JP4622291B2 - 固有の識別情報が書き込まれた再生専用の光記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、固有の識別情報が書き込み可能な再生専用の光記録媒体並びに再生専用の光記録媒体に対して例えば媒体固有の識別情報を書き込むための管理方法、特に、変調方式として1−7パリティ保存変調が適用されている再生専用の光記録媒体に識別情報を記録する方法に関する。さらに、この光記録媒体及び管理方法に関連した光記録媒体製造装置及び方法、識別情報記録装置及び方法、並びに、光記録媒体再生装置及び方法に関する。
音楽や映像などの著作物情報をデジタル化して記録することができる情報記録媒体として、CDやDVDなどの再生専用の光記録媒体が広く知られている。音楽、映像などの著作物情報を記録する再生専用録媒体では、著作物の内容に変質のないことが保証されている必要がある。これは、通常、まず、一枚のマスタを作成し、一枚のマスタから次々と再生専用媒体を複製していくことで保証される。
特に、CDやDVDのような、基板の凹凸情報を著作物の情報に対応させて記録された円盤状の再生専用光記録媒体の場合、一枚のマスタから、同じ情報が記録されている再生専用媒体を一度に大量に複製することが可能である。したがって、円盤状の再生専用光記録媒体は、書き換え可能な記録媒体を代用して再生専用媒体とするような他の記録媒体、例えばカセットテープやVHSテープと比較して、複製時のマスタの劣化も少なく、また、複製が格段に容易であり、複製にかかる時間や、コストの観点からも大変有利なものとなっている。
一方、媒体を管理するという観点から見た場合、このように全ての媒体に同じ情報しか記録できないということは、媒体毎の区別ができなくなるため、必ずしも望ましいものではない。媒体の管理とは、もともとは品質管理などの媒体を製作する側において要求されることが多かったが、近年、上記のCDやDVDに対する1.海賊版、2.不正コピーなどが大きな問題となっており、媒体の海賊版や不正コピーに対する管理、さらには、その内容である著作物に対する著作権の管理という側面からも重要性が増している。
このような海賊版や不正コピーの管理をする上で問題になるのは、上述のような再生専用記録媒体の特性ゆえに、不正な手段で作成した媒体と正規の媒体とを区別することができない点である。
このような問題を解決するための方法として、再生専用媒体に対して媒体毎の固有情報を記録して管理を行う方法がある。媒体毎に異なる固有情報を記録すると、海賊版や不正コピーをした媒体は固有情報が未記録となったり不正となったりするので、海賊版や不正コピー等の対策として非常に有効となる可能性を秘めている。
以上のような理由から、再生専用媒体毎に異なる固有情報を記録して出荷する必要が生じ、そのための情報記録方式が必要となっている。
再生専用媒体に固有な識別情報を記録する方法として、再生専用媒体の表面等にバーコードを記載したり貼り付けたりする方法がよく知られている。しかし、バーコードの場合は、偽造が容易である上、コンテンツ等が記録されている本来の情報記録部分とは分離して記録されている。このため、バーコード記録を行う方法よりも有効な記録方法が求められている。
ここで、コンテンツ等が記録されている実際の情報記録部分に、識別情報を追加記録する方法として、株式会社ソニーディスクテクノロジー社などで開発されたポストスクライブドID(商標)を利用する方法が知られている(例えば、非特許文献1)。
このソニーディスクテクノロジー社で開発された方法とは、記録層となる反射膜の材料として追記光で溶融する材料を利用したCD等の光記録媒体を、スタンパなどで一旦大量生産する。続いて、記録トラックに形成されている凸凹の所定部分の凸部(ランド)に対して、高出力のレーザ光を照射し、そのランドを凹部(ピット)化する、という方法である。
すなわち、ランドをピット化することができる領域を再生専用媒体上の複数の所定の部分に設けておき、その媒体の固有情報に応じて、各部分をピット化するかランドの状態のままとするかを判断して、各部分にレーザ光を照射していくことにより、コンテンツ等が記録されている実際の情報記録部分にその媒体固有の識別情報を追記することが可能となる。
このような方法は、バーコードを用いる方法と比べて、その存在が目視ではわからないため偽造が容易ではなく、また、記録トラック上に表された情報であるので、特別な再生系も必要ではない。したがって、従来のバーコードによる媒体固有な識別情報と比べて、単なる品質管理のみならず、情報の管理などに対しても適した構造として期待できる。
もっとも、再生装置側で識別信号の記録位置がわからなければならないので、ランドをピット化する部分は媒体上のある決まった所定の部分でなければならず、さらに、ランドをピット化したのちに変調ルールに従わないようなデータ列が形成されては、その記録媒体の再生ができなくなる。
CD、DVDで通常用いられるEFM変調方式又はEFM+変調方式であるという条件で、このようなことを解決した記録ルールが、特許文献1や特許文献2で提案されている。
特開2003−141742号公報 特開2003−151145号公報 ポストスクライブドID、[平成16年3月31日検索]、インターネット<URL :http://www.postscribedid.com/index_j.html>
近年、CDやDVDの次世代の記録媒体であるBD(ブルーレイディスク 商標)が提案されている。BDの再生専用媒体では、従来のCD、DVDよりも大容量の情報が記録されるため、このような不正コピーや海賊版に対する対策もさらに重要な課題となっている。
ところで、BDでは、変調方式として1−7パリティ保存変調方式が用いられている。
この1−7パリティ保存変調方式は、EFMやEFM+変調方式等の固定ビット長の変調方式とは異なり、(1)変調単位が可変長な変調方式である。(2)パリティ保存のための情報が変調前に付加される。という2点を特徴として持っている。
この2つの特徴があるため、1−7パリティ保存変調では、EFM等に比べて、識別情報を追加記録することができるランドを、所定の位置に形成することが非常に困難となる。
例えば、1−7パリティ保存変調では、(1)のように変調単位が可変長であることから、同じビット列に対して変調を行っても、その前後のビット列によって、変調後に発生するビット列が大幅に異なる場合がある。つまり、媒体上の特定の位置にランドを形成する必要があるが、可変長の符号化方式のために、特定の位置に特定の記録パタンを形成することが非常に困難である。
また、1−7パリティ保存変調では、(2)にようにパリティ保存のための情報が変調前に1ビット付加される。このビットの影響で、同じ情報を用いていても途中にこのビットが入ることにより情報が変わるなどの可能性がある。さらに、2ビット単位で可変長であったところの途中に1ビット付加されるので、不規則性をさらに増すことになる。
以上のような問題は、1−7パリティ保存変調で、所定の位置にランドを発生させようとする課題を複雑にするものである。
以上示したように、1−7パリティ保存変調のような、変調単位が可変長でパリティビットが変調前の情報に変調単位を無視して付加される変調方式では、所定の位置に所定のビット列のパタンを生じさせることは、従来のようなEFM,EFM+変調で所定の位置に所定のビット列のパタンを生じさせるような場合と比較して非常に困難である。
そこで、本発明では、1−7パリティ保存変調等の可変長変調がされたビット列が記録された再生専用の光記録媒体に対して、例えば媒体固有情報等の識別情報を、可変長変調がされたビット列中に後から追加記録することが可能な光記録媒体、並びに、再生専用媒体の識別情報管理方法を提供することを目的とする。また、さらに、本発明では、このような光記録媒体を製造する光記録媒体製造装置及び方法、このような光記録媒体に識別情報を書き込む識別情報記録装置及び方法、並びに、このような光記録媒体を再生する光記録媒体再生装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明は、情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体において、記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成された追記領域を有しており、上記追記領域内に形成された上記追記パタンは、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状となっており、上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さは、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上であり、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成されており、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドは、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料であり、上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とが含められており、上記所定の複数の位置に設定されている追記領域には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンが存在するか、その部分に全てピットで構成されたパタンが存在するかによって識別されるビット値により表された識別情報が、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射することにより記録されている。なお、Tは、1つの変調後ビット列のビット長である。
また、本発明は、情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体に対して、記録トラック中に当該光記録媒体の識別情報を記録するための管理方法であって、記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成される追記領域を設定し、上記追記領域内に形成される上記追記パタンを、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状とし、上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さを、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上とし、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列を、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成し、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドを、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料とし、上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設け、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設け、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とを含め、上記所定の複数の位置に設定されている追記領域に対して、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンが存在するか、その部分に全てピットで構成されたパタンが存在するかによって識別されるビット値により表された識別情報を、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射することにより記録する。なお、Tは、1つの変調後ビット列のビット長である。
また、本発明は、情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体を製造する光記録媒体製造装置において、記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成された追記領域を有しており、上記追記領域内に形成された上記追記パタンは、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状となっており、上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さは、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上であり、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成されている原盤から生成されたスタンパを用いて、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドが、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料であり、上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とが含められており、上記所定の複数の位置に設定されている追記領域には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンが存在するか、その部分に全てピットで構成されたパタンが存在するかによって識別されるビット値により表された識別情報が、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射することにより記録されている光記録媒体を製造する。なお、Tは、1つの変調後ビット列のビット長である。
また、本発明は、情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体を製造する光記録媒体製造方法において、記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成された追記領域を有しており、上記追記領域内に形成された上記追記パタンは、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状となっており、上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さは、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上であり、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成されている原盤から生成されたスタンパを用いて、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドが、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料であり、上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とが含められており、上記所定の複数の位置に設定されている追記領域には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンが存在するか、その部分に全てピットで構成されたパタンが存在するかによって識別されるビット値により表された識別情報が、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射することにより記録されている光記録媒体を製造する。なお、Tは、1つの変調後ビット列のビット長である。
また、本発明に係る識別情報記録装置は、情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体であって、記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成された追記領域を有しており、上記追記領域内に形成された上記追記パタンは、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状となっており、上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さは、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上であり、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成されており、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドは、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料であり、上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とが含められる再生専用の光記録媒体の記録トラックに対して、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射してデータの書き込みを行う記録手段と、上記追記領域に書き込む識別情報を発生する識別情報発生手段とを備え、上記記録手段は、上記光記録媒体を再生しながら上記追記領域の追記パタンを順次検出し、追記パタンを検出すると、上記識別情報発生手段から発生された識別情報に応じて、検出した当該追記パタンに対して再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射し、当該追記パタンのランド部分の反射特性を変化させる。なお、Tは、1つの変調後ビット列のビット長である。
また、本発明に係る識別情報記録方法は、情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体であって、記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成された追記領域を有しており、上記追記領域内に形成された上記追記パタンは、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状となっており、上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さは、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上であり、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成されており、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドは、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料であり、上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とが含められる再生専用の光記録媒体の記録トラックから、記録情報を再生しながら上記追記領域の追記パタンを順次検出してゆき、追記パタンを検出すると、識別情報を発生し、発生した識別情報に応じて、検出した当該追記パタンに対して再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射し、当該追記パタンのランド部分の反射特性を変化させる。なお、Tは、1つの変調後ビット列のビット長である。
また、本発明に係る光記録媒体再生装置は、情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体であって、記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成された追記領域を有しており、上記追記領域内に形成された上記追記パタンは、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状となっており、上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さは、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上であり、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成されており、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドは、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料であり、上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とが含められる光記録媒体を再生する再生手段を備え、上記再生手段は、上記光記録媒体の各追記領域に形成されている上記追記パタンを読み出し、読み出した上記追記パタンが、ピット−ランド−ピットのパタンとなっているか、全てピットで構成されたパタンとなっているかを判断して、その追記領域のビット値を検出し、上記光記録媒体の複数の位置の追記領域から検出されたビット値に基づき、上記光記録媒体に書き込まれている識別情報を生成する。
さらに、本発明に係る光記録媒体再生方法は、情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体であって、記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成された追記領域を有しており、上記追記領域内に形成された上記追記パタンは、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状となっており、上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さは、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上であり、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成されており、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドは、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料であり、上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とが含められる光記録媒体を再生し、上記光記録媒体の各追記領域に形成されている上記追記パタンを読み出し、読み出した上記追記パタンが、ピット−ランド−ピットのパタンとなっているか、全てピットで構成されたパタンとなっているかを判断して、その追記領域のビット値を検出し、上記光記録媒体の複数の位置の追記領域から検出されたビット値に基づき、上記光記録媒体に書き込まれている識別情報を生成する。
本発明では、1−7パリティ保存変調をしてNRI−NRZI変換する変調が採用された再生専用の光記録媒体の記録トラック中の複数の所定の領域に、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状とされた追記パタンを形成する。追記パタンは、その長さが変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上であり、追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成されており、追記パタンの真ん中のランドは、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料であり、追記領域に対してピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、追記パタン生成用ビット列に対して変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とが含められており、所定の複数の位置に設定されている追記領域には、ピット−ランド−ピットの追記パタンが存在するか、その部分に全てピットで構成されたパタンが存在するかによって識別されるビット値により表された識別情報が、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射することにより記録されている
このことにより、本発明では、例えば1−7パリティ保存変調を用いた記録が行われている場合であっても、例えば媒体固有情報等の識別情報を、可変長変調がされたビット列中に後から追加記録することが可能となる。
以下、本発明が適用された光ディスク、及び、この光ディスクを製造するための装置、この光ディスクを再生するための装置等について説明をする。
光ディスク
本発明が適用された光ディスク1の物理的な特性等について図1を参照して説明する。
光ディスク1は、BD(ブルーレイディスク 商標)と呼ばれているディスクであり、BDのうちのユーザにより書き込みができない再生専用のディスクである。光ディスク1は、図1(A)に示すように、半径Rが60mm、ディスク厚d12mmとされる。
再生のためのレーザ波長は405nmであり、いわゆる青紫色レーザが用いられる。対物レンズのNAは0.85である。
光ディスク1上には、図1(B)に示すように、ディスクの反射面である底面部3に、記録トラックに沿って凹部4が形成されることにより、信号が書き込まれている。すなわち、記録するデータのビット列に応じた凹凸の連続が、記録トラックに形成されている。以下、記録トラックの底面3に形成された凹部4のことを以下「ピット」と呼び、記録トラックの底面のピット以外の底面3のことを以下「ランド」と呼ぶものとする。
また、光ディスク1は、ポリカーボネートやアクリル等の樹脂基板5上に、高い光反射特性を有する反射膜6が積層され、反射膜6の上に保護膜が積層された構成となっている。光ディスク1は、保護膜側からレーザ光が照射され、再生が行われる。
ここで、反射膜6は、通常の再生レベルのパワーのレーザ光を照射しても物質特性はなんら変化しない。しかしながら、再生レベルよりも充分に高い出力のレーザ光を照射すると溶融し、その部分がピット部分の反射特性と同等となる材料とされている。つまり、ランドは、高出力レーザ光が照射されると、ピットとみなされるような材料により構成されている。一般的な光記録媒体の場合、反射層はアルミニウムで形成されているが、光ディスク1では、反射層が例えばアルミニウムとチタンとの合金、アルミニウムと別元素を混ぜた合金、銀を含んだ合金等により構成されている。
さらに、光ディスク1は、スタンパ等により凹凸(ランドとピット)のパタンが転写されて製造されるので、同一物が大量に生産される。光ディスク1は、パタン転写された後に、各ディスク固有の識別情報(以下、ユニークID又はUIDとも呼ぶ。)が、一枚一枚に記録される。その記録方法は、ディスクの記録トラック中の所定の位置に、高出力レーザを照射することによりランドをピット化することができる追記領域を、転写パタンとして予め複数設定しておき、ユニークIDの内容に応じて全ての追記領域のうちの所定の追記領域を選択し、選択した追記領域中の所定位置のランドを、高出力レーザを照射してピット化するという方法である。
光ディスクのフォーマット
光ディスク1は、記録されているデータが、所定の論理フォーマット及び所定の物理フォーマットにより管理されている。論理フォーマットでは、ユーザ情報に対してリード・ソロモン符号による誤り訂正符号化することが特徴である。また、物理フォーマットでは、誤り訂正符号化された情報に対して、1−7パリティ保存変調符号化及びNRZ-NRZI変換をすることが特徴である。
(論理フォーマット)
まず、論理フォーマットについて説明する。
光ディスク1の論理フォーマットでは、当該光ディスク1に記録する情報全体を、64キロバイトのデータ群に分割し、分割した各データ群に対して誤り検出、訂正コードを付加し、1つのECCクラスタと呼ぶデータの基本単位を形成する。
ECCクラスタの具体的な構成は次の通りである。まず、64kバイトのデータ群をさらに32個のデータ群に細分化して、図2に示すような2048バイトのデータ群を形成し、それぞれの2048バイトのデータ群に4バイトの誤り検出コード(EDC)を付加して、それぞれ合計2052バイトのデータ群にする。なお、誤り検出コード(EDC)の生成多項式は以下の数1の通りである。
Figure 0004622291
次に、この32個の2052バイトのデータ群単位で所定のスクランブルを施し、再度もとのデータ群(32×2052バイト)単位に戻す。次に、図3に示すように、この32×2052バイトのデータ群を、大きさが216バイトの304個のデータ群に再分割する。次に、再分割されたデータ群のそれぞれに、32バイトの誤り訂正コードを付加する。最後に、所定のインターリーブを行って並び替えて、ECCクラスタが完成する。
なお、ECCクラスタに付加する誤り訂正コードは、以下の数2の生成多項式で示すリード・ソロモン符号の符号化方式を用いている。
Figure 0004622291
リード・ソロモン符号では、バイト単位での誤り訂正が行われる。リード・ソロモン符号の誤り訂正可能なバイト数は、一般に、誤り訂正コードの個数の半分である。ECCクラスタでは、216バイトのデータ群に対して32バイトのリード・ソロモン符号の訂正コードを付加していることから、216バイト中最大16個のバイトのエラー訂正が可能である。密度にすると、16バイト/248バイトの誤りまでが訂正可能である。
また、光ディスク1では、ECCクラスタの他に、BISクラスタと呼ばれるデータの単位がある。BISクラスタは、アドレスと呼ばれるECCクラスタの番号やECCクラスタ内のブロックの番号、及び、ユーザコントロールと呼ばれるECCクラスタに記録されている情報の機能を表す番号が記録されたデータ単位である。
BISクラスタの具体的な構成は次の通りである。まず、アドレス番号を示す4バイトの情報と、付加データである1バイトの情報と、4バイトのリード・ソロモン符号による誤り訂正コードとにより構成されたアドレスを形成する。次に、このような9バイトのアドレス情報と、21バイトのユーザコントロールとを組み合わせた30バイトのデータ群を24個形成する。次に、図4に示すように、この30バイトのデータ群に対してそれぞれ32バイトの誤り訂正コードを付加し、最後に所定のインターリーブを行って並び替えて、BISクラスタが完成する。BISクラスタに付加される誤り訂正コードの生成多項式は以下の数3に示す通りである。
Figure 0004622291
(物理フォーマット)
続いて、物理フォーマットについて説明する。
光ディスク1の物理層は、図5に示すように、ECCクラスタとBISクラスタを組み合わせたデータが記録されるフィジカルクラスタ部と、これらのフィジカルクラスタ部を接続する2つのリンキング部が繰り返し出現するように構成されている。
フィジカルクラスタ部は、図6に示すように、それぞれ16個のアドレスユニットと呼ばれるブロックに分割され、さらに、各アドレスユニットが31個のデータフレームに分割されている。リンキング部は、2個のデータフレームで構成されている。
データフレームは、図7(A)に示すように155バイトの情報が記録される。データフレームのデータは、39バイト目、78バイト目及び117バイト目の3バイトが、BISクラスタの情報であり、残りの152バイトがECCクラスタの情報である。なお、BISクラスタには、アドレスデータとユーザコントロールデータとが含まれているが、アドレスは、各アドレスユニット中の最初の3つのデータフレームのBISクラスタに含まれており、ユーザコントロールデータは、残りのデータフレームのBISクラスタに含まれている。
また、図7(B)に示すように、各データフレームでは、実データを、先頭を25ビットを1つのデータ群とし、残りを45ビット毎のデータ群とし、合計28個のデータ群に分割している。
データフレームは、図7(C)に示すように、先頭のみが、20ビットのフレーム同期信号と25ビットの実データと1ビットのDC制御ビットとから構成され、その他が、45ビットの実データと1ビットのDC制御ビットとから構成された、28個のDC制御ブロックに分割されている。
なお、各ブロックの終端の1ビットのDC制御ビットは、変調後のビット値の0を−1に、1を1に対応させて加算して得られるDC成分の大きさを示す指標デジタルサムヴァリュー(DSV)の絶対値が0に近づくようにビット値が決定される。
(UID生成ビット列)
つぎに、UID生成ビット列について説明をする。
光ディスク1では、図8に示すように、媒体固有な識別情報の追記領域を形成するための所定ビット数(例えば12ビット(1−7パリティ保存変調する前において))のビット列(UID生成ビット列)を、所定のDC制御ブロック内に形成するように、記録データを構成しておく。すなわち、光ディスク1は、スタンパでディスク製造した後、高出力レーザを照射してユニークIDを追記するための追記領域を形成するために、所定の位置にUID生成ビット列が形成されている。
このUID生成ビット列は、1-7パリティ保存変調及びNRZ-NRZI変換を行った後に、ピット-ランド-ピットの追記パタン(後で詳細に説明する。)を発生するためのビット列である。
UID生成ビット列は、全てのDC制御ブロックに設けるのではなく、ある特定のDC制御ブロックに対してのみである。例えば、所定の1つあるいは複数のフィジカルクラスタ部を選択し、そのうちの一部のデータフレームのDC制御ブロックに、UID生成ビット列を形成する。また、データフレームの全てのDC制御ブロックに対してではなく、一部のDC制御ブロックに対してのみUID生成ビット列を形成するようにする。
図8は、DC制御ブロック内におけるUID生成ビット列の形成位置を示した図である。
UID生成ビット列は、DC制御ブロック内の所定の位置に形成されるようにする。
ここでは、UID生成ビット列を、DC制御ブロックのDC制御ビットを除く終端部分に位置するように設けている。このようにDC制御ブロックの終端部分にUID生成ビット列を設けることにより、BISクラスタに対して影響を与えないようにすることができる。
なお、図8では、DC制御ビットが2ビットとなっているが、これは、1-7パリティ保存変調が2ビット単位で変調されるために便宜上このように記している。
例えば、UID生成ビット列が12ビット(変調前)である場合には、UID生成ビット列を形成する位置は、DC制御ブロックの先頭から33ビット目から44ビット目(変調前)までとなる。
以上のようなUID生成ビット列は、当該UID生成ビット列を形成したことにより、光ディスク1が上記論理フォーマット及び物理フォーマットの規定外のディスクとならないようにする必要がある。
ピット-ランド-ピットの追記パタン
つぎに、UID生成ビット列に対して、1-7パリティ保存変調及びNRZ-NRZI変換することにより発生されるピット-ランド-ピットの追記パタンについて説明をする。
上記UID生成ビット列に対して1-7パリティ保存変調及びNRZ-NRZI変換をすると、光ディスクの記録トラック上の複数の所定の位置に、図9(A)に示すように、ピット(凹部)-ランド(凸部)-ピット(凹部)のパタンが形成されることになる。
この追記パタンは、図9(B)に示すように真ん中のランド部分に対して高出力レーザを照射して当該ランドを溶融してピット化し、図9(C)に示すように全体としてピット(凹部)-ピット(凹部)-ピット(凹部)のパタンとすることにより、光ディスク1に対してユニークIDを記録するためのパタンである。
ここで、この追記パタンは、ピット-ランド-ピットの構成であればどのようなものでもよい、というわけではなく、以下のような条件が必要となる。
(1)追記パタンは、ピット-ランド-ピットという凹凸パタンとなっている。
(2)追記パタンの長さは、1−7パリティ保護変調及びNRZ−NRZI変換後の最長符号長以下、1−7パリティ保護変調及びNRZ−NRZI変換の後の最短符号長の3倍以上である。すなわち、最長符号長が8T、最短符号長が2Tであるので(Tは、変調後ビット列の1ビットの長さである。)、追記パタンの長さは6T、7T又は8Tとなる。
(3)追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該追記パタンが、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が1−7パリティ保護変調及びNRZ−NRZI変換後の規則に従うように生成されている。
以上のような条件に従った追記パタンを形成すると、真ん中のランドが溶融してピット化した後も、光ディスク1には1-7パリティ保存変調に従ったデータが記録されていることとなる。すなわち、ランドをピット化したことにより前後のパタンとの関係が1−7パリティ保存変調から外れるビット列とはならなくなる。
以上のような条件の追記パタンとして、具体的には次のようなピット-ランド-ピットのパタンがある。
4T-2T-2T,2T-4T-2T,2T-2T-4T,2T-3T-3T,3T-2T-3T,3T-3T-2T,3T-2T-2T,2T-3T-2T,2T-2T-3T,2T-2T-2T
なお、ここで、Tは、1つの変調後ビット列のビット長である。
特に、ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドが2Tであると、2Tが1-7パリティ保存変調の最小符号長であり、溶融のためのエネルギーが最も少なくて済み効率的である。
さらに、3T-2T-3Tのパタンは、ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドが2Tであるため1−7パリティ保存変調における最小符号長であり、溶融のためのエネルギーが最も少なく済むとともに、追記位置の前後に対するポジションマージンが最も広いので、非常に望ましい形状の追記パタンである。
また、4T-2T-2Tのパタンは、ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドが2Tであるため1−7パリティ保存変調における最小符号長であり、溶融のためのエネルギーが最も少なく済むとともに、追記時における余熱の利用効率が高く、非常に望ましい形状の追記パタンである。
UID生成ビット列の具体例
つぎに、3T-2T-3T及び4T-2T-2Tを生成するための12ビット(変調前)のUID生成ビット列の具体例について説明をする。
まず、1-7パリティ保存変調について説明をする。
図10は、1-7パリティ保存変調の変調テーブルを示している。図10におけるxxは、xが0か1のいずれかの値を任意に取るものを意味する。また、図10における(-fs)はフレームシンクのビット列を表しているものとする。
図11は、フレーム同期信号を示している。図11における#は、このフレームシンクになる前の変調前のビット列が“00”、あるいは、“0000”であったときのみに、1となって、それ以外では0となる。
以上の1-7パリティ保存変調の変調テーブルを参照しながら、以下、3T-2T-3T及び4T-2T-2Tを生成するための12ビット(変調前)のUID生成ビット列の内容について説明をする。
(3T-2T-3T)
まず、3T-2T-3Tについて説明をする。
図12は、光ディスク1におけるユニークIDを記録するための3T-2T-3T(ピット-ランド-ピット)の追記パタンを形成するための12ビットのUID生成用ビット列を示している。
12ビットのUID生成用ビット列は、図12に示すように、先頭の2ビットの変調終端ビット列(Termination)と、次の2ビットの極性制御ビット列(polarity control)と、最後の8ビットのUIDビット列(UID Bit)とから構成されている。なお、図12中のUIDビット列の後ろにある2ビットのビット列(parity)は、DC制御ビットを発生するためのビット列である。
1−7パリティ保存変調では変調単位が一定でないため、3T-2T-3Tのピット-ランド-ピットの追記パタンの発生を損なわないように、この追記パタンの直前にあるデータの変調単位の終端を用意する必要がある。12ビットのUID生成用ビット列のうちの1番目、2番目の2ビットである変調終端ビット列(Termination)は、当該UIDビット列の直前にあるデータの変調単位の最後の部分を決める部分に相当する。すなわち、直前のビット列の1−7パリティ保存変調をきちんと終わらせて、直前のビット列の影響を、後ろ変調終端ビット列及びUIDビット列の変調にまで与えないようにするためのビット列となる。
変調終端ビット列(Termination)は、具体的には、図10の変調前ビット列の終端2ビットを参照してわかるように、01,10,11のいずれかとなる。
12ビットのUID生成用ビット列のうち5番目から12番目の8ビットは、3T-2T-3Tのパタンを発生するためのUIDビットである。
UIDビットは、具体的には、図10の変調後ビット列から探しだすと、 “01000001”となる。なお、5番目から12番目の8ビットのUIDビットは、4ビット目までで変調が終端されていることを前提として1-7パリティ保存変調を行う。このことにより、UIDビットを1−7パリティ保存変調することにより発生するビット列は、“010-010-100-100”となる。これをさらに、NRZ-NRZI変換を行うと、“001-110-011-100”となる。このNRZ-NRZI変換後のビット列の値の0、1が、それぞれランド、ピットが対応する。NRZ-NRZI変換後のビット列は、2T-3T-2T-3T-2Tとなる。このパタンをみると、3ビット目から10ビット目までのパタンが、3T-2T-3Tのパタンとなっていることがわかる。すなわち、この3T-2T-3Tのパタンが、追記パタンとなる。従って、ピット−ランド−ピットの追記パタンのピット部分は、1−7パリティ保存変調及びNRI-NRZI変換後の57,58ビット目となる。
12ビットのUID生成用ビット列のうち3番目、4番目のビットである極性制御ビット列(polarity control)は、1番目、2番目のビットを1−7パリティ保存変調及びNRZ-NRZI変換したあとの最後のビットがピットであるかランドであるかに応じて、後段で生成される3T-2T-3Tの追記パタンがピット-ランド-ピットとなるように、ビット値が制御される極性制御ビットとなる。
つまり、UIDビットにより発生される3T-2T-3Tパタンだけでは、ランの長さは決定されるが、NRZ-NRZI変換の影響により、ピット-ランド-ピットになるか、それともランド-ピット-ランドかは、確実ではない。
そのため、最初の2ビットの変調終端ビット列までで1−7パリティ保存変調を終了することができると、最初の2ビットまでの時点におけるビット値が、ランドに対応するのか、ピットに対応するのかの極性を決定することができることを利用し、極性制御ビット列(polarity control)によって、上記の3T-2T-3Tのパタンが、ピット-ランド-ピットになるか、それともランド-ピット-ランドのパタンになるかを制御している。
具体的には、極性制御ビット列(polarity control)が、“01”又は“11”の場合には、2回極性が反転する。また、“10”の場合には、1回極性が反転する。従って、変調終端ビット列の変調が終了した時点のビットがランドであれば、極性制御ビット列(polarity control)は“10”となり、変調終端ビット列の変調が終了した時点のビットがピットであれば、極性制御ビット列(polarity control)は“01”又は“11”となる。
なお、図10の1−7パリティ保存変調の変調テーブルから確認できるように、1−7パリティ保存変調では、2ビットのビット列01,10、11が、それぞれ必ず変調の単位の最後となるようなビットとは限らない。例えば、01であれば、後ろに来るビットが11であれば変調の最後とはならず、また、10であればうしろに来るビットが11であれば変調の最後とはならず、また、11であればうしろに来るビットが0111であれば変調の最後とはならない。
従って、12ビットのUID生成用ビット列では、(1)極性を決定するため、極性制御のビットの直前のビットがそれまでのデータに対する変調の末尾になっている、(2)常に3T-2T-3Tのパタンを発生するため、前記パタンを変調する前に極性制御ビットそのものも変調データの末尾となって変調が施されている、ことも必要である。
(3T-2T-3Tを発生するための具体的な値)
具体的に、3T-2T-3T(ピット-ランド-ピット)を発生する以上の条件を満足した12ビットのUID生成用ビット列として、次の8通りのビット列が挙げられる。
(A群)0x541、0x641、0x941、0xA41、0xD41、0xE41
(B群)0xB41,0xf41
なお、0x○○○とは、“○○○”の部分が16進数の表記であることを表している。
(A群)は、12ビットのうちの最初の2ビットまでを変調したあとの変調後ビットの極性を反転させるタイプであり、(B群)は、12ビットのうちの最初の2ビットまでを変調したあとの変調後ビット列の極性を保持するタイプである。
従って、12ビットのうちの最初の2ビットまでを変調したあとの変調後ビットの極性を反転させる場合には、(A群)のうちの1つのビット列を選択して変調前ビット列に挿入し、極性を保持する場合には、(B群)のうちの1つのビット列を変調前ビット列に挿入すればよい。
このように変調前ビット列に以上の12ビットのUID生成用ビット列を挿入する処理をすることにより、DCブロック内の所定の位置に、3T-2T-3T(ピット-ランド-ピット)の追記パタンを形成することができる。
また、(A群)、(B群)から一つずつ選び、次のように
(a) (A)0x941、(B)0xB41
(b) (A)0xA41、(B)0xB41
(c) (A)0xD41、(B)0xF41
(d) (A)0xE41、(B)0xF41
(a)〜(d)の4通りのペアを生成する。
各ペアは、第3番目のビットのみが異なるペアとなっている。
これらのビット列のうち、たとえば1−7パリティ保存変調を施す直前の情報ビット列に対して、いずれか一つが所定の位置に配置されているものとする。
そして、1−7パリティ保存変調によって、上記の情報の2ビット目までを塊として、変調がなされたのち、3T-2T-3Tの追記パタンがピット-ランド-ピットとなるか否かを調べ、ピット-ランド-ピットとなる場合には3番目のビットをそのまま保持する。ピット-ランド-ピットとならない場合には3番目のビットを反転する。すなわち、ペアとなっている他方のビット列に置き換える。
以上のように、光ディスク1への記録データ列を生成する際に、最初の2ビットでこの部分までの極性を決定して、次の2ビットでこの部分からの極性を制御して、3T-2T-3Tのパタンの真ん中の2Tがランドになる、という3つのステップを完了して、所定の位置(例えば、DCブロックの最後の部分)に3T-2T-3Tのピット-ランド-ピットのパタンを発生することができる。
図13は、上述の4種類のペアとして出現している、0x941、0xB41、0xA41、0xD41、0xF41、0xE41について、これを1−7パリティ保存変調して、識別情報UID=1を記録した結果と、これを復調した後の情報を表した表である。
この表において左端の第一コラムは、上述の4種類のペアとして出現する6種類のUID生成ビット列である。これらは、2ビット目までを変調した際のランド、ピットの極性の情報に応じて、3T-2T-3Tの組み合わせの2Tの部分がランドになるように選択されるものである。
第二コラムは、第一コラムのUID生成ビット列を図10の変調テーブルを用いて変調した結果である。また、第三コラムは、発生した3T-2T-3Tのピット-ランド-ピットの組み合わせのランド部分に追記を行った結果、8Tのピットが発生したことを表している。ここで、第二コラムと第三コラムの間では、変調結果をピット、ランドに対応付けるためのNRZI変換とその逆変換があるが、ここでは省略してある。
第四コラムは、第三コラムを1−7パリティ保存復調した結果である。第四コラムでは、候補となる情報がおのおの二つずつ存在している。これは、固有情報を記録する領域のうしろに来ている情報が何であるかによって決定される。
この表では、真ん中より左側の部分を追記が無い場合の識別情報領域のビット列(UID=0)、また、真ん中より左側の部分を追記がある場合の識別情報領域のビット列(UID=1)とみることもできる。すなわち、この表をもちいれば、識別情報のビット値0、1とそのときの識別情報領域におけるビット列のパタンとの対応関係を確認することができる。
(4T-2T-2T)
つぎに、4T-2T-2Tについて説明をする。
図14は、光ディスク1におけるユニークIDを記録するための4T-2T-2T(ピット-ランド-ピット)の追記パタンを形成するための12ビットのUID生成用ビット列を示している。
12ビットのUID生成用ビット列は、図14に示すように、先頭の2ビットの変調終端ビット列(Termination)と、次の2ビットの極性制御ビット列(polarity control)と、最後の8ビットのUIDビット列(UID Bit)とから構成されている。なお、図14中のUIDビット列の後ろにある2ビットのビット列(parity)は、DC制御ビットを発生するためのビット列である。
先頭の2ビットの変調終端ビット列(Termination)及び次の2ビットの極性制御ビット列(polarity control)の機能や内容は、3T-2T-3Tのパタンと同様である。
12ビットのUID生成用ビット列のうち5番目から12番目の8ビットは、4T-2T-2Tのパタンを発生するためのUIDビットである。
UIDビットは、具体的には、図10の変調後ビット列から探しだすと、“01100011”となる。なお、5番目から12番目の8ビットのUIDビットは、4ビット目までで変調が終端されていることを前提として1-7パリティ保存変調を行う。このことにより、UIDビットを1−7パリティ保存変調することにより発生するビット列は、“010-001-010-100”となる。これをさらに、NRZ-NRZI変換を行うと、“001-111-001-100”となる。このNRZ-NRZI変換後のビット列の値の0、1が、それぞれランド、ピットが対応する。NRZ-NRZI変換後のビット列は、2T-4T-2T-2T-2Tとなる。このパタンをみると、3ビット目から10ビット目までのパタンが、4T-2T-2Tのパタンとなっていることがわかる。すなわち、この4T-2T-2Tのパタンが、追記パタンとなる。従って、ピット−ランド−ピットの追記パタンのピット部分は、1−7パリティ保存変調及びNRI-NRZI変換後の58,59ビット目となる。
(4T-2T-2Tを発生するための具体的な値)
具体的に、4T-2T-2T(ピット-ランド-ピット)を発生する以上の条件を満足した12ビットのUID生成用ビット列として、次の8通りのビット列が挙げられる。
(A群)0x563、0x663、0x963、0xA63、0xD63、0xE63
(B群)0xB63,0xf63
なお、0x○○○とは、“○○○”の部分が16進数の表記であることを表している。
このとき、(A群)は、12ビットのうちの最初の2ビットまでを変調したあとの変調後ビットの極性を反転させるタイプであり、(B群)は、12ビットのうちの最初の2ビットまでを変調したあとの変調後ビット列の極性を保持するタイプである。
従って、12ビットのうちの最初の2ビットまでを変調したあとの変調後ビットの極性を反転させる場合には、(A群)のうちの1つのビット列を選択して変調前ビット列に挿入し、極性を保持する場合には、(B群)のうちの1つのビット列を変調前ビット列に挿入すればよい。
このように変調前ビット列に以上の12ビットのUID生成用ビット列を挿入する処理をすることにより、DCブロック内の所定の位置に、4T-2T-2T(ピット-ランド-ピット)の追記パタンを形成することができる。
また、(A群)、(B群)から一つずつ選び、次のように
(a) (A)0x963、(B)0xB63
(b) (A)0xA63、(B)0xB63
(c) (A)0xD63、(B)0xF63
(d) (A)0xE63、(B)0xF63
(a)〜(d)の4通りのペアを生成する。
各ペアは、第3番目のビットのみが異なるペアとなっている。
これらのビット列のうち、たとえば1−7パリティ保存変調を施す直前の情報ビット列に対して、いずれか一つが所定の位置に配置されているものとする。
そして、1−7パリティ保存変調によって、上記の情報の2ビット目までを塊として、変調がなされたのち、4T-2T-2Tの追記パタンがピット-ランド-ピットとなるか否かを調べ、ピット-ランド-ピットとなる場合には3番目のビットをそのまま保持する。ピット-ランド-ピットとならない場合には3番目のビットを反転する。すなわち、ペアとなっている他方のビット列に置き換える。
以上のように、光ディスク1への記録データ列を生成する際に、最初の2ビットでこの部分までの極性を決定して、次の2ビットでこの部分からの極性を制御して、4T-2T-2Tのパタンの真ん中の2Tがランドになる、という3つのステップを完了して、所定の位置(例えば、DCブロックの最後の部分)に4T-2T-2Tのピット-ランド-ピットのパタンを発生することができる。
図15は、上述の4種類のペアとして出現している、0x961、0xB61、0xA61、0xD61、0xF61、0xE61について、これを1−7パリティ保存変調して、識別情報UID=1を記録した結果と、これを復調した後の情報を表した表である。
この表において左端の第一コラムは、上述の4種類のペアとして出現する6種類のUID生成ビット列である。これらは、2ビット目までを変調した際のランド、ピットの極性の情報に応じて、4T-2T-2Tの組み合わせの2Tの部分がランドになるように選択されるものである。
第二コラムは、第一コラムのUID生成ビット列を図10の変調テーブルを用いて変調した結果である。また、第三コラムは、発生した4T-2T-2Tのピット-ランド-ピットの組み合わせのランド部分に追記を行った結果、8Tのピットが発生したことを表している。ここで、第二コラムと第三コラムの間では、変調結果をピット、ランドに対応付けるためのNRZI変換とその逆変換があるが、ここでは省略してある。
第四コラムは、第三コラムを1−7パリティ保存復調した結果である。第四コラムでは、候補となる情報がおのおの二つずつ存在している。これは、固有情報を記録する領域のうしろに来ている情報が何であるかによって決定される。
この表では、真ん中より左側の部分を追記が無い場合の識別情報領域のビット列(UID=0)、また、真ん中より左側の部分を追記がある場合の識別情報領域のビット列(UID=1)とみることもできる。すなわち、この表をもちいれば、識別情報のビット値0、1とそのときの識別情報領域におけるビット列のパタンとの対応関係を確認することができる。
光ディスク1の製造方法
次に、光ディスク1の製造方法について説明する。
図16に示すように、光ディスク1の製造方法は、レジスト塗布工程S11、カッティング工程S12、現像定着工程S13、金属原盤作成工程S14を経て金属原盤の作成が行われる。
ここで、レジスト塗布工程S11は、ガラス原盤にフォトレジストを塗布する工程であり、カッティング工程S12は、フォトレジストにビット列に応じてスイッチングされるレーザを照射して凹凸のパタンを記録する工程である。現像定着工程S13は、原盤上で上記凹凸のパタンを記録したレジストを現像処理して原盤上に定着処理する工程であり、金属原盤作成工程S14は、上記原盤に表面に電解めっきを施こして金属原盤を作成する工程である。
次に、作成された金属原盤をもとに、スタンパ作成工程S15、基板形成工程S16を経て、ディスク基板が形成される。ここで、スタンパ作成工程S15とは、金属原盤を元にスタンパを製造する工程であり、また、基板形成工程S16は、成形金型内にスタンパを配置して、射出成型機を用いてポリカーボネートやアクリル等の透明樹脂によりディスク基板を形成する工程である。
このように作製されたディスク基板には、カッティング工程S12で原盤に形成されたランドとピットのパタンが転写されている。
次に、反射膜形成工程S17、保護膜塗布18を経て、再生専用の光ディスク1が製造される。反射膜形成工程S17では、ディスク基板のピットパタンが形成された面に、スパッタ等により反射膜が形成される。光ディスク1は、この反射膜に媒体固有識別情報を記録する。なお、光ディスク1を作成するためには、この反射膜は、通常のビット情報以外に、熱記録によって媒体固有識別情報も記録できる反射膜でなければならない。したがって、この反射膜には、一般的な反射膜の組成となるアルミニウムのほかに、例えばチタン等の別の元素を混ぜて合金とした反射膜を用いる。保護膜塗布工程S18では、保護膜が形成される。この工程は、反射膜上に紫外線硬化型樹脂をスピンコートによって塗布して、紫外線を照射することによってなされる。なお、このように形成された光ディスク1は、保護膜側から読み取り用のレーザ光を照射して情報の再生が行うことができる。
次に、再生専用の光ディスク1が作成されると、UIDカッティング工程19が行われる。このUIDカッティング工程19では、各追記領域上のピット-ランド-ピットの追記パタンの真ん中のランドに高出力レーザ光を照射して、作成された光ディスク1の一枚一枚に対して個別のユニークIDを書き込んでいく。
このことにより、各光ディスク1の一枚一枚に対してユニークIDが書き込まれた光ディスク1が製造される。
UIDカッティング工程19で用いられるUIDカッティング装置20について、図17を参照して説明をする。
UIDカッティング装置20は、大量に生産された同一の光ディスク1に対して、それぞれ個々のユニークIDを追加記録する装置である。
UIDカッティング装置20は、図17に示すように、光ディスク1に対して通常の再生時より充分高いエネルギのレーザ光を照射して、UIDを追記することができるピット-ランド-ビットの追記パタンのランド部分を溶融させるUIDライタ21と、光ディスク1に記録されている信号を読み出してピット-ランド-ビットの追記パタンの位置を検出するUID検出部22と、ユニークIDを発生するUID発生部23と、光ディスク1を回転駆動する駆動部24とを備えている。
UIDライタ21では、UID発生部23から発生されるユニークIDのビット列に応じて、追記パタンに照射するためのレーザ光がスイッチングされる。UID発生部23は、例えばコンピュータなどに配置されている外部記憶装置から出力される変調済みのビット列である。
UIDカッティング装置20では、駆動部24が光ディスク1をゆっくりと回転させる。このとき、レーザ光が光ディスク1の記録トラックに沿ってゆっくりとトレースされる。その結果、UID検出部22が記録トラック上の所定の位置のピット-ランド-ビットの追記パタンを検出することができる。
UIDライタ21は、UID検出部22が追記パタンを検出すると、その真ん中のランドの位置で、高出力レーザ光を照射する。ただしこの際、UIDライタ21は、UID発生部23から発生されたビット値に応じて、レーザ光を発生するか否かをスイッチングする。つまり、検出した追記パタンにビット値“1”を記録するのであればレーザ光を照射し、ビット値“0”を記録するのであればレーザ光を発光しないといったようにスイッチングをする。
UIDライタ21では、以上のように光ディスク1に設けられている複数の追記パタンに対してビット値を記録する。このことにより、光ディスク1に対してユニークIDを追加記録することが可能となる。
なお、光ディスク1に記録するユニークIDの情報量について考える。ユニークIDのもともとの情報量が2000ビットのであったとする。この情報はまず誤り訂正符 号化回路によって、誤り訂正用のビットが付け加えられる。このような誤り訂正符号化回路の例として、BCH符号化のアルゴリズムを用いた回路が考えられる。このようにして、誤り訂正用のビットを有するたとえば3000ビットのユニークIDが生成される。次に、3000ビットの変調を考える。ここでは、たとえば“0”を“01”に、“1”を“10”に変換するという変調を考える。このようにすることで、ユニークIDは6000ビットとなる。
つぎに、UIDカッティング装置20内のUIDライタ21及びUID検出部22の詳細構成について、図18を参照して説明をする。
UIDカッティング装置20は、信号再生系31と、追記パタン検出部32と、書き込み部33とを備えている。
信号再生系31は、光ディスク1からの再生信号に対してターゲットPRMLに等化し、PRMLデータ検出を行うPRML等化回路41と、PRMLで検出された再生データ列に対して1−7パリティ保存変調の復調を行う1−7PP復調回路42と、1−7パリティ保存変調の復調がされた再生データ列に対してエラー訂正処理を行うECCデコーダ43と、1−7パリティ保存変調の復調がされた再生データ列をエラー訂正処理を行わずに出力させるバイパススイッチ44とを備えている。
エラー訂正処理を行わずに信号再生系31から出力された再生データ及びエラー訂正を行った再生データは、例えば外部のコンピュータ等に出力される。外部のコンピュータは、これらの再生データに基づき、ピット-ランド-ピットの追記パタンが含まれているUID生成ビット列の位置を検出し、検出した位置を追記パタン検出部32にフィードバックする。
追記パタン検出部32は、PRML等化がされたデータ列と、外部コンピュータから出力されたUID生成ビット列の位置とが入力される。追記パタン検出部32は、これらの情報から、ピット-ランド-ピットの追記パタンの真ん中のランドの位置を特定するパルスを発生する。
書き込み部33は、乗算器45と、レーザ駆動部46とを備えている。
乗算器45は、追記パタン検出部32から発生されたランド位置を特定するパルスと、UID発生部から発生されたユニークIDのビット値とが入力され、これらを乗算する。
レーザ駆動部46は、乗算器45から“1”の信号が入力されたタイミング(すなわち、追記パタンのランドのタイミング位置であり、且つ、その追記パタンにビット値“1”を書き込む場合)で、光ディスク1に対して高出力レーザ光を照射させる。それ以外のタイミングでは、通常の再生パワーのレーザ光を照射させる。
なお、ユニークIDを記録するため位置を検出するには、例えば、フィジカルクラスタ部に先頭部分に特殊なビット列を記録しておく。ユニークIDを記録する装置に、この特殊なビット列を記憶しておけば、UIDカッティング装置20では、再生されたビット列からパタンマッチするビット列を探索して、容易にこの位置を検出することができる。フィジカルクラスタの先頭部分が検出されたあとは、所定のタイミングでレーザ照射のスイッチングをさせるためのパルス信号を出力すればよい。パルス信号は、所定の照射領域に対して対応する識別情報のビット値に応じて、レーザ照射をスイッチングする信号である。このパルス信号のうち最初に発生するものは、アドレス情報を含まない最初のフレームで発生する。各フレームを構成するブロックの61、62番目のビットをレーザ照射できるように、識別情報のビット値に応じてスイッチングするような信号を作る。
つぎに、UIDが追記されている光ディスク1の再生装置50について図19を参照して説明をする。
光ディスク再生装置50は、図19に示すように、光ディスク1を駆動する駆動部51と、光ディスク1から再生された信号に対して再生処理をする再生部52と、情報処理部53と、UID検出処理をするUID検出部54とを備えている。
再生部52は、光ディスク1からの再生信号に対してPRMLの等化及び2値化をするPRML等化回路61と、PRML等化された再生データ列に対して1−7パリティ保存変調の復調を行う1−7PP復調回路62と、1−7パリティ保存変調の復調がされた再生データ列に対してエラー訂正処理を行うECCデコーダ63とを備えている。
再生部52は、通常の再生装置と同じ構成となっている。すなわち、再生部52は、回転駆動されている光ディスク1から図示略した読み取りレーザによって得られたピット、ランド情報を元に得られた再生信号から、クロックを再生し、PRML等化、1−7パリティ保存変調の復調、エラー訂正処理を行い、光ディスク1に記録された情報を再生する。
再生部52により再生された情報は、情報処理部53内のメモリ65に一旦蓄積され、外部に出力される。
UID検出部54は、PRML処理がされた再生データから、ユニークIDのデータ列のみの検出を行うUIDデコーダ86と、ユニークIDのデータ列に対してエラー訂正処理を行うUID-ECCデコーダ87とを備えている。
UID検出部54は、通常の再生装置にユニークID検出用に付加的に設けられる回路である。UID検出部54は、PRMLの等化及び2値化されたビット列を元に、ユニークIDが記録されている特別なフィジカルクラスタ部及びDC制御ブロックを検出し、そのDC制御ブロックの所定の位置に配置されている追記パタンの状態を検出する。UID検出部54は、追記パタンの状態が、ピット-ランド-ピットとなっているか、又は、全てピットとなっているかを検出する。ピット-ランド-ピットであれば例えば“0”、全てピットであれば“1”と判断する。UID検出部54は、ユニークIDが記録されている全ての領域に対して以上の判断を行い、ユニークIDのビット列を出力する。
このような処理を行うことにより、UID検出部54は、光ディスク1に記録されているユニークIDを検出することができる。
なお、ユニークIDが記録されている特別なフィジカルクラスタ部を検出するには、例えば、フィジカルクラスタ部に先頭部分に特殊なビット列を記録しておく。再生装置1側でも、この特殊なビット列を記憶しておくことで、再生されたビット列からパタンマッチによってこのクラスタの先頭のビット列を探索して、容易にこの位置を検出することができる。
光ディスク1の再生方法
つぎに、UIDが追記されている光ディスク1の再生装置の他の実現例である再生装置70について図20を参照して説明をする。
再生装置70は、図20に示すように、光ディスク1を駆動する駆動部71と、光ディスク1から再生された信号に対して再生処理をする再生部72と、情報処理部73と、UID検出処理をするUID検出部74とを備えている。
再生部72は、光ディスク1からの再生信号に対してPRMLの等化及び2値化をするPRML等化回路81と、PRML等化された再生データ列に対して1−7パリティ保存変調の復調を行う1−7PP復調回路82と、1−7パリティ保存変調の復調がされた再生データ列に対してエラー訂正処理を行うECCデコーダ83と、1−7パリティ保存変調の復調がされた再生データ列をエラー訂正処理を行わずに出力させるバイパススイッチ84とを備えている。
再生部72は、通常の再生装置に対して、バイパススイッチ84が設けられていることが異なっている。バイパススイッチ84は、通常の再生時には、ECCデコーダ83から出力されたデータ列を後段の情報処理部73に出力し、ユニークIDの検出時には、ECCデコーダ83によりエラー訂正がされていない状態のデータ列を後段の情報処理部73に出力する。
再生部72により再生された情報は、情報処理部73内のメモリ85に一旦蓄積され、通常の情報であれば蓄積された後、外部に出力される。
UID検出部74は、情報処理部73内のメモリ85に蓄積されている再生データからユニークIDのデータ列の検出を行うUIDデコーダ66と、ユニークIDのデータ列に対してエラー訂正処理を行うUID-ECCデコーダ67とを備えている。
UID検出部74は、通常の再生装置にユニークID検出用に付加的に設けられるものである。UID検出部74は、ハードウェアでも構成できるし、CPU等で実行されるソフトウェアでも構成することができる。
UID検出部74は、PRMLの等化及び2値化され、1−7パリティ保存変調の復調がされたビット列から、ユニークIDを記録するための追記パタンを生成するためのビット列(12ビットのUID生成ビット列)のデータ内容を検出する。UID検出部74は、12ビットのUID生成ビット列が、追記される前のデータ値(例えば、図13及び図15の第1コラムの値)となっているか、又は、追記された後のデータ値(例えば、図13及び図15の第4コラムの値)となっているかを検出する。検出した結果、そのUIDのビットが“0”であるか“1”であるかを判断する。UID検出部74は、ユニークIDが記録されている全ての領域に対して以上の判断を行い、ユニークIDのビット列を出力する。
このような処理を行うことにより、UID検出部74は、光ディスク1に記録されているユニークIDを検出することができる。
本発明を適用した光ディスクを示した図である。 誤り検出コード(EDC)のフォーマットを示す図である。 誤り訂正コード(ECC)のフォーマットを示す図である。 BISのフォーマットを示す図である。 フィジカルクラスタとリンキングエリアの関係を示す図である。 フィジカルクラスタのデータ構成を示す図である。 データフレームのデータ構成を示す図である。 DC制御ブロック内に設けたUDI生成ビット列を示す図である。 溶融する前の追記パタン及び溶融した後の追記パタンを示す図である。 1-7パリティ保存変調の変調テーブルを示す図である。 データフレームのフレーム同期信号を示す図である。 3T-2T-3Tの追記パタンを生成するためのUID生成ビット列を示す図である。 3T-2T-3TのためのUID生成ビット列を1−7パリティ保存変調してた結果、これを復調した後の情報を表した図である。 4T-2T-2Tの追記パタンを生成するためのUID生成ビット列を示す図である。 4T-2T-2TのためのUID生成ビット列を1−7パリティ保存変調してた結果、これを復調した後の情報を表した図である。 本発明を適用した光ディスクの製造方法のプロセスを示すフォローチャートである。 本発明を適用したUIDカッティング装置のブロック図である。 上記UIDカッティング装置の更に詳細なブロック図である。 本発明を適用した光ディスク再生装置のブロック図である。 本発明を適用した他の構成の光ディスク再生装置のブロック図である。
符号の説明
1 光ディスク、20 UIDカッティング装置、50,70 光ディスク再生装置

Claims (20)

  1. 情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体において、
    記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成された追記領域を有しており、
    上記追記領域内に形成された上記追記パタンは、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状となっており、
    上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さは、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上であり、
    上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成されており、
    上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドは、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料であり、
    上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とが含められており、
    上記所定の複数の位置に設定されている追記領域には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンが存在するか、その部分に全てピットで構成されたパタンが存在するかによって識別されるビット値により表された識別情報が、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射することにより記録されている光記録媒体。
    なお、Tは、1つの変調後ビット列のビット長である。
  2. 上記識別情報は、媒体毎の固有情報である請求項1記載の光記録媒体。
  3. 上記ピット−ランド−ピットの追記パタンは、3T-2T-3Tであり、
    上記情報ビット列には、上記3T-2T-3Tの追記パタンを生成するために、以下の12ビットのビット列のうち1つが含められている請求項1記載の光記録媒体。
    541,641,941,A41,D41,E41,B41,F41
    なお、これらは16進数で表している。
  4. 上記3T-2T-3Tの追記パタンを生成するための12ビットの情報ビット列として、下記(A)群又は(B)群のうち1つが選択され、
    後段8ビットの“41(16進)”を1-7パリティ変調及びNRI-NRZI変換した後にピット−ランド−ピットとなるように、上記12ビットの情報ビット列の2ビット目までをピット又はランドに対応付けた際の最後の部分がピットであるかランドであるかを判断し、その判断結果に応じて極性を反転するか極性を保持するかを判断し、
    極性を反転する場合には下記(A)群、極性を保持する場合には下記(B)群から12ビットのビット列を選択する請求項3記載の光記録媒体。
    (A)群:541,641,941,A41,D41,E41
    (B)群:B41,F41
    なお、これらは16進数で表している。
  5. 上記12ビットの情報ビット列を下記(a)、(b)、(c)、(d)のペアとしたときに、上記情報ビット列中の所定の位置に、下記ペアのうち一方のビット列を配置し、後段8ビットの“41(16進)”を1-7パリティ変調及びNRI-NRZI変換した後にピット−ランド−ピットとならない場合には、ペアのうちの他方のビット列を配置する請求項3記載の光記録媒体。
    (A)群 (B)群
    (a) 941 B41
    (b) A41 B41
    (c) D41 F41
    (d) E41 F41
    なお、これらは16進数で表している。
  6. 上記ピット−ランド−ピットの追記パタンは、4T-2T-2Tであり、
    上記情報ビット列には、上記4T-2T-2Tの追記パタンを生成するために、以下の12ビットのビット列のうち1つが含められている請求項1記載の光記録媒体。
    563,663,963,A63,D63,E63,B63,F63
    なお、これらは16進数で表している。
  7. 上記4T-2T-2Tの追記パタンを生成するための12ビットの情報ビット列として、下記(A)群又は(B)群のうち1つが選択され、
    後段8ビットの“63(16進)”を1-7パリティ変調及びNRI-NRZI変換した後にピット−ランド−ピットとなるように、上記12ビットの情報ビット列の2ビット目までをピット又はランドに対応付けた際の最後の部分がピットであるかランドであるかを判断し、その判断結果に応じて極性を反転するか極性を保持するかを判断し、
    極性を反転する場合には下記(A)群、極性を保持する場合には下記(B)群から12ビットのビット列を選択する請求項6記載の光記録媒体。
    (A)群:563,663,963,A63,D63,E63
    (B)群:B63,F63
    なお、これらは16進数で表している。
  8. 上記12ビットの情報ビット列を下記(a)、(b)、(c)、(d)のペアとしたときに、上記情報ビット列中の所定の位置に、下記ペアのうち一方のビット列を配置し、後段8ビットの“63(16進)”を1-7パリティ変調及びNRI-NRZI変換した後にピット−ランド−ピットとならない場合には、ペアのうちの他方のビット列を配置する請求項6記載の光記録媒体。
    (A)群 (B)群
    (a) 963 B63
    (b) A63 B63
    (c) D63 F63
    (d) E63 F63
    なお、これらは16進数で表している。
  9. 上記追記領域は、変調を行う単位をブロックとしたときに、ブロック中の所定の位置に配置されている請求項1記載の光記録媒体。
  10. 上記追記領域は、上記ブロック中の規定の制御情報を除いたときの最後尾に配置されている請求項9記載の光記録媒体。
  11. 上記ブロック中の上記追記領域以外の情報ビット列は、ランダムデータである請求項9記載の光記録媒体。
  12. 上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドは、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、溶融する請求項1記載の光記録媒体。
  13. 上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドは、アルミニウム又は銀を含む合金で形成されている請求項12記載の光記録媒体。
  14. 情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体に対して、記録トラック中に当該光記録媒体の識別情報を記録するための管理方法であって、
    記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成される追記領域を設定し、
    上記追記領域内に形成される上記追記パタンを、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状とし、上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さを、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上とし、
    上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列を、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成し、
    上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドを、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料とし、
    上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設け、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設け、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とを含め、
    上記所定の複数の位置に設定されている追記領域に対して、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンが存在するか、その部分に全てピットで構成されたパタンが存在するかによって識別されるビット値により表された識別情報を、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射することにより記録する再生専用媒体の識別情報管理方法。
    なお、Tは、1つの変調後ビット列のビット長である。
  15. 情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体を製造する光記録媒体製造装置において、
    記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成された追記領域を有しており、上記追記領域内に形成された上記追記パタンは、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状となっており、上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さは、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上であり、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成されている原盤から生成されたスタンパを用いて、
    上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドが、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料であり、上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とが含められており、上記所定の複数の位置に設定されている追記領域には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンが存在するか、その部分に全てピットで構成されたパタンが存在するかによって識別されるビット値により表された識別情報が、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射することにより記録されている光記録媒体を製造する光記録媒体製造装置。
    なお、Tは、1つの変調後ビット列のビット長である。
  16. 情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体を製造する光記録媒体製造方法において、
    記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成された追記領域を有しており、上記追記領域内に形成された上記追記パタンは、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状となっており、上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さは、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上であり、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成されている原盤から生成されたスタンパを用いて、
    上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドが、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料であり、上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とが含められており、上記所定の複数の位置に設定されている追記領域には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンが存在するか、その部分に全てピットで構成されたパタンが存在するかによって識別されるビット値により表された識別情報が、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射することにより記録されている光記録媒体を製造する光記録媒体製造方法。
    なお、Tは、1つの変調後ビット列のビット長である。
  17. 情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体であって、記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成された追記領域を有しており、上記追記領域内に形成された上記追記パタンは、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状となっており、上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さは、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上であり、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成されており、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドは、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料であり、上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とが含められる再生専用の光記録媒体の記録トラックに対して、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射してデータの書き込みを行う記録手段と、
    上記追記領域に書き込む識別情報を発生する識別情報発生手段とを備え、
    上記記録手段は、上記光記録媒体を再生しながら上記追記領域の追記パタンを順次検出し、追記パタンを検出すると、上記識別情報発生手段から発生された識別情報に応じて、検出した当該追記パタンに対して再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射し、当該追記パタンのランド部分の反射特性を変化させる識別情報記録装置。
    なお、Tは、1つの変調後ビット列のビット長である。
  18. 情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体であって、記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成された追記領域を有しており、上記追記領域内に形成された上記追記パタンは、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状となっており、上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さは、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上であり、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成されており、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドは、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料であり、上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とが含められる再生専用の光記録媒体の記録トラックから、記録情報を再生しながら上記追記領域の追記パタンを順次検出してゆき、
    追記パタンを検出すると、識別情報を発生し、
    発生した識別情報に応じて、検出した当該追記パタンに対して再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射し、当該追記パタンのランド部分の反射特性を変化させる識別情報記録方法。
    なお、Tは、1つの変調後ビット列のビット長である。
  19. 情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体であって、記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成された追記領域を有しており、上記追記領域内に形成された上記追記パタンは、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状となっており、上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さは、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上であり、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成されており、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドは、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料であり、上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とが含められる光記録媒体を再生する再生手段を備え、
    上記再生手段は、上記光記録媒体の各追記領域に形成されている上記追記パタンを読み出し、読み出した上記追記パタンが、ピット−ランド−ピットのパタンとなっているか、全てピットで構成されたパタンとなっているかを判断して、その追記領域のビット値を検出し、上記光記録媒体の複数の位置の追記領域から検出されたビット値に基づき、上記光記録媒体に書き込まれている識別情報を生成する光記録媒体再生装置。
    なお、Tは、1つの変調後ビット列のビット長である。
  20. 情報ビット列に対して、1−7パリティ保存変調をして、NRI−NRZI変換することにより生成された変調後ビット列に対応して、記録トラックに沿って凸部(ランド)と凹部(ピット)とが連続して形成されている再生専用の光記録媒体であって、記録トラック上の所定の複数の位置に、所定の追記パタンが形成された追記領域を有しており、上記追記領域内に形成された上記追記パタンは、3T−2T−3T又は4T−2T−2Tであるピット−ランド−ピットの形状となっており、上記ピット−ランド−ピット追記パタンの長さは、変調後ビット列の最長符号長以下、上記変調後ビット列の最短符号長の3倍以上であり、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの前後の変調後ビット列は、当該ピット−ランド−ピットの追記パタンの部分が、全てピットで構成されたパタンに置き換わったときにも、変調後ビット列の全体が変調の規則に従うように生成されており、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンの真ん中のランドは、再生のためのレーザパワーで照射しても物質的に変化はしないが、再生のためのレーザパワーよりも大きいパワーのレーザ光を照射すると、ピットの反射特性と同等となるような材料であり、上記追記領域に対して上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを記録するための変調前の情報ビット列には、上記ピット−ランド−ピットの追記パタンを生成する追記パタン生成用ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、直前のビット列の変調の影響を後段に与えないようにするための変調終端ビット列と、各上記追記パタン生成用ビット列の前に設けられ、上記追記パタン生成用ビット列に対して上記変調を行うことにより形成されるパタンの極性を制御するための極性制御ビット列とが含められる光記録媒体を再生し、
    上記光記録媒体の各追記領域に形成されている上記追記パタンを読み出し、
    読み出した上記追記パタンが、ピット−ランド−ピットのパタンとなっているか、全てピットで構成されたパタンとなっているかを判断して、その追記領域のビット値を検出し、
    上記光記録媒体の複数の位置の追記領域から検出されたビット値に基づき、上記光記録媒体に書き込まれている識別情報を生成する光記録媒体再生方法。
    なお、Tは、1つの変調後ビット列のビット長である。
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