JP3786750B2 - 加工機に適用される撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工具或いはワークを載置するテーブルの少なくとも一方が往復運動し、同加工具を当接させてワークの加工を行う加工機に適用され、往復運動されるワーク及び/又は加工具の撮像を行う撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
この種の加工機においてワークの加工中は、例えば、テーブルが往復直線運動される。従って、作業者がワークの加工状態等を把握するためには、加工を中断してテーブルを停止させる必要がある。加工の中断は加工効率の低下につながり、ひいては加工コストの上昇を招く。
【0003】
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであって、その目的は、加工を中断しなくとも、ワーク及び/又は加工具の状態を把握することが可能な撮像装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明では、ワーク及び/又は加工具を撮像する撮像手段と、往復運動されるワーク及び/又は加工具が撮像手段の焦点レンジに入るタイミングを検出するタイミング検出手段と、同タイミング検出手段により検出されたタイミングで撮像手段からの画像を取り込む取込手段と、取り込まれた画像を保持する画像メモリと、同画像メモリに保持された画像を表示する表示手段とを備えた撮像装置である。
【0005】
請求項2の発明では、前記表示手段はディスプレイからなる。
請求項3の発明では、前記画像メモリに保持された画像を、それ以降に取り込まれた画像に入れ換える入換手段を備えている。
【0006】
(作用)
上記構成の請求項1の発明においては、タイミング検出手段は、往復運動されるワーク及び/又は加工具が撮像手段の焦点レンジに入るタイミングを検出する。取込手段は、同タイミング検出手段により検出されたタイミングで撮像手段からの画像を取り込む。同取込手段によって取り込まれた画像は、画像メモリに保持される。そして、表示手段は、画像メモリに保持された画像、つまり、焦点が合った状態で取り込まれた画像を表示する。従って、作業者は表示手段を見ることで、ワーク及び/又は加工具の往復運動を停止させることなく、その状態を確認できる。
【0007】
請求項2の発明においては、表示手段はディスプレイからなり、画像メモリに取り込まれた画像を直ちに表示することが可能となる。つまり、例えば、画像メモリに取り込まれた画像を印刷表示するとなると、画像が全て表示されるまでにある程度の時間が掛かる。
【0008】
請求項3の発明においては、画像メモリに保持された画像、つまり、表示手段による表示対象となる画像は、入換手段によってそれ以降に取り込まれた画像に入れ換えられる。従って、例えば、作業者は表示手段を見続けることで、ワーク及び/又は加工具の状態の推移を容易に確認できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を加工機としての研削盤において具体化した一実施形態について説明する。
【0010】
先ず、研削盤の構成について説明する。
図1に示すように、コラム11は機台12上に配設され、モータ13によって前後方向に移動可能である。ヘッド14はコラム11に保持され、モータ15によって昇降可能である。加工具としての砥石車16はヘッド14に回転可能に保持され、モータ17によって回転駆動される。テーブル18は機台12上に配設され、ワークWを載置固定した状態で、モータ19によって左右方向に往復直線運動される。各モータ13,15,17,19は、ドライバ20によって駆動される。コンピュータ21は、予め記憶された加工プログラムに基づいてドライバ20を制御する。従って、テーブル18が往復直線運動された状態で、回転する砥石車16がワークWに当接しつつ前後及び上下方向に動作されることで、同ワークWが所定の形状に研削加工される。
【0011】
次に、前記研削盤に適用される撮像装置について説明する。
コントローラ31は、画像メモリ32及びディスプレイとしてのCRT(Cathode Ray Tube)33を備える。CAD(Computer Aided Design )データ読取器34はフロッピディスクドライブからなり、外部のCAD装置(図示せず)により作成された設計図面データを、フロッピディスクFを媒体として読み込むためのものである。図面読取器35はCCDカメラ35aや照明器35b等を備え、設計図面Sを撮像するためのものである。
【0012】
撮像手段としてのCCD(Charge Coupled Device )カメラ36は、機台12上においてテーブル18の右側方に固定配置されている。同CCDカメラ36は、図2に示すように、光学レンズ36a及びCCD形のイメージセンサ36b等により構成されている。同光学レンズ36aは、例えば、テレセントリックレンズからなり、ワークWの被撮像面Waの移動軌跡上に存在するある点Pに焦点を合わせている。同CCDカメラ36の焦点レンジXは、光学レンズ36aの焦点深度に基づいて焦点Pの前後に規定される。リング型の照明器37は、機台12上においてテーブル18の左側方に配置され、電源38の駆動によりワークWを照明する。タイミング検出手段としての光電型の位置検出センサ39は、機台12においてテーブル18の移動軌跡に対向するように固定配置されている。同位置検出センサ39は、テーブル18が所定の位置に変位されると、つまり、ワークWの被撮像面WaがCCDカメラ36の焦点レンジX内のある位置に変位された瞬間にトリガ信号を出力する。
【0013】
そして、前記コントローラ31は取込手段をなし、CCDカメラ36から入力される画像のうちトリガ信号に同期した画像、つまり、焦点が合った画像のみを取り込んで画像メモリ32に保持させる。同コントローラ31は入換手段をなし、画像メモリ32に保持されたCCDカメラ36の画像を、次に取り込まれた最新の画像に順次入れ換える。同コントローラ31は、CADデータ読取器34から入力された設計図面データを線画として、或いは図面読取器35により撮像された設計図面Sの画像を、画像メモリ32に保持させる。そして、同コントローラ31は、画像メモリ32に保持された設計図面データの線画或いは設計図面画像を静止画としてCRT33に表示するとともに、同画像メモリ32において順次更新されるCCDカメラ36からの画像を、同静止画に重ね合わせてCRT33に表示する。従って、図1に示すように、CRT33上ではワークWの被撮像面Waがほぼ静止した状態で表示され、しかも、同ワークWが砥石車16により順次加工されて、被撮像面Waの形状が設計形状(点線)に近づいていく様子が表示される。
【0014】
上記構成の本実施形態においては、次のような効果を奏する。
(1)コントローラ31は、CDカメラ36から入力される画像のうち、焦点が合った画像のみを取り込んでCRT33に表示する。従って、作業者は、CRT33を見ることでワークWの加工状態等を確認でき、この確認のためにワークWの往復直線運動を停止させる必要がなくなる。その結果、加工作業が中断されず、加工効率が向上される。
【0015】
(2)例えば、画像メモリ32に取り込まれた画像を表示するのに、ビデオプリンタ等の印刷器を用いた場合、画像が全て出力されるまでにはある程度の時間がかかる。しかし、本実施形態においては、画像の表示にCRT33が用いられている。従って、作業者は、CCDカメラ36から取り込まれた画像を直ちに見ることができる。これは、ワークWの加工状態を確認する作業の効率向上につながる。
【0016】
(3)コントローラ31は、画像メモリ32に保持された画像を、新たにCCDカメラ36から取り込まれた画像に順次入れ換える。従って、常に最新の画像がCRT33に表示され、例えば、作業者はCRT33を見続ければ、ワークWの加工状態の推移を容易に確認できる。
【0017】
(4)CADデータ読取器34及び図面読取器35を備え、コントローラ31は同器34,35からの設計図面データの線画或いは設計図面画像を、CCD36からの画像と重ね合わせてCRT33に表示する。従って、例えば、作業者はCRT33を見ることで、ワークWの加工状態と設計図面との比較を容易に行い得る。
【0018】
なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で、例えば、以下の態様でも実施できる。
(1)画像メモリ32に保持されたCCDカメラ36からの画像を用いて、画像計測を行うようにすること。例えば、その具体例として、前記コントローラ31をコンピュータ21に接続し、同コンピュータ21に対して画像メモリ32に保持された画像を転送させる。同コンピュータ21は、転送された画像を画像計測する。そして、同コンピュータ21は、画像計測により導き出された実際の寸法・形状等と設計図面データに示された寸法・形状等とを比較し、この比較結果に基づいて加工プログラムを修正する。
【0019】
(2)撮像手段としては、上述したCCDカメラ36以外にも、他の固体撮像デバイスとしてMOS(Metal Oxide Semiconductor )形イメージセンサを用いたカメラ等が挙げられる。また、撮像手段は固体撮像デバイスに限定されるものではなく、光電子増倍管や撮像管等を用いても良い。
【0020】
(3)ディスプレイとしては、上述したCRT33以外にも、液晶やLEDを用いたもの等が挙げられる。表示手段としてはディスプレイ以外にも、印刷により画像を表示するビデオプリンタ等が挙げられる。
【0021】
(4)テーブル18ではなく、砥石車16が往復直線運動されるタイプの研削盤において具体化しても良い。この場合、位置検出センサ39は、砥石車16がCCDカメラ36の焦点レンジXに入るタイミングを検出する。また、テーブル18及び砥石車16が互いに往復直線運動されるタイプの研削盤において具体化しても良い。
【0022】
(5)加工具としてのバイト及び/又はワークが往復動され、同バイトが当接されることでワークの切削加工を行う切削盤において具体化しても良い。
上記実施形態から把握できる技術的思想について記載する。
【0023】
(1)設計図面を入力する設計図面入力手段34,35と、同設計図面入力手段34,35から入力された設計図面と画像メモリ32に保持された画像とを表示手段33上に重ね合わせて表示させる重合手段31とを備えた請求項1〜3のいずれかに記載の撮像装置。
【0024】
このようにすれば、例えば、作業者は、ワークWの加工状態と設計図面との比較を効率的に行い得る。
(2)加工具16或いはワークWを載置するテーブル18の少なくとも一方が往復運動し、同加工具16を当接させてワークWの加工を行う加工機に適用され、ワークW及び/又は加工具16を撮像する撮像手段36と、往復運動されるワークW及び/又は加工具16が撮像手段36の焦点レンジXに入るタイミングを検出するタイミング検出手段39と、同タイミング検出手段39により検出されたタイミングで撮像手段36からの画像を取り込む取込手段31と、取り込まれた画像を保持する画像メモリ32と、同画像メモリ32に保持された画像から画像計測を行う画像計測手段21とを備えた撮像装置。
【0025】
このようにすれば、例えば、ワークWの加工用プログラムの修正を、実際のワークWの加工状態から直接フィードバックして行うことが可能となる。
【0026】
【発明の効果】
上記構成の請求項1の発明によれば、作業者は表示手段を見ることで、ワーク及び/又は加工具の往復運動を停止させることなく、その状態を確認できる。従って、ワーク及び/又は加工具の確認のために加工作業が中断されず、加工効率が向上され、ひいては加工コストの低減につながる。
【0027】
請求項2の発明によれば、画像メモリに取り込まれた画像を直ちに表示することが可能となる。つまり、作業者は、撮像手段により取り込まれた画像を直ちに見ることができる。これは、ワーク及び/又は加工具の確認作業の効率向上につながる。
【0028】
請求項3の発明によれば、画像メモリに保持された画像が、入換手段によってそれ以降に取り込まれた画像に入れ換えられる。従って、例えば、作業者は、表示手段を見続けることで、ワーク及び/又は加工具の状態の推移を容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 撮像装置を備えた研削盤を模式的に示す図。
【図2】 CCDカメラの構造を模式的に示す図。
【符号の説明】
16…加工具としての砥石車、18…テーブル、31…取込手段としてのコントローラ、32…画像メモリ、33…表示手段としてのCRT、36…撮像手段としてのCCD、39…タイミング検出手段としての位置検出センサ、W…ワーク、X…焦点レンジ。
Claims (3)
- 加工具或いはワークを載置するテーブルの少なくとも一方が往復運動し、同加工具を当接させてワークの加工を行う加工機に適用され、
ワーク及び/又は加工具を撮像する撮像手段と、往復運動されるワーク及び/又は加工具が撮像手段の焦点レンジに入るタイミングを検出するタイミング検出手段と、同タイミング検出手段により検出されたタイミングで撮像手段からの画像を取り込む取込手段と、取り込まれた画像を保持する画像メモリと、同画像メモリに保持された画像を表示する表示手段とを備えた撮像装置。 - 前記表示手段はディスプレイからなる請求項1に記載の撮像装置。
- 前記画像メモリに保持された画像を、それ以降に取り込まれた画像に入れ換える入換手段を備えた請求項1又は2に記載の撮像装置。
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JP29908896A JP3786750B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 加工機に適用される撮像装置 |
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