JPH0115620B2 - - Google Patents

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JPH0115620B2
JPH0115620B2 JP54072180A JP7218079A JPH0115620B2 JP H0115620 B2 JPH0115620 B2 JP H0115620B2 JP 54072180 A JP54072180 A JP 54072180A JP 7218079 A JP7218079 A JP 7218079A JP H0115620 B2 JPH0115620 B2 JP H0115620B2
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JP
Japan
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pulp
paper
polyester
alkaline solution
synthetic
Prior art date
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JP54072180A
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English (en)
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JPS56315A (en
Inventor
Makoto Yoshida
Tadashi Hirakawa
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Priority to EP80103209A priority patent/EP0022182B1/en
Priority to DE8080103209T priority patent/DE3069270D1/de
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Priority to US06/527,378 priority patent/US4529481A/en
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はポリエステル系合成パルプの製造法に
関し、さらにくわしくはパルプ特性がすぐれ、き
わめて微細で均質なフイブリル構造を有するポリ
エステル系合成パルプの製造法に関する。 従来、合成高分子のすぐれた物理的、機械的な
らびに化学的性質を利用する目的で各種の合成パ
ルプおよびこれを抄紙して得られる合成紙が提案
されている。すなわち合成パルプの製造法として
は合成高分子溶液を該高分子の貪溶媒中に剪断
力をかけながら流下沈澱させる方法(フイブリツ
ド法、特公昭35−11851号など)、二種以上の非
相溶性合成高分子を混合し溶融押出し(または紡
糸)し、切断後機械的な手段でフイブリル化する
方法(スプリツト法、特公昭35−9651号など)、
二種以上の非相溶性合成高分子を混合し溶融押
出し(または紡糸)し、切断後溶剤浸漬して、一
方の高分子を溶割する方法(ポリマーブレンド溶
解法、米国特許第3382305号など)、合成高分子
をその溶媒の沸点以上でかつ高圧側から低圧側へ
爆発的に噴出させたのち叩解する方法(フラツシ
ユ紡糸法、特公昭36−16460号など)などが提案
されている。これらの方法はそれぞれ適切なポリ
マーに適用され、一部は合成紙としての地位を確
保しつつあるが、とくに機械的、電気的特性にす
ぐれたポリエステル系ポリマーを用いて工業的に
適用でき、かつ均質できわめて微細(1μm程度)
なフイブリルを有するパルプを製造する方法は未
だ見出されていない。すなわちポリエステル、な
かんずく機械的、化学的、電気的特性にすぐれた
ポリエチレンテレフタレートを上記の方法でパ
ルプ化しようとする場合、良好な溶媒が見出され
ず、の方法ではポリエステルの機械的強度のす
ぐれていることが逆に作用して叩解がきわめて困
難であり、の方法においてはポリエステルと相
溶性のないポリマー(たとえばポリアミド)を溶
出するに際し、工業的に利用でき、取扱い性にす
ぐれた溶媒が見出されておらず、更にフイブリル
が直線状となつて樹枝状とならないためパルプ、
紙強力が低くなり、またの方法では溶剤を用い
た特殊な紡糸方法を採用するため、コスト高とな
り、更にポリエステルのフラツシユ紡糸を行なう
に適した溶剤も未だ見出されていない。これらの
理由によつて、ポリエステル系パルプは未だに工
業化されていないのが実状である。 一方、従来の方法によつて得られた合成パルプ
のフイブリルの直径および断面形状は、前記の
方法による場合を除いて、きわめて不均質でかつ
直径の大きいものが多い。通常得られる合成パル
プのフイブリルの直径は、部分的に1μm程度に
フイブリル化しているが、その含有割合はきわめ
て低く、大部分は10μm程度またはそれ以上の直
径を有しており、抄造しにくく、得られたパルプ
の品質も粗硬、不均質で劣るものである。 本発明者らは、かかる従来の合成パルプの欠点
を解消した均質かつ微細なフイブリルを有するポ
リエステル合成パルプの製造法に関し鋭意検討の
結果本発明に到達した。 すなわち本発明は、線状芳香族ポリエステルと
該ポリエステルに相溶性がなくアルカリ性溶液に
可溶の有機スルホン酸金属塩との混合物を成型し
得られた成型物をアルカリ性溶液で減量率が20%
以上となるように減量処理した後叩解することを
特徴とするポリエステル合成パルプの製造方法で
ある。 本発明の製造方法は、線状芳香族ポリエステル
のいかなるものにも適用でき、具体的にはテレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタリンジカルボン
酸、ジフエニルジカルボン酸などの二官能性芳香
族カルボン酸を酸成分とし、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコールなどのグリ
コールをグリコール成分とするポリエステルをあ
げることができる。とくに一般式 〔nは2〜6の整数を示す。〕 で表わされる繰り返し単位を主たる構成成分とす
るポリエステルが好ましく用いられ、特にエチレ
ングリコールおよびテトラメチレングリコールか
ら選ばれた少くとも一種のグリコールを主たるグ
リコール成分とするポリエステルが好ましく用い
られる。 かかるポリエステルはその酸成分の一部を他の
二官能性カルボン酸で置きかえてもよい。このよ
うな他のカルボン酸としては主成分として使用し
た上記のカルボン酸以外のカルボン酸、例えばテ
レフタール酸、イソフタル酸、ナフタリンジカル
ボン酸、ジフエニルジカルボン酸、ジフエノキシ
エタンジカルボン酸、β―オキシエトキシ安息香
酸、p―オキシ安息香酸の如き二官能性芳香族カ
ルボン酸、セバシン酸、アジピン酸、蓚酸の如き
二官能性脂肪族カルボン酸、あるいは1,4―シ
クロヘキサンジカルボン酸の如き二官能性脂環族
カルボン酸等をあげることができる。またポリエ
ステルのグリコール成分の一部を他のグリコール
成分で置きかえてもよく、かかるグリコール成分
としては主成分以外の上記グリコール及び他のジ
オール化合物例えばシクロヘキサン―1,4―ジ
メタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフエ
ノールA、ビスフエノールSの如き脂肪族、脂環
族、芳香族のジオール化合物があげられる。 かかるポリエステルは任意の製造法によつて得
ることができる。例えばポリエチレンテレフタレ
ートについて説明すれば、テレフタル酸とエチレ
ングリコールとを直接エステル化反応させるか、
テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級
アルキルエステルとエチレングリコールとをエス
テル交換反応させるか、あるいはテレフタル酸と
エチレンオキサイドとを反応させるかして、テレ
フタル酸のグリコールエステル及び/又はその低
重合体を生成させる第1段反応、次いでかかる生
成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重
縮合反応させる第2段の反応によつて容易に製造
される。なお、得られるポリエステルが実質的に
熱可塑性を有する範囲内で3個以上のエステル形
成性官能基を有する多官能性化合物、例えばトリ
メリツト酸、ピロメリツト酸、グリセリン、ペン
タエリスリトール等を併用してもよい。又充分な
高分子量のポリエステルが得られる範囲内で単官
能性化合物、例えば安息香酸等を併用してもよ
い。 本発明において、線状芳香族ポリエステルは該
ポリエステルと相溶性がなくアルカリ性溶液に可
溶の有機スルホン酸金属塩と混合後成型される。
該有機スルホン酸金属塩は該ポリエステルと相溶
性がなければいかなるものも使用しうるが、該有
機スルホン酸金属塩の溶解度パラメータSPcと該
ポリエステルの溶解度パラメータSPeとの差ΔSP
が ΔSP=|SPc−SPe|≧2.0 であることが好ましく、更に ΔSP≧3.0 であることがさらに好ましい。ここでいう有機ス
ルホン酸金属塩とは一般式R−SO3Mまたは
【式】で示されるものが好まし い。なお、ここで、Rは直鎖状あるいは分岐した
炭素数3〜30のアルキル基、炭素数7〜40のアリ
ル基またはアルキルアリル基を示す。またMはア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属を示す。 なお有機スルホン酸金属塩の使用に際しては、
単一の化合物である必要はなく、各種のアルキル
基あるいはアルキルアリル基を有する有機スルホ
ン酸金属塩の混合物であつてもよい。 このような有機スルホン酸金属塩としては具体
的には、ステアリルスルホン酸ソーダ、オクチル
スルホン酸ソーダ、ドデシルスルホン酸ソーダあ
るいは炭素数の平均が14であるアルキルスルホン
酸ソーダの混合物、更には、オクチルベンゼンス
ルホン酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダなどが好ましいものとして挙げられる。 かかる有機スルホン酸金属塩のポリエステルへ
の配合量はポリエステル100重量部あたり0.1〜20
重量部の範囲が好ましく、1〜10重量部がさらに
好ましい。添加量が少なすぎると、後述するアル
カリ処理および叩解によるフイブリル化が起りに
くく、また添加量が多すぎると、混合操作、紡出
成型などが困難になる。 このような有機スルホン酸金属塩は成型完了以
前の任意の段階でポリエステルに添加配合せしめ
る。例えばポリエステル製造の原料に予め添加し
ても、第1段反応時又は、これに続く第2段の重
縮合反応時等に添加することも可能であり、又重
縮合反応後に得られるポリマーと有機スルホン酸
金属塩とを例えば溶融押出し機を用いて溶融混合
する方法、溶融成型機の出口以前の段階でポリマ
ーに添加し混合する方法などを採用することも可
能である。 このようにして得られたブレンドポリマーは、
常法にしたがつて溶融成型される。成型時の形状
としては繊維状、リボン状、シート状、棒状など
いかなる形状も選択しうるが切断および後述のフ
イブリル化処理を容易にするため、繊維状のもの
が最も好ましく用いられる。成型物が繊維の場
合、その断面はいかなるものであつてもよいが、
後続するアルカリ処理においてフイブリル化を促
進させるため、中空断面が好ましく用いられる。 中空繊維の形態は繊維軸方向に連続したポリマ
ー層が存在すれば、その外形及び中空部の形状は
如何なるものでもよく、例えば中空繊維の外形及
び中空部の形状が丸形であるもの、外形の各辺が
内に凸なる多角形状で、中空部が円形の中空繊
維、あるいは外形が円状で中空部が多角形状のも
の、外形、中空部共に異形のもの、中空部を複数
有するものなどが挙げられる。またかかる中空繊
維の外径の大きさには制限がない。 かかる中空繊維の中空率、すなわち見掛けの繊
維全断面積における中空部の断面積の割合は5〜
50%の範囲であることが好ましい。中空率が50%
をこえると中空繊維を構成する外殻部分が薄くな
り、更に中空繊維自体の紡糸が極めて困難とな
る。中空率が5%未満であると繊維を中空にする
ことの効果がない。 このような中空繊維を紡糸するに際しては、所
望の形状を有する中空繊維が得られるような紡糸
口金を用いる。たとえば外形および中空部の形状
が円型の中空繊維を得るためには、通常紡糸口金
として環状スリツトの一部が開口した馬蹄形のス
リツトを有する口金が用いられる。 得られた成型物、とくに繊維は、通常、切断後
アルカリ性溶液で処理される。切断長は1ないし
10mmが好ましい。勿論、ブラストフアイバーのよ
うに短繊維状に成型された場合は、あえて切断し
なくてもよい。 アルカリ性溶液としては、通常、水溶液を用い
るのが取扱い性、コストの点で有利である。アル
カリ性溶液の例として、カセイソーダ、カセイカ
リ、ケイ酸ナトリウムのような無機塩基の水溶
液、またはアンモニア、モノメチルアミン、ジメ
チルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、
シクロヘキシルアミン、アニリンなどの脂肪族、
脂環族あるいは芳香族アミンなどの有機塩基水溶
液をあげることができる。成型物をアルカリ性溶
液で処理するには、公知の任意の手段をとること
ができるが、浸漬処理を行なうのが最も効率的で
ある。この処理に際して、2種以上の塩基、たと
えば無機塩基と有機塩基を混合併用してもよく、
それぞれ別浴で2段処理してもよい。たとえばカ
セイソーダ30g/のアルカリ水溶液中で100℃、
45分間処理する代わりに、カセイソーダ20g/
、シクロヘキシルアミン10g/のアルカリ水
溶液中で100℃、38分間処理するか、メチルアミ
ン400g/のアルカリ水溶液中で常温、120分間
の処理のあとカセイソーダ30g/のアルカリ水
溶液中で100℃、33分間処理してもよい。ポリエ
ステル成型物をアルカリ処理すると、ポリエステ
ルの加水分解が起りパルプ収率が低下するわけで
あるが、無機塩基と有機塩基特に有機アミンとを
併用した場合は、いずれか一方の塩基を単独に使
用した場合に比較して、同一フイブリル化状態に
おいて、より高収率でパルプを得ることができ
る。また、アルカリ性水溶液に界面活性剤、とく
にアニオン系界面活性剤を併用することによりア
ルカリ処理をより効果的にすることもできる。 アルカリ性溶液で処理された成型物は、一部が
フイブリル化し、表面長手方向に多数の凹凸があ
り、また内部にボイドも認められるが、依然とし
て成型物の形態を保つている。第1図はアルカリ
性溶液で処理された繊維の断面形態を示す走査型
電子顕微鏡写真図である。アルカリ性溶液で処理
した後の成型物の絶乾重量w1は、処理前の絶乾
重量w0より減少し、このさいの収率(R)は式 R=w1/w0×100 により計算される。この際、後から行なう叩解処
理によつてフイブリル化を進行させるには20〜80
%の減量(収率80〜20%)を施す。 アルカリ性溶液処理された成型物は叩解操作に
よつてフイブリル化される。叩解処理には通常の
叩解機、すなわち円すい型リフアイナー、円筒型
リフアイナーおよび各種の粉砕機、撹拌機が利用
できる。有機スルホン酸金属塩の混合、成型、ア
ルカリ処理条件が適切であればきわめて弱い叩解
条件、たとえば家庭用ミキサーを用いても十分叩
解できる。成型物が繊維であり、叩解を家庭用ミ
キサーを用いて行つたときの叩解後フイブリル化
されたパルプの状態を走査型電子顕微鏡写真図と
して第2図(200倍)及び第3図(2000倍)に示
す。第2図及び第3図からも明らかなように、得
られたパルプは樹枝状に枝わかれしてフイブリル
化しており、これが絡み合つて、パルプ、紙の強
力を高める結果となる。 かくして得られたポリエステル合成パルプは天
然パルプ紙に広く採用されている湿式抄紙法、す
なわち円網または長網式の抄紙法によつて容易に
抄紙しうる程度にフイブリル化している。本発明
方法によれば、日本工業規格JISP―8121に準じ
てカナダ標準形水度試験機を用いて測定される
水度を100〜700c.c.、好ましくは150〜650c.c.の範
囲に調整することができ、かくして得られた合成
パルプは特殊な分散剤または接合剤を用いなくて
も十分抄紙可能であり、また抄造、仕上された紙
は地合が良好でかつ強力が大きいという特徴を有
する。すなわち本発明の製造法によつて得られた
合成パルプを抄造仕上した紙は、従来の合成繊維
紙の有する特性と天然パルプ紙の有する特性を兼
備し、地合、印刷適性、強力、耐折強さなどにお
いて著しくすぐれた性能を有する。 さらに本発明の製造法では、合成パルプの繊維
径と叩解の程度を任意に変えることができ、各種
用途に適した多種多用のパルプを得ることができ
る。すなわちポリエステルに混合する有機スルホ
ン酸金属塩の種類(主として溶解性パラメータで
規定されるもの)と混合率、アルカリ性溶液によ
る処理条件を変えることにより繊維径を変えるこ
とができ、アルカリ性溶液による処理条件と叩解
条件を変えることにより叩解の程度を変えること
ができる。 本発明のポリエステルパルプは単独で抄造して
使用することもでき、他の繊維やパルプ、すなわ
ち合成繊維、天然繊維、ガラス繊維、無機合成繊
維、アスベスト、天然パルプおよび天然・合成樹
脂などと混抄することもできる。また該合成パル
プより得た紙は天然パルプと同様にシート化前あ
るいはシート化後にサイズ剤、填料などを添加あ
るいはコートすることもできる。該合成パルプを
湿式不織布として用いる場合には、抄造後そのま
まの形で、またはバインダを付与して嵩高のウエ
ブとして用いることができる。 本発明の製造法によると、フイブリル化繊維径
がきわめて小さく、均一で、抄紙特性のすぐれた
パルプを得ることができるため、抄造し、場合に
よりバインダを付与することによりフイルタ、断
熱材、吸音材として使用することもでき、また抄
造後仕上加工(カレンダ加工など)を施すことに
より一般用途の紙、電気絶縁紙、塗被加工紙とし
て使用することもできる。 以下、実施例において本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に拘束されるもので
はない。以下の実施例において合成パルプおよび
紙の特性は下記のような方法によつて測定したも
のである。 収率(%):アルカリ性溶液処理前の成型物の
絶乾重量w0とアルカリ性溶液処理後の成型
物の絶乾重量w1より次式によつて求める。 R=w1/w0×100(%) 水度(c.c.):JISP―8121に準じ、東洋精機製
作所製カナダ標準型フリーネステスターを使
用して測定した。 平均繊維径(μm):叩解後のパルプを走査型
電子顕微鏡で撮影し(倍率2000倍)ランダム
に抽出した繊維の径を50点読み取つて算術平
均によつて求めた。 紙強力(Kg/mm2):JISP―8113を参考とし、試
料幅3mm、つかみ間隔20mm、引張速度20mm/
分として引張試験機を用いて測定した。 実施例 1 ジメチルテレフタレート197部、エチレングリ
コール124部および酢酸カルシウム―水塩0.118部
を精溜塔付ガラスフラスコへ入れ、常法に従つて
エステル交換反応を行い、理論量のメタノール溜
出後、反応生成物を精溜塔付重縮合用フラスコへ
入れ、安定剤としてトリメチルホスフエート
0.112重量部、重縮合触媒として酸化アンチモン
0.079部を加え、温度280℃、常圧で30分、30mm
Hgの減圧下で15分間反応を進行させた後、一旦
常圧にもどし、炭素数8〜20で平均炭素数が14で
あるアルキルスルホン酸ソーダ混合物を10部添加
した後、系内を徐々に減圧し、撹拌下80分間反応
させた。最終内圧は0.32mmHgであり、得られた
混合ポリマーのo―クロロフエノール、35℃にお
ける極限粘度は0.622であつた。反応終了後ポリ
マーを常法に従いチツプ化し乾燥した。なおポリ
エチレンテレフタレートの溶解度パラメータは
10.7cal1/2/cm3/2であり、上記のアルキルスルホ
ン酸ソーダの溶解度パラメータは15cal1/2/cm3/2
以上であつた。 次にこの乾燥したチツプを用い、紡糸口金に幅
0.05mm、直径0.6mmで環状スリツトの一部が開い
た馬蹄形の開口部を持つノズルを有するものを使
用し、常法に従つて溶融紡糸し、外径と内径の比
が2:1の中空糸(中空率=25%)を作つた。こ
の原糸は300デニール/36フイラメントであり、
この原糸を用い常法に従つて延伸倍率4.2倍で延
伸し、71デニール/36フイラメントのマルチフイ
ラメントを得た。 このフイラメントを合糸しギロチンカツターを
用いてカツト長1,3,5,12mmの4種類の長さ
に切断し、各20gを98±1℃に保つた25g/の
カセイソーダ水溶液2に投入し撹拌しながら所
定時間(45,60,90分)処理したのち水洗、乾燥
して収率(R%)を求めた。処理した繊維を1
の水に分散し、松下電工(株)製MX―820G型家庭
用ミキサー(強サイクル)で30分間叩解しポリエ
ステル合成パルプを得た。このパルプの一部を乾
燥し、走査型電子顕微鏡写真を撮影し、繊維径を
求め、他の一部を用いて水度を求め、さらに他
の一部は2.2g/7.9となるように水分散して東
洋精機(株)製タツピー式スタンダードシートマシン
で抄造、乾燥したのち200℃、200Kg/cm2で3分間
プレスしてポリエステル100%の合成紙を得た。 切断長1mmのものではアルカリ性溶液処理時間
の長い場合、一部にネツプ(毛玉状のかたまり)
が発生し、紙強力が低く、また切断長12mmのもの
ではアルカリ性溶液処理時間が短い場合紙強力が
低かつたが、いずれのパルプも抄造に問題なく、
とくに切断長3mm、アルカリ性溶液処理時間45〜
60分のものはすぐれた強力を示した。結果をまと
めて第1表に示す。 なお、第1表No.4の試料について、アルカリ性
溶液処理後の繊維の断面状態を示す走査型電子顕
微鏡写真図を第1図に、また叩解後のフイブリル
の状態を示す走査型電子顕微鏡写真図を第2図
(200倍)及び第3図(2000倍)に示す。
【表】 実施例 2 実施例1において、アルキルスルホン酸ソーダ
の添加量を0.16,1.61,9.9,27.9,56.7,90.6重
量部(0.05,0.5,3.0,8.0,15.0,22.0重量%)
に変更して混合ポリマー6種を得、これを実施例
1と同じ方法に従つて紡糸、延伸した。アルキル
スルホン酸ソーダの添加量が15および22重量%の
ものは紡糸延伸に際して毛羽が発生し易く、とく
に22重量%のものは紡糸工程で糸切れが多発する
傾向が認められた。 アルキルスルホン酸ソーダを0.05ないし15重量
%含む5種類の延伸糸を3mmの長さに切断し、20
g/のカセイソーダ水溶液中で98±1℃、60分
間処理した後実施例1と同じ方法で叩解、抄造、
プレスした。 得られたパルプおよび紙の物性を第2表に示
す。いずれも抄造可能であり、実用上大きな問題
はなかつたが、アルキルスルホン酸ソーダの混合
率が少ないとき、とくに0.05および0.5%では平
均繊維径が大きく、とくに0.05%では紙の強力が
低くなる傾向が認められた。一方、アルキルスル
ホン酸ソーダの混合率が多すぎると、原料繊維に
対するパルプ収率が低下し、また紙強力も低下す
る傾向があつた。アルキルスルホン酸ソーダの混
合率が3重量%のもの、および8重量%のものは
パルプ収率、紙強力とも極めて良好であつた。
【表】 実施例 3 実施例1と同じ方法に従つて得られた混合ポリ
マーを、実施例1における馬蹄形ノズルでスリツ
ト幅と環状直径の異なるノズルを有する口金を用
いて中空率3,6,25および34%の中空糸および
中実丸断面の糸(いずれも延伸後は70デニール/
36フイラメント)を得、これを実施例2と同じ条
件で切断、アルカリ性溶液処理、叩解、抄造およ
びプレスした。 得られたパルプおよび紙の物性は第3表に示す
ように、いずれも良好であつたが、なかでも、特
に中空率25%のもの、および34%のものは繊維
径、水度、抄造特性、紙強力ともに極めて良好
であつた。
【表】 実施例 4 250℃の熱媒体によつて加熱された撹拌装置、
精留塔付反応器にジエチレングリコール含量0.4
モル%のビス―β―ヒドロキシエチル―2,6―
ナフタレート(ナフタレンジカルボン酸成分に対
して0.05モル%の酢酸リチウムおよび0.03モル%
の三酸化アンチモンを含む)152部を仕込み、内
温が225℃になつたとき窒素置換し、2,6―ナ
フタレンジカルボン酸108部、エチレングリコー
ル62部、酢酸リチウム0.051部および三酸化アン
チモン0.050部を添加した。内温は208℃に低下し
すぐに水の留出が始まつた。その後、内温は徐々
に上昇し375分後内温が218℃になつたところで反
応を打ち切つた。 この反応混合物に亜リン酸0.041部を添加し、
285℃の加熱浴中で撹拌しながら常圧で10分間、
その後60分を要して3mmHgまで徐々に減圧にし、
さらに3mmHg以下の減圧下で15分間重縮合反応
を行つたのち一旦常圧に戻し、ドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダを15部添加したのち再び減圧し
てさらに35分間重縮合反応を継続した。得られた
ポリマーの極限粘度はオルソクロロフエノールを
溶媒として35℃で測定した場合0.61であつた。反
応終了後ポリマーを常法に従いチツプ化し乾燥し
た。なおポリエチレン―2,6―ナフタレートの
溶解性パラメータは10.9cal1/2/cm3/2であり、ド
デシルベンゼンスルホン酸ソーダの溶解性パラメ
ータは15cal1/2/cm3/2以上であつた。 次にこの乾燥したチツプを用い、馬蹄形スリツ
トノズルを有する口金から溶融紡糸、延伸し、中
空率30%、75デニール/36フイラメントのマルチ
フイラメントを得た。 このフイラメントを3mmの長さに切断し30g/
の濃度のカセイソーダ水溶液中で、98±1℃に
て60分間処理し、次いで実施例1と同じ条件で叩
解、抄造し、その後、210℃、200Kg/cm2で3分間
プレスした。 得られたパルプの水度は380c.c.、平均繊維径
は2.9μmで抄造に問題なく、紙強力は5.7Kg/mm2
であつた。 実施例 5 35℃のo―クロロフエノール溶液で測定した極
限粘度が0.55であるポリエチレンイソフタレート
を295℃でギヤポンプで計量したのち285℃に加熱
された混練スクリユー部に供給した。一方、炭素
数8〜20で平均炭素数が14であるアルキルスルホ
ン酸ソーダ混合物を130℃でギヤポンプで計量し
たのち285℃に加熱された前記の混練スクリユー
部に供給した。アルキルスルホン酸ソーダのポリ
エチレンイソフタレートに対する混合比は3重量
%とした。混練スクリユー部で混合したブレンド
ポリマーを溶融状態のまま口金部まで移送し、常
法にしたがつて溶融紡糸、延伸して中空率25%、
75デニール、36フイラメントのマルチフイラメン
トを得た。 このフイラメントを実施例4と同じ方法に従つ
て切断、アルカリ性溶液処理、叩解、抄造、プレ
スした。 得られたパルプの水度は325c.c.、平均繊維径
は2.4μmで抄造に問題なく、紙強力は5.0Kg/mm2
であつた。 実施例 6 テレフタル酸ジメチルに対して0.25モル%の
3,5―ジ(カルボメトキシ)―ベンゼンスルホ
ン酸ナトリウムを含む酸成分と、所要量のエチレ
ングリコールを重縮合した共重合ポリエチレンテ
レフタレート(35℃、o―クロロフエノール中の
極限粘度0.58)粉末に、炭素数8〜20で平均炭素
数が14であるアルキルスルホン酸ソーダを3重量
%になるように添加してよく混合し、エクストル
ーダーを通して充分分散させた。添加剤を分散さ
せたポリエチレンテレフタレートは再びペレツト
状として充分乾燥した。 この乾燥したチツプを常法にしたがつて溶融紡
糸、合糸、延伸、捲縮加工、熱セツトし17万de
のトウ(単系デニール2de、中空率25%)を得
た。このトウを歯付回転型カツタで5mmの長さに
切断したのち浴比1:100で98±1℃に保つたカ
セイソーダ水溶液(20g/)に投入し、撹拌し
ながら所定時間(20分および40分)処理したのち
水洗、乾燥して収率を求めた。処理した繊維を
0.5%の濃度で水中分散し、熊谷理機工業(株)製高
濃度レフアイナーで叩解した。叩解は磨砕板とし
て同社製B631AN型を用い、磨砕板間隙を2/
100mmとして上記レフアイナーで5回処理した。
抄造、プレスは実施例1と同様の方法で行つた。 得られたパルプおよび紙の物性は第4表に示す
ように水度、平均繊維径、紙強力ともに良好で
あり抄造にも問題はなかつた。
【表】 実施例 7 実施例1で得た3重量%のアルキルスルホン酸
ソーダを含むポリエチレンテレフタレート繊維を
3mmの長さに切断し、40%のモノメチルアミン水
溶液中で常温にて、30分間撹拌しながら処理した
のち実施例1のカセイソーダ水溶液中で30,45,
60分間アルカリ処理したのち叩解、抄造、プレス
した。 得られたパルプおよび紙の物性は第5表に示す
ように、繊維径、水度ともに良好で、抄造特性
に問題はなかつた。実施例1の第1表No.1,2,
3と本実施例の第5表No.1,2,3,を比較する
と、第4図に示すように、同一平均繊維径におい
ては、カセイソーダ水溶液のみの処理(第4図
A)よりアミン水溶液とカセイソーダ水溶液の処
理を併用した本実施例(第4図B)の方が収率が
高くなることがわかる。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法によるアルカリ性溶液処理
を施した後の中空ポリエステル繊維の横断面状態
の一例を示す走査型電子顕微鏡写真図(2000倍)、
第2図は本発明方法によつて得られた合成ポリエ
ステルパルプの一例を示す走査型電子顕微鏡写真
図(200倍)、第3図は第2図を更に拡大した合成
ポリエステルパルプの走査型電子顕微鏡写真図
(2000倍)、第4図はアルカリ性溶液処理をカセイ
ソーダ水溶液単独で行つた場合Aとアミン水溶液
とカセイソーダ水溶液とを併用して2段処理した
場合Bの平均繊維径(μm)と収率(%)との関
係を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 線状芳香族ポリエステルと該ポリエステルに
    相溶性がなくアルカリ性溶液に可溶の有機スルホ
    ン酸金属塩との混合物を成型し、得られた成型物
    をアルカリ性溶液で減量率が20%以上となるよう
    に減量処理した後叩解することを特徴とするポリ
    エステル合成パルプの製造方法。
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