JP3789198B2 - 水性ボールペン用金属光沢顔料インキ - Google Patents

水性ボールペン用金属光沢顔料インキ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、着色剤にアルミニウム粉末及び補色顔料を使用し、金色や銀色などのメタリック色調の描線を、筆記用紙の色調に関係なく、得ることのできる水性ボールペン用金属光沢顔料インキに関する。
更に詳しくは、長期保管においても、アルミニウムの沈降を抑制すると共に、インキの追従性が良好で、連続筆記が可能な水性ボールペン用金属光沢顔料インキに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金色や銀色のように、金属光沢を有したメタリック色調の筆記描線を得るための顔料としては、アルミニウム粉末やブロンズ粉末やパール顔料等が用いられている。ブロンズ粉末は、比重の大きい事や酸化変色し易いために、筆記描線に金属光沢調を付与するために必要な数μm程度の粒子径を有した粉末をインキ中に添加すると、沈降分離や、色調の変色や、ペン先部での目詰まりなどの問題が発生し易く、水性の筆記具用インキに用いることは、非常に困難である。
【0003】
アルミニウム粉末は、ブロンズ粉末と比較すると比重は軽く、変色性も小さいが、一般の顔料と比較すると比重は重く、高低pH領域での酸化変色の欠点や、濃度の濃い筆記用紙上での筆記描線が、銀色にしか発色しない問題点も有している。
【0004】
パール顔料は、雲母などの表面に酸化チタンをコーティングし、酸化チタン層の厚みによる屈折率の違いにより、金属光沢性と虹彩色のような色彩を提供できる特徴がある。しかし、金属粉末並の金属光沢を出させるためには、30μ以上の粒子径が必要とされ、インキ中に添加すると、沈降分離やペン先部での目詰まりや筆記抵抗感の悪化などの問題を有していた。
【0005】
金属粉顔料としてアルミニウム粉末を用いたマーキングペン用インキとしては、特公昭62−37678号公報や特公平1−56109号公報に記載されたインキがある。
特公昭62−37678号公報には、アルミニウム粉末などの金属粉顔料と油溶性染料と樹脂と溶剤とから構成された、金属粉顔料により形成される筆記描線の周囲に染料が浸透拡散して輪郭線効果を生じる二重発色インキ組成物が開示されている。
【0006】
特公平1−56109号公報には、表面処理したアルミニウム粉末などの微細金属粉と樹脂と溶剤とから構成された、マーキング用ペンからの良好なインキ追従性を有し、ペン体内のインキ収納部で金属粉顔料の沈降によりハードケーキ化しない、マーキングペン用金属光沢インキが開示されている。
【0007】
上記に記載されたマーキングペン用インキは、粘性が低く、インキ中でのアルミニウム粉末の沈降分離を抑制できないため、インキ収納部内に、インキと共に金属球などの撹拌部材を収納し、筆記時に、このマーキングペンを振り、沈降した金属顔料を再分散しなければ、良好なインキ追従性を得ることができないという問題点を有している。
【0008】
上記のマーキングペン用インキと異なり、金属球などの撹拌部材を使用しないボールペン用インキも提案されている。特開昭60−186573号公報には、溶剤及び該溶剤に可溶な増粘性の樹脂、更に金属粉顔料及び着色顔料が少なくとも所要量ずつ含有され、所要値以上の粘度を有することを特徴とし、メタリック調の色彩を有するインキであって、高粘度で顔料の沈降の少ない加圧ボールペンへの使用に適したインキが開示されている。
【0009】
更に、特開平1−210478号公報には、樹脂とアルミニウムペーストと水からなるインキ主成分に、添加剤としてアセチルアルコール誘導体を添加したことを特徴とし、ピンホールによる塗布の汚れを防止した水性金属光沢インキが開示されている。
【0010】
これらの従来技術は、通常の大気圧下で筆記できる水性ボールペン用インキとしては、沈降分離やインキ追従性や長期安定性に問題を有している。
特開平7−118592号公報には、パール顔料と種子多糖類からなる増粘剤で10,000〜15,000cpsの粘性を付与させた、ボールペン用水性金属光沢インキが提供されているが、インキ粘性が高いため、インキ追従性の低下や、金属光沢性を付与するのに必要な粒子径が大きすぎる為、筆記抵抗感が悪化するなどの問題点を有しており満足できる物ではない。
【0011】
特開平7−145339号公報には、アルミニウム粉末と増粘用の天然多糖類と、水溶性有機溶剤と水から構成され、粘性が100〜1,500ポイズを有し、1rpmの粘性と10rpmの粘性の比が3.0以上を有したインキを提供しているが、やはり粘性が高いためのインキ追従性不良の問題点を解消させてはおらず、金色の補色用として水溶性の染料を使用しているため、濃度の濃い筆記用紙上に筆記した場合、染料の発色性が不足し、銀色の描線しか得ることができず、又濃度の薄い筆記用紙上の描線も耐水性や耐候性が劣り、描線が変色してしまう問題点を有しており、満足できる物ではない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、着色剤としてアルミニウム粉末及び補色着色剤に顔料を使用し、耐水耐候性を向上させ、色々な虹彩色調のメタリック色を発色させた筆記描線が得られ、長期保存においてもアルミニウム粉末の沈降分離や変質を抑制することができ、潤滑性が良好で、チップの摩耗性が低く、滑らかな筆記が得られる水性ボールペン用金属光沢顔料インキを得るため最適な安定剤、潤
滑剤を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アルミニウム粉末及び補色着色顔料と樹脂エマルジョンを含めた沈降防止用の増粘剤と極性溶剤、水よりなるインキ組成物に安定剤、潤滑剤として不飽和脂肪酸のアルカリ塩を配合したことを特徴とする筆記描線がメタリック調の金属光沢を有した、色々な虹彩色性を特徴とした水性ボールペン用金属光沢顔料インキである。
【0014】
この不飽和脂肪酸のアルカリ塩の添加量としては、組成物全重量に対して0.1〜5重量%配合することが好ましい。
【0015】
又この水性ボールペン用金属光沢顔料インキの粘度としては500mPa's以上8,000mPa's未満が好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に使用するアルミニウム粉末は、筆記描線に金属光沢色を付与する顔料として使用する。鱗片状の物は、光の拡散率が高く、金属光沢性がより鮮明に認められるので特に好ましい。
【0017】
アルミニウム粉末は、スタンプミルで、アルミニウム片をステアリン酸などの減摩剤などと共に粉砕するスタンプ法や、噴射法によって得られたアルミニウム粉末と滑剤と適当な剛球と共にドラム中にいれ、ドラムを回転させてアルミニウム片を粉砕するボールミル法などによって得られる。通常市販品としては、アルミニウムペーストとして入手できる。アルミニウムペーストは、アルミニウム金属粉を高沸点の石油系溶剤(ミネラルスピリット)と脂肪酸などの減摩剤とを入れた、ボールミル中で、粉砕、研磨、表面処理した、非常に薄い鱗片状のアルミ微粉末にしてあるため、発火、爆発の危険性が少なく、貯蔵安定性もよく、使用上取り扱いやすくなっている。
【0018】
アルミニウム粉末の使用量は、インキ全量にたいして4〜12重量%が好ましい。使用量が4重量%未満の場合、筆記描線に金属光沢性が低く、使用量が12重量%を越えた場合、固形分が多くなり、インキの粘性も上昇し易く、流動性が低下し、インキの追従性が悪くなり筆記不良が発生しやすくなる傾向が有る。
アルミニウム粉末の平均粒子径は、5〜25μm位の粒子が好ましい。平均粒子径が5μm未満だと筆記描線の金属光沢性が少なくなり、不鮮明な筆記描線になってしまう。平均粒子径が大きいと、粒子自身の沈降分離やペン先部での目詰まりや筆記抵抗感の悪化などの問題が発生する。
【0019】
本発明の特徴とする不飽和脂肪酸のアルカリ塩は、低粘度の水性ボールペンでは添加されたものがあるが、アルミニウム粉末を含む中粘度ボールペン用インキとしては知られていない。
【0020】
市販されている、アルミニウムペーストとしては、スパーファインNo22000WN,スパーファインNo18000WN(大和金属粉工業製)、WB0230,WB1200(東洋アルミ製)、SAP−1110−W(昭和電工製)、STAPAHYDROLAC−300−SUPER(エカルト製)などが有る。又、アルミニウム粉末としては、AA12,No900,No18000(福田金属箔粉工業製)などがある。
【0021】
増粘剤は、アルミニウム粉末の沈降抑制やボールペン用インキとして適当な流動性を付与するために用いるが、水性インキにおいてアルミニウム粉末や補色着色顔料と併用しても、その効果が低減しないという性質を有しているものを選択することが必要である。
具体的には、天然多糖類系で種子多糖類のグァーガム、ローカストビンガム、ガラクトマンナン、ペクチン及びその誘導体、サイリュウムシュードガム、タマリンドウガム、微生物系のキサンタンガム、レオザンガム、ラムザンガム、ウエランガム、ジュランガム等、海藻多糖類のカラーギナン、アルギン酸及びその誘導体、樹脂多糖類のタラガントガム、セルロース及びその誘導体や、合成高分子系では、ポリアクリル酸やその架橋型共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びその誘導体、ポリビニルメチルエーテル及びその誘導体、などを使用することができる。
【0022】
特に微生物系のガムは、強い粘性付与効果と長期期間保存してもその物性が安定している特徴が有るが、雑菌の繁殖性や微粉末顔料の凝集性が強い傾向が有る。
ポリアクリル酸やその架橋型共重合体は、顔料の凝集性や雑菌の繁殖性にたいして安定な特徴は有るが、粘性付与性は、天然多糖類に劣る傾向が有る。インキ成分中のアルミニウム粉末や補色着色顔料の添加量や種類によって上記増粘剤中より、1種類以上選択して使用することができる。たとえば、アルミニウム粉末が、インキ中に含まれる微量の電解質により、イオンとして水中に溶け出すと、顔料の分散安定及び粘性調整のために使用される水溶性樹脂等が、このアルミニウムイオンの作用により、ゲル化、加水分解或いは一部の不溶化により粘度上昇したり、分離凝集する傾向がある。この溶出したアルミニウムイオンをイオン結合によって抑制できる官能基を有した増粘剤、たとえば、側鎖にグルクロン酸を有したキサンタンガムやレオザンガム、グアーガムやローカストビンガムのカチオン化誘導体、カルボン酸を有したポリアクリル酸等が、アルミニウム粉末を含有した水性インキ中での長期保存安定性を維持でき、インキの変質を抑制しやすい傾向がある。樹脂エマルジョンはこのような目的で併用される。
【0023】
増粘剤の使用量としては、0.1重量%〜1.5重量%で有ることが好ましい。増粘剤種で添加量は異なり、天然多糖類系では、0.1重量%〜0.8重量%が好ましく、合成高分子系では、0.5重量%〜1.5重量%が好ましい。
増粘剤の添加量が少ないとアルミニウム粉末粒子の沈降が生じやすく、1.5重量%以上と多くなるとインキの流動性が低下し、インキの追従性不良による筆記不良が発生し易くなる傾向がある。流動性の判定は、インキ粘性で判断することができ、たとえば、一般的な回転粘度計であるE型粘度計で測定した数値よりアルミニウム粉末の沈降抑制には1rpmでの粘性値が1000mPa's以上が必要であり、この粘性を付与させるためには、上記増粘剤の添加量が必要となってくる。又、粘性値が8000mPa's以上を示すと、インキの流動性が低下し、インキの追従性やボールペンのペン先部からの筆記用紙への供給性が悪くなる為、増粘剤の添加量を抑制しなければならない。
【0024】
不飽和脂肪酸のアルカリ塩としては、たとえば炭素数が6〜27でかつ分子中に二重結合を1〜5個有する直鎖状または、分枝鎖状のモノエン酸やポリエン酸、あるいはオキシアルケン酸のナトリウム塩や、カリウム塩、アンモニウム塩又は炭素数1〜3のアルコールでモノ、ジ、トリ置換されたアンモニウム塩などがあげられる。前記不飽和脂肪酸としては、入手の容易さの点で、たとえばヘキセン酸、ヘブテン酸、オクテン酸、ノネン酸、カプロレイン酸、ウンデセン酸、リンデル酸、ミリストレイン酸、2−パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ゴンドイン酸、エルカ酸、ブラシン酸などのモノエン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、アラキドン酸などのポリエン酸、プロベニルグリコール酸、β−オキシヒドロソルビン酸、リシノール酸、リノエライジン酸、オキシナーボン酸、カモレン酸等のオキシアルケン酸等が好ましくあげられるが、これらの中で特にオレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸が好適である。
【0025】
これらの不飽和脂肪酸のアルカリ塩はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよく、その配合量は組成物全量に対し、0.1〜5%の範囲内で選ばれる。この配合量が0.1%以下では、潤滑性が十分でなく補色顔料やアルミニウム粉末によってチップホルダー部が摩耗したり、筆記抵抗感が強くなったり、又、インキ自身の経時安定性にも問題が生じるので好ましくない。
補色着色顔料は、アルミニウム粒子の地色である銀色以外の色を、調色し作成する為に使用するが、顔料自身は、耐水性や耐候性に優れており、半永久的な筆記描線を提供することができ、又、樹脂エマルジョンと一緒に存在している描線は、筆記用紙の地色の濃さや色調に関わらず、色々な色調である虹彩色を提供することができる。
【0026】
使用される顔料種の例としては、カーボンブラック、チタンホワイト、チタンブラック、亜鉛華、べんがら、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、アルミナホワイト、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、ガドミウムレッド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、クレー、タルク、群青、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カルシウム、鉛白、紺青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、真鍮粉等の無機顔料、C.I.PIGMENT YELLOW 34、C.I.PIGMENT RED 104、C.I.PIGMENT BLUE 27、C.I.PIGMENT BLUE 17、C.I.PIGMENT RED 81、C.I.PIGMENT VIOLET 1、C.I.PIGMENT BLUE 1、C.I.PIGMENT VIOLET 3、C.I.PIGMENT RED 53、C.I.PIGMENT RED 49、C.I.PIGMENT RED 57、C.I.PIGMENT RED 48、C.I.PIGMENT YELLOW 3、C.I.PIGMENT YELLOW 1、C.I.PIGMENT YELLOW 74、C.I.PIGMENT YELLOW 167、C.I.PIGMENT YELLOW 12、C.I.PIGMENT YELLOW 14、C.I.PIGMENTYELLOW 17、C.I.PIGMENT YELLOW 13、C.I.PIGMENT YELLOW 55、C.I.PIGMENT YELLOW 83、C.I.PIGMENT ORANGE 16、C.I.PIGMENT ORANGE 13、C.I.PIGMENT ORANGE 5、C.I.PIGMENT RED 38、C.I.PIGMENT RED 22、C.I.PIGMENT RED 5、C.I.PIGMENT RED 146、C.I.PIGMENT RED 245、C.I.PIGMENT VIOLET 50、C.I.PIGMENT BLUE 15、C.I.PIGMENT GREEN 7、C.I.PIGMENT YELLOW 95、C.I.PIGMENT YELLOW 166、C.I.PIGMENT VIOLET 19、C.I.PIGMENT VIOLET 23等の有機顔料、スチレンやポリエステルの重合によって得られる水分散粒子体であるエマルションや中空樹脂分散体自身やそれらを染料で染着することによって得られる染着擬似顔料等から1種又は、2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0027】
極性溶剤は、水性ボールペン用インキとして種々の品質、たとえばペン先でのインキ乾燥防止、低温時でのインキ凍結防止などの目的で使用することができる。
具体的には、全インキ組成物に対して重量比で5%以上、好ましくは40%以上の水分が有ることが望ましい。更に、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール、グリセリン、ジグリセリン、2−ピロリドン、n−メチル−2−ピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン等の保湿性を有する水溶性の有機溶剤を1種乃至複数種用いることが好ましい。
【0028】
その他、必要に応じて、アンモニア、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリポリ燐酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど炭酸や燐酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどアルカリ金属の水酸化物等のpH調整剤、フェノール、ナトリウムオマジン、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン3−ワン、2,3,5,6−テトラクロロ−4(メチルスルフォニル)ピリジン、安息香酸ナトリウムなど安息香酸やソルビン酸やデヒドロ酢酸のアルカリ金属塩、ベンズイミダゾール系化合物等の防腐若しくは防黴剤、ベンゾトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、トリルトリアゾール等の防錆剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどポリオキシエチレンやポリオキシプロピレン或はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンの誘導体、テトラグリセリルジステアレートなどグリセリンやジグリセリン或はポリグリセリンの誘導体、ソルビタンモノオレートなどソルビタン誘導体、パーフルオロアルキル燐酸エステルなど弗素化アルキル基を有する界面活性剤、ジメチルポリシロキ酸のポリエチレングリコール付加物などのポリエーテル変性シリコーン等の潤滑及び湿潤剤を添加して用いる。
【0029】
これらの潤
滑剤及び湿潤剤として例示した界面活性剤は、顔料やアルミニウム粉粒子の分散安定としての機能も有するが、高級脂肪酸アミドのアルキル化スルフォン酸塩、アルキルアリルスルフォン酸塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、アクリル酸共重合体、アクリルメタクリル酸系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂等の水溶性高分子を分散剤として用いることが好ましい。
【0030】
本発明の水性ボールペン用金属光沢顔料インキを製造するには、従来から知られている、種々の方法が採用できる。たとえば、上記各成分を配合し、ディゾルバー等の撹拌機により、混合撹拌することによって、又、ボールミルや三本ロール等によって混合粉砕した後、遠心分離や濾過によって、顔料粒子やアルミニウム粉粒子の粗大粒子、及び未溶解物、混入固形物を取り除くことによって容易に得ることができる。
【0031】
【実施例】
次に実施例を以て本発明を詳細に説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定されるものではない。
(実施例1)
アルミニウムペースト(WB0230:東洋アルミ製) 10.0重量部
*アルミニウム粉含有率68重量%
プロピレングリコール 20.0 〃
キサンタンガム 0.5 〃
リシノール酸カリウム 1.0 〃
精製水 68.5 〃
以上の配合物を撹拌後濾過し、水性ボールペン用インキを得た。
【0032】
(実施例2)
アルミニウムペースト(WB0230:東洋アルミ製) 8.0重量部
*アルミニウム粉含有率68重量%
プロピレングリコール 20.0 〃
キサンタンガム 0.5 〃
リシノール酸カリウム 1.0 〃
黄顔料
{ラクチミンカラーGoldenYellowFL2RConc
(大日精化製)} 15.0 〃
白顔料
{ローペイクOP−84J(ローム&ハース製)} 10.0 〃
*樹脂粒子含有率42.5重量%,平均粒子径550nm
精製水 45.5 〃
以上の配合物を撹拌後濾過し、水性ボールペン用インキを得た。
【0033】
(実施例3)
アルミニウムペースト(WB0230:東洋アルミ製) 8.0重量部
*アルミニウム粉含有率68重量%
プロピレングリコール 20.0 〃
キサンタンガム 0.5 〃
オレイン酸ナトリウム 2.0 〃
青顔料
{ラクチミンカラーBlueFL2BConc
(大日精化製)} 15.0 〃
白顔料
{ローペイクOP−84J(ローム&ハース製)} 10.0 〃
*樹脂粒子含有率42.5重量%,平均粒子径550nm
精製水 45.5 〃
以上の配合物を撹拌後濾過し、水性ボールペン用インキを得た。
【0034】
(比較例1)
アルミニウムペースト(WB0230:東洋アルミ製) 10.0重量部
*アルミニウム粉含有率68重量%
プロピレングリコール 20.0 〃
キサンタンガム 0.5 〃
精製水 69.5 〃
以上の配合物を撹拌後濾過し、比較例1とした。
【0035】
(比較例2)
アルミニウムペースト(WB0230:東洋アルミ製) 8.0重量部
*アルミニウム粉含有率68重量%
プロピレングリコール 20.0 〃
キサンタンガム 0.5 〃
燐酸エステル 0.5 〃
黄顔料
{ラクチミンカラーGoldenYellowFL2RConc
(大日精化製)} 15.0 〃
精製水 56.0 〃
以上の配合物を撹拌後濾過し、比較例2とした。
【0036】
(比較例3)
アルミニウムペースト(WB0230:東洋アルミ製) 8.0重量部
*アルミニウム粉含有率68重量%
プロピレングリコール 20.0 〃
キサンタンガム 0.5 〃
燐酸エステル 0.5 〃
青染料
{ウォーターブルー105(オリエント化学製)} 5.0 〃
白顔料
{ローペイクOP−84J(ローム&ハース製)} 10.0 〃
*樹脂粒子含有率42.5重量%,平均粒子径550nm
精製水 56.0 〃
を加えて撹拌後濾過し、比較例3とした。
【0037】
以上3種類の実施例と、3種類の比較例で得られたインキを、次の試験方法で試験を行い、結果を表−1〜表−2に記載した。
試験の方法は、注番号に従って下記に説明する。
【0038】
▲1▼インキ作成後、1週間以内に光子相関法{NICOMP 370(野崎産業製)}を使用し平均粒子径を測定する。
▲2▼インキ作成後、室温に6ケ月放置した後、初期と同様な方法で粒径を測定する。
▲3▼インキ試作後、1週間以内にEMD型粘度計(東機産業製)を使用し、1rpmの粘性値を測定する。
▲4▼インキ作成後、室温に6ケ月放置した後、初期と同様な方法で粘度を測定する。
▲5▼インキを中継芯のない内径3.5mm、長さ100mmのポリプロピレン製インキ収納管と、0.7mmのボール径を有するステンレス製ペン先からなるリフィールに、インキを充填し、評価用ボールペン体Aを試作した。
この評価用ボールペン体Aを使用し、手で螺旋筆記を行い、その時の筆感を官能的に判定した。
◎:非常に滑らか ○:やや重い △:抵抗を感じる ×:非常に重い
▲6▼試作用ボールペンAで、手で速書螺旋筆記を行い、得られた描線より、インキ切れ性や線割性の有無を目視で確認した。
◎:全くない ○:わずかにある △:少しあり ×:非常に多い
【0039】
【表1】
Figure 0003789198
上記の表の結果より実施例インキは、経時的にアルミニウム粉粒子の凝集や増粘性の変位度が少なく、安定しているのは明白である。
【0040】
【表2】
Figure 0003789198
上記の表の結果より実施例インキは、インキ追従性と筆記性が滑らかで良好な水性ボールペンインキと判定できる。
【0041】
【発明の効果】
本発明の金属光沢色を有する水性ボールペン用顔料インキは、不飽和脂肪酸のアルカリ塩をインキ組成物に配合することにより、アルミニウム粉や顔料粒子を凝集させることなく経時安定性を向上させ、筆感が滑らかで描線品位の優れた金属光沢色を有したメタリック調の筆記描線を得ることができる効果が、示されるものである。

Claims (3)

  1. アルミニウム粉末、補色着色顔料、増粘剤、水、極性溶剤を含むインキ組成物に、不飽和脂肪酸のアルカリ塩を配合してなる水性ボールペン用金属光沢顔料インキ。
  2. 不飽和脂肪酸のアルカリ塩を、組成物全重量に対して0.1〜5重量%含んでなる請求項1記載の水性ボールペン用金属光沢顔料インキ。
  3. インキの粘度が、500mPa's以上で、8,000mPa's未満である請求項1記載の水性ボールペン用金属光沢顔料インキ。
JP11207597A 1997-04-30 1997-04-30 水性ボールペン用金属光沢顔料インキ Expired - Fee Related JP3789198B2 (ja)

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