JP3786894B2 - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コア基板の表面上方のみ(片面)にビルドアップ層を有する配線基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、低コスト化の要請に応じ、コア基板の表面(片面)上方にのみ複数の絶縁層および複数の配線層を交互に積層したビルドアップ層を形成する配線基板が提案されている。
しかしながら、コア基板の表面上のみ(片面)にビルドアップ層を形成した場合、かかるコア基板の表面に形成した表面配線層と上記ビルドアップ層を形成する複数の配線層および複数の絶縁層とからなる表面側と、コア基板の裏面に形成した裏面配線層およびソルダーレジスト層からなる裏面側との間では、当該コア基板を挟んで熱膨張率に差が生じる。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
この結果、得られる配線基板全体が、上記ビルドアップ層寄りに反る、即ちビルドアップ層の中央付近が凹むため、かかるビルドアップ層の平坦性が確保できなくなると共に、当該ビルドアップ層の表面上に実装すべきICチップや半導体素子などの電子部品が実装できなくなる、という問題があった。また、ビルドアップ層が形成されないコア基板の裏面に形成する配線層は、外気に触れ易くなり、電気的信頼性が低下するおそれがある、という問題もあった。
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、コア基板の片面にのみビルドアップ層を有し且つかかるビルドアップ層とファインパターンの配線層とを含み全体が反ることなく平坦性および信頼性が確保された配線基板およびその製造方法を提供する、ことを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、コア基板の表面および裏面に個別に形成する表面配線層と裏面配線層との表面粗さを相違させる、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の配線基板(請求項1)は、表面および裏面を有し、かかる表面に表面配線層を有し且つ裏面に裏面配線層を有するコア基板と、かかるコア基板の表面上方に複数の絶縁層および複数の配線層を含むビルドアップ層と、を備え、上記表面配線層における上記コア基板との接触面の表面粗さは、上記裏面配線層における上記コア基板との接触面の表面粗さよりも小さい、ことを特徴とする。
【0005】
これによれば、裏面配線層は、表面配線層に比べてコア基板と強固に密着し、且つその中央部付近に向けて収縮し易くなる。このため、裏面配線層の電気的特性が安定する。また、コア基板の表面に形成した表面配線層および上記ビルドアップ層を形成する複数の配線層および複数の絶縁層からなる表面側と、コア基板の裏面に形成した裏面配線層およびソルダーレジスト層からなる裏面側との熱膨張の差をなくすか、小さくすることができる。従って、配線基板全体が、従来のようにビルドアップ層寄りに反る、即ちビルドアップ層の中央付近が凹む事態を防止または抑制できるため、当該ビルドアップ層の平坦性が確保できると共に、複数の配線層もファインパターンとなる。しかも、配線基板の表面(第1主面)上に実装すべきICチップや半導体素子などを容易に実装することが可能となる。尚、上記コア基板には、単一の絶縁層からなる形態の他、複数の絶縁層とその間に配置した配線層とを有する多層基板の形態も含まれる。また、配線基板には、上記コア基板の表面および裏面の間を貫通する貫通孔内またはコア基板の裏面側に開口する凹部内に電子部品(チップコンデンサ、ICチップなど)を実装または内蔵する形態も含まれる。
【0006】
付言すれば、本発明には、表面および裏面を有し、かかる表面に表面配線層を有し且つ裏面に裏面配線層を有するコア基板と、かかるコア基板の表面および裏面間を貫通し且つ上記表面配線層と裏面配線層とを接続するスルーホール導体と、上記コア基板の表面上方に複数の絶縁層および複数の配線層を含むビルドアップ層と、を備え、上記表面配線層における上記コア基板との接触面の表面粗さは、上記裏面配線層における上記コア基板との接触面の表面粗さよりも小さい、配線基板も含まれ得る。
【0007】
また、本発明には、前記コア基板の表面に接触する前記表面配線層の表面粗さ(Rz:十点平均粗さ)は3〜7μmの範囲にあり、上記コア基板の裏面に接触する前記裏面配線層の表面粗さ(Rz)は6〜10μmの範囲にある、配線基板(請求項2)も含まれる。これによれば、裏面配線層は、表面配線層に比べてコア基板と高いピール強度をもって強固に密着するため、平坦なビルドアップ層およびその内部にファインパターンの配線層を有する配線基板とすることが一層確実になる。尚、表面配線層の表面粗さは、3μm未満にするとコア基板との密着性が十分に得られず、一方、7μm超とするとビルドアップ配線をファインパターンとしにくくなるため、上記範囲とした。
また、裏面配線層の表面粗さは、6μm未満にするとコア基板との密着性が不足し始め、一方、10μm超とするとコア基板の裏面付近におけるピール強度が低下し始める。しかも、裏面絶縁層のパターン形成時の(例えば公知のサブトラクティブ法による)エッチング残りの発生、およびパターン形成時の平滑性の喪失、あるいはビルドアップ層側に発生する反りの矯正力の低下が起こるため、上記範囲としたものである。更に、表面配線層と裏面配線層との間における表面粗さの差は、3μm以上とすることにより、上述した効果を確保することができる。
【0008】
一方、本発明の配線基板の製造方法(請求項3)は、表面および裏面を有するコア基板において、かかる表面に表面配線層を形成し且つ裏面に裏面配線層を形成する工程と、上記コア基板の表面上方に複数の絶縁層および複数の配線層を含むビルドアップ層を形成するビルドアップ工程と、を含む配線基板の製造方法であって、上記コア基板の表面および裏面に予め形成され且つ上記表面配線層の一部または上記裏面配線層の一部となる一対の金属箔のうち、かかるコア基板の表面に形成した金属箔の表面粗さは、かかるコア基板の裏面に形成した金属箔の表面粗さよりも小さく設定されている、ことを特徴とする。
これによれば、裏面配線層は表面配線層に比べてコア基板と強固に密着し、その電気的信頼性が確保できると共に、平坦なビルドアップ層およびファインパターンの配線層を有する配線基板を、確実に提供することが可能となる。尚、上記金属箔には、銅箔のほか、純アルミニウム系のアルミ箔も含まれる。
【0009】
また、本発明には、前記コア基板の表面の金属箔の表面粗さ(Rz)は3〜7μmの範囲にあり、上記コア基板の裏面の金属箔の表面粗さ(Rz)は6〜10μmの範囲にある、配線基板の製造方法を含めることも可能である。
これによる場合、裏面配線層は表面配線層に比べてコア基板に高いピール強度をもって強固に密着し、平坦なビルドアップ層およびその内部にファインパターンの配線層を有する配線基板を提供するすることが一層確実にし得る。
尚、表面の金属箔の表面粗さを、3μm未満にするとコア基板2との密着性が不足し、一方、7μm超とするとビルドアップ配線をファインパターンとしにくくなるため、上記範囲とした。また、裏面の金属箔の表面粗さを、6μm未満にするとコア基板との密着性が不足し始め、一方、10μm超とするとコア基板の裏面付近におけるピール強度が低下し始めるため、上記範囲としたものである。
【0010】
更に、本発明には、前記コア基板は、複数のコア基板を有するパネル内の製品単位であり、前記表面の金属箔および前記裏面の金属箔は上記パネルの表面と裏面における複数の製品単位にわたり形成されている、配線基板の製造方法(請求項4)も含まれる。これによれば、前記配線基板を一層効率良く製造可能となる。尚、前記ビルドアップ工程は、表面配線層および裏面配線層を形成した一対のコア基板を、離型シートなどを介して厚み方向に積層した状態で行うと、一層平坦なビルドアップ層を形成することができる。しかも、かかる工程を、複数のコア基板をそれぞれ含む一対のパネル同士を積層した状態で行うと、一層平坦なビルドアップ層を形成することが確実且つ効率良く行える。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1(A)は、本発明の配線基板1における主要部の断面を示す。
かかる配線基板1は、図1(A)に示すように、表面2aおよび裏面2bを有するコア基板2と、かかるコア基板2の表面2aに形成した表面配線層8と、コア基板2の表面2aの上方に形成されたビルトアップ層BUと、コア基板の裏面2bに形成した裏面配線層9と、を備えている。
コア基板2は、厚さ約800μmのガラス−エポキシ樹脂からなる単一の絶縁層である。図1(A)に示すように、コア基板2には、その表面2aと裏面2bとの間を貫通する複数のスルーホール5と、それらの内側に位置する銅メッキ製のスルーホール導体6および充填樹脂7と、が形成されている。尚、各スルーホール導体6は、上記表面配線層10と裏面配線層11との間を接続する。また、表面配線層8および裏面配線層9の厚みは、約25μmである。
【0012】
図1(B)に示すように、表面配線層8において、コア基板2の表面2aと接触する接触面3aの表面粗さ(Rz:十点平均粗さ)は、3〜7μmと比較的平滑で且つ緻密である。一方、図1(C)に示すように、裏面配線層9において、コア基板2の裏面2bと接触する接触面4aの表面粗さ(Rz)は、6〜10μmと比較的粗とされている。表面配線層8の接触面3aと裏面配線層9の接触面4aとの表面粗さ(Rz)の差は、3〜7μmである。
かかる表面配線層8の接触面3aおよび裏面配線層8の接触面4aの各表面粗さ(Rz)は、後述するように、予めコア基板2の表面2aおよび裏面2bに貼り付けられる銅箔(金属箔)の表面粗さによるものである。
【0013】
図1(A)に示すように、コア基板2の表面2aの上方には、絶縁層10,16および銅メッキ製の配線層14,20(厚さ約15μm)を交互に積層したビルトアップ層BUが形成されている。絶縁層10,16は、厚さが約30μmの無機フィラを含むエポキシ系樹脂からなり、これらの適所には、表面配線層8、配線層14,20の相互間を接続するビア導体(フィルドビア導体)12,18が形成されている。また、絶縁層16および配線層20の上には、厚さが約25μmのソルダーレジスト層(絶縁層)22が形成されている。
【0014】
図1(A)に示すように、配線層20上の適所には、第1主面23よりも高く突出するハンダバンプ(IC接続端子)24が複数形成される。かかるハンダバンプ24は、Sn−Ag系、Pb−Sn系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Cu系、Sn−Zn系など(本実施形態ではSn−Ag系)の低融点合金からなり、第1主面23上に実装されるICチップ(電子部品)25の接続端子(図示せず)と個別に接続される。尚、複数のハンダバンプ24とICチップ25の接続端子とは、図示しないアンダーフィル材により埋設され且つ保護される。
【0015】
図1(A)に示すように、コア基板2の裏面2bおよび裏面配線層9の下には、厚さが約25μmのソルダーレジスト層(絶縁層)11が形成される。
裏面配線層9から延び且つソルダーレジスト層11に形成した開口部15内から第2主面13側に露出する配線17は、その表面にNiメッキ膜およびAuメッキ膜が被覆され、当該配線基板1自体を搭載する図示しないマザーボードなどのプリント基板との接続端子として活用される。尚、配線17には、ハンダボールや銅系または鉄系合金からなるピンなどを接合しても良い。
【0016】
以上のような配線基板1によれば、コア基板2の表面2aに形成した表面配線層8の接触面3aの表面粗さが、裏面2bに形成した裏面配線層9の接触面4aよりも小さく設定されている。このため、表面配線層8と前記ビルドアップ層BUを形成する複数の配線層14,20および複数の絶縁層10,16とからなる表面側と、コア基板2の裏面2bに形成した裏面配線層9およびソルダーレジスト層11からなる裏面側との熱膨張の差をなくすか、小さくできる。この結果、配線基板1全体が、表面側のビルドアップ層BU寄りに反る変形を防止または抑制できるため、当該ビルドアップ層BUの平坦性が確保できる。しかも、ビルドアップ層BUの配線層14,20をファインパターンにできると共に、当該配線基板1の第1主面23上にICチップ25や半導体素子などを容易に実装することが可能となる。また、裏面配線層9は、コア基板2の裏面2bに密着するため、電気的特性の信頼性を確保できる。従って、信頼性の高い配線基板1となる。
【0017】
ここで、前記配線基板1の製造方法について説明する。
図2(A)に示すように、コア基板2は、その表面2aに厚さ約15μmの銅箔(金属箔)3が、その裏面2bにはほぼ同じ厚さの銅箔(金属箔)4が予め貼り付けられている。図2(α)に示すように、銅箔3の表面粗さ(Rz)は、3〜7μmの範囲内と、比較的平滑で且つ緻密である。このため、銅箔3は、コア基板2の表面2aと接触する接触面3aにおいて、所要のピール強度でコア基板2と密着している。一方、図2(β)に示すように、銅箔4の表面粗さ(Rz)は、6〜10μmの範囲内と比較的粗であり、銅箔3,4間の表面粗さの差は、3〜7μmである。このため、銅箔4は、コア基板2の裏面2bと接触する接触面4aにおいて、高いピール強度により、かかるコア基板2に強固に密着している。尚、上記図2(α),図2(β)は、図2(A)中の一点鎖線部分α,βの拡大図である。
【0018】
上記コア基板2の所定の位置にレーザを照射するか、細径のドリルにて穿孔する。その結果、図2(B)に示すように、コア基板2における表面2aと裏面2bとの間を貫通し且つ内径が約100μmのスルーホール5が複数形成される。
次に、複数のスルーホール5を有するコア基板2の全面に対し、無電解銅メッキおよび電解銅メッキを施す。尚、各スルーホール5の内壁には、予めPdを含むメッキ触媒を塗布しておく。また、上記スルーホール5の穿孔および銅メッキは、複数のコア基板2(製品単位)を含むパネル(多数個取りの基板)の状態で行っても良い。その結果、図2(C)に示すように、各スルーホール5の内壁表面に沿って厚みが約15μmのスルーホール導体6がそれぞれ形成される。また、銅箔3,4は、厚めの銅メッキ層3c,4c(便宜上厚みは銅箔3,4と同じとする)となる。この際、銅メッキ層3c,4cには、前記接触面3a,4aが残るが、これらと反対側の外側面3b,4bの表面粗さは、上記メッキで平滑化される。
【0019】
次いで、図3(A)に示すように、各スルーホール導体6の内側に、シリカフィラなどの無機フィラ入りのエポキシ系樹脂からなる充填樹脂7を充填する。尚、充填樹脂7に替え、多量の金属粉末を含む導電性樹脂または金属粉末を含む非導電性樹脂を用いても良い。更に、表面2aおよび裏面2bの前記銅メッキ層3c,4cの上に、全面銅メッキを行い且つ充填樹脂7の表面に蓋メッキを行う。
そして、公知のフォトリソグラフィ技術により、所定のパターンを有する図示しないエッチングレジストを形成した後、かかるエッチングレジストのパターン間の隙間から露出する銅メッキ層3c,4cをエッチング(公知のサブトラクティブ法)する。
【0020】
その結果、図3(A)に示すように、コア基板2の表面2aおよび裏面2bに、上記レジストのパターンに倣った表面配線層8または裏面配線層9が形成される。この表面配線層8や裏面配線層9の厚みは約15μmである。尚、充填樹脂7の表面の真上にビア導体を形成しない場合には、上記蓋メッキを省いても良い。次に、図3(B)に示すように、表面配線層8および裏面配線層9を形成したコア基板2における裏面2bおよび裏面配線層9の下に、エポキシ樹脂を主成分とする厚みが約25μmのソルダーレジスト層(絶縁層)11を形成する。
そして、図3(C)に示すように、一対のコア基板2,2を、それぞれのソルダーレジスト層11を対向させ、離型シートrを挟んで積層し且つ固定する。
かかる離型シートrには、例えば一対のフィルム間に熱可塑性樹脂からなるクッション材を挟み且つその周縁で上記フィルムにより密封したシート状のものが用いられる。尚、上記クッション材には、柔軟性(弱い弾性)を有する熱可塑性樹脂(商品名:パコタンプラス)を用いる。また、かかるクッション材には、PETフィルムや、フッ素樹脂(テフロン:登録商標)シートなどを使用しても良い。
【0021】
次いで、図4(A)に示すように、何れかのコア基板2の表面2aの上方に、絶縁層10を形成し且つ表面配線層8上の所定の位置にフィルドビア導体12を形成する。これ以降は、ビルドアップ層BUを絶縁層10など共に形成する絶縁層16、配線層14,20、フィルドビア導体18、ソルダーレジスト層22を公知のビルドアップ工程(セミアディティブ法、フルアディティブ法、サブトラクティブ法、フィルム状樹脂材料のラミネートによる絶縁層の形成、フォトリソグラフィ技術など)により形成する(ビルドアップ工程)。また、配線層20上には、第1主面23よりも高く突出するハンダバンプ24を複数形成する。
尚、残りのコア基板2の表面2aの上方にも、上記同様にしてビルドアップ層BUなどを形成する。また、以上のビルドアップ工程は、複数のコア基板2を有する一対のパネル(多数個取り用パネル)を互いに積層した状態で行っても良い。
【0022】
そして、図4(B)に示すように、離型シートrを除去して個別に分離したビルドアップ層BUなどを有するコア基板2の裏面2b下におけるソルダーレジスト層11に対しレーザ加工などを行って、かかるソルダーレジスト層11における所定の位置に開口部15を形成する。裏面配線層9から延び且つ開口部15内から第2主面13側に露出する配線17は、その表面にNiメッキ膜およびAuメッキ膜が被覆され、当該配線基板1自体を搭載する図示しないマザーボードなどのプリント基板との接続端子となる。これにより、図4(B)に示すように、前記ICチップ25を実装する直前の配線基板1を得ることができる。
【0023】
以上のような配線基板1の製造方法によれば、表面配線層8におけるコア基板2との接触面3aの表面粗さは、裏面配線層9におけるコア基板2との接触面4aの表面粗さよりも小さくされている。このため、裏面配線層9は、表面配線層8よりも高いピール強度によりコア基板2に密着し、その電気的特性が安定すると共に、コア基板2の裏面2bの中央付近に向けて収縮しようとする応力を有する。これにより、コア基板2の表面2a上方に、絶縁層10,16および配線層14,20からなるビルドアップ層BUを形成しても、第1主面23側が凹む反りをなくすか、小さくできる。しかも、一対のコア基板2,2を積層した状態でビルドアップ工程を行うため、上記反りを抑えて平坦としたビルドアップ層BUを一層確実に形成することができる。従って、反り変形がなく、平坦なビルドアップ層BUを有すると共に、ICチップ25などの実装も容易に行え且つ信頼性の安定した配線基板1を確実に提供することができる。
【0024】
図5(A)は、前記配線基板1の応用形態の配線基板1aにおける断面を示す。配線基板1aは、図5(A)に示すように、多層基板のコア基板Kと、かかるコア基板Kの表面26aに形成した表面配線層8と、コア基板Kの表面26aの上方に形成したビルトアップ層BUと、コア基板Kの裏面27aに形成した裏面配線層9と、を備えている。
図5(A)に示すように、コア基板Kは、絶縁層2と、その表面2aや裏面2b上に形成した配線層28,29と、これらの上に形成した絶縁層26,27と、からなる多層基板である。絶縁層2は、平面視がほぼ正方形で且つ厚みが500μm未満のガラスクロスまたはガラス繊維入りのエポキシ樹脂からなる。
また、配線層28,29は、厚さ10数μmの銅メッキ層であり、絶縁層26,27は、ガラスフィラなどの無機フィラを含む厚さ数10μmのエポキシ系樹脂からなる。かかるコア基板K全体の厚みは、約600〜800μmである。
【0025】
図5(B)に示すように、配線層28および表面配線層8は、絶縁層2,26の表面2a,26aとの接触面28a,8aの表面粗さ(Rz)が3〜7μmと比較的平滑である。一方、図5(C)に示すように、配線層29および裏面配線層9は、絶縁層2,27の裏面2b,27bとの接触面29a,9aの表面粗さ(Rz)が6〜10μmと比較的粗である。表面配線層8などの接触面28a,8aと裏面配線層9などの接触面29a,9aとの表面粗さ(Rz)の差は3〜7μmである。この結果、配線層29および裏面配線層9は、絶縁層2,27に高いピール強度をもって密着するため、コア基板Kを、その裏面27bの中央部付近に引っ張る収縮応力を生じると共に、それらの電気的特性も安定し易くなる。
【0026】
図5(A)に示すように、コア基板Kの表面26a上方には、前記と同様の表面配線層8、ビルドアップ層BU、ソルダーレジスト層22、およびハンダバンプ24が形成され、コア基板Kの裏面27a下方には、前記同様の裏面配線層9、ソルダーレジスト層11、開口部15、および配線17が形成されている。
以上のような配線基板1aを得るには、絶縁層2の表面2aおよび裏面2bに予め貼り付けた異なる表面粗さの銅箔に対し、フォトリソグラフィ技術を施し、配線層28,29を形成した後、これらの上にエポキシ系樹脂のフイルムを貼り付けて絶縁層26,27を形成し、先ずコア基板Kを形成する。
【0027】
次に、図5(A)に示すように、コア基板Kの所定の位置に、前記同様のスルーホール5、スルーホール導体6、および充填樹脂7を形成する。この際、スルーホール導体6は、その中間で配線層28,29とそれぞれ接続される。
上記コア基板Kの表面26aに、表面粗さの小さい銅箔を貼り付けた後、この上に電解銅メッキを施し且つフォトリソグラフィ技術により、前記同様の厚みを有する表面配線層8を形成する。また、コア基板Kの裏面27bにも、予め表面粗さの大きな銅箔を貼り付け、且つ表面26aにメッキガード(例えばドライフィルムなど)を施した後、電解銅メッキなどを施して、裏面配線層9を形成する。この後は、前記図4(A)に示したビルドアップ工程などを施すことにより、図5(A)に示す配線基板1aが得られる。
以上のような配線基板1aによれば、前記配線基板1と同様の平坦なビルドアップ層BUが得られると共に、コア基板Kにも配線層28,29が内蔵されているため、内部の配線密度を高くすることができる。
【0028】
図6(A)は、異なる形態の配線基板30における主要部の断面を示す。かかる配線基板30は、図6(A)に示すように、多層基板のコア基板K、その表面37に形成した表面配線層50、コア基板Kの表面37の上方に形成したビルドアップ層BU、コア基板Kの裏面34に形成され且つ表面配線層50よりも厚い裏面配線層51、およびコア基板Kの裏面34側に開口する凹部31、を含む。
コア基板Kは、比較的厚肉の第1の絶縁層32および比較的薄肉の第2の絶縁層36から形成される。第1の絶縁層32は、表面33および裏面34を有する厚さが約800μmのガラス−エポキシ樹脂からなり、その中央付近には、凹部31が穿設されている。第2の絶縁層36は、表面37および裏面38を有する厚さ約200μmのガラス−エポキシ樹脂からなり、その中央付近には、直径約100μmのスルーホール47が複数貫通する。スルーホール47の内側には、銅メッキ製のスルーホール導体48と充填樹脂49とが形成されている。
【0029】
図6(A)に示すように、第1の絶縁層32と第2の絶縁層36とは、厚みが約60μmの接着性を有するプリプレグ(接着層)40を介して貼り合わされることにより、積層されている。尚、凹部31は、予め第1の絶縁層32をプレス加工して形成され、平面視で縦・横それぞれ約14mmずつのほぼ正方形を呈する。図6(A)の左右に示すように、上記凹部31の周囲における第1の絶縁層32および第2の絶縁層36には、直径が約100μmの複数のスルーホール43が貫通すると共に、各スルーホール43の内側には、銅メッキ製で長いスルーホール導体44および充填樹脂45が形成されている。
【0030】
また、図6(A)に示すように、第2の絶縁層36の裏面38には、所定パターンを有して銅製で且つ厚みが約15μmである銅メッキ製の配線層41,46が形成され、配線層(電子部品接続配線)46はスルーホール導体48の下端と、配線層41はスルーホール導体44の中間と接続されている。第1の絶縁層32の表面33にも、上記同様の所定パターンおよび厚みを有する銅メッキ製の配線層42が形成され、且つスルーホール導体44の中間と接続されている。
更に、図6(A)に示すように、コア基板Kの表面37には、所定パターンを有し銅メッキ製で厚みが約15〜25μm(本実施形態では20μm)の表面配線層50が形成され、スルーホール導体44,48の上端と接続されている。かかる表面配線層50は、図6(B)に示すように、第2の絶縁層36の表面37に予め貼り付けた銅箔の上に銅メッキ層を形成したもので、第2の絶縁層36に面接触する接触面50aの表面粗さ(Rz)が3〜7μmと比較的平滑である。
【0031】
図6(A)に示すように、コア基板Kの表面37と配線層50との上方には、エポキシ系樹脂の絶縁層54,60および配線層58,64を交互に積層したビルドアップ層BUが形成される。絶縁層54,60には、表面配線層50、配線層58,64の間を相互に接続するフィルドビア導体56,62が形成される。絶縁層60および配線層64の上には、最上層のソルダーレジスト層(絶縁層)66が形成される。尚、絶縁層54などの厚みは約30μmで、ソルダーレジスト層66の厚みは約25μmである。
図6(A)に示すように、配線層64上の所定の位置には、第1主面(表面)67よりも高く突出する複数のハンダバンプ(ICチップ接続端子)68が個別に形成される。かかるハンダバンプ68は、第1主面67上に実装する図示しないICチップ(半導体素子)の接続端子と個別に接続される。上記バンプ68は、Sn−Ag系、Pb−Sn系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Cu系、Sn−Zn系など(本実施形態ではSn−Ag系)の低融点合金からなる。
【0032】
また、図6(A)に示すように、第1の絶縁層32および第2の絶縁層36により形成される凹部31には、複数のチップコンデンサ(電子部品)70が実装される。上記コンデンサ70は、両側面の上端および下端に突出する電極72を図6(A)の前後方向に沿って複数有し、例えばチタン酸バリウムを主成分とする誘電体層および内部電極となるNi層を交互に積層したセラミックスコンデンサで、3.2mm×1.6mm×0.7mmのサイズである。かかるコンデンサ70の上端の電極72は、図示しないハンダを介してスルーホール導体48の下端に位置する配線層46と接続されている。一方、コンデンサ70における下端の電極72は、裏面配線層51とほぼ同じ高さに位置する。
【0033】
図6(A)に示すように、コア基板Kの裏面34には、厚さ約20μmの裏面配線層51がほぼ全面に形成される。裏面配線層51は、第1の絶縁層32の裏面34に予め貼り付けた銅箔上に銅メッキ層を形成したもので、図6(C)に示すように、第1の絶縁層32に接触する接触面51aの表面粗さ(Rz)が6〜10μmと比較的粗で且つ表面配線層50の接触面50aよりも3〜7μm粗である。図6(A)に示すように、コア基板Kの裏面34と裏面配線層51の下側には、前記同様の厚みを有するソルダーレジスト層(絶縁層)52が形成され、裏面配線層51から延び且つ第2主面69側に開口する開口部53の底部には配線51aが露出する。かかる配線51aは、表面にNiおよびAuメッキ膜が被覆され、当該配線基板30自体を搭載する図示しないマザーボードなどのプリント基板との接続端子として活用される。尚、配線51aには、ハンダボールや銅系または鉄系合金からなるピンなどを接合しても良い。また、前記コンデンサ70の下端の電極72も、ハンダボールなどを介してマザーボードなどと接続しても良い。
【0034】
以上のような配線基板30によれば、前記配線基板1,1aと同様に平坦なビルドアップ層BUが得られ、且つ裏面配線層51の電気的特性が安定すると共に、コア基板Kの凹部31にチップコンデンサ70が実装されているため、第1主面67上に実装するICチップなどとの配線経路を短くでき、クロストークノイズを低減し、安定した導通が取れる。また、上記チップコンデンサ70を直にプリント基板などに接続することも容易となる。
尚、前記凹部31の面積は、平面視においてコア基板Kの約40%以下の面積比とすることが、表面粗さが異なる表面配線層50および裏面配線層51による前記効果を得る上で望ましい。また、凹部31内で各チップコンデンサ70を、その下端の電極72を除いて埋め込み樹脂によりモールドして内蔵しても良い。
【0035】
本発明は以上において説明した形態に限定されるものではない。
前記コア基板Kは、単一の絶縁層からなるものとし、その裏面側に開口する凹部31をルータ(座ぐり)加工により形成したものを用いても良い。
前記コア基板2やコア基板Kの絶縁層32,36の材質は、前記ガラス−エポキシ樹脂系の複合材料の他、ビスマレイミド・トリアジン(BT)樹脂、エポキシ樹脂、同様の耐熱性、機械強度、可撓性、加工容易性などを有するガラス織布や、ガラス織布などのガラス繊維とエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、またはBT樹脂などの樹脂との複合材料であるガラス繊維−樹脂系の複合材料を用いても良い。あるいは、ポリイミド繊維などの有機繊維と樹脂との複合材料や、連続気孔を有するPTFEなど3次元網目構造のフッ素系樹脂にエポキシ樹脂などの樹脂を含浸させた樹脂−樹脂系の複合材料などを用いることも可能である。
【0036】
また、前記表面配線層8などや、スルーホール導体6などの材質は、前記Cuの他、Ag、Ni、Ni−Au系などにしても良く、あるいは、これら金属のメッキ層を用いず、導電性樹脂を塗布するなどの方法により形成しても良い。
更に、前記絶縁層10,16などの材質は、前記エポキシ樹脂を主成分とするもののほか、同様の耐熱性、パターン成形性等を有するポリイミド樹脂、BT樹脂、PPE樹脂、あるいは、連続気孔を有するPTFEなど3次元網目構造のフッ素系樹脂にエポキシ樹脂などの樹脂を含浸させた樹脂−樹脂系の複合材料などを用いることもできる。尚、絶縁層の形成には、絶縁性の樹脂フィルムを熱圧着する方法のほか、液状の樹脂をロールコータにより塗布する方法を用いることもできる。尚また、絶縁層に混入するガラス布またはガラスフィラの組成は、Eガラス、Dガラス、Qガラス、Sガラスの何れか、またはこれらのうちの2種類以上を併用したものとしても良い。
【0037】
また、ビア導体は、前記フィルドビア導体12などでなく、内部が完全に導体で埋まってない逆円錐形状のコンフォーマルビア導体とすることもできる。あるいは、各ビア導体の軸心をずらしつつ積み重ねるスタッガードの形態でも良いし、途中で平面方向に延びる配線層が介在する形態としても良い。
また、前記凹部31に実装または内蔵する電子部品は、1つのみでも良い。逆に、多数の配線基板30を含む多数個取りの基板(パネル)内における製品単位1個内に、複数の凹部31を形成しても良い。更に、複数のチップ状電子部品を互いの側面間で予め接着したユニットとし、これを凹部31内に実装することもできる。また、チップ状電子部品には、前記チップコンデンサ70などの他、チップ状のインダクタ、抵抗、フィルタなどの受動部品や、トランジスタ、半導体素子、FET、ローノイズアンプ(LNA)などの能動部品、あるいはSAWフィルタ、LCフィルタ、アンテナスイッチモジュール、カプラ、ダイプレクサ、ICチップ、半導体集積回路なども含まれる。しかも、互いに異種の電子部品同士を配線基板30の同じ凹部31内に併せて実装することも可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上に説明した本発明の配線基板(請求項1)によれば、裏面配線層は、表面配線層に比べてコア基板と強固に密着し且つその中央部付近に向って収縮し易くなる。この結果、裏面配線層の電気的特性が安定する。また、コア基板の表面に形成した表面配線層およびビルドアップ層を形成する複数の配線層および複数の絶縁層からなる表面側と、コア基板の裏面に形成した裏面配線層およびソルダーレジスト層からなる裏面側との熱膨張の差をなくすか、小さくできる。従って、配線基板全体が、ビルドアップ層寄りに反って中央付近が凹む事態を防止または抑制できるため、ビルドアップ層を平坦にでき、且つその内部の複数の配線層もファインパターンとなる。しかも、配線基板の第1主面上に実装すべきICチップや半導体素子なども容易に実装可能となる。
【0039】
一方、本発明の配線基板の製造方法(請求項3)によれば、裏面配線層が表面配線層に比べてコア基板と強固に密着し、裏面配線層の電気的特性が安定すると共に、平坦で且つファインパターンの配線層を含むビルドアップ層を有する配線基板を、確実に提供可能となる。
更に、請求項4の配線基板の製造方法によれば、前記配線基板を一層効率良く製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の配線基板における主要部を示す断面図、(B),(C)は(A)中の一点鎖線部分B,Cの拡大図。
【図2】 (A)〜(C)は図1(A)の配線基板の製造方法における各工程を示す概略図、(α),(β)は(A)中の一点鎖線部分α,βの拡大図。
【図3】 (A)〜(C)は図2(C)に続く各製造工程を示す概略図。
【図4】 (A)は図3(C)に続く製造工程を示す概略図、(B)は得られた配線基板を示す概略断面図。
【図5】 (A)は図1(A)の配線基板の応用形態である配線基板の主要部を示す断面図、(B),(C)は(A)中の一点鎖線部分B,Cの拡大図。
【図6】 (A)は異なる形態の配線基板における主要部を示す断面図、(B),(C)は(A)中の一点鎖線部分B,Cの拡大図。
【符号の説明】
1,1a,30……………………………配線基板
2,K………………………………………コア基板
2a,26a,37………………………表面
2b,27b,34………………………裏面
3,4………………………………………銅箔(金属箔)
3a,4a,8a,9a,50a,51a…接触面
8,50……………………………………表面配線層
9,51……………………………………裏面配線層
10,16,54,60…………………絶縁層
14,20,58,64…………………配線層
BU…………………………………………ビルドアップ層
【発明の属する技術分野】
本発明は、コア基板の表面上方のみ(片面)にビルドアップ層を有する配線基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、低コスト化の要請に応じ、コア基板の表面(片面)上方にのみ複数の絶縁層および複数の配線層を交互に積層したビルドアップ層を形成する配線基板が提案されている。
しかしながら、コア基板の表面上のみ(片面)にビルドアップ層を形成した場合、かかるコア基板の表面に形成した表面配線層と上記ビルドアップ層を形成する複数の配線層および複数の絶縁層とからなる表面側と、コア基板の裏面に形成した裏面配線層およびソルダーレジスト層からなる裏面側との間では、当該コア基板を挟んで熱膨張率に差が生じる。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
この結果、得られる配線基板全体が、上記ビルドアップ層寄りに反る、即ちビルドアップ層の中央付近が凹むため、かかるビルドアップ層の平坦性が確保できなくなると共に、当該ビルドアップ層の表面上に実装すべきICチップや半導体素子などの電子部品が実装できなくなる、という問題があった。また、ビルドアップ層が形成されないコア基板の裏面に形成する配線層は、外気に触れ易くなり、電気的信頼性が低下するおそれがある、という問題もあった。
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、コア基板の片面にのみビルドアップ層を有し且つかかるビルドアップ層とファインパターンの配線層とを含み全体が反ることなく平坦性および信頼性が確保された配線基板およびその製造方法を提供する、ことを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、コア基板の表面および裏面に個別に形成する表面配線層と裏面配線層との表面粗さを相違させる、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の配線基板(請求項1)は、表面および裏面を有し、かかる表面に表面配線層を有し且つ裏面に裏面配線層を有するコア基板と、かかるコア基板の表面上方に複数の絶縁層および複数の配線層を含むビルドアップ層と、を備え、上記表面配線層における上記コア基板との接触面の表面粗さは、上記裏面配線層における上記コア基板との接触面の表面粗さよりも小さい、ことを特徴とする。
【0005】
これによれば、裏面配線層は、表面配線層に比べてコア基板と強固に密着し、且つその中央部付近に向けて収縮し易くなる。このため、裏面配線層の電気的特性が安定する。また、コア基板の表面に形成した表面配線層および上記ビルドアップ層を形成する複数の配線層および複数の絶縁層からなる表面側と、コア基板の裏面に形成した裏面配線層およびソルダーレジスト層からなる裏面側との熱膨張の差をなくすか、小さくすることができる。従って、配線基板全体が、従来のようにビルドアップ層寄りに反る、即ちビルドアップ層の中央付近が凹む事態を防止または抑制できるため、当該ビルドアップ層の平坦性が確保できると共に、複数の配線層もファインパターンとなる。しかも、配線基板の表面(第1主面)上に実装すべきICチップや半導体素子などを容易に実装することが可能となる。尚、上記コア基板には、単一の絶縁層からなる形態の他、複数の絶縁層とその間に配置した配線層とを有する多層基板の形態も含まれる。また、配線基板には、上記コア基板の表面および裏面の間を貫通する貫通孔内またはコア基板の裏面側に開口する凹部内に電子部品(チップコンデンサ、ICチップなど)を実装または内蔵する形態も含まれる。
【0006】
付言すれば、本発明には、表面および裏面を有し、かかる表面に表面配線層を有し且つ裏面に裏面配線層を有するコア基板と、かかるコア基板の表面および裏面間を貫通し且つ上記表面配線層と裏面配線層とを接続するスルーホール導体と、上記コア基板の表面上方に複数の絶縁層および複数の配線層を含むビルドアップ層と、を備え、上記表面配線層における上記コア基板との接触面の表面粗さは、上記裏面配線層における上記コア基板との接触面の表面粗さよりも小さい、配線基板も含まれ得る。
【0007】
また、本発明には、前記コア基板の表面に接触する前記表面配線層の表面粗さ(Rz:十点平均粗さ)は3〜7μmの範囲にあり、上記コア基板の裏面に接触する前記裏面配線層の表面粗さ(Rz)は6〜10μmの範囲にある、配線基板(請求項2)も含まれる。これによれば、裏面配線層は、表面配線層に比べてコア基板と高いピール強度をもって強固に密着するため、平坦なビルドアップ層およびその内部にファインパターンの配線層を有する配線基板とすることが一層確実になる。尚、表面配線層の表面粗さは、3μm未満にするとコア基板との密着性が十分に得られず、一方、7μm超とするとビルドアップ配線をファインパターンとしにくくなるため、上記範囲とした。
また、裏面配線層の表面粗さは、6μm未満にするとコア基板との密着性が不足し始め、一方、10μm超とするとコア基板の裏面付近におけるピール強度が低下し始める。しかも、裏面絶縁層のパターン形成時の(例えば公知のサブトラクティブ法による)エッチング残りの発生、およびパターン形成時の平滑性の喪失、あるいはビルドアップ層側に発生する反りの矯正力の低下が起こるため、上記範囲としたものである。更に、表面配線層と裏面配線層との間における表面粗さの差は、3μm以上とすることにより、上述した効果を確保することができる。
【0008】
一方、本発明の配線基板の製造方法(請求項3)は、表面および裏面を有するコア基板において、かかる表面に表面配線層を形成し且つ裏面に裏面配線層を形成する工程と、上記コア基板の表面上方に複数の絶縁層および複数の配線層を含むビルドアップ層を形成するビルドアップ工程と、を含む配線基板の製造方法であって、上記コア基板の表面および裏面に予め形成され且つ上記表面配線層の一部または上記裏面配線層の一部となる一対の金属箔のうち、かかるコア基板の表面に形成した金属箔の表面粗さは、かかるコア基板の裏面に形成した金属箔の表面粗さよりも小さく設定されている、ことを特徴とする。
これによれば、裏面配線層は表面配線層に比べてコア基板と強固に密着し、その電気的信頼性が確保できると共に、平坦なビルドアップ層およびファインパターンの配線層を有する配線基板を、確実に提供することが可能となる。尚、上記金属箔には、銅箔のほか、純アルミニウム系のアルミ箔も含まれる。
【0009】
また、本発明には、前記コア基板の表面の金属箔の表面粗さ(Rz)は3〜7μmの範囲にあり、上記コア基板の裏面の金属箔の表面粗さ(Rz)は6〜10μmの範囲にある、配線基板の製造方法を含めることも可能である。
これによる場合、裏面配線層は表面配線層に比べてコア基板に高いピール強度をもって強固に密着し、平坦なビルドアップ層およびその内部にファインパターンの配線層を有する配線基板を提供するすることが一層確実にし得る。
尚、表面の金属箔の表面粗さを、3μm未満にするとコア基板2との密着性が不足し、一方、7μm超とするとビルドアップ配線をファインパターンとしにくくなるため、上記範囲とした。また、裏面の金属箔の表面粗さを、6μm未満にするとコア基板との密着性が不足し始め、一方、10μm超とするとコア基板の裏面付近におけるピール強度が低下し始めるため、上記範囲としたものである。
【0010】
更に、本発明には、前記コア基板は、複数のコア基板を有するパネル内の製品単位であり、前記表面の金属箔および前記裏面の金属箔は上記パネルの表面と裏面における複数の製品単位にわたり形成されている、配線基板の製造方法(請求項4)も含まれる。これによれば、前記配線基板を一層効率良く製造可能となる。尚、前記ビルドアップ工程は、表面配線層および裏面配線層を形成した一対のコア基板を、離型シートなどを介して厚み方向に積層した状態で行うと、一層平坦なビルドアップ層を形成することができる。しかも、かかる工程を、複数のコア基板をそれぞれ含む一対のパネル同士を積層した状態で行うと、一層平坦なビルドアップ層を形成することが確実且つ効率良く行える。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1(A)は、本発明の配線基板1における主要部の断面を示す。
かかる配線基板1は、図1(A)に示すように、表面2aおよび裏面2bを有するコア基板2と、かかるコア基板2の表面2aに形成した表面配線層8と、コア基板2の表面2aの上方に形成されたビルトアップ層BUと、コア基板の裏面2bに形成した裏面配線層9と、を備えている。
コア基板2は、厚さ約800μmのガラス−エポキシ樹脂からなる単一の絶縁層である。図1(A)に示すように、コア基板2には、その表面2aと裏面2bとの間を貫通する複数のスルーホール5と、それらの内側に位置する銅メッキ製のスルーホール導体6および充填樹脂7と、が形成されている。尚、各スルーホール導体6は、上記表面配線層10と裏面配線層11との間を接続する。また、表面配線層8および裏面配線層9の厚みは、約25μmである。
【0012】
図1(B)に示すように、表面配線層8において、コア基板2の表面2aと接触する接触面3aの表面粗さ(Rz:十点平均粗さ)は、3〜7μmと比較的平滑で且つ緻密である。一方、図1(C)に示すように、裏面配線層9において、コア基板2の裏面2bと接触する接触面4aの表面粗さ(Rz)は、6〜10μmと比較的粗とされている。表面配線層8の接触面3aと裏面配線層9の接触面4aとの表面粗さ(Rz)の差は、3〜7μmである。
かかる表面配線層8の接触面3aおよび裏面配線層8の接触面4aの各表面粗さ(Rz)は、後述するように、予めコア基板2の表面2aおよび裏面2bに貼り付けられる銅箔(金属箔)の表面粗さによるものである。
【0013】
図1(A)に示すように、コア基板2の表面2aの上方には、絶縁層10,16および銅メッキ製の配線層14,20(厚さ約15μm)を交互に積層したビルトアップ層BUが形成されている。絶縁層10,16は、厚さが約30μmの無機フィラを含むエポキシ系樹脂からなり、これらの適所には、表面配線層8、配線層14,20の相互間を接続するビア導体(フィルドビア導体)12,18が形成されている。また、絶縁層16および配線層20の上には、厚さが約25μmのソルダーレジスト層(絶縁層)22が形成されている。
【0014】
図1(A)に示すように、配線層20上の適所には、第1主面23よりも高く突出するハンダバンプ(IC接続端子)24が複数形成される。かかるハンダバンプ24は、Sn−Ag系、Pb−Sn系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Cu系、Sn−Zn系など(本実施形態ではSn−Ag系)の低融点合金からなり、第1主面23上に実装されるICチップ(電子部品)25の接続端子(図示せず)と個別に接続される。尚、複数のハンダバンプ24とICチップ25の接続端子とは、図示しないアンダーフィル材により埋設され且つ保護される。
【0015】
図1(A)に示すように、コア基板2の裏面2bおよび裏面配線層9の下には、厚さが約25μmのソルダーレジスト層(絶縁層)11が形成される。
裏面配線層9から延び且つソルダーレジスト層11に形成した開口部15内から第2主面13側に露出する配線17は、その表面にNiメッキ膜およびAuメッキ膜が被覆され、当該配線基板1自体を搭載する図示しないマザーボードなどのプリント基板との接続端子として活用される。尚、配線17には、ハンダボールや銅系または鉄系合金からなるピンなどを接合しても良い。
【0016】
以上のような配線基板1によれば、コア基板2の表面2aに形成した表面配線層8の接触面3aの表面粗さが、裏面2bに形成した裏面配線層9の接触面4aよりも小さく設定されている。このため、表面配線層8と前記ビルドアップ層BUを形成する複数の配線層14,20および複数の絶縁層10,16とからなる表面側と、コア基板2の裏面2bに形成した裏面配線層9およびソルダーレジスト層11からなる裏面側との熱膨張の差をなくすか、小さくできる。この結果、配線基板1全体が、表面側のビルドアップ層BU寄りに反る変形を防止または抑制できるため、当該ビルドアップ層BUの平坦性が確保できる。しかも、ビルドアップ層BUの配線層14,20をファインパターンにできると共に、当該配線基板1の第1主面23上にICチップ25や半導体素子などを容易に実装することが可能となる。また、裏面配線層9は、コア基板2の裏面2bに密着するため、電気的特性の信頼性を確保できる。従って、信頼性の高い配線基板1となる。
【0017】
ここで、前記配線基板1の製造方法について説明する。
図2(A)に示すように、コア基板2は、その表面2aに厚さ約15μmの銅箔(金属箔)3が、その裏面2bにはほぼ同じ厚さの銅箔(金属箔)4が予め貼り付けられている。図2(α)に示すように、銅箔3の表面粗さ(Rz)は、3〜7μmの範囲内と、比較的平滑で且つ緻密である。このため、銅箔3は、コア基板2の表面2aと接触する接触面3aにおいて、所要のピール強度でコア基板2と密着している。一方、図2(β)に示すように、銅箔4の表面粗さ(Rz)は、6〜10μmの範囲内と比較的粗であり、銅箔3,4間の表面粗さの差は、3〜7μmである。このため、銅箔4は、コア基板2の裏面2bと接触する接触面4aにおいて、高いピール強度により、かかるコア基板2に強固に密着している。尚、上記図2(α),図2(β)は、図2(A)中の一点鎖線部分α,βの拡大図である。
【0018】
上記コア基板2の所定の位置にレーザを照射するか、細径のドリルにて穿孔する。その結果、図2(B)に示すように、コア基板2における表面2aと裏面2bとの間を貫通し且つ内径が約100μmのスルーホール5が複数形成される。
次に、複数のスルーホール5を有するコア基板2の全面に対し、無電解銅メッキおよび電解銅メッキを施す。尚、各スルーホール5の内壁には、予めPdを含むメッキ触媒を塗布しておく。また、上記スルーホール5の穿孔および銅メッキは、複数のコア基板2(製品単位)を含むパネル(多数個取りの基板)の状態で行っても良い。その結果、図2(C)に示すように、各スルーホール5の内壁表面に沿って厚みが約15μmのスルーホール導体6がそれぞれ形成される。また、銅箔3,4は、厚めの銅メッキ層3c,4c(便宜上厚みは銅箔3,4と同じとする)となる。この際、銅メッキ層3c,4cには、前記接触面3a,4aが残るが、これらと反対側の外側面3b,4bの表面粗さは、上記メッキで平滑化される。
【0019】
次いで、図3(A)に示すように、各スルーホール導体6の内側に、シリカフィラなどの無機フィラ入りのエポキシ系樹脂からなる充填樹脂7を充填する。尚、充填樹脂7に替え、多量の金属粉末を含む導電性樹脂または金属粉末を含む非導電性樹脂を用いても良い。更に、表面2aおよび裏面2bの前記銅メッキ層3c,4cの上に、全面銅メッキを行い且つ充填樹脂7の表面に蓋メッキを行う。
そして、公知のフォトリソグラフィ技術により、所定のパターンを有する図示しないエッチングレジストを形成した後、かかるエッチングレジストのパターン間の隙間から露出する銅メッキ層3c,4cをエッチング(公知のサブトラクティブ法)する。
【0020】
その結果、図3(A)に示すように、コア基板2の表面2aおよび裏面2bに、上記レジストのパターンに倣った表面配線層8または裏面配線層9が形成される。この表面配線層8や裏面配線層9の厚みは約15μmである。尚、充填樹脂7の表面の真上にビア導体を形成しない場合には、上記蓋メッキを省いても良い。次に、図3(B)に示すように、表面配線層8および裏面配線層9を形成したコア基板2における裏面2bおよび裏面配線層9の下に、エポキシ樹脂を主成分とする厚みが約25μmのソルダーレジスト層(絶縁層)11を形成する。
そして、図3(C)に示すように、一対のコア基板2,2を、それぞれのソルダーレジスト層11を対向させ、離型シートrを挟んで積層し且つ固定する。
かかる離型シートrには、例えば一対のフィルム間に熱可塑性樹脂からなるクッション材を挟み且つその周縁で上記フィルムにより密封したシート状のものが用いられる。尚、上記クッション材には、柔軟性(弱い弾性)を有する熱可塑性樹脂(商品名:パコタンプラス)を用いる。また、かかるクッション材には、PETフィルムや、フッ素樹脂(テフロン:登録商標)シートなどを使用しても良い。
【0021】
次いで、図4(A)に示すように、何れかのコア基板2の表面2aの上方に、絶縁層10を形成し且つ表面配線層8上の所定の位置にフィルドビア導体12を形成する。これ以降は、ビルドアップ層BUを絶縁層10など共に形成する絶縁層16、配線層14,20、フィルドビア導体18、ソルダーレジスト層22を公知のビルドアップ工程(セミアディティブ法、フルアディティブ法、サブトラクティブ法、フィルム状樹脂材料のラミネートによる絶縁層の形成、フォトリソグラフィ技術など)により形成する(ビルドアップ工程)。また、配線層20上には、第1主面23よりも高く突出するハンダバンプ24を複数形成する。
尚、残りのコア基板2の表面2aの上方にも、上記同様にしてビルドアップ層BUなどを形成する。また、以上のビルドアップ工程は、複数のコア基板2を有する一対のパネル(多数個取り用パネル)を互いに積層した状態で行っても良い。
【0022】
そして、図4(B)に示すように、離型シートrを除去して個別に分離したビルドアップ層BUなどを有するコア基板2の裏面2b下におけるソルダーレジスト層11に対しレーザ加工などを行って、かかるソルダーレジスト層11における所定の位置に開口部15を形成する。裏面配線層9から延び且つ開口部15内から第2主面13側に露出する配線17は、その表面にNiメッキ膜およびAuメッキ膜が被覆され、当該配線基板1自体を搭載する図示しないマザーボードなどのプリント基板との接続端子となる。これにより、図4(B)に示すように、前記ICチップ25を実装する直前の配線基板1を得ることができる。
【0023】
以上のような配線基板1の製造方法によれば、表面配線層8におけるコア基板2との接触面3aの表面粗さは、裏面配線層9におけるコア基板2との接触面4aの表面粗さよりも小さくされている。このため、裏面配線層9は、表面配線層8よりも高いピール強度によりコア基板2に密着し、その電気的特性が安定すると共に、コア基板2の裏面2bの中央付近に向けて収縮しようとする応力を有する。これにより、コア基板2の表面2a上方に、絶縁層10,16および配線層14,20からなるビルドアップ層BUを形成しても、第1主面23側が凹む反りをなくすか、小さくできる。しかも、一対のコア基板2,2を積層した状態でビルドアップ工程を行うため、上記反りを抑えて平坦としたビルドアップ層BUを一層確実に形成することができる。従って、反り変形がなく、平坦なビルドアップ層BUを有すると共に、ICチップ25などの実装も容易に行え且つ信頼性の安定した配線基板1を確実に提供することができる。
【0024】
図5(A)は、前記配線基板1の応用形態の配線基板1aにおける断面を示す。配線基板1aは、図5(A)に示すように、多層基板のコア基板Kと、かかるコア基板Kの表面26aに形成した表面配線層8と、コア基板Kの表面26aの上方に形成したビルトアップ層BUと、コア基板Kの裏面27aに形成した裏面配線層9と、を備えている。
図5(A)に示すように、コア基板Kは、絶縁層2と、その表面2aや裏面2b上に形成した配線層28,29と、これらの上に形成した絶縁層26,27と、からなる多層基板である。絶縁層2は、平面視がほぼ正方形で且つ厚みが500μm未満のガラスクロスまたはガラス繊維入りのエポキシ樹脂からなる。
また、配線層28,29は、厚さ10数μmの銅メッキ層であり、絶縁層26,27は、ガラスフィラなどの無機フィラを含む厚さ数10μmのエポキシ系樹脂からなる。かかるコア基板K全体の厚みは、約600〜800μmである。
【0025】
図5(B)に示すように、配線層28および表面配線層8は、絶縁層2,26の表面2a,26aとの接触面28a,8aの表面粗さ(Rz)が3〜7μmと比較的平滑である。一方、図5(C)に示すように、配線層29および裏面配線層9は、絶縁層2,27の裏面2b,27bとの接触面29a,9aの表面粗さ(Rz)が6〜10μmと比較的粗である。表面配線層8などの接触面28a,8aと裏面配線層9などの接触面29a,9aとの表面粗さ(Rz)の差は3〜7μmである。この結果、配線層29および裏面配線層9は、絶縁層2,27に高いピール強度をもって密着するため、コア基板Kを、その裏面27bの中央部付近に引っ張る収縮応力を生じると共に、それらの電気的特性も安定し易くなる。
【0026】
図5(A)に示すように、コア基板Kの表面26a上方には、前記と同様の表面配線層8、ビルドアップ層BU、ソルダーレジスト層22、およびハンダバンプ24が形成され、コア基板Kの裏面27a下方には、前記同様の裏面配線層9、ソルダーレジスト層11、開口部15、および配線17が形成されている。
以上のような配線基板1aを得るには、絶縁層2の表面2aおよび裏面2bに予め貼り付けた異なる表面粗さの銅箔に対し、フォトリソグラフィ技術を施し、配線層28,29を形成した後、これらの上にエポキシ系樹脂のフイルムを貼り付けて絶縁層26,27を形成し、先ずコア基板Kを形成する。
【0027】
次に、図5(A)に示すように、コア基板Kの所定の位置に、前記同様のスルーホール5、スルーホール導体6、および充填樹脂7を形成する。この際、スルーホール導体6は、その中間で配線層28,29とそれぞれ接続される。
上記コア基板Kの表面26aに、表面粗さの小さい銅箔を貼り付けた後、この上に電解銅メッキを施し且つフォトリソグラフィ技術により、前記同様の厚みを有する表面配線層8を形成する。また、コア基板Kの裏面27bにも、予め表面粗さの大きな銅箔を貼り付け、且つ表面26aにメッキガード(例えばドライフィルムなど)を施した後、電解銅メッキなどを施して、裏面配線層9を形成する。この後は、前記図4(A)に示したビルドアップ工程などを施すことにより、図5(A)に示す配線基板1aが得られる。
以上のような配線基板1aによれば、前記配線基板1と同様の平坦なビルドアップ層BUが得られると共に、コア基板Kにも配線層28,29が内蔵されているため、内部の配線密度を高くすることができる。
【0028】
図6(A)は、異なる形態の配線基板30における主要部の断面を示す。かかる配線基板30は、図6(A)に示すように、多層基板のコア基板K、その表面37に形成した表面配線層50、コア基板Kの表面37の上方に形成したビルドアップ層BU、コア基板Kの裏面34に形成され且つ表面配線層50よりも厚い裏面配線層51、およびコア基板Kの裏面34側に開口する凹部31、を含む。
コア基板Kは、比較的厚肉の第1の絶縁層32および比較的薄肉の第2の絶縁層36から形成される。第1の絶縁層32は、表面33および裏面34を有する厚さが約800μmのガラス−エポキシ樹脂からなり、その中央付近には、凹部31が穿設されている。第2の絶縁層36は、表面37および裏面38を有する厚さ約200μmのガラス−エポキシ樹脂からなり、その中央付近には、直径約100μmのスルーホール47が複数貫通する。スルーホール47の内側には、銅メッキ製のスルーホール導体48と充填樹脂49とが形成されている。
【0029】
図6(A)に示すように、第1の絶縁層32と第2の絶縁層36とは、厚みが約60μmの接着性を有するプリプレグ(接着層)40を介して貼り合わされることにより、積層されている。尚、凹部31は、予め第1の絶縁層32をプレス加工して形成され、平面視で縦・横それぞれ約14mmずつのほぼ正方形を呈する。図6(A)の左右に示すように、上記凹部31の周囲における第1の絶縁層32および第2の絶縁層36には、直径が約100μmの複数のスルーホール43が貫通すると共に、各スルーホール43の内側には、銅メッキ製で長いスルーホール導体44および充填樹脂45が形成されている。
【0030】
また、図6(A)に示すように、第2の絶縁層36の裏面38には、所定パターンを有して銅製で且つ厚みが約15μmである銅メッキ製の配線層41,46が形成され、配線層(電子部品接続配線)46はスルーホール導体48の下端と、配線層41はスルーホール導体44の中間と接続されている。第1の絶縁層32の表面33にも、上記同様の所定パターンおよび厚みを有する銅メッキ製の配線層42が形成され、且つスルーホール導体44の中間と接続されている。
更に、図6(A)に示すように、コア基板Kの表面37には、所定パターンを有し銅メッキ製で厚みが約15〜25μm(本実施形態では20μm)の表面配線層50が形成され、スルーホール導体44,48の上端と接続されている。かかる表面配線層50は、図6(B)に示すように、第2の絶縁層36の表面37に予め貼り付けた銅箔の上に銅メッキ層を形成したもので、第2の絶縁層36に面接触する接触面50aの表面粗さ(Rz)が3〜7μmと比較的平滑である。
【0031】
図6(A)に示すように、コア基板Kの表面37と配線層50との上方には、エポキシ系樹脂の絶縁層54,60および配線層58,64を交互に積層したビルドアップ層BUが形成される。絶縁層54,60には、表面配線層50、配線層58,64の間を相互に接続するフィルドビア導体56,62が形成される。絶縁層60および配線層64の上には、最上層のソルダーレジスト層(絶縁層)66が形成される。尚、絶縁層54などの厚みは約30μmで、ソルダーレジスト層66の厚みは約25μmである。
図6(A)に示すように、配線層64上の所定の位置には、第1主面(表面)67よりも高く突出する複数のハンダバンプ(ICチップ接続端子)68が個別に形成される。かかるハンダバンプ68は、第1主面67上に実装する図示しないICチップ(半導体素子)の接続端子と個別に接続される。上記バンプ68は、Sn−Ag系、Pb−Sn系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Cu系、Sn−Zn系など(本実施形態ではSn−Ag系)の低融点合金からなる。
【0032】
また、図6(A)に示すように、第1の絶縁層32および第2の絶縁層36により形成される凹部31には、複数のチップコンデンサ(電子部品)70が実装される。上記コンデンサ70は、両側面の上端および下端に突出する電極72を図6(A)の前後方向に沿って複数有し、例えばチタン酸バリウムを主成分とする誘電体層および内部電極となるNi層を交互に積層したセラミックスコンデンサで、3.2mm×1.6mm×0.7mmのサイズである。かかるコンデンサ70の上端の電極72は、図示しないハンダを介してスルーホール導体48の下端に位置する配線層46と接続されている。一方、コンデンサ70における下端の電極72は、裏面配線層51とほぼ同じ高さに位置する。
【0033】
図6(A)に示すように、コア基板Kの裏面34には、厚さ約20μmの裏面配線層51がほぼ全面に形成される。裏面配線層51は、第1の絶縁層32の裏面34に予め貼り付けた銅箔上に銅メッキ層を形成したもので、図6(C)に示すように、第1の絶縁層32に接触する接触面51aの表面粗さ(Rz)が6〜10μmと比較的粗で且つ表面配線層50の接触面50aよりも3〜7μm粗である。図6(A)に示すように、コア基板Kの裏面34と裏面配線層51の下側には、前記同様の厚みを有するソルダーレジスト層(絶縁層)52が形成され、裏面配線層51から延び且つ第2主面69側に開口する開口部53の底部には配線51aが露出する。かかる配線51aは、表面にNiおよびAuメッキ膜が被覆され、当該配線基板30自体を搭載する図示しないマザーボードなどのプリント基板との接続端子として活用される。尚、配線51aには、ハンダボールや銅系または鉄系合金からなるピンなどを接合しても良い。また、前記コンデンサ70の下端の電極72も、ハンダボールなどを介してマザーボードなどと接続しても良い。
【0034】
以上のような配線基板30によれば、前記配線基板1,1aと同様に平坦なビルドアップ層BUが得られ、且つ裏面配線層51の電気的特性が安定すると共に、コア基板Kの凹部31にチップコンデンサ70が実装されているため、第1主面67上に実装するICチップなどとの配線経路を短くでき、クロストークノイズを低減し、安定した導通が取れる。また、上記チップコンデンサ70を直にプリント基板などに接続することも容易となる。
尚、前記凹部31の面積は、平面視においてコア基板Kの約40%以下の面積比とすることが、表面粗さが異なる表面配線層50および裏面配線層51による前記効果を得る上で望ましい。また、凹部31内で各チップコンデンサ70を、その下端の電極72を除いて埋め込み樹脂によりモールドして内蔵しても良い。
【0035】
本発明は以上において説明した形態に限定されるものではない。
前記コア基板Kは、単一の絶縁層からなるものとし、その裏面側に開口する凹部31をルータ(座ぐり)加工により形成したものを用いても良い。
前記コア基板2やコア基板Kの絶縁層32,36の材質は、前記ガラス−エポキシ樹脂系の複合材料の他、ビスマレイミド・トリアジン(BT)樹脂、エポキシ樹脂、同様の耐熱性、機械強度、可撓性、加工容易性などを有するガラス織布や、ガラス織布などのガラス繊維とエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、またはBT樹脂などの樹脂との複合材料であるガラス繊維−樹脂系の複合材料を用いても良い。あるいは、ポリイミド繊維などの有機繊維と樹脂との複合材料や、連続気孔を有するPTFEなど3次元網目構造のフッ素系樹脂にエポキシ樹脂などの樹脂を含浸させた樹脂−樹脂系の複合材料などを用いることも可能である。
【0036】
また、前記表面配線層8などや、スルーホール導体6などの材質は、前記Cuの他、Ag、Ni、Ni−Au系などにしても良く、あるいは、これら金属のメッキ層を用いず、導電性樹脂を塗布するなどの方法により形成しても良い。
更に、前記絶縁層10,16などの材質は、前記エポキシ樹脂を主成分とするもののほか、同様の耐熱性、パターン成形性等を有するポリイミド樹脂、BT樹脂、PPE樹脂、あるいは、連続気孔を有するPTFEなど3次元網目構造のフッ素系樹脂にエポキシ樹脂などの樹脂を含浸させた樹脂−樹脂系の複合材料などを用いることもできる。尚、絶縁層の形成には、絶縁性の樹脂フィルムを熱圧着する方法のほか、液状の樹脂をロールコータにより塗布する方法を用いることもできる。尚また、絶縁層に混入するガラス布またはガラスフィラの組成は、Eガラス、Dガラス、Qガラス、Sガラスの何れか、またはこれらのうちの2種類以上を併用したものとしても良い。
【0037】
また、ビア導体は、前記フィルドビア導体12などでなく、内部が完全に導体で埋まってない逆円錐形状のコンフォーマルビア導体とすることもできる。あるいは、各ビア導体の軸心をずらしつつ積み重ねるスタッガードの形態でも良いし、途中で平面方向に延びる配線層が介在する形態としても良い。
また、前記凹部31に実装または内蔵する電子部品は、1つのみでも良い。逆に、多数の配線基板30を含む多数個取りの基板(パネル)内における製品単位1個内に、複数の凹部31を形成しても良い。更に、複数のチップ状電子部品を互いの側面間で予め接着したユニットとし、これを凹部31内に実装することもできる。また、チップ状電子部品には、前記チップコンデンサ70などの他、チップ状のインダクタ、抵抗、フィルタなどの受動部品や、トランジスタ、半導体素子、FET、ローノイズアンプ(LNA)などの能動部品、あるいはSAWフィルタ、LCフィルタ、アンテナスイッチモジュール、カプラ、ダイプレクサ、ICチップ、半導体集積回路なども含まれる。しかも、互いに異種の電子部品同士を配線基板30の同じ凹部31内に併せて実装することも可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上に説明した本発明の配線基板(請求項1)によれば、裏面配線層は、表面配線層に比べてコア基板と強固に密着し且つその中央部付近に向って収縮し易くなる。この結果、裏面配線層の電気的特性が安定する。また、コア基板の表面に形成した表面配線層およびビルドアップ層を形成する複数の配線層および複数の絶縁層からなる表面側と、コア基板の裏面に形成した裏面配線層およびソルダーレジスト層からなる裏面側との熱膨張の差をなくすか、小さくできる。従って、配線基板全体が、ビルドアップ層寄りに反って中央付近が凹む事態を防止または抑制できるため、ビルドアップ層を平坦にでき、且つその内部の複数の配線層もファインパターンとなる。しかも、配線基板の第1主面上に実装すべきICチップや半導体素子なども容易に実装可能となる。
【0039】
一方、本発明の配線基板の製造方法(請求項3)によれば、裏面配線層が表面配線層に比べてコア基板と強固に密着し、裏面配線層の電気的特性が安定すると共に、平坦で且つファインパターンの配線層を含むビルドアップ層を有する配線基板を、確実に提供可能となる。
更に、請求項4の配線基板の製造方法によれば、前記配線基板を一層効率良く製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の配線基板における主要部を示す断面図、(B),(C)は(A)中の一点鎖線部分B,Cの拡大図。
【図2】 (A)〜(C)は図1(A)の配線基板の製造方法における各工程を示す概略図、(α),(β)は(A)中の一点鎖線部分α,βの拡大図。
【図3】 (A)〜(C)は図2(C)に続く各製造工程を示す概略図。
【図4】 (A)は図3(C)に続く製造工程を示す概略図、(B)は得られた配線基板を示す概略断面図。
【図5】 (A)は図1(A)の配線基板の応用形態である配線基板の主要部を示す断面図、(B),(C)は(A)中の一点鎖線部分B,Cの拡大図。
【図6】 (A)は異なる形態の配線基板における主要部を示す断面図、(B),(C)は(A)中の一点鎖線部分B,Cの拡大図。
【符号の説明】
1,1a,30……………………………配線基板
2,K………………………………………コア基板
2a,26a,37………………………表面
2b,27b,34………………………裏面
3,4………………………………………銅箔(金属箔)
3a,4a,8a,9a,50a,51a…接触面
8,50……………………………………表面配線層
9,51……………………………………裏面配線層
10,16,54,60…………………絶縁層
14,20,58,64…………………配線層
BU…………………………………………ビルドアップ層
Claims (4)
- 表面および裏面を有し、かかる表面に表面配線層を有し且つ裏面に裏面配線層を有するコア基板と、
上記コア基板の表面上方に複数の絶縁層および複数の配線層を含むビルドアップ層と、を備え、
上記表面配線層における上記コア基板との接触面の表面粗さは、上記裏面配線層における上記コア基板との接触面の表面粗さよりも小さい、
ことを特徴とする配線基板。 - 前記コア基板の表面に接触する前記表面配線層の表面粗さ(Rz)は3〜7μmの範囲にあり、上記コア基板の裏面に接触する前記裏面配線層の表面粗さ(Rz)は6〜10μmの範囲にある、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。 - 表面および裏面を有するコア基板において、かかる表面に表面配線層を形成し且つ裏面に裏面配線層を形成する工程と、
上記コア基板の表面上方に複数の絶縁層および複数の配線層を含むビルドアップ層を形成するビルドアップ工程と、を含む配線基板の製造方法であって、
上記コア基板の表面および裏面に予め形成され且つ上記表面配線層の一部または上記裏面配線層の一部となる一対の金属箔のうち、かかるコア基板の表面に形成した金属箔の表面粗さは、かかるコア基板の裏面に形成した金属箔の表面粗さよりも小さく設定されている、ことを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記コア基板は、複数のコア基板を有するパネル内の製品単位であり、前記表面の金属箔および前記裏面の金属箔は上記パネルの表面と裏面における複数の製品単位にわたり形成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の配線基板の製造方法。
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