JP3789512B2 - 光学プリズム装置及びプロジエクタ装置 - Google Patents
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Description
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
産業上の利用分野
従来の技術
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
作用
実施例(図1〜図5)
(1)TIRプリズム装置(図1及び図2)
(2)TIRプリズム装置の応用例(図3〜図6)
発明の効果
【0002】
【産業上の利用分野】
本発明は光学プリズム装置及びプロジエクタ装置に関し、例えば内部全反射プリズムに適用するもの若しくは、内部全反射プリズムを用いたプロジエクタ装置に適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、光学系において入射光をその入射角に応じて選択的に透過又は反射するための光学装置として例えばプリズムが用いられているが、その内の一つとして内部全反射(TIR:Total Internal Reflection) プリズムがある。TIRプリズムは、内部の空気とガラスの境界面に臨界角より大きい角度で入射された光が入射前の偏向状態に係わらず 100〔%〕反射される作用を有するので、この特性を利用して入射光と反射光を分離することができる。
【0004】
このTIRプリズムは例えば、鏡面偏光型光変調器でなるDMD(Digital Micromirror Device)表示パネルを用いたプロジエクタ装置等に用いられる。
TIRプリズムは、プロジエクタ装置においてDMD表示パネルに照射光を導くと共にDMD表示パネルによつて反射される光をプリズムに対する入射角に応じて分離し、有効光を選択するのに用いられる。
DMD表示パネルは、画素に応じて平面状に配置した微小な鏡面素子(DMD素子)の各々を画像信号に応じて制御し、有効光を反射させることによつて画像光変調するものである(特開昭60-179781 号公報、特開平3-40693 号公報、特開平3-174112号公報)。
【0005】
TIRプリズムは2つの三角プリズムによつて形成されるが、非点収差を避けるために2つの三角プリズム間に薄い空気層(0以上、好ましくは2〜20〔μm〕以下)を形成することを必要としている。このように薄い空気層を形成するプリズムの構造としては、以下に述べるようなものがある。例えば、一方のプリズムの光学合せ面に蒸着等により形成する薄膜によつて、囲み領域を設け、この薄膜を間に挿んで他方のプリズムの光学合せ面を接着剤を用いて張り合わせる。これにより薄膜による囲み領域に空気層を形成するようにしたものである。
また薄膜の代わりに光学合せ面の光路部分に開口部を有する薄いスペーサを2つのプリズムの光学合せ面の間に挿入する。これにより2つのプリズム間に挿入されたスペーサの開口部に空気層を形成するようにしたものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところがかかる構成のTIRプリズムは、2つのプリズムを接着するための接着剤が空気層へ浸透して、空気層の厚さ(ギヤツプ)を変化させてしまうという問題があつた。また2つのプリズムを共に固定した場合、熱膨張による応力が加わると、間に挿入したスペーサが変形して空気層のギヤツプを変化させるという問題があつた。このためTIRプリズムを設置する際には片側のプリズムのみしか支持できず、取り扱いが面倒になるという問題があつた。さらに上述したような理由から空気層のギヤツプ制御が難しく、投射画像に非点収差を与えないように所定厚の空気層を形成し、かつそのギヤツプを一定に保つことが困難であるという問題があつた。
さらに空気層のギヤツプ制御が難しくかつ、取扱いが面倒なTIRプリズムを用いたプロジエクタ装置は、非点収差等が発生し光学系を管理するのが難しいという問題があつた。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な構成により光学合せ面の間に安定した薄い空気層を形成することができる光学プリズム装置及びその光学プリズム装置を用いた光学系の管理の容易なプロジエクタ装置を提案しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、第1の合せ面を有する第1のプリズムと、第2の合せ面を有する第2のプリズムと、第1の合せ面及び上記第2の合せ面を対向させた状態で第1のプリズム及び第2のプリズムを対向する2方向から押圧固定することによつて、第1の合せ面及び第2の合せ面間にギヤツプを形成する押圧固定手段とを備える。
【0009】
また本発明においては、光源より出射された出射光を少なくとも2色の分離光に変換し、分離光を各色光に応じた色画像信号で変調する鏡面空間光変調素子構成の各表示パネル上に照射し、各表示パネルを通じて得られる各色画像光を合成し、投射レンズを通じて拡大投射するプロジエクタ装置において、第1のプリズムにおける第1の合せ面及び第2のプリズムにおける第2の合せ面を対向させた状態で対向する2方向から押圧することによつて押圧固定することによつて第1の合せ面及び第2の合せ面間にギヤツプを形成する光学プリズム装置によつて表示パネルに対して入射光を導くと共に、表示パネルによつて反射される有効光を選択的に透過させる。
【0010】
【作用】
これにより、対向する2方向から押圧固定した時に第1のプリズム及び第2のプリズムが当接する位置で固定され、第1の合せ面及び第2の合せ面間にギヤツプが形成されるため、第1のプリズム及び第2のプリズムを押印固定するだけの操作によつて一定のギヤツプを安定して形成することができ、かくして簡易な構成により当該第1の合せ面及び当該第2の合せ面間に安定した薄い空気層を形成することができる。さらに安定した空気層の形成により非点収差のない良好な投射画像が得られる。
【0011】
【実施例】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0012】
(1)TIRプリズム装置
図1及び図2において1は全体として、本発明によるTIRプリズム装置を示し、2つのプリズム2A及び2Bを光学面でなる合せ面3A及び3B同士で機械的に押しつけてプリズムを形成し、ホルダ4A及び4Bによつて一体に保持して形成する。
プリズム2A及び2Bは、それぞれ3つの光学面によつて形成される三角プリズムでなる。各プリズム2A及び2Bは側面が三角形の光学ガラスを材質とした柱状部材でなる。
【0013】
TIRプリズム装置1は、プリズム2A及び2Bを張り合わせる合せ面3A及び3Bの間に、合せ面3A及び3Bの面精度に応じて薄い空気層を形成する。このTIRプリズム装置1は、内部の空気とガラスの境界面に臨界角より大きい角度で入射された光を入射前の偏向状態に係わらず 100〔%〕反射する作用を有し、これにより入射光と反射光とを分離することができる。
【0014】
次に2つのプリズム2A及び2Bを保持するホルダ4A及び4Bについて説明する。先ず、一方のプリズム2Aを保持するホルダ4Aは、プリズム2A及び2Bに入射光を導くための開口部5が開けられた底面部6と、プリズム2Aの側面部7を支持する側面部8とから形成されている。
またホルダ4Aと対をなす他方のホルダ4Bは、ホルダ4Aに上面部9の周辺端部に取り付けられたねじによつてねじ止めされる。ホルダ4Bは、上面部9によつてTIRプリズム装置1を上面から固定すると共に、斜めに切られた側面部10の斜辺部分10Aをホルダ4Aの側面部8の内側の対応位置に設けられた斜めの段差部8Aと当接させる。このときホルダ4Aの側面部8の上端部に設けられた突起状のガイドピン11がホルダ4Bの上面部9の周辺端部に設けられたガイド穴12に嵌合され、これによりホルダ4A及び4Bが一体に組み立てられる。
【0015】
このようにして組み立てられるホルダ4A及び4Bは、ホルダ4Bの上面部9のガイド穴12の隣に取り付けられた密着用ねじ13によつてホルダAの側面部8の上端部に設けられたねじ穴14にねじ止めされる。この結果、ホルダ4A及び4B内に組み込まれたプリズム2A及び2Bは、ホルダ4Bの上面部9とホルダ4Aの底面部6との間で密着用ねじ13の締めつけによつて押しつけられ固定される。また密着用ねじ13の横には、ギヤツプを広げるために用いる調整用ねじ15が設けられている。
【0016】
さらにプリズム2A及び2Bを側面から固定するためにプリズム2A及び2Bの一方の側の側面部7とこれに対面するホルダ4A及び4Bの一方の側の側面部8及び10の間にそれぞれスペーサ(図示せず)を挿入する。各々のスペーサは、それぞれ側面部8の下部及び側面部10の上部に設けられた3つのねじ穴16からねじ(図示せず)によつて締め付けられ、これによりプリズム2A及び2Bは反対側の側面部8及び10に押しつけられ固定される。
このようにプリズム2A及び2Bを間にして2つのホルダ4A及び4Bを組み合わせ、密着用ねじ13及び調整用ねじ15によつて上下方向から締めることにより、両プリズム間のギヤツプをほぼ0〔μm〕に近づけた状態で固定することができる。
【0017】
このようにして組み立てられたTIRプリズム装置1は、接着剤等を使用していないため接着の工程が省かれ比較的安価に製作することができる。また、プリズム2A及び2Bの周囲をホルダ4A及び4Bによつて保護することによつて、プリズムの光学面に手指の油分等が付着しにくい。さらに光学面に手指の油分等が付着した場合でも容易に分解することができるので、溶剤等で洗浄することができ取り扱いが容易になる。
因みに投射画像に非点収差を与えない空気層のギヤツプは0〔μm〕以上、好ましくは2〜20〔μm〕以下とされているが、このTIRプリズム装置1を用いることにより、空気層のギヤツプが安定して保たれるようになり、この結果、非点収差のない良好な投射画像が空気層のギヤツプ制御をせずとも得られる。
【0018】
(2)TIRプリズム装置の応用例
図3〜図6において20は、全体として本発明によるTIRプリズム装置1を用いたプロジエクタ装置を示す。このプロジエクタ装置20は、色分解ブロツクと色合成ブロツクからなる本体ブロツク21と、光源を収納するランプブロツク22とから構成される。
【0019】
ランプブロツク22には、高輝度白色光を出射する光源23と、光源23から出射されるプロジエクシヨン光L1を反射する折返し用ミラー24が設置されている。このランプブロツク22は板金によつて一体に構築され、内部は密閉され冷却システム(図示せず)により冷却されている。またこのランプブロツク22のプロジエクシヨン光L1を出射する窓には不要な紫外線を取り除くためのUV(Ultra Violet)フイルタ25が設けられている。
ランプブロツク22の位置は本体ブロツク21の後部に設けられた位置決めするための位置決めピン26によつて設定される。
【0020】
本体ブロツク21の中央部には各光学部品の取り付け基準となるメインベース27が設けられると共に、この中央部で本体ブロツク21が色分解ブロツク21Aと色合成ブロツク21Bに二分されている。図5に示すように、メインベース27には光軸方向にスライド移動して位置の調整可能なサブベース28が取付けられている。このサブベース28上には、TIRプリズム装置1を取り付けたプリズム取付け金具29と、DMD表示パネル30(30R、30B、30G)と、DMD表示パネル30の反射位置の位置合わせ機構である取り付けブロツク31が設置されている。この取り付けブロツク31には、色分解ブロツク21Aから出射される3色光R、B、GをDMD表示パネル30R、30B、30Gに入射するTIRプリズム装置1R、1B、1Gが配置されている。
【0021】
DMD表示パネル30R、30B、30Gを取り付けた取付けブロツク31(31R、31G、31B)は、下端をサブベース28に固定したプレート32に支持され、それぞれ3枚の移動するプレート33、34及び35が重ね合わせられることによつて形成される。それぞれのプレートは、プレート32を基準にしてプレート33が水平方向に移動し、プレート34が垂直方向に移動し、プレート35が回転方向に移動することによつて、DMD表示パネル30に入射する光の反射位置を調整する。
【0022】
実際上、光源23より出射されるプロジエクシヨン光L1は、ミラー24で本体ブロツク21の方向に折り曲げられ、UVフイルタ25で不要な紫外線が除去された後、本体ブロツク21の色分解ブロツク21Aに入射される。色分解ブロツク21Aに入射されたプロジエクシヨン光L1は、コンデンサレンズ36を通じて平行光に変換されて、折り返し用ミラー37で折り曲げられて分解用ダイクロイツクミラー38R、38B、38Gに照射される。
【0023】
分解用ダイクロイツクミラー38R、38B、38Gは、白色光でなるプロジエクシヨン光L1を赤色光LR、青色光LB及び緑色光LGに分解する。この赤色光LR、青色光LB及び緑色光LGは、ミラー39R、39B、39Gにより斜め45 [°] 上方に折り曲げられる。赤色光LR、青色光LB及び緑色光LGは、それぞれメインベース27に設けられた開口窓40R、40B、40Gを通つて、TIRプリズム装置1R、1B、1Gに導かれる。
【0024】
TIRプリズム装置1R、1B、1Gで反射された光は20 [°] の角度をもつてDMD表示パネル30R、30B、30Gの反射面に照射され、光空間変調されて後、リレーレンズ41R、41B、41Gによつて拡大投射され、合成ダイクロイツクミラー42R、42B、42Gを通つて仮想結像点Aに結像される。このようにミラー39R、39B、39Gからの入射光をTIRプリズム装置1R、1B、1GによりDMD表示パネル30R、30B、30Gに入射するようにしたことにより、位置合わせ機構における全体の光路長が短くなり、従つて位置合わせ機構全体を狭い範囲に配置することができる。
【0025】
DMD表示パネル30R、30B、30Gは、それぞれ映像データの画素の配列(例えば768 ×576 個でなる)に応じて、例えば17〔μm〕角程度でなる微小鏡面素子が複数配列されて構成され、これにより1/2 インチCCD(固体撮像素子)と同程度の大きさの反射面が形成されている。この微小鏡面素子は映像データの画素の配列に応じたフレームメモリの各メモリセルに対応して配置され、各メモリセルの状態に応じて対応する微小鏡面素子の傾き状態がそれぞれ個別に変化するようになされている。
【0026】
実際上、それぞれの微小鏡面素子は中立状態に対して、メモリセルがオン状態、すなわち画素として有効な場合に図6(A)に示すように+10 [°] 傾き、逆にメモリセルがオフ状態、すなわち画素として無効な場合に図6(B)に示すように+10 [°] 傾くようになされている。これにより入射光に対して鏡面で反射される反射光が画像を形成するために必要な有効反射光と無効な無効反射光で20 [°] の光路差を有するように切換えられる。
【0027】
このプロジエクタ装置1の場合、各DMD表示パネル30R、30B、30Gに応じたフレームメモリにそれぞれ赤、緑、青色の1フレーム分の映像データを設定することにより、有効反射光としてそれぞれ赤、緑、青色の映像光が形成される。この赤、緑、青色の映像光は対応するリレーレンズ41R、41B、41Gによつて合成用ダイクロイツクミラー42R、42B、42Gに導かれてカラー画像光として合成される。これがズームレンズ構成のプロジエクシヨンレンズ43を通じてプロジエクタ装置1の外部に離れて配置されたスクリーン(図示せず)上に拡大投影される。
【0028】
プロジエクタ装置20では、このようにして仮想結像点Aに結像された合成光をDMD表示パネル30の取付けブロツク31を操作して、DMD表示パネル30(30R、30B、30G)を垂直方向、回転方向及び焦点方向に微小移動させることにより、仮想結像点Aでの赤色光LR、青色光LB及び緑色光LGのそれぞれの画像位置を補正することができる。
【0029】
以上の構成において、光源23から出射されたプロジエクシヨン光L1は、色分解ブロツク21Aに導かれ、分解用ダイクロイツクミラー38R、38B、38Gによつて赤色光LR、青色光LB及び緑色光LGに分解される。この赤色光LR、青色光LB及び緑色光LGは、ミラー39R、39B、39Gにより斜め45 [°] 上方に折り曲げられ、それぞれメインベース27に設けられた開口窓40R、40B、40Gを通つて、色合成ブロツク21BのTIRプリズム装置1R、1B、1Gに導かれる。
【0030】
TIRプリズム装置1R、1B、1Gで反射された光は20 [°] の角度をもつてDMD表示パネル30R、30B、30Gの反射面に照射され、光空間変調されれ再びTIRプリズム装置1R、1B、1Gに入射される。このようにミラー39R、39B、39Gからの入射光をTIRプリズム装置1R、1B、1GによりDMD表示パネル30R、30B、30Gに入射するようにしたことにより、位置合わせ機構における全体の光路長が短くなり、従つて位置合わせ機構全体を狭い範囲に配置することができる。
【0031】
TIRプリズム装置1は、各DMD表示パネル2R、30B、30Gによる空間光変調に応じて入射光を選択的に透過させる。すなわちTIRプリズム装置1の境界面に図6(B)に示すように、臨界角より大きい角度で入射されるオフ状態の光を反射し、図6(A)に示すように入射角0 [°] のオン状態の光を透過させる。
各色光の変調光はリレーレンズ41R、41B、41Gによつて拡大投射され、合成ダイクロイツクミラー42R、42B、42Gを通つて仮想結像点Aで合成され、プロジエクシヨンレンズを経てスクリーン上に投射される。
【0032】
以上の構成によれば、DMD表示パネル30R、30B、30Gを用いたプロジエクタ装置20において、色分解された各色光をTIRプリズム装置1R、1B、1Gを用いてDMD表示パネル30R、30B、30Gに入射するようにしたことにより、位置合わせ機構における全体の光路長を短くし得、これにより位置合わせ機構全体を狭い範囲に配置することができる。
さらに上述の構成によれば、プリズム2A及び2Bの周囲を機械的にホルダ4A及び4B組み込んで形成したTIRプリズム装置1を用いたことにより、容易に光学系内のTIRプリズム装置1の配置を変えることができる。さらに機械的にホルダ4A及び4B組み込んで形成したTIRプリズム装置1は、接着剤等を用いていないので容易に分解して洗浄することができ、光学的に良好な状態を維持し得る。
【0033】
また上述の構成によれば、TIRプリズム装置1を用いることにより、空気層のギヤツプが安定して保たれるようになり、非点収差のない良好な投射画像が空気層のギヤツプ制御をせずとも得られ、プロジエクタ装置20において光学系を調整する手間を大幅に省くことができる。
【0034】
なお上述の実施例においては、2つのプリズム2A及び2Bをホルダ4A及び4B間に組み込んで張り合わせ、双方が動かぬように固定した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、TIRプリズム装置1を形成する2つのプリズムをホルダ4A及び4Bの斜辺部10Aと段差部8Aに沿つてスライドさせ、互いの合せ面3A及び3B同士に沿つて移動できるようにしても良い。これによりDMD表示パネルの取り付け位置を固定した状態で2つのプリズムの厚さを微小に変化させ、DMD表示パネルからリレーレンズ、プロジエクシヨンレンズ間での実効光路長を変えることにより倍率を調整し、画像合わせの際に各色光の画像の大きさを調整をすることができる。
【0035】
また上述の実施例においては、光源23から照射される白色光を3色光に分解するDMD表示パネルを用いたプロジエクタ装置20について述べたが、本発明はこれに限らず、白色光を少なくとも2色光に分解するプロジエクタ装置であれば良い。
【0036】
また上述の実施例においては、2つのプリズムを用いてTIRプリズムを形成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、薄い空気層をプリズムの合せ面同士の間に形成することを必要とするプリズム装置一般について適用し得る。
【0037】
さらに上述の実施例においては、DMD表示パネル30を光空間変調器として用いたプロジエクタ装置40及び50について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば透過型液晶表示パネル又は反射型液晶表示パネル等を用いたプロジエクタ装置に用いても良い。
【0038】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、対向する2方向から押圧固定した時に第1のプリズム及び第2のプリズムが当接する位置で固定され、第1の合せ面及び第2の合せ面間にギヤツプが形成されるため、第1のプリズム及び第2のプリズムを押印固定するだけの操作によつて一定のギヤツプを安定して形成することができ、かくして簡易な構成により当該第1の合せ面及び当該第2の合せ面間に安定した薄い空気層を形成することができる光学プリズム装置が得られる。
さらに安定した空気層を形成した当該2つのプリズムを用いた光学プリズム装置を用いることにより、非点収差のない光学系の管理の容易なプロジエクタ装置を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるTIRプリズム装置のホルダの斜視図(図1(A))及び(図1(C))、及びプリズムの斜視図(図1(B)を示す略線図である。
【図2】図1のTIRプリズム装置の正面図(図2(A))及び側面図(図2(B))を示す略線図である。
【図3】本発明による鏡面偏光型光変調器を用いたプロジエクタ装置の側面図(図3(A))、上面図(図3(B)及び側面図(図3(C))を示す略線図である。
【図4】図3の本体ブロツクの背面図を示す略線図である。
【図5】メインベース上に取り付けたTIRプリズム装置及び位置合わせ機構の正面図を示す略線図である。
【図6】鏡面偏向型光変調器のDMD素子の動作の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
1……TIRプリズム装置、1R、1B、1G……TIRプリズム、2A、2B……プリズム、4A、4B……ホルダ、5……開口部、6……底面部、7、8、10……側面部、9……上面部、11……ガイドピン、12……ガイド穴、13……密着用ねじ、15……調整用ねじ、20……プロジエクタ装置、21……本体ブロツク、21A……色分解ブロツク、21B……色合成ブロツク、22……ランプブロツク、23……光源、24、37、39R、39B、39G……ミラー、25……UVフイルタ、26……位置決めピン、27……メインベース、30R、30B、30G……DMD表示パネル、38R、38B、38G……分離用ダイクロイツクミラー、40R、40B、40G……開口窓、41……位置決めピン、41R、41B、41G……リレーレンズ、42R、42B、42G……合成用ダイクロイツクミラー、43……プロジエクシヨンレンズ。
Claims (8)
- 第1の合せ面を有する第1のプリズムと、
第2の合せ面を有する第2のプリズムと、
上記第1の合せ面及び上記第2の合せ面を対向させた状態で上記第1のプリズム及び上記第2のプリズムを対向する2方向から押圧固定することによつて、上記第1の合せ面及び上記第2の合せ面間にギヤツプを形成する押圧固定手段と
を具えることを特徴とする光学プリズム装置。 - 上記押圧固定手段は、
上記第1のプリズムを保持する第1のホルダ部材と、
上記第2のプリズムを保持する第2のホルダ部材と、
上記第1のホルダ部材及び上記第2のホルダ部材間に設けられ、上記第1のホルダ部材及び上記第2のホルダ部材間を所定の距離を保った状態で固定することによつて上記ギヤツプを調整する調整部
を具えることを特徴とする請求項1に記載の光学プリズム装置。 - 上記押圧固定手段は、
上記第1のプリズムを保持する第1のホルダ部材と、
上記第2のプリズムを保持する第2のホルダ部材と、
第1のホルダ部材に設けられた第1のねじ穴と、
第2のホルダ部材に設けられた第2のねじ穴と、
上記第1のねじ穴及び上記第2のねじ穴にねじ込まれることによつて上記第1のホルダ部材及び上記第2のホルダ部材を固定する第1のねじと
を具えることを特徴とする請求項1に記載の光学プリズム装置。 - 上記調整部は、
第2のホルダ部材の上記第1のホルダ部材と対向する部分に設けられた第3のねじ穴と、
上記第3のねじ穴にねじ込まれると共に、上記第3のねじ穴へのねじ込深度を調整することにより、上記第1のホルダ部材及び上記第2のホルダ部材間の距離を変動させると共に当該変動された距離を保った状態で上記第1のホルダ部材及び上記第2のホルダ部材間を固定することによつて上記ギヤツプを調整する第2のねじと
を具えることを特徴とする請求項2に記載の光学プリズム装置。 - 上記第1のホルダ部材は、
上記第1のプリズムにおける少なくとも1つの側面を覆う第1の側面部と、
上記第2のホルダ部材は、
上記第2のプリズムにおける少なくとも1つの側面を覆う第2の側面部と、
を具え、
上記第1の側面部と上記第2の側面部のうち少なくとも一対が対向して配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光学プリズム装置。 - 上記第1のプリズム及び上記第2のプリズムは、それぞれ三角柱形状でなる三角プリズムであり、上記第1のプリズムと上記第2のプリズムとによつて内部全反射プリズムを構成する
ことを特徴とする請求項1に記載の光学プリズム装置。 - 上記第1のホルダ部材及び上記第2のホルダ部材は、
上記第1のプリズム及び上記第2のプリズムにおける光路となる以外の面をすべて覆う ように形成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の光学プリズム装置。 - 光源より出射された出射光を少なくとも2色の分離光に変換し、上記分離光を各色光に応じた色画像信号で変調する鏡面空間光変調素子構成の各表示パネル上に照射し、上記各表示パネルを通じて得られる各色画像光を合成し、投射レンズを通じて拡大投射するプロジエクタ装置において、
第1のプリズムにおける第1の合せ面及び第2のプリズムにおける第2の合せ面を対向させた状態で対向する2方向から押圧することによつて、上記第1の合せ面及び上記第2の合せ面間にギヤツプを形成するプリズム装置を具え、
上記光学プリズム装置によつて上記表示パネルに対して入射光を導くと共に、上記表示パネルによつて反射される有効光を選択的に透過させるようにした
ことを特徴とするプロジエクタ装置。
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