JP3788173B2 - レーザビーム露光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀感光材料等の感光材料に画像を形成するためにレーザビームを照射して露光するレーザビーム露光装置に関し、特に、感光材料におけるレーザ干渉による画像ムラを抑制できるレーザビーム露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像データに基づいて画像を記録するためにハロゲン化銀写真感光材料をレーザ光により露光していた。そして、近年、液処理が不要で熱現像により画像を顕像化できるハロゲン化銀熱現像感光材料が登場した。しかし、これをレーザ光で露光すると干渉縞が発生し画像ムラが生じてしまうことがある。この現象をフィルム断面とレーザ光との関係を示す概念図である図12により説明する。
【0003】
図12(a)に示すように、ハロゲン化銀熱現像感光材料の感光層とPET等の支持体とから構成されたフィルムFにレーザ光が表面F1から入射すると、裏面F2で一部が反射し表面F1に戻ることにより、直接記録層に照射される光B1と、感光層を透過した光のうち、F2面で反射し、さらにF1面で反射された光B2との間で干渉が起こる。このため、感光層に照射される光量がフィルムの厚みにより変化し、その結果ハロゲン化銀熱現像感光材料の感光層への露光量が変動し、濃度ムラが生じてしまう。
【0004】
直接感光層に照射される光B1と、F2面、F1面で反射された後、記録層に照射される光B2との光路差δが、レーザ波長の整数倍のとき感光層に照射される光量が最大になり、整数倍から半波長ずれたときに最小になる。屈折率の異なる媒体の境界面における反射率Rは、この境界面を挟む各々の媒体の屈折率をnA,nBとすると、次の式(1)で表すことができる。
【0005】
R=((nB−nA)/(nB+nA))2 (1)
【0006】
ここで、例えば感光材料の各層の屈折率が同じで一様であり、nB=1(空気),nA=1.5(感光材料)とすると、空気と感光材料との境界面での反射率Rは4%になる。また、干渉による光量変化(ピークtoピーク)ΔAは、次の式(2)で表すことができ、上述の場合、16%にもなる。
【0007】
ΔA=4R (2)
【0008】
実際には、図12(b)のように、支持体の裏面F2側にはレーザ光の吸収層が設けられており、また、感光層に含まれるハロゲン化銀粒子による散乱光sの発生のため、干渉による光量変化は上記の値より少なくなる。しかし、吸収層と支持体とにわずかでも屈折率の違いがあると、この吸収層と支持体の境界面F2で反射が生じ、吸収層が寄与しなくなる。また、従来の感光材料は、含まれるハロゲン化銀粒子のサイズが大きく、また吸収層を多層に設けることができるので、干渉縞は発生し難いのに対し、熱現像感光材料は、従来の感光材料に比較してハロゲン化銀粒子が細かく、感光層内での散乱が従来のフィルムよりもずっと少なく、特に、γが2以上の硬調な熱現像材料である場合、干渉縞が顕著となる。
【0009】
上述のような干渉による光量変動は、次のような対策(1)〜(3)により防止することが可能である。
(1)支持体の裏面(F2)に反射防止膜を設け、支持体と吸収層との間の面F2での反射率を低減させる。
(2)支持体の厚みのバラツキを、レーザ光の波長(一般的には0.5μm〜1.5μm)の数分の1以下に抑える。
(3)支持体と吸収層との屈折率差を小さくして、支持体と吸収層との間の境界面F2での反射率を小さくする。
【0010】
しかし、対策(1)はコストアップにつながり、好ましくない。また対策(2)に関しては、数μmの厚みの媒体のバラツキを抑えることは可能でも、100μm以上の厚みを有する媒体のバラツキを、サブμm以下に抑えることは不可能に近い。更に対策(3)に関しても、わずか0.05以下の屈折率差でも干渉縞になるため、両者の屈折率差をこのレべル以下に合わせることは殆ど不可能である。
【0011】
また、特開平11−48523号公報には、干渉縞の発生を防止するために異なる波長のレーザ光源からの光を重畳して記録材料に照射することが開示されている。しかし、この場合、2個以上のレーザ光源が必ず必要であり、レーザビーム自体を干渉抑制したビームとするから、主走査方向及び副走査方向ともに2つのレーザ光が重畳し一致することが必要となり、このためレーザ光源や光学系の光学調整が難しくなり、製造時及びメンテナンス時にその光学調整に手間取り生産等の効率が低下してしまう。更に、経時変化または環境変化により、2つのビーム間でずれが起こりやすく、ビーム間にずれが生じると、干渉ムラが十分抑制されなくなり、更にビーム径も変化してしまい、ボケ、鮮鋭性低下等の画質の低下も招き易い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑みなされたもので、光学調整が簡単でありかつ光量の損失を抑え、干渉ムラによる濃度変動のないレーザビーム露光装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明によるレーザビーム露光装置は、使用する波長に対して透過性または半透過性である支持体層または感光層を少なくとも1つ有する感光材料に対しレーザ光源からレーザビームを照射し露光するレーザビーム露光装置であって、前記レーザビームにより照射される1本の走査線または連続した複数本の走査線からなるビーム照射域を1つの線状領域と定義し、隣接する前記線状領域間では、光量−波長特性が異なるレーザビームで前記感光材料を照射することを特徴とする。
【0014】
このレーザビーム露光装置によれば、線状領域内で各走査線毎のビームでは干渉し、ミクロ空間的には干渉ムラはあるが、隣接する線状領域間で照射ビームの光量−波長特性が異なっているので、マクロ空間的には干渉ムラが非可視化する。これにより、形成される画像の品質が向上する。また、照射ビームの光量−波長特性が異なっているから、波長が変わっても光量を同じにできるので、切替の走査線間隔を狭くでき、干渉ムラを非可視化できるマクロ空間領域が狭くできる。このため、マクロ空間領域をより拡大して見ても、干渉ムラを充分に非可視化できる。なお、光量−波長特性を変化させるためには、レーザ光源の温度制御により光量−波長特性を変えることや光量−波長特性の異なるレーザダイオードを選別することにより実現できる。
【0015】
また、従来のように2つのレーザビームを一致させる必要がないから、少なくとも主走査方向のビームずれの補正は可能であり、光学調整、メンテナンスが容易となる。主走査方向のビーム位置ずれの補正方法として、各走査線の書き込みスタートタイミングを決める同期センサ信号を用い、各走査線の主走査方向のビーム位置ずれ分だけ各走査線毎の書き込みスタートタイミングをずらすことにより補正できる。更に、従来のように、必ずしも2個のレーザ光源は必要ではなく、1個でもよく、この場合、経時変化または環境変化に対しても2つのレーザビーム間のずれの問題は起きないので、安定的に干渉ムラが抑制され良好な画像形成が安定してできる。
【0016】
レーザ照射時における波長の切替は、あらかじめ定められた走査線毎に2つの切替パターンを交互に変えても良いし、複数パターンを順次切り替えても良く、またその繰り返しでも良い。
【0017】
また、前記光量−波長特性は、前記線状領域と隣接する前記線状領域との間で濃度ムラのパターンが逆転していることにより、異なるようにできる。また、前記線状領域と前記隣接する線状領域とを含む範囲は干渉ムラが非可視化されている。
【0018】
また、前記レーザ光源は1つであることにより、光学的に簡単な構成となり、製造時及びメンテナンス時の光学調整が容易となり、コスト的に有利となり、また、複数のレーザ光源の波長選別が不要となる。この場合、前記1つのレーザ光源で光量−波長特性を前記隣接する線状領域間毎に切り替えて前記感光材料に照射することが好ましい。
【0019】
また、前記レーザ光源が複数である場合、主走査方向にレーザビームがずれていても補正ができ、主走査方向の各レーザビームが必ずしも一致する必要はない。このため、製造時及びメンテナンス時の光学調整が比較的容易であり、コスト的にも有利である。この場合、光量−波長特性の異なる前記複数のレーザ光源を、前記隣接する線状領域間毎に切り替えて前記感光材料に照射することが好ましい。
【0020】
また、前記感光材料は干渉しやすい材料を使用することができ、感光材料の材質や構成等を決めるときにその選択の幅が広がり好ましい。
【0021】
また、前記光量−波長特性は前記レーザ光源の温度を所定範囲以上にわたり変調しながら切り替えて前記感光材料の露光を行うことにより、概略的に垂直入射で光量損失がなく、干渉ムラは発生するが、高い空間周波数で変調されているため、干渉ムラを充分に非可視化できる。この場合、前記レーザ光源の温度を変えることで前記光量−波長特性を異なるようにした前記レーザ光源を、前記隣接する線状領域間毎に切り替えて前記感光材料に照射することが好ましい。
【0022】
また、前記変調は前記線状領域毎に実施することにより、より効果的に干渉ムラを非可視化できる。
【0023】
また、前記レーザ光源はレーザチップ等のレーザ素子を含み、前記レーザ素子に温度制御部材を直接に結合することにより、温度制御を迅速かつ正確に行うことができる。また、前記変調は前記レーザ光源に別波長の温度変調用光ビームを注入し、その光ビームの光量を変調することにより行うことができる。これにより、温度制御速度を速くすることができる。また、前記変調をランダムな温度変調とすることができる。これにより、全体として干渉ムラを低減できる。また、前記変調は干渉パターンが逆転するような2値の温度間を変調するようにできる。
【0029】
また、前記光量−波長特性は前記レーザ光源の温度を所定範囲以上にわたり変調しながら切り替えて前記感光材料の露光を行うようにできる。この場合、前記レーザ光源の温度を変えることで前記光量−波長特性を異なるようにした前記レーザ光源を、前記隣接する画素域間毎に切り替えて前記感光材料に照射することが好ましい。また、前記変調は前記画素域毎に実施することができる。また、前記レーザ光源はレーザチップ等のレーザ素子を含み、前記レーザ素子に温度制御部材を直接に結合することができる。
【0030】
また、前記感光材料をハロゲン化銀感光材料とすることができる。この場合、ハロゲン化銀感光材料は、乾式の熱現像によるものでも、湿式現像によるものでもよい。
【0031】
また、前記レーザビーム露光装置は振幅変調で画像記録をすることが好ましい。 また、レーザ光源を複数使用する場合は、中心ピーク波長の差が所望の波長差にほぼ合うように選択することが好ましく、例えば型の違う標準のレーザダイオードの中から選ぶことができる。これにより、複数のレーザ光源を選択する手間が省け、特に購入コスト減が実現できる。
【0032】
また、レーザ光源に温度差を与える場合、前記レーザ光源からのレーザビームをモニタし、その波長または波長差をセンサで検知し、所定の波長差からずれたときに、このずれをフィードバックし、前記レーザ光源の設定温度を変えることが好ましい。このとき、例えばレーザ光源を2個使用する場合、両方のレーザ光源を上述のように制御してよく、また、いずれか一方を制御してもよい。これにより、レーザ光源の選択が不要となり、また、経時変化または環境変化に対して波長差を常に一定にできるので、安定的に干渉ムラ抑制でき、良好な画像形成が安定してできる。
【0033】
【発明の実施の形態】
最初に、異なる波長を有する2つのレーザ光で干渉縞を防止する原理を具体例を挙げながら図1及び図2により説明する。なお、フィルムFの支持体層及び感光層は使用する波長に対して透過性または半透過性である。
(1)レーザが単一波長の(干渉による光量変動が生ずる)場合
【0034】
図1のように、フィルムFにレーザ光が垂直入射する場合を考える。ハロゲン化銀熱現像感光材料であるフィルムFの感光層の厚さD2を20μm、屈折率n2を1.5、支持体1の厚さD1を180μm、屈折率n1を1.5、レーザ光の波長を0.800μmとすると、光路差δ=2(D1×n1+D2×n2)=2×(180×1.5+20×1.5)=600μmは、600/0.8=750と波長の整数倍となる。図1のレーザ光は感光層2側のフィルムFの表面F1の入射点5で図2(a)のような位相となり、また入射光はフィルムの裏面F2で、一部が反射し、その反射光がフィルムFの入射点5で反射し、入射点5では、図2(b)のような位相となり、両位相が一致するため、記録層2に照射される光量は最大となる。これに対して、支持体の厚さを180.13μmとすると、光路差δは波長の750.5倍となり、裏面F2で反射し、さらに表面F1で反射したレーザ光は入射点5で図2(c)のような位相となり、図2(a)の位相と丁度逆になるので、フィルムFに垂直入射するレーザ光の光量が同じ場合、記録層2に照射される光量は最少となる。このように、フィルムFの支持体1の厚みのバラツキにより、記録層2を照射する光量が変化する。
(2)レーザが2つの波長を有する場合
【0035】
上述の例で、もし、各々、0.8μm、0.80053μmの波長の2つのレーザ光で露光すれば、上述の光路差600μmは、この2つのレーザ光の波長に対して、それぞれ750倍、749.5倍となり、感光層2に照射される光量は両者の和、つまり最大と最小の中間になる。ここで、例えば、光路差が600.4μmとなっても、この光路差600.4μmは、その2つのレーザ光の波長に対して、それぞれ750.5倍、750倍となり、やはり感光層に照射される光量は、最少と最大の中間になる。つまり、支持体1の厚みが変わっても、感光層に照射される光量は変わらない。以上のように、照射されるレーザ光が2つの互いに異なる波長を持つことにより、干渉の影響を低減させることができることがわかる。
【0036】
次に、図8,図9により、上述のように干渉の影響を低減させるために、1本または複数本の走査線で囲まれたビーム照射領域を1つの線状領域とし、隣接する線状領域間で照射ビームの光量−波長特性を変化させることについて説明する。
【0037】
図8のように、第1のレーザ光源が実線91に示すような光量−波長特性を有し、第2のレーザ光源が破線91に示すような光量−波長特性を有する場合、ある一定の光量Pで第1の光源からは波長λ1,第2の光源からは波長λ2のレーザビームがそれぞれ出力する。
【0038】
ここで、最初に第1の光源からの波長λ1のレーザビームで主走査した場合、図9に示すように、第1の線状領域をこの主走査方向への1本の走査線とすると、この走査線では干渉パターンが現れる(図9において○●の繰り返しが干渉パターンを表す)のであるが、第2の線状領域である次の走査線では、光量−波長特性の異なる第2の光源から波長λ2のレーザビームで主走査すると、図9のように第2の線状領域の走査線では、第1の線状領域と異なる位相で干渉パターンが現れる。従って、第1の線状領域と第2の線状領域とを含めた領域全体を考えると、上述のように、2つの互いに異なる波長を有するレーザビームが照射されることになるため、マクロ的に干渉を抑制できるのである。従って、図9の照射パターンの例では続いて第3の線状領域で第1の線状領域と同様に露光するように繰り返すことにより、フィルム全体でマクロ空間的に干渉ムラを非可視化できる。
【0039】
また、照射ビームの光量−波長特性が異なっているために、波長が変わっても光量が同じであるので、切替の走査線間隔を狭くでき、干渉ムラを非可視化できるマクロ空間領域が狭くできる。このため、マクロ空間領域をより拡大して見ても、干渉ムラを充分に非可視化できる。
【0040】
図1,図2で説明したように、感光材料内部でのビーム多重反射による干渉ムラ(支持体層間、感光層間)は簡単に抑制することができる一方、一般的に通常の露光パターンでは走査線毎に光量変化があるので、走査線毎に波長の変化があり、このため波長の切替だけでは不足部分があるが、隣接する線状領域間で照射するレーザビームの光量−波長特性が異なっているので、上述のように、マクロ空間的に干渉ムラが非可視化する。
【0041】
なお、図8では、光量−波長特性が互いに異なる第1のレーザ光源及び第2のレーザ光源により説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つのレーザ光源を用いてそのレーザ光源の温度制御により光量−波長特性を変えるようにしてもよい。
【0042】
次に、図14により、図8と異なる照射パターンを説明する。図14の例は、同一波長λ1で2回主走査を行い、2本の走査線を第1の線状領域とし、続いて別の異なる波長λ2で2回主走査を行い、2本の走査線を第2の線状領域とし、次に、λ1で2回主走査を行い、2本の走査線を第3の線状領域とするようにして、レーザビームを露光する。各線状領域の走査線では干渉ムラがミクロ的に生じるが、第1の線状領域と第2の線状領域とを含む領域全体を考えると、上述と同様に、2つの互いに異なる波長を有するレーザビームが照射されることになるため、マクロ的に干渉を抑制できる。
【0043】
以上のように、本発明による露光パターンは種々の変形が可能であり、1本の走査線または連続した複数本の走査線からなるビーム照射域を1つの線状領域とする以外に、1画素または連続した複数の画素からなるビーム照射域を1つの画素域とし、隣接する画素域間で照射ビームの光量−波長特性が異なるようにしてもよい。
【0044】
以下、本発明の一例である実施の形態及び実施例を説明する。従って、発明の用語の意義や発明自体を、発明の実施の形態及び実施例の記載により限定して解釈すべきではなく、適宜変更/改良が可能であることは言うまでもない。
【0045】
図3は、本実施の形態のレーザビーム露光装置を含む画像記録装置の正面図であり、図4は、この画像記録装置の左側面図である。本実施の形態の画像形記録装置100は、シート状の熱現像材料であるフィルムFを1枚ずつ給送する給送部110と、給送されたフィルムFを露光する露光部120と、露光されたフィルムFを現像する熱現像部130とを有している。フィルムFは、ハロゲン化銀粒子と有機酸銀とを含有する感光層を支持体上に有し、γが2以上であるハロゲン化銀熱現像感光材料である。以下、図面を用いて本実施の形態の画像記録装置を説明する。
【0046】
図3、4において、給送部110は堆積された複数枚のフィルムFを収容するトレイTが上下二段に設けられている。各トレイTの前方端部側の上部には、フィルムFの前端部を吸着して上下動する吸着ユニット111が設けられている。また、吸着線状領域111の近傍には、吸着ユニット111により供給されたフィルムFを矢印(1)方向(水平方向)へ給送する給送ローラ対112が設けられている。また、吸着ユニット111は前後にも移動可能で吸着したフイルムFを給送ローラ対112へ運ぶ。そして、給送ローラ対112により給送されたフイルムFを垂直方向に搬送する複数の搬送ローラ対141が設けられいる。これらの搬送ローラ対141により、フィルムFを図4の矢印(2)に示す方向(下方)に搬送する。
【0047】
画像記録装置100の下部には、搬送方向変換部145が設けられている。この搬送方向変換部145は、図3及び図4に示すように、搬送ローラ対141により図4の矢印(2)に示す鉛直方向下方に搬送されたフィルムFを矢印(3)で示すように水平方向に搬送し、次いで、搬送方向を矢印(3)から矢印(4)へ直角に変換して搬送し次いで、搬送方向を変換され搬送されたフイルムFを図3の矢印(5)に示す鉛直方向上方に搬送方向を変えて搬送する。
【0048】
そして、図3に示すように、搬送方向変換部145から搬送されたフイルムFを図3の矢印(6)で示す鉛直方向上方に搬送する複数の搬送ローラ対142が設けられ、フィルムFを画像記録装置100の左側面から図1の矢印(6)で示す鉛直方向上方に搬送する。
【0049】
この鉛直方向上方への搬送途中で、レーザビーム露光装置120は、フィルムFの感光面を赤外域780〜860nmの範囲内の波長を有するレーザ光で走査露光し、露光画像信号に応じた潜像を形成させる。
【0050】
画像記録装置100の装置の上部には熱現像部130が設けられ、熱現像部130のドラム14の近傍には、搬送ローラ対142で図3の矢印(6)に示す鉛直方向上方に搬送されたフィルムFをドラム14へ供給する供給ローラ対143が設けられている。
【0051】
ドラム14へフィルムFを供給するタイミングは、成り行きによるランダムなタイミングで供給する。なお、ランダムなタイミングによる供給の代わりに、タイミングを図って供給してもよい。
【0052】
熱現像部130のドラム14は、フィルムFとドラム14の外周面とが密着した状態で、図3の矢印(7)に示す方向に共に回転しながら、ドラム14がフィルムFを加熱し熱現像する。すなわち、フイルムFの潜像を可視画像に形成する。その後、図3のドラム14に対し右方まで回転したときに、ドラム14からフィルムFを離す。熱現像部130の右側方には、複数の搬送ローラ対144が設けられており、ドラム14から離れたフイルムFを、図1の矢印(8)に示すように右斜め下方に搬送しつつ、冷却する。そして、搬送ローラ対144が冷却されたフイルムFを搬送しつつ、濃度計118がフイルムFの濃度を測定する。その後、複数の搬送ローラ対144は、ドラム14から離れたフイルムFを図3の矢印(9)に示すように水平方向に搬送し、画像記録装置100の上部から取り出せるように、画像記録装置100の右上方部に設けられた排出トレイ160に排出する。
【0053】
図5は、レーザビーム露光装置120の構成を示す概念図である。レーザビーム露光装置120は、デジタル画像信号Sに基づき強度変調されたレーザ光Lを、回転多面鏡113によって偏向して、フィルムF上を主走査すると共に、フィルムFをレーザ光Lに対して主走査の方向と略直角な方向に相対移動させることにより副走査し、レーザ光Lを用いてフィルムFに潜像を形成するものである。
【0054】
画像記録装置100は、放射線CT装置、スキャナ等の画像信号生成装置121から送信された画像信号Sを画像I/F122を介して受信し、変調部123に入力される。変調部123は、画像信号Sをアナログ変換し、アナログ変換された露光画像信号をドライバ124に送り、ドライバ124は、送られた露光画像信号及び制御信号に応じてレーザ光源部125、127がレーザビーム(以下、「レーザ光」ともいう。)を主走査の終了の毎に切り替えながら照射するように制御する。
【0055】
2つのレーザ光源部125,127は、例えば、図8のような異なる光量−波長特性をそれぞれ有し、互いに波長(λ1,λ2)の異なるレーザ光を出射するレーザダイオードから構成されており、レーザ光源部125から出射するレーザ光の波長(λ1)は、例えば800nmに設定され、レーザ光源部127から出射するレーザ光の波長(λ2)は、例えば800.53nmに設定されている。
【0056】
図5のように、レーザ光源部125から出射したレーザ光L1はハーフミラー128bを直進して集光レンズ126に入射する。一方、レーザ光源部127から出射したレーザ光L2はミラー128a,ハーフミラー128bを介してレーザ光L1と同じ光路を通り、集光レンズ126に入射するようになっている。
【0057】
レーザ光源部125、127から出射したレーザ光L1またはL2は、集光レンズ126でビーム径が変換され、シリンドリカルレンズ115で一方向(本実施の形態では、上下方向)にのみ収束され、図5で矢印Aに示す回転方向に回転する回転多面鏡113の鏡面に対し、回転多面鏡の回転軸に垂直な線像として入射するようになっている。回転多面鏡113は、レーザ光L1またはL2を主走査方向に反射偏向し、偏向されたレーザ光L1またはL2は、4枚のレンズを組み合わせてなるシリンドリカルレンズを含むfθレンズ114を通過した後、光路上に主走査方向に延在して設けられたミラー116で反射されて、搬送装置142により矢印Y方向に搬送されている(副走査されている)フィルムFの被走査面上を、矢印X方向に繰り返し主走査される。この場合、1回の主走査が終了する度に、即ち、1本の走査線毎にレーザ光をL1→L2→L1→L2のように切り替える。このようにして、図9に示すようなパターンでレーザ光L1またはL2により、フィルムF上の被走査面全面にわたって走査が行われる。なお、fθレンズ114のシリンドリカルレンズは、入射したレーザ光L1またはL2をフィルムFの被走査面上に、副走査方向にのみ収束させる。
【0058】
以上のように、図5のレーザビーム露光装置120では、レーザ光源部125から出射したレーザ光L1の光路とレーザ光源部127から出射したレーザ光L2の光路とが、従来のように厳密に重なり合うことは必要ないから、レーザ光源部125,レーザ光源部127,ミラー128a,ハーフミラー128b、集光レンズ126、シリンドリカルレンズ115等の光学系の調整が容易となる。また、主走査方向にレーザ光がずれていても補正ができ、また主走査方向の各レーザビームが必ずしも一致する必要はない。このため、回転多面鏡113、fθレンズ114のシリンドリカルレンズ、ミラー116等の光学系の調整も容易となる。従って、レーザビーム露光装置120は製造時及びメンテナンス時の光学調整が比較的容易であり、コスト的にも有利となる。
【0059】
以上のようにして、フィルムFに画像信号Sに基づく潜像が形成されるが、この場合、レーザ光L1(波長λ1)及びレーザ光L2(波長λ2)により図9のようなパターンで露光されるために、一本毎の走査線では干渉パターンが現れるとしても、フィルムF全体では上述のように干渉ムラを抑えることができる。このため、熱現像後のフィルムFにおいて干渉ムラを非可視化でき、濃度むらを低減できるので、画像品質が向上する。
【0060】
次に、図6によりレーザビーム露光装置120の変形例を説明する。この変形例は、1つのレーザ光源を用い、このレーザ光源に温度差を与えることにより、出射するレーザ光に波長差を生じさせるようにしたものである。図6のレーザ光源部225はレーザダイオードから構成され、同一温度では同一波長のレーザ光を発振する。図6に示すように、レーザ光源部225には温度制御素子225aと温度検知素子225bとがそれぞれ設けられている。温度制御部128により温度検知素子225bで検知した検知温度に基づいて温度制御素子225aがレーザ光源部225の各レーザダイオードに温度差が生じるように制御される。
【0061】
図7に温度制御素子225aを更に詳しく示すが、温度制御素子225aにレーザダイオードチップ227が直接に取り付けられている。また、温度制御素子225aのレーザダイオードチップ227近傍には温度検知素子225bが配置されている。また、温度制御素子225aにはフィン226が取り付けられている。
【0062】
レーザダイオードはその発振波長に関し、例えば図13に示すように温度依存性があり、例えば発振波長が0.3nm/℃の割合で上昇する特性を有するとすると、発振波長が約800nmで、光路差δが600μmの場合、必要な波長差Δλ(=λ1−λ2)は0.53nmであるから、必要な温度差ΔTは0.53/0.3≒1.8℃となる。図13のように温度t1で波長λ1となり、温度t2で波長λ2となる場合、温度制御部128で温度t1,t2(温度差ΔT=t2−t1)となるように温度制御素子225aを制御し、主走査が終了する度に切り替えることにより、図5の場合と同様に、レーザ光源部225からレーザ光L1またはL2を出射させることができる。図5の場合と同様の効果が得られる。
【0063】
なお、温度制御素子としてペルチェ素子等を使用でき、また温度検知素子として熱電対、サーミスタ等を使用できるが、これらには限定されない。また、レーザ光源部は、必ずしも同一温度で同一波長のレーザ光を発振しなくてもよく、同一温度で同一波長でない場合は、上述と同様にして所定の波長差が得られるようにレーザ光源部に温度差を与えればよい。
【0064】
また、レーザ光源は1つであるから、レーザ光源部225,集光レンズ126、シリンドリカルレンズ115、回転多面鏡113、fθレンズ114のシリンドリカルレンズ、ミラー116等の光学系の構成が簡単となり、製造時及びメンテナンス時の光学調整が容易となり、コスト的に有利となり、また、複数のレーザ光源の場合のような波長選別が不要となる。
【0065】
以上のようなレーザダイオードチップの温度制御の例を図15により説明する。図15に示すレーザダイオードチップの温度制御装置は、感光材料Fに対しλ1,λ2の異なる波長のレーザビームを射出するレーザダイオード231と、レーザダイオード231に前置されたレンズ232と、λ1,λ2とは別の波長λ3のレーザビームを射出する温度制御用レーザダイオード237と、レーザダイオード237に前置されたレンズ238と、温度制御用レーザダイオード237を制御する制御装置239と、レーザダイオード231からの波長λ1,λ2のレーザビームを透過し温度制御用レーザダイオード237からの波長λ3のレーザビームをレーザダイオード231のレーザ素子231aの表面に向けて反射するダイクロックミラー等の波長選択型ハーフミラ−233とを備える。
【0066】
温度制御用レーザダイオード237から波長λ3のレーザビームをレンズ238,ハーフミラー233及びレンズ232を介してレーザ素子231aの表面に集光することによりレーザ素子231aの表面の温度を上昇させることができる。この表面温度を例えば図13の温度t1とt2に温度制御用レーザダイオード237からのレーザビームの強度(光量)を制御装置239の制御により変化させる。これにより、レーザダイオード231のレーザ素子231aから射出するレーザビームの波長を図13のようにλ1とλ2に変えることができる。なお、温度制御用のレーザビームは波長(λ3)がレーザビームの波長(λ1,λ2)と大きく異なるので、λ3の光を直接露光レーザ光源に注入しても、レーザ発振ノイズは起こらずに悪影響はない。これらの波長は、例えば、λ1=0.8μm、λ2=0.80053μmとしたとき、λ3=0.660μmとすることができる。
【0067】
次に、上述のフィルムFについて説明する。図10は、フィルムFの断面図であり、露光時におけるフィルムF内の化学的反応を模式的に示した図である。図11は、加熱時におけるフィルムF内の化学的反応を模式的に示した、図10と同様な断面図である。フィルムFは、PETからなる支持体(基層)上に、ポリビニルブチラールを主材とする感光層が形成され、更に、その上にセルロースブチレートからなる保護層が形成されている。感光層には、ベヘン酸銀(Beh.Ag)と、還元剤及び調色剤とが配合されている。
【0068】
露光時に、レーザビーム露光装置120よりレーザ光LがフィルムFに対して照射されると、図10に示すように、レーザ光Lが照射された領域に、ハロゲン化銀粒子が感光し、潜像が形成される。一方、フィルムFが加熱されて最低熱現像温度以上になると、図11に示すように、ベヘン酸銀から銀イオン(Ag+)が放出され、銀イオンを放出したベヘン酸は調色剤と錯体を形成する。その後銀イオンが拡散して、感光したハロゲン化銀粒子を核として還元剤が作用し、化学的反応により銀画像が形成されると思われる。このようにフィルムFは、感光性ハロゲン化銀粒子と、有機銀塩と、銀イオン還元剤とを含有し、40℃以下の温度では実質的に熱現像されず、80℃以上である最低現像温度以上の温度で熱現像されるようになっている。
【0069】
熱現像材料に用いられる感光性のハロゲン化銀は、典型的に、有機銀塩に関して、0.75〜25mol%の範囲で用いられることができ、好ましくは、2〜20mol%の範囲で用いられることができる。また、フィルムFは、有機酸銀を感光層中のハロゲン化銀粒子に対して銀量で4倍以上の含有していることが好ましい。また、ハロゲン化銀粒子の平均粒径は0.1μm以下である。
【0070】
このハロゲン化銀は、臭化銀や、ヨウ化銀や、塩化銀や、臭化ヨウ化銀や、塩化臭化ヨウ化銀や、塩化臭化銀等のあらゆる感光性ハロゲン化銀であっても良い。このハロゲン化銀は、これらに限定されるものではないが、立方体や、斜方晶系状や、平板状や、4面体等を含む、感光性であるところのあらゆる形態であったも良い。
【0071】
有機銀塩は、銀にオンの還元源を含むあらゆる有機材料である。有機酸の、特に長鎖脂肪酸(10〜30の炭素原子、好ましくは15〜28の炭素原子)の銀塩が好ましい。配位子が全体的に4.0〜10.0の間で一定の安定性を有する有機又は無機の銀塩錯体であることが好ましい。そして、画像記録層の重量の約5〜30%であることが好ましい。
【0072】
この熱現像材料に用いられることができる有機銀塩は、光に対して比較的安定な銀塩であって、露光された光触媒(たとえば写真用ハロゲン化銀等)と還元剤の存在において、80℃以上の温度に加熱されたときに銀画像を形成する銀塩である。
【0073】
好ましい有機銀塩には、カルボキシル基を有する有機化合物の銀塩が含まれる。それらには、脂肪族カルボン酸の銀塩及び芳香族カルボン酸の銀塩が含まれる。脂肪族カルボン酸の銀塩の好ましい例には、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等が含まれる。脂肪族カルボン酸におけるハロゲン原子又はヒドロキシルとの銀塩も効果的に用いうる。メルカプト又はチオン基を有する化合物及びそれらの誘導体の銀塩も用いうる。更に、イミノ基を有する化合物の銀塩を用いうる。
【0074】
有機銀塩のための還元剤は、銀イオンを金属銀に還元できるいずれの材料でも良く、好ましくは有機材料である。フェニドン、ヒドロキノン及びカテコールのような従来の写真現像剤が有用である。しかし、フェノール還元剤が好ましい。還元剤は画像記録層の1〜10重量%存在するべきである。多層構成においては、還元剤が乳剤層以外の相に添加される場合は、わずかに高い割合である約2〜15重量%がより望ましい。
【0075】
【実施例】
上述の本実施の形態による図5及び図6に示す装置によりそれぞれ下記のフィルムFを露光し熱現像したところ、干渉ムラの発生が原因と考えられる濃度むらは発見されなかった。以下、フィルムFの製造について説明する。
【0076】
ハロゲン化銀−ベヘン酸銀ドライソープを、米国特許第3,839,049号に記載の方法によって調製した。上記ハロゲン化銀は総銀量の9モル%を有し、一方べへン酸銀は総銀量の91モル%を有した。上記ハロゲン化銀は、ヨウ化物2%を有する0.055μm臭化ヨウ化銀エマルジョンであった。
【0077】
熱現像乳剤を、上記ハロゲン化銀−ベヘン酸銀ドライソープ455g、トルエン27g、2−ブタノン1918g、およびポリビニルブチラール(モンサント製のB−79)と均質化した。上記均質化熱現像乳剤(698g)および2−ブタノン60gを撹拌しながら12.8℃まで冷却した。ピリジニウムヒドロブロミドペルブロミド(0.92g)を加えて、2時間撹絆した。
【0078】
臭化カルシウム溶液(CaBr(1g)とメタノール10ミリリットル)3.25ミリリットルを加え、続いて30分間撹拌した。更にポリビニルブチラール(158g;モンサント製B−79)を加え、20分間撹拌した。温度を21.1℃まで上昇し、以下のものを撹絆しながら15分間かけて加えた。
Figure 0003788173
【0079】
Figure 0003788173
尚、染料S−1は以下の構造を有する。
【化1】
Figure 0003788173
活性保護トップコート溶液を以下の成分を用いて調製した,
Figure 0003788173
【0080】
Figure 0003788173
【0081】
この熱現像乳剤とトッブコートとは、同時に、0.18mmの青色ポリエステル・フィルム・べースにコーティングされた。ナイフ・コーターは、同時にコーティングする2つのバーやナイフを15.2cmの距離を置いた状態で設定された。銀トリップ層と、トップ・コートとは、銀乳剤をリアー・ナイフに先立ってフィルムに注ぎ、トップ・コートをフロント・バーに先立ってフィルムに注ぐことにより、多層コーティングされた。
【0082】
このフィルムは、次いで、両方の層が同時にコーテングされるように、前方へ引き出された。これは、多層コーティング方法を1回行って得られた。コーティングされたポリエステル・べースは、79.4℃で4分間乾燥せしめられた。そのナイフは、その銀層に対して1m2当たりの乾燥被膜重量が23gとなるように、そして、そのトップ・コートに対して1m2当たりの乾燥被膜重量が2.4gとなるように調整された。また、これらの層の乾燥膜厚および屈折率と支持体であるフィルムベースの膜厚及び屈折率から求まる光路長は600μmであった。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、光学調整が簡単でありかつ光量の損失を抑え、干渉ムラによる濃度変動のないレーザビーム露光装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するためのフィルムの断面図である。
【図2】図1の入射光の入射点5におけるレーザ光の波長(λ1)と位相を示す図(a)、反射光の入射点6におけるレーザ光の波長(λ2)と位相(図1(a)と同一位相)を示す図(b)、及び反射光の入射点6におけるレーザ光の波長(λ2)と位相(図1(a)と逆の位相)を示す図(c)である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる熱現像装置の正面図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる熱現像装置の左側面図である。
【図5】図3の熱現像装置のレーザビーム露光装置の構成を示す概略図である。
【図6】レーザビーム露光装置の変形例を示す概略図である。
【図7】図6のレーザビーム露光装置のレーザ光源部及び温度制御素子を更に詳しく示す側面図である。
【図8】本実施の形態における2つの異なる光量−波長特性を示す図である。
【図9】本実施の形態における干渉ムラの非可視化のための照射パターンを示す図である。
【図10】本実施の形態にけるフィルムFの断面図であり、露光時におけるフィルムF内の化学的反応を模式的に示した図である。
【図11】加熱時におけるフィルムF内の化学的反応を模式的に示した、図10と同様な断面図である。
【図12】従来技術の問題を説明するためのフィルムの断面とレーザ光との関係を示す概念図(a),(b)である。
【図13】レーザダイオードの温度による波長変化を概念的に示す図である。
【図14】本実施の形態における干渉ムラの非可視化のための照射パターンの変形例を示す図である。
【図15】レーザ光源のレーザ素子の温度制御装置の概略図である。
【符号の説明】
1 フィルムの支持体
2 フィルムの感光層
100 熱現像装置
110 格納部
120 レーザビーム露光装置
130 現像部
125,127,225 レーザ光源部
225a 温度制御素子
225b 温度検知素子
128 温度制御部
129 光変調素子
113 回転多面鏡
142 搬送装置
F フィルム
D1 フィルムの支持体の厚さ
n1 支持体の屈折率
D2 フィルムの感光層の厚さ
n2 感光層の屈折率
λ1 レーザ光の波長
λ2 別のレーザ光の波長

Claims (12)

  1. 使用する波長に対して透過性または半透過性である支持体層または感光層を少なくとも1つ有する感光材料に対しレーザ光源からレーザビームを照射し露光するレーザビーム露光装置であって、
    前記レーザビームにより照射される1本の走査線または連続した複数本の走査線からなるビーム照射域を1つの線状領域と定義し、隣接する前記線状領域毎に、光量−波長特性が異なるレーザビームを切り替えて前記感光材料を照射することを特徴とするレーザビーム露光装置。
  2. 前記光量−波長特性が異なるレーザビームは、前記線状領域と隣接する前記線状領域との間で感光体に発生する干渉ムラのパターンが逆転する特性を有していることを特徴とする請求項1に記載のレーザビーム露光装置。
  3. 前記線状領域と前記隣接する線状領域とは干渉ムラが非可視化されている範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザビーム露光装置。
  4. 1つのレーザ光源で光量−波長特性を前記隣接する線状領域毎に切り替えて前記感光材料に照射することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のレーザビーム露光装置。
  5. 光量−波長特性の異なる複数のレーザ光源を、前記隣接する線状領域毎に切り替えて前記感光材料に照射することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のレーザビーム露光装置。
  6. 前記光量−波長特性は前記レーザ光源の温度を所定範囲以上にわたり変調しながら切り替えて前記感光材料の露光を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザビーム露光装置。
  7. 前記レーザ光源の温度を変えることで前記光量−波長特性を異なるようにした前記レーザ光源を、前記隣接する線状領域毎に切り替えて前記感光材料に照射することを特徴とする請求項6に記載のレーザビーム露光装置。
  8. 前記変調は前記線状領域毎に実施することを特徴とする請求項7に記載のレーザビーム露光装置。
  9. 前記レーザ光源はレーザ素子を含み、前記レーザ素子に温度制御部材が直接に結合されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のレーザビーム露光装置。
  10. 前記変調は前記レーザ光源に別波長の温度変調用光ビームを注入し、その光ビームの光量を変調することにより行われることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載のレーザビーム露光装置。
  11. 前記変調は干渉パターンが逆転するような2値の温度間を変調することを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載のレーザビーム露光装置。
  12. 前記感光材料はハロゲン化銀感光材料であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のレーザビーム露光装置。
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