JP3787380B2 - 文字データ処理装置及び方法及びコンピュータ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は文字の字形を輪郭の座標で表すアウトラインフォントを用いる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アウトライン形式でコード化された文字データ(アウトラインフォントデータ)では、ビットマップ展開時に文字の字形が高品位に保たれるように、輪郭座標値情報と共に文字の塗りつぶされる部分の線幅を補正する線幅補正情報により、ビットマップ展開における文字の高品位出力を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、線幅補正情報だけでは、線と線の間の空間部分につぶれを防ぐことができず、文字の字形を高品位に保つための効果を得られず、文字品位を低下させる場合があった。
【0004】
そのため、線と線との間を補正する空間補正を行うものがあるが、空間補正範囲が複数ある場合は線と線の間の空間の幅によって文字品位への影響が異なり、空間補正範囲の優先順位も考慮する必要があった。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、文字の輪郭座標値と既存の線幅補正情報から空間補正範囲を決定し、複数の空間補正範囲がある場合はその優先順位を決定し、文字の字形を高品位に保とうとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すために、本発明の文字データ処理装置は次のような構成からなる。すなわち、文字の字形を輪郭で表すアウトラインフォントを用いる文字データ処理装置であって、文字の塗りつぶされる部分の線幅補正情報を読み込む線幅補正情報読み込み手段と、前記線幅補正情報に基づいて、文字を構成する水平線分または垂直線分について、互いの間隔が所定値以内にあり、かつ、互いにずれていない線分から成るグループを、文字の塗りつぶされない部分の空間を補正する範囲として決定する空間補正範囲決定手段とを備える。
【0007】
あるいは、文字の字形を輪郭で表すアウトラインフォントを用いる文字データ処理装置であって、文字の塗りつぶされる部分の線幅補正情報に含まれる文字の輪郭座標値に基づき、文字を構成する水平線分または垂直線分について、互いの間隔が所定値以内にあり、かつ、互いにずれていない線分から成るグループを、文字の塗りつぶされない部分の空間を補正する範囲として決定された空間補正範囲に基づいて文字の輪郭を補正する補正手段と、前記補正手段により文字の輪郭に基づいて文字パターンを生成するパターン生成手段と、前記パターン生成手段により生成された文字パターンを出力する出力手段とを備える。
【0009】
また、本発明のコンピュータ制御装置は次のよう構成からなる。すなわち、メモリ媒体から所定のプログラムを読み込んでコンピュータを制御するコンピュータ制御装置であって、前記プログラムは、文字の塗りつぶされる部分の線幅補正情報を読み込む線幅補正情報読み込み工程の手順と、前記線幅補正情報に基づいて、文字を構成する水平線分または垂直線分について、互いの間隔が所定値以内にあり、かつ、互いにずれていない線分から成るグループを、文字の塗りつぶされない部分の空間を補正する範囲として決定する空間補正範囲決定工程の手順とを含む。
【0010】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態である文字処理装置を詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施例に係わる装置の基本的構成を示すブロック図である。本装置は、フォントエディタ、コンバータ、ワードプロセッサあるいは電子タイプライタであっても良いし、ワークステーションあるいはコンピュータシステムによりプログラムを実行することで実現するものであっても良い。
【0012】
図1において、101は中央処理装置(CPU)であり、文字処理装置全体の制御および演算処理などを行うものである。なお、後述する文字パターンデータ、補正データに基づいて文字パターンを展開する制御も実行する。
【0013】
102は読み出し専用メモリ(ROM)であり、システム起動プログラムおよび文字パターンデータ等の記憶領域である。
【0014】
103はランダムアクセスメモリ(RAM)であり、使用制限のないデータ記憶領域として、様々な処理を実行するために各々のプログラムおよびデータがロードされる領域である。
【0015】
104はキーボード制御部(KBC)であり、キーボード(KB)105よりキー入力データを受取、CPU101へ伝達する。
【0016】
106はポインティングデバイス制御装置(PDC)であり、ポインティングデバイス(PD)107より座標データやボタン入力データ等を受取、CPU101へ伝達する。
【0017】
108はディスプレイ制御部(CRTC)であり、後述のディスプレイ装置109に表示すべきデータを出力する。ディスプレイ装置(CRT)109は、例えばCRTのような表示装置を具備し、CRTC108よりデータを受取り、これを表示する。
【0018】
1011はフレキシブルディスク装置(FD)あるいはハードディスク装置(HD)等の外部記憶装置(ディスク)であり、プログラムおよびデータを記憶させておき、実行時必要に応じて参照またはRAM103へロードする。
【0019】
1010はディスク制御部(DKC)であり、FDおよびHD等のディスク1011との間でのデータ伝送等の制御を行う。
【0020】
1012はプリンタ制御部(PRTC)であり、プリンタ装置(PRT)1013を制御する。
【0021】
プリンタ装置(PRT)1013は、PRTC1012からのデータを受取り、記録媒体への印刷を実行する。
【0022】
1014はシステムバスであり、上述の構成要素間のデータの通路となるべきものである。
【0023】
本実施形態で用いる輪郭座標値のデータ構造を図2に示す。
【0024】
輪郭座標情報は総輪郭数欄201、各輪郭の終了番号欄202を有する。また各制御点において、x座標203、y座標204および端点かあるいは3次Bezier曲線における中間点かを示す属性データ205を有する。また、本実施例においては輪郭座標値は図3に示すような左下を原点とする2次元平面座標を用いるものとする。
【0025】
図4は線幅補正情報のデータ構造の概略を示した図である。線幅補正情報をこれ以降は線幅情報と略称する。本実施形態において、線幅情報は種類別に格納されている。以降これを線幅情報テーブルと呼称する。
【0026】
本実施形態では、水平線幅情報の2種類の線幅情報テーブルを持ち、データの先頭に水平線幅情報テーブル403へのオフセット値401、垂直線幅情報テーブル404へのオフセット値402を持つ。各オフセット値で指定された水平および垂直線幅情報は同じデータ構造である。また、水平あるいは垂直線幅を持たない場合、持たない線幅情報テーブルへのオフセット値に0が代入される。
【0027】
本実施形態における線幅の例を図5に示す。特に水平線における線幅を水平線幅(501)、垂直線における線幅を垂直線幅(502)という。
【0028】
図6は水平及び垂直線幅情報テーブルのデータ構造を示した図である。両者の構造は共通であるため、特に区別すること無く示した。水平線幅情報テーブル403の先頭には水平線幅情報の数HCOUNTが格納されている。また垂直線幅情報テーブル404の先頭には垂直線幅情報の数VCOUNTが格納されている。
【0029】
また、各線幅情報テーブルには線幅情報の数HCOUNTあるいはVCOUNTの値だけ、各線幅情報における下限座標値LO、上限座標HI、その線は場を構成する制御点の最小座標値および最大座標値情報MIN,MAXが格納されている。線幅情報を構成する各変数について図7を用いて補足する。なお、各記号は図中の網掛けの線幅701を対象としている。横線701は、最小最大座標値がそれぞれMIN,MAX、下限上限座標値がそれぞれLO,HIであり、4隅の点702〜705の座標は、それぞれ点702が(MIN,LO)、点703が(MAX,LO)、点704が(MIN,HI)、点705が(MAX,HI)となっている。
【0030】
次に、本実施形態における文字の空間補正範囲決定アルゴリズムについて説明する。本実施形態でいう空間とは、同一方向の線幅情報に挟まれた部分をさし、空間補正範囲は線幅情報のグループで表わされるものとする。
【0031】
本実施形態では、前述の線幅情報から、輪郭座標値に対する線幅情報の有効範囲を決定し、配列に出力する。これを、空間補正の範囲として補正を行う。以下に説明する手順によって空間補正範囲の決定が行われるが、こうして得られた範囲は、フォントスケーラ等、実際にアウトラインフォントのスケーリングを行うモジュール(スケーリングを実行するプログラムに基づいてCPUで制御する方式、専用のハードウエアで制御する方式を含む)によって用いることができる。フォントスケーラでは、生成する文字の補正を、空間補正範囲を利用して実行する。
<空間補正範囲の決定>
本実施形態における処理の流れの概略を図9以降のフローチャートを用いて説明する。このアルゴリズムは水平方向の空間補正範囲を決定するものであり、垂直方向においても同様のアルゴリズムによって導出される。また、具体例として、漢字「盟」の水平方向の空間補正範囲の決定について示す。
【0032】
先ず、第1段階として、各線幅情報について、同じ空間補正グループに属する他の線幅情報を探す処理を行う。
【0033】
ステップS901において、距離のしきい値THと水平方向の線幅情報の数HCOUNTが読み込まれる。「盟」においてはHCOUNTは8である。水平方向の各線幅情報を図8の801から808に示す。この線幅情報は座標値に対して昇順になっていて、1から順に番号づけされる。
【0034】
ステップS902において、空間補正範囲を決定するための配列Cを初期化する。その例を図10に示す。まず、ステップS901で読み込まれた線幅情報HCOUNTから、配列CをHCOUNT×(HCOUNT+2)の配列とする。これは、その線幅情報自身が空間補正対象条件を満たすとしているからであり、その空間補正対象条件を満たすグループ数がHCOUNT個あることを意味している。この時点で各線幅情報と空間補正のグループが1対1対応している。そして、各グループに対して(HCOUNT+2)個の要求の要素を与える。次に、各グループの第1要素1001にはそのグループ内で空間補正対象条件を満たす線幅情報の数を定義し、初期値1を代入する。この線幅情報の数で0である場合はこのグループは無効であると判断するものとする。また、第2要素から第(HCOUNT+1)要素には空間補正対象条件を満たす線幅情報の番号が代入される。初期値として、各グループに対応している線幅情報の番号を代入する。そしてそれ以降の要素には0を代入する。また最終要素は優先順位が格納されることとし、0の初期化しておく。この時点で、「盟」においては図10のように初期化される(図10の太枠内)。
【0035】
この初期化は、全て0にセットするものであっても構わないが、前述のように同一の線幅情報同士の比較結果は、空間補正条件を満たすものとしているため、ある線幅情報に対して空間補正条件を満たす対象線幅情報として、初期的に自分自身を設定しておけば、処理を簡略化することができる。図10でいえば、例えば線幅情報番号1(線幅情報801)については、空間補正条件を満たす対象線幅情報番号1として、自分自身すなわち線情報番号1を登録し、登録した数1を空間制御対象線幅情報の数として登録しておく。線幅情報番号2〜8についても同様である。
【0036】
ステップS903からは各空間補正対象のグループについて、調べる線幅情報が空間補正対象条件を満たしているかどうかを判断し、満たしていれば配列Cに出力する処理を行っている。ここでは説明のため、調べる線幅情報をH、グループ内の線幅情報をGHと表記する。初期的には線幅情報と空間補正のグループは1対1に対応している。すなわち各グループは対応する線幅情報だけを含んでいる。ステップS903以降のループの開始に当っては、図10の例では、比較先となるグループとして線幅情報番号1を含むグループから開始し、ステップS906で線幅情報番号8のグループまで順次進めていくことになる。また、比較元となる線幅情報として、比較先のグループに含まれる線幅情報以降の線幅情報を扱うため、初期的には線幅情報番号2が比較元の線幅情報となる。同様にして、グループがつぎのグループに移り変われば、比較元の線幅情報もそのグループに含まれる線幅情報の次の線幅情報が選ばれることになる。
【0037】
ステップS903において、すべての空間補正対象のグループについて比較が終了したかどうか判断し、終了していれば処理を終わり、終了していなければステップS904へ進む。図10の例では、線幅情報番号8を含むグループは、比較先の線幅情報が無いため、最後のグループは線幅情報7を含むグループとなる。このグループを比較元とする比較先の線幅情報は線幅情報番号8のみとなり、この比較が終わっていれば終了条件を満たすことになる。
【0038】
ステップS904において、すべての線幅情報Hについて比較が終了したかどうか判断し、終了していればステップS906へ進み、終了していなければステップS905へ進む。図10の例では、最初の線幅情報GHは線幅情報番号1であり、比較対象の線幅情報Hは、線幅情報番号2〜8である。このように、どの線幅情報GHに対しても、最後に比較する線幅情報番号は8であり、線幅情報番号8について比較が終了すると、ステップS904の終了条件を満たす。
【0039】
ステップS905においては、比較先の線幅情報Hとグループ内で注目している線幅情報GHとの距離を求め、その距離がしきい値TH以下であればステップS907へ進み、しきい値THより大きければこれ以降の線幅情報Hはすべてしきい値TH以上離れているとして、ステップS906へ進む。2つの線幅情報の距離は、例えばそれぞれの下限の座標値LO同士の距離によって定義される。図8の例では、番号1の線幅情報を含むグループに含まれる線幅情報、すなわち線801と、最初の比較先の線802との距離をまず比較する。なお、水平方向の線については上限同士あるいは下限同士で比較するが、垂直方向の線については最大値同士あるいは最小値同士で距離を比較することになる。
【0040】
ステップS906においては、次の空間補正対象のグループへ比較の対象を移す。
【0041】
ステップS907においては、グループ内で注目している線幅情報GHが全て注目し終わったかどうかを判断し、終わっていれば調べている線幅情報Hは空間補正対象のグループに属する条件を満たすとしてステップS910へ進み、終わっていなければステップS908に進む。
【0042】
ステップS908において、比較する2つの線幅情報HおよびGHの位置関係を調べ、ずれていれば調べている線幅情報Hはこのグループの空間補正の対象としていないとしてステップS912へ進み、次の線幅情報について比較する。ずれていなければステップS909へ進む。ここで、2つの線幅情報のずれは例えば比較元の最小座標値MIN、最大座標値MAXおよび比較先の最小座標値MIN、最大座標値MAXの4変数についての最小値最大値を注目し、その距離が比較先あるいは比較元の線幅情報より大きいかどうかを判定し、大きければ図11のようにずれていると判定し、そうでなければずれていないと判定する。図8の例では、線幅情報番号3の線すなわち線803は、線804とはずれている関係にあり、同一のグループとはならない。
【0043】
ステップS909においては、調べている線幅情報Hとグループ内の次の線幅情報GHとのずれを判定するため、次の線幅情報GHへ比較の対象を移す。こうして、ステップS907,S908,S909のループにより、ずれの位置にある線は、比較先のグループから排除される。
【0044】
ステップS910においては、調べている線幅情報Hがこのグループの空間補正の対象となる条件を満たすとしてこのグループの要素に前詰めで線幅情報Hの番号を出力する。以上の手順よりわかるとおり、条件とは、グループに属するいずれか線との距離が所定のしきい値以下であり、しかもずれの位置に無いことである。この条件を満たす線が、比較先のグループに属する線幅情報として配列に登録される。
【0045】
ステップS911において、このグループに属する空間補正対象の数を1増加させる。
【0046】
ステップS912において、次の線幅情報Hに対象を移す。
【0047】
ここまでの処理で、HCOUNT個の空間補正対象グループが導出される。「盟」の例では図12のように空間補正対象のグループとして配列Cに出力されている。図12においては、例えば初期化の段階で線幅情報番号1の線を含むグループ1201は、線幅情報番号1,2,3の3つの線幅情報を含んでいる。これは、図8における水平方向の線801,802,803の位置関係が、距離が所定のしきい値TH以下であり、しかもずれの位置に無いということを意味している。
【0048】
次に、第2段階として図12によって示されるHCOUNT個の空間補正対象を表わす配列Cから、グループの再構成を行う処理を図13のフローチャートを用いて説明する。
【0049】
ステップS1301において、比較する2つの空間補正対象のグループの比較元、比較先を設定する。説明のため、比較元の空間補正対象のグループをα、比較先の空間補正対象のグループをβとする。比較先βは、比較元αに対して若い番号の線幅情報を含む空間補正対象グループである。
【0050】
ステップS1302において、すべての比較が終了したかどうかを判定し、終了したら処理を終わり、終了していなければステップS1303へ進む。
【0051】
ステップS1303において、比較元αにおける空間補正の対象となる初めの線幅情報番号が、比較先βの線幅情報の空間補正対象を示す線幅情報番号に含まれているかを判定し、入っていればステップS1304へ進み、入っていなければ、2つの空間補正対象のグループは別々に存在するとしてステップS1307へ進む。例えば、図12において、比較元αをグループ1201、比較先βをグループ1202とする。この場合、比較元αの線幅情報番号2,3が比較先βにも含まれている。従って、この場合の判定結果はYesとなり、ステップS1304でにおいて、この2つのグループを統合できるかチェックすることになる。
【0052】
ステップS1304において、2つの空間補正対象グループを1つにすることが可能かどうかをチェックし、ステップS1305においてその結果を判定する。可能であればステップS1306へ進み、可能でなければステップS1307へと進む。なお、このステップS1304については図14のフローチャートによって詳細に説明する。
【0053】
ステップS1306において、比較元αと比較先βの空間補正対象グループを1つにまとめる。このグループのまとめ方については図16のフローチャートによって詳細に説明する。
【0054】
図14のフローチャートは図13におけるステップS1304の処理について説明したものである。この処理は比較元αに含まれるすべての線幅情報について、比較先βに含まれる線幅情報の重なり部分(ここでは説明のためVとする)とのずれを調べて、比較元αに含まれるすべての線幅情報がずれていなかった場合に比較元αと比較先βを一緒にできると判断するものである。
【0055】
ステップS1401において、空間補正対象グループを1つにすることが可能かどうかの比較が最後まで終了したかどうかを判定し、終了していればステップS1407へ進み、比較元のグループと比較先のグループとをひとつのグループにまとめることができることを例えばフラグ等により設定しておく。また、終了していなければステップS1402へ進む。
【0056】
ステップS1402において、比較元αにおいて現在注目している線幅情報番号が比較先βにも含まれているかどうかを判定し、含まれていれば比較元αの線幅情報は比較先βでも有効な線幅情報であるのでステップS1405へ進み、含まれていなかったらステップS1403へ進む。比較元αにおいて注目する線幅情報としては、配列Cに登録された順序で選べば良い。例えば、比較元αを図12のグループ1201とし、比較先βをグループ1202とする。注目する線幅情報番号が2または3であれば、これはα,β共通に含まれるため、ステップS1402からステップS1405に分岐する。しかしながら、線幅情報番号1に対しては比較先βに含まれていないため、ステップS1403に進むことになる。
【0057】
ステップS1403においては、比較先βの空間補正の対象となっている線幅情報の要素の重なりVの範囲を計算する。
【0058】
図15(a)においては、丸で囲まれた範囲1501は、「盟」における線幅情報番号803を初めの要素とする空間補正のグループ、すなわち図12でいえばグループ1203である。このグループに含まれる線幅情報803,805および807に注目すると、1段黒く示されている部分の1502が3つの線幅情報全てが重なっている部分である。この部分がステップS1402で求める重なりの部分Vである。この重なりVは、空間補正対象に含まれる線幅情報中の最小値LOの中の最大値と、最大値HIの中の最小値によって定義され、図15(b)の1503のようになる場合もある。
【0059】
ステップS1404において、ステップS1403によって求められた比較先の空間補正の対象の線幅情報の重なり部分Vと現在注目している比較元αの線幅情報について重なり具合を調べ、ずれていたらステップS1406へ進み、ずれていなかったらステップS1405へ進む。このずれの判定は図9のステップS906によって説明した方法と同様の処理によって判定される。すなわち、異なるグループ間にわたって、図9の手順で形成されたグループの条件を満たしているかがテストされる。
【0060】
ステップS1405において、次の比較を比較元αの空間補正の対象となる次の線幅情報に移す。
【0061】
ステップS1406においては、比較元αと比較先βの2つの空間補正の対象のグループは1つにまとめることはできないとして処理を終える。すなわち、比較元αに、比較先βの線幅情報とずれている線幅情報が1つでもある場合には、にステップS1407において1つのグループにまとめられるとして設定するフラグを、1つのグループにまとめることはできないものとして設定する。
【0062】
ステップS1407において、比較元αと比較先βの2つの空間補正の対象のグループは1つにまとめることができるとして処理を終える。
【0063】
以上のようにして、グループが統合できるか否かを判定する。図8及び図12を例にとり、線幅801,802,803を含むグループ1201を比較元α、線幅802,803,805を含むグループ1202を比較先βとする。この場合には、線幅801(情報番号1)のみがαにあってβにない線幅である。そこで、線幅801についてはステップS1403以降の処理が行われることになる。まず線幅の重なりを調べると、図8から直観的に明らかなように、線幅801はグループ1202に含まれる線幅とずれていない。そこで、比較元のグループ1201と比較先のグループ1202とは1つに統合できることがわかる。
【0064】
図16のフローチャートは、統合可能と判定された比較元と比較先の空間補正対象グループを1つにまとめる処理を説明するものである。
【0065】
ステップS1601において、比較元αで対象となっている線幅情報がすべて比較先βに存在するかどうか判定し、存在していれば、すなわち比較元αが比較先βに丸ごと含まれてしまうならばステップS1605へ進んで比較元αを消去し、存在していなければステップS1602へ進む。
【0066】
ステップS1602において、比較元αの中で比較先βに含まれていない線幅情報の数を数える。
【0067】
ステップS1603において、比較元αの中で比較先βに含まれていない線幅情報を比較先βに付け加える。
【0068】
ステップS1604において、ステップS1602で求められた比較元αの中で比較先βに含まれていない線幅情報の数だけ比較先βの線幅情報の数を増加させる。
【0069】
ステップS1605において、比較元αを比較先βに付け加えたので、比較元αは不要となり、比較元αの線幅情報数を0とする。この線幅情報数を0とすることで配列Cにおけるこのグループは無効であると判断される。
【0070】
以上の処理を垂直方向に対しても行うことにより、空間補正の範囲が決定される。その出力は配列Cにおいて線幅情報の数が0でないグループによって表わされている。
【0071】
ここで図8及び図12を例にとると、グループ1201とグループ1202とは統合できることがわかっているので、図16の処理を行う。比較元1201の要素である線幅801のみが比較先1202に含まれていないため、ステップS1602で数えられる値は1となる。また、ステップS1603では、線幅801(線幅情報番号は1)を配列C上の比較先グループ1202の要素として付加する。その後ステップS1604において、1をグループ1202の「空間制御対象線幅情報の数」欄に加算する。なお、この比較先αと比較先βとは入れ替えても、統合されるグループの番号が図16の処理によって比較先のグループとなるため、どの番号にまとまるかという相違をうみ出すだけで、得られるグループとしては同じ結果となる。先に説明したβはαよりも若い、という条件は比較の重複を避けるためのものであるから、この条件を逆にして比較することもできる。その場合にはグループ1202が比較元になり、比較先のグループ1201に統合されることになる。
【0072】
以上の処理をすべてのグループに対して行う。統合の結果含まれる情報の数が0になったグループは消滅したグループであるから、一旦消滅すればその後は比較の対象からはずれることになる。こうして、α>βなる条件のもとでグループの統合を行った結果の例が図18である。この配列には後述の優先順位付けの処理も行われている。その結果、図8の文字「盟」は、線801,802,803,805,807を含むグループと、線幅804,806,808を含むグループとに2分される。
【0073】
図17のフローチャートは空間補正のグループの優先順位を決定する処理を説明するものである。
【0074】
ステップS1701において、決定する優先順位を示す変数rankを1に初期化する。
【0075】
ステップS1702において、空間補正のグループ数を配列より読み込み、その数をGとする。
【0076】
ステップS1703において、Gが0なら空間補正をしないとして処理を終わり、0でないならステップS1704へ進む。
【0077】
ステップS1704において、Gが1なら優先順位は決定しているのでステップS1710へ進み、1でないならステップS1705へ進む。
【0078】
ステップS1705において、各空間補正グループについてグループを構成する線幅情報の数に注目し、その数が多い順に優先順位を決定する。
【0079】
ステップS1706において、ステップS1705で同じ線幅情報を持つ空間補正グループがあるかどうか判定し、あればステップS1707へ進み、なければ優先順位は決定しているのでステップS1710へ進む。
【0080】
ステップS1707において、各空間補正グループについてグループを構成する線幅情報の最小座標値と最大座標値の差を計算し、その差が大きい順に優先順位を決定する。
【0081】
ステップS1708において、ステップS1707で最小座標値と最大座標値の差が同じ空間補正グループであるかどうか判定し、あればS1709へ進み、なければ優先順位は決定しているのでステップS1710へ進む。
【0082】
ステップS1709において、配列Cに格納された順に優先順位をつける。
【0083】
ステップS1710からステップS1712において、ステップS1705からステップS1710の処理によって決定された優先順位を示すために、配列の最終要素に対応する優先順位を出力する。
【0084】
以上の処理によって空間補正グループが複数であった場合に、含まれる空間補正対象線幅の数の多い順に優先順位を決定する。また、同じ数のグループがある場合には、ステップS1707あるいはステップS1709で定められる規則で優先順位を付ける。
【0085】
「盟」における配列Cは図18(a)のようになる。空間補正のグループの数は2であり、それぞれのグループに属する線幅情報は第2要素以降に格納されている。これは、図18(b)のように2つの空間補正グループが決定されたことを示している。また決定された優先順位は1801のように各々最終要素に出力される。これらの処理により、文字の形より空間の補正を行う範囲が決定され、複数の空間補正に対してはその優先順位を決定して文字品位を高める情報を付加することが可能となる。
<フォントスケーラによる文字の補正>
以上のようにして、線幅補正情報から空間補正領域を特定することができる。その情報を受けたフォントスケーラは、生成した文字の輪郭を、線幅情報に基づいて塗りつぶす部分を補正するだけに止まらず、得られた空間補正情報に基づいて線と線との間の空間についても補正できる。
【0086】
このように、本実施形態で説明した装置によって、塗りつぶされる部分の線幅を補正するための線幅補正情報を有するアウトライン形式の文字データであっても、線と線との空間を補正する範囲を空間補正グループというかたちで特定することができる。得られた空間補正グループを対象として、そこに含ませる線幅情報による線幅補正のみならず、線間の空間について、線と線との隙間のつぶれや、等間隔であるべき空間の不揃い等、字形の品位の低下の原因となる部分を補正することで、高品位の文字を生成することができる。
【0087】
また、各空間補正グループに含まれる線の数に応じて優先順位を与えることで、ある文字について、例えば、より特徴的な部分を優先的に空間補正することで文字の品質を高めるとともに、より目立たない部分については補正を省いて、文字の高品位化と処理手順の簡略化とを両立させるといったことも可能となる。
[第2の実施の形態]
第1の実施形態においては、空間補正範囲を、空間補正のグループ配列Cにおいて線幅情報の数が0でないグループによって表し、その要素となる線幅情報を示していた。
【0088】
本実施形態では、第1の実施形態における装置及び処理手順により出力された配列Cに加え、各線幅情報の下限LOおよび上限HIを用いて、空間補正の座標関係を図19に示すデータ形式に出力するための処理について説明する。
【0089】
図19は水平方向の空間補正情報を示すものであり、垂直方向の空間補正情報も別に同様の処理によって出力される。また、図19においてはhnは水平方向の空間補正グループの数を示す。
【0090】
図20は、実施形態1における装置及び手順で出力された配列Cに加え、各線幅情報の下限LOおよび上限HIを用いて、図19に示すような空間補正の座標関係を表わすデータ形式に出力する処理を示すフローチャートである。
【0091】
ステップS2001において、初期設定としてグループ数hnに0を、注目する優先順位を示す変数rankに1を、カウンタiに1を代入する。
【0092】
ステップS2002において、配列Cのすべてのグループについて処理が終了したかどうかを判定し、終了していればステップS2011へ進み、終了していなければステップS2003へ進む。
【0093】
ステップS2003において、グループに含まれる線幅情報の数を順次読み込み、配列Cの最終要素に書き込まれた優先順位が変数rankと等しいかどうか判定し、等しければステップS2004へ進み、等しくなければステップS2010へ進む。
【0094】
ステップS2004において、優先順位に応じたグループが検出されたので、hnの数を1増加させる。また次の優先順位をもつ空間補正グループに注目するためrankを1増加させる。
【0095】
ステップS2005において、読み込んだ空間補正グループの線幅情報の数を一時格納用バッファB1に追加出力する。
【0096】
ステップS2006からステップS2009では、グループ内の線幅情報について座標値を読み込み、出力する処理を行っている。
【0097】
ステップS2006において、グループ内の線幅情報全てについて処理を終了したかどうかを判定し、終了していればステップS2010へ進み、終了していなければステップS2007へ進む。
【0098】
ステップS2007において、配列Cより線幅情報番号を読み込み、図6に示した線幅情報テーブルより対応する下限値座標値LOを読み込み一時格納バッファB2へ追加する。
【0099】
ステップS2008において、配列Cより線幅情報番号を読み込み、図6に示した線幅情報テーブルより対応する上限座標値HIを読み込み一時格納バッファB2へ追加出力する。ステップS2009において、処理を同じ空間補正グループ内の次の線幅情報へ移す。
【0100】
ステップS2010において、処理を次の空間補正グループに移す。
【0101】
ステップS2011において、有効な空間補正グループの数hnを図19に示す配列に出力する。
【0102】
ステップS2012において、一時格納バッファB1の内容を図19に示す配列に出力する。
【0103】
ステップS2013において、一時格納バッファB2の内容を図19に示す配列に出力する。
【0104】
本実施例における以上の処理によって、第1の実施形態において出力した配列に座標値情報を付加することができる。これにより、空間補正範囲を空間補正グループにより特定するとともに、各補正範囲内において座標値情報という具体的な空間補正範囲を示すことが可能となり、この座標値に基づいて空間補正を行うことでより高品位な文字出力が可能になる。
[第3の実施の形態]
本実施形態においては、社団法人日本事務機械工業会発行「文書記述・フォントJIS原案作成委員会・技術セミナー/文書関連JIS規格説明会資料」(1994年3月10日)に記載のJIS X4163原案「第3部グリフ形状表現」にて規定されている規格(以降X4163と呼ぶことにする)などに適用するための例を示す。
【0105】
図21はX4163の文字描画命令の例を示しており、オペランドがオペレータの前に表記されている。本実施形態では、空間補正を行う命令をSPACEと定義し、このオペレータに対するオペランドを以下のように定義する。
【0106】
hnΔHG1ΔHG2Δ……HGnΔvnΔVG1ΔVG2……
ΔVGnΔNΔSPACE (ここでΔは空白を示す)
hnは水平方向の空間補正グループの数を示し、HGi(i=1−n)は水平方向における各空間補正グループを示す。また、vnは垂直方向の空間補正グループの数を示し、VGi(i=1−n)は垂直方向における各空間補正グループを示す。Nは命令SPACEに対するオペランド数を示す。
【0107】
図19の配列からSPACE命令を作成のための処理を図22および図23のフローチャートによって説明する。ここで、SPACE命令の規約として、各グループを以下の記述により表わすこととする。
【0108】
LO(cnt)はcnt番目の線幅情報の下限座標値、HI(cnt)はcnt番目の線幅情報の上限値を示す。各グループは最初の線幅情報の下限LOから順に直前の座標値との差分を出力することとする。cntはそのグループ内の同一方向の線幅情報の数を示す。また、各グループの最終線幅情報のみ下限LOと上限HIを逆にする。これは空間補正グループHGおよびVG毎の区切りをつけるための規約である。
【0109】
ステップS2201において、水平方向について空間補正情報のオペランド出力を行う。この処理については図23のフローチャートで説明する。
【0110】
ステップS2202において、垂直方向について空間補正情報のオペランド出力を行う。この処理については水平方向と同様の処理を行うので割愛する。
【0111】
ステップS2203において、ステップS2201およびステップS2202より求められたオペランドの数を求める。各方向においては、先ず各グループに含まれる線幅情報の数の合計を2倍にする。これは一つの線幅情報について上限および下限の2つの情報を持つためである。そして、その値に空間補正グループ数を示すオペランド1をたすことによって求められる。これを両方向加算する。
【0112】
ステップS2204において、SPACE命令を出力する。
【0113】
以下、図23のフローチャートは水平方向の空間補正情報を格納した図19の配列からオペランド出力する処理を説明する。
【0114】
ステップS2301において、空間補正のグループ数hnを出力する。
【0115】
ステップS2302において、グループ数のためのカウンタiを0に初期化する。
【0116】
ステップS2303において、すべてのグループについて出力終了したかどうか判断し、終了していれば処理を終わり、終了していなければステップS2304へ進む。
【0117】
ステップS2304において、i番目のグループの線幅情報のためのカウンタjを1に初期化する。
【0118】
ステップS2305において、差分出力のための変数Dを0に初期化する。
【0119】
ステップS2306において、最後の線幅情報かどうか判断し、そうだったらステップS2310へ進み、そうでなかったらステップS2307へ進む。
【0120】
ステップS2307において、LO(j)−DおよびHI(j)−LO(j)を出力する。
【0121】
ステップS2308において、次の差分計算のためDにHI(j)を代入する。
【0122】
ステップS2309において、次の線幅情報に処理を移すためカウンタjを1増加させる。
【0123】
ステップS2310において、HI(j)−DおよびLOォ(j)−HI(j)を出力する。
【0124】
ステップS2311において、次の空間補正グループに処理を移すためカウンタiを1増加させる。
【0125】
よって、本実施例における以上の処理により、第1及び第2の実施の形態における手順で得られた空間補正範囲を、X4163などに代表される命令形式にて示すことができる。このことにより、空間補正機能を持ったフォントスケーラに所定の命令形式で空間補正情報を出力することにより、高品位な文字出力が可能になる。
【0126】
フォントスケーラにおいては、前述したような形式のSPACE命令を処理する手順を用意しておけば、最終的に線幅補正情報のみを有するアウトラインフォントデータを基にして、空間補正を施して高品位の文字画像を生成することができる。
【0127】
また、第2の形態のように表形式で空間補正領域を出力するか、第3実施形態のように命令形式で出力するかは、例えば、フォントスケーラが設定するフラッグ等に基づいて選択するようにしても良い。この場合には、図19の形式の表を作成した後にそのフラッグをテストし、命令形式で出力する場合には第3実施形態で説明したように命令形式を作成し、そうでない場合には図19の形式で出力する。フォントスケーラではその出力を受けて、出力された形式の空間補正情報を用いて文字画像の空間補正を実行することになる。
【0128】
なお、上記装置の機能もしくは方法の機能によって達成される本発明の目的は、前述の本発明を実施した装置におけるプログラムを記憶させた記憶媒体によっても達成できる。すなわち、上記装置に、その記憶媒体を装着し、その記憶媒体から読出したプログラム自体が本発明の新規な機能を達成するからである。このための、本発明に係るプログラムの構造的特徴は図24に示す通りである。
【0129】
図24の構造でプログラムを図1のFD1011といった記憶媒体上に保持し、それをRAM103に読み込んで上記第1乃至第3の実施形態に示す手順をCPU101により実現することができる。
【0130】
また、本発明は、ホストコンピュータ、インタフェース、プリンタ等の複数の機器から構成されるシステムに適用しても、複写機等の1つの機器からなる装置に適用しても良い。また、本発明はシステム或は装置にプログラムを供給することによって実施される場合にも適用できることは言うまでもない。この場合、本発明に係るプログラムを格納した記憶媒体が本発明を構成することになる。そして、該記憶媒体からそのプログラムをシステム或は装置に読み出すことによって、そのシステム或は装置が、予め定められた仕方で動作する。
【0131】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る文字データ処理装置及び方法によれば、アウトラインデータの線幅補正情報に基づいて、補正する対象となる線と線との間の空間補正範囲を得ることができるという効果がある。更に、そのため、空間補正を施したより高品質の文字画像を生成できる。
【0132】
【図面の簡単な説明】
【図1】全実施形態における文字データ変換装置の概略構成を示した図である。
【図2】第1の実施形態における輪郭座標点情報のデータ構造について説明した図である。
【図3】2次元平面における左下座標について説明した図である。
【図4】第1の実施形態における輪郭座標補正情報のデータ構造について説明した図である。
【図5】第1の実施形態における線幅情報について説明した図である。
【図6】第1の実施形態における線幅情報テーブルのデータ構造について説明した図である。
【図7】第1の実施形態における線幅情報が保持する変数について説明した図である。
【図8】「盟」における線幅情報を説明した図である。
【図9】第1の実施形態における処理の流れを説明した図である。
【図10】「盟」における空間補正グループを示す配列について説明した図である。
【図11】線幅情報のずれを説明した図である。
【図12】「盟」における空間補正グループ対象決定の処理中の出力を表わした図である。
【図13】第1の実施形態における処理の流れを説明した図である。
【図14】第1の実施形態における処理の流れを説明した図である。
【図15】空間補正グループ中の線幅情報の重なり部分を説明した図である。
【図16】第1の実施形態における処理の流れを説明した図である。
【図17】第1の実施形態における空間補正グループの優先順位の処理を説明した図である。
【図18】「盟」における空間補正グループ対象決定の出力を表わした図である。
【図19】第2の実施形態における出力形式を説明した図である。
【図20】第2の実施形態における処理の流れを示した図である。
【図21】第3の実施形態におけるX4163の代表的な命令を説明した図である。
【図22】第3の実施形態における処理の流れを説明した図である。
【図23】第3の実施形態における処理の流れを説明した図である。
【図24】本実施形態における装置を実現するプログラムの構成を示す図である。
【符号の説明】
101 CPU(中央演算ユニット)
102 ROM
103 RAM
105 KB(キーボード)
107 PD(ポインティングデバイス)
109 CRT
1011 外部記憶装置(FD,HD)
1013 PRT
Claims (31)
- 文字の字形を輪郭で表すアウトラインフォントを用いる文字データ処理装置であって、
文字の塗りつぶされる部分の線幅補正情報を読み込む線幅補正情報読み込み手段と、
前記線幅補正情報に基づいて、文字を構成する水平線分または垂直線分について、互いの間隔が所定値以内にあり、かつ、互いにずれていない線分から成るグループを、文字の塗りつぶされない部分の空間を補正する範囲として決定する空間補正範囲決定手段と
を備えることを特徴とする文字データ処理装置。 - 前記空間補正範囲決定手段により決定された空間補正範囲が複数の場合、その優先順位を決定する優先度決定手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の文字データ処理装置。
- 前記空間補正範囲決定手段により決定された文字の空間補正範囲を出力する空間補正範囲出力手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の文字データ処理装置。
- 前記空間補正範囲決定手段は、前記線幅補正情報に含まれる最大最小座標値および下限上限座標値に基づいて前記グループを決定することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の文字データ処理装置。
- 前記線幅補正情報は、水平方向の線幅情報であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の文字データ処理装置。
- 前記線幅補正情報は、垂直方向の線幅情報であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の文字データ処理装置。
- 前記空間補正範囲は輪郭の水平線を対象とすることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の文字データ処理装置。
- 前記空間補正範囲は輪郭の垂直線を対象とすることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の文字データ処理装置。
- 前記空間補正範囲出力手段は、空間補正範囲を配列形式にて出力することを特徴とする請求項3記載の文字データ処理装置。
- 前記空間補正範囲出力手段は、空間補正範囲を命令形式にて出力する請求項3記載の文字データ処理装置。
- 前記空間補正範囲出力手段は、空間補正範囲を示す出力形式を、配列形式か命令形式かいずれかを選択する選択手段を有することを特徴とする請求項3記載の文字データ処理装置。
- 前記線幅補正手段により読み込まれる線幅補正情報に基づいて、文字の輪郭を補正する第1の補正手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至11いずれかに記載の文字データ処理装置。
- 前記空間補正範囲決定手段により決定された空間補正範囲に基づいて、文字の輪郭を補正する第2の補正手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至12いずれかに記載の文字データ処理装置。
- 前記空間補正範囲出力手段により出力された空間補正範囲に基づいて、文字の輪郭を補正する第2の補正手段を更に備えることを特徴とする請求項3または9乃至11いずれかに記載の文字データ処理装置。
- 前記第1の補正手段により文字の輪郭に基づいて文字パターンを生成するパターン生成手段を更に備えることを特徴とする請求項12に記載の文字データ処理装置。
- 前記第2の補正手段により文字の輪郭に基づいて文字パターンを生成するパターン生成手段を更に備えることを特徴とする請求項13または14に記載の文字データ処理装置。
- 前記パターン生成手段により生成された文字パターンを出力する出力手段を更に備えることを特徴とする請求項15または16に記載の文字データ処理装置。
- 前記出力手段は、プリンタまたはディスプレイを含むことを特徴とする請求項17に記載の文字データ処理装置。
- 文字の字形を輪郭で表すアウトラインフォントを用いる文字データ処理方法であって、
文字の塗りつぶされる部分の線幅補正情報を読み込む線幅補正情報読み込み工程と、
前記線幅補正情報に基づいて、文字を構成する水平線分または垂直線分について、互いの間隔が所定値以内にあり、かつ、互いにずれていない線分から成るグループを、文字の塗りつぶされない部分の空間を補正する範囲として決定する空間補正範囲決定工程と
を備えることを特徴とする文字データ処理方法。 - 前記空間補正範囲決定工程により決定された空間補正範囲が複数の場合、その優先順位を決定する優先度決定工程を更に備えることを特徴とする請求項19に記載の文字データ処理方法。
- 前記空間補正範囲決定工程により決定された文字の空間補正範囲を出力する空間補正範囲出力工程を更に備えることを特徴とする請求項19または20に記載の文字データ処理方法。
- 前記空間補正範囲決定工程では、前記線幅補正情報に含まれる最大最小座標値および下限上限座標値に基づいて前記グループを決定することを特徴とする請求項19乃至21いずれかに記載の文字データ処理方法。
- 前記線幅補正情報は、水平方向の線幅情報であることを特徴とする請求項19乃至21いずれかに記載の文字データ処理方法。
- 前記線幅補正情報は、垂直方向の線幅情報であることを特徴とする請求項19乃至21いずれかに記載の文字データ処理方法。
- 前記空間補正範囲は輪郭の水平線を対象とすることを特徴とする請求項19乃至24いずれかに記載の文字データ処理方法。
- 前記空間補正範囲は輪郭の垂直線を対象とすることを特徴とする請求項19乃至24いずれかに記載の文字データ処理方法。
- 前記空間補正範囲出力工程は、空間補正範囲を配列形式にて出力することを特徴とする請求項21記載の文字データ処理方法。
- 前記空間補正範囲出力工程は、空間補正範囲を命令形式にて出力する請求項21記載の文字データ処理方法。
- 前記空間補正範囲出力工程は、空間補正範囲を示す出力形式を、配列形式か命令形式かいずれかを選択する選択工程を有することを特徴とする請求項21記載の文字データ処理方法。
- メモリ媒体から所定のプログラムを読み込んでコンピュータを制御するコンピュータ制御装置であって、
前記プログラムは、文字の塗りつぶされる部分の線幅補正情報を読み込む線幅補正情報読み込み工程の手順と、
前記線幅補正情報に基づいて、文字を構成する水平線分または垂直線分について、互いの間隔が所定値以内にあり、かつ、互いにずれていない線分から成るグループを、文字の塗りつぶされない部分の空間を補正する範囲として決定する空間補正範囲決定工程の手順と
を含むことを特徴とするコンピュータ制御装置。 - 文字の字形を輪郭で表すアウトラインフォントを用いる文字データ処理装置であって、
文字の塗りつぶされる部分の線幅補正情報に含まれる文字の輪郭座標値に基づき、文字を構成する水平線分または垂直線分について、互いの間隔が所定値以内にあり、かつ、互いにずれていない線分から成るグループを、文字の塗りつぶされない部分の空間を補正する範囲として決定された空間補正範囲に基づいて文字の輪郭を補正する補正手段と、
前記補正手段により文字の輪郭に基づいて文字パターンを生成するパターン生成手段と、
前記パターン生成手段により生成された文字パターンを出力する出力手段と
を備えることを特徴とする文字データ処理装置。
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