JP3788007B2 - 浄化装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気分離式の浄化装置に関し、特に連続して容易に磁性物質を分離除去できる浄化装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
水中の汚染物を除去して水を浄化する技術の一つの例として磁気分離技術がある。この技術を応用し海、河川、貯水池等の連続水浄化装置に低起用した技術として特開昭59−371号公報に、高勾配磁気フィルタを用いた磁気分離装置が開示されている。
【0003】
この装置では処理する原水に磁気分離工程への前処理として、原水取水後に、例えば四酸酸化鉄等の磁性粉と凝縮剤の硫酸バン土やポリ塩化アルミニュウムを加えて撹絆し、原水中の固形浮遊物や藻類、菌類、微生物は、凝縮剤によって磁性フロックと結合しコロイド状の多数の磁性を持った磁性凝集体即ち磁性物質となる。これらの磁性物質は磁気分離部を通過する際に分離部に吸引され原水中から分離される。この磁気分離部では、原水中の磁性物質が、高勾配フィルタ表面に大きな磁力により捕捉され、浄化された水が処理水として排出される。
【0004】
この従来技術ではフィルタにより磁性物質を捕捉するので、ある程度以上の量の磁性物質を捕捉すると、フィルタ上に磁性物質が堆積し、磁力による捕捉力が弱くなる。そこで、磁気分離の性能を回復するためにフィルタの逆洗が行われて、フィルタ表面に捕捉された磁性物質を洗浄除去する。このとき、磁性物質を吸着している磁力をなくす、もしくは低下させて洗浄の効率を向上させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、逆洗を行なっている間は磁気分離を行なうことは困難である。また、高磁気勾配フィルタの細部に入り込んだ磁性物質を洗い出す事は容易でなく、磁気分離作業を止めて逆洗に多くの時間が必要となり、浄化処理の効率を大きく損なってしまう。従来技術ではこの逆洗により全体的な処理効率が低下してしまうという問題については考慮されていなかった。
【0006】
また、浄化効率を大きくするため逆洗の間隔を長くすると、捕集した磁性物質をフィルタ部の近傍に運転中蓄積して保存するスペースを大きくしなければならず、磁気分離部の容積が大きくなるので、電磁石が大型となる、あるいは大きな磁力を発生しなければならず、大型の電磁石を運転する電力が増大してしまうという問題について考慮されていなかった。
【0007】
本発明の目的は、小さな消費動力で効率よく浄化処理のできる浄化装置を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、全量または一部の磁性物質を連続的に分離除去することより達成される。
【0009】
より詳細には、水を導入し排出する流路と、この流路途中に設けられ該流路内に磁場を与える磁場発生手段とを備えた浄化装置において、前記導入される水は磁性物質を含むものであり、前記磁場発生手段が配設された流路内であって、前記磁性物質を捕捉する磁性物質捕捉部と、捕捉された前記磁性物質を円周方向移動させる回転かき寄せ板と、前記円周方向に穴を有し排出管と導通した吸引管とを備え、前記磁性物質は前記穴から連続的に吸引捕集されることにより達成される。
【0010】
また、この搬出手段の近傍に磁性物質を移動させる手段を備えることにより達成される。さらには、磁場発生手段の外周部に原水の流路を備えてもよい。
【0011】
また、原水の流路内に設けられた磁性物質感知手段と、この感知手段からの信号により、搬出手段の排出量を制御する制御手段とを備えた構成としてもよい。さらに、処理水の下流側に設けられた磁性物質あるいは添加物もしくは添加物の元素を感知する感知手段と、この感知手段からの信号により原水の流量を制御する流量制御手段、あるいは磁場発生手段の発生する磁場を制御する磁場制御手段とを備えてもよい。
【0012】
以上の構成を有することによる作用を以下に説明する。
【0013】
磁気分離部に生じる磁気吸引力は、(磁界の強さ)×(磁性物質の磁化率)×(磁性物質の量)×(磁気勾配)で表される。従って、磁気フィルタ無しの場合であっても、電磁石の出入口部の原水流路内に磁気勾配が生じ、その部分に原水中の磁性物質が吸引捕捉される。上記捕捉場所に磁気分離部外に導通した排出管が配置されており、連続的に捕捉磁性物質が磁気分離部外に搬出される。この場合は、磁場発生用の電磁石の電源を落とす必要がない。捕捉した磁性物質を吸引せず逆洗する場合に抵抗となり障害となるフィルタがないので、短時間で捕捉磁性物質が搬出され浄化運転効率が向上する。
【0014】
また、電磁石にニオブチタン系やニオブ3スズ系やニオブ3アルミニュウム系やビスマス系やタリウム系等の高温超電導系の超電導磁石を使用すれば、磁場発生用の消費電力は非常に少なくてすみ、連続分離方式では、電磁石の電源を運転中に操作する必要がないので、分離運転中永久電流運転が可能となる。したがって、この間電流供給ケーブルを極低温の磁石から機械的に分離することができ、超電導磁石に室温部から熱が侵入することが防止される。したがって、冷却用の液体ヘリウムや液体窒素の冷媒の消費量を低減できる。冷凍機で冷却する場合には、冷凍機の消費電力が低減され、冷凍機の小型化が可能となる。
【0015】
さらに、処理水の下流側に、磁気フィルタを備えた磁気分離手段と、この磁気分離手段に前記処理水を供給する流路とを備えた構成とすることで、従来技術による磁気フィルタを備えた磁気分離部へ流入する被処理水に含まれる磁性物質の大きさは小さく、量も少なくなり、フィルタが目詰まりを起こして洗浄しなければならなくなるまでの時間、つまり洗浄周期は大幅に長くなる。さらに、原水中の磁性物質の大きさに応じて磁気分離手段を分割することで、被処理水の通水速度が高速となり、装置を大幅に小型化できる。また、前記磁気分離部と前記高勾配磁気フィルタを内蔵した磁気分離部を同一電磁石の磁場内に配置しても同様な効果を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を図1、図2、図3により説明する。
【0017】
図1は本実施の形態に係る浄化装置の全体構成の概略と磁気分離部の構成を示す縦断面図である。図2は図1に示す浄化装置における磁性物質の捕捉状況を示す縦断面図を、さらに図3は電磁石の磁束密度の分布の例を示す縦断面図である。
【0018】
先ず、図3を用いて本発明のような円筒形(ドーナツ形)の電磁石の近傍に発生する磁界について説明する。
【0019】
磁気分離容器15の外周に配置した電磁石により磁気分離容器15には図3の破線で示すような磁界が発生する。この図では磁界の分布を磁束密度の分布として表している。この磁界における磁場の強さは電磁石の電流値及びコイルの巻数によって決定されるものである。この図3に示すように、この円筒形(ドーナツ形)の形状の電磁石30では、その磁場は円筒状磁石の内側側壁部が最も強く、円筒の軸方向について外側方向に向かうに伴って急速に減少する。したがって、磁気勾配は円筒状磁石の大気解放部即ち円筒形の円周部の近傍において磁気勾配が最大となる。したがって、磁気分離容器15内部では、被処理水の流動する方向について電磁石の出入口部に大きな磁場勾配が生じることになり、この箇所に当たる電磁石の出入口部に対応した磁気分離容器15の内壁面で磁気勾配が最大となる。つまり、磁性物質は内壁面に最も集まり易く捕捉され易いことになる。
【0020】
さて、磁気分離部に生じる磁気吸引力は、(磁界の強さ)×(磁性物質の磁化率)×(磁性物質の量)×(磁気勾配)で表される。図3においては、磁性物質を含んだ被処理水が磁気分離部入口45から流入し、出口53から流出する場合が示されている。このとき、被処理水中の磁性物質は電磁石30の磁場により吸引され、電磁石30の中央部に向けて引き寄せられる。このとき、磁性物質には電磁石30の出入口部(円周端部)が磁力、磁気勾配ともに大きいためそちら方向に磁力が作用し、磁性物質はこの部分に近い磁気分離容器15内面側に集まる。ここで、磁性物質に作用する磁力が、同時にこの磁性物質を押し流そうと作用する流体の抗力より大きい場合には、磁性物質がこの位置に留まることになり、図1乃至図3に示すのように部分46にドーナツ状に磁性物質は流路内に停留、捕捉される。
【0021】
次に、本発明に用いられる電磁石30近傍の構成を図2を用いて説明する。
【0022】
本実施の形態では、電磁石に超電導磁石を使用した例を示しており、円筒状の超電導磁石30はボビン31に巻き付けられている。ボビン31はステンレス鋼製や銅製やアルミニュウム合金製や強化エポキシ樹脂製やこれらの材質の組み合わせたもの等が使用され、剛性が強く、熱伝導がよくかつ熱容量が小さくなるように選定される。
【0023】
ボビン31の一部に冷却管32と一体化された冷却板33が熱的に一体化され、冷却管は配管34、35により、冷凍機36に接続されている。冷凍機36は作動冷媒にヘリウム、窒素、空気、水素、フロン系ガスを使用する機器やペルチェ素子を使用した電子式の機器が使用され、空冷叉は水冷式の圧縮機から圧縮冷媒の供給を配管38から供給され、冷凍機36内で断熱仕事を行い寒冷を発生し、低圧の状態で配管39を通じて圧縮機37に戻る。ガスを作動流体に使用した冷凍機の方式としては、ギフォード・マクマホン式、ソルベイ式、スターリング式、パスル管式、コリンズ型膨張機式、膨張タービン式、膨張弁式、これらを組み合わせた機器等が使用される。冷凍機内で発生した寒冷は、冷却管32を通じて運搬され、冷却板33を冷却し間接的に超電導磁石30を超電導発生温度以下に冷却する。超電導磁石30の周りには、常温部から超電導磁石への輻射熱や磁石支持体や電流リード線からの伝導伝熱による熱侵入を防止するために、常温と超電導発生温度の中間レベルに冷却された熱シールド40を配置する。
【0024】
さらに、本発明において電磁石30を冷却する装置の構成を図1を用いて説明する。
真空容器41の内壁でもある熱シールド40は冷凍機36が発生する寒冷と常温との中間の温度レベルの寒冷によって冷却される。これらの構成要素は真空容器41内に納められている。電流リード線42、43は電気絶縁性を有したかつ熱伝導性が良好な絶縁体、例えばサファイヤ製の絶縁体44を通じて熱シールド40で冷却され、間接的に冷凍機36で発生する寒冷の中間の温度レベルの寒冷で冷却される。
【0025】
次に、この図1を用いて、本発明の浄化装置の磁気分離部での処理水の流れを説明する。磁性フロックの磁性物質を含む前処理水12は、入り口45から磁気分離容器15内に流入し、紙面上方に向かって流れる。ここで、上記のように磁性物質は磁気勾配が大きく磁性物質に作用する磁力が磁性物質の流動を阻止する方向に働き、その力が磁性物質に作用する流体力より大きくなる部分46に捕捉されて、流路中に浮遊する。
【0026】
この部分46に、捕捉された磁性物質を吸引して外部へ排出するための穴47が穿たれた吸引管48が設けられており、磁性物質はこの吸引管48により吸引され、排出管49を通って配管24へ運搬される。排出管49は水密シール部501により大気と隔離され、吸引管48、排出管49はモータ502、ベルト503により回転しながら部分46の磁性物質を吸引する。この捕捉された磁性物質を吸引する動作では、磁性物質を捕捉している磁力を上回る剥離力が生じる速度が生じるように配管の出入口間に圧力差を与えることにより、磁性物質を穴47を有した吸引管48、これに導通した排出管49を通して除去できる。このときの流速は発明者らの実験の結果では、毎秒20cmの吸引、排出流速で十分であった。しかも、磁気分離部に印加している磁場を止めたり、弱めたりして装置の運転を変化させることなく、連続的に磁気分離容器内から除去できる。
【0027】
除去された磁性物質は配管24、弁25を通り濃縮汚泥槽50に貯蔵される。磁性物質の吸引および排出動力は大気と流路内の圧力差を利用でき、また濃縮汚泥槽50内を真空排気装置等を使用して流路内圧よりも減圧して吸引するようにしてもよい。
【0028】
濃縮汚泥槽50の濃縮汚泥は回転ドラム中に汚泥を投入し、磁性物質の密度が水よりも大きいことを利用して磁性物質と水とを回転分離する遠心分離機等の脱水手段101で脱水され、乾燥、磁性粉回収、堆肥処理等の機能を有した後処理装置102に搬入される。磁性物質を分離除去された処理水は、出口53を通り、配管22を通り貯水池1に戻される。
【0029】
本発明の上記の構成を有する実施の形態によれば、原水中の磁性物質を連続的に電磁石自身が作り出す磁場空間内に捕捉保持させ、この磁性物質を吸引管で吸引して磁気分離部外部へ排出できる。この際には磁気分離を行いつつ、連続的に捕捉した磁性物質の分離と除去が可能となる。磁気分離部にフィルタを用いておらず、フィルタ再生する運転、および補足した磁性物質を洗い流す逆洗工程も不要となる。従って、運転効率を向上できる。また、磁性物質を連続的除去できるので、捕捉した磁性物質を逆洗するまで磁気分離部内に保持する必要がなく、磁気分離部の磁性物質保有空間が小さくて済み磁気分離部の空間を小さくできる。したがって、電磁石中央部の磁界方向の長さを小さくでき、電磁石の長手方向長さを短くして、電磁石を小型化できる効果がある。
【0030】
本実施の形態では、電磁石を冷凍機で冷却管を介して冷却したが、冷凍機の寒冷部を直接電磁石の一端に熱的に一体化させ冷却するようにしても同様な効果が生じることは言うまでもない。また、電磁石を液体ヘリウムや液体窒素、液化フロン等の極低温、低温冷媒で冷却する場合であっても同様な効果が生じる。
【0031】
また、原水としては、動物プラクトンや植物プランクトン、有機、無機物質、重金属物質や化学物質等を含む、海水、河川水、湖沼水、工業廃水、ゴミ処理場の雨水廃水、下水、排煙洗浄水等の被処理水の浄化にも使用できる。
【0032】
廃水中の重金属を磁性物質とするためには、廃水を酸、アルカリ処理し、例えば水酸化鉄と酸化剤の空気を添加して温度調整等を行い化学反応させる。このようにして、重金属を含む廃水中に磁性物質が形成される。
【0033】
更に、本実施の形態における電磁石に超電導磁石を適用しすれば、運転開始時に一度励磁し永久電流運転すれば、電源の補給系は必要でなく、常温部から極低温部につながる電流ケーブルを一旦はずすことができる。これにより、電流ケーブルを伝わって常温部から極低温部に熱が侵入する事を防止できるため、さらに、超電導磁石を冷却する冷凍機の電力や、冷媒の消費量を低減できる効果がある。
【0034】
また、本実施例では磁性物質の排出を前処理水の上流方向にしたが、これが下流方向でも同様の効果を奏することができることは言うまでもなく、全方向流で可能である。
【0035】
また、排出管49を鉄鋼等の磁性材料で製作してもよい。この場合には、排出管内の磁気勾配は小さくなり、磁性物質の搬出動力が少なくて済む効果がある。さらに、排出管49をパーマロイ等の磁気シールド材や超電導発生温度以下に冷却された超電導材料で構成してもよく、この場合にも排出管内の磁気勾配は小さくなり、磁性物質の搬出動力が少なくて済む効果がある。
【0036】
また、本実施の形態では、分離した磁性物質を連続的に吸引排出する場合に付いて説明したが、磁性物質の量が少ない場合には断続的に吸引排出する場合でも同様な効果が生じる。また、吸引手段を設けず、電磁石の発生磁場を小さくするか、逆洗水流を大きくして、断続的に浄化運転を停止し、短時間に捕捉磁性物質を磁気分離容器外に排出してもよい。
【0037】
また、電流リード線42、43の電磁石30と絶縁体44の間を超電導材で構成すれば、通電中の電気抵抗が無くなり、この間の発生熱が無く、電磁石30および熱シールド板40をより低温側に冷却でき、電磁石30を安定に運転できる効果がある。
【0038】
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態を図4及び図5に示す。図4は、本実施の形態に係る浄化装置における磁気分離部の縦断面図である。図5は、図4に示した浄化装置に用いられるかき寄せ板の横断面を示す図である。
【0039】
本実施例が図1に示した実施の形態と異なる点は図1中の磁性物質捕捉部46に磁性物質を円周方向にかき寄せるセラミックやプラスチックやステンレス鋼やアルミニュウム合金等の非磁性材料、低電導性材料で製作した回転かき寄せ板54を配置し、これをモータ55、かき寄せ板54に接続した回転軸56で回転させるようにした点にある。
【0040】
磁気分離容器15の内部を流れる被処理水の流速は、容器内中央部が最も大きく、壁面で最小となる。したがって、磁性物質に作用する流体抵抗は容器中央で最も大きく、磁気分離容器15内径に比して電磁石30で発生する磁力が小さい場合には、容器中央部を流れる被処理水中の磁性物質は捕捉できなくなる場合がある。一方、磁気分離容器15の内径に比して電磁石15の発生する磁場強度が大きい場合には、被処理水中の磁性物質に作用する磁気分離容器15内の内径方向の磁力が均一となり、容器15の中央部まで磁性物質が捕捉浮遊してしまい、この場合でも、容器15内の中央部を流れる磁性物質は電磁石30の磁力で捕捉されなくなる状態となる。
【0041】
磁気分離容器15内部に磁性物質を捕捉するフィルタのように、機械的に捕捉手段を有しない本発明において、磁性物質の捕捉量を大きくし、磁気分離の効率を大きくするためには、容器15の中央部を流れる磁性物質を効率的に補集しなければならない。この必然的な問題を解決するために、中央部の磁性物質を吸引管が設置された部位に移動させる、もしくはより磁力が大きな容器15内壁面へ移動させる必要がある。図4、図5に示す本実施の形態では、回転かき寄せ板54を磁気分離容器15内に備え、かき寄せ板54に接合した回転軸を回転手段、例えばモータ等で回転させて、磁性物質を容器15内の吸引管59の設置された内壁面の周方向に移動させる。かき寄せられた部位57には穴58を有したリング状の吸引管59を配置しこれに導通した排出管60を通り、磁性物質は濃縮汚泥槽50に連続的に貯蔵される。
【0042】
図5は回転かき寄せ板54及びリング状の吸引管59を上方から眺めた横断面を示している。磁性物質捕捉部46内では、半径方向の磁気勾配は小さいのでわずかな力で半径方向に移動する。かき寄せ板54は、回転しつつ磁性物質捕捉部46内の磁性物質を回転中心から円周方向に移動させるようにその表面の形状が決定されており、その表面の法線が常に外周方向を向くように形成されている。この形状によりかき寄せ板54の表面にある磁性物質は、かき寄せ板54の回転により常に半径の外方向へ向かわせる力が発生する。この力により磁性物質は磁気分離容器15の内表面方向に集められる。
【0043】
上記した本実施の形態によれば、回転かき寄せ板54で磁性物質を穴58より連続的に円周方向に吸引補集できるので、回転かき寄せ板54中央部は常に磁性物質の浮遊が少なく、磁性物質を含む原水の流動抵抗が少なくなる。したがって、被処理水を流動させるための動力が少なくて済み、例えば、被処理水を駆動するポンプの必要運転動力が小さくなる。また浮遊磁性物質の浮遊流流動抵抗も小さくなるので、磁石による発生磁場勾配も小さくて済み電磁石30を小型化できる効果がある。
【0044】
本実施の形態では、かき寄せ板54により磁性物質を容器15の内表面方向に集める構成を示したが、このかき寄せ板54を逆回転させて磁性物質を中央部に集めて、中央部から外部へ排出してもよい。この場合には図2に示した排出管49を用いることができる。
【0045】
また、図4中に示した回転かき寄せ板54に接続した回転軸56の一部に、原水の流動により回転軸56周りに回転する回転翼60を備えた構成としてもよい。このとき、回転軸56は両端部で水密シール部501で支持され、一端は大気中に露出させ、回転の有無を目視できるようにしてもよい。回転翼60は流入する被処理水の流れによって回転し、これによって回転かき寄せ板54が回転する。この場合、回転かき寄せ板54を回転させるモータが不要となる。
【0046】
また、図4に示すように、電磁石30の外周部に磁場キャンセルコイル61を設け電磁石30と逆方向の磁場を発生させてもよい。磁場キャンセルコイルは、電磁石30で発生する外部漏れ磁場を防ぐとともに電磁石30の磁場勾配を大きくして磁性物質の捕捉力を強化するとともに捕捉領域を広くする事ができる。外部漏れ磁場を小さくすることにより、電気部品を含む冷凍機36を使用する場合、の磁場影響度を小さくでき冷凍機をより近接でき、冷却用配管34、35が短くなる。したがって、これらの配管に熱負荷として侵入する輻射熱等による熱侵入量を低減して、冷凍機の冷凍能力をより有効的に電磁石の冷却に利用できる。このような構成は、本実施の形態のみでなく、本発明で開示するすべての実施の形態に適用しても、同様の効果を奏することができる。
【0047】
さらに、磁性物体を磁力の大きな容器15の内壁面へ移動させる別の手段として、磁気分離容器15の被処理水の流入口付近に被処理水が磁気分離容器15内で螺旋状に旋回するように旋回翼73(図9参照)を配置してもよい。
【0048】
この旋回翼73を設けることによって、被処理水中の磁性物質が相互に衝突させ、あるいは旋回翼と衝突させて細かくなり、被処理水の流動方向に一箇所または複数箇所の磁気勾配の大きな位置、すなわち電磁石の出入口部に対応する位置の近傍に捕捉される。同時に、被処理水の旋回による遠心力により、比重がより重い磁性物体は、半径方向の磁気勾配が小さいため、容器15の内壁面の方向に移動し、部位72c、72dに集まり、穴の明いたリング状の吸引管59a、59bに吸引され、排出管60a、60bを介して磁気分離容器15外に連続的に排出される。この排出管60はリング状の部位の円周部に所定の間隔で複数個設けられており、圧力差により磁性物質を排出する。
【0049】
このような構成とすることにより、機械的に磁性物質をかき寄せるためにモータ等の回転機械や補機を設ける必要がなく、装置の信頼性が更に向上する効果がある。
【0050】
本実施の形態では、旋回翼を配置した場合について説明したが、入り口45を磁気分離容器15の半径方向に流入する構造、例えば螺旋状に配設した配管を設けて、被処理水が旋回を生じるようにしても同様な効果が生じる。
【0051】
さらに、磁性物体を磁気勾配の大きな磁気分離容器15の内壁面方向に移動させる別の手段として、磁気分離容器15の中央部に円筒状もしくは柱状の偏流体を配置してもよい。この偏流体は、その外表面が磁気分離容器15の内表面に沿った形状であることが望ましい。
【0052】
磁気分離容器15内の被処理水流路の中央の空間を占有しており、被処理水はこの偏流体の外表面と磁気分離容器15の内表面との間を流れる。偏流体の大きさが、十分に大きく、かつ被処理水の流動を著しく妨げず、磁性物体の吸引管を設けることができる空間をその外表面と磁気分離容器15の内表面との間に有するものであることが望ましい。
【0053】
このような構成とすれば、回転かき寄せ板無しで磁性物質を連続的に容器内壁面方向に補集できるので、流路断面が大きな磁気分離容器の場合であっても磁性物質を吸引管に補集することができる。
【0054】
〔第3の実施の形態〕
本発明の他の実施例を図6に示す。図6は、本発明の第3の実施の形態に係る浄化装置における磁気分離部の縦断面図である。
【0055】
本実施の形態が第1の実施の形態及び第2の実施の形態と異なる点は、真空容器41の外周部に円筒状の前処理水の前段流路62を設け、入り口63より前処理水を流入させ、電磁石30の外部磁界の磁場勾配を利用して、磁性物質の捕捉部位64に捕捉された磁性物質をノズル65、排出管66を介して磁性物質を濃縮汚泥槽50に貯蔵するようにした点ある。
【0056】
磁性物質をある程度除去された前処理水は、出口67、配管68を経て、入り口45から磁気分離容器15内に流入し、残りの磁性物質をドーナツ状の部位57で捕捉し、円周上に多数設けたノズル65および排出管66より吸引除去する。
【0057】
本実施の形態では、大型の磁性物質即ち磁気力が大きくなる磁性物質を前段流路で捕捉した後、再度磁気分離容器15内部で磁気分離する2段階の分離過程を有しており、捕捉効率が向上できる効果がある。また、本実施の形態における上記の思想は、本実施の形態のみでなく、本願で開示するすべての実施の形態について適用可能であり、その奏する効果も同等である。
【0058】
なお、本実施の形態では、2段階の磁気分離を行なう形態について示したが、前段階流路と磁気分離容器をパラに配置し両流路に平行に前処理水を流動させるようにすれば、流路面積が広くなり、より大量の被処理水を浄化できる効果があり、被処理水量を一定にすれば、電磁石をより小型にする事ができる効果がある。
【0059】
〔第4の実施の形態〕
本発明の実施例を図7に示す。図7は、本実施の形態に係る浄化装置における磁気分離部の縦断面図である。
【0060】
本実施の形態が上述の実施の形態と異なる点は電磁石30a、30b、30cを同一ボビン31上に互いに磁界方向が逆向きになるように配置し、磁気分離容器15内の長手方向、すなわち、前処理水の流動方向に一箇所または複数箇所磁場勾配が増加する部位72a、72bを発生させるようにした点にある。
【0061】
磁性フロックの磁性物質を含む前処理水12は、入り口45から磁気分離容器15内に流入し、紙面上方に向かって流れる。ここで、磁性物質は磁気勾配が大きな、かつ磁性物質の流動を阻止する部分72aと72bに捕捉され、流路中に捕捉保持する。捕捉された磁性物質は穴を有した吸引管48a、48bこれに導通した排出管49a、49bを通り連続的に磁気分離容器内から除去され、配管24a、24a、弁25a、25bを通り濃縮汚泥槽50に貯蔵される。
【0062】
排出管は水密シール部501により大気と隔離され、吸引管、排出管はモータ502、ベルト503により回転しながら部分72aと72bの磁性物質を吸引する。
【0063】
前述のように、従来の磁性物体をフィルタにより捕捉する技術では、フィルタを逆洗して捕捉した磁性物体をフィルタから除去する必要がある。このため、逆洗の方向にフィルタを配置することは不可能であり、一つの装置に複数の磁気分離部を設けることが困難で、処理流量に限界がある。
【0064】
本実施の形態によれば、磁界が相反する部位72aと72bに大きな磁気勾配が発生し磁性物質の捕捉力が大幅に増大し捕捉効率が向上し捕捉力が強化される。従って、磁気分離容器15内の前処理水の通水速度を増加することができ原水処理量を増加することができる。
【0065】
上記の実施の形態は、磁界を発生する電磁石30を多段構成として、磁性物体の捕捉量を増大させるものである。図8は、本実施の形態に係る浄化装置における磁気分離部の縦断面図であり、捕捉した磁性物体の排出管を多段構成とした電磁石の間に設けた実施の形態を示している。
【0066】
この実施の形態が図7に示す実施の形態と異なる点は、リング状の吸引管59は排出管70に導通し、排出管70はノズル71を介して濃縮汚泥槽50に連通している。ノズル71は両電磁石30の中間位置に配置されている。
【0067】
このようにすることにより、磁界が相反する部位69に大きな磁気勾配が発生し磁性物質の捕捉力が大幅に増大し捕捉力が強化される。従って、磁気分離容器15内の前処理水の通水速度を増加する事ができ原水処理量を増加することができる点は、図7に示す実施の形態と同様である。
【0068】
図8に示す形態では、ノズル71が配置される電磁石30の中間位置は、両電磁石の磁界が向かい合う中間位置にあたり、磁場強度が著しく小さくなった部位に相当する。したがって、ノズル内を通過する磁性物質にかかる磁気力は殆ど無く、小さな排出動力で排出することができ、排出するためのエネルギーを低減することができる。
【0069】
また、図7及び図8に示す形態では、それぞれの電磁石を別々の冷凍機36a,36bで冷却しているが、一台の冷凍機で両電磁石および両熱シールド板を冷却するようにしても同様な効果が得られる。
【0070】
さらに、上記の実施の形態の代案として、磁気分離容器15に設ける電磁石を1つとし、2つめの電磁石の代わりに、磁気分離容器15の被処理水の上流側に高磁場発生手段を設けてもよい。例えば、円盤状の超伝導体を配置して、これを真空容器内に設置し冷凍機で超伝導になる温度まで冷却するようにしてもよい。
【0071】
超伝導体は、超伝導体を通過しようとする磁場を通過させない特性を有し、電磁石30で発生した磁場はこの超伝導体を通過できずに磁気分離容器側に押し戻される。このため、上述の実施の形態と同様に作用する磁力が相互に釣り合って0となる部位が生じるので、この部位に排出管71を設けることで、磁性物体を排出するための動力を小さくできる。さらに、コイル状ではない超伝導体で磁場勾配大きくできるので、構造が簡略化され、分離装置コストを大幅に低減できる効果がある。超伝導体としては、例えば酸化物超伝導体が利用できる。
【0072】
さらに、図9に示すように、磁性物質群が存在するかどうか検知する光吸収,光反射センサ、導電率変化感知センサ、画像処理センサ等を有した磁性物質検知センサ74を部位72c,72dに配置し、このセンサからの信号に応じて、磁性物質が存在すれば、電磁弁25c,25dを操作し、それぞれの部位の磁性物質を濃縮汚泥槽50に排出するようにしてもよい。
【0073】
また、磁気分離容器15出口の配管22aにバイパス回路22bを設け、磁気センサ、質量分析計、紫外線、赤外線等の光を応用した元素分析計やPH計等の計測手段を有する処理水分析計および制御器78を設け、磁性物質または添加薬剤の流出を検出した場合、前処理水流量制御弁13aを操作して前処理水の磁気分離容器内への流入流量を制御し、また電源17の通電量を増加し、磁場強度と磁気勾配を増加し磁気吸引力を増加して磁性物質や磁性物質に合体した薬剤の漏洩を防止するようにしてもよい。
【0074】
このようにすることで、磁性物質の無い場合、排出水が濃縮汚泥槽50に流入しないために、濃縮汚泥槽50内の汚泥の濃度が薄くならず、濃縮汚泥槽50の容積を最小にする事ができ、装置を小型化できる。また、同時に脱水手段51の処理量が最小になりこの装置の小型化および運転動力を低減することができる。また、処理水分析器および制御器78を設け磁性物質や薬剤の漏洩を防止できるので、環境汚染を防止できる効果がある。なお、この漏洩防止の効果は、本願が開示する浄化装置のみならず磁気分離一般の浄化装置に適用できる。
【0075】
〔第5の実施の形態〕
本発明の第5の実施の形態を図10に示す。本実施の形態が図1に示す実施の形態と異なる点は、図1に示した磁気分離容器15の下流側に、図11に示す高勾配磁気フィルタを充填して再生機能を有した磁気分離装置部82を配置し多段で磁気分離を行うようにした点にある。
【0076】
この図11に示される磁気分離装置部82は、従来から知られたものであるが、以下のように運転される。なお、図中の番号は図2,図3と同一である。
【0077】
貯水池1の原水は導水管2から大きなゴミを取るためのフィルタ3を通してポンプ4で原水貯槽5にいったん蓄えられ、この原水6に、薬剤調整装置7から四酸酸化鉄等の磁性粉とポリ塩化アルミニュウム等の凝集剤を導管8を通じて加え、撹絆槽9でモータ10で回転する撹絆機11で撹絆し、磁性フロックの磁性物質を含む前処理水12を製造する。前処理水12は弁13を通じ導水管14を通り磁気分離容器15内に流入する。
【0078】
空心コイル16に直流電源装置17から直流電源を流す。直流電流に比例した磁場が、円筒状の磁気分離容器15内に発生し、磁場は通水用の多孔磁極18によって均一化される。これらが鉄製のヨーク19で囲まれ、磁力線の通路としてその漏洩が防止される。均一化された磁場によって、高勾配磁気フィルタ20の磁性細線充填物を磁化する。磁気分離容器15内の磁場は、磁化された磁性細線充填物のために乱れを生じ、局部的に磁束の疎密ができ、高磁場勾配となる部分が多数発生する。
【0079】
ここに、磁性フロックを含んだ前処理水12を下方から上向流で送水すると、原水中の磁性フロックは充填物の磁性細線表面に、大きな磁力で捕捉され、浄化された原水は処理水として弁21、導水管22を通り処理水槽23にいったん蓄えられ、導水管24を通じて貯水池1に戻される。
【0080】
磁性フロックが一定量高勾配磁気フィルタ20に捕捉された後、磁気分離の性能を回復させるために、フィルタの逆洗が行われる。逆洗は、先ず弁13を閉じ前処理水12の送水を止める。次に、直流電源を切り、磁場を無くした後高勾配磁気フィルタ20の上部から弁21を通じて処理水を所定の量逆流させ弁25を開く。また、この時、空気タンク26から弁27、導管28を通じて空気を供給しエヤーバブリングを行いながら磁性細線表面に付着した磁性フロックを洗浄除去し、洗浄水を逆洗処理水槽29に蓄える。この洗浄水は別途逆洗処理水槽29から運び出され、埋め立て地等に廃棄されたり、焼却される。
【0081】
この後、弁25,弁27を閉じ、再び空心コイル16に直流電源装置17から直流電源を流し、弁27を開いて磁気分離を再開する。
このような構成の磁気分離部82を組合せた本実施の形態によれば、図10中の磁気分離容器15内の流水速度を高くできる。
理由は以下の通りである。
【0082】
大きさが様々の磁性物質を含んだ被処理水を高速で流すと、磁性物質の磁化率が小さい、すなわち、磁性粉の体積含有率が小さい磁性物質は、磁場中での磁気力が小さい割に流れの抗力が大きく、高流速下ではブレーキ力となる磁気力が抗力よりも小さくるので、磁気分離容器内で捕捉されずに被処理水とともに出口53から流出する。しかし、出口53の下流側に配置した高勾配磁気フィルタを充填した磁気分離装置部82では、磁気フィルタ表面の磁気勾配がはるかに大きいため、流出した磁性粉の体積含有率が小さい磁性物質を捕捉できる。当然、磁気分離装置部82への磁性物質の流入量は従来装置に比べて大幅に低減されており、かつフィルタの目詰まりが早くなる原因となる大きな磁性物質は前段の磁気分離容器15での磁気分離処理で粗取りされているので、磁気分離装置部82に流入する被処理水中の磁性物質の大きさは小さいものが主である。
【0083】
したがって、磁気分離装置部82のフィルタ洗浄周期は大幅に長くなると共に、被処理水の通水速度を高速にできるので、装置を大幅に小型化できる。また、前記磁気分離部と前記高勾配磁気フィルタを内蔵した磁気分離部を同一電磁石の磁場内に配置しても同様な効果を得ることができる。
【0084】
〔第6の実施の形態〕
本発明の第6の実施の形態を図12に示す。本実施の形態が図8に示す実施の形態と異なる点は、図7に示した磁気分離容器15の中流部すなわち2つの磁石30の中間の部分から前処理水12を磁石間に流入させ(図中左側から)、直角方向の流路に配置された図中上下の磁石30が、磁石の発生する磁気勾配で、前処理水12中の磁性フロック80を、前処理水の流動主方向(図中矢印方向)に近い磁石円周端部に、磁気吸引力で捕捉する。捕捉した磁性フロック群は、処理水の流動主方向とほぼ直角方向すなわち、磁石の中心線方向の磁気勾配が小さくなる部位からの流路を経て排出するようにした点にある。
【0085】
この形態では、磁石30をギフォロード・マクマホン式等の膨張機型の冷凍機81で直接冷却する。冷凍機81の第1ステージ82で熱シールド板40を温度約80Kに冷却し、第2ステージ83でボビン31を温度約5Kに、それぞれ熱接触で直接冷却する。
【0086】
捕捉された磁性フロック80は、直角方向の流路内に配置されてモータ回転軸86に支持された螺旋状の回転型掻き取り盤84で、前処理水の流動主方向とほぼ直角方向に移動される。回転軸86と静止した磁気分離容器15とは水密シール87を介して接続されている。掻き取り板84で移動する磁性フロック80は、円錐状の案内板88で磁石30の中心軸付近に集められる。磁石30中心線付近は磁気勾配も小さくなり作用する磁気力が小さくなり、磁性フロックの移動に必要な外力も小さくなる。円錐状の案内板88の狭い部分の中央付近に集められた磁性フロック群は、排出ノズル89への流路から連続的に排出され配管90を通じて濃縮汚泥槽50に貯蔵される。磁性フロックを分離された前処理水12は磁気分離容器15の出口(図中右側)から浄化水となって磁気分離容器15から連続的に排出される。
【0087】
このような構成の本実施の形態によれば、図12中の磁気分離容器15内で前処理水中の磁性フロックを効果的に前処理水から分離し、連続的に排出することができる。
理由は以下の通りである。
【0088】
前処理水12の主流動方向(図中矢印方向)と磁性フロック80の磁気吸引及び排出のための移動方向がほぼ直角方向であるため、捕捉され磁性フロックの速度がほぼゼロになった状態でその磁性フロックに作用する前処理水の主流の流れ抵抗は非常に小さく、捕捉された磁性フロックの一部が流れによって剥がれ、これが再び前処理水の流れの中に巻き込まれることがなく、磁性フロックの捕捉効率を向上することができる。捕捉された磁性フロックは、磁性物質を移動させる手段である掻き取り板84で主流とほぼ直角方向に移動されるので、この場合も磁性フロックに作用する前処理水の主流の流れ抵抗は非常に小さく、捕捉された磁性フロックの一部が流れによって剥がれ、これが再び前処理水の流れの中に巻き込まれるとがなく、磁性フロックの捕捉効率を向上することができる。
【0089】
また、磁性フロックの排出過程で、磁気勾配の小さな部位の空間を通して磁性フロックを掻き取り板84で移動させるので、磁性フロックを掻き取る際、磁性フロックを壊れないようにして移動できる。
したがって、このような構成の本実施の形態により、磁性フロックを連続的に捕捉し、排出する分離効率を向上することができる。
【0090】
〔第7の実施の形態〕
本発明の第7の実施の形態を図13,図14に示す。図14は図13のX−X断面を示す図である。本実施の形態が図12に示す実施の形態と異なる点を以下に記す。
【0091】
磁石30の軸方向両端部に磁気分離容器91を配置し、即ち磁気分離容器91に対して直角方向の流路に磁場を発生するための磁石30を配置し、前処理水12を磁石端部の外周入り口92から磁石中心軸とほぼ直角方向の内周方向に螺旋状の案内板93に沿って流入させ(図中矢印A方向)、磁石中心軸方向で磁石から離れる方向(図中矢印B,C方向)に流動させる。
【0092】
さらに、磁石軸の両端部で捕捉した磁性フロック80は移動手段である螺旋状の回転型掻き取り盤94で磁石中央部に集め、磁気勾配が小さな磁石軸中心線に沿って磁気分離器外(図中矢印D方向)に排出する点にある。
【0093】
掻き取り盤94は回転軸95と一体化されており、回転軸95は、流路をなすように中空にされていて、ベルト96でモータ97で回転する。回転軸95は、その両端を、磁気分離器92の内壁に固定された多孔円盤98の内周部のベアリング99で支持される。また、回転軸95と磁気分離器92に取り付けたノズル106は、水密シール100で一体化され、回転軸95内の流路と磁性フロック群排出孔101は水密シール102で一体化され、弁103を介して磁性フロック群が磁気分離器外に排出される。
【0094】
この形態では、入り口92から磁気分離器91内に流入した前処理水12は、案内板93で仕切られた螺旋流路に沿って磁気勾配が大きい磁石端の部位を通過する。この場合、磁石30の半径方向を直線的に流れるよりも長い距離を流れる。この構造により、前処理水の処理量が一定の場合で比較して、磁性フロック80に磁気力が作用する時間が長くなり、磁気力による捕捉効率が向上する効果が生じる。磁気力捕捉された磁性フロック80は、回転型の掻き取り盤94と静止した案内ブロック104で処理水の流動主方向とほぼ直角方向、すなわち磁石の中心線方向の磁気勾配が小さい磁石30の中央部に集められ、回転軸95内の流路に通じる磁性フロック取り込み口105を通り排出孔101から連続的に排出される。
【0095】
磁性フロックを分離された前処理水12は、処理水の入り口流動方向とほぼ直角方向すなわち、磁石の中心線で磁石から離れる方向に多孔円盤98の孔からノズル106とノズル107から流出する。
【0096】
したがって、前処理水12の主流動方向(図中矢印方向)と磁性フロック80の磁気吸引及び排出のための移動方向がほぼ180°反対方向であるため、捕捉され磁性フロックの速度がほぼゼロになった状態でその磁性フロックに作用する前処理水の主流の流れ抵抗は非常に小さく、捕捉された磁性フロックの一部が流れによって剥がれ、これが再び前処理水の流れの中に巻き込まれるとがなく、磁性フロックの捕捉効率を向上することができる。
【0097】
この形態では、磁石30の両端部に磁性フロック捕捉・排出機能を有した場合について説明したが、磁石片端のみに捕捉・排出機能を有した構造についても同様の効果を生じる。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、逆洗の必要がなく連続的に磁性物質を分離除去できる浄化装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る浄化装置の構成の概略と磁気分離部を示す縦断面図。
【図2】図1に示す浄化装置の磁性物質捕捉状況を説明する図。
【図3】図1に示す浄化装置の磁束密度の分布を説明する図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図5】図4に示した磁気分離装置に用いられるかき寄せ板の横断面を示す図。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図10】本発明に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図11】従来技術の磁気分離装置の構成の概要と磁気分離部の構成を示す縦断面図。
【図12】本発明の第6の実施の形態に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図13】本発明の第7の実施の形態に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図14】図13図のX−X断面図。
【符号の説明】
15・・・磁気分離容器、30・・・電磁石、 46・・・磁場高勾配の部位,48・・・吸引管、 49・・・排出管。
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気分離式の浄化装置に関し、特に連続して容易に磁性物質を分離除去できる浄化装置の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
水中の汚染物を除去して水を浄化する技術の一つの例として磁気分離技術がある。この技術を応用し海、河川、貯水池等の連続水浄化装置に低起用した技術として特開昭59−371号公報に、高勾配磁気フィルタを用いた磁気分離装置が開示されている。
【0003】
この装置では処理する原水に磁気分離工程への前処理として、原水取水後に、例えば四酸酸化鉄等の磁性粉と凝縮剤の硫酸バン土やポリ塩化アルミニュウムを加えて撹絆し、原水中の固形浮遊物や藻類、菌類、微生物は、凝縮剤によって磁性フロックと結合しコロイド状の多数の磁性を持った磁性凝集体即ち磁性物質となる。これらの磁性物質は磁気分離部を通過する際に分離部に吸引され原水中から分離される。この磁気分離部では、原水中の磁性物質が、高勾配フィルタ表面に大きな磁力により捕捉され、浄化された水が処理水として排出される。
【0004】
この従来技術ではフィルタにより磁性物質を捕捉するので、ある程度以上の量の磁性物質を捕捉すると、フィルタ上に磁性物質が堆積し、磁力による捕捉力が弱くなる。そこで、磁気分離の性能を回復するためにフィルタの逆洗が行われて、フィルタ表面に捕捉された磁性物質を洗浄除去する。このとき、磁性物質を吸着している磁力をなくす、もしくは低下させて洗浄の効率を向上させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、逆洗を行なっている間は磁気分離を行なうことは困難である。また、高磁気勾配フィルタの細部に入り込んだ磁性物質を洗い出す事は容易でなく、磁気分離作業を止めて逆洗に多くの時間が必要となり、浄化処理の効率を大きく損なってしまう。従来技術ではこの逆洗により全体的な処理効率が低下してしまうという問題については考慮されていなかった。
【0006】
また、浄化効率を大きくするため逆洗の間隔を長くすると、捕集した磁性物質をフィルタ部の近傍に運転中蓄積して保存するスペースを大きくしなければならず、磁気分離部の容積が大きくなるので、電磁石が大型となる、あるいは大きな磁力を発生しなければならず、大型の電磁石を運転する電力が増大してしまうという問題について考慮されていなかった。
【0007】
本発明の目的は、小さな消費動力で効率よく浄化処理のできる浄化装置を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、全量または一部の磁性物質を連続的に分離除去することより達成される。
【0009】
より詳細には、水を導入し排出する流路と、この流路途中に設けられ該流路内に磁場を与える磁場発生手段とを備えた浄化装置において、前記導入される水は磁性物質を含むものであり、前記磁場発生手段が配設された流路内であって、前記磁性物質を捕捉する磁性物質捕捉部と、捕捉された前記磁性物質を円周方向移動させる回転かき寄せ板と、前記円周方向に穴を有し排出管と導通した吸引管とを備え、前記磁性物質は前記穴から連続的に吸引捕集されることにより達成される。
【0010】
また、この搬出手段の近傍に磁性物質を移動させる手段を備えることにより達成される。さらには、磁場発生手段の外周部に原水の流路を備えてもよい。
【0011】
また、原水の流路内に設けられた磁性物質感知手段と、この感知手段からの信号により、搬出手段の排出量を制御する制御手段とを備えた構成としてもよい。さらに、処理水の下流側に設けられた磁性物質あるいは添加物もしくは添加物の元素を感知する感知手段と、この感知手段からの信号により原水の流量を制御する流量制御手段、あるいは磁場発生手段の発生する磁場を制御する磁場制御手段とを備えてもよい。
【0012】
以上の構成を有することによる作用を以下に説明する。
【0013】
磁気分離部に生じる磁気吸引力は、(磁界の強さ)×(磁性物質の磁化率)×(磁性物質の量)×(磁気勾配)で表される。従って、磁気フィルタ無しの場合であっても、電磁石の出入口部の原水流路内に磁気勾配が生じ、その部分に原水中の磁性物質が吸引捕捉される。上記捕捉場所に磁気分離部外に導通した排出管が配置されており、連続的に捕捉磁性物質が磁気分離部外に搬出される。この場合は、磁場発生用の電磁石の電源を落とす必要がない。捕捉した磁性物質を吸引せず逆洗する場合に抵抗となり障害となるフィルタがないので、短時間で捕捉磁性物質が搬出され浄化運転効率が向上する。
【0014】
また、電磁石にニオブチタン系やニオブ3スズ系やニオブ3アルミニュウム系やビスマス系やタリウム系等の高温超電導系の超電導磁石を使用すれば、磁場発生用の消費電力は非常に少なくてすみ、連続分離方式では、電磁石の電源を運転中に操作する必要がないので、分離運転中永久電流運転が可能となる。したがって、この間電流供給ケーブルを極低温の磁石から機械的に分離することができ、超電導磁石に室温部から熱が侵入することが防止される。したがって、冷却用の液体ヘリウムや液体窒素の冷媒の消費量を低減できる。冷凍機で冷却する場合には、冷凍機の消費電力が低減され、冷凍機の小型化が可能となる。
【0015】
さらに、処理水の下流側に、磁気フィルタを備えた磁気分離手段と、この磁気分離手段に前記処理水を供給する流路とを備えた構成とすることで、従来技術による磁気フィルタを備えた磁気分離部へ流入する被処理水に含まれる磁性物質の大きさは小さく、量も少なくなり、フィルタが目詰まりを起こして洗浄しなければならなくなるまでの時間、つまり洗浄周期は大幅に長くなる。さらに、原水中の磁性物質の大きさに応じて磁気分離手段を分割することで、被処理水の通水速度が高速となり、装置を大幅に小型化できる。また、前記磁気分離部と前記高勾配磁気フィルタを内蔵した磁気分離部を同一電磁石の磁場内に配置しても同様な効果を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を図1、図2、図3により説明する。
【0017】
図1は本実施の形態に係る浄化装置の全体構成の概略と磁気分離部の構成を示す縦断面図である。図2は図1に示す浄化装置における磁性物質の捕捉状況を示す縦断面図を、さらに図3は電磁石の磁束密度の分布の例を示す縦断面図である。
【0018】
先ず、図3を用いて本発明のような円筒形(ドーナツ形)の電磁石の近傍に発生する磁界について説明する。
【0019】
磁気分離容器15の外周に配置した電磁石により磁気分離容器15には図3の破線で示すような磁界が発生する。この図では磁界の分布を磁束密度の分布として表している。この磁界における磁場の強さは電磁石の電流値及びコイルの巻数によって決定されるものである。この図3に示すように、この円筒形(ドーナツ形)の形状の電磁石30では、その磁場は円筒状磁石の内側側壁部が最も強く、円筒の軸方向について外側方向に向かうに伴って急速に減少する。したがって、磁気勾配は円筒状磁石の大気解放部即ち円筒形の円周部の近傍において磁気勾配が最大となる。したがって、磁気分離容器15内部では、被処理水の流動する方向について電磁石の出入口部に大きな磁場勾配が生じることになり、この箇所に当たる電磁石の出入口部に対応した磁気分離容器15の内壁面で磁気勾配が最大となる。つまり、磁性物質は内壁面に最も集まり易く捕捉され易いことになる。
【0020】
さて、磁気分離部に生じる磁気吸引力は、(磁界の強さ)×(磁性物質の磁化率)×(磁性物質の量)×(磁気勾配)で表される。図3においては、磁性物質を含んだ被処理水が磁気分離部入口45から流入し、出口53から流出する場合が示されている。このとき、被処理水中の磁性物質は電磁石30の磁場により吸引され、電磁石30の中央部に向けて引き寄せられる。このとき、磁性物質には電磁石30の出入口部(円周端部)が磁力、磁気勾配ともに大きいためそちら方向に磁力が作用し、磁性物質はこの部分に近い磁気分離容器15内面側に集まる。ここで、磁性物質に作用する磁力が、同時にこの磁性物質を押し流そうと作用する流体の抗力より大きい場合には、磁性物質がこの位置に留まることになり、図1乃至図3に示すのように部分46にドーナツ状に磁性物質は流路内に停留、捕捉される。
【0021】
次に、本発明に用いられる電磁石30近傍の構成を図2を用いて説明する。
【0022】
本実施の形態では、電磁石に超電導磁石を使用した例を示しており、円筒状の超電導磁石30はボビン31に巻き付けられている。ボビン31はステンレス鋼製や銅製やアルミニュウム合金製や強化エポキシ樹脂製やこれらの材質の組み合わせたもの等が使用され、剛性が強く、熱伝導がよくかつ熱容量が小さくなるように選定される。
【0023】
ボビン31の一部に冷却管32と一体化された冷却板33が熱的に一体化され、冷却管は配管34、35により、冷凍機36に接続されている。冷凍機36は作動冷媒にヘリウム、窒素、空気、水素、フロン系ガスを使用する機器やペルチェ素子を使用した電子式の機器が使用され、空冷叉は水冷式の圧縮機から圧縮冷媒の供給を配管38から供給され、冷凍機36内で断熱仕事を行い寒冷を発生し、低圧の状態で配管39を通じて圧縮機37に戻る。ガスを作動流体に使用した冷凍機の方式としては、ギフォード・マクマホン式、ソルベイ式、スターリング式、パスル管式、コリンズ型膨張機式、膨張タービン式、膨張弁式、これらを組み合わせた機器等が使用される。冷凍機内で発生した寒冷は、冷却管32を通じて運搬され、冷却板33を冷却し間接的に超電導磁石30を超電導発生温度以下に冷却する。超電導磁石30の周りには、常温部から超電導磁石への輻射熱や磁石支持体や電流リード線からの伝導伝熱による熱侵入を防止するために、常温と超電導発生温度の中間レベルに冷却された熱シールド40を配置する。
【0024】
さらに、本発明において電磁石30を冷却する装置の構成を図1を用いて説明する。
真空容器41の内壁でもある熱シールド40は冷凍機36が発生する寒冷と常温との中間の温度レベルの寒冷によって冷却される。これらの構成要素は真空容器41内に納められている。電流リード線42、43は電気絶縁性を有したかつ熱伝導性が良好な絶縁体、例えばサファイヤ製の絶縁体44を通じて熱シールド40で冷却され、間接的に冷凍機36で発生する寒冷の中間の温度レベルの寒冷で冷却される。
【0025】
次に、この図1を用いて、本発明の浄化装置の磁気分離部での処理水の流れを説明する。磁性フロックの磁性物質を含む前処理水12は、入り口45から磁気分離容器15内に流入し、紙面上方に向かって流れる。ここで、上記のように磁性物質は磁気勾配が大きく磁性物質に作用する磁力が磁性物質の流動を阻止する方向に働き、その力が磁性物質に作用する流体力より大きくなる部分46に捕捉されて、流路中に浮遊する。
【0026】
この部分46に、捕捉された磁性物質を吸引して外部へ排出するための穴47が穿たれた吸引管48が設けられており、磁性物質はこの吸引管48により吸引され、排出管49を通って配管24へ運搬される。排出管49は水密シール部501により大気と隔離され、吸引管48、排出管49はモータ502、ベルト503により回転しながら部分46の磁性物質を吸引する。この捕捉された磁性物質を吸引する動作では、磁性物質を捕捉している磁力を上回る剥離力が生じる速度が生じるように配管の出入口間に圧力差を与えることにより、磁性物質を穴47を有した吸引管48、これに導通した排出管49を通して除去できる。このときの流速は発明者らの実験の結果では、毎秒20cmの吸引、排出流速で十分であった。しかも、磁気分離部に印加している磁場を止めたり、弱めたりして装置の運転を変化させることなく、連続的に磁気分離容器内から除去できる。
【0027】
除去された磁性物質は配管24、弁25を通り濃縮汚泥槽50に貯蔵される。磁性物質の吸引および排出動力は大気と流路内の圧力差を利用でき、また濃縮汚泥槽50内を真空排気装置等を使用して流路内圧よりも減圧して吸引するようにしてもよい。
【0028】
濃縮汚泥槽50の濃縮汚泥は回転ドラム中に汚泥を投入し、磁性物質の密度が水よりも大きいことを利用して磁性物質と水とを回転分離する遠心分離機等の脱水手段101で脱水され、乾燥、磁性粉回収、堆肥処理等の機能を有した後処理装置102に搬入される。磁性物質を分離除去された処理水は、出口53を通り、配管22を通り貯水池1に戻される。
【0029】
本発明の上記の構成を有する実施の形態によれば、原水中の磁性物質を連続的に電磁石自身が作り出す磁場空間内に捕捉保持させ、この磁性物質を吸引管で吸引して磁気分離部外部へ排出できる。この際には磁気分離を行いつつ、連続的に捕捉した磁性物質の分離と除去が可能となる。磁気分離部にフィルタを用いておらず、フィルタ再生する運転、および補足した磁性物質を洗い流す逆洗工程も不要となる。従って、運転効率を向上できる。また、磁性物質を連続的除去できるので、捕捉した磁性物質を逆洗するまで磁気分離部内に保持する必要がなく、磁気分離部の磁性物質保有空間が小さくて済み磁気分離部の空間を小さくできる。したがって、電磁石中央部の磁界方向の長さを小さくでき、電磁石の長手方向長さを短くして、電磁石を小型化できる効果がある。
【0030】
本実施の形態では、電磁石を冷凍機で冷却管を介して冷却したが、冷凍機の寒冷部を直接電磁石の一端に熱的に一体化させ冷却するようにしても同様な効果が生じることは言うまでもない。また、電磁石を液体ヘリウムや液体窒素、液化フロン等の極低温、低温冷媒で冷却する場合であっても同様な効果が生じる。
【0031】
また、原水としては、動物プラクトンや植物プランクトン、有機、無機物質、重金属物質や化学物質等を含む、海水、河川水、湖沼水、工業廃水、ゴミ処理場の雨水廃水、下水、排煙洗浄水等の被処理水の浄化にも使用できる。
【0032】
廃水中の重金属を磁性物質とするためには、廃水を酸、アルカリ処理し、例えば水酸化鉄と酸化剤の空気を添加して温度調整等を行い化学反応させる。このようにして、重金属を含む廃水中に磁性物質が形成される。
【0033】
更に、本実施の形態における電磁石に超電導磁石を適用しすれば、運転開始時に一度励磁し永久電流運転すれば、電源の補給系は必要でなく、常温部から極低温部につながる電流ケーブルを一旦はずすことができる。これにより、電流ケーブルを伝わって常温部から極低温部に熱が侵入する事を防止できるため、さらに、超電導磁石を冷却する冷凍機の電力や、冷媒の消費量を低減できる効果がある。
【0034】
また、本実施例では磁性物質の排出を前処理水の上流方向にしたが、これが下流方向でも同様の効果を奏することができることは言うまでもなく、全方向流で可能である。
【0035】
また、排出管49を鉄鋼等の磁性材料で製作してもよい。この場合には、排出管内の磁気勾配は小さくなり、磁性物質の搬出動力が少なくて済む効果がある。さらに、排出管49をパーマロイ等の磁気シールド材や超電導発生温度以下に冷却された超電導材料で構成してもよく、この場合にも排出管内の磁気勾配は小さくなり、磁性物質の搬出動力が少なくて済む効果がある。
【0036】
また、本実施の形態では、分離した磁性物質を連続的に吸引排出する場合に付いて説明したが、磁性物質の量が少ない場合には断続的に吸引排出する場合でも同様な効果が生じる。また、吸引手段を設けず、電磁石の発生磁場を小さくするか、逆洗水流を大きくして、断続的に浄化運転を停止し、短時間に捕捉磁性物質を磁気分離容器外に排出してもよい。
【0037】
また、電流リード線42、43の電磁石30と絶縁体44の間を超電導材で構成すれば、通電中の電気抵抗が無くなり、この間の発生熱が無く、電磁石30および熱シールド板40をより低温側に冷却でき、電磁石30を安定に運転できる効果がある。
【0038】
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態を図4及び図5に示す。図4は、本実施の形態に係る浄化装置における磁気分離部の縦断面図である。図5は、図4に示した浄化装置に用いられるかき寄せ板の横断面を示す図である。
【0039】
本実施例が図1に示した実施の形態と異なる点は図1中の磁性物質捕捉部46に磁性物質を円周方向にかき寄せるセラミックやプラスチックやステンレス鋼やアルミニュウム合金等の非磁性材料、低電導性材料で製作した回転かき寄せ板54を配置し、これをモータ55、かき寄せ板54に接続した回転軸56で回転させるようにした点にある。
【0040】
磁気分離容器15の内部を流れる被処理水の流速は、容器内中央部が最も大きく、壁面で最小となる。したがって、磁性物質に作用する流体抵抗は容器中央で最も大きく、磁気分離容器15内径に比して電磁石30で発生する磁力が小さい場合には、容器中央部を流れる被処理水中の磁性物質は捕捉できなくなる場合がある。一方、磁気分離容器15の内径に比して電磁石15の発生する磁場強度が大きい場合には、被処理水中の磁性物質に作用する磁気分離容器15内の内径方向の磁力が均一となり、容器15の中央部まで磁性物質が捕捉浮遊してしまい、この場合でも、容器15内の中央部を流れる磁性物質は電磁石30の磁力で捕捉されなくなる状態となる。
【0041】
磁気分離容器15内部に磁性物質を捕捉するフィルタのように、機械的に捕捉手段を有しない本発明において、磁性物質の捕捉量を大きくし、磁気分離の効率を大きくするためには、容器15の中央部を流れる磁性物質を効率的に補集しなければならない。この必然的な問題を解決するために、中央部の磁性物質を吸引管が設置された部位に移動させる、もしくはより磁力が大きな容器15内壁面へ移動させる必要がある。図4、図5に示す本実施の形態では、回転かき寄せ板54を磁気分離容器15内に備え、かき寄せ板54に接合した回転軸を回転手段、例えばモータ等で回転させて、磁性物質を容器15内の吸引管59の設置された内壁面の周方向に移動させる。かき寄せられた部位57には穴58を有したリング状の吸引管59を配置しこれに導通した排出管60を通り、磁性物質は濃縮汚泥槽50に連続的に貯蔵される。
【0042】
図5は回転かき寄せ板54及びリング状の吸引管59を上方から眺めた横断面を示している。磁性物質捕捉部46内では、半径方向の磁気勾配は小さいのでわずかな力で半径方向に移動する。かき寄せ板54は、回転しつつ磁性物質捕捉部46内の磁性物質を回転中心から円周方向に移動させるようにその表面の形状が決定されており、その表面の法線が常に外周方向を向くように形成されている。この形状によりかき寄せ板54の表面にある磁性物質は、かき寄せ板54の回転により常に半径の外方向へ向かわせる力が発生する。この力により磁性物質は磁気分離容器15の内表面方向に集められる。
【0043】
上記した本実施の形態によれば、回転かき寄せ板54で磁性物質を穴58より連続的に円周方向に吸引補集できるので、回転かき寄せ板54中央部は常に磁性物質の浮遊が少なく、磁性物質を含む原水の流動抵抗が少なくなる。したがって、被処理水を流動させるための動力が少なくて済み、例えば、被処理水を駆動するポンプの必要運転動力が小さくなる。また浮遊磁性物質の浮遊流流動抵抗も小さくなるので、磁石による発生磁場勾配も小さくて済み電磁石30を小型化できる効果がある。
【0044】
本実施の形態では、かき寄せ板54により磁性物質を容器15の内表面方向に集める構成を示したが、このかき寄せ板54を逆回転させて磁性物質を中央部に集めて、中央部から外部へ排出してもよい。この場合には図2に示した排出管49を用いることができる。
【0045】
また、図4中に示した回転かき寄せ板54に接続した回転軸56の一部に、原水の流動により回転軸56周りに回転する回転翼60を備えた構成としてもよい。このとき、回転軸56は両端部で水密シール部501で支持され、一端は大気中に露出させ、回転の有無を目視できるようにしてもよい。回転翼60は流入する被処理水の流れによって回転し、これによって回転かき寄せ板54が回転する。この場合、回転かき寄せ板54を回転させるモータが不要となる。
【0046】
また、図4に示すように、電磁石30の外周部に磁場キャンセルコイル61を設け電磁石30と逆方向の磁場を発生させてもよい。磁場キャンセルコイルは、電磁石30で発生する外部漏れ磁場を防ぐとともに電磁石30の磁場勾配を大きくして磁性物質の捕捉力を強化するとともに捕捉領域を広くする事ができる。外部漏れ磁場を小さくすることにより、電気部品を含む冷凍機36を使用する場合、の磁場影響度を小さくでき冷凍機をより近接でき、冷却用配管34、35が短くなる。したがって、これらの配管に熱負荷として侵入する輻射熱等による熱侵入量を低減して、冷凍機の冷凍能力をより有効的に電磁石の冷却に利用できる。このような構成は、本実施の形態のみでなく、本発明で開示するすべての実施の形態に適用しても、同様の効果を奏することができる。
【0047】
さらに、磁性物体を磁力の大きな容器15の内壁面へ移動させる別の手段として、磁気分離容器15の被処理水の流入口付近に被処理水が磁気分離容器15内で螺旋状に旋回するように旋回翼73(図9参照)を配置してもよい。
【0048】
この旋回翼73を設けることによって、被処理水中の磁性物質が相互に衝突させ、あるいは旋回翼と衝突させて細かくなり、被処理水の流動方向に一箇所または複数箇所の磁気勾配の大きな位置、すなわち電磁石の出入口部に対応する位置の近傍に捕捉される。同時に、被処理水の旋回による遠心力により、比重がより重い磁性物体は、半径方向の磁気勾配が小さいため、容器15の内壁面の方向に移動し、部位72c、72dに集まり、穴の明いたリング状の吸引管59a、59bに吸引され、排出管60a、60bを介して磁気分離容器15外に連続的に排出される。この排出管60はリング状の部位の円周部に所定の間隔で複数個設けられており、圧力差により磁性物質を排出する。
【0049】
このような構成とすることにより、機械的に磁性物質をかき寄せるためにモータ等の回転機械や補機を設ける必要がなく、装置の信頼性が更に向上する効果がある。
【0050】
本実施の形態では、旋回翼を配置した場合について説明したが、入り口45を磁気分離容器15の半径方向に流入する構造、例えば螺旋状に配設した配管を設けて、被処理水が旋回を生じるようにしても同様な効果が生じる。
【0051】
さらに、磁性物体を磁気勾配の大きな磁気分離容器15の内壁面方向に移動させる別の手段として、磁気分離容器15の中央部に円筒状もしくは柱状の偏流体を配置してもよい。この偏流体は、その外表面が磁気分離容器15の内表面に沿った形状であることが望ましい。
【0052】
磁気分離容器15内の被処理水流路の中央の空間を占有しており、被処理水はこの偏流体の外表面と磁気分離容器15の内表面との間を流れる。偏流体の大きさが、十分に大きく、かつ被処理水の流動を著しく妨げず、磁性物体の吸引管を設けることができる空間をその外表面と磁気分離容器15の内表面との間に有するものであることが望ましい。
【0053】
このような構成とすれば、回転かき寄せ板無しで磁性物質を連続的に容器内壁面方向に補集できるので、流路断面が大きな磁気分離容器の場合であっても磁性物質を吸引管に補集することができる。
【0054】
〔第3の実施の形態〕
本発明の他の実施例を図6に示す。図6は、本発明の第3の実施の形態に係る浄化装置における磁気分離部の縦断面図である。
【0055】
本実施の形態が第1の実施の形態及び第2の実施の形態と異なる点は、真空容器41の外周部に円筒状の前処理水の前段流路62を設け、入り口63より前処理水を流入させ、電磁石30の外部磁界の磁場勾配を利用して、磁性物質の捕捉部位64に捕捉された磁性物質をノズル65、排出管66を介して磁性物質を濃縮汚泥槽50に貯蔵するようにした点ある。
【0056】
磁性物質をある程度除去された前処理水は、出口67、配管68を経て、入り口45から磁気分離容器15内に流入し、残りの磁性物質をドーナツ状の部位57で捕捉し、円周上に多数設けたノズル65および排出管66より吸引除去する。
【0057】
本実施の形態では、大型の磁性物質即ち磁気力が大きくなる磁性物質を前段流路で捕捉した後、再度磁気分離容器15内部で磁気分離する2段階の分離過程を有しており、捕捉効率が向上できる効果がある。また、本実施の形態における上記の思想は、本実施の形態のみでなく、本願で開示するすべての実施の形態について適用可能であり、その奏する効果も同等である。
【0058】
なお、本実施の形態では、2段階の磁気分離を行なう形態について示したが、前段階流路と磁気分離容器をパラに配置し両流路に平行に前処理水を流動させるようにすれば、流路面積が広くなり、より大量の被処理水を浄化できる効果があり、被処理水量を一定にすれば、電磁石をより小型にする事ができる効果がある。
【0059】
〔第4の実施の形態〕
本発明の実施例を図7に示す。図7は、本実施の形態に係る浄化装置における磁気分離部の縦断面図である。
【0060】
本実施の形態が上述の実施の形態と異なる点は電磁石30a、30b、30cを同一ボビン31上に互いに磁界方向が逆向きになるように配置し、磁気分離容器15内の長手方向、すなわち、前処理水の流動方向に一箇所または複数箇所磁場勾配が増加する部位72a、72bを発生させるようにした点にある。
【0061】
磁性フロックの磁性物質を含む前処理水12は、入り口45から磁気分離容器15内に流入し、紙面上方に向かって流れる。ここで、磁性物質は磁気勾配が大きな、かつ磁性物質の流動を阻止する部分72aと72bに捕捉され、流路中に捕捉保持する。捕捉された磁性物質は穴を有した吸引管48a、48bこれに導通した排出管49a、49bを通り連続的に磁気分離容器内から除去され、配管24a、24a、弁25a、25bを通り濃縮汚泥槽50に貯蔵される。
【0062】
排出管は水密シール部501により大気と隔離され、吸引管、排出管はモータ502、ベルト503により回転しながら部分72aと72bの磁性物質を吸引する。
【0063】
前述のように、従来の磁性物体をフィルタにより捕捉する技術では、フィルタを逆洗して捕捉した磁性物体をフィルタから除去する必要がある。このため、逆洗の方向にフィルタを配置することは不可能であり、一つの装置に複数の磁気分離部を設けることが困難で、処理流量に限界がある。
【0064】
本実施の形態によれば、磁界が相反する部位72aと72bに大きな磁気勾配が発生し磁性物質の捕捉力が大幅に増大し捕捉効率が向上し捕捉力が強化される。従って、磁気分離容器15内の前処理水の通水速度を増加することができ原水処理量を増加することができる。
【0065】
上記の実施の形態は、磁界を発生する電磁石30を多段構成として、磁性物体の捕捉量を増大させるものである。図8は、本実施の形態に係る浄化装置における磁気分離部の縦断面図であり、捕捉した磁性物体の排出管を多段構成とした電磁石の間に設けた実施の形態を示している。
【0066】
この実施の形態が図7に示す実施の形態と異なる点は、リング状の吸引管59は排出管70に導通し、排出管70はノズル71を介して濃縮汚泥槽50に連通している。ノズル71は両電磁石30の中間位置に配置されている。
【0067】
このようにすることにより、磁界が相反する部位69に大きな磁気勾配が発生し磁性物質の捕捉力が大幅に増大し捕捉力が強化される。従って、磁気分離容器15内の前処理水の通水速度を増加する事ができ原水処理量を増加することができる点は、図7に示す実施の形態と同様である。
【0068】
図8に示す形態では、ノズル71が配置される電磁石30の中間位置は、両電磁石の磁界が向かい合う中間位置にあたり、磁場強度が著しく小さくなった部位に相当する。したがって、ノズル内を通過する磁性物質にかかる磁気力は殆ど無く、小さな排出動力で排出することができ、排出するためのエネルギーを低減することができる。
【0069】
また、図7及び図8に示す形態では、それぞれの電磁石を別々の冷凍機36a,36bで冷却しているが、一台の冷凍機で両電磁石および両熱シールド板を冷却するようにしても同様な効果が得られる。
【0070】
さらに、上記の実施の形態の代案として、磁気分離容器15に設ける電磁石を1つとし、2つめの電磁石の代わりに、磁気分離容器15の被処理水の上流側に高磁場発生手段を設けてもよい。例えば、円盤状の超伝導体を配置して、これを真空容器内に設置し冷凍機で超伝導になる温度まで冷却するようにしてもよい。
【0071】
超伝導体は、超伝導体を通過しようとする磁場を通過させない特性を有し、電磁石30で発生した磁場はこの超伝導体を通過できずに磁気分離容器側に押し戻される。このため、上述の実施の形態と同様に作用する磁力が相互に釣り合って0となる部位が生じるので、この部位に排出管71を設けることで、磁性物体を排出するための動力を小さくできる。さらに、コイル状ではない超伝導体で磁場勾配大きくできるので、構造が簡略化され、分離装置コストを大幅に低減できる効果がある。超伝導体としては、例えば酸化物超伝導体が利用できる。
【0072】
さらに、図9に示すように、磁性物質群が存在するかどうか検知する光吸収,光反射センサ、導電率変化感知センサ、画像処理センサ等を有した磁性物質検知センサ74を部位72c,72dに配置し、このセンサからの信号に応じて、磁性物質が存在すれば、電磁弁25c,25dを操作し、それぞれの部位の磁性物質を濃縮汚泥槽50に排出するようにしてもよい。
【0073】
また、磁気分離容器15出口の配管22aにバイパス回路22bを設け、磁気センサ、質量分析計、紫外線、赤外線等の光を応用した元素分析計やPH計等の計測手段を有する処理水分析計および制御器78を設け、磁性物質または添加薬剤の流出を検出した場合、前処理水流量制御弁13aを操作して前処理水の磁気分離容器内への流入流量を制御し、また電源17の通電量を増加し、磁場強度と磁気勾配を増加し磁気吸引力を増加して磁性物質や磁性物質に合体した薬剤の漏洩を防止するようにしてもよい。
【0074】
このようにすることで、磁性物質の無い場合、排出水が濃縮汚泥槽50に流入しないために、濃縮汚泥槽50内の汚泥の濃度が薄くならず、濃縮汚泥槽50の容積を最小にする事ができ、装置を小型化できる。また、同時に脱水手段51の処理量が最小になりこの装置の小型化および運転動力を低減することができる。また、処理水分析器および制御器78を設け磁性物質や薬剤の漏洩を防止できるので、環境汚染を防止できる効果がある。なお、この漏洩防止の効果は、本願が開示する浄化装置のみならず磁気分離一般の浄化装置に適用できる。
【0075】
〔第5の実施の形態〕
本発明の第5の実施の形態を図10に示す。本実施の形態が図1に示す実施の形態と異なる点は、図1に示した磁気分離容器15の下流側に、図11に示す高勾配磁気フィルタを充填して再生機能を有した磁気分離装置部82を配置し多段で磁気分離を行うようにした点にある。
【0076】
この図11に示される磁気分離装置部82は、従来から知られたものであるが、以下のように運転される。なお、図中の番号は図2,図3と同一である。
【0077】
貯水池1の原水は導水管2から大きなゴミを取るためのフィルタ3を通してポンプ4で原水貯槽5にいったん蓄えられ、この原水6に、薬剤調整装置7から四酸酸化鉄等の磁性粉とポリ塩化アルミニュウム等の凝集剤を導管8を通じて加え、撹絆槽9でモータ10で回転する撹絆機11で撹絆し、磁性フロックの磁性物質を含む前処理水12を製造する。前処理水12は弁13を通じ導水管14を通り磁気分離容器15内に流入する。
【0078】
空心コイル16に直流電源装置17から直流電源を流す。直流電流に比例した磁場が、円筒状の磁気分離容器15内に発生し、磁場は通水用の多孔磁極18によって均一化される。これらが鉄製のヨーク19で囲まれ、磁力線の通路としてその漏洩が防止される。均一化された磁場によって、高勾配磁気フィルタ20の磁性細線充填物を磁化する。磁気分離容器15内の磁場は、磁化された磁性細線充填物のために乱れを生じ、局部的に磁束の疎密ができ、高磁場勾配となる部分が多数発生する。
【0079】
ここに、磁性フロックを含んだ前処理水12を下方から上向流で送水すると、原水中の磁性フロックは充填物の磁性細線表面に、大きな磁力で捕捉され、浄化された原水は処理水として弁21、導水管22を通り処理水槽23にいったん蓄えられ、導水管24を通じて貯水池1に戻される。
【0080】
磁性フロックが一定量高勾配磁気フィルタ20に捕捉された後、磁気分離の性能を回復させるために、フィルタの逆洗が行われる。逆洗は、先ず弁13を閉じ前処理水12の送水を止める。次に、直流電源を切り、磁場を無くした後高勾配磁気フィルタ20の上部から弁21を通じて処理水を所定の量逆流させ弁25を開く。また、この時、空気タンク26から弁27、導管28を通じて空気を供給しエヤーバブリングを行いながら磁性細線表面に付着した磁性フロックを洗浄除去し、洗浄水を逆洗処理水槽29に蓄える。この洗浄水は別途逆洗処理水槽29から運び出され、埋め立て地等に廃棄されたり、焼却される。
【0081】
この後、弁25,弁27を閉じ、再び空心コイル16に直流電源装置17から直流電源を流し、弁27を開いて磁気分離を再開する。
このような構成の磁気分離部82を組合せた本実施の形態によれば、図10中の磁気分離容器15内の流水速度を高くできる。
理由は以下の通りである。
【0082】
大きさが様々の磁性物質を含んだ被処理水を高速で流すと、磁性物質の磁化率が小さい、すなわち、磁性粉の体積含有率が小さい磁性物質は、磁場中での磁気力が小さい割に流れの抗力が大きく、高流速下ではブレーキ力となる磁気力が抗力よりも小さくるので、磁気分離容器内で捕捉されずに被処理水とともに出口53から流出する。しかし、出口53の下流側に配置した高勾配磁気フィルタを充填した磁気分離装置部82では、磁気フィルタ表面の磁気勾配がはるかに大きいため、流出した磁性粉の体積含有率が小さい磁性物質を捕捉できる。当然、磁気分離装置部82への磁性物質の流入量は従来装置に比べて大幅に低減されており、かつフィルタの目詰まりが早くなる原因となる大きな磁性物質は前段の磁気分離容器15での磁気分離処理で粗取りされているので、磁気分離装置部82に流入する被処理水中の磁性物質の大きさは小さいものが主である。
【0083】
したがって、磁気分離装置部82のフィルタ洗浄周期は大幅に長くなると共に、被処理水の通水速度を高速にできるので、装置を大幅に小型化できる。また、前記磁気分離部と前記高勾配磁気フィルタを内蔵した磁気分離部を同一電磁石の磁場内に配置しても同様な効果を得ることができる。
【0084】
〔第6の実施の形態〕
本発明の第6の実施の形態を図12に示す。本実施の形態が図8に示す実施の形態と異なる点は、図7に示した磁気分離容器15の中流部すなわち2つの磁石30の中間の部分から前処理水12を磁石間に流入させ(図中左側から)、直角方向の流路に配置された図中上下の磁石30が、磁石の発生する磁気勾配で、前処理水12中の磁性フロック80を、前処理水の流動主方向(図中矢印方向)に近い磁石円周端部に、磁気吸引力で捕捉する。捕捉した磁性フロック群は、処理水の流動主方向とほぼ直角方向すなわち、磁石の中心線方向の磁気勾配が小さくなる部位からの流路を経て排出するようにした点にある。
【0085】
この形態では、磁石30をギフォロード・マクマホン式等の膨張機型の冷凍機81で直接冷却する。冷凍機81の第1ステージ82で熱シールド板40を温度約80Kに冷却し、第2ステージ83でボビン31を温度約5Kに、それぞれ熱接触で直接冷却する。
【0086】
捕捉された磁性フロック80は、直角方向の流路内に配置されてモータ回転軸86に支持された螺旋状の回転型掻き取り盤84で、前処理水の流動主方向とほぼ直角方向に移動される。回転軸86と静止した磁気分離容器15とは水密シール87を介して接続されている。掻き取り板84で移動する磁性フロック80は、円錐状の案内板88で磁石30の中心軸付近に集められる。磁石30中心線付近は磁気勾配も小さくなり作用する磁気力が小さくなり、磁性フロックの移動に必要な外力も小さくなる。円錐状の案内板88の狭い部分の中央付近に集められた磁性フロック群は、排出ノズル89への流路から連続的に排出され配管90を通じて濃縮汚泥槽50に貯蔵される。磁性フロックを分離された前処理水12は磁気分離容器15の出口(図中右側)から浄化水となって磁気分離容器15から連続的に排出される。
【0087】
このような構成の本実施の形態によれば、図12中の磁気分離容器15内で前処理水中の磁性フロックを効果的に前処理水から分離し、連続的に排出することができる。
理由は以下の通りである。
【0088】
前処理水12の主流動方向(図中矢印方向)と磁性フロック80の磁気吸引及び排出のための移動方向がほぼ直角方向であるため、捕捉され磁性フロックの速度がほぼゼロになった状態でその磁性フロックに作用する前処理水の主流の流れ抵抗は非常に小さく、捕捉された磁性フロックの一部が流れによって剥がれ、これが再び前処理水の流れの中に巻き込まれることがなく、磁性フロックの捕捉効率を向上することができる。捕捉された磁性フロックは、磁性物質を移動させる手段である掻き取り板84で主流とほぼ直角方向に移動されるので、この場合も磁性フロックに作用する前処理水の主流の流れ抵抗は非常に小さく、捕捉された磁性フロックの一部が流れによって剥がれ、これが再び前処理水の流れの中に巻き込まれるとがなく、磁性フロックの捕捉効率を向上することができる。
【0089】
また、磁性フロックの排出過程で、磁気勾配の小さな部位の空間を通して磁性フロックを掻き取り板84で移動させるので、磁性フロックを掻き取る際、磁性フロックを壊れないようにして移動できる。
したがって、このような構成の本実施の形態により、磁性フロックを連続的に捕捉し、排出する分離効率を向上することができる。
【0090】
〔第7の実施の形態〕
本発明の第7の実施の形態を図13,図14に示す。図14は図13のX−X断面を示す図である。本実施の形態が図12に示す実施の形態と異なる点を以下に記す。
【0091】
磁石30の軸方向両端部に磁気分離容器91を配置し、即ち磁気分離容器91に対して直角方向の流路に磁場を発生するための磁石30を配置し、前処理水12を磁石端部の外周入り口92から磁石中心軸とほぼ直角方向の内周方向に螺旋状の案内板93に沿って流入させ(図中矢印A方向)、磁石中心軸方向で磁石から離れる方向(図中矢印B,C方向)に流動させる。
【0092】
さらに、磁石軸の両端部で捕捉した磁性フロック80は移動手段である螺旋状の回転型掻き取り盤94で磁石中央部に集め、磁気勾配が小さな磁石軸中心線に沿って磁気分離器外(図中矢印D方向)に排出する点にある。
【0093】
掻き取り盤94は回転軸95と一体化されており、回転軸95は、流路をなすように中空にされていて、ベルト96でモータ97で回転する。回転軸95は、その両端を、磁気分離器92の内壁に固定された多孔円盤98の内周部のベアリング99で支持される。また、回転軸95と磁気分離器92に取り付けたノズル106は、水密シール100で一体化され、回転軸95内の流路と磁性フロック群排出孔101は水密シール102で一体化され、弁103を介して磁性フロック群が磁気分離器外に排出される。
【0094】
この形態では、入り口92から磁気分離器91内に流入した前処理水12は、案内板93で仕切られた螺旋流路に沿って磁気勾配が大きい磁石端の部位を通過する。この場合、磁石30の半径方向を直線的に流れるよりも長い距離を流れる。この構造により、前処理水の処理量が一定の場合で比較して、磁性フロック80に磁気力が作用する時間が長くなり、磁気力による捕捉効率が向上する効果が生じる。磁気力捕捉された磁性フロック80は、回転型の掻き取り盤94と静止した案内ブロック104で処理水の流動主方向とほぼ直角方向、すなわち磁石の中心線方向の磁気勾配が小さい磁石30の中央部に集められ、回転軸95内の流路に通じる磁性フロック取り込み口105を通り排出孔101から連続的に排出される。
【0095】
磁性フロックを分離された前処理水12は、処理水の入り口流動方向とほぼ直角方向すなわち、磁石の中心線で磁石から離れる方向に多孔円盤98の孔からノズル106とノズル107から流出する。
【0096】
したがって、前処理水12の主流動方向(図中矢印方向)と磁性フロック80の磁気吸引及び排出のための移動方向がほぼ180°反対方向であるため、捕捉され磁性フロックの速度がほぼゼロになった状態でその磁性フロックに作用する前処理水の主流の流れ抵抗は非常に小さく、捕捉された磁性フロックの一部が流れによって剥がれ、これが再び前処理水の流れの中に巻き込まれるとがなく、磁性フロックの捕捉効率を向上することができる。
【0097】
この形態では、磁石30の両端部に磁性フロック捕捉・排出機能を有した場合について説明したが、磁石片端のみに捕捉・排出機能を有した構造についても同様の効果を生じる。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、逆洗の必要がなく連続的に磁性物質を分離除去できる浄化装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る浄化装置の構成の概略と磁気分離部を示す縦断面図。
【図2】図1に示す浄化装置の磁性物質捕捉状況を説明する図。
【図3】図1に示す浄化装置の磁束密度の分布を説明する図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図5】図4に示した磁気分離装置に用いられるかき寄せ板の横断面を示す図。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図10】本発明に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図11】従来技術の磁気分離装置の構成の概要と磁気分離部の構成を示す縦断面図。
【図12】本発明の第6の実施の形態に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図13】本発明の第7の実施の形態に係る浄化装置の磁気分離部を示す縦断面図。
【図14】図13図のX−X断面図。
【符号の説明】
15・・・磁気分離容器、30・・・電磁石、 46・・・磁場高勾配の部位,48・・・吸引管、 49・・・排出管。
Claims (14)
- 水を導入し排出する流路と、この流路途中に設けられ該流路内に磁場を与える磁場発生手段とを備えた浄化装置において、
前記導入される水は磁性物質を含むものであり、前記磁場発生手段が配設された流路内であって、
前記磁性物質を捕捉する磁性物質捕捉部と、捕捉された前記磁性物質を円周方向移動させる回転かき寄せ板と、前記円周方向に穴を有し排出管と導通した吸引管とを備え、前記磁性物質は前記穴から連続的に吸引捕集されることを特徴とする浄化装置。 - 請求項1において、前記磁場発生手段の外周部に前記水の流路を備えた浄化装置。
- 請求項1において、前記流路の前記磁場発生手段より下流側にその排出路と連通して磁気フィルタを有する磁気分離手段を備えた浄化装置。
- 請求項3において、前記磁気分離手段と前記磁気フィルタを備えた磁気分離手段とに共通に用いられる磁場発生手段を備えた浄化装置。
- 水を導入し排出する第1の流路と、この流路途中に設けられ該流路内に磁場を与える磁場発生手段とを備えた浄化装置において、前記導入される水は磁性物質を含むものであり、前記磁場発生手段が配設された流路内に、複数箇所の磁場勾配が増加する部位を発生させ、この磁場発生手段により発生するそれぞれの磁場内に複数の第2の流路を設けたことを特徴とする浄化装置。
- 請求項5において、前記第2の流路の近傍にそれぞれ前記磁性物質を移動させる手段を備えた浄化装置。
- 請求項5において、流路内に設けられた磁性物質感知手段と、該感知手段からの信号により前記第2の流路に流れる磁性物質の量を制御する制御手段とを備えた浄化装置。
- 水を導入し排出する第1の流路、及び該流路途中に設けられこの流路内に磁場を与える磁場発生手段を備えた浄化装置において、
前記導入される水は磁性物質を含むものであり、前記磁場発生手段が配設された流路内に、磁場勾配が増加する部位を複数箇所発生させ、この磁場発生手段により発生するそれぞれの磁場内に複数の第2の流路を設け、該第2の流路が前記磁場勾配の増加する部位間における磁場勾配の減少する部位から外部へ導かれるように設けられていることを特徴とする浄化装置。 - 請求項8において、前記第2の流路の近傍にそれぞれ前記磁性物質を移動させる手段を備えた浄化装置。
- 水を導入し排出する第1の流路及び該流路途中に設けられる磁場発生手段を備えた浄化装置において、
前記導入される水は磁性物質を含むものであり、前記第1流路に対してほぼ直角方向に前記磁場発生手段が配設された流路を備えると共に、該流路内に配設され、磁場勾配の増加する部位における前記磁性物質を前記磁場勾配の減少する部位から排出するための第2の流路を備えていることを特徴とする浄化装置。 - 水を導入し排出する第1の流路及び該流路途中に設けられる磁場発生手段を備えた浄化装置において、
前記導入される水は磁性物質を含むものであり、前記第1流路に対してほぼ直角方向に設けられた第2の流路を備え、前記磁場発生手段が前記第2の流路内に磁場勾配の増加する部位を発生させよう配設され、前記第2の流路が前記磁場勾配の増加する部位の前記磁性物質を前記磁場勾配の減少する部位から外部へ排出するように設けられていることを特徴とする浄化装置。 - 請求項10または11において、前記第2の流路には前記磁性物質を移動させる手段を備えている浄化装置。
- 水を導入し排出する第1の流路及び該流路途中に設けられた磁場発生手段を備えた浄化装置において、
前記導入される水は磁性物質を含むものであり、前記第1の流路が前記磁場発生手段を配設した流路を介して連通される2つの流路からなり、
前記磁場発生手段が配設された流路内には磁場勾配の増加する部位を発生させ、
前記磁場発生手段の発生する磁場内に第2の流路を設け、該第2の流路は磁場勾配の減少する部位から外部へ導かれるように設けられていることを特徴とする浄化装置。 - 請求項13において、前記磁場発生手段が配設された流路に前記磁性物質を移動させる手段を備えている浄化装置。
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