JPH10133649A - 電子楽器の鍵盤装置 - Google Patents

電子楽器の鍵盤装置

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JPH10133649A
JPH10133649A JP8288587A JP28858796A JPH10133649A JP H10133649 A JPH10133649 A JP H10133649A JP 8288587 A JP8288587 A JP 8288587A JP 28858796 A JP28858796 A JP 28858796A JP H10133649 A JPH10133649 A JP H10133649A
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wippen
hammer
jack
whippen
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アコスティックピアノ特有の性質を忠実に再
現でき、しかも低コストで製造できる電子楽器の鍵盤装
置を提供する。 【解決手段】 ウィッペン30は揺動半径が長くおもり
41が付設されて慣性モーメントがジャック44やハン
マー50よりも大きく設計されている。鍵盤14が速い
速度で押下されると、鍵盤14は揺動してアクチュエー
タ35にて慣性モーメントの大きなウィッペン30の摺
動テープ32を押圧する。この時、摺動テープ32は弾
性変形しウィッペン30自身も若干変形して押圧力が蓄
えられるためウィッペン30はすぐに揺動を開始せず、
暫くした後勢いよく揺動し始める。このようにアコステ
ィックピアノ特有の性質(速い速度で押鍵した場合の押
鍵タッチとそれによって発生される電子音の大きさとの
関係など)は、ウィッペン30により実現されるため、
ウィッペン30の動作を検出し演奏情報を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウィッペン、ジャ
ック、ハンマー等からなる疑似アクション機構を備えた
電子楽器の鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子楽器の鍵盤装置としては、木
製鍵盤にハンマを設けたものや、プラスチック鍵盤にハ
ンマを設けたものが知られていたが、これらは鍵盤が直
接ハンマを揺動させるものであったため、レットオフ効
果が得られず、アコスティックピアノのタッチ感が実現
できないという問題があった。
【0003】そこで、アコスティックピアノのタッチ感
を実現すべく、図6に示すように、疑似アクション機構
を設けた電子楽器の鍵盤装置601が開発された。この
鍵盤装置601では、押鍵によって鍵盤614が鍵支点
615を中心として図中反時計回りに揺動すると、それ
に伴ってウィッペン630がセンターレール660に設
けられたウィッペン揺動軸631を中心に時計回りに揺
動し、ジャック644がハンマー650のバット650
aを突き上げる。すると、ハンマー650は、ハンマー
枕668に当接していた初期位置から揺動を開始し、セ
ンターレール660に設けられたハンマー揺動軸651
を中心に時計回りに揺動する。そして、ジャックテール
647がレギュレチングフェルト666に当接した後
は、ジャック644が急速に反時計回りに揺動してバッ
ト650aから抜けるため、ハンマー650は慣性運動
を開始する。このタイミングがレットオフである。そし
て、ハンマー650は、ハンマーストップレール662
に設けたハンマーストッパー663に衝突し(図中、2
点鎖線で示す)、その後揺れ戻す。このように、鍵盤装
置601ではアップライトピアノと同等のタッチ感が実
現される。
【0004】また、この鍵盤装置601の鍵盤614の
下方にはボタン型のセンサ637が設けられている。こ
のセンサ637は内部に2つのスイッチを備え、鍵盤6
14が押されるとまず一方のスイッチが押されてオン信
号を発し、その後更に鍵盤614が押されると他方のス
イッチが押されてオン信号を発するのである。つまり、
センサ637は、鍵盤614が初期位置からフルストロ
ーク位置まで移動する間に定めた2カ所をそれぞれ通過
した時点を検出するのである。そして、制御装置605
は、このセンサ637の2つのスイッチの信号に基づい
て、打弦情報を求めて打弦音を発生したり、止音情報を
求めて止音したりする。具体的には、両スイッチのオン
タイミングの差によりベロシティを求め音の強さとし、
両スイッチのオフにより音を止めるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、鍵盤装置6
01では、通常のアコスティックピアノと同様、鍵盤6
14とウィッペン630とはクッションC1を介して、
ジャック644とハンマー650のバット650aはク
ッションC2を介して当接するような構成となってい
る。このため、速い速度で押鍵した場合、これらのクッ
ションC1、C2が一旦弾性変形してある程度力を蓄
え、その後復元したときにウィッペン630やハンマー
650が動作を起こすので、ピアノ音は強く発音され
る。また、押鍵後、発音するまでにタイムラグが生じ
る。これらはアコスティックピアノに特有の性質であ
る。
【0006】しかしながら、鍵盤614でボタン型のセ
ンサ637を押す構成では、速い速度で押鍵した場合、
センサ637の内部の一方のスイッチがオンされてから
もう一方のスイッチがオンされるまでの間にクッション
C1、C2が弾性変形して力を持ちこたえた場合にはそ
れが抵抗力として働くため、オンタイミングの差が大き
くなり、検出されるベロシティ(鍵盤の移動速度に相
当)が小さくなる。このため、発生する電子音もそれに
見合った音となり、通常のアコスティックピアノほど強
い音が出ないという不都合が生じる。また、押鍵後、発
音するまでにアコスティックピアノのようなタイムラグ
が生じることもない。つまり、鍵盤装置601では、上
述したアコスティックピアノ特有の性質を忠実に再現す
ることができなかった。
【0007】そこで、このようなアコスティックピアノ
特有の性質を再現できる電子ピアノ用の鍵盤楽器の開発
が望まれていた。かかる鍵盤装置の一案として、鍵盤装
置601において、鍵盤614の移動速度ではなく、ハ
ンマー650の移動速度に応じて電子音の発生を制御す
ることが考えられる。ハンマー650は、アクション機
構の揺動部材の中で最大の慣性モーメントを持っている
ため、鍵盤614が押下された後すぐに揺動せずある程
度持ちこたえてから揺動を開始するという動作が最も顕
著にあらわれる。従って、ハンマー650の移動速度に
応じて電子音を発生するようにすれば、上記のようなア
コスティックピアノに特有の性質をかなり忠実に再現で
きる。具体的構成の一例として、ボタン型のセンサ63
7と同様のセンサをハンマー650によって押されるよ
うに設置し、このセンサがハンマー650の静止位置か
ら疑似打弦位置までの間の2カ所でハンマー650を検
出する構成が挙げられる。
【0008】ところで、鍵盤装置601では、通常のア
コスティックピアノと同様、鍵盤614が静止位置から
フルストローク位置まで押下されると、ハンマー650
は静止位置(図6にて実線で示す)から途中レットオフ
されて疑似打弦位置(図6にて2点鎖線で示す)まで揺
動し、その後揺れ戻り、揺れ戻ったときに離鍵していな
ければバックチェック643によりバックストップ位置
(図6にて点線で示す)でキャッチャー654が支持さ
れ、離鍵していればハンマーレール668により静止位
置で支持される。
【0009】従って、ハンマー650の移動速度に応じ
て電子音の発生を制御する場合、止音情報を正確に検出
するためにはバックストップ位置と静止位置とにおいて
センサのオンオフが精度よく切り替わる必要があるが、
両位置は近接しているためセンサのオンオフを精度よく
切り替えることは技術的に困難である。このため、例え
ば鍵盤によってオンオフされるスイッチを別に設けてこ
のスイッチにより止音情報を得る等の必要があり、コス
トが嵩むという問題が生じる。
【0010】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、アコスティックピアノ特有の性質を忠実に再現で
き、しかも低コストで製造できる電子楽器の鍵盤装置を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するため、本発明は、鍵盤の揺動に伴い揺動する
ウィッペンと、前記ウィッペンに揺動可能に支持され、
該ウィッペンの揺動に伴い揺動及び移動し、その動作途
中にて動作を規制されるジャックと、前記ジャックが揺
動及び移動することによって揺動が開始され、前記ジャ
ックが動作を規制されると前記ジャックから離れて慣性
運動を行い疑似打弦位置に至るハンマーと、前記ウィッ
ペンの揺動に応じて演奏情報の基になる情報を検出する
情報検出手段とを備えた電子楽器の鍵盤装置であって、
前記ウィッペンは、前記ジャック及び前記ハンマーより
も慣性モーメントが大きいことを特徴とする。
【0012】かかる鍵盤装置は、実際に打弦を行わない
がタッチ感をアコスティックピアノと一致させるための
疑似アクション機構を備えた電子鍵盤楽器に適用でき
る。ここで、疑似アクション機構とは、例えばアクショ
ン機構のうち弦の代わりにハンマーの動作を阻止するハ
ンマーストッパーを備えた機構をいう。尚、本発明の鍵
盤装置は、弦とハンマーストッパーの両者を備え、ハン
マーが両者のうちのいずれに衝突するかを適宜切り替え
るような構成を備えた鍵盤楽器にも適用できる。
【0013】かかる鍵盤装置では、押鍵により鍵盤が揺
動すると、それに伴ってウィッペンが揺動し、このウィ
ッペンに揺動可能に支持されているジャックがウィッペ
ンの揺動に伴って上方に移動しつつ揺動する。このジャ
ックはハンマーを突き上げるように上方に移動しつつ揺
動するため、ハンマーは揺動を開始する。そして、ジャ
ックはその動作途中においてハンマーから離間するよう
に動作を規制される。このためハンマーはジャックとは
独立して慣性運動を行うようになる。このタイミングが
レットオフタイミングである。その後、ハンマーは慣性
運動をしつつ疑似打弦位置に至る。尚、疑似打弦位置と
は例えば弦の代わりに設けたハンマーストッパーに衝突
するときのハンマーの位置をいう。
【0014】かかる鍵盤装置では、鍵盤が静止位置から
フルストローク位置まで押下されると、ウィッペンは鍵
盤の静止位置に対応する位置(以下「ウィッペン初期位
置」という)から鍵盤のフルストローク位置に対応する
位置(以下「ウィッペン揺動位置」という)まで揺動す
る。すると情報検出手段は、このウィッペンの揺動に応
じて演奏情報の基になる情報を検出する。
【0015】この情報検出手段は、例えば、ウィッペン
初期位置からウィッペン揺動位置までの間に第1位置と
第2位置を定め、ウィッペンが第1位置に至ったタイミ
ングを検出すると共に、ウィッペンが第2位置に至った
タイミングを検出するように構成してもよい。この場
合、両タイミングが演奏情報の基になる情報に相当す
る。例えば、演奏情報の一つである音の強さを表すベロ
シティは、ウィッペンが第1位置に至ったタイミングと
第2位置に至ったタイミングとの差に基づいて求められ
る。また、同じく演奏情報の一つである止音情報は、ウ
ィッペンが再び第1位置に至ったタイミングに基づいて
求められる。このように、情報検出手段は、ウィッペン
が第1、第2位置に至るタイミングを検出する構成であ
るため、簡易な構成である。
【0016】本発明では、ウィッペンはジャックやハン
マーよりも慣性モーメントが大きい。このため、速い速
度で押鍵した場合、ウィッペンは、鍵盤の揺動に伴って
すぐに揺動せずある程度持ちこたえてから揺動を開始す
るという動作がジャックやハンマーよりも顕著にあらわ
れる。また、ジャックやハンマーは、ウィッペンよりも
慣性モーメントが小さいため、ウィッペンが揺動すると
迅速に揺動を開始する。このため、本発明では、[発明
が解決しようとする課題]の欄に詳述した通常のアコス
ティックピアノ特有の性質、即ち速い速度で押鍵した場
合における押鍵タッチとそれによって発生される電子音
の大きさとの関係や押鍵してから発音するまでのタイム
ラグ、は、ウィッペンによって実現される。
【0017】従って、ウィッペンの動作に応じて演奏情
報の基になる情報を検出すれば、上記の通常のアコステ
ィックピアノ特有の性質を忠実に再現した演奏情報を得
ることができる。このため、演奏者は、アコスティック
ピアノと同じ感覚で本発明の鍵盤装置を演奏すれば、ア
コスティックピアノと同じようにして音が発生されるの
で、違和感を感じることがない。
【0018】また、ウィッペンは鍵盤の動作に1対1で
対応しているため、演奏情報の一つである止音情報も情
報検出手段によって検出された情報に基づいて正確に求
めることができる。この点に関し、例えばハンマーの動
作に応じて演奏情報の基になる情報を検出した場合、ハ
ンマーが鍵盤の動作に1対1で対応していないため止音
情報を正確に求めることが難しい。このため鍵盤等に別
途検出手段を設け該検出手段によって得られる情報に基
づいて止音情報を求める必要があり、その分コストが嵩
むという問題があったが、本発明ではそのような別の検
出手段は不要のためコストが嵩まない。
【0019】本発明の鍵盤装置において、ウィッペン
は、慣性モーメントを大きくするという観点から、その
揺動半径がジャックやハンマーの揺動半径よりも大きい
ことが好ましい。また、ウィッペンの端部におもりを付
けることも慣性モーメントを大きくするうえで好まし
い。
【0020】また、本発明の鍵盤装置において、通常の
アコスティックピアノと同様、鍵盤とウィッペンとは緩
衝材を介して当接するように構成するのが好ましい。ウ
ィッペンは木製でも合成樹脂製でも程度の差こそあれ弾
性変形するため、鍵盤が速い速度で揺動した時ウィッペ
ン自身が上述のようにその力を蓄えることができるのだ
が、鍵盤とウィッペンとの間に緩衝材を介在させた場合
には、ウィッペン自身の弾性変形に加えて緩衝材も弾性
変形するため、鍵盤からウィッペンに伝達される力が一
層蓄えやすくなる。この場合、アコスティックピアノ特
有の性質がより顕著に表れるため、本発明のようにウィ
ッペンの慣性モーメントを最大としてこのウィッペンの
動作に応じて演奏情報の基になる情報を検出するという
構成を採用する価値が高い。
【0021】なお、離鍵状態における鍵盤は、ハンマー
等の重さを受けているウィッペンによって、その前端が
上方に揺動するような力が付与されている。そして、こ
れにより鍵盤は静止位置で保持されている。この点に関
し、本発明において鍵盤を静止位置で良好に保持するこ
とを考慮すれば、ウィッペンの慣性モーメントが鍵盤の
慣性モーメントよりも高くすることが好ましい。この場
合、ジャックやウィッペンが軽量化、小型化されて慣性
モーメントが極めて小さくなったとしても、鍵盤を静止
位置で良好に保持できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施例を
図面に基づいて説明する。尚、本発明の実施の形態は、
下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の
技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはい
うまでもない。
【0023】[第1実施例]図1は第1実施例の鍵盤装
置が離鍵状態にあるときの断面図、図2は同鍵盤装置が
疑似打弦状態にあるときの断面図、図3は図1の部分拡
大図である。尚、図1及び図2は白鍵の場合について例
示したが、黒鍵については鍵盤の構造が異なる以外は白
鍵と同様である。
【0024】鍵盤装置1は、電子鍵盤楽器に用いられる
ものであり、主に、シャーシ11、リブ19、鍵盤1
4、ウィッペン30、センターレール60、ハンマー5
0等を備えている。シャーシ11は、棚板2の上面より
も高い位置にある平面部12と、平面部12の前端側に
別部品として固定された脚部13とを備えている。平面
部12は、鍵盤14の並び方向(図1、2にて紙面と垂
直方向、以下同じ)と鍵盤14の前後方向(図1、図2
にて左右方向、以下同じ)とを含む平面である。この平
面部12の後端側には、鍵支点15を支持する軸受16
が固定されている。
【0025】この軸受16はその下面に略L字状のL型
脚18、18を有しており、上方からこのL型脚18、
18を穴17、17に挿通させた後、軸受16を鍵盤の
手前方向(図1、2にて左方向)にスライドさせること
により、このL型脚18と軸受16の下面との間で平面
部12をはさみ込むようにし、この状態で後述のセンタ
ーレール60のフランジ部分61の前端を一方のL型脚
18(後方側つまり図1にて右側のL型脚18)の後端
に当接した状態で固定することにより、軸受16をスラ
イド不能な状態でシャーシ11の平面部12に固定して
いる。この軸受16は、シャーシ11上に精度よく位置
決めされた状態で取り付けられている。
【0026】また、平面部12には、ウィッペン30の
前端を上下に挿通させるための開口部25が鍵盤ごとに
設けられている。更に、平面部12の後端は上方に少し
折り曲げられた形状の自由端であり、このため平面部1
2の後端と棚板2との間は開放空間39となっている。
【0027】シャーシ11の脚部13は、鍵盤14の並
び方向に延びる断面略コの字状の部材であり、上側フラ
ンジ部13aにて平面部12にネジ止めされ、下側フラ
ンジ部13bにて棚板2にネジ止めされている。従っ
て、平面部12の前端はこの脚部13によって高さが規
制されている。
【0028】リブ19は、鍵盤14の前後方向に延びる
板状の部材であり、シャーシ11の脚部13とは前側フ
ランジ部20にてネジ止めされ、シャーシ11の平面部
12とは3カ所に設けた上側フランジ部21a,21
b,21cにてネジ止めされ、棚板2とは下側フランジ
部22にてネジ止めされている。
【0029】平面部12の後端(即ち鍵支点15の近
傍)は、リブ19の上側フランジ部21cと、これに対
向する位置に設けられた下側フランジ部22とによっ
て、高さが規制されている。尚、リブ19は金属製の板
材をプレス加工により金型で抜いて形成され、また各フ
ランジ部20〜22を形成するための曲げも金型の中で
行ったものである。このため、リブ19を製造するコス
トは低く抑えることができ、またリブ19の精度は金型
精度に依存するが金型が小型のため高い精度を得ること
ができるので、鍵支点15の高さつまりは平面部12の
後端の高さは十分な精度でもって規制されている。
【0030】鍵盤14(ここでは白鍵)は、合成樹脂に
て所々補強用のリブを配置した中空状に形成され、その
後端にて鍵支点15に揺動自在に取り付けられている。
このため、鍵盤14の前端は鍵支点15を中心として上
下方向に揺動可能である。また、鍵盤14の前端側に
は、下方に向けて鉤状アーム24が突出している。この
鉤状アーム24は、その鉤部24aが鍵支点15に向か
ってに折れ曲がった形状を有している。
【0031】鍵盤14が押下されていない場合には、図
1に示すように、鉤状アーム24の鉤部24aはシャー
シ11の平面部12の前端下面に設けた長尺フェルト2
6bに当接する。また、鍵盤14が押下された場合に
は、図2に示すように、鍵盤14の前端下面がシャーシ
11の平面部12の前端上面に設けた長尺フェルト26
aに当接する。更に、鍵盤14の前端側の中空部分に
は、シャーシ11の平面部の前端にて上向きに形成され
た鍵盤ガイド部27が挿入されていて、この鍵盤ガイド
部27は押鍵操作時に鍵盤14の前端が左右に振れない
ようにガイドする役目を果している。
【0032】鍵盤14の下方には、ウィッペン30のウ
ィッペン揺動軸31が略U字状の軸受部材33に揺動自
在に支持されている。この軸受部材33にはウィッペン
揺動軸31を上方から覆うように軸受部材固定板34が
設けられ、この軸受部材固定板34及び軸受部材33は
同じネジによりシャーシ11に片持ち状にネジ止めされ
ている。この軸受部材固定板34によりウィッペン揺動
軸31は軸受部材33から外れないようにされている。
尚、軸受部材33は、シャーシ11上に精度よく位置決
めされた状態で取り付けられている。
【0033】ウィッペン30の前端は、このウィッペン
30がウィッペン揺動軸31を中心として揺動する時に
シャーシ11の開口部25を介して、シャーシ11の上
方と下方との間を移動可能なように配置されている。ウ
ィッペン30の前端の上面には、表面の摩擦抵抗が小さ
い摺動テープ32(本発明の緩衝材)が設けられ、この
摺動テープ32は、鍵盤14の裏側にて突出するように
設けられたアクチュエータ35の先端に接触している。
尚、摺動テープ32は、衝撃を緩和するための発泡ウレ
タンと、摺動しやすくするための人工皮革との2層(後
者が表層)で構成されている。
【0034】ウィッペン30の前端の下方には、鍵盤の
並び方向に延びる基板28がシャーシ11の平面部12
と所定間隔をもつようにシャーシ11に取り付けられて
いる。この基板28には、全88鍵の各ウィッペン30
に対応した位置に押鍵検出センサ37が設けられてい
る。押鍵検出センサ37は、図3に示すように内部に2
つのスイッチS1,S2が配設されている。初期位置に
ある鍵盤14が押下されてウィッペン30の前端がアク
チュエータ35により押し下げられると、まず一方のス
イッチS1がオンし、更に鍵盤14が押下されるともう
一方のスイッチS2がオンして、鍵盤14がフルストロ
ーク位置に至る。尚、スイッチS1がオンするときのウ
ィッペン30の位置が本発明の第1位置、スイッチS2
がオンするときのウィッペン30の位置が本発明の第2
位置である。この2つのスイッチS1、S2のオンオフ
のタイミング及びそのタイミングの差により、押鍵・離
鍵タイミングとベロシティを得ることができ、これに基
づいて図示していない電子制御回路の制御により電子音
源から、押鍵に対応するタイミングで、鍵盤対応する音
程およびベロシティーに対応する強さで演奏音を出力
し、離鍵タイミングで止音することができる。尚、押鍵
検出センサ37は鍵盤14との位置関係を考慮したうえ
で基板28上に精度よく位置決めされている。
【0035】ウィッペン30の後端には、ジャック回動
軸45を支持する軸受部42や、揺り戻り中のハンマー
50を受けとめるバックチェック43が精度よく一体と
して設けられている。また、ウィッペン30は、ジャッ
ク44やハンマー50よりも慣性モーメントが大きくな
るように、その後端におもり41が付設され、また、ウ
ィッペン30の揺動半径(つまりウィッペン揺動軸31
からおもり41までの長さ)をジャック44やハンマー
50よりも長くしてある。ここで、本実施例では、ウィ
ッペン30の揺動半径を長くするために、ウィッペン3
0の後端はシャーシ11の平面部12の後端と棚板2と
の間の開放空間39を通ってシャーシ11の平面部12
の後端よりも更に後方側に至るように形成されている。
【0036】ジャック44は略L字状であり、ジャック
回動軸45はL字の屈曲部分に設けられている。また、
ジャックテール47はウィッペン30と圧縮コイルバネ
46で連結されている。センターレール60は、鍵盤の
並び方向に延びるように形成され、シャーシ11の平面
部12に対して略垂直に立ち上がる立ち部分62と、こ
の立ち部分62の下方から鍵盤14の前方に向かって折
り曲げられたフランジ部分61と、立ち部分62の上方
から斜め上後方に延び出したストップレール部63とを
備えている。このセンターレール60は、フランジ部分
61にてシャーシ11の平面部12上に精度よく位置決
めされた状態でネジ止めされている。尚、このセンター
レール60のフランジ部分61の前端は、前述の鍵支点
15を支持する軸受16の後方側のL型脚18が穴17
内をスライドしないように、このL型脚18に当接した
状態で固定されている。
【0037】センターレール60の立ち部分62には、
鍵盤の並び方向に延びる断面略Γ状のレール67がネジ
止めされ、その上面には離鍵状態においてハンマー50
のレスト部52と当接するハンマー枕68が設けられ、
下面にはジャックテール47が当接可能なレギュレチン
グフェルト66が設けられている。また、ストップレー
ル部63の下面には鍵盤の並び方向に延びるストップフ
ェルト63aが設けられている。このように、ハンマー
枕68とレギュレチングフェルト66はいずれもレール
67に設けられているため、各々個別のレールに設ける
場合に比べてコストが低減される。また、このレール6
7、レギュレチングフェルト66、ハンマー枕68はい
ずれも精度よく位置決めされている。
【0038】更に、センターレール60には補強のため
のアクションリブ70が設けられている。このアクショ
ンリブ70はセンターレール60の立ち部分62と2カ
所で、また、センターレール60のフランジ部分61と
1カ所でネジ止めされている。
【0039】ハンマー50は、その前端に設けたハンマ
ー揺動軸51がセンターレール60の立ち部分62の角
穴に嵌め込まれた略U字状の軸受部材65に揺動可能に
支持されている。この軸受部材65にはハンマー揺動軸
51を覆うように軸受部材固定板71が設けられ、この
軸受部材固定板71及び軸受部材65は同じネジにより
センターレール60に片持ち状にネジ止めされている。
この軸受部材固定板71によりハンマー揺動軸51は軸
受部材65から外れないようにされている。尚、軸受部
材65は、センターレール60に精度よく位置決めされ
た状態で取り付けられている。
【0040】ハンマー50の下面は、ハンマー枕68に
当接可能なレスト部52と、ジャックの先端が当接・離
間するために略S字状に形成されたバット部53と、ウ
ィッペン30のバックチェック43に当接可能なキャッ
チャ部54とを備えており、レスト部52からバット部
53を経てキャッチャ部54に至るまで、発泡ウレタン
と人工皮革との2層(後者が表層)からなるクッション
材56が一続きに貼付されている。また、このクッショ
ン材56のうち押鍵されていない状態においてジャック
44の先端が当接する位置には、離鍵後にジャック44
が圧縮コイルバネ46の作用により元の位置に戻ろうと
してこのハンマー50のクッション材56と接触したと
きの衝突音を抑えるための緩衝材57が貼付されてい
る。
【0041】ハンマー50の上面のうち、ハンマー50
がハンマー揺動軸51を中心として図1にて反時計回り
に揺動したときセンターレール60に設けたストップフ
ェルト63aに衝突する位置には、ハンマー50がスト
ップフェルト63aに衝突したときの衝突音を抑えるた
めの緩衝材が貼付された疑似打弦部58が設けられてい
る。
【0042】ハンマー50の後端には、アコスティック
ピアノのアクション機構におけるハンマーの重心やその
ハンマーが揺れ戻るときの動作等を考慮して、おもり5
9が設けられているが、このハンマー50の慣性モーメ
ントはウィッペン30よりも小さくなるように設定され
ている。
【0043】尚、ウィッペン30、ジャック44、ハン
マー50はすべて合成樹脂製であり、長期間にわたり歪
みを生じることがない。上述のごとく構成された鍵盤装
置1は、押鍵操作をしていない状態では、図1に示すよ
うに、ウィッペン30の前端にはウィッペン30のおも
り41等により時計回りの力のモーメントが働き、これ
がアクチュエータ35にかかっているため、鍵盤14の
前端は上方向に揺動しようとするが、鉤状アーム24の
鉤部24aが長尺フェルト26bに当接するため、その
揺動が阻止された状態で停止している。
【0044】演奏者が鍵盤14を押し下げると、鍵盤1
4はその鍵支点15を中心として図1において反時計回
りに揺動する。これにより、ウィッペン30の前端がア
クチュエータ35に押し下げられるので、ウィッペン3
0はウィッペン揺動軸31を中心として反時計回りに揺
動し、前端下面が押鍵検出センサ37を押下し、後端が
上方向に揺動する。すると、ジャック44は、このウィ
ッペン30の揺動に伴ってハンマー50のバット部53
を突き上げるように上昇しつつ、ウィッペン30に対し
て反時計回りに揺動する。その後、ジャック44のジャ
ックテール47がレギュレチングフェルト66に当たる
と、ジャック44はジャックテール47とレギュレチン
グフェルト66との接触箇所を支点として急速に反時計
回りに揺動しジャック44の先端はハンマー50のバッ
ト部53から抜ける。このジャック44の先端がバット
部53から抜ける動作がレットオフである。従って、こ
の擬似アクションは通常のアクションと同じくレットオ
フを生じさせることができる。
【0045】レットオフ後、ハンマー50は慣性運動に
より反時計回りに揺動し続ける。その後、この慣性運動
を行っているハンマー50の疑似打弦部58がストップ
フェルト63aに衝突する。このときの状態を図2に示
す。これによりハンマー50は慣性運動を阻止される。
その後、ハンマー50は逆方向即ち時計回りに揺り戻
す。
【0046】ハンマー50が揺り戻ったとき、鍵盤14
から演奏者の指が離れていれば、ハンマー50のレスト
部52がハンマー枕68に当接し、その状態即ち初期位
置で静止する(図1参照)。一方、ハンマー50が揺り
戻ったとき、鍵盤14が押下され続けていれば、ハンマ
ー50のレスト部52がハンマー枕68に当接する前に
ハンマー50のキャッチャ部54がウィッペン30の後
端に設けたバックチェック43によりバックストップ位
置(図2の点線参照)で受け止められる。
【0047】したがって、本実施例の擬似アクションの
機能はハンマー50が打弦しないことを除けば、アコー
スティックピアノのアクションと同じ機能を果たす。こ
のため、演奏者が鍵盤14から受けるタッチ感は、ほと
んどアコースティックピアノと同じである。
【0048】ここで、本発明の特徴の一つである、演奏
者が鍵盤14を速い速度で押し下げた場合の動作につい
て説明する。速い速度で押鍵されると、鍵盤14はその
鍵支点15を中心として図1において反時計回りに揺動
する。これにより、ウィッペン30の摺動テープ32が
アクチュエータ35に押されるが、ウィッペン30は慣
性モーメントが大きいので、摺動テープ32は弾性変形
しウィッペン30自身も若干変形して、アクチュエータ
35による押圧力が蓄えられる。このためウィッペン3
0はすぐに揺動を開始しない。
【0049】その後、アクチュエータ35による押圧力
に加えて摺動テープ32やウィッペン30自身が変形し
た分の復元力によって、ウィッペン30は勢いよく揺動
し始める。これに伴い、ウィッペン30より慣性モーメ
ントの小さいジャック44は直ちにハンマー50を突き
上げつつ揺動し、このジャック44の動作に伴い、ウィ
ッペン30より慣性モーメントの小さいハンマー50は
直ちに揺動を開始し、その後レットオフされ疑似打弦位
置に至る。このため、[発明が解決しようとする課題]
の欄に既述したように通常のアコスティックピアノ特有
の性質、即ち速い速度で押鍵した場合における押鍵タッ
チとそれによって発生される電子音の大きさとの関係や
押鍵してから発音するまでのタイムラグは、本実施例で
はウィッペン30によって実現される。
【0050】押鍵検出センサ37はウィッペン30が揺
動を開始するまでは初期状態(スイッチS1、S2は共
にオフ)のままであり、ウィッペン30が勢いよく揺動
を開始してウィッペン30が第1位置に達したとき一方
のスイッチS1がオンされ、次いで第2位置に達したと
きもう一方のスイッチS2がオンされる。そして、ハン
マー50が揺り戻された後、押鍵されていればウィッペ
ン30は図2に示す位置(ウィッペン揺動位置)にある
ため両スイッチS1、S2は共にオンであり、離鍵され
ていればウィッペン30は図1に示す位置(ウィッペン
初期位置)にあるため両スイッチS1、S2は共にオフ
となる。
【0051】以上詳述した本実施例の鍵盤装置によれば
以下の効果が得られる。 押鍵検出センサ37は、アコスティックピアノ特有の
性質を実現するウィッペン30の動作に応じて演奏情報
の基になるスイッチS1、S2のオンオフタイミングを
検出する。そして、図示しない電子制御回路は、かかる
オンオフタイミングに基づいてベロシティ(即ち音の強
さ)などの演奏情報を作成し、この演奏情報に応じた演
奏音を電子音源から出力するように制御する。このた
め、本実施例によれば、速い速度で押鍵した場合におけ
る押鍵タッチとそれによって発生される電子音の大きさ
との関係や押鍵してから発音するまでのタイムラグは、
通常のアコスティックピアノを忠実に再現したものとな
る。
【0052】ウィッペン30は、鍵盤14が静止位置
(図1参照)からフルストローク位置(図2参照)まで
押下されると、鍵盤14の静止位置に対応するウィッペ
ン初期位置(図1参照)から鍵盤14のフルストローク
位置に対応するウィッペン揺動位置(図2参照)まで揺
動する。このため、ウィッペン30は鍵盤14の動作に
1対1で対応している。また、押鍵検出センサ37は、
ウィッペン初期位置からウィッペン揺動位置までの間に
定めた第1位置、第2位置をウィッペン30が通過した
ことを検出する。そして、図示しない電子制御回路は、
鍵盤14の動作に1対1で対応しているウィッペン30
の動作を検出する押鍵検出センサ37のオンオフタイミ
ングに基づいて、演奏情報の一つである止音情報を作成
し、演奏音を停止させる。このように、押鍵検出センサ
37が検出する情報に基づいてベロシティはもとより止
音情報も正確に得られる。このため、ベロシティを求め
るためのセンサと、止音情報を求めるためのセンサとを
別々に設ける必要がなく、その分コストが低減される。
【0053】[第2実施例]図4は第2実施例の鍵盤装
置の断面図(実線は離鍵状態にあるとき、1点鎖線は疑
似打弦状態にあるときを表す)、図5は図4の部分拡大
図である。尚、図4及び図5は白鍵の場合について例示
したが、黒鍵については鍵盤の構造が異なる以外は白鍵
と同様である。
【0054】本実施例の鍵盤装置において、シャーシ
は、シャーシ前部材111、シャーシ中部材112、シ
ャーシ後部材113の3つの部材からなり、各部材11
1〜113は棚板2の上面に設けたリブ119により各
々所定高さに支持されている。このリブ119は鍵盤の
前後方向(図4にて左右方向、以下同じ)に延びる形状
に形成されている。シャーシ前部材111には、木製の
鍵盤114の前端下面と当接可能なクッション124が
設けられ、また、鍵盤114の前端側の中空部分に挿入
される鍵盤ガイド部127が設けられている。シャーシ
中部材112には、鍵盤114のバランスピン115
(鍵支点)が立設され、鍵盤114はこのバランスピン
115を中心に揺動可能である。シャーシ後部材113
には、鍵盤114の後端下面と当接可能なクッション1
26が設けられている。
【0055】リブ119の後端には、棚板2と略垂直で
且つ鍵盤の並び方向(図4にて紙面に垂直の方向、以下
同じ)に延びる垂直レール116がネジ止めされてお
り、この垂直レール116には連結用リブ117を介し
てセンターレール160がネジにより連結固定されてい
る。
【0056】垂直レール116には、ウィッペン130
のウィッペン揺動軸131がこの垂直レール116に設
けた角穴に嵌め込まれた略U字状の軸受部材133に揺
動自在に支持されている。この軸受部材133にはウィ
ッペン揺動軸131を覆うように軸受部材固定板134
が設けられ、この軸受部材固定板134及び軸受部材1
33は同じネジにより垂直レール116に片持ち状にネ
ジ止めされている。この軸受部材固定板134によりウ
ィッペン揺動軸131は軸受部材133から外れないよ
うにされている。尚、軸受部材133は、垂直レール1
16に精度よく位置決めされた状態で取り付けられてい
る。また、ウィッペン130の後端下面には、鍵盤11
4の後端上面のクッション138(本発明の緩衝材)に
当接する2つのキャプスタンボタン132が設けられて
いる。
【0057】鍵盤114の後方には、垂直レール116
と略平行となるように基板128が配設されている。こ
の基板128にはウィッペン130の押圧部135に対
応した位置に押鍵検出センサ137が設けられている。
この押鍵検出センサ137は、第1実施例の押鍵検出セ
ンサ37と略同等の機能を有し、鍵盤114やウィッペ
ン130との位置関係を考慮したうえで基板128上に
精度よく位置決めされている。
【0058】このウィッペン130の前端には、バラン
ス用のおもり141が設けられ、またジャック44(第
1実施例と同様のもの)のジャック回動軸45が支持さ
れ、更に揺り戻り中のハンマー50(第1実施例と同様
のもの)を受けとめるバックチェック143が精度よく
一体として設けられている。ジャック44のジャックテ
ール47は第1実施例と同様ウィッペン130と圧縮コ
イルバネ46(図4参照)で連結されている。
【0059】ウィッペン130は、ジャック44やハン
マー50よりも慣性モーメントが大きくなるように、そ
の後端におもり141が付設され、また、ウィッペン1
30の揺動半径(つまりウィッペン揺動軸131からお
もり141までの長さ)をジャック44やハンマー50
よりも長くしてある。
【0060】連結用リブ117に固定されたセンターレ
ール160は、棚板2と略垂直で且つ鍵盤の並び方向に
延びるように形成されている。このセンターレール16
0は、上方から斜め上前方に延び出したストップレール
部163を備え、この下面にはストップフェルト163
aが設けられている。
【0061】図5に示すように、センターレール160
のうちハンマー揺動軸51の下方には、第1実施例と同
様の断面略Γ状のレール67がネジ止めされている。こ
のレール67は、第1実施例と同様、上面にハンマー枕
68、下面にレギュレチングフェルト66を備えてい
る。また、ハンマー50は、第1実施例と同様の構成で
あり、第1実施例と同様にしてハンマー揺動軸51がセ
ンターレール160に揺動可能に支持されている。尚、
ハンマー50の各構成要素については第1実施例と同じ
符号を付し、その説明は省略する。
【0062】上述のごとく構成された本実施例の鍵盤装
置は、押鍵操作をしていない状態では、図4に示すよう
に、ウィッペン130の前端にはおもり141等により
図4にて反時計回りの力のモーメントが働き、これが鍵
盤114の後端にかかっているため、鍵盤114の前端
は上方向に揺動しようとするが、鍵盤114の後端下面
がクッション126に当接するため、その揺動が阻止さ
れた状態で停止している。
【0063】演奏者が鍵盤114を押し下げると、鍵盤
114の略中央に設けたバランスピン115を中心とし
て鍵盤114は図4において反時計回りに揺動する。こ
れにより、ウィッペン130がキャプスタンボタン13
2を介して押し上げられてウィッペン揺動軸131を中
心として時計回りに揺動し、押圧部135が押鍵検出セ
ンサ137を押下し、ウィッペン130の前端が上方向
に揺動する。すると、ジャック44は、このウィッペン
130の揺動に伴ってハンマー50のバット部53を突
き上げるように上昇しつつ、ウィッペン130に対して
時計回りに揺動する。その後の動作は第1実施例と同様
(但し、図4におけるジャック、ハンマーの回り方向は
第1実施例を表す図1、2とは逆になる)であるため、
その説明は省略する。
【0064】ここで、本発明の特徴の一つである、演奏
者が鍵盤114を速い速度で押し下げた場合の動作につ
いて説明する。速い速度で押鍵されると、鍵盤114は
そのバランスピン115を中心として図4において反時
計回りに揺動する。これにより、鍵盤114のクッショ
ン138によりウィッペン130のキャプスタンボタン
132が押されるが、ウィッペン130は慣性モーメン
トが大きいので、クッション138は弾性変形しウィッ
ペン130自身も若干変形して押圧力が蓄えられる。こ
のためウィッペン130はすぐに揺動を開始しない。そ
の後、ウィッペン130のキャプスタンボタン132を
押し上げようとする力に加えてクッション138やウィ
ッペン130自身が変形した分の復元力によって、ウィ
ッペン130は勢いよく揺動し始める。これに伴い、ウ
ィッペン130より慣性モーメントの小さいジャック4
4は直ちにハンマー50を突き上げつつ揺動し、このジ
ャック44の動作に伴い、ウィッペン130より慣性モ
ーメントの小さいハンマー50は直ちに揺動を開始し、
その後レットオフされ疑似打弦位置に至る。このため、
[発明が解決しようとする課題]の欄に既述したように
通常のアコスティックピアノ特有の性質、即ち速い速度
で押鍵した場合における押鍵タッチとそれによって発生
される電子音の大きさとの関係や押鍵してから発音する
までのタイムラグは、本実施例ではウィッペン130に
よって実現される。
【0065】押鍵検出センサ137はウィッペン130
が揺動を開始するまでは初期状態(両スイッチは共にオ
フ)のままであり、ウィッペン130が勢いよく揺動を
開始した後2つのスイッチが順にオンされる。そして、
ハンマー50が揺り戻された後、押鍵されていれば両ス
イッチは共にオンであり、離鍵されていれば両スイッチ
は共にオフとなるため、両スイッチのオンオフタイミン
グに基づいて正確な止音情報を得ることができる。
【0066】以上詳述した本実施例の鍵盤装置によれ
ば、第1実施例の、の効果が得られる。 [その他の実施例]上記各実施例のウィッペン30、1
30は、さらに、鍵盤14、114よりも慣性モーメン
トが大きくなるように設計されていてもよい。離鍵状態
における鍵盤14、114は、ハンマー50等の重さを
受けているウィッペン30、130によって、その前端
が上方に揺動するような力が付与され、これにより静止
位置で保持されている。このとき、ウィッペン30、1
30は鍵盤14、114よりも慣性モーメントが大きけ
れば、ジャック44やハンマー50が軽量小型化されて
慣性モーメントが極めて小さくなったとしても、ウィッ
ペン30、130のみで鍵盤14、114を静止位置で
良好に保持できる。
【0067】また、上記実施例の押鍵検出センサ37、
137は接触型のボタンスイッチを利用したが、これ以
外に接触型のリーフスイッチや非接触型の光スイッチを
用いてもよい。ここで、リーフスイッチとは、互いに対
向する2つの固定接点の間に1枚のバネ板状の可動接点
が設けられ、可動接点は通常一方の固定接点(第1スイ
ッチS1として用いる)に接触し、外力により他方の固
定接点(第2スイッチS2として用いる)に接触し、外
力を除去すると再び一方の固定接点に接触するスイッチ
をいう。また、光スイッチとは、2枚の対向面の一方に
発光素子(例えば赤外発光ダイオード)、他方に受光素
子(例えばフォトトランジスタ)を2対設け、各発光素
子・受光素子間に光路を形成させ、この光路の遮断・導
通を検出するフォトインタラプタをいう。尚、光路の遮
断・導通は鍵盤に設けた段付シャッタが行う。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の鍵盤装置が離鍵状態にあるとき
の断面図である。
【図2】 第1実施例の鍵盤装置が疑似打弦状態にある
ときの断面図である。
【図3】 図1の部分拡大図である。
【図4】 第2実施例の鍵盤装置の断面図である。
【図5】 図4の部分拡大図である。
【図6】 従来の鍵盤装置の断面図である。
【符号の説明】
1・・・鍵盤装置、2・・・棚板、8・・・ネジ、9・
・・ネジ穴、11・・・シャーシ、14・・・鍵盤、1
5・・・鍵支点、16・・・軸受、17・・・差込口、
18・・・L型脚、19・・・リブ、24・・・鉤状ア
ーム、28・・・基板、30・・・ウィッペン、31・
・・ウィッペン揺動軸、32・・・摺動テープ、35・
・・アクチュエータ、37・・・押鍵検出センサ、44
・・・ジャック、45・・・ジャック回動軸、47・・
・ジャックテール、50・・・ハンマー、51・・・ハ
ンマー揺動軸、58・・・疑似打弦部、60・・・セン
ターレール、63・・・ストップレール部、63a・・
・ストップフェルト、65・・・軸受部材、66・・・
レギュレチングフェルト、67・・・レール、68・・
・ハンマー枕。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍵盤の揺動に伴い揺動するウィッペン
    と、 前記ウィッペンに揺動可能に支持され、該ウィッペンの
    揺動に伴い揺動及び移動し、その動作途中にて動作を規
    制されるジャックと、 前記ジャックが揺動及び移動することによって揺動が開
    始され、前記ジャックが動作を規制されると前記ジャッ
    クから離れて慣性運動を行い疑似打弦位置に至るハンマ
    ーと、 前記ウィッペンの揺動に応じて演奏情報の基になる情報
    を検出する情報検出手段とを備えた鍵盤装置であって、 前記ウィッペンは、前記ジャック及び前記ハンマーより
    も慣性モーメントが大きいことを特徴とする電子楽器の
    鍵盤装置。
  2. 【請求項2】 前記ウィッペンは、揺動半径が前記ジャ
    ック及び前記ハンマーよりも大きいことを特徴とする請
    求項1記載の電子楽器の鍵盤装置。
  3. 【請求項3】 前記鍵盤と前記ウィッペンとは緩衝材を
    介して当接することを特徴とする請求項1又は2記載の
    電子楽器の鍵盤装置。
  4. 【請求項4】 前記ウィッペンは、前記鍵盤が静止位置
    からフルストローク位置まで押下されると、前記鍵盤の
    静止位置に対応する位置から第1位置、第2位置を経て
    前記鍵盤のフルストローク位置に対応する位置まで揺動
    し、 前記情報検出手段は、前記ウィッペンが前記第1位置に
    至ったこと又は前記第2位置に至ったことを検出するこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子楽
    器の鍵盤装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005049697A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd ピアノの打弦装置
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