JP3788635B2 - 漂白定着液の電解処理方法及び装置並びに写真感光材料現像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー写真感光材料の漂白定着処理に使用された使用済み漂白定着液中に浸漬した陽極と陰極とに通電して、銀錯塩として前記使用済み漂白定着液中に溶解している銀を陰極に析出させるとともに、漂白定着処理時に3価から2価に還元された鉄塩を陽極で再酸化して3価の鉄塩に戻す漂白定着液の電解処理方法及び装置並びに前記装置を組み込んだ写真感光材料現像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー写真感光材料の処理は、通常、現像処理、漂白処理、定着処理、水洗処理等の一連の処理により構成されるが、処理効率を高めるために、漂白処理と定着処理とを同時に行う漂白定着処理を採用することが好ましい。
【0003】
ところで、この漂白定着処理に用いる漂白定着液としては、例えば、漂白剤としての鉄3価キレート化合物等の鉄塩や、定着剤としてのハロゲン化銀溶解剤を含む成分組成のものが知られている。
そして、このような漂白定着液でカラー写真感光材料の漂白定着処理を行った場合、漂白定着液中の前記鉄3価キレート化合物はカラー写真感光材料上の現像銀を酸化し、自らは還元されて2価の鉄塩となる。また、前記鉄3価キレート化合物により酸化によって生じた銀イオンは、定着剤として処理液に含まれているハロゲン化銀溶解剤によって処理液中に溶解する。
【0004】
従って、処理を続ける間に、漂白定着液中には、次第に2価の鉄塩と銀錯塩とが蓄積して処理液の活性度が低下し、疲労現象を呈するようになる。これを防止するには、漂白定着槽内の活性度が低下した使用済み漂白定着液を新鮮な漂白定着液に交換すればよいが、その場合に、使用済み漂白定着液をそのまま廃棄することは、環境汚染の防止という点でも、また、資源の浪費を防止するという点でも好ましくない。
そこで、使用済み漂白定着液の活性度を回復させて再使用可能にする処理技術の研究が種々になされている。
なお、ここで述べているように、“使用済み漂白定着液”とは広義な意味であり、本発明においては、処理していない調液直後の母液や補充液ではなく、タンク液(またはランニング液)又そのオーバーフロー液(再利用する液もあるし、再利用せずに有価物回収後廃棄する液もある)を意味する。換言すると感光材料を処理中の液や感光材料の処理に用いた液等を意味するものである。
【0005】
前記使用済み漂白定着液の活性度を回復させて再使用可能にする処理としては、具体的には、使用済み漂白定着液中に溶解している銀を回収し、また、還元された2価の鉄塩を3価に戻すことが考えられる。
そして、これまで、使用済み漂白定着液中に溶解している銀の回収法としては、例えば、
(1)不活性銀塩を形成する試薬を使用済み漂白定着液に添加する方法(銀沈殿法)、
(2)銀よりもイオン化傾向の高い金属と前記使用済み漂白定着液とを接触させる方法(金属置換法)、
(3)使用済み漂白定着液中に溶解してる銀を、電解処理によって陰極上に析出させる方法(電解法)、
(4)イオン交換樹脂を用いる方法(イオン交換法)
などが種々に研究されている。
【0006】
一方、使用済み漂白定着液中の2価の鉄塩を、鉄3価キレート化合物等に戻す酸化処理法としては、例えば、
(a)使用済み漂白定着液に酸化剤を添加する方法(例えば、米国特許3,615,507号、同3,767,401号、西独特許出願(OLS)2,143,314号など)、
(b)酸素接触による方法(例えば、米国特許3,634,088号、同3,700,450号、西独特許出願(OLS)2,113,651号など)、
(c)電解酸化法(例えば、特開昭48−18191号など)
などが種々に研究されている。
【0007】
以上のように、使用済み漂白定着液中に溶解している銀の回収処理や、使用済み漂白定着液中の2価の鉄塩を鉄3価キレート化合物等に戻す酸化処理には、種々の方法が選択可能であるが、銀の回収と2価の鉄塩の酸化との双方に有効で、しかも、2価の鉄塩の酸化に際して、使用済み漂白定着液中の亜硫酸イオンやチオ硫酸イオン等の酸化を抑制する可能性があることから、最近では、電解処理による使用済み漂白定着液の処理法が注目されている。また、上記の電解処理の後、漂白定着処理や電解処理により失われた他の成分を補充するための補充液を必要量添加することもできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、使用済み漂白定着液の活性度を電解処理によって回復させようとすると、次のような点で問題が生じる。
【0009】
即ち、カラー写真感光材料の漂白定着処理に使用された使用済み漂白定着液中に浸漬した陽極と陰極とに通電すると、陰極側では銀錯塩として前記使用済み漂白定着液中に溶解していたハイポ銀が還元されて陰極上に析出する一方、陽極側では2価の鉄塩が酸化されて3価の鉄塩に戻り、使用済み漂白定着液の活性度が次第に回復されることになる。
使用済み漂白定着液の活性度が許容範囲内まで回復したら、使用済み漂白定着液中に浸漬されている陽極及び陰極への通電を停止することになるが、漂白定着液中には銀を溶解させる漂白剤および定着剤が含まれているため、そのまま陰極を使用済み漂白定着液中に浸漬した状態にしておくと、陰極に析出させた銀が活性化した使用済み漂白定着液中に再溶解して、銀の回収率が低下すると同時に、せっかく回復させた活性度が弱まってしまうという問題が発生する。
また、陽極側で3価の鉄塩に再酸化されたものが、通電中に、陰極側で再度2価の鉄塩に還元されるという不都合な事態が起こり得る。
上記の問題により、使用済み漂白定着液に添加する補充液量も必然的に多くなってしまう。
【0010】
陰極に析出させた銀の再溶解を防止する手法として、従来では、使用済み漂白定着液に浸漬させていた陰極及び陽極への通電を停止させたら、できる限り速やかに、電解処理済みの漂白定着液をストックタンクに移したり、あるいは、陰極上に析出した銀が使用済み漂白定着液中に再溶解しない程度に陰極および陽極間にバイアス電流を流す等の対応が取られてきた。
【0011】
ところが、このような対応では、大型のストックタンクの装備や、前記ストックタンクに速やかに処理済みの漂白定着液を移すための大容量の給排ポンプの装備、あるいは、電極に微妙なバイアス電流を流すための電気回路や制御回路の装備によって、装置が大型化したり、あるいは、装置構成が繁雑化するという問題が生じた。
しかも、カラー写真感光材料の漂白定着処理を行う漂白定着槽と電解槽との間で使用済み漂白定着液を循環可能にしておいて、前記漂白定着槽における漂白定着処理と並行して、前記漂白定着槽内の使用済み漂白定着液を順次電解槽側に導いて活性度を回復させた上で再び漂白定着槽に戻すというインライン処理を行うのが困難で、バッチ処理的に使用済み漂白定着液の再生処理を行わなければならないため、処理効率の向上を図ることが困難になるという問題も生じた。
【0012】
また、陽極側で3価に再酸化された鉄塩が通電中に陰極側で再度2価に還元されるという不都合な事態の発生を抑えるべく、従来では、電解槽内を、半透膜等の隔膜で、陽極を入れる陽極室と陰極を入れる陰極室とに分画することが行われている。このような隔膜を装備すると、陽極によって3価の鉄塩に再酸化されたものが陰極によって再度2価の鉄塩に還元されるという不都合な事態を解消することはできるが、隔膜自体が陽極付近の使用済み漂白定着液の循環を弱めて、そのために陽極による2価の鉄塩の酸化処理効率が低下するという新たな問題が生じた。
【0013】
一方、使用済み漂白定着液の電解処理装置は、現像処理装置との一体化の目的で年々小型化が進み、陽極付近の使用済み漂白定着液の循環を改善するために、独立した駆動機構を必要とする大掛かりな攪拌装置を新たに追加することは、きわめて難しい状況にある。
【0014】
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することにあり、使用済み漂白定着液、特に漂白剤としての鉄塩を含みカラー写真感光材料の漂白定着処理に使用された使用済み漂白定着液の活性度を回復させる電解処理に際して、大きなストックタンクや攪拌装置等を装備する必要が無く、装置の小型化を図ることができる漂白定着液の電解処理方法及び装置を提供すること、さらには、漂白定着槽におけるカラー写真感光材料の漂白定着処理中に、前記漂白定着槽内の使用済み漂白定着液を順次電解槽側に導いて活性度を回復させた上で再び漂白定着槽に戻すというインライン処理が可能で、カラー写真感光材料の処理効率を大幅に向上させることができる漂白定着液の電解処理方法及び装置、ならびに電解処理装置を組込んだ写真感光材料現像処理装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は下記構成により達成される。
(1)カラー写真感光材料の漂白定着処理に使用された使用済み漂白定着液中に浸漬した陽極と陰極とに通電して、銀錯塩として前記使用済み漂白定着液中に溶解している銀を陰極に析出させる漂白定着液の電解処理方法であって、
非通電時には陰極を使用済み漂白定着液から離脱させることを特徴とした漂白定着液の電解処理方法。
(2) カラー写真感光材料の漂白定着処理に使用された使用済み漂白定着液の電解処理方法において、前記使用済み漂白定着液中に浸漬した陽極と陰極とに通電し、銀錯塩として前記使用済み漂白定着液中に溶解している銀の所定量を陰極に析出させ、通電終了後に前記陰極を使用済み漂白定着液から離脱させることを特徴とした漂白定着液の電解処理方法。
(3)前記陰極の使用済み漂白定着液からの離脱が、前記陰極を前記漂白定着液に対して所定量上昇させることを特徴とする前記(2)記載の漂白定着液の電解処理方法。
(4)前記陰極の使用済み漂白定着液からの離脱が、前記漂白定着液を前記陰極に対して所定量下降させることを特徴とする前記(2)記載の漂白定着液の電解処理方法。
(5)陰極に析出させる銀の所定量が、前記漂白定着液の銀濃度により検知されることを特徴とする前記(2)記載の漂白定着液の電解処理方法。
【0016】
(6)陽極と陰極とへの通電が、前記漂白定着液を隔膜により分画した陽極室と陰極室との間で行われることを特徴とする前記(2)記載の漂白定着液の電解処理方法。
(7)少なくとも通電時に前記陽極室内を攪拌することを特徴とする前記(6)記載の漂白定着液の電解処理方法。
(8)少なくとも通電時に前記陽極室内の漂白定着液を陰極室に移送することを特徴とする前記(6)記載の漂白定着液の電解処理方法。
(9)カラー写真感光材料の漂白定着処理に使用された使用済み漂白定着液を貯留する電解槽と、前記電解槽内の使用済み漂白定着液中に浸漬される陰極及び陽極と、前記陰極及び陽極に通電する電源と、前記陰極を電解槽内の使用済み漂白定着液に対して浸漬又は離脱させる陰極離脱機構とを具備したことを特徴とした漂白定着液の電解処理装置。
(10)前記陰極離脱機構が、前記電解槽に対して陰極を昇降可能に支持し、電解槽に対して陰極を所定量上昇させることで、前記陰極の使用済み漂白定着液からの離脱を実現することを特徴とした前記(9)に記載の漂白定着液の電解処理装置。
【0017】
(11)前記陰極離脱機構が、前記陰極に対して電解槽を昇降可能に支持し、前記陰極に対して前記電解槽を所定量降下させることで、前記陰極の使用済み漂白定着液からの離脱を実現することを特徴とした前記(9)に記載の漂白定着液の電解処理装置。
(12)前記電解槽内が、前記槽内を仕切る隔膜によって、貯留している使用済み漂白定着液中に前記陰極が浸漬される陰極室と、貯留している使用済み漂白定着液中に前記陽極が浸漬される陽極室とに分画されていることを特徴とした前記(9)に記載の漂白定着液の電解処理装置。
(13)電解槽内の陽極室に攪拌装置を有することを特徴とした前記(12)に記載の漂白定着液の電解処理装置。
(14)前記陽極室には、前記陽極室の漂白定着液を循環させる第1の処理液循環ポンプが装備され、前記第1の処理液循環ポンプが前記処理液撹拌手段としての機能を果たすことを特徴とした前記(13)に記載の漂白定着液の電解処理装置。
【0018】
(15)前記陰極が回転駆動される中空円筒状を呈し、前記隔膜が円筒状に陰極室と陽極室を分画する構造を有し、陽極室の処理液を攪拌する処理液攪拌手段として、前記陰極の回転駆動手段によって前記陽極室内を回転駆動される攪拌羽根が装備されたことを特徴とする前記(13)に記載の漂白定着液の電解処理装置。
(16)陽極室の漂白定着液を陰極室に移送する移送手段を有することを特徴とした前記(12)に記載の漂白定着液の電解処理装置。
(17)カラー写真感光材料の漂白定着処理を行う漂白定着槽中の使用済み漂白定着液を前記電解槽の陰極室に供給すると共に前記電解槽の陽極室内の使用済み漂白定着液を前記漂白定着槽に戻すことによって、前記電解槽と漂白定着槽との間で使用済み漂白定着液を循環させる処理液循環手段を備えたことを特徴とした前記(16)に記載の漂白定着液の電解処理装置。
(18)使用済み漂白定着液の銀濃度を検知する銀濃度検知手段を有することを特徴とする前記(9)に記載の漂白定着液の電解処理装置。
【0019】
(19)カラー写真感光材料の現像処理装置の漂白定着槽における漂白定着処理に並行して使用済み漂白定着液の電解処理を行う漂白定着液を用いた処理方法において、
前記漂白定着槽内の使用済み漂白定着液中の銀濃度が上限規定濃度に上昇するまでは、電解処理用の陰極を使用済み漂白定着液と接触しないように電解処理用の電解槽の上方に待機させておき、
前記漂白定着槽内の使用済み漂白定着液中の銀濃度が上限規定濃度に上昇したら、前記漂白定着槽と前記電解槽との間で使用済み漂白定着液を循環させるとともに、前記陰極を電解槽内の使用済み漂白定着液中に浸漬させ、さらに使用済み漂白定着液中の電解処理用の陽極及び陰極に通電を開始することによって、前記陰極に銀を析出させる電解処理を開始し、
前記漂白定着槽内の使用済み漂白定着液中の銀濃度が規定濃度範囲内に下がったら、使用済み漂白定着液中の前記陽極及び陰極への通電を止めて前記陰極に銀を析出させる電解処理を終了させるとともに、速やかに前記陰極を使用済み漂白定着液から離脱させ、さらに、前記漂白定着槽と前記電解槽との間で使用済み漂白定着液の循環を停止させることを特徴とする漂白定着液を用いた処理方法。
【0020】
(20)カラー写真感光材料の現像処理装置の漂白定着槽における漂白定着処理に並行して使用済み漂白定着液の電解処理を行う漂白定着液を用いた処理方法において、
電解処理用の陰極を使用済み漂白定着液と接触しないように電解処理用の電解槽の上方に待機させておき、
前記漂白定着槽内の使用済み漂白定着液中の銀濃度が上限規定濃度に上昇したら、前記電解槽と漂白定着槽との間での使用済み漂白定着液の循環を開始して所定量の使用済漂白定着液を前記電解槽に導入し、
前記陰極を電解槽内の使用済み漂白定着液中に浸漬させ、さらに使用済み漂白定着液中の電解処理用の陽極及び陰極に通電を開始することによって、前記陰極に銀を析出させる電解処理を開始し、
前記電解槽内の使用済み漂白定着液中の銀濃度が規定濃度範囲内に下がったら、使用済み漂白定着液中の陽極及び陰極への通電を止めて前記陰極に銀を析出させる電解処理を終了させるとともに、速やかに前記陰極を使用済み漂白定着液から離脱させることを特徴とする漂白定着液を用いた処理方法。
【0021】
(21)カラー写真感光材料を漂白定着処理する漂白定着槽を有する現像処理装置において、使用済み漂白定着液を貯留する電解槽と、前記電解槽内の使用済み漂白定着液中に浸漬される陰極及び陽極と、前記陰極及び陽極に通電する電源と、前記陰極を電解槽内の使用済み漂白定着液に対して浸漬又は離脱させる陰極離脱機構とを具備した漂白定着液の電解処理装置が、前記漂白定着槽との間で、前記使用済み漂白定着液の循環が可能となるように連結していることを特徴とする写真感光材料現像処理装置。
(22)前記漂白定着槽または電解槽に使用済み漂白定着液の銀濃度を検知する銀濃度検知手段を有し、前記漂白定着液の銀濃度測定結果のフィードバックによる制御プログラムに基づいて、前記漂白定着槽と電解槽との間の前記漂白定着液の循環の終始および前記陰極が前記使用済み漂白定着液から離脱する時間を制御する制御手段を有することを特徴とする前記(21)記載の写真感光材料現像処理装置。
【0022】
(23)電解槽に陽極室と陰極室とに分画する隔膜および前記陽極室中に攪拌手段とを有し、前記漂白定着液の銀濃度測定結果のフィードバックによる制御プログラムに基づいて、陽極室の前記漂白定着液処理液の攪拌強度を制御する制御手段を有することを特徴とする前記(22)記載の写真感光材料現像処理装置。
【0023】
本発明の上記構成によれば、電解処理を終了して陰極および陽極への通電を止める非通電時には、陰極を使用済み漂白定着液から離脱させて、陰極に析出した銀が使用済み漂白定着液に再溶解することを防止するもので、電解処理済みの使用済み漂白定着液を別のストックタンクに移し替えることで陰極に析出した銀が使用済み漂白定着液に再溶解することを防止するようにしていた従来の装置と比較すると、大きなストックタンク等を装備する必要が無く、例えば陰極を電解槽に対して昇降させる陰極離脱機構を追加装備するなどの小規模な機構の追加のみで陰極に析出した銀が使用済み漂白定着液に再溶解することを防止することができる。
【0024】
また、電解処理装置の電解槽を、該槽内を仕切る隔膜によって、貯留している使用済み漂白定着液中に前記陰極が浸漬される陰極室と、貯留している使用済み漂白定着液中に前記陽極が浸漬される陽極室とに分画した構成とした場合には、電解処理中に、陰極における還元作用が陽極における酸化作用で3価の変換された鉄塩を2価の鉄塩に戻してしまうという効力の相殺現象が起こることを防止できる。
【0025】
さらに、隔膜で分画した陽極室に処理液撹拌手段を設けることによって、陽極室内の使用済み漂白定着液が積極的に撹拌される結果、陽極に接触する使用済み漂白定着液は、隔膜の装備に拘らず、速やかに交換されるようになる。
例えば、隔膜によって画成された陽極室に、その中の漂白定着液を循環させる第1の処理液循環ポンプを装備し、該第1の処理液循環ポンプを前記処理液撹拌手段としての機能を果たす構成とした場合には、前記処理液撹拌手段として専用の機構や駆動手段が一切必要にならず、装置の小型化等を犠牲にせずに、僅かな改造で陽極周囲の使用済み漂白定着液の循環を促進させることができる。
【0026】
また他の例としては、電解槽内の使用済み漂白定着液に浸漬される陰極が回転駆動される中空円筒状を呈し、かつ、前記隔膜が前記陰極の内周側に位置する内筒膜と前記陰極の外周側に位置する外筒膜とを具備した2重円筒構造を呈して前記陰極の内周側および外周側のそれぞれに前記陽極室を区画形成する構造を呈し、前記処理液撹拌手段として、前記陰極の回転駆動手段によって前記陽極室内を回転駆動される撹拌羽根が装備された構成とする場合には、前記陰極の回転駆動手段が処理液撹拌手段の駆動手段として兼用されることになり、前記処理液撹拌手段用に専用の駆動手段が必要にならず、前記陰極に取付可能な撹拌羽根を追加するのみでよく、この場合にも、装置の小型化等を犠牲にせずに、僅かな改造で陽極周囲の使用済み漂白定着液の循環を促進させることができる。
【0027】
さらに、カラー写真感光材料の漂白定着処理を行う漂白定着槽中の使用済み漂白定着液を前記電解槽の陰極室に供給すると共に前記電解槽の陽極室内の使用済み漂白定着液を前記漂白定着槽に戻すことによって、前記電解槽と漂白定着槽との間で使用済み漂白定着液を循環させる処理液循環手段を備えるだけで、漂白定着槽におけるカラー写真感光材料の漂白定着処理中に、該漂白定着槽内の使用済み漂白定着液を順次電解槽側に導いて活性度を回復させた上で再び漂白定着槽に戻すというインライン処理が可能になる。これは、本発明の電解処理装置が現像機の漂白定着槽と連結した態様を示すものであり、より発展させると、本発明の電解処理装置が現像機の漂白定着槽と一体となったもの、即ち現像機と一体となったものとすることができ、本発明の電解処理装置の設置がよりコンパクトに達成される。
【0028】
より高度には、使用済み漂白定着液のAg濃度の測定結果により、通電および陰極離脱の時期並びに陽極室の攪拌強度を制御する制御回路を主体とするフィードバック機構を設けることにより、カラー写真感光材料の現像処理と使用済み漂白定着液の機能回復が自動運転により行われる写真感光材料の自動現像処理装置とすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る漂白定着液の電解処理装置の一実施例を示したもので、図2は図1に示した電解処理装置を用いた漂白定着液の電解処理方法の処理手順を示したものである。
【0030】
この一実施例の電解処理装置は、カラー写真感光材料の漂白定着処理に使用された使用済み漂白定着液1を貯留する電解槽2と、前記電解槽2内の使用済み漂白定着液1中に浸漬される陰極3及び陽極4と、前記使用済み漂白定着液1中に浸漬されている陰極3及び陽極4に通電する電源5と、前記陰極3を電解槽2内の使用済み漂白定着液1に対して浸漬又は離脱させる陰極離脱機構6と、前記電解槽2に隣接して装備されてカラー写真感光材料7の漂白定着処理を行う漂白定着槽8と、該漂白定着槽8内の漂白定着液1中の銀濃度を検出する銀濃度検出センサ9と、前記電解槽2と漂白定着槽8との間で使用済み漂白定着液1を循環させる処理液循環手段10と、前記銀濃度検出センサ9の検出値に基づいて前記陰極離脱機構6および電源5および処理液循環手段10の動作を制御する制御回路11とを具備した構成である。
【0031】
ここに、前記電解槽2は、前記漂白定着槽8側とは完全に仕切られているが、その仕切っている外壁は互いに繋がっている。即ち、この一実施例では、電解槽2と漂白定着槽8とは、一体形成された構造を呈している。
また、前記電解槽2内は、該槽内を仕切る隔膜13によって、貯留している使用済み漂白定着液1中に前記陰極3が浸漬される陰極室14と、貯留している使用済み漂白定着液1中に前記陽極4が浸漬される陽極室15とに分画されている。
【0032】
そして、電解槽2と漂白定着槽8との間の仕切壁17と前記隔膜13とは、前記漂白定着槽8内に所定以上に漂白定着液1が補充されると、余分な漂白定着液1が前記陰極室14内にオーバーフローし、さらに、前記漂白定着槽8から陰極室14に供給される漂白定着液1が所定以上になると余分な漂白定着液1が前記陰極室14から陽極室15にオーバーフローするように、高さ寸法等の設定がなされている。
【0033】
前記隔膜13は、電子,液体を通過させるが、大きなイオンや分子を透過しない材質で作られていることが望ましい。かかる材質の例として、半透膜(例えば、表面が加水分解されたセルロースアセテート、セロハン、フェロシアン化銅膜、膀胱膜、腸壁膜、寒天膜など)、石綿板、素焼板、ガラス板、焼結ガラス、ガラスウール、不織布、微孔性合成高分子膜(例えば、ポリ塩化ビニール膜、ポリスチレン膜、ポリサルフォン膜、ポリエステル膜、塩素化エチレン膜、ポリフッ化ビニリデン膜、ポリプロピレン膜など)を挙げることができる。
【0034】
前記陰極離脱機構6は、この一実施例の場合は、前記電解槽2に対して陰極3を昇降可能に支持し、電解槽2に対して陰極3を所定量上昇させることで、前記陰極3の使用済み漂白定着液1からの離脱を実現するもので、前記陰極3の上端に連結された絶縁性の紐体20と、前記陰極3の昇降位置を定めている滑車21と、前記紐体20を前記制御回路11からの制御信号に従って出し入れするドラム22等から構成されている。
【0035】
前記処理液循環手段10は、前記陽極室15内の漂白定着液1を漂白定着槽8の上部に供給するための管路24と、前記制御回路11に制御されて陽極室15内の漂白定着液1を前記管路24を介して漂白定着槽8に送る循環ポンプ25とを具備し、前述した隔膜13,仕切壁17によるオーバーフロー機構との協働によって、電解槽2と漂白定着槽8との間での漂白定着液1の循環を実現する。
【0036】
前記制御回路11は、前記電源5、陰極離脱機構6、処理液循環手段10の動作を前記銀濃度検出センサ9の検出信号に基づいて制御することで、前記漂白定着槽8内でカラー写真感光材料7の漂白定着処理中に、並行して電解槽2において使用済み漂白定着液1の電解処理を実施するインライン処理を実現する。
図2は、前記制御回路11によって実現される電解処理の手順を示したものである。
【0037】
即ち、この一実施例の装置では、前記銀濃度検出センサ9の検出信号によって漂白定着槽8内の使用済み漂白定着液1に溶解している銀濃度を監視していて、前記漂白定着槽8内の使用済み漂白定着液1中の銀濃度が上限規定濃度に上昇するまでは、前記陰極3は使用済み漂白定着液1と接触しないように前記電解槽2の上方に待機させておくと共に、前記処理液循環手段10は作動停止状態(即ち、循環ポンプ25が作動停止状態)として、前記電解槽2と漂白定着槽8との間での使用済み漂白定着液1の循環を停止させておく(ステップ100)。
【0038】
そして、前記漂白定着槽8内の使用済み漂白定着液1中の銀濃度が上限規定濃度に上昇したら、前記処理液循環手段10の作動を開始させて前記電解槽2と漂白定着槽8との間での使用済み漂白定着液1の循環を開始させるとともに(ステップ101)、前記陰極離脱機構6によって前記陰極3を電解槽2内の使用済み漂白定着液1中に浸漬させ(ステップ102)、さらに使用済み漂白定着液1中の陽極4及び陰極3に通電を開始することによって(ステップ103)、前記陰極3に銀を析出させる電解処理を開始する。
【0039】
そして、前記漂白定着槽8内の使用済み漂白定着液1中の銀濃度が規定濃度範囲内に下がったら、使用済み漂白定着液1中の陽極4及び陰極3への通電を止めて前記陰極3に銀を析出させる電解処理を終了させるとともに(ステップ104,105,106)、前記陰極離脱機構6によって速やかに前記陰極3を使用済み漂白定着液1から離脱させ(ステップ107)、さらに、前記処理液循環手段10の作動を停止して(ステップ108)、前記電解槽2と漂白定着槽8との間での使用済み漂白定着液1の循環を停止させる。さらに必要に応じて、図示しない補充液添加手段により、漂白定着処理や電解処理により失われた他の成分を補充するための補充液を添加することができる。
【0040】
本発明において、電解処理を開始するための漂白定着液1中の銀の「上限規定濃度」とは、漂白定着液中の銀濃度が大幅に増加することにより漂白定着能が低下してしまう銀濃度である。また、本発明において、電解処理を停止するための漂白定着液1中の銀の「規定濃度範囲」とは、漂白定着能を良好に維持しつづけることのできる銀濃度である。この範囲内であれば硫化といった現象が生じることなく、脱銀不良といった問題も生じることなく、実用的に問題のない漂白定着処理(脱銀処理)を行うことができる。
これらの濃度や範囲は、処理する感光材料や漂白定着液の種類によって異なるが、あらかじめ実験によって容易に求めることができるものである。
前記「上限規定濃度」の具体的数値は特に限定されず、目的により適宜設定されるものであるが、目安としては、カラーネガフィルムの漂白定着処理を行う場合はAg+ として10g/リットル好ましくは5g/リットル、カラー印画紙の漂白定着処理を行う場合はAg+ として15g/リットル好ましくは10g/リットルである。前記「規定濃度範囲」も、特に限定されず目的により適宜設定されるものであるが、実際に電解処理を停止するための銀濃度値の目安としては、カラーネガフィルムの漂白定着処理を行う場合はAg+ として5g/リットル好ましくは2g/リットル、カラー印画紙の漂白定着処理を行う場合はAg+ として5g/リットル好ましくは2g/リットルである。
【0041】
即ち、一実施例の電解処理方法は、電解処理を終了して陰極3および陽極4への通電を止める非通電時には、陰極3を使用済み漂白定着液1から離脱させて、陰極3に析出した銀が使用済み漂白定着液1に再溶解することを防止するもので、電解処理済みの使用済み漂白定着液を別のストックタンクに移し替えることで陰極に析出した銀が使用済み漂白定着液に再溶解することを防止するようにしていた従来の装置と比較すると、大きなストックタンク等を装備する必要が無く、一実施例のように、陰極3を電解槽2に対して昇降させる陰極離脱機構6を追加装備するなどの小規模な機構の追加のみで、陰極3に析出した銀が使用済み漂白定着液1に再溶解することを防止することができ、装置の小型化を図ることができる。さらに、漂白定着処理や電解処理により失われた他の成分を補充するための補充液の補充量を、従来の技術に比べて漂白定着液の劣化やストックタンク等の容積が少ない分、1/5〜1/10にまで減らすことができる。
【0042】
また、電解処理装置の電解槽2内は、該槽内を仕切る隔膜13によって、貯留している使用済み漂白定着液1中に前記陰極3が浸漬される陰極室14と、貯留している使用済み漂白定着液1中に前記陽極4が浸漬される陽極室15とに分画されているため、電解処理中に、陰極3における還元作用が陽極4における酸化作用で3価の変換された鉄塩を2価の鉄塩に戻してしまうという効力の相殺現象が起こることを防止でき、使用済み漂白定着液1の活性度の回復を速やかに行うことが可能になる。
【0043】
さらに、前記電解槽2と漂白定着槽8との間で使用済み漂白定着液1を循環させる処理液循環手段10を備えていて、漂白定着槽8におけるカラー写真感光材料7の漂白定着処理中に、該漂白定着槽8内の使用済み漂白定着液1を順次電解槽2側に導いて活性度を回復させた上で再び漂白定着槽8に戻すというインライン処理が可能になり、カラー写真感光材料7の処理効率を大幅に向上させることが可能になる。
【0044】
また、前述の一実施例の陰極離脱機構6は、電解槽2に対して陰極3を昇降させる構成としたが、逆に、前記陰極3に対して電解槽2を昇降可能に支持し、前記陰極3に対して前記電解槽2を所定量降下させることで、前記陰極3の使用済み漂白定着液1からの離脱を実現する構成としてもよい。
【0045】
また、前記陰極離脱機構6の具体的の構成は、前述の一実施例のものに限定するものではなく、公知の種々の昇降機構を応用することができる。
また、前述の一実施例では、隔膜13により電解槽2内を分画したが、隔膜13を省略した構成としても、装置の小型化等の目的は達成することができる。
また、処理液循環手段10の具体的な構成も、前述の一実施例の構成に限定するものではない。
【0046】
また、前述の一実施例では、銀濃度検出センサ9によって漂白定着槽8内の使用済み漂白定着液1の銀濃度を監視することによって、電解処理の必要な時期を求めたが、銀濃度検出センサ9を使用せず、前記漂白定着槽8におけるカラー写真感光材料7の処理数量(処理本数)や処理時間が一定量に達する度に、タイマー等を使って一定時間の電解処理を繰り返すようにしてもよい。また、銀濃度に関わらず、適宜必要に応じて、銀除去のための電解処理の開始および終了時期を決定してもよい。
また、前述の一実施例では、電解処理中は処理液循環手段10が常に作動しており、使用済み漂白定着液1は常に電解槽2と漂白定着槽8との間で循環しているが、処理液循環手段10は所定量の使用済み漂白定着液1を電解槽2に導入した後に停止してもよい。そして、電解槽2に所定量の使用済み漂白定着液1が導入されると、電解槽2では、銀濃度が規定濃度範囲になるまで電解処理が行われるようになっている。電解処理時間は、タイマーによって設定されてもよく、また電解槽2の陰極室側に銀濃度検出センサを設けて濃度を監視してもよい。この処理のフローチャートは、図2においてステップ108の循環ポンプ作動停止が、テップ101の後に来たものとなる。
【0047】
また別の実施例として、カラーネガ現像機に本発明による電解処理装置を組み込んだ例を図5に示す。
現像機201は現像槽205、漂白定着処理槽204、水洗槽203から成り現像槽205から水洗槽203へとハロゲン化銀感光材料202を搬送し処理する。漂白定着処理槽204内の使用済み漂白定着液1はオーバーフローして、電解処理槽2の陰極室14に定量的に移送され、銀の除去がなされ、陽極室15にオーバーフローして移動する。陽極室15の液は移送ポンプ73で再び漂白定着処理槽204に移送される。電解処理後の漂白定着液1は、陽極室15から処理液移送ポンプ73で移送され漂白定着処理槽204→電解槽2の陰極室14→電解槽2の陽極室15→漂白定着処理槽204の循環系が完成する。
各部所における漂白定着液1のオーバーフローが少ない時は、電解槽2内のイオン量が不均一になり、電解除去効率は低下するという問題が発生することがある。しかし、移送ポンプ73bにより陽極室15の漂白定着液1を陰極室14に移送するよってこの問題を解決することができる。
【0048】
なお、本発明でいう「陽極室の漂白定着液を陰極室に移送する」とは、前記のようにオーバーフローが不十分な場合の他に、陰極室14から陽極室15へのオーバーフローが十分な場合には、漂白定着液1が処理液循環手段により陽極室15から漂白定着槽104を経て陰極室14に入ることも意味する。
上記の本発明の電解処理装置を組み込んだカラーネガ現像機の一例の外観斜視図を図6に示す。このカラーネガ現像機201は、本体側部に突出した電解処理槽2を有するものであり、コンパクト化されたものである。なお、工夫により電解処理槽2が突出しない構造とすることも可能であり、これにより該現像機の設置等がより好都合になる。
また図5に示す装置は、陽極室15の漂白定着液を循環させるための第1の処理液循環ポンプ71を有している。
【0049】
なお、前述の一実施例の陰極3および陽極4の形状は、図1では棒状または板状に図示されているが、特に限定されず、図3に示すように中空円筒形の形状をしていてもよい。
この他の実施例の電解処理装置は、カラー写真感光材料の漂白定着処理に使用された使用済み漂白定着液1を漂白定着槽8から受け取って貯留する電解槽30と、前記電解槽30内を仕切って陰極室と陽極室とを分画する隔膜32と、前記陰極室内の使用済み漂白定着液1中に浸漬される陰極34と、前記陽極室内の使用済み漂白定着液中に浸漬される陽極36と、使用済み漂白定着液中1に浸漬されている陰極34及び陽極36に通電する図示略の電源と、前記陽極室内の使用済み漂白定着液1を撹拌する処理液撹拌手段38とを備えた構成である。
電解槽30には、前記陰極34を回転自在に支える陰極支持軸42及びこの陰極支持軸42を回転駆動するモータ(図3に示さず。以下単に陰極回転モータと称する)とが内蔵されている。処理液撹拌手段38は陰極34と共に回転駆動される。
【0050】
この実施例の場合、陰極支持軸42を上昇させることにより、陰極34を使用済み漂白定着液1から離脱するように構成されている。
この実施例の装置における陰極34の使用済み漂白定着液1からの離脱機構を、この実施例の装置の断面構造図である図4を用いて更に詳細に説明する。この実施例では、陰極34の使用済み漂白定着液1からの離脱はボールネジ52を利用して実現させている。この装置の陰極34の回転は陰極回転モータ54で成されている。陰極34への通電はスリップリング55を介して供給される。陰極34を漂白定着液1から離脱するには陰極上下動モータ51を回転させ、ボールネジ52を回転させることでボールナット53を上又は下に移動させる。このボールナット53は陰極回転モータと結合して一体となって上下に移動するものである。陰極上下動モータ51を回転させボールナット53を上又は下に移動させることにより陰極回転モータ54ごと上下することで、陰極34の使用済み漂白定着液1に対する離脱および浸漬が達成される。もちろんボールネジ52及びボールナット53の噛合部はボールネジでも台型ネジでもよい。
【0051】
前述の通り、離脱させる方法としてここでは陰極34を上昇し、離脱される電解処理槽2を降下させて離脱させる方法で、陰極34を使用済み漂白定着液より引はなすことに帰結する。
【0052】
又電解処理槽を上下することで陰極を離脱させる方法が考えられるが、モータのパワーが大きくなる。液を入れた電解処理槽を移動する時の挙動など充分配慮をする必要があるが、新しい概念であり機械的にも可能性は大きい。
陰極ドラムを上昇させるのは上下運動モーターとその機構を設ければ達成され、上下移動機構は機械構造的にはきわめて一般的でリニアモーターによる方法、スクリューネジ、ボールネジによる方法、リンク機構による方法、エアーシリンダー、油圧シリンダーによる方法、ベルト、プーリーなどによる方法等さまざま考えられる。特にスクリューネジ、エアーシリンダーによる方法はリニアアクチュエーターや、エアーシリンダーとして各種仕様の安価で高性能な商品が上市されている。
【0053】
図7は、今回の実施例としてモーターアクチュエーターを利用した陰極離脱機構を示す図である。
基礎ベース80にアクチュエーター81が支台されアクチュエーターモーター82の回転によりアクチュエーター81の腕が変位し、移動ベース83が上下に変位する。移動ベース83は基礎ベース80よりの支軸84で上/下に変位可能な構造であり、該移動ベース83には陰極支持軸42、陰極回転モーター、陰極駆動系プリー85などが取付けられ、陰極支持軸42の先端には陰極34が取付けられ移動ベース83が上/下するとこれらが全体で上/下し陰極34が上昇降下することになる。陰極支持軸42には導電性ブラシ86が取付けられ、通電用DC電源87からマイナス電極が与えられることになる。
アクチュエーター81は各社より各仕様のものが上市されており、例えばKSS社、日本コスモテック社などがある。特にKSS社のボールネジユニットは過負荷になると変位が停止するので位置検出が不要などラフな制御で当初の目的が達成される。
【0054】
また、前記陰極34は、図3に示すように、中空円筒状を呈し、円筒の上部に橋渡しされた板棒状の取付部44が前記陰極支持軸42によって支持されて、前記モータによって回転駆動される。
また、前記隔膜32は、前記陰極34の内周側に位置する内筒膜32aと前記陰極34の外周側に位置する外筒膜32bとを具備した2重中空円筒構造を呈しており、前記陰極34の内周側および外周側のそれぞれに前記陽極室を区画形成する。
前記陽極36は、前記外筒膜32bの外側を取り巻くように配置される外周側陽極部材36aと、前記内筒膜32aの内側を取り巻くように配置される内周側陽極部材36bとを具備した構成とされている。
【0055】
本発明の漂白定着液の電解処理方法及び装置と併せて使用されるカラー写真感光材料としては、カラーネガフィルム、カラー反転フィルム、カラーポジフィルム、カラー印画紙、カラー反転印画紙等の他、磁気記録層を有した感光材料も好ましく用いることができる。
磁気記録層を有した感光材料については、米国特許5,336,589、同5,250,404、同5,229,259、同5,215,874、EP466130Aに記載されている。
磁気記録層を有した感光材料の記録層は、バインダー中に磁性粒子(好ましくは、Co被覆強磁性酸化鉄など)を分散したものからなり、また光学的に透明であり感光材料の全面に設けられていることが好ましい。磁性粒子は、特開平6−161032号に記載されたようにカップリング剤で処理されていてもよい。バインダーとしては、特開平4−219569号などに記載重合体を好ましく用いることができる。また、この記録層は、どこに設けられていてもよいが、好ましくは、支持体に対して乳剤層とは反対側(バック層)に設けることが好ましい。この記録層の上層には滑り剤を含有した層が設けられていること、支持体に対して感光性乳剤層側の最外層にはマット剤を含有することなどが好ましい。
【0056】
また、該感光材料は、現像処理後にもアンチスタチック性を付与するために、帯電防止剤を含有していることが好ましく、帯電防止剤としては、導電性金属酸化物、イオン性ポリマーが好ましい。帯電防止剤は、電気抵抗が25℃、10%RHの条件下、1012Ω・cm以下となるように用いることが好ましい。
また、該感光材料に用いられる支持体としては、巻き癖が改良され薄層化されたポリエステル支持体が好ましい。厚みとしては、50〜105μmが、素材としては、ポリエチレン芳香族ジカルボキシレート系ポリエステル(好ましくは、ベンゼンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールを主原料としたもの)が好ましい。ガラス転移温度が、50〜200℃のものが好ましい。また、支持体の表面処理として、紫外線照射処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理が好ましい。また、支持体への下塗り層を付与する前ないし後から乳剤層塗布前の間に、40度〜支持体のガラス転移温度の範囲で0.1〜1500時間熱処理されることが好ましい。支持体の他、感光材料、現像処理、カートリッジなどについては、公開技報、公技番号94−6023(発明協会刊、1994年)に記載されている。
【0057】
本発明の電解処理方法及び装置に適用される漂白定着液は、漂白剤としての鉄塩と、定着剤としてのハロゲン化銀溶剤を有している。
漂白剤としての鉄塩は、第二鉄イオンとアミノポリカルボン酸又はその塩(キレート剤)との錯体であるアミノポリカルボン酸第二鉄の錯塩である。本発明に用いることのできる漂白剤としては、例えば特開昭51−23732号公報に記載されているものを挙げることができる。
定着剤としてのハロゲン化銀溶剤は、例えば、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオ尿素類、チオグリコール類、分子中に硫黄および酸素を含む水溶性有機ジオール類(例えば3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール)等を挙げることができる。
また、漂白定着液の中には、その他の一般的な漂白定着液添加物、例えばpH緩衝性の塩類、膨潤抑制性の塩類、又は亜硫酸塩のような安定剤を含有させることができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の漂白定着液の電解処理方法及び装置によれば、電解処理を終了して陰極および陽極への通電を止める非通電時には、陰極を使用済み漂白定着液から離脱させて、陰極に析出した銀が使用済み漂白定着液に再溶解することを防止するもので、電解処理済みの使用済み漂白定着液を別のストックタンクに移し替えることで陰極に析出した銀が使用済み漂白定着液に再溶解することを防止するようにしていた従来の装置と比較すると、大きなストックタンク等を装備する必要が無く、例えば陰極を電解槽に対して昇降させる陰極離脱機構を追加装備するなどの小規模な機構の追加のみで陰極に析出した銀が使用済み漂白定着液に再溶解することを防止することができ、装置の小型化を図ることができる。さらに、漂白定着処理や電解処理により失われた他の成分を補充するための補充液の補充量を、漂白定着液の劣化やストックタンク等の容積が少ない分、大幅に減らすことができる。
【0059】
また、電解処理装置の電解槽を、該槽内を仕切る隔膜によって、貯留している使用済み漂白定着液中に前記陰極が浸漬される陰極室と、貯留している使用済み漂白定着液中に前記陽極が浸漬される陽極室とに分画した構成とした場合には、電解処理中に、陰極における還元作用が陽極における酸化作用で3価の変換された鉄塩を2価の鉄塩に戻してしまうという効力の相殺現象が起こることを防止でき、使用済み漂白定着液の活性度の回復を速やかに行うことが可能になる。
さらに、陽極室に処理液撹拌手段を設けることによって、陽極室内の使用済み漂白定着液が積極的に撹拌される結果、陽極に接触する使用済み漂白定着液は、隔膜の装備に拘らず、速やかに交換されるようになる。該撹拌手段としては、陽極室中の漂白定着液を循環させる第1の処理液循環ポンプを前記処理液撹拌手段としての機能を果たす構成として装備したり、電解槽内の使用済み漂白定着液に浸漬される陰極が回転駆動される中空円筒状を呈し、かつ、前記隔膜が前記陰極の内周側に位置する内筒膜と前記陰極の外周側に位置する外筒膜とを具備した2重円筒構造を呈して前記陰極の内周側および外周側のそれぞれに前記陽極室を区画形成する構造を呈し、前記処理液撹拌手段として、前記陰極の回転駆動手段によって前記陽極室内を回転駆動される撹拌羽根が装備された構成とすることにより、前記処理液撹拌手段として専用の機構や駆動手段が一切必要にならず、装置の小型化等を犠牲にせずに、僅かな改造で陽極周囲の使用済み漂白定着液の循環を促進させることができる。
【0060】
さらに、カラー写真感光材料の漂白定着処理を行う漂白定着槽中の使用済み漂白定着液を前記電解槽の陰極室に供給すると共に前記電解槽の陽極室内の使用済み漂白定着液を前記漂白定着槽に戻すことによって、前記電解槽と漂白定着槽との間で使用済み漂白定着液を循環させる処理液循環手段を備えるだけで、漂白定着槽におけるカラー写真感光材料の漂白定着処理中に、該漂白定着槽内の使用済み漂白定着液を順次電解槽側に導いて活性度を回復させた上で再び漂白定着槽に戻すというインライン処理が可能になり、カラー写真感光材料の処理効率を大幅に向上させることが可能になる。
また、本発明の電解処理装置と現像機の漂白定着槽の間で使用済み漂白定着液の循環が行われることにより、本発明の電解処理装置が現像機の漂白定着槽と一体となったもの、即ち現像機と一体となったものとすることができ、本発明の電解処理装置の設置がよりコンパクトに達成される。
【0061】
より高度には、使用済み漂白定着液のAg濃度の測定結果により、該漂白定着液の循環終始、通電および陰極離脱の時期並びに陽極室の攪拌強度を制御する制御回路を主体とするフィードバック機構を設けることにより、カラー写真感光材料の現像処理と使用済み漂白定着液の機能回復が自動運転により行われるカラー写真感光材料の自動現像処理装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る漂白定着液の電解処理装置の一実施例の概略構成図である。
【図2】本発明に係る漂白定着液の電解処理方法の一実施例の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る漂白定着液の電解処理装置の他の実施例の概略構成図である。
【図4】本発明に係る漂白定着液の電解処理装置の他の実施例の断面構成図である。
【図5】本発明に係る漂白定着液の電解処理装置と現像機との接続状態の1例を表す図である。
【図6】本発明に係る漂白定着液の電解処理装置を取り込んだ写真感光材料現像処理装置の外観斜視図である。
【図7】本発明に係る漂白定着液の電解処理装置の陰極離脱機構の1例を示す斜視図。
【符号の説明】
1 使用済み漂白定着液
2,30 電解槽
3,34 陰極
4,36 陽極
5 電源
6 陰極離脱機構
7 カラー写真感光材料
8 漂白定着槽
9 銀濃度検出センサ
10 処理液循環手段
11 制御回路
13,32 隔膜
14 陰極室
15 陽極室
17 仕切壁
25 循環ポンプ
42 陰極支持軸
51 陰極上下動モータ
52 ボールネジ
53 ボールナット
54 陰極回転モータ
Claims (4)
- カラー写真感光材料の漂白定着処理に使用された使用済み漂白定着液中に浸漬した陽極と陰極とに通電して、銀錯塩として前記使用済み漂白定着液中に溶解している銀を陰極に析出させる漂白定着液の電解処理方法であって、銀濃度が規定濃度以上で陰極を漂白定着液に浸漬して通電し、銀濃度が規定濃度範囲では陰極を使用済み漂白定着液から離脱させて非通電とすることを特徴とした漂白定着液の電解処理方法。
- カラー写真感光材料の漂白定着処理に使用された使用済み漂白定着液を貯留する電解槽と、前記電解槽内の使用済み漂白定着液中に浸漬される陰極及び陽極と、前記陰極及び陽極に通電する電源と、前記陰極を電解槽内の使用済み漂白定着液に対して浸漬又は離脱させる陰極離脱機構と、前記電解槽内の銀濃度を検出する銀濃度検出センサと、前記銀濃度検出センサからの情報をもとに銀濃度の規定範囲を基準に前記陰極離脱機構を駆動して前記陰極の浸漬・離脱を制御する制御手段とを具備したことを特徴とした漂白定着液の電解処理装置。
- カラー写真感光材料の現像処理装置の漂白定着槽における漂白定着処理に並行して使用済み漂白定着液の電解処理を行う漂白定着液を用いた処理方法において、電解処理用の陰極を使用済み漂白定着液と接触しないように電解処理用の電解槽の上方に待機させておき、前記漂白定着槽内の使用済み漂白定着液中の銀濃度が上限規定濃度に上昇したら、前記電解槽と漂白定着槽との間での使用済み漂白定着液の循環を開始して所定量の使用済漂白定着液を前記電解槽に導入し、前記陰極を電解槽内の使用済み漂白定着液中に浸漬させ、さらに使用済み漂白定着液中の電解処理用の陽極及び陰極に通電を開始することによって、前記陰極に銀を析出させる電解処理を開始し、前記電解槽内の使用済み漂白定着液中の銀濃度が規定濃度範囲内に下がったら、使用済み漂白定着液中の陽極及び陰極への通電を止めて前記陰極に銀を析出させる電解処理を終了させるとともに、速やかに前記陰極を使用済み漂白定着液から離脱させることを特徴とする漂白定着液を用いた処理方法。
- カラー写真感光材料を漂白定着処理する漂白定着槽を有する現像機において、使用済み漂白定着液を貯留する電解槽と、前記電解槽内の使用済み漂白定着液中に浸漬される陰極及び陽極と、前記陰極及び陽極に通電する電源と、前記陰極を電解槽内の使用済み漂白定着液に対して浸漬又は離脱させる陰極離脱機構とを具備した漂白定着液の電解処理装置が、前記漂白定着槽との間で、前記使用済み漂白定着液の循環が可能となるように連結していることを特徴とする写真感光材料現像処理装置。
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