JP3788566B2 - 密度変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読み取り装置などにおいて読み取られた画像データの密度変換を行う密度変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファクシミリ装置、ディジタル複写機、イメージスキャナなどの画像読取装置において、読取部と出力部との間で画像データの密度とかデータレートを変更することが必要になる。
【0003】
従来、そのような密度変換等を行う画像処理装置として、入力画像密度に対応した第1の周波数で画像データをメモリに書き込み、プロッタ密度に対応した第2の周波数でメモリより読み出し、読み出しデータに密度変換を行うものが特開平7−30746号公報に示されている。
【0004】
この従来の画像処理装置では、メモリを介してデータレート変換及び密度変換処理を行うものであるが、その密度変換後の第2の周波数はプロッタの密度とその記録速度で決定され、密度変換前の第1の周波数は入力画像密度とプロッタ密度の比率で決定される。したがって、そのデータレートは一義的に決定されなければならず、任意に設定することができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来装置の問題点に鑑み、本発明では、画像読取装置等で読み取った読取画像データの密度変換処理を行う密度変換装置において、密度変換に伴う補正演算を画像の拡大或いは縮小に応じて適切に行うことを目的とする。
【0006】
また、読取画像の必要な部分のみを抜き取って出力すること、密度変換処理に必要な補正演算回路の回路規模を節約すること、ASIC化時にスキャンパスの導入を簡易にすることを目的とする。
【0007】
また、クロックの設定を各部の状況に応じて適切に設定すること目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の密度変換装置は、読み取った画像データの密度変換処理を行う密度変換装置であって、
第1クロック周波数で動作するライト手段と、
第2クロック周波数で動作するリード手段と、
前記第1クロック周波数と第2クロック周波数とを任意に且つ別々に設定する制御手段と、
前記ライト手段と前記リード手段との間に設けられ、1ライン毎に画像データのリードとライトを繰り返すトグルメモリと、
所定の密度変換方式に基づき前記画像データに対して、密度変換処理の補正演算を行う補正演算手段と、を備え、
前記補正演算手段は、縮小密度変換処理の場合は前記トグルメモリに前記画像データをライトする前に前記第1クロック周波数に基づいて補正演算を行い、拡大密度変換処理の場合は前記トグルメモリに格納された前記画像データをリード後に前記第2クロック周波数に基づいて補正演算を行う
ことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、画像読取装置等で読み取った読取画像データの密度変換処理を行う密度変換装置において、密度変換に伴う補正演算を、トグルメモリへのライト或いはリードと関連させて、画像の拡大或いは縮小に応じて適切に行うことができる。
【0014】
本発明の請求項2に記載の密度変換装置は、請求項1に記載の密度変換装置において、前記補正演算手段は縮小処理時の補正演算と拡大処理時の補正演算とが共通回路で行われるように構成されており、前記補正演算手段を縮小密度変換処理時と拡大密度変換処理時に応じて切替使用して、密度変換時の画像補正を行うことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、補正演算手段を縮小時と拡大時で兼用して切り替え使用するので、回路規模を小さくすることができる。
【0016】
本発明の請求項3に記載の密度変換装置は、請求項1に記載の密度変換装置において、前記補正演算手段は、前記第1クロック周波数で動作する縮小処理時の縮小補正演算部と、前記第2クロック周波数で動作する拡大処理時の拡大補正演算部とを備え、密度変換処理時の画像補正を行うことを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、縮小補正演算部と拡大補正演算部を独立して備えるので、各ブロックを第1クロック周波数又は第2クロック周波数に同期設計することが可能で、ASIC化時にスキャンパスの導入が容易になる。また、切り替え用の選択回路が不要なので、高速動作を行う画像読取システムに適している。
【0024】
本発明の請求項4に記載の密度変換装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の密度変換装置において、密度変換の変換率に応じて、前記第1クロック周波数と前記第2クロック周波数の周波数比率を変更することを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、密度変換率に応じて、第1クロック周波数と第2クロック周波数の周波数比率を決定しているので、ラインシンク期間内で1ライン分のデータが出力可能であり、出力部へのデータレートも変換後密度に応じて適切な値となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について、図を参照して、順次説明する。
【0027】
図1は、本発明の密度変換装置(密度変換部)を含む画像読取装置のシステム構成図を示すものである。
【0028】
図1において、読取部1は、CCDイメージセンサ・CIS(密着)イメージセンサ等のイメージセンサとA/D変換器で構成され、原稿を読み取った多値データを出力する。歪み補正部2は、読取部1の多値データにシェーディング補正、暗レベル補正を行う。密度変換部3は、歪み補正後データに密度変換処理を行う。N値化部4は、密度変換後データに多段スレッシュ処理や多値誤差拡散処理などを行いN値データを生成する。ここで、Nは2以上の自然数である。出力部5は、この画像読取装置から外部へ画像データを出力するものであり、イメージスキャナの場合にはパソコンへの外部I/Fで、デジタルコピアの場合にはプロッタ部への内部I/Fで、ファクシミリの場合には通信部である。制御部6は、本システムの制御を行う。メモリ部7は、歪み補正部2、密度変換部3、N値化部4が使用するラインバッファと、制御部6が使用する制御データ保存用メモリで構成されている。
【0029】
図2は、本発明の密度変換部を含む画像読取装置の処理を示すブロック図である。同図で、図1におけると同じものには同記号を付しており、説明は省略する。
【0030】
図2において、密度変換前の読取部1と歪み補正部2の回路は第1クロックAで動作し、密度変換後のN値化部4と出力部6の回路が第2クロックBで動作し、これら第1クロックAと第2クロックBは制御部6において周波数を任意に別々に設定できるように構成されている。
【0031】
密度変換部3はライト部31とリード部32とから構成され、これらライト部31とリード部32との間にメモリとしてトグルラインバッファ33が設けられている。ライト部31は第1クロックAで動作し、リード部32は第2クロックBで動作する。トグルラインバッファ33は、2ラインのラインバッファで構成されており、一方がライトの時にもう一方がリードになり、リードとライトを1ライン毎に繰り返す。
【0032】
さて、読み取った画像を拡大するときには、歪み補正部2からの画像データを、ライト部31は第1クロックAでトグルラインバッファ33にそのままライトする。そして、リード部32は第2クロックBで動作するが、読み出しアドレスを重複させつつトグルラインバッファ33からリードする。これにより、読取画像が拡大されて出力されることになる。
【0033】
また、読み取った画像を縮小するときには、歪み補正部2からの画像データを、ライト部31は第1クロックAでトグルラインバッファ33に間引きながらライトする。そして、リード部32は第2クロックBで、トグルラインバッファ33からそのままリードする。これにより、読取画像が縮小されて出力されることになる。
【0034】
図3は、本発明の密度変換装置の処理のタイミングの例を示す図である。同図において、ラインシンク信号はライン同期を表す。有効画素信号は読取部1のイメージセンサの有効範囲を表し、この有効範囲内の読取データをライト部31でトグルバッファ33へ第1クロックAに同期してライトする。
【0035】
出力範囲信号は予め指定された出力画素数に対応したリードアクティブ期間を表す。リード部32では、リードアクティブ期間に第2クロックBに同期して予め指定された先頭アドレスから出力画素をリードする。
【0036】
さて、読取画像の必要な部分のみを抜き取って出力する場合に、トグルラインバッファ33からリードする際にリードすべき先頭のアドレスと密度変換後の出力画素数を指定する。リード部32は指定された先頭アドレスと出力画素数に基づいてリードし、所望の部分の画像を得ることができる。
【0037】
図4は、本発明の密度変換装置の密度変換部3の構成の例を示すブロック図である。図2におけると同じものには同記号を付しており、説明を省略する。
【0038】
補正演算部41は、線形補間法、3次コンボリューション法などの既知の密度変換方式により画像補正を行う。選択部42〜45は、縮小時と拡大時での切り替え手段である。縮小時はトグルラインバッファ33にライトする前に補正演算を行い、拡大時はトグルラインバッファ33からリード後に補正演算を行う。
【0039】
さて、拡大処理を行う場合には、まず選択部42〜45を拡大側に切り替える。これにより歪み補正部2からの画像データINは選択部42を通ってライト部31に供給されトグルラインバッファ33にライトされる。トグルラインバッファ33からリード部32によりリードされた画像データは、選択部43を通って補正演算部41に供給される。このとき補正演算部41は第2クロックBで動作し、補正演算された結果は選択部45を通ってN値化部4へ出力OUTされる。
【0040】
一方、縮小処理を行う場合には、まず選択部42〜45を縮小側に切り替える。これにより歪み補正部2からの画像データINは選択部43を通って補正演算部41に供給される。このとき補正演算部41は第1クロックAで動作し、補正演算された結果は選択部42を通ってライト部31に供給され、トグルラインバッファ33にライトされる。トグルラインバッファ33からリード部32によりリードされた画像データは、選択部45を通ってN値化部4へ出力OUTされる。
【0041】
この拡大処理時、縮小処理時とも、ライト部31は第1クロックAで動作し、リード部32は第2クロックBで動作し、図2で説明したと同様に拡大・縮小処理が行われる。このように、補正演算部41を拡大処理時と縮小処理時とで兼用できるように切り替えて使用するので、回路規模を小さくすることができる。
【0042】
図5は、本発明の密度変換部3の構成の更に他の例を示すブロック図である。図2におけると同じものには同記号を付しており、説明を省略する。
【0043】
縮小補正演算部51及び拡大補正演算部52は、線形補間法、3次コンボリューション法などの既知の密度変換方式により画像補正を行うものである。そして、縮小補正演算部51は縮小処理時にのみ使用され、拡大補正演算部52は拡大処理時にのみ使用される。
【0044】
さて、拡大処理を行う場合には、縮小補正演算部51は機能せず、歪み補正部2からの画像データINは直接、ライト部31に供給されトグルラインバッファ33にライトされる。トグルラインバッファ33からリード部32によりリードされた画像データは、拡大補正演算部52に供給される。このとき拡大補正演算部52は第2クロックBで動作し、拡大補正演算された結果がN値化部4へ出力OUTされる。
【0045】
一方、縮小処理を行う場合には、歪み補正部2からの画像データINは縮小補正演算部51に供給される。このとき縮小補正演算部51は第1クロックAで動作し、縮小補正演算された結果はライト部31に供給され、トグルラインバッファ33にライトされる。トグルラインバッファ33からリード部32によりリードされた画像データは直接、N値化部4へ出力OUTされる。なお、この場合、拡大処理演算部52は機能しない。
【0046】
この拡大処理時、縮小処理時とも、ライト部31は第1クロックAで動作し、リード部32は第2クロックBで動作し、図2で説明したと同様に拡大・縮小処理が行われる。
【0047】
このように、密度変換部3に、縮小補正演算部51と拡大補正演算部52を独立して設けることで、密度変換前のブロックを第1クロックAとし、又密度変換後のブロックを第2クロックBとし、それらを同期設計することが可能であるから、ASIC化時にスキャンパスの導入が容易になる。また、図4の例に示されるような切り替え用の選択回路が不要なので、高速動作を行う画像読取システムに適している。
【0048】
また、以上の各画像読取装置において、密度変換前の処理クロックである第1クロックAを、読取部1に備えられるCCDイメージセンサ、CISイメージセンサのデータ出力レートに設定する。この場合、センサのデータレートに応じた適切なクロックを設定することができきる。
【0049】
また、出力部5のパフォーマンスが高い場合には出力部5へのデータレートを最速使用することが可能であるから、第2クロックBの周波数を本画像読取装置として設定可能な最速周波数に設定する。これにより、読取条件によらず、密度変換後の処理クロックである第2クロックBを最高周波数に固定して使用することができる。
【0050】
また、出力部5のパフォーマンスが低い場合には、データ出力レートが速いと緩衝用のバッファメモリが必要になる場合がある。そこで、第2クロックBの周波数を密度変換後の出力画素数に応じて設定する。その設定は、例えば、
第2クロックB周波数(MHz)=出力画素数/ラインシンク期間(ns)
の計算式にしたがって設定する。
【0051】
そして、第1クロックAと第2クロックBの周波数比率を密度変換部3における変換比率に応じて設定・変更する。その設定は、例えば、
第1クロックA周波数(MHz)=第2クロックB周波数(MHz)×密度変換率(%)/100、の計算式にしたがって設定する。
【0052】
このように、ラインシンク期間内に1ライン分のデータを出力可能な範囲で第2クロックBの周波数を遅くすることで、出力部5へのデータレートが最も低速になる。
【0053】
また、密度変換率に応じて、第1クロックAと第2クロックBの周波数比率を決定することで、ラインシンク期間内で1ライン分のデータが出力可能であり、出力部5へのデータレートも変換後密度に応じて適切な値となる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、画像読取装置等で読み取った読取画像データの密度変換処理を行う密度変換装置において、密度変換に伴う補正演算を、トグルメモリへのライト或いはリードと関連させて、画像の拡大或いは縮小に応じて適切に行うことができる。
【0055】
また、密度変換部は縮小処理を行うトグルラインバッファへのライト部と拡大処理を行うトグルラインバッファからのリード部とで構成するので、密度変換前の第1クロックAの系統のブロックと、密度変換後の第2クロックBの系統のブロックとに分割された簡易な構成となる。
【0056】
また、トグルラインバッファからのリード時に先頭アドレスと出力画素数を設定することで、必要な部分のみを抜き取って出力することができる。
【0057】
また、補正演算部を縮小時と拡大時で兼用して切り替え使用することで、回路規模を小さくすることができる。
【0058】
また、縮小補正演算部と拡大補正演算部を独立して備えることで、各ブロックを第1クロックA又は第2クロックBに同期設計することが可能で、ASIC化時にスキャンパスの導入が容易になる。また、切り替え用の選択回路が不要なので、高速動作を行う画像読取システムに適している。
【0059】
また、読取部に備えるイメージセンサのデータ出力レートに応じて、適切な第1クロックAを設定することができる。
【0060】
また、出力部のパフォーマンスが高く、第2クロックBが常に最高速でも出力部へデータ入力が可能な場合は、読取条件によらず第2クロックBを最高周波数に固定して使用することができる。
【0061】
また、ラインシンク期間内に1ライン分のデータを出力可能な範囲でクロックBの周波数を遅くすることで、出力部へのデータレートがもっとも低速になる。
【0062】
また、密度変換率に応じて、第1クロックAと第2クロックBの周波数比率を決定しているので、ラインシンク期間内で1ライン分のデータが出力可能であり、出力部へのデータレートも変換後密度に応じて適切な値となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の密度変換装置を含む画像読取装置のシステム構成図
【図2】 本発明の密度変換装置を含む画像読取装置の処理を示すブロック図
【図3】 本発明の密度変換装置の処理のタイミングの例を示す図
【図4】 本発明の密度変換装置の構成の例を示すブロック図
【図5】 本発明の密度変換装置の構成の更に他の例を示すブロック図
Claims (4)
- 読み取った画像データの密度変換処理を行う密度変換装置であって、
第1クロック周波数で動作するライト手段と、
第2クロック周波数で動作するリード手段と、
前記第1クロック周波数と第2クロック周波数とを任意に且つ別々に設定する制御手段と、
前記ライト手段と前記リード手段との間に設けられ、1ライン毎に画像データのリードとライトを繰り返すトグルメモリと、
所定の密度変換方式に基づき前記画像データに対して、密度変換処理の補正演算を行う補正演算手段と、を備え、
前記補正演算手段は、縮小密度変換処理の場合は前記トグルメモリに前記画像データをライトする前に前記第1クロック周波数に基づいて補正演算を行い、拡大密度変換処理の場合は前記トグルメモリに格納された前記画像データをリード後に前記第2クロック周波数に基づいて補正演算を行う
ことを特徴とする密度変換装置。 - 請求項1に記載の密度変換装置において、前記補正演算手段は縮小処理時の補正演算と拡大処理時の補正演算とが共通回路で行われるように構成されており、前記補正演算手段を縮小密度変換処理時と拡大密度変換処理時に応じて切替使用して、密度変換時の画像補正を行うことを特徴とする密度変換装置。
- 請求項1に記載の密度変換装置において、前記補正演算手段は、前記第1クロック周波数で動作する縮小処理時の縮小補正演算部と、前記第2クロック周波数で動作する拡大処理時の拡大補正演算部とを備え、密度変換処理時の画像補正を行うことを特徴とする密度変換装置。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の密度変換装置において、密度変換の変換率に応じて、前記第1クロック周波数と前記第2クロック周波数の周波数比率を変更することを特徴とする密度変換装置。
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