JP3787641B2 - 鍵盤装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子ピアノなどの鍵盤楽器における鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子ピアノなどの電子鍵盤楽器においては、通常の押鍵後、更に鍵を押し込む力に応じ、音高や音色、音量などを変化させ、発音中の音に各種の効果を付加し、音の表現力を高めるアフタータッチ機能を有するものがある。
このような電子鍵盤楽器では、低コスト化を図るために、鍵の後部に薄肉部を設け、この薄肉部の後端部を鍵の配列方向に沿う連結部に連結し、この連結部によりそれぞれ薄肉部を介して複数の鍵を一体に形成したものが開発されている。図12および図13はその一例を示した図である。この電子鍵盤楽器は、楽器ケース内に一体的に組み込まれる合成樹脂製の鍵盤シャーシ1と、この鍵盤シャーシ1上に上下方向に回動可能に取り付けられた合成樹脂製の複数の鍵(白鍵と黒鍵、ただしこの従来例では白鍵について説明する。)2と、これら複数の鍵2にそれぞれ対応して配置され、押鍵時に各鍵2のスイッチ押圧部3により押圧される各2組のゴムスイッチ4と、押鍵時に各鍵2の押鍵力を検出するアフタータッチ用の感圧センサ5とを備えている。
【0003】
複数の鍵2は、その後部(図12では右側部)に薄肉部6がそれぞれ形成され、これら各薄肉部6の後端部が鍵2の配列方向に沿う共通の連結部7に並列に配置された状態で連結形成され、これにより、これらが一体に成形されている。これら複数の鍵2は、連結部7が鍵盤シャーシ1の後部上に鍵2の配列方向に沿って設けられた取付部8上に取り付けられ、押鍵時に薄肉部6をヒンジとして各鍵2が上下方向に回動するように鍵盤シャーシ1上に配置されている。
複数の鍵2にそれぞれ対応する2組のゴムスイッチ4は、鍵盤シャーシ1の中間部の下面に設けられた回路基板9上に配置され、鍵盤シャーシ1の開口部1aを通して上方に突出している。すなわち、2組のゴムスイッチ4は、それぞれ弾性変形可能な膨出ゴム内に固定接点と可動接点が設けられ、各膨出ゴムの上端部が鍵2の内面に形成された2つのスイッチ押圧部3に当接し、各膨出ゴムの弾性復帰力によりスイッチ押圧部3を押し上げるように構成されている。
【0004】
アフタータッチ用の感圧センサ5は、押鍵されて各ゴムスイッチ4がスイッチ押圧部3により押圧された後、更に鍵2が押し込まれる力(以下、押鍵力という)を検出するものであり、回路基板9の前側(図12では左側)における鍵盤シャーシ1の上面に各鍵2の配列方向に沿って設けられている。
なお、鍵盤シャーシ1の中間部における下面には、フェルトなどの上限ストッパ10が感圧センサ5の下方に対応して設けられている。この上限ストッパ10は、各膨出ゴムの弾性復帰力および薄肉部6の弾性復帰力により鍵2が押し上げられることにより、鍵2に形成されたL字状のストッパ片11が当接し、これにより鍵2を所定の上限位置(初期位置)に位置規制している。また、感圧センサ5の近傍における鍵盤シャーシ1上には、鍵2の横振れを防ぐ鍵ガイド12が設けられている。さらに、鍵盤シャーシ1の前部(図12では左側部)には、フェルトなどの保護用の下限ストッパ13が設けられている。
【0005】
このような電子鍵盤楽器では、押鍵しない状態のときには2組のゴムスイッチ4の各膨出ゴムの弾性復帰力および薄肉部6の弾性復帰力により鍵2が押し上げられ、鍵2のL字状のストッパ片11が鍵盤シャーシ1の上限ストッパ10に当接し、これにより鍵2が初期位置(上限位置)に位置規制されている。
この状態で、2組のゴムスイッチ4の弾性力および薄肉部6の弾性力に抗して鍵2を押鍵すると、鍵2の後部の薄肉部6をヒンジとして鍵2が下方に回動し、この鍵2の各スイッチ押圧部3がゴムスイッチ4の各膨出ゴムを弾性変形させて可動接点を固定接点に接触させ、これによりゴムスイッチ4がスイッチ信号を出力し、押鍵された鍵2に応じた音を発音する。この後、更に鍵2が押し込まれると、図13に示すように、感圧センサ5が押圧され、その押圧力(鍵2の押し込み力)に応じて感圧センサ5が電気信号を出力する。この感圧センサ5からの電気信号に基づいて、音高や音色、音量などを変化させ、発音中の音に各種の効果を付加し、音の表現力を高めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような電子鍵盤楽器では、通常の押鍵力を越える過大な押鍵荷重で繰り返し押鍵されると、ヒンジである薄肉部6に発生する応力により薄肉部6が疲労破壊してしまうという問題がある。
すなわち、通常の押鍵では、鍵2が感圧センサ5に当接するまでヒンジである薄肉部6が図14に示すように撓む。この撓んだ状態での薄肉部6における最大曲げモーメントは薄肉部6の後端Aに生じ、最大曲げ応力σAも薄肉部6の後端Aに生じる。しかし、アフタータッチ機能を効かせるために、更に押鍵し続けると、ゴムスイッチ4や感圧センサ5、および連結部7に反力が生じ、これら反力と押鍵力、そしてこれらのモーメントにより、図15に示すように薄肉部6が持ち上げられ、薄肉部6の後端Aの曲げ応力σAのほかに、薄肉部6の前端Bにも曲げ応力σBが発生する。このため、通常の押鍵条件下(曲げ応力σA)での繰り返し疲労試験では、製品の想定回数を越えても疲労破壊は生じないが、アフタータッチ機能の押鍵条件下(曲げ応力σB)での繰り返し疲労試験では、想定回数以下で破壊していまう(図5参照)。
【0007】
このような疲労破壊を回避するために、薄肉部6の肉厚を厚くして応力の低下を防ぐことが考えられるが、図16に示すように、薄肉部6の肉厚tを均一に厚くすると、薄肉部6を撓ませる荷重が大きくなり、演奏しにくくなるという問題が生じる。
すなわち、薄肉部6はヒンジ(支点)としての機能を果たすと同時に押鍵時に指先への反力を付加する機能をも併せもっている。押鍵時の指先への反力(モーメント)は、図17に示すように、2組のゴムスイッチ4の反力G1P、G2Pと薄肉部6の反力(HP)のモーメント値の和に等しい。演奏者が演奏し易い鍵タッチは、指先への反力と押鍵ストロークの関係で表すと、図18(a)に示すように、押鍵直後に指先への反力が大となり、その後押鍵しても指先への反力はほとんど変化せず、押鍵終了まで一定となるのが理想(同図の太線カーブC1)である。しかし、応力の低下を防ぐために薄肉部6の肉厚tを図16に示すように均一に厚くすると、図18(b)に示すように、薄肉部6の反力(HP)が押鍵するにつれて増大し、指先への反力が右上がりのカーブ(同図の太線カーブC2)となり、演奏しにくくなってしまう。
【0008】
この発明の課題は、薄肉部の破壊強度を高めると同時に、指先への反力を理想的な状態に近づけて演奏し易くすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前部に押鍵時に押圧操作される押圧部と、後部に前記押圧部を支持する支持部と、前記押圧部と前記支持部との間に薄板片状の薄肉部とを設け、押鍵時に前記薄肉部が撓むことによって前記支持部に対して前記押圧部を、押圧操作される方向に回動可能にした鍵盤装置において、前記薄肉部を前記鍵の前側から後側に向けて幅を次第に狭くすることで断面積が次第に小さくなるように形成したことを特徴する。この発明によれば、薄肉部を鍵の前側から後側に向けて断面積が次第に小さくなるように形成したので、薄肉部における曲げモーメントの分布が薄肉部の前端から後端に向かって次第に小さくなる。このため、例えば、薄肉部の前端で疲労破壊しない曲げ応力(σc)を確保し、かつ曲げモーメントの分布を考慮して、薄肉部の前端から後端に向かって曲げ応力(σc)が一定になるように薄肉部の断面積を連続的に小さくすることにより、薄肉部の各部において一定の曲げ応力(σc)が確保でき、これにより薄肉部の破壊強度を高めることができる。また、薄肉部の撓みと薄肉部の荷重(以下、ヒンジ荷重という)との関係から、断面積が小さいほどヒンジ荷重が小さくてすむので、従来のように薄肉部の肉厚を均一に厚くした場合に比べてヒンジ荷重が下がり、疲労破壊しない曲げ応力(σc)とヒンジ荷重とのバランスをとることで、薄肉部の破壊強度を高めると同時に、指先への反力を理想的な状態に近づけて演奏し易くすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を参照して、この発明の鍵盤装置の一実施形態について説明する。なお、図12〜図18に示された従来例と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図1は鍵盤装置における鍵の後部を示した拡大断面図、図2はその平面図である。この鍵盤装置の鍵2は、その後部に薄肉部20が形成され、この薄肉部20の後端部が鍵2の配列方向に沿う共通の連結部7に連結形成されている。なお、この鍵2は、従来例と同様、白鍵と黒鍵からなり、複数並列に配置された状態で、これらがそれぞれ薄肉部20を介して連結部7により一体に形成されている。
【0011】
この鍵2の薄肉部20は、図1および図2に示すように、鍵2の前端Bから後端Aに向けて、幅bが一定で、厚みが次第に薄くなるように形成され、これにより断面積が薄肉部20の前端Bから後端Aに向けて次第に小さくなるように構成されている。この場合、薄肉部20は、底面がほぼ水平に形成され、上面の前端B側が高く後端A側が低くなるように、上面が傾斜し、これにより前端Bの厚みhBが厚く、後端Aの厚みhAが薄く形成されている。また、薄肉部20の前端Bにおける上下の角部には、応力が集中しないように半径R1、R2の肉付けが施されており、同様に、薄肉部20の後端Aにおける上側の角部にも、半径R3の肉付けが施されている。これにより、薄肉部20の屈曲領域Sは、傾斜した上面に対する半径R1、R2の肉付けの接点と半径R3の肉付けの接点との間に設定されている。
【0012】
ところで、この鍵盤装置のアフタータッチ用の感圧センサ21は、図3および図4に示すように、基材22上に電極板23を配置し、この電極板23上にスペーサ24を介してセンサシート25を配置し、このセンサシート25上にフェルト26を配置した構成で、全体が帯状に形成されている。この場合、電極板23は、一対の櫛歯状電極23a、23bを互いに接触しないように噛み合わせた構成になっている。これに対向するセンサシート25の下面には、感圧層25aが設けられいる。スペーサ24は、電極板23とセンサシート25とのギャップを規制するとともに、その上下面に粘着処理が施され、電極板23とセンサシート25とを接着している。フェルト26は鍵2の下限ストッパの機能をも兼ねている。
【0013】
この感圧センサ21は、従来例と同様、鍵盤シャーシ1上に鍵2の配列方向に沿って配置され、通常の押鍵後、更に鍵2が押し込まれてフェルト26を介してセンサシート25が押圧されると、センサシート25が撓み、その下面の感圧層25aが電極板23の一対の電極23a、23bに跨って接触し、このときの接触面積と接触圧力の大きさに応じて一対の電極23a、23b間の抵抗値が変化するように構成されている。なお、この抵抗値の変化は電圧変換され、これがA/D回路を経てCPUに取り込まれる。これにより、CPUが楽音を変調する。
【0014】
このような鍵盤装置では、従来例と同様、鍵2が押鍵されると、鍵2の後部の薄肉部20をヒンジとして鍵2が下方に回動し、この鍵2の各スイッチ押圧部3によりゴムスイッチ4が弾性変形してスイッチ信号を出力し、これにより押鍵された鍵2に応じた音を発音する。この後、更に鍵2が押し込まれると、感圧センサ21が押圧され、その押圧力に応じてセンサシート25の感圧層25aが電極板23の一対の電極23a、23bに接触し、このときの接触面積と接触圧力の大きさに応じて一対の電極23a、23b間の抵抗値が変化し、この抵抗値の変化を電圧変換して発音中の音に各種の効果を付加し、音の表現力を高めることができる。この場合、感圧センサ21は、センサシート25上に設けられたフェルト26が鍵2の下限ストッパの機能をも兼ねているので、図12に示された従来例のような保護用の下限ストッパ13が不要となり、部品点数の削減を図ることができる。
【0015】
また、この鍵盤装置では、通常の押鍵力を越える過大な押鍵荷重で繰り返し押鍵しても、鍵2の薄肉部20が、その前端Bから後端Aに向けて一定の幅で、厚みが次第に薄くなるように形成されているので、従来例のように薄肉部20に発生する応力により薄肉部20が疲労破壊することはない。
すなわち、通常の押鍵では、鍵2が感圧センサ21に当接するまでヒンジである薄肉部20が屈曲領域S中で撓み、この撓んだ状態での薄肉部20における最大曲げモーメントは薄肉部20の後端Aに生じ、最大曲げ応力σAも薄肉部6の後端Aに生じるが、アフタータッチ機能を効かせるために、更に押鍵し続けると、ゴムスイッチ4や感圧センサ21、および連結部7に反力が生じ、これら反力と押鍵力、そしてこれらのモーメントにより、薄肉部20が持ち上げられ(図15参照)、薄肉部20の前端Bにも曲げ応力σが発生する。この薄肉部20の前端Bの曲げ応力σは後端Aの曲げ応力σAに比べて大きく、疲労破壊しやすいが、薄肉部20の前端Bの肉厚が厚く形成されていることにより、繰り返しの疲労破壊を起こしにくい。
【0016】
これは、薄肉部20の前端Bの肉厚を厚くすることにより、応力の基本式における断面係数(Z)が大きくなるからである。
この曲げ応力(σ)の一般的な基本式は、モーメントをMとすると、
σ=M/Z
で表させる。断面係数Zは、薄肉部20の幅をb、厚みをhとすると、
Z=b・h2/6
であり、モーメントMは、外力をPとし、ある点(支点)から外力Pの作用点までの距離をLとすると、
M=P・L
であり、これらから
σ=M/Z=(6・P・L)/(b・h2
となる。この式では、Pは定数であり、L、b、hは変数である。これら変数の中でL、bは1次的にしか影響せず、hは2乗で影響している。よって、薄肉部20の厚みhを厚くすることで、曲げ応力σを効率よく減少させることができる。
【0017】
一方、薄肉部20における撓み(δ)と荷重(w)との関係は、梁の種類による撓み係数をβ、縦弾性係数(ヤング率)をE、断面二次モーメントをIとすると、
δ=(β・w・L3)/(E・I)
となり、断面二次モーメントIは
I=b・h3/12
であるから、
w={(δ・E・b)/(12・β・L3)}・h3
となる。このため、荷重wは、撓みδを一定にした場合、厚みhの3乗に比例して増加することになる。
【0018】
従って、従来例で説明したように、曲げ応力を下げるために単に厚みを均一に厚くすると、図6の直線T2、つまり図17(b)に示された薄肉部6の反力HPの直線のように、薄肉部6を撓ませる荷重(ヒンジ荷重)が大きくなるが、この実施形態のように、薄肉部20を前端Bから後端Aに向けて一定の幅で、厚みが次第に薄くなるように形成することにより、薄肉部20の前端Bで曲げモーメントが最大となり、薄肉部20の後端Aに向かって曲げモーメントが次第に小さくなり、薄肉部20の厚みhが小さい程、図6に示す直線T3のようにヒンジ荷重が小さくてすみ、図6に示す直線T1、つまり図17(a)に示された薄肉部6の反力HPの直線に近づけることができる。
【0019】
このように、この鍵盤装置では、薄肉部20における曲げモーメントの分布が薄肉部20の前端Bから後端Aに向かって次第に小さくなり、図5に示すように、薄肉部20の前端Bで疲労破壊しない曲げ応力(σc)を確保し、かつ曲げモーメントの分布を考慮して、薄肉部20の前端Bから後端Aに向かって曲げ応力(σc=M/Z)が一定になるように薄肉部20の厚みhを連続的に小さくすることにより、薄肉部20の各部において一定の曲げ応力(σc)が確保でき、これにより薄肉部20の破壊強度を高めることができる。しかも、薄肉部20の撓みとヒンジ荷重との関係から、薄肉部20の厚みhが小さいほどヒンジ荷重が小さくてすむので、従来のように薄肉部6の肉厚を均一に厚くした場合に比べてヒンジ荷重が下がり、疲労破壊しない曲げ応力(σc)とヒンジ荷重とのバランスをとることで、薄肉部20の破壊強度を高めると同時に、指先への反力を理想的な状態に近づけて演奏し易くすることができる。
【0020】
なお、上記実施形態では、薄肉部20をその前端Bから後端Aに向けて一定の幅で厚みが次第に薄くなるように形成したが、これに限らず、例えば、図7に示す第1変形例のように、薄肉部30をその中間部Cから後端Aに向けて一定の幅で厚みが次第に薄くなるように形成し、この薄肉部30の屈曲領域S1を中間部Cから後端Aにおける上面と半径R3の肉付けとの接点までの範囲に設定しても良い。この場合には、厚みが薄くなり始める中間部Cに曲げ応力が集中し、この中間部Cが疲労破壊しやすくなる。そこで、薄肉部30の前端Bの曲げ応力とヒンジ荷重、および応力集中も併せて考慮し、薄肉部30の前端Bから中間部Cまでの上面を前端Bと中間部Cとに接する曲率半径Rの大きな円弧状に形成すれば良い。なお、この場合にも、薄肉部30の前端Bにおける上下の角部に応力が集中しないように半径R1、R2の肉付けが施され、薄肉部30の後端Aにおける上側の角部にも、半径R3の肉付けが施されている。このように薄肉部30を形成しても、上記実施形態と同様の作用効果を有する。
【0021】
また、上記実施形態では、薄肉部20をその前端Bから後端Aに向けて一定の幅で厚みが次第に薄くなるように形成したが、これに限らず、例えば、図8〜図11にそれぞれ示すように薄肉部を形成しても良い。
すなわち、図8(a)および図8(b)に示された第2変形例のように、薄肉部31をその前端Bから後端Aに向けて一定の厚みhで幅bが次第に狭くなるように形成しても良く、また図9(a)および図9(b)に示された第3変形例のように、薄肉部32をその前端Bから後端Aに向けて厚みhと幅bの両者が次第に小さくなるように形成しても良い。このようにしても、上記実施形態と同様の作用効果を有する。
【0022】
さらに、図10(a)〜図10(c)に示された第4変形例のように、薄肉部33をその前端Bから後端Aに向けて厚みhと幅bの両者が次第に小さくなるように形成するとともに、薄肉部33の断面を前端Bから後端Aに向かって台形状から長方形状になるように形成しても良い。このようにしても、上記実施形態と同様の作用効果を有する。
また、図11(a)〜図11(c)に示された第5変形例のように、薄肉部34の断面を均一な幅の凹状に形成し、この凹状の底部の厚みhを均一に形成した上、その両側辺の凸部34aの厚みを薄肉部34の前端Bから後端Aに向けて次第に薄くなるように形成しても良い。このようにしても、上記実施形態とほぼ同様の作用効果があることは言うまでもない。
このように、鍵2の薄肉部は、その前端Bから後端Aに向かって断面積が次第に小さくなるような形状であれば、上記実施形態およびその各変形例のような形状である必要はなく、円形状、楕円形状など、どのような形状であっても良い。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、前部に押鍵時に押圧操作される押圧部と、後部に前記押圧部を支持する支持部と、前記押圧部と前記支持部との間に薄板片状の薄肉部とを設け、押鍵時に前記薄肉部が撓むことによって前記支持部に対して前記押圧部を、押圧操作される方向に回動可能にした鍵盤装置において、薄肉部を鍵の前側から後側に向けて幅を次第に狭くすることで断面積が次第に小さくなるように形成したので、薄肉部における曲げモーメントの分布が薄肉部の前端から後端に向かって次第に小さくなる。このため、例えば、薄肉部の前端で疲労破壊しない曲げ応力(σc)を確保し、かつ曲げモーメントの分布を考慮して、薄肉部の前端から後端に向かって曲げ応力(σc)が一定になるように薄肉部の断面積を連続的に小さくすることにより、薄肉部の各部において一定の曲げ応力(σc)が確保でき、これにより薄肉部の破壊強度を高めることができる。また、薄肉部の撓みとヒンジ荷重との関係から、断面積が小さいほどヒンジ荷重が小さくてすむので、従来のように薄肉部の肉厚を均一に厚くした場合に比べてヒンジ荷重が下がり、疲労破壊しない曲げ応力(σc)とヒンジ荷重とのバランスをとることで、薄肉部の破壊強度を高めると同時に、指先への反力を理想的な状態に近づけて演奏し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の鍵盤装置の一実施形態における鍵の後部を示した拡大断面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】図1の鍵を備えた鍵盤装置に組み込まれたアフタータッチ用の感圧センサの一部破断した拡大斜視図。
【図4】図3の拡大断面図。
【図5】図1の薄肉部の曲げ疲労曲線を示した図。
【図6】図1の薄肉部と従来の薄肉部とを比較するための鍵ストロークに対するヒンジ荷重を示した図。
【図7】この発明の鍵盤装置の鍵の薄肉部の第1変形例を示した拡大断面図。
【図8】この発明の鍵盤装置の鍵の薄肉部の第2変形例を示し、(a)はその拡大側面図、(b)はその平面図。
【図9】この発明の鍵盤装置の鍵の薄肉部の第3変形例を示し、(a)はその拡大側面図、(b)はその平面図。
【図10】この発明の鍵盤装置の鍵の薄肉部の第4変形例を示し、(a)はその拡大側面図、(b)はその平面図、(c)は(b)におけるX1−X1およびX2−X2の各断面図。
【図11】この発明の鍵盤装置の鍵の薄肉部の第5変形例を示し、(a)はその拡大側面図、(b)はその平面図、(c)は(b)におけるY1−Y1およびY2−Y2の各断面図。
【図12】鍵盤装置の一例を示した断面図。
【図13】図12の鍵を押鍵した状態を示した概略図。
【図14】図12において従来の鍵の通常押鍵時における薄肉部の変形状態を示した拡大断面図。
【図15】図12において従来の鍵の通常押鍵後に、更に鍵を押し込んだ状態における薄肉部の変形状態を示した拡大断面図。
【図16】図14の従来の鍵の薄肉部の肉厚を均一に厚くした場合を示した図。
【図17】図12の鍵に作用する反力の位置を示した図。
【図18】鍵ストロークに対する鍵反力の関係を示し、(a)はその理想的な場合を示した図、(b)は鍵の薄肉部の肉厚を均一に厚くした場合を示した図。
【符号の説明】
2 鍵
7 連結部
20、30〜35 薄肉部
21 感圧センサ
A 薄肉部の後端
B 薄肉部の前端
h 薄肉部の厚み
b 薄肉部の幅

Claims (1)

  1. 前部に押鍵時に押圧操作される押圧部と、
    後部に前記押圧部を支持する支持部と、
    前記押圧部と前記支持部との間に薄板片状の薄肉部とを設け、
    押鍵時に前記薄肉部が撓むことによって前記支持部に対して前記押圧部を、押圧操作される方向に回動可能にした鍵盤装置において、
    前記薄肉部を前記鍵の前側から後側に向けて幅を次第に狭くすることで断面積が次第に小さくなるように形成したことを特徴する鍵盤装置。
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