JP3788882B2 - 情報記録方法及び装置、並びに情報記録媒体作成方法及び装置、並びに情報記録媒体 - Google Patents

情報記録方法及び装置、並びに情報記録媒体作成方法及び装置、並びに情報記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク等の情報の読み取り及び記録が可能な情報記録媒体に、元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロック化した情報を記録する情報記録方法及び装置、並びに当該情報記録方法及び装置に使用可能な情報記録媒体を作成する情報記録媒体作成方法及び装置、並びに当該情報記録媒体作成方法及び装置により作成され前記情報記録方法及び装置に使用可能な情報記録媒体の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に映画等の画像情報や音楽等の音情報は著作権により保護されている場合が多く、その場合には、これらの情報を無断で複写することは著作権法上禁止されている。
【0003】
しかしながら、DVDあるいはCD(Compact Disc)等の媒体に記録された映画または音楽等のコンテンツを、不法に複写して販売する者は後を絶たず、当該コンテンツの著作権者においてはこのような不法な行為を効果的に防止する方策を採る必要がある。
【0004】
特に、何回でも書き換え可能なDVD−RW(DVD-Rewritable)、DVD−RAM(DVD-Random Access Memory)、あるいは一度だけ書き込み可能なDVD−R(DVD-Recordable)と共に、これらの媒体へのデータの記録を行う記録装置が市販されている状況においては、上述のような不法な複写行為が容易に行われるおそれがある。
【0005】
そこで、従来は、例えば再生専用のDVD−ROM(DVD-Read Only Memory)に映画等のコンテンツを記録する場合には、複写許否情報と共に媒体識別情報を記録する方法が採られている。複写許否情報は、「複写を禁止する」、または「1世代に限り複写を許可する」、あるいは「世代を限定することなく複写を許可する」という何れかの内容を示す情報であり、各コンテンツに固有の情報として記録される。また、媒体識別情報は、その媒体が、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RAM、あるいはDVD−RWの何れであるかを識別するための情報であり、書き換えが出来ないように、たとえDVD−Rのように有機色素系記録膜を用いる媒体、あるいはDVD−RWやDVD−RAMのように相変化媒体であってもエンボスドピット列として記録される。
【0006】
従って、複写禁止のコンテンツがDVD−ROMに記録されている場合に、当該コンテンツをDVD−ROMからDVD−RWへ複写記録したとすると、当該DVD−RWには、当該コンテンツが複写禁止であることを示す複写許否情報についても記録される。そして、このようなDVD−RWを再生装置によって再生しようとすると、再生装置は、複写許否情報を読み取ることにより、当該コンテンツが複写禁止であることを認識する。また、再生装置は、媒体識別情報を読み取ることにより、この媒体が、書き換え可能なDVD−RWであることを認識する。その結果、再生装置は、複写の禁止されているコンテンツが、再生専用のDVD−ROMではなく、書き換え可能なDVD−RWに記録されているので、当該コンテンツが不法に複写されたものであると判断し、当該コンテンツについては再生を行わない。従って、このようなDVD−RWは市場における商品価値を失うので、結果として不法な複写された記録媒体が市場に出回ることを防止することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、DVD−RW、DVD−RAM、あるいはDVD−Rに上述のような媒体識別情報を記録すると、記録領域の一部に、ユーザーによるデータの記録を行うことのできない領域が生ずるという問題があった。
【0008】
DVDにおいては、データの記録はECC(Error Correcting Code)ブロック単位で行われ、1ECCブロック単位に満たない大きさの媒体識別情報を記録する場合であっても、この媒体識別情報にダミーデータを付加することにより1ECCブロック分のデータとして記録を行っている。そして、この1ECCブロック分のデータを作成する際には、ECCブロック内のデータを訂正するためのエラー訂正符号化処理が行われ、前記媒体識別情報及びダミーデータに、誤り訂正用の検査符号である所謂パリティが付加される。
【0009】
従って、一度記録を行った後にはデータの書き換えを行うことのできないDVD−Rにおいては、ユーザーが前記ダミーデータの記録された領域にデータを記録することができなくる。また、データの書き換えを行うことのできるDVD−RWあるいはDVD−RAMにおいても、前記ダミーデータの記録された領域にユーザーのデータを記録すると、その際に付加されるパリティと、既に記録されている前記媒体識別情報に対して付加されたパリティとの整合が取れなくなる。
【0010】
これは、ユーザーがデータを記録する際にも、当該記録は1ECCブロック単位で行われ、その際に付加されるパリティは、ユーザーが記録しようとするデータから構成されるデータブロックに基づいて作成されるためである。つまり、前記媒体識別情報に対して付加されたパリティと、ユーザーのデータに対して付加されるパリティとでは、パリティの作成の基礎となるデータが異なるため、両者の間の整合が取れなくなるのである。
【0011】
その結果、上述したようなダミーデータが記録された領域に、ユーザーによるデータの記録を行うと、再生時にはパリティの不整合により前記媒体識別情報がエラーと判断され、当該媒体の種類を正しく判定することができず、上述したような不法な複写を防止することができなくなってしまう。
【0012】
また、前記媒体識別情報とユーザーが記録しようとするデータとから、新たなパリティを算出したとしても、前記媒体識別情報に対して付加されたパリティは、上述したようにエンボスドピットとして記録されているので、新たな値に書き換えることはできない。
【0013】
従って、従来においては、DVD−R、DVD−RW、あるいはDVD−RAMに媒体識別情報を記録する場合には、記録領域の一部をユーザーによるデータの記録に用いることができず、無駄が生じていた。
【0014】
そこで、本発明は、このような問題を解決し、DVD−R、DVD−RW、あるいはDVD−RAMの記録領域を有効に利用することのできる情報記録方法及び装置、並びに当該情報記録方法及び装置に使用可能な情報記録媒体を作成する情報記録媒体作成方法及び装置、並びに当該作成方法及び装置により作成される情報記録媒体を提供することを課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の情報記録方法は、前記課題を解決するために、情報の読み取り及び記録が可能な情報記録媒体に、元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロック化した情報の記録を行う情報記録方法であって、前記誤り訂正符号ブロックにおける前記情報シンボル数kに満たないシンボル数mの既存の情報シンボルを読み取る工程と、前記読み取った既存の情報シンボルと、シンボル数(n−k)の予め設定されたダミーシンボルと、シンボル数(k−m−(n−k))の新規の情報シンボルとにより、前記ダミーシンボルを下位(n−k)シンボルとするガロア体GF(2N)上の巡回符号としてのシンボル数kの情報シンボル単位を形成し、当該情報シンボル単位に基づき誤り検査用の外符号に相当するシンボル数(n−k)の仮想の外符号を算出する工程と、前記既存の情報シンボルに対応して予め作成された誤り検査用の既存の外符号のシンボルと全シンボルにて等しい値を有するシンボル数(n−k)の新規の外符号と、前記仮想の外符号との間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行いシンボル数(n−k)の補正シンボルを算出する工程と、前記下位(n−k)シンボルのダミーシンボルと、前記補正シンボルとの間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行い、シンボル数(n−k)の新規のダミーシンボルを算出する工程と、前記新規のダミーシンボルにより前記情報シンボル単位を更新し、当該更新した情報シンボル単位と前記新規の外符号とにより、誤り訂正符号ブロックを形成する工程と、前記誤り訂正符号ブロックを形成する各シンボルを前記情報記録媒体に記録する工程とを備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項1に記載の情報記録方法によれば、情報記録媒体に対する情報の記録は、元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロック化した情報について行われる。例えば、記録しようとするデータが全て新規のデータである場合には、当該データを読み取ってシンボル数kの情報シンボルとし、更にこの情報シンボルにシンボル数(n−k)の外符号のシンボルを付加することにより、前記ガロア体GF(2N)上における総シンボル数nの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロック化を行った後、所定の単位で情報の記録を行う。
【0017】
しかし、記録しようするデータが、新規のデータではなく、予め作成しておいた既存のデータであると共に、そのデータの容量が前記シンボル数kの情報シンボルに相当するデータの容量に満たない場合には、この既存のデータに相当する既存の情報シンボルだけでは、前記誤り訂正符号ブロック化を行うことができなくなる。
【0018】
そこで、本発明においては、まず、シンボル数kに満たないシンボル数mの既存の情報シンボルを読み取り、次に、この読み取った既存の情報シンボルと、予め設定されたシンボル数(n−k)のダミーシンボルと、新たに記録を行おうとするシンボル数(k−m−(n−k))の新規の情報シンボルとにより、ガロア体GF(2N)上の巡回符号としての情報シンボル単位を形成する。
【0019】
この情報シンボル単位は、シンボル数(n−k)の前記ダミーシンボルを下位(n−k)シンボルとするシンボル数kのシンボル群である。そして、この情報シンボル単位に基づいて、誤り検査用の外符号に相当するシンボル数(n−k)の仮想の外符号を算出する。
【0020】
ここで、前記情報シンボル単位はガロア体GF(2N)上の巡回符号であり、一般にこのような巡回符号を組織符号として符号化するには、前記情報シンボル単位を構成する各シンボルを係数とする情報多項式を作成し、この情報多項式にXn-kを掛け、その結果を生成多項式で割り、剰余多項式を求める。そして、この剰余多項式の各係数を、誤り検査用の外符号に相当するシンボル数(n−k)の仮想の外符号とする。
【0021】
次に、前記既存の情報シンボルに対応して予め作成された誤り検査用の既存の外符号のシンボルと全シンボルにて等しい値を有するシンボル数(n−k)の新規の外符号を作成し、この新規の外符号と、前記仮想の外符号との間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行い、シンボル数(n−k)の補正シンボルを算出する。従って、この補正シンボルは、前記仮想の外符号の前記新規の外符号に対する差分値を有することになる。
【0022】
次に、前記下位(n−k)シンボルのダミーシンボルと、前記補正シンボルとの間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行い、シンボル数(n−k)の新規のダミーシンボルを算出する。
【0023】
次に、前記シンボル数(n−k)の新規のダミーシンボルを用いて前記情報シンボル単位を更新することにより、前記情報シンボル単位は、下位(n−k)シンボルが前記新規のダミーシンボルになり、当該新規のダミーシンボルと、前記読み取った既存の情報シンボルと、新たに記録を行おうとするシンボル数(k−m−(n−k))の新規の情報シンボルとから構成される。そして、このようにして更新した情報シンボル単位と、前記新規の外符号とにより、誤り訂正符号ブロックを形成する。
【0024】
ここで、以上のようにして求められた誤り訂正符号ブロックにおける、前記更新した情報シンボル単位の各シンボルを係数として情報多項式を形成し、この情報多項式にXn-kを掛け、その結果を生成多項式で割り、その時の剰余多項式の各係数を前記新規の外符号を用いて方程式を表したとすると、ガロア体GF(2N)上の加算処理においては、情報多項式にXn-kを掛けたものと、前記新規の外符号を係数とした剰余多項式との和が、前記生成多項式と商の多項式との積に等しくなる。
【0025】
このようにして変形した前記方程式の両辺を、Xn-kで割ると、前記方程式は、更に前記情報多項式と前記剰余多項式の和が前記生成多項式によって割り切れることを示す方程式に変形することができる。これは、前記更新した情報シンボル単位と、前記新規の外符号とにより、形成される符号はガロア体上の巡回符号であり、誤り訂正符号ブロック単位の適正な,誤り訂正符号が得られることを示すものである。
【0026】
ここで、このような変形が可能な理由につい説明すると、前記情報多項式は、最高次が(k−1)次のべき級数であり、当該べき級数である情報多項式にXn-kを掛けた多項式は、最高次が(n−1)次のべき級数である。一方、前記生成多項式は、最高次が(n−k)次のべき級数である。従って、最高次が(n−1)次のべき級数を最高次が(n−k)次のべき級数である前記生成多項式で割ると、その剰余多項式は、最高次が(n−k−1)次のべき級数となる。情報多項式にXn-kを掛けたものと、前記新規の外符号を係数とした剰余多項式との和が、前記生成多項式と等しいことを表すように変形された前記方程式の両辺をXn-kで割る場合には、最高次が(n−k−1)次のべき級数である剰余多項式を、この最高次よりも高い次数を有するXn-kで割ることになるので、その時の剰余は前記剰余多項式そのものとなる。従って、前記のように変形された前記方程式の両辺をXn-kで割ると、前記情報多項式と前記剰余多項式の和が前記生成多項式によって割り切れることを示す方程式に変形することができるのである。
【0027】
以上のように、本発明によれば、誤り訂正符号ブロックにおける情報シンボル数に満たないシンボル数の既存の情報シンボルと、当該既存の情報シンボルに付加された既存の外符号とが、情報の読み取りと記録が可能な情報記録媒体に予め記録されている場合であっても、前記既存の情報シンボルと、ダミーシンボルと、新たに記録しようとする新規の情報シンボルとから情報シンボル単位を形成し、当該情報シンボル単位に基づいて仮想の外符号を求め、前記既存の外符号と同じ値を有する前記新規の外符号と、当該仮想の外符号との差分を、補正シンボルとして前記ダミーシンボルに加算処理することにより、前記既存の外符号と同じ値を有する前記新規の外符号を備えた誤り訂正符号ブロックを形成することができる。このことは、前記既存の情報シンボルと、ダミーシンボルと、新たに記録しようとする新規の情報シンボルとから形成される情報シンボル単位に基づいて求められる仮想の外符号を、前記新規の外符号と前記ダミーデータとに分配したことと等価である。
【0028】
従って、本発明によれば、予め作成した既存の情報シンボルに、新たな情報シンボルを追加して誤り訂正符号ブロック化を行った場合でも、予め作成した既存の外符号と同じ値の外符号を有する誤り訂正符号ブロック化を行うことができるので、新たな情報シンボルの値がどのような値であっても、既存の情報シンボルと既存の外符号のシンボルの値を変更することなく、且つ、誤り訂正符号ブロックにおける外符号の整合性を保つことができる。
【0029】
請求項2に記載の情報記録方法は、前記課題を解決するために、請求項1記載の情報記録方法において、前記既存の情報シンボルを読み取る工程は、前記情報記録媒体以外の記憶手段に、予め記憶させた前記既存の情報シンボルを読み取る工程であり、前記補正シンボルを算出する工程は、前記既存の情報シンボルに対応して前記記憶手段に予め記憶された誤り検査用の既存の外符号のシンボルと全シンボルにて等しい値を有するシンボル数(n−k)の新規の外符号と、前記仮想の外符号との間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行いシンボル数(n−k)の補正シンボルを算出する工程であることを特徴とする。
【0030】
請求項2記載の情報記録方法によれば、既存の情報シンボルと、この既存の情報シンボルに対応して作成された既存の外符号のシンボルが、記憶手段に記憶されている場合であっても、当該既存の情報シンボルと既存の外符号のシンボルとを、前記記憶手段から読み取って、請求項1記載の情報記録方法のように誤り訂正符号ブロック化を行う。従って、本発明によれば、前記記憶手段上に予め作成した既存の情報シンボルに、新たな情報シンボルを追加して誤り訂正符号ブロック化を行った場合でも、前記記憶手段上に予め作成した既存の外符号と同じ値の外符号を有する誤り訂正符号ブロック化を行うことができるので、新たな情報シンボルの値がどのような値であっても、前記記憶手段上に作成した既存の情報シンボルと既存の外符号のシンボルの値を変更することなく、且つ、誤り訂正符号ブロックにおける外符号の整合性を保つことができる。
【0031】
請求項3記載の情報記録方法は、前記課題を解決するために、請求項1記載の情報記録媒体において、前記既存の情報シンボルを読み取る工程は、記録位置が、予め設定された先行記録位置である場合に、前記情報記録媒体の当該先行記録位置に予め記録した前記既存の情報シンボルを読み取る工程であり、前記補正シンボルを算出する工程は、前記既存の情報シンボルに対応して前記情報記録媒体の先行記録位置に予め記録された誤り検査用の既存の外符号のシンボルと全シンボルにて等しい値を有するシンボル数(n−k)の新規の外符号と、前記仮想の外符号との間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行いシンボル数(n−k)の補正シンボルを算出する工程であり、各シンボルを前記情報記録媒体に記録する工程は、前記情報記録媒体の先行記録位置の誤り訂正符号ブロックの記録領域における、前記既存の情報シンボル及び既存の外符号が記録された領域以外の領域に、前記誤り訂正符号ブロックを形成する前記新規の情報シンボルと、前記新規のダミーシンボルと、前記新規の外符号とを記録する工程である。
【0032】
請求項3記載の情報記録方法によれば、既存の情報シンボルと、この既存の情報シンボルに対応して作成された既存の外符号のシンボルが、情報記録媒体に予め記録されている場合であっても、当該既存の情報シンボルと既存の外符号のシンボルとを、当該情報記録媒体の先行記録位置から読み取って、請求項1記載の情報記録方法のように誤り訂正符号ブロック化を行う。従って、本発明によれば、情報記録媒体上に予め作成した既存の情報シンボルに、新たな情報シンボルを追加して誤り訂正符号ブロック化を行った場合でも、前記情報記録媒体上に予め作成した既存の外符号と同じ値の外符号を有する誤り訂正符号ブロック化を行うことができるので、新たな情報シンボルの値がどのような値であっても、前記情報記録媒体上に作成した既存の情報シンボルと既存の外符号のシンボルの値を変更することなく、且つ、誤り訂正符号ブロックにおける外符号の整合性を保つことができる。また、このようにして形成した誤り訂正符号ブロックのうち、前記新規の情報シンボルと、前記新規のダミーシンボルと、前記新規の外符号とを、前記既存の情報シンボル及び既存の外符号が記録された領域以外の領域に記録するので、誤り訂正符号ブロックにおける外符号の整合性を保ちつつ、情報記録媒体の記録領域を無駄なく有効に使用することができる。
【0033】
請求項4記載の情報記録方法は、前記課題を解決するために、請求項1ないし3のいずれか1記載の情報記録方法において、前記誤り検査用の既存の外符号のシンボルは、全てのシンボルがゼロの値に設定されていることを特徴とする。
【0034】
請求項4記載の情報記録方法によれば、前記既存の外符号のシンボルは、全てのシンボルがゼロなので、前記新規の外符号のシンボルについても全てゼロとすれば良く、前記仮想の外符号がそのまま補正シンボルとなる。つまり、本発明によれば、請求項1の情報記録方法における補正シンボルの算出工程を省略することができる。従って、本発明によれば、新たな情報シンボルの値がどのような値であっても、予め作成した既存の情報シンボルと既存の外符号のシンボルの値を変更することなく、且つ、誤り訂正符号ブロックにおける外符号の整合性を保つことができると共に、前記誤り訂正符号ブロック化処理の工程を簡易化する。
【0035】
請求項5記載の情報記録方法は、前記課題を解決するために、請求項1ないし4のいずれか1記載の情報記録方法において、前記下位(n−k)シンボルのダミーシンボルは、全てのシンボルがゼロの値に設定されていることを特徴とする。
【0036】
請求項5記載の情報記録方法によれば、前記下位(n−k)シンボルのダミーシンボルが、全てゼロの値であるので、前記新規のダミーシンボルの算出工程を簡易化することができる。つまり、請求項1に記載の情報記録方法においては、前記補正シンボルそのものが前記新規のダミーシンボルとなり、請求項4に記載の情報記録方法においては、前記仮想の外符号そのものが前記新規のダミーシンボルとなる。また、特に請求項4に記載の情報記録方法に、本発明を適用した場合には、情報シンボル単位の下位(n−k)シンボルの位置に前記仮想の外符号を設けることと等価なので、総シンボル数n、情報シンボル数kの系の符号化において、総シンボル数k、情報シンボル数(k−(n−k))の符号化を行うことになる。
【0037】
請求項6記載の情報記録装置は、前記課題を解決するために、記憶手段と、情報の読み取り及び記録が可能な情報記録媒体に対して情報の記録を行う記録手段とを備え、元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロック化した情報の記録を行う情報記録装置であって、前記誤り訂正符号ブロックにおける情報シンボル数kに満たないシンボル数mの既存の情報シンボルを読み取る読取手段と、前記読み取った既存の情報シンボルと、前記記憶手段に記憶されたシンボル数(n−k)のダミーシンボル及びシンボル数(k−m−(n−k))の新規の情報シンボルとにより、前記ダミーシンボルを下位(n−k)シンボルとするガロア体GF(2N)上の巡回符号としてのシンボル数kの情報シンボル単位を形成し、当該情報シンボル単位に基づき誤り検査用の外符号に相当するシンボル数(n−k)の仮想の外符号を算出する仮想外符号算出手段と、前記既存の情報シンボルに対応して予め作成された誤り検査用の既存の外符号のシンボルと全シンボルにて等しい値を有するシンボル数(n−k)の新規の外符号と、前記仮想の外符号との間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行いシンボル数(n−k)の補正シンボルを算出する補正シンボル算出手段と、前記下位(n−k)シンボルのダミーシンボルと、前記補正シンボルとの間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行い、シンボル数(n−k)の新規のダミーシンボルを算出するダミーシンボル算出手段と、前記新規のダミーシンボルにより前記情報シンボル単位を更新し、当該更新した情報シンボルと前記新規の外符号とにより、誤り訂正符号ブロックを形成する誤り訂正符号ブロック形成手段と、前記誤り訂正符号ブロックを形成する各シンボルを前記情報記録媒体に前記記録手段により記録させる記録制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0038】
請求項6に記載の情報記録装置によれば、情報記録媒体に対する情報の記録は、記録手段により、元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロック化した情報について行われる。例えば、記録しようとするデータが全て新規のデータである場合には、当該データを読み取ってシンボル数kの情報シンボルとし、更にこの情報シンボルにシンボル数(n−k)の外符号のシンボルを付加することにより、前記ガロア体GF(2N)上における総シンボル数nの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロック化を行った後、所定の単位で情報の記録を行う。
【0039】
しかし、記録しようするデータが、新規のデータではなく、予め作成しておいた既存のデータであると共に、そのデータの容量が前記シンボル数kの情報シンボルに相当するデータの容量に満たない場合には、この既存のデータに相当する既存の情報シンボルだけでは、前記誤り訂正符号ブロック化を行うことができなくなる。
【0040】
そこで、本発明においては、まず、シンボル数kに満たないシンボル数mの既存の情報シンボルを読取手段によって読み取り、次に、仮想外符号算出手段は、この読み取った既存の情報シンボルと、予め設定されたシンボル数(n−k)のダミーシンボルと、新たに記録を行おうとするシンボル数(k−m−(n−k))の新規の情報シンボルとにより、ガロア体GF(2N)上の巡回符号としての情報シンボル単位を形成する。
【0041】
この情報シンボル単位は、シンボル数(n−k)の前記ダミーシンボルを下位(n−k)シンボルとするシンボル数kのシンボル群である。更に仮想外符号算出手段は、この情報シンボル単位に基づいて、誤り検査用の外符号に相当するシンボル数(n−k)の仮想の外符号を算出する。ここで、前記情報シンボル単位はガロア体GF(2N)上の巡回符号であり、一般にこのような巡回符号を組織符号として符号化するには、前記情報シンボル単位を構成する各シンボルを係数とする情報多項式を形成し、この情報多項式にXn-kを掛け、その結果を生成多項式で割り、剰余多項式を求める。従って、仮想外符号算出手段においてもこのようにして剰余多項式を求め、この剰余多項式の各係数として、誤り検査用の外符号に相当するシンボル数(n−k)の仮想の外符号を求める。
【0042】
次に、補正シンボル算出手段は、前記既存の情報シンボルに対応して予め作成された誤り検査用の既存の外符号のシンボルと全シンボルにて等しい値を有するシンボル数(n−k)の新規の外符号を作成し、この新規の外符号と、前記仮想の外符号との間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行いシンボル数(n−k)の補正シンボルを算出する。従って、この補正シンボルは、前記仮想の外符号の前記新規の外符号に対する差分値を有することになる。
【0043】
次に、ダミーシンボル算出手段は、前記下位(n−k)シンボルのダミーシンボルと、前記補正シンボルとの間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行い、シンボル数(n−k)の新規のダミーシンボルを算出する。
【0044】
次に、誤り訂正符号ブロック形成手段は、前記シンボル数(n−k)の新規のダミーシンボルにより前記情報シンボル単位を更新する。つまり、下位(n−k)シンボルが前記新規のダミーシンボルであり、当該新規のダミーシンボルと、前記読み取った既存の情報シンボルと、新たに記録を行おうとするシンボル数(k−m−(n−k))の新規の情報シンボルとから構成される情報シンボル単位を形成する。そして、誤り訂正符号ブロック形成手段は、このようにして更新した情報シンボル単位と、前記新規の外符号とにより、誤り訂正符号ブロックを形成する。
【0045】
このようにして形成される誤り訂正符号ブロックは、請求項1に記載の情報記録方法の項で説明したように、ガロア体GF(2N)上の巡回符号である。従って、本発明によれば、誤り訂正符号ブロックにおける情報シンボル数に満たないシンボル数の既存の情報シンボルと、当該既存の情報シンボルに付加された既存の外符号とが、予め作成されている場合であっても、前記既存の情報シンボルと、ダミーシンボルと、新たに記録しようとする新規の情報シンボルとから情報シンボル単位を形成し、当該情報シンボル単位に基づいて仮想の外符号を求め、前記既存の外符号と同じ値を有する前記新規の外符号と、当該仮想の外符号との差分を、補正シンボルとして前記ダミーシンボルに加算処理することにより、前記既存の外符号と同じ値を有する前記新規の外符号を備えた誤り訂正符号ブロックを形成することができる。このことは、前記既存の情報シンボルと、ダミーシンボルと、新たに記録しようとする新規の情報シンボルとから形成される情報シンボル単位に基づいて求められる仮想の外符号を、前記新規の外符号と前記ダミーデータとに分配したことと等価である。
【0046】
従って、本発明によれば、予め作成した既存の情報シンボルに、新たな情報シンボルを追加して誤り訂正符号ブロック化を行った場合でも、予め作成した既存の外符号と同じ値の外符号を有する誤り訂正符号ブロック化を行うことができるので、新たな情報シンボルの値がどのような値であっても、既存の情報シンボルと既存の外符号のシンボルの値を変更することなく、且つ、誤り訂正符号ブロックにおける外符号の整合性を保つことができる。
【0047】
請求項7に記載の情報記録装置は、前記課題を解決するために、請求項6記載の情報記録装置において、前記既存の情報シンボルは、前記記憶手段に予め記憶されており、前記既存の外符号のシンボルは、前記既存の情報シンボルに対応して前記記憶手段に予め記憶されていることを特徴とする。
【0048】
請求項7記載の情報記録装置によれば、既存の情報シンボルと、この既存の情報シンボルに対応して作成された既存の外符号のシンボルが、記憶手段に記憶されている場合であっても、当該既存の情報シンボルと既存の外符号のシンボルとを、前記記憶手段から読み取って、請求項6記載の情報記録装置により上述のような誤り訂正符号ブロック化を行う。従って、本発明によれば、前記記憶手段上に予め作成した既存の情報シンボルに、新たな情報シンボルを追加して誤り訂正符号ブロック化を行った場合でも、前記記憶手段上に予め作成した既存の外符号と同じ値の外符号を有する誤り訂正符号ブロック化を行うことができるので、新たな情報シンボルの値がどのような値であっても、前記記憶手段上に作成した既存の情報シンボルと既存の外符号のシンボルの値を変更することなく、且つ、誤り訂正符号ブロックにおける外符号の整合性を保つことができる。
【0049】
請求項8に記載の情報記録装置は、前記課題を解決するために、請求項6記載の情報記録装置において、前記既存の情報シンボルは、前記情報記録媒体の予め設定された先行記録位置に予め記録されており、前記既存の外符号のシンボルは、前記既存の情報シンボルに対応して前記先行記録位置に予め記憶されており、前記読取手段は、記録位置が、前記先行記録位置である場合に、前記既存の情報シンボルを読み取る手段であり、前記記録制御手段は、前記先行記録位置の誤り訂正符号ブロックの記録領域における、前記既存の情報シンボル及び既存の外符号が記録された領域以外の領域に、前記誤り訂正符号ブロックを形成する前記新規の情報シンボルと、前記新規のダミーシンボルと、前記新規の外符号とを記録させる手段であることを特徴とする。
【0050】
請求項8に記載の情報記録装置によれば、既存の情報シンボルと、この既存の情報シンボルに対応して作成された既存の外符号のシンボルが、情報記録媒体に予め記録されている場合であっても、当該既存の情報シンボルと既存の外符号のシンボルとを、読取手段により当該情報記録媒体の先行記録位置から読み取って、請求項6記載の情報記録装置のように誤り訂正符号ブロック化を行う。従って、本発明によれば、情報記録媒体上に予め作成した既存の情報シンボルに、新たな情報シンボルを追加して誤り訂正符号ブロック化を行った場合でも、前記情報記録媒体上に予め作成した既存の外符号と同じ値の外符号を有する誤り訂正符号ブロック化を行うことができるので、新たな情報シンボルの値がどのような値であっても、前記情報記録媒体上に作成した既存の情報シンボルと既存の外符号のシンボルの値を変更することなく、且つ、誤り訂正符号ブロックにおける外符号の整合性を保つことができる。また、このようにして形成した誤り訂正符号ブロックのうち、前記新規の情報シンボルと、前記新規のダミーシンボルと、前記新規の外符号とを、前記既存の情報シンボル及び既存の外符号が記録された領域以外の領域に記録制御手段により記録するので、誤り訂正符号ブロックにおける外符号の整合性を保ちつつ、情報記録媒体の記録領域を無駄なく有効に使用することができる。
【0051】
請求項9に記載の情報記録装置は、前記課題を解決するために、請求項6ないし8のいずれか1記載の情報記録装置において、前記誤り検査用の既存の外符号のシンボルは、全てのシンボルがゼロの値に設定されていることを特徴とする。
【0052】
請求項9記載の情報記録装置によれば、前記既存の外符号のシンボルは、全てのシンボルがゼロなので、前記新規の外符号のシンボルについても全てゼロとすれば良く、前記仮想の外符号がそのまま補正シンボルとなる。つまり、本発明によれば、請求項6の情報記録装置による補正シンボル算出手段を省略することができる。従って、本発明によれば、新たな情報シンボルの値がどのような値であっても、予め作成した既存の情報シンボルと既存の外符号のシンボルの値を変更することなく、且つ、誤り訂正符号ブロックにおける外符号の整合性を保つことができると共に、装置の構成を簡易化する。
【0053】
請求項10に記載の情報記録装置は、前記課題を解決するために、請求項6ないし9のいずれか1記載の情報記録装置において、前記記憶手段に記憶された下位(n−k)シンボルのダミーシンボルは、全てのシンボルがゼロの値に設定されていることを特徴とする。
【0054】
請求項10記載の情報記録装置によれば、前記下位(n−k)シンボルのダミーシンボルが、全てゼロの値であるので、前記ダミーシンボル算出手段を省略することができる。つまり、請求項6に記載の情報記録装置においては、前記補正シンボルそのものが前記新規のダミーシンボルとなり、請求項9に記載の情報記録装置においては、前記仮想の外符号そのものが前記新規のダミーシンボルとなる。また、特に請求項9に記載の情報記録装置に、本発明を適用した場合には、情報シンボル単位の下位(n−k)シンボルの位置に前記仮想の外符号を設けることと等価なので、総シンボル数n、情報シンボル数kの系の符号化において、総シンボル数k、情報シンボル数(k−(n−k))の符号化を行うことになる。
【0055】
請求項11に記載の情報記録媒体作成方法は、前記課題を解決するために、情報の読み取り及び記録が可能な情報記録媒体の一部の領域に、予め所定の情報を記録することにより、請求項1、3、4、5のいずれか1記載の情報記録方法、あるいは請求項6、8、9、10のいずれか1記載の情報記録装置に使用可能な情報記録媒体を作成する情報記録媒体作成方法であって、元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロックを、シンボル数mの情報シンボルと、シンボル数(k−m)のダミーシンボルと、シンボル数(n−k)の全シンボルが等しい値の誤り検査用の外符号とから形成する工程と、 前記シンボル数mの情報シンボルと、当該情報シンボルに付加する前記誤り検査用の外符号とを、書き換え不能なエンボスドピットとして前記情報記録媒体上に記録する工程とを備えたことを特徴とする。
【0056】
請求項11記載の情報記録媒体作成方法によれば、まず、元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロック単位を、シンボル数mの情報シンボルと、シンボル数(k−m)のダミーシンボルと、シンボル数(n−k)の全シンボルが等しい値の誤り検査用の外符号とから形成する。次に、記録位置が、予め設定された記録位置になると、前記シンボル数mの情報シンボルと、当該情報シンボルに付加する前記誤り検査用の外符号とを、書き換え不能なエンボスドピットとして前記情報記録媒体上に記録する。このようにして作成される情報記録媒体は、誤り訂正符号ブロック単位内にシンボルの未記録領域を有することになるが、上述したように請求項1、3、4、5のいずれか1記載の情報記録方法、あるいは請求項6、8、9、10のいずれか1記載の情報記録装置に用いられることにより、前記未記録領域に有効に情報シンボルの記録が行われる。また、予め記録される外符号は、前記シンボル数mの情報シンボルに付加されるので、シンボル数(n−k)に満たないシンボル数となるが、その値は、全シンボルが等しい値なので、上述したように前記情報記録方法、または前記情報記録装置に本発明により作成された情報記録媒体が用いられると、当該予め記録される外符号との整合性を保つ前記新規の外符号が作成され、記録される。従って、本発明のように外符号を書き換え不能なエンボスドピットとして情報記録媒体に形成したとしても、誤り訂正符号ブロック単位内における外符号の整合性が保たれ、前記エンボスドピットとして予め記録されるシンボル数mの情報シンボルは、再生時において適正に誤り訂正されることになる。
【0057】
請求項12記載の情報記録媒体作成方法は、前記課題を解決するために、請求項11記載の情報記録媒体作成方法において、シンボル数(n−k)の誤り検査用の外符号は、全てのシンボルの値がゼロであることを特徴とする。
【0058】
請求項12記載の情報記録媒体作成方法によれば、まず、元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロック単位を、シンボル数mの情報シンボルと、シンボル数(k−m)のダミーシンボルと、シンボル数(n−k)の全シンボルがゼロの値の誤り検査用の外符号とから形成する。次に、記録位置が、予め設定された記録位置になると、前記シンボル数mの情報シンボルと、当該情報シンボルに付加する前記誤り検査用の外符号とを、書き換え不能なエンボスドピットとして前記情報記録媒体上に記録する。このようにして作成される情報記録媒体は、誤り訂正符号ブロック単位内にシンボルの未記録領域を有することになるが、上述したように請求項1、3、4、5のいずれか1記載の情報記録方法、または請求項6、8、9、10のいずれか1記載の情報記録装置に用いられることにより、前記未記録領域に有効に情報シンボルの記録が行われる。また、予め記録される外符号は、前記シンボル数mの情報シンボルに付加されるので、シンボル数(n−k)に満たないシンボル数となるが、その値は、全シンボルがゼロの値なので、上述したように前記情報記録方法、または前記情報記録装置に本発明により作成された情報記録媒体が用いられると、当該予め記録される外符号との整合性を保つ前記新規の外符号が作成され、記録される。従って、本発明のように外符号を書き換え不能なエンボスドピットとして情報記録媒体に形成したとしても、誤り訂正符号ブロック単位内における外符号の整合性が保たれ、前記エンボスドピットとして予め記録されるシンボル数mの情報シンボルは、再生時において適正に誤り訂正されることになる。
【0059】
請求項13に記載の情報記録媒体作成方法は、前記課題を解決するために、請求項11または12記載の情報記録媒体作成方法において、書き換え不能なエンボスドピットとして記録される前記シンボル数mの情報シンボルは、情報記録媒体の種類を識別するための情報に基づいて形成されていることを特徴とする。
【0060】
請求項13に記載の情報記録媒体作成方法によれば、書き換え不能なエンボスドピットとして記録される前記シンボル数mの情報シンボルは、情報記録媒体の種類を識別するための情報に基づいて形成されているので、上述のように当該情報シンボルが適正に再生されることにより、当該情報記録媒体の種類が適正に識別され、例えば不法な複写記録を確実に防止することができる。
【0061】
請求項14に記載の情報記録媒体作成装置は、前記課題を解決するために、記憶手段と、情報の読み取り及び記録が可能な情報記録媒体の一部の領域に予め所定の情報を記録する記録手段とを備え、請求項1、3、4、5のいずれか1記載の情報記録方法、あるいは請求項6、8、9、10のいずれか1記載の情報記録装置に使用可能な情報記録媒体を作成する情報記録媒体作成装置であって、元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロックを、シンボル数mの情報シンボルと、シンボル数(k−m)のダミーシンボルと、シンボル数(n−k)の全シンボルが等しい値の誤り検査用の外符号とから形成する誤り訂正符号ブロック形成手段と、前記シンボル数mの情報シンボルと、当該情報シンボルに付加する前記誤り検査用の外符号とを、前記記録手段により、書き換え不能なエンボスドピットとして記録させる記録制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0062】
請求項14に記載の情報記録媒体作成装置によれば、まず、誤り訂正符号ブロック形成手段は、元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロック単位を、シンボル数mの情報シンボルと、シンボル数(k−m)のダミーシンボルと、シンボル数(n−k)の全シンボルが等しい値の誤り検査用の外符号とから形成する。次に、記録制御手段は、記録位置が、予め設定された記録位置になると、前記シンボル数mの情報シンボルと、当該情報シンボルに付加する前記誤り検査用の外符号とを、書き換え不能なエンボスドピットとして、記録手段により前記情報記録媒体上に記録させる。このようにして作成される情報記録媒体は、誤り訂正符号ブロック単位内にシンボルの未記録領域を有することになるが、上述したように請求項1、3、4、5のいずれか1記載の情報記録方法、または請求項6、8、9。10のいずれか1記載の情報記録装置に当該情報記録媒体が用いられることにより、前記未記録領域に有効に情報シンボルの記録が行われる。また、予め記録される外符号は、前記シンボル数mの情報シンボルに付加されるので、シンボル数(n−k)に満たないシンボル数となるが、その値は、全シンボルが等しい値なので、上述したように前記情報記録方法、または前記情報記録装置に本発明により作成された情報記録媒体が用いられると、当該予め記録される外符号との整合性を保つ前記新規の外符号が作成され、記録される。従って、本発明のように外符号を書き換え不能なエンボスドピットとして情報記録媒体に形成したとしても、誤り訂正符号ブロック内における外符号の整合性が保たれ、前記エンボスドピットとして予め記録されるシンボル数mの情報シンボルは、再生時において適正に誤り訂正されることになる。
【0063】
請求項15に記載の情報記録媒体作成装置は、前記課題を解決するために、請求項14記載の情報記録媒体作成装置において、シンボル数(n−k)の誤り検査用の外符号は、全てのシンボルの値がゼロであることを特徴とする。
【0064】
請求項15に記載の情報記録媒体作成装置によれば、まず、誤り訂正符号ブロック形成手段は、元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロック単位を、シンボル数mの情報シンボルと、シンボル数(k−m)のダミーシンボルと、シンボル数(n−k)の全シンボルがゼロの値の誤り検査用の外符号とから形成する。次に、記録制御手段は、記録位置が、予め設定された記録位置になると、前記シンボル数mの情報シンボルと、当該情報シンボルに付加する前記誤り検査用の外符号とを、書き換え不能なエンボスドピットとして、記録手段により前記情報記録媒体上に記録させる。このようにして作成される情報記録媒体は、誤り訂正符号ブロック単位内にシンボルの未記録領域を有することになるが、上述したように請求項1、3、4、5のいずれか1記載の情報記録方法、または請求項6、8、9。10のいずれか1記載の情報記録装置に当該情報記録媒体が用いられることにより、前記未記録領域に有効に情報シンボルの記録が行われる。また、予め記録される外符号は、前記シンボル数mの情報シンボルに付加されるので、シンボル数(n−k)に満たないシンボル数となるが、その値は、全シンボルがゼロの値なので、上述したように前記情報記録方法、または前記情報記録装置に本発明により作成された情報記録媒体が用いられると、当該予め記録される外符号との整合性を保つ前記新規の外符号が作成され、記録される。従って、本発明のように外符号を書き換え不能なエンボスドピットとして情報記録媒体に形成したとしても、誤り訂正符号ブロック内における外符号の整合性が保たれ、前記エンボスドピットとして予め記録されるシンボル数mの情報シンボルは、再生時において適正に誤り訂正されることになる。
【0065】
請求項16記載の情報記録媒体作成装置は、前記課題を解決するために、請求項14または15記載の情報記録媒体作成装置、書き換え不能なエンボスドピットとして記録される前記シンボル数mの情報シンボルは、情報記録媒体の種類を識別するための情報に基づいて形成されていることを特徴とする。
【0066】
請求項16に記載の情報記録媒体作成装置によれば、書き換え不能なエンボスドピットとして記録される前記シンボル数mの情報シンボルは、情報記録媒体の種類を識別するための情報に基づいて形成されているので、上述のように当該情報シンボルが適正に再生されることにより、当該情報記録媒体の種類が適正に識別され、例えば不法な複写記録を確実に防止することができる。
【0067】
請求項17記載の情報記録媒体は、前記課題を解決するために、請求項11ないし13のいずれか1記載の情報記録媒体作成方法により、あるいは請求項14ないし16のいずれか1記載の情報記録媒体作成装置により、情報の記録が可能な情報記録媒体の一部の領域に予め所定の情報が記録された情報記録媒体として作成され、請求項1、3、4、5のいずれか1記載の情報記録方法、あるいは請求項6、8、9、10のいずれか1記載の情報記録装置に使用可能な情報記録媒体であって、前記一部の領域には、元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロックのシンボルのうち、前記情報シンボルkに満たないシンボル数mの情報シンボルと、当該情報シンボルに付加され、全シンボルが等しい値の誤り検査用の外符号とが書き換え不能なエンボスドピットとして記録されていることを特徴とする。
【0068】
請求項17に記載の情報記録媒体によれば、誤り訂正符号ブロック単位内にシンボルの未記録領域を有することになるが、上述したように請求項1、3、4、5のいずれか1記載の情報記録方法、または請求項6、8、9、10のいずれか1記載の情報記録装置に本発明の情報記録媒体が用いられることにより、前記未記録領域に有効に情報シンボルの記録が行われる。また、予め記録される外符号は、前記シンボル数mの情報シンボルに付加されるので、シンボル数(n−k)に満たないシンボル数となるが、その値は、全シンボルが等しい値なので、上述したように前記情報記録方法、または前記情報記録装置に本発明の情報記録媒体が用いられると、当該予め記録される外符号との整合性を保つ前記新規の外符号が作成され、記録される。従って、本発明のように外符号が書き換え不能なエンボスドピットとして形成された情報記録媒体であっても、誤り訂正符号ブロック単位内における外符号の整合性が保たれ、前記エンボスドピットとして予め記録されるシンボル数mの情報シンボルは、再生時において適正に誤り訂正されることになる。
【0069】
請求項18記載の情報記録媒体は、前記課題を解決するために、請求項17記載の情報記録媒体誤り検査用の外符号は、シンボルの値が全てゼロであることを特徴とする。
【0070】
請求項18記載の情報記録媒体によれば、誤り訂正符号ブロック単位内にシンボルの未記録領域を有することになるが、上述したように請求項1、3、4、5のいずれか1記載の情報記録方法、または請求項6、8、9、10のいずれか1記載の情報記録装置に本発明の情報記録媒体が用いられることにより、前記未記録領域に有効に情報シンボルの記録が行われる。また、予め記録される外符号は、前記シンボル数mの情報シンボルに付加されるので、シンボル数(n−k)に満たないシンボル数となるが、その値は、全シンボルがゼロの値なので、上述したように前記情報記録方法、または前記情報記録装置に本発明の情報記録媒体が用いられると、当該予め記録される外符号との整合性を保つ前記新規の外符号が作成され、記録される。従って、本発明のように外符号を書き換え不能なエンボスドピットとして形成された情報記録媒体であっても、誤り訂正符号ブロック単位内における外符号の整合性が保たれ、前記エンボスドピットとして予め記録されるシンボル数mの情報シンボルは、再生時において適正に誤り訂正されることになる。
【0071】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に好適な実施の形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、情報記録媒体としてのDVD−RWを作成する情報記録媒体作成装置及び方法、及びDVD−RWに対して情報を記録する情報記録装置及び方法、並びに前記情報記録媒体作成装置及び方法により作成され、あるいは前記情報記録装置及び方法により情報の記録された情報記録媒体としてのDVD−RWに対して本発明を適用した場合の実施の形態である。
【0072】
(1)記録フォーマットの実施の形態
まず、DVD−RWに情報を記録する際の一般的な物理フォーマット、及び当該情報の再生時における誤り訂正のための誤り訂正符号化処理について図1乃至図5を用いて説明する。
【0073】
図1は、直交積リードソロモン符号方式の誤り訂正を行うためのECCブロックを説明する図である。一般に、DVD−RWに記録される情報は、図1(a)に示すデータセクタ20を複数個含む物理構造を成して構成されている。一のデータセクタ20の中には、その先頭から、データセクタ20の開始位置を示すID情報21と、当該ID情報21の誤りを訂正するためのID情報誤り訂正コード(IEC(ID Data Error correction Code))22と、予備データ23と、記録すべきデータ24と、データ24におけるエラーを検出するためのエラー検出コード(EDC(Error Detection Code))25とにより構成されている。
【0074】
次に、一のデータセクタ20を図1(b)(i)に示すように172バイト毎に分割し、分割したそれぞれのデータを図1(b)(ii)に示すようにデータブロック33として行方向に並べる。この時、行方向には12行のデータブロック33が並ぶことになる。
【0075】
以下、同様の処理を、15個のデータセクタ20に対して繰り返し行うことにより、図1(b)(ii)に示すように192行(12行×16セクタ分)のデータブロック33が行方向に並ぶことになる。
【0076】
一のデータセクタ20には、図1(a)に示すように2048バイトのデータ24が含まれるので、192行のデータブロック33には、
2048バイト×16=32768バイト
のデータ24が含まれることになる。
【0077】
なお、図1(b)(ii)においては、1バイトのデータを「D#.*」で示している。例えば、「D1.0」は第1行第0列に配置されている1バイトのデータを示しており、「D190.170」は第190行第170列に配置されている1バイトのデータを示している。
【0078】
次に、このような192行のデータブロック33を1バイトの列ごとに分割し、分割した各列のデータに対して16個の誤り訂正用の外符号としてのECC外符号(PO(Parity Out)符号)32を付加する。
【0079】
ECC外符号32とは、データブロック33の各列のデータと、ECC外符号32とから構成される誤り訂正符号を巡回符号とするための誤り検査用の外符号であり、一例として次のようにして求められる。まず、図2に示すように192行のデータブロック33の各列の値を係数d191,d190,…d0とする。例えば、図3における第0列については、
【0080】
【数1】
191 =「D0.0」
190 =「D1.0」
1 =「D190.0」
0 =「D191.0」
である。次に、係数d191,d190,…d0を用いて、情報多項式D(X)を作成する。
【0081】
【数2】
D(X)=d191191+d190190+…+d0
次に、この情報多項式D(X)にX16を掛け、多項式X16D(X)を得る。そして、この多項式X16D(X)を、次の生成多項式G(X)で割る。
【0082】
【数3】
G(X)=(X+α15)(X+α14)…(X+α)(X+1)
ここで、αは、元の数が2Nであるガロア体GF(2N)の原始元である。前記多項式X16D(X)を生成多項式G(X)で割ると、剰余多項式R(X)が求められる。
【0083】
【数4】
R(X)=R1515+R1414+…+R0
そして、この剰余多項式R(X)の各計数であるR15,R14,…R0を、各列におけるECC外符号32の値とする。図2における第0列の場合は、
【0084】
【数5】
「D192.0」= R15
「D207.0]= R0
となる。以上のような処理を第0列から第171列までの全てについて行うことにより、16行×172バイトのECC外符号32が得られる。
【0085】
次に、以上のように行方向に並べられた192行のデータブロック33及び16行のECC外符号32のそれぞれに対して、図1(b)(ii)に示すように、10バイトのECC内符号(PI(Parity In)符号)31を付加し、208行の訂正ブロック34を形成する。
【0086】
ECC内符号31とは、1行のデータブロック33とECC内符号31とから、あるいは1行のECC外符号32とECC内符号31とから構成される誤り訂正符号を、巡回符号とするための符号であり、一例として次のようにして求められる。まず、図3に示すように各行のデータブロック33の各列の値を係数d171,d170,…d0とする。例えば、図3における第0行のデータブロック33については、
【0087】
【数6】
171 =「D0.0」
170 =「D0.1」
1 =「D0.170」
0 =「D0.171」
である。次に、係数d171,d170,…d0を用いて、情報多項式D(X)を作成する。
【0088】
【数7】
D(X)=d171171+d170170+…+d0
次に、この情報多項式D(X)にX10を掛け、多項式X10D(X)を得る。そして、この多項式X10D(X)を、次の生成多項式G(X)で割る。
【0089】
【数8】
G(X)=(X+α9)(X+α8)…(X+α)(X+1)
ここで、αは、元の数が2Nであるガロア体GF(2N)の原始元である。前記多項式X10D(X)を生成多項式G(X)で割ると、剰余多項式R(X)が求められる。
【0090】
【数9】
R(X)=R99+R88+…+R0
そして、この剰余多項式R(X)の各計数であるR9,R8,…R0を、ECC内符号31の各列の値とする。図3における第0行の場合は、
【0091】
【数10】
「D0.172」= R9
「D0.181]= R0
となる。
【0092】
このようにして、1行分の訂正ブロック34が形成される。以下、同様の処理を、192行のデータブロック33及び16行のECC外符号32の全てについて行うことにより、10バイト×208行分のECC内符号31が得られ、また、208行分の訂正ブロック34が得られるので、当該208行分の訂正ブロック34から成るECCブロック30が形成される。
【0093】
以上のようにECC内符号31とECC外符号32の双方を含んでECCブロック30を形成することにより、データブロック33の1行分のデータ及びECC外符号32の1行分のデータの訂正をECC内符号31で行うと共に、データブロック33の1列分のデータの訂正をECC外符号32で行うことができる。即ち、図1(b)(ii)で示すECCブロック30内においては、列方向と行方向の二重に誤り訂正することが可能となり、従来のCD(Compact Disc)等に用いられている誤り訂正処理に比してより強力に誤り訂正ができるように構成されている。
【0094】
この点についてより具体的に説明すると、例えば、上述のように1行分のECC内符号31を含む計182バイトのデータから成り、連続してDVD−RAM上に記録される一の訂正ブロック34が、182バイトのデータの全てについて傷等により破壊されたとしても、それをECCブロック30における列方向で見た場合には、1列のECC外符号32に対しての1バイトのデータ破壊でしかない。従って、それぞれの列のECC外符号32を用いて誤り訂正を行えば、たとえ一の訂正ブロック34の全てが破壊されていても、正しく誤り訂正を行って正確に再生することができるのである。
【0095】
以上のように構成される一のECCブロック30内に含まれる情報の総量は、
(172+10)バイト×(192+16)行=37856バイト
となる。
【0096】
次に、図1(b)(ii)で示すECCブロック30に構成された37856バイトのデータが、具体的にDVD−RAMにどのように記録されるかについて、図4及び図5を用いて説明する。なお、図4において、「D#.*」で示されるデータは、図1(b)(ii)内に記述されているデータに対応している。
【0097】
ECCブロック30をDVD−RAMに記録する際には、まず、図4(a)に示すように、ECCブロック30を構成する訂正ブロック34を1列に並べ、インターリーブを行う。その結果、図4(b)に示すように、16個のレコーディングセクタ40に分割される。なお、各レコーディングセクタ40の先頭には、図4(b)に示すようにデータセクタ20におけるID情報21が配置される。
【0098】
一のECCブロック30には、208行分の訂正ブロック34が含まれるから、一のレコーディングセクタ40には、13(208÷16)の訂正ブロック34が含まれることになる。また、一の訂正ブロック34には、データ24以外のECC内符号31及びECC外符号32をもデータと考えれば、182バイトのデータが含まれるので、一のレコーディングセクタ40には2366バイト(182バイト×13)のデータが含まれることとなる。
【0099】
また、一のレコーディングセクタ40には、図5に示す規則に従って、各訂正ブロック34が配置される。図5は、1行分の訂正ブロック34を行方向に1列に並べることにより、第0番のレコーディングセクタ40から第15番のレコーディングセクタ40までを表した図である。図5に示すように、各レコーディングセクタ40には、データブロック33とECC内符号31とから構成される訂正ブロック34が、各レコーディングセクタ40の先頭から12行分ずつ配置される。この12行分の訂正ブロック34は、図1(b)(ii)に示す192行の訂正ブロック34を、第0行目から順に12行ずつ分割したものである。但し、これらの12行分の訂正ブロック34はインターリーブされるので、図1(b)(ii)に示すECCブロック30内における順序と、図5に示す16個のレコーディングセクタ40内における順序とは必ずしも一致していない。
【0100】
そして、各レコーディングセクタ40においては、12行分の訂正ブロック34の後に、ECC外符号32とECC内符号31とから構成される訂正ブロック34が1行分ずつ付加される。この1行分の訂正ブロック34は、図1(b)(ii)に示すECCブロック30における第192行目から第207行(先頭行は第0行)までの16行の訂正ブロック34を1行ずつ分割したものである。このECC外符号32とECC内符号31とから構成される訂正ブロック34についても、インターリーブされて各レコーディングセクタ40に配置されるので、図1(b)(ii)に示すECCブロック30内における順序と、図5に示す16個のレコーディングセクタ40内における順序とは必ずしも一致していない。
【0101】
以上のように、1つのレコーディングセクタ40は、データブロック33を含む12行の訂正ブロック34と、ECC外符号32を含む1行の訂正ブロック34とから構成される。
【0102】
次に、以上のようにして形成されるレコーディングセクタ40は、図4(c)に示すようにそれぞれのレコーディングセクタ40が91バイト毎のデータ41に分割され、それぞれにヘッダHが付加される。その後、この状態のレコーディングセクタ40を8−16変調することにより、図4(d)に示すようにそれぞれのデータ41毎に一のシンクフレーム42が形成される。このとき、一のシンクフレーム42は、ヘッダH’とデータ43とにより構成されている。また、一のシンクフレーム42内の情報量は、
91バイト×8×(16/8)=1456バイト
となり、このシンクフレーム42が連続した形態でDVD−RWに情報が書き込まれる。従って、一のレコーディングセクタ40は、26個のシンクフレーム42を含むこととなる。
【0103】
以上説明した物理フォーマットを構成してDVD−RAMに情報を記録することにより、当該情報を再生する際に8−16復調及びデインターリーブを行えば、元のECCブロック30を復元することができ、前記のように強力な訂正を行って情報を正確に再生することができるのである。
【0104】
(2)カッティング装置の実施形態
次に、情報記録媒体作成装置の一例として、DVD−RWの大量生産に用いられるスタンパディスクを製造するためのカッティング装置の実施形態について図6を用いて説明する。
【0105】
本実施形態におけるカッティング装置100は、DVD−RWだけでなく、DVD−RAM、DVD−ROM、あるいはDVD−Rにも使用可能であるが、ここでは、DVD−RWに使用する場合について説明する。DVD−RWは、グルーブトラックに対して相変化記録方式により情報の上書き可能な記録が行われる。しかし、最内周のリードイン領域に記録される、ディスクに固有な情報、あるいは各レコーディングセクタ40の先頭に記録されるアドレス情報を得るためのプリピット等については、エンボスドピット列として予め形成される。また、本実施形態のDVD−RWにおいては、媒体識別情報と呼ばれる情報が通常のデータの記録領域に予めエンボスドピット列として記録される。この媒体識別情報とは、当該ディスクが、DVD−RW、DVD−ROM、DVD−R、あるいはDVD−RAMの何れであるかを識別するための情報であり不法複写行為の防止のために用いられる。従って、媒体識別情報は、書き換えが出来ないように記録する必要があるため、エンボスドピット列として記録される。
【0106】
本実施形態のカッティング装置100は、上述のような情報を示すデータを、エンボスドピット列としてDVD−RW上に記録するために用いられるものである。
【0107】
図6は本実施形態のカッティング装置100の概略構成を示す図である。図6に示すように、本実施形態のカッティング装置100は、データ生成器1と、ECC(Error Correcting Code)エンコーダ2と、識別情報書込器3と、エンコーダ4と、レーザ発生器5と、光変調器6と、対物レンズ7と、スピンドルモータ13と、回転検出器9と、回転サーボ回路8と、送りユニット12と、位置検出器11と、送りサーボ回路10とにより構成されている。
【0108】
また、スタンパディスクSPは、レジスト14と、ガラス基板15とにより構成されている。ここで、レジスト14は、後述の光ビームBが照射されることにより感光され、当該光ビームBの強度の変化に対応した形状のピットが形成されるものである。
【0109】
次に、カッティング装置100の動作の概要について説明する。
【0110】
データ生成器1は、上述したディスクに固有な情報等を示すデータに基づいて、図1(a)に示すデータセクタ20を生成する処理を行い、データ信号SdとしてECCエンコーダ2に出力する。この時、データ生成器1は、1ECCブロックの形成に必要な量のデータセクタ20を生成し、その量に応じたデータ信号Sdを出力する。但し、媒体識別情報に基づくデータは、1ECCブロックを形成する際に必要なデータ量に満たない量のデータであるため、このような場合には、データ生成器1は、媒体識別情報に基づくデータを用いてデータセクタ20を生成すると共に、当該データセクタ20に媒体識別情報に基づくデータが含まれることを示す判別情報を付加してデータ信号Sdを出力する。
【0111】
ECCエンコーダ2は、データ信号Sdから得られるデータセクタ20に基づいて、図1(b)(ii)に示すデータブロック33を形成し、更にECC外符号32及びECC内符号の付加処理を行って、ECCブロック30を形成する。そして、形成したECCブロック30を、付加データ信号Sdeとして識別情報書込器3に出力する。但し、データ生成器1から出力されるデータ信号Sdに、前記判別情報が付加されている場合には、ECCエンコーダ2は、ダミーデータを用いてECCブロック30を形成する。
【0112】
上述したように、ECC外符号32とECC内符号31を算出するためには、172バイト×192行分のデータブロック33を形成する必要があるが、媒体識別情報に基づくデータは、1ECCブロックを形成する際に必要なデータ量に満たない量のデータであるため、ダミーデータが必要となる。
【0113】
但し、ダミーデータは、DVD−RWにエンボスドピットとして形成しないので、ECCエンコーダ2は、媒体識別情報に基づくデータとダミーデータとからECCブロック30を形成する場合には、付加データ信号Sdeに判別情報を付加する。
【0114】
また、媒体識別情報に基づくデータとダミーデータとからECCブロック30を形成する場合には、ECCエンコーダ2は、ECC外符号32の値が、16バイトの全てにおいて同じ値になるように処理を行う。ECC外符号32は、上述したように、情報多項式D(X)と生成多項式G(X)を用いた場合の剰余多項式R(X)の係数として算出されるので、情報多項式D(X)の係数を適宜設定すれば、剰余多項式R(X)の係数を全て同じ値にすることができる。情報多項式D(X)の係数となるのは、媒体識別情報に基づくデータとダミーデータであるから、ECCエンコーダ2は、剰余多項式R(X)の係数が全て同じ値になるようにダミーデータの値を決定する。
【0115】
なお、ECC外符号32は、ECCブロックの全ての列において同じ値である必要はなく、各列ごとに同じ値であれば良い。例えば、図2に示す第0列の「D192.0」〜「D207.0」の値が全てrだとすると、第1列における「D192.1」〜「D207.1」の値は、全てr’であれば良く、rである必要はない。
【0116】
以上のように、ECCエンコーダ2は、情報記録媒体作成装置における誤り訂正符号ブロック形成手段として機能する。
【0117】
識別情報書込器3は、付加データ信号Sdeに前記判別情報が付加されていない場合には、付加データ信号SdeをそのままECCブロック信号Secとしてエンコーダ4に出力する。しかし、付加データ信号Sdeに前記判別情報が付加されている場合には、付加データ信号Sdeから得られるECCブロック30のうち、媒体識別情報に基づくデータからなるデータブロック33とECC内符号31とから形成される訂正ブロック34、及びECC外符号32とECC内符号31とから形成される訂正ブロック34のみからECCブロック信号Secを形成し、更に判別情報を付加してエンコーダ4に出力する。つまり、ダミーデータから形成される訂正ブロック34についてはエンコーダ4への出力は行われない。
【0118】
以上のように、識別情報書込器3は、情報記録媒体作成装置における記録制御手段として機能する。
【0119】
エンコーダ4は、識別情報書込器3から出力されたECCブロック信号Secに判別情報が付加されていない場合には、ECCブロック信号Secに基づいて、図4に示すようなインターリーブ及び8−16変調を施し、記録データ信号Srを生成する。しかし、ECCブロック信号Secに判別情報が付加されている場合には、媒体識別情報に基づくデータからなるデータブロック33とECC内符号31とから形成される訂正ブロック34、及びECC外符号32とECC内符号31とから形成される訂正ブロック34を何れかの一又は複数のレコーディングセクタ40に配置し、16個のレコーディングセクタ40のうちの残りのレコーディングセクタ40については空の状態とする。そして、前記訂正ブロック34が配置されたレコーディングセクタ40のみについて、8−16変調を施し、記録データ信号Srを生成する。
【0120】
レーザ発生器5は、スタンパディスクSPに対してDVD−RWにおけるエンボスドピット列を形成するためのピット列を形成するように光ビームBを出射する。
【0121】
光変調器6は、レーザ発生器5が発生した光ビームBを前記記録データ信号Srを用いて強度変調する。
【0122】
対物レンズ7は、強度変調された光ビームBをスタンパディスクSPのレジスト14上に集光する。このとき、スピンドルモータ13は、スタンパディスクSPを回転させる。従って、前記レーザ発生器5及び前記光変調器6並びに前記対物レンズ7は、情報記録媒体作成装置における記録手段として機能する。
【0123】
回転検出器9は、スタンパディスクSPの回転を検出する。これにより、回転サーボ回路8は、検出された回転数に基づいて、スタンパディスクSPの回転をサーボ制御する。
【0124】
送りユニット12は、前記エンボスドピット列が記録され、あるいは相変化記録方式による記録が行われる螺旋状のトラックをDVD−RW上に形成するための凹部または凸部を、スタンパディスクSP上に形成するために、スタンパディスクSPの回転に対応してスピンドルモータ13及びスタンパディスクSPを当該スタンパディスクSPの半径方向に移動させる。
【0125】
位置検出器11は、前記送りユニット12の位置を検出し、その検出信号を送りサーボ回路10に出力する。
【0126】
送りサーボ回路10は前記位置検出器11から出力される検出信号に基づいて、前記送りユニット12の位置情報を獲得し、当該位置情報に基づいて前記送りユニット12の移動をサーボ制御する。
【0127】
なお、前記データ生成器1、ECCエンコーダ2、識別情報書込器3、及びエンコーダ4は、それぞれ図示しない記憶手段としてのメモリを備えており、上述したようなデータの処理を当該メモリ上で行う。
【0128】
以上のような各構成手段により、記録データ信号Srに基づいてエンボスドピット及び螺旋状のトラックに対応する凹部及び凸部がスタンパディスクSPのレジスト14上に形成され、DVD−RW製造のための抜き型としてのスタンパディスクSPが完成することとなる。
【0129】
この後は、当該スタンパディスクSPを用いて、樹脂成形、反射膜形成、保護層形成等のいわゆるレプリケーションプロセスが実行されて、媒体識別情報等の情報に基づく記録データ信号Srに対応したエンボスドピット列を有するレプリカディスクとしてのDVD−RWが大量生産される。
【0130】
以上のようなカッティング装置100により作成されたスタンパディスクSPに基づいて生産される本実施形態におけるDVD−RWの記録内容の一例を図7(a)に基づいて説明する。図7(a)は、理解を容易にするために、本実施形態におけるDVD−RWの記録内容を、レコーディングセクタ40のフェーズで説明する図である。図7(a)において、レコーディングセクタを示す符号である「40」の下方に括弧書きで付された符号は、レコーディングセクタ40の番号を示すものである。この例では、第2番目のレコーディングセクタ40に、媒体識別情報に基づくデータとECC内符号31とから成る12行の訂正ブロック34の群34a2、及びECC外符号32とECC内符号31とから成る1行の訂正ブロック34b2が記録されている。また、第3番目のレコーディングセクタ40に、媒体識別情報に基づくデータとECC内符号31とから成る12行の訂正ブロック34の群34a3、及びECC外符号32とECC内符号31とから成る1行の訂正ブロック34b3が記録されている。つまり、この例では、媒体識別情報に基づくデータが、24行分の訂正ブロック34により記録されている。そして、残りの14個のレコーディングセクタ40には何も記録されていない。また、ECC外符号32は、訂正ブロック34における1行のデータとして見た場合、訂正ブロック34b2と訂正ブロック34b3に同じ値になっている。
【0131】
このようなデータが記録されたDVD−RWを生産することにより、後述する手法を用いて、第2番目と第3番目のレコーディングセクタ40以外のレコーディングセクタ40に、ECC外符号32の整合性を保ちつつデータの追加記録を行うことができる。詳しくは後述する。
【0132】
なお、予め記録の行われるレコーディングセクタ40は、第2番目及び第3番目のレコーディングセクタ40に限定されるものではなく、他のレコーディングセクタ40であっても良い。
(3)情報記録装置の実施の形態
次に、前記のようなデータが予めエンボスドピットとして形成された本実施形態のDVD−RWに、上述した物理フォーマットに従ってデータの記録を行うための情報記録装置の実施形態を、図7乃至図9に基づいて説明する。
【0133】
図8は、本実施形態の情報記録装置200の概略構成を示すブロック図である。図8に示すように、本実施形態の情報記録装置200は、ピックアップ52と、再生増幅器53と、デコーダ54と、プリピット信号デコーダ55と、スピンドルモータ56と、サーボ回路57と、プロセッサ58と、エンコーダ59と、パワー制御回路60と、レーザ駆動回路61とにより構成されている。
【0134】
ピックアップ52は、図示しないレーザダイオード、偏光ビームスプリッタ、対物レンズ、光検出器等を含み、レーザ駆動信号Sdlに基づいて光ビームBをDVD−RW50の情報記録面に照射し、その反射光に基づいて前記プリピット、または既に記録されている情報の検出信号Sdtを出力する。
【0135】
再生増幅器53は、ピックアップ52から出力されたプリピットまたは既に記録されている情報の検出信号Sdtを増幅し、プリピット信号Sppを出力すると共に、既に記録されている情報の増幅信号Spを出力する。
【0136】
デコーダ54は、増幅信号Spに対して8−16復調及びデインターリーブを施すことにより当該増幅信号Spをデコードし、復調信号Sdm及びサーボ復調信号Ssdを出力する。
【0137】
プリピット信号デコーダ55は、プリピット信号Sppをデコードして復調プリピット信号Spdを出力する。
【0138】
サーボ回路57は、復調プリピット信号Spd及びサーボ復調信号Ssdに基づいて、ピックアップ52におけるフォーカスサーボ制御及びトラッキングサーボ制御のためのピックアップサーボ信号Sspを出力すると共に、DVD−RW50を回転させるスピンドルモータ56の回転をサーボ制御するためのスピンドルサーボ信号Sssを出力する。
【0139】
これらと並行して、プロセッサ58は、復調プリピット信号Spdに基づいてプリピットを検出し、DVD−RW50上のアドレス情報を読み取り、これによりデータを記録するDVD−RW50上の記録位置を検出する。また、外部から入力される記録すべきデータの記録信号Srを一時的に記憶し、前記アドレス情報に基づいて記録信号Srをエンコーダ59に出力する。なお、本実施形態の情報記録装置200は、DVD−RW50に記録されているデータを再生することも可能であり、その際には、復調信号Sdmに基づいてプロセッサ58を介して再生信号Sotが外部に出力されることとなる。また、プロセッサ58は、情報記録装置200による記録よりも先行してデータが記録された先行記録位置、つまり図7(a)に示すような空き領域を有するECCブロックにデータの記録を行う場合には、予め記録された媒体識別情報に基づくデータとECC外符号32を読み取り、新たに記録すべきデータと共に、当該読み取ったデータを含めて記録信号Srを生成する。なお、図7(a)に示すような空き領域を有するECCブロックのアドレス情報については、記憶手段としての図示しないRAMあるいはROMもしくはプロセッサ58内の内部メモリ等に予め記録されているものとする。
【0140】
以上のように、プロセッサ58は、情報記録装置200における読取手段として機能する。
【0141】
エンコーダ59は、記録信号Srから得られるデータに基づいてデータセクタ20を形成し、更にデータセクタ20から形成したデータブロック33にECC内符号31及びECC外符号32を付加してECCブロック30を形成する。そして、当該ECCブロック30に対してインターリーブ及び8−16変調を施し、エンコード信号Sreを出力する。また、エンコーダ59は、図7(a)に示すような空き領域を有するECCブロックにデータの記録を行う場合には、後述するようなデータ処理を行う。 パワー制御回路60は、エンコード信号Sreに基づいてピックアップ52内の図示しないレーザダイオードの出力を制御するための駆動信号Sdを出力する。
【0142】
レーザ駆動回路61は、駆動信号Spに基づいて、実際に前記レーザダイオードを駆動して光ビームBを出射させるためのレーザ駆動信号Sdlを出力する。従って、前記ピックアップ52及びパワー制御回路60並びにレーザ駆動回路61は、情報記録装置200における記録手段として機能する。
【0143】
次に、以上のように構成される情報記録装置200を用いて、図7(a)に示すような空き領域を有するECCブロックにデータの記録を行う場合の処理について詳しく説明する。
【0144】
まず、当該処理の前提となる、ECC外符号32の付加処理について詳しく説明する。この付加処理はエンコーダ59において実行されるものである。つまり、エンコーダ59は、情報記録装置200における、仮想外符号算出手段、補正シンボル算出手段、ダミーシンボル算出手段、誤り訂正符号ブロック形成手段、及び記録制御手段として機能する。
【0145】
本実施形態で用いられるECC外符号32は、図1(b)(ii)に示すECCブロック30の各列ごとに、リード・ソロモン符号による符号化を行うことで得られたものである。各列に含まれる1バイトのデータをシンボルと呼び、特にデータブロック33の1バイトのデータを情報シンボルと呼ぶことにすると、総シンボル数nが208、情報シンボル数kが192、最小符号間距離dが17であるから、エンコーダ59は、(n=208,k=192,d=17)の系のリード・ソロモン符号による符号化を行っている。例えば、第0列については、「D0.0」、「D1.0」〜「D207.0」の208バイトのデータが総シンボルであり、「D0.0」、「D1.0」〜、「D191.0」の192バイトのデータが情報シンボルである。
【0146】
リードソロモン符号は、シンボルが、元の数が2Nであるガロア体GF(2N)の元から構成され、αをGF(2N)の原始元としたとき、生成多項式G(X)が次式で表される多元の巡回ハミング符号である。
【0147】
【数11】
G(X)=(X+αd-2)(X+αd-3)…(X+α1)(X+α0) …(1)
ここで、dは最小符号間距離であり、(n=208,k=192,d=17)の系においては、生成多項式G(X)は、次式のように表される。
【0148】
【数12】
G(X)=(X+α15)(X+α14)…(X+α)(X+1) …(2)
但し、式(1),(2)を含めて、以後、演算は全てガロア体GF(2N)上で行う。 つまり、加法と減法は全く同じ演算となる。
【0149】
一方、情報シンボルのベクトルDを、次式のように表すと、
【0150】
【数13】
D=(dk-1,dk-2,…,d1,d0) …(3)
となり、情報多項式D(X)は、
【0151】
【数14】
D(X)=dk-1k-1+dk-2k-2+…+d11+d0 …(4)
と表すことができる。但し、dk-1,dk-2,…,d1,d0はそれぞれ情報シンボルであり、情報の元となるビットデータについて、Nビットを一かたまりとして、ガロア体GF(2N)上の元をベクトル表現したものと対応づける。また、kは、1ECCブロック内における情報シンボルの数である。 例えば、図1のECCブロック30における第0列では、「D0.0」,「D1.0」,…,「D190.0」,「D191.0」の値が、それぞれ係数d191,d190,…,d1,d0の値となる。
【0152】
例えば、(n=208,k=192,d=17)の系においては、情報多項式D(X)は、次式のように表される。
【0153】
【数15】
D(X)=d191191+d190190+…+d11+d0 …(5)
そして、リード・ソロモン符号のシンボルを求める符号多項式としての送信多項式I(X)は、情報多項式D(X)と生成多項式G(X)から次式を用いて求めることができる。
【0154】
【数16】
I(X)=D(X)・G(X) …(6)
しかしながら、この式によって得られる符号は巡回符号であり、情報シンボル数kに対して、n−kのシンボル数のECC外符号を有する組織符号にはならない。このような巡回符号を、組織符号として符号化するには、情報多項式D(X)にXn-kを掛け、その結果を生成多項式G(X)で割り、剰余多項式R(X)を求めれば良い。つまり、商をQ(X)とすると、
【0155】
【数17】
n-k・D(X)=Q(X)・G(X)+R(X) …(7)
となり、この(7)式における剰余多項式R(X)を求める。そして、
【0156】
【数18】
I(X)=Xn-k・D(X)+R(X) …(8)
という送信多項式I(X)で表されるシンボルを作成すれば良い。つまり、(7)式の右辺の剰余多項式R(X)を(7)式の左辺に移行すると、
【0157】
【数19】
n-k・D(X)+R(X)=Q(X)・G(X) …(9)
であるから、この(9)式を(8)式に代入すると、
【0158】
【数20】
I(X)=Q(X)・G(X) …(10)
となり、(8)式の送信多項式I(X)が、生成多項式G(X)で割り切れることが判る。従って、(8)式で表される送信多項式I(X)は、リード・ソロモン符号のシンボルを多項式で表現した符号多項式となる。具体的には、情報多項式D(X)の各係数が情報シンボルであり、剰余多項式R(X)の各係数が、ECC外符号32の各シンボルとなる。
【0159】
つまり、(n=208,k=192,d=17)の系について符号化を行う情報記録装置200のエンコーダ59においては、新たに記録しようとする192バイトのデータを係数として情報多項式D(X)を作成し、当該情報多項式D(X)にX16を掛け、その結果を生成多項式G(X)で割り、剰余多項式R(X)を求め、当該剰余多項式R(X)の各係数をECC外符号32のシンボルとして付加すれば良い。
【0160】
しかし、図7(a)に示すように、いくつかの情報シンボルとECC外符号32のシンボルが、書き換え不能なエンボスドピット列として予め記録されているECCブロックの空き領域に、新たな情報シンボルとECC外符号32のシンボルとを記録しようとする場合には、情報多項式D(X)の係数となる情報シンボルの値の違いから、新たに求められたECC外符号32のシンボルと、予め記録されたECC外符号32のシンボルとの整合性がとれなくなってしまう。
【0161】
そこで、本実施形態におけるエンコーダ59は、このような場合でも、新たに求められたECC外符号32のシンボルと、予め記録されたECC外符号32のシンボルとの整合性がとれるように、いくつかの情報シンボルの値を書き換える処理を行う。
【0162】
一例として、(n=208,k=192,d=17)の系について、この書き換え処理について説明する。(n=208,k=192,d=17)の系おいては、前記(7)式は次式のように表される。
【0163】
【数21】
Figure 0003788882
ここで、(11)式が、新たに記録しようとするデータからなる情報シンボルを係数とする情報多項式D(X)を用いた式であるとすると、予め記録された媒体識別情報に基づくデータを含む情報シンボルを係数とする情報多項式D’(X)を用いた場合には、前記(7)式は次のように表される。
【0164】
【数22】
Figure 0003788882
つまり、(11)式と(12)式においては、基になる情報多項式の係数が異なるために、剰余多項式の係数が異なる。ここで、互いの剰余多項式の係数の差分を(r1515+…+r0)とすると、(11)式は次のように表される。
【0165】
【数23】
Figure 0003788882
また、(13)式を書き換えると、
【0166】
【数24】
Figure 0003788882
となる。この(14)式を、(10)式に代入すると、
【0167】
【数25】
Figure 0003788882
と表すことができる。ここで情報多項式D(X)を展開して表すと、(15)式は、
【0168】
【数26】
Figure 0003788882
となる。また、前記(13)式の両辺をX16で割ると、
【0169】
【数27】
D(X)=(Q191175+Q190174+…+Q0)・G(X)+{(r15+R’15)X15+…+(r0+R’0)} …(17)
となる。この(17)式においてシンボル(r15+R’15,…,r0+R’0)は、情報多項式D(X)を、生成多項式G(X)で割った時の剰余多項式の係数、すなわち{D(X)}mod{G(X)}によって求められる多項式の係数と等しい。従ってシンボル(r15,…,r0)は{D(X)}mod{G(X)}によって求められる多項式の係数に、シンボル(R’15,…,R’0)を加算したものと等しい。
【0170】
以上の結果を考慮すると、(16)式は、このようにして得られるシンボル(r15,…,r0)を、192個の情報シンボルのうちの下位16シンボル(d15,d14,…,d0)に付加すると共に、剰余多項式の係数(R’15,…,R’0)をECC外符号32のシンボルとすれば、符号多項式I(X)は、生成多項式G(X)で割り切ることができ、リード・ソロモン符号による符号化が可能なことを示している。
【0171】
ここで、ECC外符号32のシンボルとした(R’15,…,R’0)は、(12)式で示したように、予め記録された媒体識別情報に基づくデータを含む情報シンボルを係数とする情報多項式D’(X)に基づいて算出したものと等しい。但し、図7(a)に示すように、一部のECC外符号32しか記録されていない場合には、シンボル数16の(R’15,…,R’0)の全てを読み取ることはできない。しかしながら、上述したように、予め記録されたECC外符号32は、ECCブロックの各列ごとに、全て等しい値となるように設定されており、R’15=R’14=…=R’0となっている。従って、一部のECC外符号32のシンボルしか読み取れない場合でも、シンボル数16の(R’15,…,R’0)を新規の外符号として作成することができる。
【0172】
つまり、前記(16)式は、(n=208,k=192,d=17)の系において、シンボル数192の情報シンボルのうちの下位16シンボルである(d15,d14,…,d0)に対して、{D(X)}mod{G(X)}よって求められる剰余多項式の係数(r15+R’15,…,r0+R’0)に、シンボル(R’15,…,R’0)を加算して得られるシンボル(r15,…,r0)を付加することにより、基になる情報多項式の係数が異なる場合でも、新たに生成されるECC外符号32のシンボルを、予め記録されたECC外符号のシンボルの値と等しくすることができることを示している。
【0173】
つまり、前記シンボル(r15+R’15,…,r0+R’0)は、情報シンボルのうちの下位16シンボルの値が未定の状態で、仮想的に求めた仮想の外符号と考えることができ、前記シンボル(r15,…,r0)は、新規の外符号(R’15,…,R’0)に、この仮想の外符号を加算して求めた補正シンボルと考えることができる。そして、本実施形態における書き換え処理は、下位16シンボルである(d15,d14,…,d0)に対して、この補正シンボルを加算することにより、新規のダミーシンボル((d15+r15),(d14+r14),…,(d0+r0))を求め、この新規のダミーシンボルと、新たに記録しようとするデータからなる情報シンボルと、予め記録された媒体識別情報に基づくデータからなる情報シンボルとから、新規の情報シンボル(d191,d190,…,(d15+r15),(d14+r14),…,(d0+r0))を作成することにより、ECC外符号32の整合性のとれたECCブロックを作成する処理であるということができる。
【0174】
但し、この処理においては、192個の情報シンボルには、既に記録されていた媒体識別情報に基づくデータからなるシンボル数qの情報シンボルが含まれ、また、シンボル数192の情報シンボルのうちの下位16シンボルについては、シンボル(r15,…,r0)の付加により、その値が書き換えられることになる。
【0175】
そこで、本実施形態のエンコーダ59においては、図7(a)に示すように、既に情報シンボルが記録されたECCブロックの空き領域に対して記録を行う場合には、下位16シンボルをダミーシンボルとし、このダミーシンボルと、既に記録されている媒体識別情報に基づくデータからなるシンボル数qの情報シンボルと、(176−q)シンボル分の新たな情報シンボルとから、前記情報多項式D(X)の係数に用いるシンボル数192の情報シンボルを構成する。つまり、本実施形態においては、図7(a)に示すように、既に情報シンボルが記録されたECCブロックの空き領域に対して記録を行う場合には、シンボル数16のダミーシンボルと、シンボル数qの情報シンボルの分だけ、新たに記録できる情報シンボルの数が減ってしまうことになる。
【0176】
しかしながら、従来の記録方式を用いて、既に情報シンボルが記録されたECCブロックの空き領域に対して記録を行った場合には、当該ECCブロックにおけるECC外符号32の整合性がとれなくなり、適正な誤り訂正を行うことができなくなる。その結果、媒体識別情報はエラーとして正しく認識されず、不法な複写行為を確実に防止することが出来なくなってしまう。
【0177】
これに対し、本実施形態の記録方式では、若干記録できる情報シンボル数は減少するものの、ECCブロック内のECC外符号32の整合性を保つことが可能なので、再生時においては、エラーレートを悪化させることなく、良好に誤り訂正が行われ、正しく媒体識別情報を読み取ることができる。その結果、複写禁止であることを示す複写許否情報を有するコンテンツが、例えばDVD−ROMから本実施形態のDVD−RWに複写されたとしても、当該DVD−RWの媒体識別情報は正しく読み取られるため、複写禁止のコンテンツが書き換え自由なDVD−RWに複写記録されたと判定することができ、当該コンテンツについては再生を行わないようにすることが可能である。従って、不法な複写記録を確実に防止することができる。
【0178】
また、このようにECC外符号32の整合性を保ちつつ、ECCブロックの空き領域に対して記録を行うことができるので、複写したコンテンツが複写許可されたものである場合には、DVD−RWにおける記録領域の有効な利用を図ることができるということができる。
【0179】
(実施例)
次に、図9のフローチャート及び図10のECCブロックを示す図を用いて、具体的な実施例を説明する。
【0180】
本実施例においては、下位16シンボルには、ダミーシンボルとして固定値を採用する。一例として下位16シンボル(d15,d14,…,d0)を「0」に設定する。これにより、(16)式は、
【0181】
【数28】
Figure 0003788882
と表すことができる。この(18)式で表される符号多項式I(X)は、シンボル数176の情報シンボル(d191,d190,…,d16)に対して、{D(X)}mod{G(X)}によって求められる多項式の係数にシンボル(R’15,…,R’0)を加算して得られるシンボル数16のシンボル(r15,…,r0)をECC外符号32のシンボルとして付加した場合と等価である。つまり、情報シンボルの下位16シンボル(d15,d14,…,d0)を「0」にした場合には、情報シンボル数kが176、この情報シンボル数にECC外符号32の16シンボルを加えた総シンボル数nが192であるから、(n=192,k=176,d=17)の系のリード・ソロモン符号により符号化を行う必要があることが判る。
【0182】
但し、この場合も、シンボル数176の情報シンボルの中には、上述したように既に記録されていたシンボル数qの媒体識別情報に基づくデータからなる情報シンボルが含まれるので、(176−q)シンボルを新たに記録を行う情報シンボルとする。
【0183】
本実施例では、媒体識別情報に基づくデータは、訂正ブロック34に換算して24行必要であるとする。従って、ECCブロックの1列分においては、前記シンボル数qは24となる。従って、新たに記録を行う情報シンボルのシンボル数は152となる。
【0184】
また、ECC外符号32は16行×172バイトの全てを「0」に設定する。つまり、ECCブロックの1列当たりの16シンボルについては、
【0185】
【数29】
(R’15,…,R’0)=(0,…,0) …(19)
とする。従って(18)式より、
【0186】
【数30】
Figure 0003788882
となる。(20)式におけるシンボル(r15,…,r0)は上述したように{D(X)}mod{G(X)}によって求められる多項式の係数に、シンボル(R’15,…,R’0)を加算したものと等しい。従って、(19)式より、シンボル(r15,…,r0)は{D(X)}mod{G(X)}により得られる剰余多項式の各係数を求めることと等価である。
【0187】
以上のように、本実施例では、データブロック33のシンボル数192の情報シンボルを係数として情報多項式D(X)を作成し、この情報多項式D(X)を生成多項式G(X)で割って剰余多項式を求め、この剰余多項式の各係数を、下位16シンボルのダミーシンボルとして書き換える処理を行えば、図7(a)のような空き領域に記録を行う場合でも、ECC外符号32の整合性のとれたECCブロックを形成することができる。
【0188】
以下、図9のフローチャート、図1、及び図10を用いて、本実施例における情報記録処理について説明する。
【0189】
なお、本実施例においては、予めDVD−ROMに映画等のコンテンツが記録されており、当該DVD−ROMには更に媒体識別情報に基づくデータと複写許否情報データが記録されているものとする。そして、当該DVD−ROMの再生装置を、本実施形態の情報記録装置200とは別に用意し、当該再生装置により、当該DVD−ROMを再生することとする。そして、当該再生装置の外部出力端子と情報記録装置200の外部入力端子とを接続コード等によって接続し、当該再生装置にて前記DVD−ROMのコンテンツを再生しながら、情報記録装置200において上述した実施形態のDVD−RWに当該コンテンツを複写記録するものとする。つまり、このDVD−RWには、上述したように、予め媒体識別情報に基づくデータ及び全て「0」の値のECC外符号32が記録されているものとする。また、以下の情報記録処理が実行される情報記録装置200においては、前記DVD−RWにおける媒体識別情報に基づくデータが記録されたECCブロックの先頭アドレス、及び当該ECCブロック内における媒体識別情報に基づくデータが記録されたシンクフレーム42の先頭アドレス、並びに媒体識別情報に基づくデータを訂正ブロック34で換算した場合の行数についての情報が、予めプロセッサ58の内部メモリ等に備えられているものとする。
【0190】
まず、図9のフローチャートに示すように、情報記録装置200のプロセッサ58は、DVD−RWのプリピット信号に基づいて、プリアドレスを検出し(ステップS1)、次に、検出したプリアドレスが、先行記録位置、即ち媒体識別情報に基づくデータの記録されたECCブロックの先頭アドレスであるか否かについて判定する(ステップS2)。
【0191】
そして、検出されたプリアドレスが、前記アドレスと一致しない場合には、情報記録装置200の外部入力端子から入力されるデータをエンコーダ59に出力する。エンコーダ59は、当該データに基づいて、図1(b)(ii)に示すようなECCブロックを形成する。つまり、当該データを含む訂正ブロック34を192行配置し、各列ごとにECC外符号32を求め、その後に208行分のECC内符号31を求める(ステップS3)。次に、プロセッサ58は、DVD−RWにおける1ECCブロック分の記録領域の先頭位置をサーチする(ステップS4)。そして、先頭位置が見つかったら、エンコーダ59は、前記ECCブロックのデータをインターリーブ及び8−16変調しながら出力し、パワー制御回路60によってレーザ駆動回路61を制御しながら、前記先頭位置からのデータの記録が行われる(ステップS5)。そして、1ECCブロック分のデータについての記録が完了したか否かを判定し(ステップS6)、未だ残りのデータがある場合には、以上の処理を繰り返す。
【0192】
一方、ステップS1で検出したプリアドレスが、媒体識別情報に基づくデータを記録したECCブロックの先頭アドレスに一致する場合には、媒体識別情報に基づくデータが記録されたシンクフレーム42の先頭アドレスに基づいて、図7(a)に示す第2番目と第3番目のレコーディングセクタ40に相当するシンクフレーム42から、媒体識別情報に基づくデータとECC外符号32のデータを読み取る(ステップS7)。そして、このデータを図10に示すように、第152行〜第175行に配置する。また、ECC外符号32を第192行〜第207行に記録する。ここで、「配置」及び「記録」とは、エンコーダ59が取り扱うメモリ上にデータを記憶させることを意味する。以下の説明においても同様である。
【0193】
次に、外部入力端子を介して再生装置から供給されるデータを、第0行〜第151行に記録すると共に、第176行〜第191行には、全ての値が「0」であるダミーシンボルを記録する。そして、このようにして記録したデータに基づいて、ECC外符号32を全て「0」とする演算を行う(ステップS8)。つまり、各列ごとに、第0行〜第191行の情報シンボルを係数として情報多項式D(X)を作成し、この情報多項式D(X)を生成多項式G(X)で割り、剰余多項式を求める。そして、この剰余多項式の各係数を、下位16シンボルのダミーシンボルに加算し、ダミーシンボルの領域に記録する。以下、この処理を全ての列について行う。
【0194】
次に、DVD−RW上のECCブロックの先頭位置をサーチし(ステップS9)、先頭位置が見つかったら、ステップS8で換算した新たなダミーシンボルの値を第176行〜第191行から読み取り、8−16変調しながら図7(a)に示す第0番目と第1番目のレコーディングセクタ40に相当するシンクフレームに、当該新たなダミーシンボルの値を記録する(ステップS10)。なお、この時、第0番目と第1番目のレコーディングセクタ40に相当する記録領域は、訂正ブロック34で換算して24行分の記録容量を有しており、新たなダミーシンボルだけではデータが不足してしまう。従って、訂正ブロック34で換算して8行分のデータは、第0行〜第151行の領域にある新たに記録されるデータを用いる。
【0195】
次に、図7(a)に示す第4番目のレコーディングセクタ40に相当する記録領域の先頭位置をサーチし(ステップS11)、先頭位置が見つかったら、第0行〜第151行の領域にある新たに記録されるデータの残りのデータを、8−16変調しながら当該先頭位置から記録する(ステップS12)。
【0196】
以下、残りのECCブロックについての記録処理をステップS3〜S5に従って繰り返し、全てのデータの記録が終了したら、処理を終了する。
【0197】
以上のようにして、図7(a)に示すECCブロックの空き領域には、図7(b)に示すように新たなデータが記録される。つまり、第0番目と第1番目のレコーディングセクタ40に相当する記録領域には、前記新たなダミーシンボルからなるデータと、前記新たに記録されるデータとを含む訂正ブロック群34a0,34a1が記録され、第4番目〜第15番目のレコーディングセクタ40に相当する記録領域には、前記新たな記録されるデータを含む訂正ブロック群34a4〜34a15が記録される。また、それぞれの訂正ブロック群には、ECC外符号32を含む訂正ブロック34b0〜34b15が付加される。そして、これらのECC外符号32を含む訂正ブロック34b0〜34b15は全ての値が「0」であり、ECCブロック内のECC外符号32の整合性は保たれている。従って、このようにしてコンテンツの複写が行われたDVD−RWを、前記情報記録装置200あるいは他の再生装置等で再生すると、図7(b)に示すECCブロック内の第2番目及び第3番目に記録された媒体識別情報はECC外符号32及びECC内符号31による強力な誤り訂正処理が施されて確実に読み取られ、当該情報記録媒体は、何回でもデータの記録が可能なDVD−RWであることが、前記情報記録装置200あるいは他の再生装置等において正確に認識される。また、当該コンテンツからは、電子透かし技術等を用いて複写許否情報が読み取られ、当該コンテンツが複写の禁止であることが正確に認識される。その結果、当該コンテンツは不法に複写されたものであると判定され、当該コンテンツの再生は行われない。
【0198】
従って、このような複写禁止のコンテンツをDVD−RWに複写したとしても、当該コンテンツを再生することができず、コンテンツが不法に複写された記録媒体が市場に出回ることを確実に防止することができる。
【0199】
また、本実施例によれば、既に媒体識別情報に基づくデータが記録されたECCブロックに、当該ECCブロック内におけるECC外符号32の整合性を保ちつつ、媒体識別情報に基づくデータ以外のデータを、訂正ブロック34に換算して152行分もの大きな領域に亘って記録できる。従って、新たに記録しようするコンテンツが複写許可されたものである場合には、DVD−RWの記録領域を従来よりも極めて有効に使用できる。
【0200】
(他の実施形態)
上述した実施形態においては、媒体識別情報に基づくデータ及び外符号を、予めDVD−RWに記録した例について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、媒体識別情報に基づくデータ及び外符号を、情報記録装置200における図示しない記憶手段としてのRAM等に予め記憶させておいても良い。
【0201】
以下、図11のフローチャートに基づいて、本実施形態における情報記録装置200の情報記録処理について説明する。
【0202】
本実施形態においては、プロセッサ58は、記録すべきデータを情報記録装置200内に設けられた図示しないRAMに一旦記憶させ、該RAMから当該データを読み出しながらデータの記録処理を行う。そして、プロセッサ58は、RAMの読み出しアドレスを検出し(ステップS20)、次に、検出した読み出しアドレスが、媒体識別情報に基づくデータが記憶された領域の先頭アドレスであるか否かについて判定する(ステップS21)。
【0203】
そして、検出された読み出しアドレスが、前記アドレスと一致しない場合には、情報記録装置200の外部入力端子から入力されるデータをエンコーダ59に出力する。エンコーダ59は、当該データに基づいて、図1(b)(ii)に示すようなECCブロックを形成する。つまり、当該データを含む訂正ブロック34を192行配置し、各列ごとにECC外符号32を求め、その後に208行分のECC内符号31を求める(ステップS22)。次に、プロセッサ58は、DVD−RWにおける1ECCブロック分の記録領域の先頭位置をサーチする(ステップS23)。そして、先頭位置が見つかったら、エンコーダ59は、前記ECCブロックのデータをインターリーブ及び8−16変調しながら出力し、パワー制御回路60によってレーザ駆動回路61を制御しながら、前記先頭位置からのデータの記録が行われる(ステップS24)。そして、1ECCブロック分のデータについての記録が完了したか否かを判定し(ステップS25)、未だ残りのデータがある場合には、以上の処理を繰り返す。
【0204】
一方、ステップS20で検出した読み出しアドレスが、媒体識別情報に基づくデータを記録したECCブロックの先頭アドレスに一致する場合には、当該読み出しアドレスから、媒体識別情報に基づくデータとECC外符号32のデータを読み取る(ステップS26)。そして、このデータを図10に示すように、ECCブロック30を形成する領域における第152行〜第175行に配置する。また、ECC外符号32を第192行〜第207行に記録する。ここで、「配置」及び「記録」とは、エンコーダ59が取り扱うメモリ上にデータを記憶させることを意味する。以下の説明においても同様である。
【0205】
次に、外部入力端子を介して再生装置から供給されるデータを、第0行〜第151行に記録すると共に、第176行〜第191行には、全ての値が「0」であるダミーシンボルを記録する。そして、このようにして記録したデータに基づいて、ECC外符号32を全て「0」とする演算を行う(ステップS27)。つまり、各列ごとに、第0行〜第191行の情報シンボルを係数として情報多項式D(X)を作成し、この情報多項式D(X)を生成多項式G(X)で割り、剰余多項式を求める。そして、この剰余多項式の各係数を、下位16シンボルのダミーシンボルに加算し、ダミーシンボルの領域に記録する。以下、この処理を全ての列について行う。
【0206】
次に、DVD−RW上のECCブロックの先頭位置をサーチし(ステップS28)、先頭位置が見つかったら、ステップS27で換算した新たなダミーシンボルの値を第176行〜第191行から読み取り、8−16変調しながら図7(a)に示す第0番目と第1番目のレコーディングセクタ40に相当するシンクフレームに、当該新たなダミーシンボルの値を記録する(ステップS29)。なお、この時、第0番目と第1番目のレコーディングセクタ40に相当する記録領域は、訂正ブロック34で換算して24行分の記録容量を有しており、新たなダミーシンボルだけではデータが不足してしまう。従って、訂正ブロック34で換算して8行分のデータは、第0行〜第151行の領域にある新たに記録されるデータを用いる。
【0207】
次に、図7(a)に示す第2番目のレコーディングセクタ40に相当する記録領域の先頭位置をサーチし 先頭位置が見つかったら、媒体識別情報に基づくデータを第152行〜第175行から読み取り、8−16変調しながら図7(a)に示す第2番目と第3番目のレコーディングセクタ40に相当するシンクフレームに、当該媒体識別情報に基づくデータの値を情報シンボルの値として記録する(ステップS29)。
【0208】
次に、図7(a)に示す第4番目のレコーディングセクタ40に相当する記録領域の先頭位置をサーチし、先頭位置が見つかったら、第0行〜第151行の領域にある新たに記録されるデータの残りのデータを、8−16変調しながら当該先頭位置から記録する(ステップS31)。
【0209】
以下、残りのECCブロックについての記録処理をステップS22〜S24に従って繰り返し、全てのデータの記録が終了したら、処理を終了する。
【0210】
以上のようにして、図7(a)に示すECCブロックの空き領域には、図7(b)に示すように新たなデータが記録される。つまり、第0番目と第1番目のレコーディングセクタ40に相当する記録領域には、前記新たなダミーシンボルからなるデータと、前記新たに記録されるデータとを含む訂正ブロック群34a0,34a1が記録され、第2番目〜第3番目のレコーディングセクタ40に相当する記録領域には、前記媒体識別情報に基づくデータを含む訂正ブロック群34a2〜34a3が記録される。また、第4番目〜第15番目のレコーディングセクタ40に相当する記録領域には、前記新たな記録されるデータを含む訂正ブロック群34a4〜34a15が記録される。また、それぞれの訂正ブロック群には、ECC外符号32を含む訂正ブロック34b0〜34b15が付加される。そして、これらのECC外符号32を含む訂正ブロック34b0〜34b15は全ての値が「0」であり、ECCブロック内のECC外符号32の整合性は保たれている。 従って、このようにしてコンテンツの複写が行われたDVD−RWを、前記情報記録装置200あるいは他の再生装置等で再生すると、図7(b)に示すECCブロック内の第2番目及び第3番目に記録された媒体識別情報はECC外符号32及びECC内符号31による強力な誤り訂正処理が施されて確実に読み取られ、当該情報記録媒体は、何回でもデータの記録が可能なDVD−RWであることが、前記情報記録装置200あるいは他の再生装置等において正確に認識される。また、当該コンテンツからは、電子透かし技術等を用いて複写許否情報が読み取られ、当該コンテンツが複写の禁止であることが正確に認識される。その結果、当該コンテンツは不法に複写されたものであると判定され、当該コンテンツの再生は行われない。
【0211】
従って、このような複写禁止のコンテンツをDVD−RWに複写したとしても、当該コンテンツを再生することができず、コンテンツが不法に複写された記録媒体が市場に出回ることを確実に防止することができる。
【0212】
また、本実施例によれば、媒体識別情報に基づくデータを予め情報記録装置200内のRAMに記憶させておくので、画像または音等の記録すべきデータが異なる場合でも、媒体識別情報に基づくデータについては共通に使用して記録することができる。
【0213】
また、以上に説明した本発明によれば、従来の物理フォーマットとの互換性を保ちながら、予め作成した媒体識別情報に基づくデータ等を記録したDVD−RW等の記録媒体を構成することができるので、ユーザーの使い勝手を損なうことなく、また、記録領域の減少を最小限に抑えて、媒体識別情報を利用した不法な複写行為の禁止等の特別な処理を可能にするDVD−RW等の記録媒体を提供することができる。
【0214】
なお、以上の説明では、記録媒体としてDVD−RWを用いた例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数回の書き換えが可能なDVD−RAM、あるいは1回のみ記録が可能なDVD−Rにも適用可能である。
【0215】
また、以上の説明では、エンボスドピットとして予め記録されるデータを、媒体識別情報に基づくデータとした例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他のデータであっても良い。
【0216】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし5のいずれか1記載の情報記録方法、あるいは請求項6ないし10のいずれか1記載の情報記録装置によれば、予め特定の情報が記録された情報記録媒体に対して、誤り訂正能力を低下させることなく、記録領域を有効に活用して情報の記録を行うことができる。また、
また、請求項11ないし13のいずれか1記載の情報記録媒体作成方法、あるいは請求項14ないし16記載の情報記録媒体作成装置によれば、前記情報記録方法あるいは情報記録装置による、誤り訂正能力を低下させることのない、且つ記録領域を有効に活用した情報の記録を可能にする情報記録媒体であって、予め特定の情報が記録された情報記録媒体を、従来の情報記録媒体の物理フォーマットとの互換性を保ちつつ作成することができる。
【0217】
更に、請求項17または18記載の情報記録媒体によれば、従来の物理フォーマットとの互換性を保ちながら、予め媒体識別情報に基づくデータ等の特定の情報を記録したDVD−RW等の記録媒体を構成することができるので、ユーザーの使い勝手を損なうことなく、また、記録領域の減少を最小限に抑えて、媒体識別情報を利用した不法な複写行為の禁止等の特別な処理を可能にするDVD−RW等の記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるECCブロックを説明するための図であり、(a)はデータセクタの構造を示す模式図、(b)(i)は(a)のデータセクタのデータを172バイトずつのデータブロックに分割した状態を示す模式図、(c)は(b)のデータブロックと、ECC外符号と、ECC内符号とからなるECCブロックの構成を示す模式図である。
【図2】図1(b)(i)のECCブロックを作成する過程におけるECC外符号の付加処理を説明するための模式図である。
【図3】図1(b)(i)のECCブロックを作成する過程におけるECC内符号の付加処理を説明するための模式図である。
【図4】本実施形態におけるDVD−RAMの物理フォーマットの各フェーズを説明する模式図であり、(a)は図1(b)(i)のECCブロックを訂正ブロック単位に分割したフェーズを示す模式図、(b)は(a)の訂正ブロックをレコーディングセクタ単位にインターリーブにより分割したフェーズを示す模式図、(c)は(b)のレコーディングセクタを所定バイト単位に分割したフェーズを示す模式図、(d)は(c)の所定バイト単位に8−16変調を施してシンクフレーム形成したフェーズを示す模式図である。
【図5】図4(b)のレコーディングセクタにおける訂正ブロックの配置を説明する模式図である。
【図6】本実施形態におけるカッティング装置の一例の概略構成を示すブロック図である。
【図7】本実施形態におけるDVD−RAMのデータ記録状態を1ECCブロック分のレコーディングセクタの単位で示す模式図であり、(a)はユーザーによるデータの記録前に予め所定の情報が記録された状態を示す模式図、(b)は(a)に示す空き領域にデータが記録された状態を示す模式図である。
【図8】本実施形態における情報記録装置の概略構成を示すブロック図である。
【図9】図8の情報記録装置における情報記録処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】図7(a)に示すように予めデータが記録されたECCブロックの空き領域にデータを追加記録する際に、図9の情報記録装置において新たに作成されるECCブロックの構成を示す模式図である。
【図11】本発明の他の実施形態における情報記録装置による情報記録処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…データ生成器
2…ECCエンコーダ
3…識別情報書込器
4…エンコーダ
5…レーザ発生器
6…光変調器
7…対物レンズ
30…ECCブロック
31…ECC内符号
32…ECC外符号
33…データブロック
34…訂正ブロック
40…レコーディングセクタ
50…DVD−RW
52…光ピックアップ
58…プロセッサ
59…エンコーダ

Claims (18)

  1. 情報の読み取り及び記録が可能な情報記録媒体に、元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロック化した情報の記録を行う情報記録方法であって、
    前記誤り訂正符号ブロックにおける前記情報シンボル数kに満たないシンボル数mの既存の情報シンボルを読み取る工程と、
    前記読み取った既存の情報シンボルと、シンボル数(n−k)の予め設定されたダミーシンボルと、シンボル数(k−m−(n−k))の新規の情報シンボルとにより、前記ダミーシンボルを下位(n−k)シンボルとするガロア体GF(2N)上の巡回符号としてのシンボル数kの情報シンボル単位を形成し、当該情報シンボル単位に基づき誤り検査用の外符号に相当するシンボル数(n−k)の仮想の外符号を算出する工程と、
    前記既存の情報シンボルに対応して予め作成された誤り検査用の既存の外符号のシンボルと全シンボルにて等しい値を有するシンボル数(n−k)の新規の外符号と、前記仮想の外符号との間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行いシンボル数(n−k)の補正シンボルを算出する工程と、
    前記下位(n−k)シンボルのダミーシンボルと、前記補正シンボルとの間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行い、シンボル数(n−k)の新規のダミーシンボルを算出する工程と、
    前記新規のダミーシンボルにより前記情報シンボル単位を更新し、当該更新した情報シンボル単位と前記新規の外符号とにより、誤り訂正符号ブロックを形成する工程と、
    前記誤り訂正符号ブロックを形成する各シンボルを前記情報記録媒体に記録する工程と、
    を備えたことを特徴とする情報記録方法。
  2. 前記既存の情報シンボルを読み取る工程は、前記情報記録媒体以外の記憶手段に、予め記憶させた前記既存の情報シンボルを読み取る工程であり、
    前記補正シンボルを算出する工程は、前記既存の情報シンボルに対応して前記記憶手段に予め記憶された誤り検査用の既存の外符号のシンボルと全シンボルにて等しい値を有するシンボル数(n−k)の新規の外符号と、前記仮想の外符号との間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行いシンボル数(n−k)の補正シンボルを算出する工程である、
    ことを特徴とする請求項1記載の情報記録方法。
  3. 前記既存の情報シンボルを読み取る工程は、記録位置が、予め設定された先行記録位置である場合に、前記情報記録媒体の当該先行記録位置に予め記録した前記既存の情報シンボルを読み取る工程であり、
    前記補正シンボルを算出する工程は、前記既存の情報シンボルに対応して前記情報記録媒体の先行記録位置に予め記録された誤り検査用の既存の外符号のシンボルと全シンボルにて等しい値を有するシンボル数(n−k)の新規の外符号と、前記仮想の外符号との間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行いシンボル数(n−k)の補正シンボルを算出する工程であり、
    各シンボルを前記情報記録媒体に記録する工程は、前記情報記録媒体の先行記録位置の誤り訂正符号ブロックの記録領域における、前記既存の情報シンボル及び既存の外符号が記録された領域以外の領域に、前記誤り訂正符号ブロックを形成する前記新規の情報シンボルと、前記新規のダミーシンボルと、前記新規の外符号とを記録する工程である、
    ことを特徴とする請求項1記載の情報記録方法。
  4. 前記誤り検査用の既存の外符号のシンボルは、全てのシンボルがゼロの値に設定されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載の情報記録方法。
  5. 前記下位(n−k)シンボルのダミーシンボルは、全てのシンボルがゼロの値に設定されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1記載の情報記録方法。
  6. 記憶手段と、情報の読み取り及び記録が可能な情報記録媒体に対して情報の記録を行う記録手段とを備え、元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロック化した情報の記録を行う情報記録装置であって、
    前記誤り訂正符号ブロックにおける情報シンボル数kに満たないシンボル数mの既存の情報シンボルを読み取る読取手段と、
    前記読み取った既存の情報シンボルと、前記記憶手段に記憶されたシンボル数(n−k)のダミーシンボル及びシンボル数(k−m−(n−k))の新規の情報シンボルとにより、前記ダミーシンボルを下位(n−k)シンボルとするガロア体GF(2N)上の巡回符号としてのシンボル数kの情報シンボル単位を形成し、当該情報シンボル単位に基づき誤り検査用の外符号に相当するシンボル数(n−k)の仮想の外符号を算出する仮想外符号算出手段と、
    前記既存の情報シンボルに対応して予め作成された誤り検査用の既存の外符号のシンボルと全シンボルにて等しい値を有するシンボル数(n−k)の新規の外符号と、前記仮想の外符号との間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行いシンボル数(n−k)の補正シンボルを算出する補正シンボル算出手段と、
    前記下位(n−k)シンボルのダミーシンボルと、前記補正シンボルとの間で、ガロア体GF(2N)上の加算処理を行い、シンボル数(n−k)の新規のダミーシンボルを算出するダミーシンボル算出手段と、
    前記新規のダミーシンボルにより前記情報シンボル単位を更新し、当該更新した情報シンボルと前記新規の外符号とにより、誤り訂正符号ブロックを形成する誤り訂正符号ブロック形成手段と、
    前記誤り訂正符号ブロックを形成する各シンボルを前記情報記録媒体に前記記録手段により記録させる記録制御手段と、
    を備えたことを特徴とする情報記録装置。
  7. 前記既存の情報シンボルは、前記記憶手段に予め記憶されており、
    前記既存の外符号のシンボルは、前記既存の情報シンボルに対応して前記記憶手段に予め記憶されている、
    ことを特徴とする請求項6記載の情報記録装置。
  8. 前記既存の情報シンボルは、前記情報記録媒体の予め設定された先行記録位置に予め記録されており、
    前記既存の外符号のシンボルは、前記既存の情報シンボルに対応して前記先行記録位置に予め記憶されており、
    前記読取手段は、記録位置が、前記先行記録位置である場合に、前記既存の情報シンボルを読み取る手段であり、
    前記記録制御手段は、前記先行記録位置の誤り訂正符号ブロックの記録領域における、前記既存の情報シンボル及び既存の外符号が記録された領域以外の領域に、前記誤り訂正符号ブロックを形成する前記新規の情報シンボルと、前記新規のダミーシンボルと、前記新規の外符号とを記録させる手段である、
    ことを特徴とする請求項6記載の情報記録装置。
  9. 前記誤り検査用の既存の外符号のシンボルは、全てのシンボルがゼロの値に設定されていることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1記載の情報記録装置。
  10. 前記記憶手段に記憶された下位(n−k)シンボルのダミーシンボルは、全てのシンボルがゼロの値に設定されていることを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1記載の情報記録装置。
  11. 情報の読み取り及び記録が可能な情報記録媒体の一部の領域に、予め所定の情報を記録することにより、請求項1、3、4、5のいずれか1記載の情報記録方法、あるいは請求項6、8、9、10のいずれか1記載の情報記録装置に使用可能な情報記録媒体を作成する情報記録媒体作成方法であって、
    元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロックを、シンボル数mの情報シンボルと、シンボル数(k−m)のダミーシンボルと、シンボル数(n−k)の全シンボルが等しい値の誤り検査用の外符号とから形成する工程と、
    前記シンボル数mの情報シンボルと、当該情報シンボルに付加する前記誤り検査用の外符号とを、書き換え不能なエンボスドピットとして前記情報記録媒体上に記録する工程とを備えた、
    ことを特徴とする情報記録媒体作成方法。
  12. シンボル数(n−k)の誤り検査用の外符号は、全てのシンボルの値がゼロであることを特徴とする請求項11記載の情報記録媒体作成方法。
  13. 書き換え不能なエンボスドピットとして記録される前記シンボル数mの情報シンボルは、情報記録媒体の種類を識別するための情報に基づいて形成されていることを特徴とする請求項11または12記載の情報記録媒体作成方法。
  14. 記憶手段と、情報の読み取り及び記録が可能な情報記録媒体の一部の領域に予め所定の情報を記録する記録手段とを備え、請求項1、3、4、5のいずれか1記載の情報記録方法、あるいは請求項6、8、9、10のいずれか1記載の情報記録装置に使用可能な情報記録媒体を作成する情報記録媒体作成装置であって、
    元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロックを、シンボル数mの情報シンボルと、シンボル数(k−m)のダミーシンボルと、シンボル数(n−k)の全シンボルが等しい値の誤り検査用の外符号とから形成する誤り訂正符号ブロック形成手段と、
    前記シンボル数mの情報シンボルと、当該情報シンボルに付加する前記誤り検査用の外符号とを、前記記録手段により、書き換え不能なエンボスドピットとして記録させる記録制御手段とを備えた、
    ことを特徴とする情報記録媒体作成装置。
  15. シンボル数(n−k)の誤り検査用の外符号は、全てのシンボルの値がゼロであることを特徴とする請求項14記載の情報記録媒体作成装置。
    ことを特徴とする情報記録媒体作成装置。
  16. 書き換え不能なエンボスドピットとして記録される前記シンボル数mの情報シンボルは、情報記録媒体の種類を識別するための情報に基づいて形成されていることを特徴とする請求項14または15記載の情報記録媒体作成装置。
  17. 請求項11ないし13のいずれか1記載の情報記録媒体作成方法により、あるいは請求項14ないし16のいずれか1記載の情報記録媒体作成装置により、情報の記録が可能な情報記録媒体の一部の領域に予め所定の情報が記録された情報記録媒体として作成され、請求項1、3、4、5のいずれか1記載の情報記録方法、あるいは請求項6、8、9、10のいずれか1記載の情報記録装置に使用可能な情報記録媒体であって、
    前記一部の領域には、元の数が2Nのガロア体GF(2N)上における、総シンボル数n、情報シンボル数kの巡回符号のシンボルからなる誤り訂正符号ブロックのシンボルのうち、前記情報シンボルkに満たないシンボル数mの情報シンボルと、当該情報シンボルに付加され、全シンボルが等しい値の誤り検査用の外符号とが書き換え不能なエンボスドピットとして記録されている、
    ことを特徴とする情報記録媒体。
  18. 誤り検査用の外符号は、シンボルの値が全てゼロであることを特徴とする請求項17記載の情報記録媒体。
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