JP3678209B2 - 電子楽器の鍵盤装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、電子楽器の鍵盤装置に関する
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電子楽器の鍵盤装置として、例えば実公昭55−43438号公報に示されるように、多数の鍵を搖動自在に支持した鍵盤フレームの上下及び左右の搖動に連動する一対のシャッタ板を有するシャッタ機構と、このシャッタ機構の一対のシャッタ板によりそれぞれ照射光量を調節されて鍵盤フレームの搖動変位に応じた電気信号を発生する一対の検出器に対する共通の光源とからなり、上記一対の検出器からの検出出力を制御信号として電子楽器における任意の効果を制御するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の電子楽器の鍵盤装置にあっては、板ばねで支持している鍵盤フレーム全体を搖動させる構造であったため、可動部が複数の鍵とそれらの鍵を支持する鍵支持部材との質量を合計したものとなり、その大きな質量に起因して応答性が悪く鍵に作用する微妙な動きを検出してそれに応じた楽音制御を行うことはできなかった。
【0004】
さらに、押鍵後のアフタタッチを検出することは可能であるが、鍵の動き始めの様子を検出することができず、左右動検出の場合には左右いずれの方向の力かを検出することはできなかった。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で応答性を良好にし、鍵の動き始めからアフタタッチに至るまでの押鍵力を検出して木目細かな楽音制御を行うことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、複数の鍵と、その各鍵を搖動可能に支持する支持部材と、上記鍵の動きを検出するように設けられ、その鍵によって駆動される可撓性を有するセンサ部材とを備えた電子楽器の鍵盤装置において、上記鍵とセンサ部材との間に、一端が前記支持部材に対して固定され、他端が自由端として鍵の長手方向へ延設された板状の可撓部材を配設し、該板状の可撓部材は、鍵動作に対して、離鍵状態において上限ストッパとして機能し、押鍵時に中間ストッパとして機能して該鍵と接触し、更なる押鍵に対して上記センサ部材を動作させるものであることを特徴とする。
【0006】
【作用】
上記のように構成したこの発明による電子楽器の鍵盤装置は、離鍵時押鍵力が作用しない状態では、上記板状の可撓部材が鍵の上限ストッパとして機能している。押鍵時には上記板状の可撓部材が中間ストッパとして機能して鍵と接触し、更なる押鍵に対して上記センサ部材を動作させる。
【0007】
この時、可撓部材に加えられる上下方向の力あるいは変位と時間との関係は押鍵力や押鍵速度によって変化するので、センサからの出力信号によりこれらを検出して楽音制御を行うことができる。
【0008】
そして、鍵がその復帰位置から押鍵操作により上記板状の可撓部材から離れて該可撓部材が上限ストッパとして機能しなくなるまでの第1のあがき部によりイニシャルタッチを、上記板状の可撓部材が鍵と接触して中間ストッパとして機能してから、更なる押鍵によって上記センサ部材を動作させ、鍵が下限ストッパ部に当接するまでの第2のあがき部によりアフタタッチをそれぞれ高感度で検出することが可能になる。
【0009】
また、そのセンサをフォトセンサとすると、比較的低価格のセンサを用いて正確に押鍵力を検出することが可能となり、第1のあがき部を鍵操作全ストロークの半分以下とすることにより、あがきのない鍵盤の操作性の良さを加味させることが可能になる。
【0010】
参考例
この発明の実施例を説明する前に、この発明と共通する可撓部材を用いた鍵盤装置の参考例を説明する。
図1はその参考例1の鍵盤の一部を断面で示す側面図、図2はその可撓部材を示す斜視図である。なおこれらの図において楽音制御信号発生装置に関連しない部分は省略してある。
【0011】
図1において、白鍵1A及び黒鍵1B(以下共に「鍵1」という)を、下面が開放された横断面コの字状に樹脂により一体に成形し、鍵1の後端部に鍵支点部を形成する突起1aを下方に突出して一体に設ける。
【0012】
そして、複数の鍵1の突起1aの前側に設けた凹部1bを支持部材2の第1の支持部材2aの鍵配列方向に列設形成した透孔2eの前端縁に係合させることにより、鍵1を上下方向に搖動自在で左右方向にも所定範囲搖動可能に支持する。各鍵1と支持部材2との間にそれぞれ介装した付勢手段である板ばねからなる鍵復帰ばね3により鍵1を常時復帰方向である上方へ付勢し、鍵1の両側壁の前端部寄りの下面に、L字状のストッパ片1cを垂設している。
【0013】
一方、支持部材2の第1の支持部材2aの先端付近に剛体の第2の支持部材2bを介して剛性の高い全鍵共通の第3の支持部材2cを固設すると共に、第2の支持部材2bに、弾性樹脂の一体成形品からなる可撓部材4の基部4aを固定し、この可撓部材4の非固定部4bに鍵配列方向に可撓性を有する水平方向可撓部4cと、押鍵方向に可撓性を有する垂直方向可撓部4dとを連続して形成する。なお、可撓部材4と第2の支持部材2bとは同一の弾性樹脂により一体に形成することもできる。
【0014】
そして、各鍵の長手方向に延びる非固定部2bを二股に形成して、垂直方向可撓部4dの延長上に中間ストッパ部4eを、その上部に上限ストッパ部4fを互いに平行となるように設けている。
さらに、上限ストッパ部4fの上面に鍵ガイド部5を立設し、それを鍵1の両側壁間に嵌入させて、鍵1の鍵配列方向の動き(横振れ)を防止するようにしている。なお、この可撓部材4は、全体として第2の支持部材2bに固定した片持ちの梁を構成するようにしている。
【0015】
そして、中間ストッパ部4eの上面と上限ストッパ部4fの下面に、それぞれフェルト等の緩衝材からなる中間ストッパ6A及び上限ストッパ6Bを貼着し、鍵1のストッパ片1cを中間ストッパ6A及び上限ストッパ6Bに当接させることにより、鍵1の上下方向の第1のストロークを規制する。また、第2の支持部材2bの下面に剛性の高い全鍵共通の下限ストッパ部2dを有する第3の支持部材2cを固設し、この第3の支持部材2cと水平方向可撓部4c,垂直方向可撓部4d及び中間ストッパ部4eとの間に間隙Cが形成されるようにし、ストッパ片1cが中間ストッパ6Aを介して中間ストッパ部4eを下限ストッパ部2dに当接するまで移動させることにより鍵1の上下方向の全ストロークを規制する。
【0016】
さらに、水平方向可撓部4cの基部4a寄りの垂直面に、この可撓部材4に加わる水平方向(鍵配列方向)の力を検出して電気信号に変換するセンサである歪ゲージ8Aを配設すると共に、垂直方向可撓部4dの基部4a寄りの水平面に、このストッパ部材4に加わる垂直方向の力を検出して電気信号に変換するセンサである歪ゲージ8Bを配設し、その出力信号をそれぞれ図示しない増幅器に入力させる。
【0017】
したがって、この第1実施例の鍵盤では、鍵1が鍵復帰ばね3の付勢力により復帰状態にあり、そのストッパ片1cが上限ストッパ6Bを介して可撓部材4の垂直方向可撓部4dを上方に持ち上げている図1に示す状態から、押鍵操作によりストッパ片1cが中間ストッパ6Aに当接するまでの第1のあがき部d1と、ストッパ片1cが中間ストッパ6Aを押下して垂直方向可撓部4dが第3の支持部材2cの下限ストッパ部2dに当接して停止するまでの第2のあがき部d2とを有することになる。
【0018】
ここで、上記のような構成からなるこの鍵盤装置の作用を説明するに先立ち、この鍵盤装置が高度の演奏表現力を備えている理由を鍵を操作する人間の手や指等を含めた操作系との関連において述べる。
【0019】
一般に、筋肉が動きながら外部に発生する力は、この筋肉が発生する力から筋肉自体が動くために必要な力を引いたものになり、筋肉が動くために必要な力は筋肉の粘弾性と質量に起因する。この粘弾性は筋肉の発生張力,長さ,短縮速度に依存して変化し、主動筋,拮抗筋の同時活動によっても粘弾性は制御される。このような感覚は、例えば搖動しているブランコを押そうとした時、意図したほどの力を加えることができないという現象からも自覚される。
【0020】
また、筋肉が外部に発生する力は、骨格によって形成されるリンクを通じて作用点に現れるので、リンクの変形に伴って作用点に現れる力が変化する。
あがきのある鍵盤を演奏する場合は、まさしく筋肉が動きながらリンクの変形も伴いつつ指先に力を発生していることになるので、筋肉のリラックスや指の形等の多くの修練を積んで始めて指先に発生する力を制御できる。
【0021】
これに対し、あがきのない鍵盤は、押鍵過程で筋肉の動きやリンクの変形が殆んどなく、筋肉の粘弾性や質量の影響を受けにくく、等尺性筋収縮といわれているものに近い。したがって、指先に発生する力に対する制御性は、あがきのある鍵盤より高いはずである。
端的にいうなら、この鍵盤装置では骨等のリンクの変形が発生しないので、押鍵力を支える鍵に対し、意図したタッチを容易に伝えることができ、鍵に伝達されたタッチはセンサを介して楽音に反映されることになる。
【0022】
次に、この参考例1において、押鍵によって可撓部材4に作用する力と押鍵開始からの経過時間との関係を、図3に示す特性曲線を参照して説明する。
鍵1に押鍵力が作用しない非押鍵状態においては、鍵1は図1に示す鍵復帰ばね3の付勢力により、押鍵部において例えば60gf程度の力で上方に付勢されており、可撓部材4の上限ストッパ部4fにもストッパ片1cを介して同等の上向きの力が作用している。
【0023】
この状態から鍵1を押下すると、押鍵開始(0)から時間t1で鍵1の第1のストッパ片1cの上縁部が上限ストッパ6Bから離脱し始め、時間t3で完全に離脱する。この間に可撓部材4の上限ストッパ部4fにかかる上方向の力は徐々に小さくなって、押鍵力が60gfになる時間t3以後はゼロとなり、可撓部材4にはその自重に相当する下向きの力が作用して中間ストッパ部4eが下方に変位し、垂直方向可撓部4dの先端側が下方に湾曲する。
【0024】
時間t4になって鍵1のストッパ片1cの下縁部が中間ストッパ6Aに当接すると、鍵をたたくように押鍵した場合には、図3の(a)に示すように、可撓部材4に作用する下向きの力は時間t4から急上昇し、時間t6で一瞬最大値を示した後、やや下ってアフタタッチによる力に対応する値に落ちつく。
【0025】
これに対し、鍵をなでるように押鍵した場合には、同図の(b)に示すように、時間t4から徐々に上昇して時間t6でアフタタッチによる力に対応する値となる。この(b)における時間t1〜t6は、(a)における時間t1〜t6とはそれぞれ異なる。
【0026】
また、時間t1から時間t3に至る第1のあがき部d1の立上り部の傾斜も、前者の場合は急激で後者の場合はなだらかであり、時間t1,t3間の所定の力レベルF2の時の時間t2と、第2のあがき部d2である時間t4,t6間の所定の力レベルF5の時の時間t5との間の経過時間T1,T2も前者は短かく後者は長くなり、この経過時間から押鍵速度を検出することができる。
【0027】
なお、押鍵時又は押鍵後の押鍵力に左右方向の成分が含まれている場合には、その力が鍵ガイド部5を介してそれと一体の可撓部材4に伝えられ、水平方向可撓部4cを介して可撓部材4が鍵配列方向へ湾曲する。
その時に可撓部材4に作用する力は、自重には無関係である点を除けば、図3の(a),(b)に示した特性曲線とほぼ同様である。すなわち、図3の(a),(b)において、時間t1〜t3間の立上り部を除去したものとほぼ同様となる。
【0028】
一般に、可撓部材4の垂直方向可撓部4dのような片持ちの梁の先端部近傍の定点に作用する力Fと、梁の曲げモーメントMとは比例関係にあり、その曲げモーメントMは梁の断面係数Zと応力σの積に比例し、梁の湾曲面に配設した歪ゲージの抵抗変化ΔRは応力σに比例する。
【0029】
すなわち、梁を構成する材料の縦弾性係数及びポアソン比によって定まる定数をkとすると、次式となる。
M=Z×σ
σ=k×ΔR
したがって、図1及び図2に示した歪ゲージ8Bが受けた曲げモーメントをM、歪ゲージ8Bの抵抗変化をΔRとすると、次式の関係が得られる。
M=Z×k×ΔR
【0030】
また、押鍵により垂直方向可撓部4dに伝達される上下方向の力をF、鍵1のストッパ片1cと可撓部材4との当接位置と歪ゲージ8B間の距離をDとすると、力Fは押鍵力に比例する。さらに、力の釣合条件により次式が得られる。
M=F×D
上記の各式から Z×k×ΔR=F×D となり、
F=(Z×k×ΔR)/D
となる。この式から歪ゲージBの抵抗変化ΔRと押鍵により垂直方向可撓部4dに作用する上下方向の力Fとは比例することが分る。
【0031】
なお、一般に片持ちの梁の自由端に力Fが加えられた時、梁が力Fが加えられた方向に変位する変位量は加えられた力Fに比例する。したがって、垂直方向可撓部4dの上下方向の変位は力Fに比例し、この力Fは歪ゲージ8Bの抵抗変化ΔRに比例するので、歪ゲージ8Bの出力信号は、押鍵力に比例する力F及び垂直方向可撓部4dの上下方向の変位のいずれにも比例することになる。
【0032】
同様にして、歪ゲージ8Aの出力も、押鍵により水平方向可撓部4cに鍵配列方向である左右方向に加えられる力及び水平方向可撓部4cの左右方向の変位のいずれにも比例すると共に、歪ゲージ8Aの出力信号の正負により、水平方向可撓部4cに左右いずれの方向に力が加えられたかを検出することができる。
これらの歪ゲージ8A,8Bの出力信号は、図示しない増幅器に入力された後、A/D変換器によりディジタル値に変換されて楽音信号制御手段へ入力される。楽音信号制御手段は入力された信号に応じて、発生中の楽音の音量,音高,音色等に関して各種の制御を行う。
【0033】
例えば、図3の(a)に示したように押鍵初期の第1のあがき部d1の立上り部の傾斜が急な時には、ローパスフィルタのカットオフ周波数を高くして明るい音色とし、同図の(b)に示したように上記立上り部の傾斜がなだらかな時には、ローパスフィルタのカットオフ周波数を低くして暗い音色にするような、音色制御を行なうことができる。
【0034】
また、強く速く押鍵されて、中間ストッパ6Aへの衝撃が大きい図3の(a)に示すような時にはリバーブを深くし、衝撃が小さい同図の(b)に示すような時にはリバーブを浅くするような楽音制御も可能である。
なお、押鍵時又は押鍵後に鍵1に左右方向の力を加えた場合には歪ゲージ8Aの抵抗値が鍵1に加えられた左右力の大きさに比例して変化し、応答性良好な浅くて速いビブラート等の微妙な音の変化を得ることができる。
【0035】
この参考例1によれば、可撓部材4の垂直方向可撓部4dに配設した1個の歪ゲージ8Bにより、押鍵当初と押鍵終期及びその後のアフタタッチ時に鍵の上下方向に加えられる力をすべて検出することができる。また、水平方向可撓部4cに配設した1個の歪ゲージ8Aにより、押鍵中及び押鍵後のすべての時点で鍵の左右方向に加えられる力を検出することができ、さらにそれが左方向の力か右方向の力かも容易に検出可能である。
【0036】
次に、図4は上記参考例1の一部を変更したこの参考例2の鍵盤装置を示すものであり、図1と同一の部分には同一の符号を付して示し、その部分の詳細な説明は省略する。
この鍵盤装置では、可撓部材4の垂直方向可撓部4dの先端側に形成した中間ストッパ部4eの下面に例えばアルミニウム板等の反射板18Cを配設すると共に、第3の支持部材2cの上記反射板18Cに対向する部位に例えば発光素子と受光素子とが一組になったフォトセンサ18Dを配設したものであり、その他の構成は前述した参考例1と同様である。
【0037】
以上の構成で、押鍵により鍵ストッパ片1cの上縁部が上限ストッパ6Bから離脱し始めると、上限ストッパ部4fにかかっていた鍵復帰ばね3による上方向の力が次第に小さくなり、完全に離脱した状態でその力がゼロになる。これにより可撓部材4の中間ストッパ部4eは自重により僅かに下方に変位してフォトセンサ18Dの出力信号が変化する。さらに、鍵ストッパ片1cが中間ストッパ6Aに当接した後は、可撓部材4に下向きの力が作用してフォトセンサ18Dの出力信号がさらに変化する。
【0038】
この場合も、前述したように押鍵力は可撓部材4の変位に比例し、鍵をたたくように押鍵した時となでるように押鍵した時とでのフォトセンサ18Dの出力変化も前第1実施例と同様であり、また、鍵配列方向の力を検出するセンサである歪ゲージ8Aについても参考例1と同様である。
【0039】
なお、上記参考例2では可撓部材4の変位を検出するセンサとしてフォトセンサを用いたが、磁気格子センサや磁気抵抗センサ、あるいはホール効果センサ等の磁気センサを用いてもよく、静電容量センサ等の利用も考えられる。
また、このような鍵盤装置において、歪ゲージ8Aに代えて可撓部材4と支持部材2の固定部との間に上記のような各種センサを配設して、鍵の左右方向の力を検出するようにすることも可能である。
この参考例2によれば、可撓部材4の最も変位量の大きい先端部でその変位を検出することができるので、センサの検出精度を一段と向上させることができる。
【0040】
次に、図5は参考例3の鍵盤装置の一部を断面にした側面図である。この鍵盤装置は、可撓部材24の基部24aの前面の非固定部24bに押鍵方向に可撓性を有する垂直方向可撓部24dを一体に形成し、その二股に分離した自由端側に、中間ストッパ部24e及び上限ストッパ部24fを設け、垂直方向可撓部24dの基部24a寄りに歪ゲージ8Bを配設したものである。なお、この参考例3では支持部材2を鍵先端方向へ延長して鍵ガイド部25を立設しているが、その他の構成は図1に示した参考例1と同様である。
【0041】
すなわち、この参考例3では、前述した参考例1の鍵盤装置から鍵に加えられる左右方向の力を検出する部分の構成を省略したものであり、簡単な構成で押鍵方向の力を検出して楽音制御を行うことができる。
なお、この参考例3でも、押鍵時の可撓部材24の垂直方向可撓部24dの変位を参考例2と同様な方法で検出することも可能である。
【0042】
【実施例】
以下、図6を用いてこの発明の実施例を説明するが、この図において、上述した参考例の説明に用いた図と対応する部分には同一の符号を付してあり、それらの説明は簡単にするか省略する。
図6は、この発明による鍵盤装置の一実施例の側断面図である。この鍵盤装置では、鍵1の突起1aを支持する支持部材22の先端付近に鍵ガイド部5を立設すると共に、鍵1とその支持部材22の第1の支持部材22aとの間にコイルばねからなる鍵復帰ばね3を係着して鍵1を上方へ付勢し、押鍵部付近においてほぼ55gfの上方への復帰力を与える。
【0043】
また、支持部材22上の鍵ガイド部5に近接した位置に各鍵1に対応して椀状の膨出部30aを有する可撓性の周知のラバー接点部材30を設け、押鍵操作によってこのラバー接点部材30を鍵1の下面が押圧することにより、可動接点30bが基板30c側に形成した非導通の固定接点対30dを導通させて鍵スイッチ閉成させるようにする。
【0044】
支持部材22の第1の支持部22aのほぼ中央の下面に、剛体ブロックからなる第2の支持部材22b,22b′を介して第1の支持部材22aに平行な全鍵共通の高剛性の第3の支持部材22cを固設し、その先端部に押鍵時に鍵1のストッパ片1cの下面が押鍵操作の最後に当接する下限ストッパ部22dを形成する。第2の支持部材22b,22b′間に各鍵1にそれぞれ対応して板ばねからなる垂直方向に可撓性を有する可撓部材34の基部34aを挾持して設け、この可撓部材34の非固定部34bを支持部材22の第1の支持部材22a及び第3の支持部材22cにほぼ平行に保持する。
【0045】
さらに、可撓部材34の先端部の上下両面に中間ストッパ6A,上限ストッパ6Bをそれぞれ貼着し、中間ストッパ6Aをストッパ片1cのコの字状の溝1dの上面に、上限ストッパ6Bを溝1dの下面にそれぞれ当接し得るようにする。また、第3の支持部材22c上に各可撓部材34に対応して、椀状の膨出部38aを有する可撓性のラバーセンサ部材38を設け、その基板38b上に発光ダイオード38cとフォトトランジスタ38dとが隣接して埋め込まれたフォトセンサ38eを形成し、それに対向して押圧部38fに反射面38gを形成する。
【0046】
そして、図6に示す非押鍵状態でラバーセンサ部材38の押圧部38fが可撓部材34に押圧されて膨出部38aを僅かに弾性変形させるようにする。そして、中間ストッパ6Aと鍵1のストッパ片1cの溝1dの上面との距離により第1のあがき部d1を形成し、引き続きストッパ片1cの下面が下限ストッパ22dに当接するまでの距離により第2のあがき部d2を形成する。
【0047】
この実施例は、前述の参考例1〜3第1のあがき部d1を第2のあがき部d2より大きくとっていたのに対し、第1のあがき部d1を第2のあがき部d2より小さくしてある。例えばd =1mm,d =3mmとすると、鍵1をストッパ片1cの位置で1mm押下することにより可撓部材34が下方へ駆動され、その後の押鍵力がフォトセンサ38eによって検出される。
【0048】
さらに正確には、可撓部材34には鍵復帰ばね3により初期テンションがかかっているので、それが押鍵によりなくなるまでに0.3 〜1mm程度の鍵ストロークが必要となり、実際の第1のあがき部d1は1.3 〜2mmとなる。上記の差分0.3 〜1mmは可撓部材34を構成する板ばねの長さ及び厚さによって変化し、それらを変えることにより所要の差分を得ることができる。
【0049】
この第1実施例によれば、前述の参考例1〜3に比して、図3に示したt4,t1間の長さがかなり小さいものとなる。このように、浅い押鍵ストロークにおいて、あえてあがきを発生させるようにした理由は、鍵盤奏者が過去において全ストロークがほぼ10mmというあがき部のある鍵盤で修練を積んでいるという事実に対して配慮したためである。
【0050】
また、鍵盤の歴史においアコースティックピアノでは50〜60gf程度で押鍵可能であり、オルガン等の押鍵力も大体この程度であった。これらの例にならって、電子楽器の鍵盤も押鍵位置において最低静荷重がその程度の力で押鍵し得るようにしてある。
したがって、この第4実施例はトラディショナルな鍵盤あがき構造を残しながら上記の人間工学的考察からくるあがきなし構成の良さを加味させるようにしたものということができる。
【0051】
すなわち、この実施例では、押鍵初期においてトラディショナルな荷重対応ストローク(例えば50〜100gfの荷重で1mm沈む)である第1のあがき部d1を得るようにし、その後の第2のあがき部d2の鍵ストロークにおいて、指に反力(例えば単位荷重1kgf当り1.5 〜5mmの割合)を感じながら、その反力に対応する情報(信号)が力センサから得られるようにしてある。
【0052】
このように、第2のあがき部d2において単位荷重1kg当り1.5 〜5mmのあがきを有するようにした理由は、試作実験試弾を繰り返した結果、フォルテッシモ(fff)の強押鍵を荷重に直すと2kgf程度であり、残りのストロークが3〜10mmになるからである。この2kgf及び3〜10mmという数値は、適度な柔らかさという意味をもっている。つまり、これ以上堅いと押鍵時に指が痛くなると共に振られやすくなり、これ以上柔らかいと、指に力を入れた時にタイムラグが大きくなって遅れて楽音コントロールされる結果となり演奏に適しない。
【0053】
また、第2のあがき部の3mmという数値は、従来の鍵盤のアフタセンサの沈み量より大きく、現に動かしていることを実感できる最小値であり、10mmという数値は、大きめの鍵ストロークを有する鍵盤を構成した場合でも、全ストロークが11mmなら標準鍵盤の許容範囲となるからである。
【0054】
次に、図7はこの発明による鍵盤装置の応用例を示す側断面図であり、前述した実施例との相違点は、支持部材22の第3の支持部材22cを第2の下限ストッパ部22dよりも鍵先端方向に延長し、先端部を逆コの字状に折り曲げて上限ストッパ部22eを形成し、その内面に鍵1のストッパ片1cが当接する上限ストッパ6Bを設けた点にあり、その他の構成は前述した実施例と同様である。
【0055】
この応用例は、上限ストッパ6Bを可撓部材34から第3の支持部材22c側に移したので、可撓部材34にかかる初期テンションは、可撓部材34の自重とそれを支持するラバーセンサ部材38のきわめて弱い上方への付勢力のみとなる。したがって、この場合は第1のあがき部d1は前述した実施例のように押鍵操作に伴って変化することはない。
【0056】
すなわち、この応用例では、図3に示した線図において、t4の値がきわめて小さく、t4以前の第1のあがき部がない場合に相当し、イニシャルタッチは検出できないが構成が簡略化されて押鍵当初の指先に発生する力に対する制御性は高くなる。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明による鍵盤装置は、片持ちの可撓部材の上限ストッパ部及び中間ストッパ部に加えられる第1,第2のあがき部の上下方向の力による変位を検出するセンサを設けたので、押鍵操作初期の第1のあがき部において、トラディショナルな荷重対応ストロークを発生させることができ、その後の第2のあがき部において、指に反力を感じながら、その反力に対応する情報をセンサから得ることができ、押鍵初期から楽音(パラメータ)を定めた木目細かな制御が可能になる。
さらに、押鍵力を検出するセンサをフォトセンサとすることにより、比較的低価格のセンサを用いて大きなストロークの押鍵力を高感度で正確に検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に関連する参考例1の鍵盤の一部を断面にした側面図である。
【図2】同じくその可撓部材を示す斜視図である。
【図3】同じくその可撓部材に作用する上下方向の力と押鍵開始からの経過時間との関係を示す線図である。
【図4】この発明に関連する参考例2の鍵盤の一部を断面にした側面図である。
【図5】この発明に関連する参考例3の鍵盤の一部を断面にした側面図である。
【図6】 この発明による鍵盤装置の一実施例の側断面図である。
【図7】 この発明による鍵盤装置の応用例の側断面図である。
【符号の説明】
1…鍵、2,22…支持部材、2d,22d…下限ストッパ部、3…鍵復帰ばね、4,24,34…可撓部材、4a,24a,34a…基部、4b,24b,34b…非固定部、4c…水平方向可撓部、4d,24d,…垂直方向可撓部、4e,24e…中間ストッパ部、4f,22e…上限ストッパ部、5,25…鍵ガイド部、6A…中間ストッパ、6B…上限ストッパ、8A,8B…歪ゲージ、18C…反射板、18D…フォトセンサ、30…ラバー接点部材、38…ラバーセンサ部材

Claims (1)

  1. 複数の鍵と、
    その各鍵を搖動可能に支持する支持部材と、
    前記鍵の動きを検出するように設けられ、その鍵によって駆動される可撓性を有するセンサ部材と、
    を備えた電子楽器の鍵盤装置において、
    前記鍵と前記センサ部材との間に、一端が前記支持部材に対して固定され、他端が自由端として鍵の長手方向へ延設された板状の可撓部材を配設し、
    該板状の可撓部材は、鍵動作に対して、離鍵状態において上限ストッパとして機能し、押鍵時に中間ストッパとして機能して該鍵と接触し、更なる押鍵に対して前記センサ部材を動作させるものであることを特徴とする電子楽器の鍵盤装置
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