JP3789006B2 - フィブリル化繊維用紡糸ノズル及び不連続フィブリル化繊維の製造方法 - Google Patents

フィブリル化繊維用紡糸ノズル及び不連続フィブリル化繊維の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子重合体の溶液から繊維を紡糸するために使用される紡糸ノズル及び繊維の製造方法に関し、更に詳しくは、高分子重合体の溶液から不連続にフィブリル化された繊維を紡糸するために好適に使用される紡糸ノズル、及び不連続フィブリル化繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
不連続にフィブリル化された繊維(以下、「不連続フィブリル化繊維」とする)とはパルプに代表されるように、糸又は不織布等のシート状物を得るための原料として好適に利用されている。昨今では、エアーフィルター等の分野において、圧力損失が小さく、高い濾過性能を呈する表面積の大きな極細繊維が有効に利用されているが、更に表面積を増加し、濾過効率を向上させるために、フィブリル化した繊維の利用が提案されている。
【0003】
従来の不織布及び紙等の材料として利用される不連続フィブリル化繊維の製造方法に関しては、これまで数多くの方法が提案されている。例えば、特公昭35−11851号公報に開示された方法によれば、重合体溶液を凝固浴に吐出して重合体を沈殿凝固させる際に、適当な剪断方法により膨潤状態にある重合体粒子又は膨潤状態にある繊維状物を、変形させ又は叩解することによって、フィブリル化した繊維(以下、「フィブリル化繊維」とする)を含むパルプ状物を得ることができる。前記剪断方法としては水掻き又は刃の回転面に角度を有する攪拌機を高速攪拌する方法と、紡糸用ノズルとして二流体ノズルを用い、重合体溶液及びエアーを同時に前記凝固浴の中に吐出する方法とが開示されている。前記方法により得られた前記パルプ状物には、フィブリル化繊維の他にも、最小寸法が10ミクロンより小さな多数の触手状突起物を有する薄膜状又はリボン状の構造物が含まれており、前記方法では前記パルプ状物の形態を十分には制御できない。
【0004】
特開昭40−28125号公報及び特開昭41−6215号公報に開示されたフラッシュ紡糸方式は、無数のフィブリル化繊維の連続糸(プレキシフィラメント)を製造する方法としてよく知られている。前記フラッシュ紡糸方式は、自生の蒸気圧又はそれ以上の高圧域下で、溶剤の正規の沸点よりも高温に加熱された結晶性重合体溶液を、適当な形状のオリフィスを通して低圧域へと押し出すことにより、前記溶剤を急激に蒸発させると共に押し出された重合体を膨張させて、前記重合体を多数に引裂し、連続的なフィブリル化繊維を形成するものである。
【0005】
この方式では瞬間的に溶剤を蒸発させる必要があるため、前記溶剤としては比較的低沸点のもの、例えばベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、塩化メチレン等を使用しなければならず、更に重合体として、前記溶剤に高温、高圧下において均一な溶液を形成し、しかも低圧域へ押し出された時には前記溶剤が非溶剤となるような重合体を選定しなければならないため、得られるフィブリル化繊維の組成は限られたものとなる。しかも、上述の方式は低沸点溶剤を使用しなければならず、また高温高圧状態を維持する必要がある等、工業的には必ずしも優位な方法とはいえず、更に、得られる繊維は連続糸であり、不連続フィブリル化繊維を形成することは困難である。
【0006】
そこで、上述のフラッシュ紡糸方式を改良して不連続繊維を製造するための方法が特公昭48−1416号公報、特公昭54−39500号公報、及び特開平6−207309号公報に開示されている。
特公昭48−1416号公報には、溶融ポリマーに大量の水を分散させて得られる水分散溶液に更に水を追加しながら低圧域に押し出して、フィブリル化した繊維を得る方法が示されている。通常の押出機では多量の水をポリマーに分散さることはできないため、この方法には、大量の水を分散させるための特殊な構造を備えた押出機が必要となる。特公昭54−39500号公報に開示された方法によれば、溶融ポリマーと溶剤との2相液体混合物を急激に圧力解除して得られる連続フィブリル化繊維を水蒸気流によって寸断することにより、不連続フィブリル化繊維が製造される。また、特開平6−207309号公報にはフラッシュ紡糸方式により紡糸された繊維に不活性流体を接触させ、同不活性流体と溶剤蒸気の体積流速を適切化することによって、連続フィブリル化繊維を不連続化させる方法が示されている。
【0007】
しかし、上述の方法はいずれもフラッシュ紡糸方式の改良であり、高圧域から低圧域へ押し出す工程を有しているために、依然として高圧下での操作が必要とされる。
【0008】
この高圧域における圧力を軽減させるために、特開昭51−19490号公報には、臨界共溶力より低圧で、且つ低温臨界共溶温度より低温の条件下で、熱可塑性ポリマーと溶剤との溶液を形成し、前記溶液を分散質とし水を分散媒とするエマルジョンを、二流体ノズルを用いて圧縮性ガスと共に低圧域に噴霧する方式が提案されている。本方式でも低圧下とはいえ、約10から20気圧の圧力下でエマルジョンを維持する必要がある。
【0009】
これに対し、特開昭61−12912号公報には、高圧下での取り扱いを必要としないパルプ状物の製造方法が開示されている。同公報に開示された方法では、芳香族ポリアミドをスルホランに溶解し、この溶液を剪断力を発生する条件下にある高温ガスを用いて分散させることを特徴としている。この方法では二流体ノズルを用い、更に高温ガスとして水を使用する。
【0010】
なお、前記公報に開示された方法では、例えば図4に示すような二流体紡糸ノズル1′を使用している。従来の二流体紡糸ノズル1′は重合体溶液の吐出方向を制御する重合体流路2c′及び前記重合体溶液が吐出される重合体吐出口2d′を有する重合体吐出部2′と、凝固剤流体の噴出角度を制御する凝固剤流路3c′及び前記凝固剤流体が噴出される凝固剤噴出口3d′を有する凝固剤噴出部3′とからなる2重管路を備えている。前記重合体流路2c′と前記凝固剤流路3c′とは内部の管が前記重合体流路2c′であり、その周囲に前記前記凝固剤流路3c′が形成された2重管構造をなしており、凝固剤流体の噴出角度は前記重合体溶液の吐出方向と平行である。
【0011】
また、特開平2−234909号公報には、離液性液晶ポリマーからサブデニール繊維を製造する方法が提案されている。前記方法では、光学異方性ポリマー溶液を室中へ押し出すと共に、前記押し出されたポリマー溶液の流れに沿って前記流れの周囲に接触するように前記室中へ加圧された気体を導入する。前記ポリマー溶液の流れを前記気体と共に、前記流れを細らせて、更に繊維に分割するために適した速度で、隙間を介してより低圧の帯域中へと通過させ、前記低圧の帯域中では分割された前記流れを凝固流体と接触させる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭61−12912号公報に開示された方法では、使用できる重合体溶液の粘度は10cPから105cP であり、一般に繊維の溶融紡糸に使用される重合体溶液の粘度と比較すると低く、汎用的なポリマーに使用できる方法とはいい難い。また、得られる物質もパルプ状物質であり、フィター用途等に使用される不織布には適さないものである。
【0013】
更に、従来の二流体紡糸ノズルの構造によれば、上記重合体吐出口2d′と凝固剤噴出口3d′とが平行に配されているため、重合体溶液に対する凝固剤流体の作用は重合体溶液の周面に平行になされるため内部までのフィブリル化が期待されず、また前記重合体吐出口2d′の周辺を囲むようにして配された凝固剤噴出口3d′の端面と前記重合体吐出口2d′との端面とが一致しているため、前記凝固剤流体が出口付近で拡散し、重合体溶液に対して有効に作用しない。
【0014】
また、特開平2−234909号公報に開示された方法では、室中に押し出されたポリマー溶液は更に間隙を通過させる必要があるが、前記ポリマー溶液は高粘度であり、前記溶液による隙間の閉塞が起こりやすく、工業的には優位な方法とは言えない。
【0015】
上記課題に鑑み、本発明は、高圧下での操作を必要とせず、低温低圧で且つ工業的に優位な条件下において、凝固剤流体が重合体溶液に対して効率的に作用し、高度にフィブリル化された不連続フィブリル化繊維を製造可能とする紡糸ノズルを提供し、更に、従来の技術では不可能であった比較的ガラス転移温度が高い重合体又は熱変性を受ける重合体の不連続フィブリル化繊維を、工業的に優位な条件下で製造可能にする紡糸ノズルを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、重合体溶液が供給される重合体供給口、前記重合体溶液の吐出方向を制御する重合体流路、及び前記重合体溶液が吐出される重合体吐出口を有する重合体吐出部と、凝固剤流体が供給される凝固剤供給口、前記凝固剤流体の噴出角度を制御する凝固剤流路、及び前記凝固剤流体が前記重合体溶液の周面に噴出される凝固剤噴出口を有する凝固剤噴出部とを備えてなるフィブリル化繊維用紡糸ノズルにおいて、前記ノズルは前記重合体吐出口と前記凝固剤噴出口との合流部に、前記重合体吐出口よりも大きな直径を有する混合セル部を備え、前記混合セル部は前記重合体流路の中心線と前記凝固剤流路の中心線との交点より下流側に少なくとも10mm以上の長さを有し、前記重合体流路の中心線と前記凝固剤流路の中心線とのなす角度θが、前記重合体の吐出方向に30°以上70°以下であることを特徴とする紡糸ノズルを主要な構成とする。
【0017】
また、本発明によれば、前記紡糸ノズルの前記重合体供給口に重合体溶液を供給し、前記凝固剤供給口に水蒸気を供給し、前記混合セル部内において、前記重合体溶液を前記水蒸気と混合して凝固させる不連続フィブリル化繊維の製造方法が提供される。この場合、前記混合セル部内における前記水蒸気の線流速を100m/sec.以上とすることが好ましい。
【0018】
本発明でいう「不連続フィブリル化繊維」とは、3次元網状組織を形成するためのサブミクロンオーダーからミクロンオーダーの太さを有する無数の微細な繊維が枝分かれした構造を有する繊維及びその集合体を意味するものであって、特に限定されるものではないが、前記不連続フィブリル化繊維の長さは数ミクロンから数センチメートルにおよぶ。これらの不連続フィブリル化繊維は不織布物及び合成紙を通常の方法により製造する場合に好適な形態を与える。
【0019】
本発明の紡糸ノズルを使用して紡糸できる高分子重合体としては、適切な溶剤を用いて重合体溶液を調整できるものであれば特に限定されるものではない。更に前記重合体溶液には、二相分離溶液、液晶溶液又はゲル状の溶液等をも含み、広義の意味での溶液である。前記高分子重合体としては例えば、セルロース、セルロースエステル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル等のホモポリマー又はコポリマー等が挙げられるが、比較的ガラス転移温度の高い重合体や熱変性を受けやすい重合体、セルロース、セルロースアセテート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル等が従来の方法と比べて優位に利用できる。更に、2種類以上の重合体を混合することも可能である。
【0020】
前記重合体溶液に使用される溶剤にも限定はなく、低沸点溶剤から高沸点溶剤まで利用が可能であり、特に水と相溶性を有するものが繊維形成後の洗浄を効果的に行う上で好ましい。また、2種類以上の溶剤を混合して使用することもできる。更に各種添加剤を添加し、また、予め凝固剤を添加することも可能である。
【0021】
前記重合体溶液の粘度、温度、重合体の濃度は使用する重合体の種類及び溶剤に応じて適宜設定することが可能であるが、概ね、各種従来の溶液紡糸において設定される条件と同一に設定可能であり、前記重合体溶液の調整は一般に知られている手法で容易に行うことができる。
【0022】
前記凝固剤流体としては、前記重合体溶液に使用される重合体に応じて適宜選択が可能であるが、工業的には水が優位に使用される。また、十分に剪断流速を得るためには気相状態での使用がより効果的であり、気相状態を利用することによって、好適な不連続フィブリル下繊維を得るために十分な剪断速度が容易に得られる。
【0023】
例えば、前記重合体としてセルロースを用いる場合に、セルロース材料は、溶解パルプ及びパルプブロック等から選択することができる。これらのパルプにヘミセルロースやリグニン等が含まれていてもよい。これらの中でもα−セルロースの含有率が90重量%以上であるパルプを用いることが好ましい。セルロース材料として用いられるパルプの形状は、シート状及び粉末状のいずれであってもよい。シート状のものはシュレッダー等の裁断機でチップ状にしてから用いてもよい。またセルロースの分子量が著しく低下しない範囲であれば、パルプを粒子状に粉砕してもよい。
【0024】
フィルム形成能を有する高分子重合体としてセルロースを用いる場合、本発明で用いられる溶剤は、N−メチルモルフォリン−N−オキシドと、同N−メチルモルフォリン−N−オキシドと均一に混合可能であると共に、セルロースを溶解不能な溶剤(以下、「非溶剤」という)とからなる混合溶剤が挙げられる。ここで、非溶剤として好ましく用いられるのは、水である。
【0025】
混合溶剤中のN−メチルモルフォリン−N−オキシドは、セルロースを溶解する溶剤として用いられるが、場合によっては、特公昭55−41691号公報、特公昭55−46162号公報、及び特公昭55−41693号公報(あるいは対応する米国特許第4211574号、第4142913号、第4144080号明細書)に記載されている他の第三級アミンオキシドを、N−メチルモルフォリン−N−オキシドと併用することが可能である。この場合、併用できる他の第三級アミンオキシドとして特に好ましいのは、N−メチルモルフォリン−N−オキシドと同様な環状モノ(N−メチルアミン−N−オキシド)化合物であり、例えば、N−メチルピペリジン−N−オキシド、N−メチルピロリドン−N−オキシド等である。
【0026】
また、前記非溶剤としては上述のように水が用いられているが、その他にもメタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、又はブタノールのようなアルコールと水との混合溶剤を用いることもできる。また、N−メチルモルフォリン−N−オキシド又はセルロースと化学的に反応しないならば任意の非プロトン形有機溶剤、例えば、トルエン、キシレン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等を前記セルロース非溶剤として用いることができる。
【0027】
その他、セルロースの溶剤としては、ニトロジエンジオキシド(N2 4 )/ジメチルホルムアミド(DMF)の混合溶剤、パラホルムアルデヒド((CH2 O)x )/ジメチルスルホキシド(DMSO)の混合溶剤、塩化リチウム(LiCl)/ジメチルアセトアミド(DMAC)の混合溶剤なども用いることができる。
【0028】
更に、前記混合溶剤に安定剤を添加することができる。このような安定剤として最も好ましいのは、没食子酸プロピルであるが、特公平3−29819号公報(あるいは対応する米国特許第4426228号明細書)に記載された他の没食子酸エステル、例えば、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸イソプロピル等を用いても良い。また、グリセリンアルデヒド、L−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、トリオ−スレクダクトン、及びレダクチン酸などのカルボニル基と2重結合が隣接している化合構造を有する化合物を安定剤として用いることができる。更に、エチレンジアミン四酢酸等も本発明のセルロース成形用溶液の安定剤として用いることができ、ピロリン酸カルシウムや米国特許第4880469号明細書に記載された塩化カルシウム又は塩化アンモニウム等の無機化合物をセルロース成形用溶液の安定剤として用いることができる。
【0029】
上述のセルロース重合体溶液は、連続式又はバッチ式のいずれでも調整できる。すなわち、スクリュー式押出機等を用いて連続的に溶解調整してもよく、又は、加熱手段及び減圧脱気手段を備えたタンク式の混練機でバッチ溶解調整してもよい。セルロース組成物の溶解温度は特に限定はないが、90〜120℃程度の範囲で行うのが好ましい。溶解温度があまり高温では、セルロースの分解による重合度低下と溶剤の分解及び着色とが著しくなるおそれがあり、また溶解温度があまり低温では溶解が困難になる。
【0030】
上述のセルロース重合体溶液中のセルロース組成物の合計濃度は30重量%以下であることが好ましく、セルロース成形用溶液の成形性とその成形品の生産性とを考慮すれば、セルロース組成物濃度は、6〜25重量%の範囲内であることが好ましい。また、セルロース成形用溶液に用いられる混合溶剤中のN−メチルモルフォリン−N−オキシドと、同N−メチルモルフォリン−N−オキシドに混合可能であると共にセルロースには不溶な溶剤の含有率は、それぞれ、48〜90重量%、及び5〜22重量%が好ましい。なお、セルロースの非溶剤に水を用いた場合には、混合溶剤にセルロース組成物を投入する段階では水の割合を20〜50重量%と大きく設定し、その後減圧加熱下で水を除去し、水の割合を5〜22重量%に調整することが好ましい。
【0031】
また、前記重合体としてセルロースエステルを用いる場合には、前記セルロースアセテートは、酸化度56.2%〜62.5%のセルローストリアセテートでもよく、酸化度48.8%〜56.2%のセルロースジアセテートでも良い。セルロースアセテートの溶剤としては、塩化メチレン、アセトン等の単独溶剤或いは塩化メチレンとメタノール等の混合溶剤が用いられる。セルロースアセテートの重合体溶液を調整するには、セルローストリアセテート又はセルロースジアセテートのフレークを塩化メチレン、アセトン等の単独或いは塩化メチレンとメタノール等の混合溶剤に溶解し、溶液濃度を15〜30重量%、好ましくは18〜27重量%とした紡糸原液を調整する。
【0032】
前記重合体としてポリアクリロニトリル系重合体を使用する場合に、このアクリロニトリル系重合体は、通常のアクリル繊維を構成する重合体であれば特に限定されないが、モノマー構成としてアクリロニトリルを50重量%以上含有するものが好ましく用いられる。
【0033】
アクリロニトリルの共重合成分としては、通常のアクリル繊維を構成する共重合モノマーであれば特に限定されないが、例えば、以下のモノマーが挙げられる。すなわち、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシルエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどに代表されるメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどの不飽和モノマーである。更に、染色改良などの目的で、p−スロホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及びこれらのアルカリ金属塩などを共重合してもよい。
【0034】
本発明に用いるアクリロニトリル系重合体の分子量は特に限定されないが、10万以上で100万以下の分子量が望ましい。分子量が10万未満の場合には、紡糸性が低下すると同時に原糸の糸質も悪化する傾向がある。分子量が100万を越えると紡糸原液の最適粘度を与えるポリマー濃度が低くなり、生産性が低下する傾向にある。
【0035】
前記重合体にアクリロニトリル系重合体を採用する場合に用いられる溶剤としては、アクリロニトリル系ポリマーとアクリル樹脂系ポリマーの各々のポリマーを溶解する共通溶剤であればよく、特に限定されないが、この様な溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ロダン塩、硝酸等が挙げられる。
【0036】
前記重合体としてポリエステルを用いる場合には、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルが好ましく用いられる。このポリエステルの代表的なものとしては、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体をジカルボン酸成分とし、エチレングリコール又はそのエステル形成性誘導体をグリコオール成分とするポリエステルがあるが、前記ジカルボン酸成分の一部を他のジカルボン酸成分に置き換えてもよく、またグリコール成分の一部を他のグリコール成分に置き換えてもよい。
【0037】
他のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸のモノアルカリ金属塩、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸類又はそのエステル及びp−オキシ安息香酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸類又はそのエステル等が挙げられる。
【0038】
また、他のグリコール成分としては、1,4−ブタンジオール、炭素数2〜10のアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(β−オキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールAのビスグリコールエーテル、ポリアルキレングリコール等が挙げられる。
【0039】
更に、ポリエステルが実質的に線状である範囲で、トリメリット酸、ピロメリット酸等のポリカルボン酸、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリン等のポリオール、モノハイドリックポリアルキレンオキサイド、フェニル酢酸等の重合停止剤が用いられたものでも差し支えない。
【0040】
かかるポリエステルは公知の任意の方法で合成したものでよい。例えばポリエチレンテフタレートについて説明すれば、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとをエステル交換反応させるか、又はテレフタル酸にエチレンオキサイドを付加反応させて、テレフタル酸のグリコールエステル、及び/又はその低重縮合体を合成し、次いで前記生成物を常法により重縮合させる方法が一般的である。更に、本発明におけるポリエステルの合成に当たっては、公知の触媒、抗酸化剤、着色防止剤、エーテル結合副生防止剤、難燃剤、その他の添加剤を適宜用いたものでもよい。
【0041】
このようなポリエステルを用いる場合の溶剤としては、m−クレゾール、トリフルオロ酢酸、O−クロロフェノール等の単独溶剤や、トリクロロフェノールとフェノール、テトラクロロエタンとフェノール等の混合溶剤が挙げられる。
【0042】
更に、前記高分子重合体として、ポリエチレン、ポリプロピレン及びそれらの共重合物等のポリオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ弗化ビニル及びそれらの共重合体等のビニル系重合体を用いることもできる。
【0043】
この場合の溶剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シキロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン等の塩素化溶剤、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、及びこれらの混合溶剤を用いることができる。
【0044】
前記重合体と前記溶剤とは従来の方法で調整される。前記重合体溶液は重合体溶液の流入口から本発明の紡糸ノズルに供給される。前記ノズル内に供給された重合体溶液は流路を通り、吐出口から混合セルへ吐出される。一方、凝固剤流体流入口からは凝固剤流体が供給され、前記凝固剤流体は流路により噴出角度を制御されて噴出口から混合セル内へ噴出される。混合セル内において前記重合体溶液に前記凝固剤流体が噴射され、前記重合体溶液は剪断流速下で前記凝固剤流体と混合して凝固され、不連続フィブリル化繊維に賦形される。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1には本発明の代表的な実施の形態である紡糸ノズル1の概略図を示す。
本発明の紡糸ノズル1は、重合体溶液の吐出部2と、凝固剤流体の噴出部3と、前記重合体溶液と前記前記凝固剤流体とが合流する混合セル部4とを備えており、前記重合体吐出部2の下流方向に沿って混合セル部4が直線上に配されている。
【0046】
前記重合体吐出部2は、前記重合体溶液の供給口2aに連結された供給室2bと、前記重合体溶液の吐出方向を制御する重合体流路2cとを有している。前記供給室2bは垂直方向に延びる円筒形状をなし、その下端は徐々に絞り込まれてキャピラリー状の前記重合体流路2cに直線的に接続する。前記供給口2a及び供給室2bは前記重合体溶液で使用されている重合体及び溶剤、前記重合体溶液の粘度、又は吐出量に応じて適宜設定が可能である。前記キャピラリー状の重合体流路2cは前記混合セル部4の上壁面に連通して前記重合体溶液の吐出口2dを形成する。前記重合体流路2cは前記重合体溶液が前記重合体吐出口2dから吐出されて前記凝固剤流体と合流する際に斜行しない程度の長さに設定すれば十分であり、一般に重合体溶液から繊維を紡糸する際に使用される紡糸ノズル形状に用いられる構造により容易に達成することができる。
【0047】
なお、前記重合体流路2cを図2に示すように、前記混合セル部4の上壁から突出させて前記重合体吐出口2dを前記混合セル部4の中程に形成することも可能である。また、重合体溶液の吐出方向を制御するために前記重合体流路2cの下流部にテーパー状の絞り部を形成し、更に前記絞り部の下流をキャピラリー状に形成することも可能であり、前記重合体流路2cの形状は前記重合体溶液に応じて適宜選択できる。前記重合体吐出口2dの大きさは、前記重合体溶液の粘度、吐出量に応じ適宜選択可能であるが、概ね重合体溶液の紡糸に使用されるノズルの口径である、数十μmm〜数mmの範囲が好ましい。
【0048】
前記凝固剤噴出部3は、前記凝固剤流体の供給口3aが形成された供給室3bと、前記凝固剤流体の吐出方向を制御する凝固剤流路3cとを有し、前記凝固剤流路3cは前記混合セル部4の上壁面に連通して前記重合体吐出口2dを囲む円形の開口が形成され、前記開口が前記凝固剤流体の噴出口3dを形成する。なお、前記凝固剤流路3cを前記混合セル部4の側部壁面に連通して形成することも可能である。
【0049】
前記凝固剤流路3cはその中心線が、前記重合体流路2cの中心線となす角度θが、前記重合体溶液の吐出方向に0°<θ<90°の範囲にあるように形成される。前記角度θが0°、すなわち前記凝固剤流体の噴出方向と前記重合体溶液の吐出方向が同一である場合には、形成される繊維はフィルム状となてしまう上に、枝分かれしたフィブリル化繊維が極度に少なくなり、高程度にフィブリル化された繊維を得ることができない。逆に90°以上の場合には、生成した不連続フィブリル化繊維と溶剤及び凝固剤との混合流体を前記混合セル部4から円滑に排出することが難しく、混合セル部4内での詰まりが発生しやすくなる。なお、フィブリル化の度合いを向上し、フィルター等に使用される不織布の基材繊維として好適な形状を与えるためには、前記角度θを20°〜80°、好ましくは30°〜70°の範囲となるように、前記凝固剤流路3cを設定する。
【0050】
更に、前記凝固剤流路3cは、同凝固剤流路3cの中心線と前記重合体流路2cの中心線との交点Pの上流側に前記重合体吐出口2dが配されるように形成される。前記交点Pと前記重合体吐出口2dとの距離Lは0mm≦L≦10mmであることが好ましい。前記重合体吐出口2dが交点Pよりも下流側にある場合、前記重合体溶液と前記凝固剤流体とは十分に混合されず、フィブリル化の度合いが極度に少なくなると同時に、主体繊維の形状が楕円形又はフィルム状を呈し好ましくない。また、交点Pより必要以上に上方にある場合には、前記重合体溶液と前記凝固剤流体の混合が円滑に行われず、前記混合セル部4の壁面に前記重合体溶液が付着し、前記混合セル部4の閉塞を誘発する。更に、前記重合体吐出口2dと前記凝固剤噴出口3dとは、フィブリル化の度合いを向上させる上で、ノズル製作上の制約範囲内で、可能な限り近くにあることが好ましい。
【0051】
更に、本実施の態様における前記凝固剤流路3cは、前記重合体吐出口2dを囲む円形のスリット形状であり、これは前記凝固剤流体を前記重合体吐出口2dから吐出された前記重合体溶液の周面に均一に噴射するために好適な形状である。なお、複数のキャピラリー状流路を前記重合体吐出口2dを中心にして放射状に配することも可能である。前記凝固剤流路3cをスリット形状にする場合、スリットの開度は特に限定されるものではないが、概ね数十μmmの範囲で設定が可能である。前記凝固剤流体の噴出量は、前記重合体溶液の吐出量に応じ、所望の不連続フィブリル化繊維の形態が得られるように設定されることが好ましい。なお、前記凝固剤流体は気相状態にして噴射する場合が好ましいが、このとき前記スリットの開度によって前記凝固剤流体の吐出量をコントロールするよりも圧力コントロールを行う方が容易である。また、前記凝固剤流体噴出口を重合体溶液の中央に設けることも可能である。
【0052】
前記混合セル部4は上壁に前記重合体吐出口2dと前記凝固剤噴出口3dとを有すると共に、下部は開放して排出口4aを形成する円筒形状をなし、直径は1mmφ以上、6mmφ以下に設定されている。前記混合セル部4は前記重合体流路2cの中心線と前記凝固剤流路3cの中心線との交点Pから下流側に少なくとも1mm以上の長さを有することが必要であり、前記重合体溶液の吐出量、前記凝固剤流体の噴出量、又は所望するフィブリル化繊維の形態に応じて適宜設定することができる。前記混合セル部4の長さは、前記重合体溶液が繊維形態に凝固するために要する時間を確保できる長さ、及び剪断により前記重合体が枝分かれしたフィブリル化繊維を形成するために必要な長さがあれば十分であり、概ね交点Pから下流側に1mm以上、好ましくは10mm以上、更に好ましくは30mm以上である。
【0053】
前記混合セル部4の長さを長くすると得られる繊維の平均デニールは小さくなり、枝分かれしたフィブリル化繊維の割合も多くなり、フィルター用途に使用される不織布に供される繊維基材として好適な形態を与えるが、必要以上に長くすると生成する繊維によって詰まりが発生し易くなる。逆に前記混合セル部4の長さを短くすると繊維の平均デニールは大きくなり、また枝分かれしたフィブリル化繊維の数も少なくなり、微細なフィブリル化繊維のすぐれた吸着性能を利用する不織布等に供する繊維として不十分なものとなる。
【0054】
前記混合セル4の径は、本発明が目的とする繊維を得る上で重要な要件である前記混合セル部4内での前記凝固剤流体の線流速を支配する要因であり、十分な線流速を得られる大きさに設定する必要がある。なお、上述のような円筒形状に限るものではなく、矩形スリットとすることも可能であり、その場合でも断面の幅を1mm以上、6mm以下とすることが好ましい。前記混合セル部4の断面積を小さくすれば、線流速は増大するが、形成される繊維による詰まりを発生し易くなり不都合が生じる。逆に前記混合セル部4の断面積を大きくすると凝固剤流体の線流速が低下し、フィブリル化繊維の度合いが低下してしまう。所望の繊維を得るために必要な流速は、例えば凝固剤流体として気相状態を使用した場合、100m/sec.以上の速度が必要である。前記混合セル部4の断面積を大きくしても、気相の流量を増加することによって必要な線流速を確保することも可能であるが、気相の流量の増大は溶剤回収等の後工程での負荷が増大し、経済的不利益が大きくなる。前記混合セル部4の形状は上記の如く十分な長さ及び必要な線流速を確保できる断面積を有するものであればよく、断面の形状が円形、矩形等どのような形であっても本発明の目的を達成することができる。また、前記混合セル部4を前記排出口4aに向けて断面積が漸減又は漸増する形状としたり、前記混合セル部4の先端部を丸くして前記排出口4aを広げることもできる。
【0055】
なお、前記混合セル部4に前記重合体吐出口2dを複数個設けることも可能であり、更に、複数の前記重合体吐出口2dそれぞれに対して前記凝固剤噴出口3dを配して、1つの混合セル部4に設けることも可能であり、生産性の高い紡糸ノズルを得ることができる。
【0056】
いま、従来の方法で調整された重合体溶液を前記重合体供給口2aから前記重合体吐出部2へ供給すると共に、従来の方法で調整された凝固剤流体を前記凝固剤供給口3aから前記凝固剤噴射部3へ供給する。前記重合体溶液は前記重合体吐出部2の前記供給室2bを通って前記重合体流路2cにより吐出方向が規定され、前記重合体吐出口2dから前記混合セル部4内へ吐出される。それと同時に、前記凝固剤流体は前記凝固剤噴射部3の前記供給室3bを通って前記凝固剤流路3cにより噴射角度が規定され、前記凝固剤噴射口3dから前記混合セル部4内の前記重合体溶液に向けて噴射される。前記重合体溶液は噴射された前記凝固剤流体と混合され、前記混合セル部4内で凝固、剪断を受けることにより不連続フィブリル化繊維に賦形される。
【0057】
なお、本発明の紡糸ノズルは上述した実施の態様に限るものではなく、本発明の要件を満たしている限り、適宜変形が可能である。
以下、本発明の紡糸ノズルを使用して紡糸された実施例について説明する。なお、以下の実施例は単に説明のために例示するに過ぎず、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
【0058】
紡糸ノズルには上述の図1に示したノズル1を使用し、前記ノズル1の前記重合体供給室2bは長さ96mm、直径3mmφの円筒形状で、前記重合体流路2cはキャピラリー状をなす。前記凝固剤流路3cはスリット形状をなし、前記重合体流路2cの中心線と前記凝固剤流路3cの中心線とがなす角度θは60°である。その他、重合体流路2cの長さ、重合体吐出口2dの直径、凝固剤流路3cのスリット開度、重合体吐出口2dと重合体流路2cの中心線及び凝固剤流路3cの中心線の交点Pとの距離L、混合セル部4の直径、及び混合セル部の交点Pから下流側への長さに関しては、それぞれ変化させて設定し、表1にその設定値を示す。
【0059】
〔実施例1〕
紡糸ノズルとして表1のノズルAを使用した。重合体溶液として、セルロース(P&Gセルロース社製 溶解パルプ V−60)117gと、約41重量%の水を含有するN−メチルモルフォリンN−オキシド(サンテクノケミカル社製)2000gと、没食子酸プロピル15gとを、小平製作所製真空脱泡装置付きミキサー(ACM−5型)に投入し、減圧加熱条件下で約2時間混合しながら648gの水を脱水して調整されたセルロースの均一溶液を使用した。なお、溶解操作中は釜温度を100℃に保った。次いで得られた上述の重合体溶液を100℃に保ったまま、1.5kg/cm2 の窒素加圧下で重合体供給口2aへ押し出して定量供給し、ギヤポンプを用いて前記ギヤポンプの回転数により重合体溶液の吐出量を規定した。
【0060】
凝固剤流体としては水蒸気を用いた。水蒸気の供給量は減圧弁により供給圧力を規定することにより行った。蒸気量は図1に示すノズルから供給圧力を変えて蒸気のみを凝固液である水中に噴射し、単位時間当たりの重量の増分を求めることにより測定した。
【0061】
セルロース溶液の吐出量を6.0ml/min.、蒸気の供給圧を1.5kg/cm2 に設定した。このきの蒸気流量は水換算で87g/min.であった。凝固液中に浮遊したセルロース繊維を補集し、更に沸騰水中で1時間以上洗浄を行い、室温温下で風乾を行った。
【0062】
この得られたセルロース繊維を走査型電子顕微鏡を用いて、繊維側面の形態を観察した。更に、投写型実態顕微鏡(日本光学社製プロファイルプロジェクターV−12)を用いて繊維の長さ方向の形態を観察した。
得られたセルロース繊維の写真を図5に示す。得られたセルロース賦形体は不連続のフィブリル化した繊維の集合体であり、直径は0.1μm程度の範囲で幅広い分布を有し、繊維長は5mm程度から長いもので5cm程度の幅広い分布を有していた。また繊維は枝分かれ状の構造を有しており、数十μmの繊維側面から数μm以下の細い繊維が分岐している構造が観察された。
【0063】
〔実施例2〕
実施例1と同様の方法でセルロース溶液を調整し、実施例2−1は表1のノズルBを、実施例2−2は表1のノズルCを使用し、上述の実施例1と同様の条件でセルロース繊維を紡糸した。
実施例2−1の電顕写真を図6に、実施例2−2の電顕写真を図7に示す。
前記図からは混合セルの長さを長くすると繊維は細くなり、枝分かれしたフィブリルが発達していることが観察される。
【0064】
〔実施例3〕
実施例1と同様の方法でセルロース溶液を調整し、表1に示すノズルDを使用して実施例1と同様の条件でセルロース繊維を紡糸した。
得られた繊維の電顕写真を図8に示す。
得られたセルロース賦形体は不連続のフィブリル化した繊維の集合体であり、数十μmの繊維側面より数μm以下の細い繊維が分岐している構造が観察された。
【0065】
〔実施例4〕
実施例1と同様の方法でセルロース溶液を調整し、表1に示すノズルEを使用して、実施例1と同様な条件でセルロース繊維を紡糸した。
得られた繊維の電顕写真を図9に示す。
得られたセルロース賦形体は不連続フィブリル化した繊維の集合体であり、数十μmの繊維側面から数μm以下の細い繊維が分岐している構造が観察された。
【0066】
〔実施例5〕
実施例1と同様の方法でセルロース溶液を調整した。紡糸ノズルは表1に示すノズルFを使用し、セルロース溶液の供給量を6.0ml/min.、蒸気の供給圧を2kg/cm2 に設定した。このきの蒸気消費量は水換算で82g/min.であった。実施例1と同様に、凝固液中に浮遊したセルロース繊維を補集し、更に沸騰水中で1時間以上洗浄を行い、室温温下で風乾を行った。
【0067】
得られた繊維の電顕写真を図10に示す。
実施例1と同様に得られたセルロース賦形体は不連続のフィブリル化した繊維の集合体であり、数十μmの繊維側面より数μm以下の細い繊維が分岐している構造が観察された。
【0068】
〔実施例6〕
実施例1と同様の方法でセルロース溶液を調整し、表1のノズルGを用いた。
【0069】
実施例1と同様にセルロース溶液を6g/min.で供給すると共に、蒸気の供給圧を1.5/cm2 に設定した。このとき、前記ノズルGは実施例1のノズルAとスリット開度が異なるため、蒸気流量は70g/min.であった。
得られた繊維の電顕写真を図11に示す。
得られたセルロース繊維の形態を観察したところ、繊維径は大きく、一部フィブリル化した繊維が観察される程度であった。
【0070】
〔実施例7〕
実施例1と同様の方法でセルロース溶液を調整し、混合セル部4の下流端部を排出口4aに向かってラッパ状に広げる以外、実施例1のノズルAと同様な形状、寸法を有するノズルを用い、実施例1と同一の条件でセルロース繊維を賦形した。
得られた繊維の電顕写真を図12に示す。
実施例1と同様に、得られたセルロース賦形体は不連続のフィブリル化した繊維の集合体であり、数十μmの繊維側面より数μm以下の細い繊維が分岐している構造が観察された。
【0071】
〔比較例1〕
実施例1で使用した重合体溶液を用い、図3に示すような、重合体流路2cが混合セル部4の上壁から突出して混合セル部4の排出口4aまで延設され、実質的には混合セル部4を備えていない従来と同様のノズル1″を使用して、実施例1と同様な条件で紡糸を行った。
繊維の電顕写真を図14に示す。
得られた賦形体は枝分かれのない、楕円形の断面を有する繊維又はフィルム状物であった。
【0072】
〔実施例8〕
重合体溶液として、セルロースジアセテート(ダイセル化学工業社製 MBH)230gと、約41重量%の水を含有するN−メチルモルフォリンN−オキシド2000gと、没食子酸プロピル15gとを、実施例1と同一の装置を用いて混合しながら700gの水を脱水して調整されたセルロースアセテートの溶液を使用した。
【0073】
得られた溶液を100℃に保ったまま1.5/cm2 の窒素加圧下で押し出し、ギヤポンプを用いて実施例1と同一のノズルへ、4.5g/min.の速度で定量供給を行った。更に、実施例1と同様に凝固剤流体としては水蒸気を用い、蒸気を減圧弁により圧力1.5g/cm2 に設定した。このときの蒸気流量は水換算で70g/min.であった。
【0074】
実施例1と同様に浮遊したジアセテートセルロース繊維を補集し、十分洗浄を行い、乾燥した。得られた繊維は実施例1のセルロース賦形体と同様に枝分かれした微細な繊維が分岐している構造を有し、長さは1から2cm程度であった。
【0075】
〔実施例9〕
重合体溶液として、セルロースジアセテート(ダイセル化学工業社製 MBH)230gをアセトン770gに溶解して調整された、23重量%のセルロースジアセトン溶液を使用した。
実施例1と同一のノズルを用いて、得られた溶液を4.5ml/min.で吐出すると同時に、蒸気圧を1kg/cm2 に設定した。このときの蒸気流量は73g/min.であった。
得られた繊維は太さサブμmから10μm、長さ数十μmから数百μmのフィブリル化繊維の集合体であった。
【0076】
〔比較例2〕
実施例9と同様に調整したジアセテートアセトン溶液を40℃に保ちながら、3.6g/min.の速度で図4にしめす従来の二流体ノズル1′(SPRAYING SYSTEMS CO.製 セットアップNo.E25A )を用いて、2.0kg/cm2 ゲージ圧の蒸気とともに30℃の水中に吐出した。
得られた繊維に実施例9と同様な処理を施し、形態観察を行ったところ、薄膜状の集合体であった。
【0077】
〔実施例10〕
水を媒体とし、過硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウムを重合触媒としてアクリロニトリルを重合し、洗浄乾燥して、比粘度0.18(1.0g/100ccのDMF溶液、25℃で測定)のアクリロニトリル100重量%の重合体を得た。前記重合体200gをDMF800gに溶解して重合体溶液を調整した。この重合体溶液を80℃に保って、実施例1と同一のノズルを用い、5.2ml/min.の速度で混合セル部4内に吐出した。凝固剤流体として蒸気を用い、蒸気圧を1.5kg/cm2 で混合セル部4内に噴出した。このときの蒸気流量は80g/min.であった。
得られた繊維を洗浄、乾燥した後、繊維の形態を観察した。
得られた繊維は太さサブμmから10μm、長さ数十μmから数百μmのフィブリル化繊維の集合体であった。
【0078】
〔実施例11〕
実施例1で使用した重合体溶液を用い、図2に示すように、混合セル部4の上壁から直径0.2mmのキャピラリー状の重合体流路2cを1.5mm突出して前記重合体溶液に対して前記凝固剤流体が並行に接触させるノズルを使用した。
【0079】
混合セル部4の直径は2mmφ、長さは13mmであり、その他の部位は実施例1で使用したノズルと同一寸法に設定されたノズルを使用し、実施例1と同様な条件で紡糸を行った。
繊維の電顕写真を図13に示す。
重合体溶液の吐出口から得られた賦形体は一部フィブリル化した繊維がみられた。
【0080】
【表1】
Figure 0003789006
【0081】
【発明の効果】
本発明の紡糸ノズルを用いることにより、格別に特殊な構造を備えた紡糸装置を使用することなく、好適な不連続フィブリル化繊維の集合体を製造することができ、工業的な意味は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による紡糸ノズルの断面図である。
【図2】本発明の他の実施態様による紡糸ノズルの断面図である。
【図3】比較例で使用した従来のノズルの断面図である。
【図4】従来の2流体ノズルの一例を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例1で得た不連続フィブリル化繊維の電子顕微鏡写真(200倍)である。
【図6】本発明の実施例2−1で得た不連続フィブリル化繊維の電子顕微鏡写真(200倍)である。
【図7】本発明の実施例2−2で得た不連続フィブリル化繊維の電子顕微鏡写真(200倍)である。
【図8】本発明の実施例3で得た不連続フィブリル化繊維の電子顕微鏡写真(200倍)である。
【図9】本発明の実施例4で得た不連続フィブリル化繊維の電子顕微鏡写真(200倍)である。
【図10】本発明の実施例5で得た不連続フィブリル化繊維の電子顕微鏡写真(200倍)である。
【図11】本発明の実施例6で得た不連続フィブリル化繊維の電子顕微鏡写真(200倍)である。
【図12】本発明の実施例7で得た不連続フィブリル化繊維の電子顕微鏡写真(200倍)である。
【図13】本発明の実施例11で得た不連続フィブリル化繊維の電子顕微鏡写真(200倍)である。
【図14】本発明の比較例1で得た不連続フィブリル化繊維の電子顕微鏡写真(200倍)である。
【符号の説明】
1 紡糸ノズル
2 重合体吐出部
2a 重合体供給口
2b 重合体供給室
2c 重合体流路
2d 重合体吐出口
3 凝固剤噴出部
3a 凝固剤供給口
3b 凝固剤供給室
3c 凝固剤流路
3d 凝固剤噴出口
4 混合セル部
4a 排出口
P 重合体流路の中心線と凝固剤流路の中心線との交点

Claims (3)

  1. 重合体溶液が供給される重合体供給口、前記重合体溶液の吐出方向を制御する重合体流路、及び前記重合体溶液が吐出される重合体吐出口を有する重合体吐出部と、凝固剤流体が供給される凝固剤供給口、前記凝固剤流体の噴出角度を制御する凝固剤流路、及び前記凝固剤流体が前記重合体溶液の周面に噴出される凝固剤噴出口を有する凝固剤噴出部とを備えてなるフィブリル化繊維用紡糸ノズルにおいて、
    前記ノズルは前記重合体吐出口と前記凝固剤噴出口との合流部に、前記重合体吐出口よりも大きな直径を有する混合セル部を備え、前記混合セル部は前記重合体流路の中心線と前記凝固剤流路の中心線との交点より下流側に少なくとも10mm以上の長さを有し、前記重合体流路の中心線と前記凝固剤流路の中心線とのなす角度θが、前記重合体の吐出方向に30°以上70°以下であることを特徴とする紡糸ノズル。
  2. 請求項1記載の紡糸ノズルの前記重合体供給口に重合体溶液を供給し、前記凝固剤供給口に水蒸気を供給し、前記混合セル部内において、前記重合体溶液を前記水蒸気と混合して凝固させる不連続フィブリル化繊維の製造方法。
  3. 前記混合セル部内における前記水蒸気の線流速を100m/sec.以上とする請求項2記載の製造方法。
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