽和残存指数が95以上である請求項13記載の変性剤。
  17. 植物油脂を酵素分解し、脂肪酸を得ることを特徴とする、インキ用樹脂変性剤の製造方法。
  18. 植物油脂を酵素で5〜99%分解させる請求項17記載の製造方法。
  19. 前記植物油脂が、アマニ油又は大豆油である請求項17記載の製造方法。
  20. 前記脂肪酸の不飽和残存指数が95以上となるように植物油脂を分解する請求項17記載の製造方法。
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