JP3786189B2 - ガンゲーム機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガン模型を使って標的を模擬的に射撃するガンゲーム機に関する。特に、ガン模型を筐体から離してプレイヤが手に持ってゲームを行うガンゲーム機に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガン模型を用いてゲームを行うゲーム機に関しては、従来より種々の形式のものが知られている。例えば、筐体に自由に回転移動できるように固定されたガン模型を使ってゲームを行うゲーム機や、可撓性ケーブルを介して筐体に接続されたガン模型をプレイヤが手に持ってゲームを行うゲーム機等が知られている。これら各種のガンゲーム機のうち、特に可撓性ケーブルによって筐体に接続されたガン模型を用いるゲーム機は、ケーブルが許容する範囲内でガン模型を自由に持ち運ぶことができるという利点を有しており、テレビゲーム機等として広く利用されている。
【0003】
しかしながら、従来のガンゲーム機に用いられていたガン模型は、単に外観形状を本物の銃に似せた形状にしているだけで、本物の銃のように動作する動作部分はほとんど備えていなかった。従って、プレイヤが模擬射撃動作を行った場合、それに対応した反動や衝撃を体感することができず、よって、迫真性の高いゲームを行うことができなかった。また、プレイヤの模擬射撃動作を外部から見る第三者にゲームに関する興味を抱かせることに関して不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたものであって、ガン模型を筐体から離してプレイヤが手に持ってゲームを行う形式のガンゲーム機において、本物の射撃動作に近似した反動や衝撃をプレイヤが体感でき、しかも、模擬射撃動作を見る第三者をゲームに引きつけることができるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るガンゲーム機は、ガン模型を筐体から離してプレイヤが手に持ってゲームを行うガンゲーム機において、ガン模型の内部に配設されていて模擬着弾位置を検出するための着弾検出用光学ユニットと、前記ガン模型の銃身部に外部に露出した状態で設けられていて銃身部の長手方向へ滑り移動が可能なスライドカバーと、該スライドカバーを通電によって瞬間的に高速で移動させるカバー駆動手段と、前記プレイヤによって操作されるトリガーとを有し、前記カバー駆動手段は、通電による電磁力によって移動するプランジャと、該プランジャに設けられるバネとを有し、前記スライドカバーは該プランジャに連結され、前記カバー駆動手段は前記トリガーの操作に従って作動し、前記カバー駆動手段は瞬間的な通電によるプランジャの往動と前記バネによる該プランジャの復動とによって前記スライドカバーを瞬間的に高速で移動させ、前記スライドカバーは前記カバー駆動手段によって駆動されて後方へ移動することを特徴とする。
【0006】
プレイヤはガン模型を手に持ってゲームを行う。プレイヤがガン模型のトリガーを引くと、カバー駆動手段が作動してスライドカバーが瞬間的に高速で後ろ方向へスライド移動する。この移動は、本物の銃における、いわゆるブローバック動作に近似した動作であり、この動作によりプレイヤは、模擬射撃動作に対応して迫真性に富んだ反動や衝撃を体感できる。また、この模擬ブローバック動作を見る第三者を効果的にゲームに引きつけることができる。
【0007】
ガン模型は、通電線を内蔵した可撓性ケーブルによって筐体に接続することができる。また、無線通信によってガン模型とゲーム機本体との間で信号をやりとりすることにより、ガン模型と筐体とを接続する可撓性ケーブルを排除することもできる。
【0008】
ガンゲーム機では、標的を含んだ対象物を狙ってプレイヤがガン模型のトリガーを引いたときに、ガン模型が狙っている仮想の着弾位置、すなわち模擬着弾位置がどこであるかを判定するために、着弾検出用光学系を設ける必要がある。ガン模型の内部に配設される上記の着弾検出用光学ユニットは、その着弾検出用光学系を構成する一部分である。
【0009】
この着弾検出用光学ユニットの具体的な構造は種々考えられるが、例えば受光素子を用いた光学ユニット又は発光素子を用いた光学ユニット等を採用できる。受光素子を用いる場合は、標的側からの発光をその受光素子によって受光することにより、その受光素子が向いている方向、すなわちガン模型の銃口部分が向いている方向を検出する。他方、発光素子を用いる場合は、その発光素子からの光が標的側のどの位置において検出されるかによって、ガン模型の銃口部分が向いている方向を検出する。
【0010】
標的は、CRTモニターを用いて映像として映し出すことができる。この場合には、ガン模型の内部に受光素子を含む着弾検出用光学ユニットを配設し、CRTモニターの発光輝点をその受光素子を用いて検出することにより、ガン模型が向いている位置、すなわち模擬着弾位置を検出することができる。この検出方法によれば、ガン模型の内部に発光素子を配設する方式の検出方法に比べて、模擬着弾位置を非常に高精度に検出できる。
【0011】
このような高精度の測定系に対してスライドカバーを設ける場合には、スライドカバーが移動するときの反動によってガン模型の狙いが大きく変動する。このことは、プレイヤの射撃能力をゲームに効果的に反映できるというということであり、よって、プレイヤをゲームに熱中させることができる。
【0012】
移動するスライドカバーがプレイヤにぶつかることを防止してプレイヤを保護するために、銃身部の後端位置に後方へ向けて突出する保護用突出部を設けることが望ましい。これにより、プレイヤにとっての安全性が確保される。この場合、ゲームの迫真性を損なわないようにするため、保護用突出部を模擬撃鉄部として構成することが望ましい。
【0013】
ガン模型が、模擬銃口部を含む上銃身部と、上銃身部と握り部との間に位置する下銃身部とを有するものである場合には、スライドカバーを上銃身部に設け、そして模擬着弾位置を検出するための着弾検出用光学ユニットを下銃身部の内部に収納することができる。このように、スライドカバーと光学ユニットとを分けて配設するようにすれば、光学ユニットの大きさに関係なくスライドカバーを大きな形状に形成でき、従って、十分に大きな反動をプレイヤに付与でき、しかも見栄えも良くなる。また、光学ユニットの設置スペースも広くなり、例えば、集光レンズの径を大きくすることができ、こうすれば、受光センサに集光する光の強度を高めることにより精度の高い模擬着弾位置の判定ができる。
【0014】
スライドカバーを移動させるためのカバー駆動手段は、特定の構造に限定されない。しかしながら望ましい構造としては、電磁ソレノイドと、電磁ソレノイドによって駆動されると共にガイド手段によってガイドされて往復直進移動する移動部材とを有する構成とすることができる。この構成を採用した場合は、その移動部材にスライドカバーが固着される。この構成によれば、簡単な構成によってスライドカバーを瞬間的に高速度で滑らかに往復移動させることができる。
【0015】
スライドカバー及びそのまわりの外観形状は特別の形状に限定されないが、次のように構成すると有利である。すなわち、銃身部の先端位置に模擬銃口部を設け、銃身部の後端位置に後方へ向けて突出するように保護用突出部を設け、そして、模擬銃口部と保護用突出部との間にわたって銃身部のほぼ全域を覆うようにスライドカバーを設ける。この構成により、スライドカバーの形状を可能な限り大きくできるので、プレイヤに大きな反動や衝撃を付与でき、しかも第三者を効果的にゲームに引きつけることができる。また、本物の銃に近似した外観形状を得ることができるので、迫真性に富んだゲームを楽しむことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は、本発明に係るガンゲーム機の一実施形態を示している。このガンゲーム機は、いわゆるテレビゲーム機であり、筐体1の内部に表示装置としてのCRTモニター2を有している。筐体1の前面に設けた操作部3の上には、ケーブル取出し口4a及び4bが設けられ、それらのケーブル取出し口から、それぞれ、ケーブル5a及び5bが外部へ露出している。ケーブル5a,5bの先端には、それぞれ、ガン模型6a及び6bが接続されている。筐体1の前面の下部には、衝撃を吸収できる性質を有する弾性部材28、例えばゴム、合成樹脂が設けられている。
【0017】
ガン模型6a,6bは、図2に示すように、プレイヤによって握られる握り部7と、弾が出る部分を模した上銃身部8と、そして下銃身部9とを有している。握り部7及び下銃身部9は、ガン本体部15によって一体に形成されている。上銃身部8は、外観上、ガン本体部15の右端上部に固着した模擬銃口部14と、ガン本体部15の左端上部に固着した、保護用突出部として働く、模擬撃鉄部16と、そして模擬銃口部14と模擬撃鉄部16との間にわたって上銃身部8のほぼ全域を覆うように配設されたスライドカバー17とによって構成されている。
【0018】
ガン本体部15のうち握り部7と下銃身部9との間に、指を挿入するための開口部10が形成され、その開口部内にトリガー11が設けられている。このトリガー11は、握り部7の内部に形成したガイド壁12によって案内されながら矢印A−A’のように平行滑り移動する。但しトリガー11は、通常は、圧縮バネ13のバネ力によって矢印A’方向、すなわち図の右方向へ押し付けられている。トリガー11が、バネ13のバネ力に抗して図の左方向(矢印A方向)へ引かれると、マイクロスイッチ27のアクチュエータが押されてそのマイクロスイッチ27がオンとなる。
【0019】
ガン本体部15の上部のほぼ中央位置に、湾曲形状の取付具18が位置不動に固定されている。取付具18の左端起立部18aには、電磁ソレノイド19がネジ締め等によって固着されている。また、取付具18の右部には、ガイド溝20が固着されている。このガイド溝20は、図3に示すように、その断面が略U字形状に形成されている。
【0020】
図2において、ソレノイド19のプランジャ19aのまわりには圧縮バネ21が設けられ、さらにプランジャ19aの先端にブラケット22が緩くはめられている。スライドカバー17は、ネジ23,23によってブラケット22の側面に固着されている。また、ブラケット22の底面には、図3に示すように、ガイド溝20の中を滑り移動するスライダ24がネジ締めその他の締結方法によって固着されている。
【0021】
下銃身部9の内部には、集光レンズ25及び受光センサ26を有する着弾検出用光学ユニット30が収納されている。この光学ユニットは、プレイヤがガン模型6a,6bを手に持って模擬銃口部14をCRTモニター2(図1)へ向けた状態でトリガー11を図2の左方向へ引いたときのCRTモニター2上における模擬着弾位置を検出するために用いられる。具体的には、トリガー11が引かれたときにCRTモニター2上のラスタースキャンの発光を受光センサ26によって検出することにより、模擬銃口部14が向いているCRTモニター2上の座標位置を判定する。
【0022】
受光センサ26は模擬銃口部14から少し離れた下方位置に配設されているので、受光センサ26によって検出した模擬着弾位置は、模擬銃口部14が向いている位置と正確には合致せず、間隔Gに対応した誤差を含んでいる。しかしながら、この誤差は、受光センサ26の出力信号に基づいて模擬着弾位置を演算する演算回路における演算プロセスにおいて補正することによって修正できる。
【0023】
図2において、ケーブル5a,5bの中には、マイクロスイッチ27に通じる信号線、受光センサ26に通じる信号線及びソレノイド19に通じる給電線の各通電線が収納される。
【0024】
本実施形態のガンゲーム機は以上のように構成されているので、図1においてCRTモニター2上に適宜のゲーム内容が映像として映し出され、プレイヤはガン模型6a及び6bのいずれか又は両方を手に持って映像に向かって模擬射撃を行なう。この模擬射撃中、プレイヤがトリガー11を図2の矢印A方向へ引くと、ソレノイド19へ瞬間的に、例えば5/100秒程度、通電が行われ、プランジャ19aが瞬間的に高速で往復動作を行なう。
【0025】
このとき、プランジャ19aにはめられたブラケット22及びそのブラケット22に固着されたスライドカバー17も同時に瞬間的に高速度で往復移動して、プレイヤに射撃の反動による衝撃を付与する。これにより、プレイヤは迫真性に富んだ射撃プレイを行うことができる。また、スライドカバー17の後方への往復スライド移動は、実物の銃のブローバック動作に似ており、外部からこの動作を見る者をゲームに引き寄せるという効果も奏する。
【0026】
ところで、本実施形態では、ガン模型6a,6bと筐体1とを結ぶケーブル5a,5bの長さに制限を加えてある。具体的には、図1に示すように、ガン模型6bを自由落下させたとき、ガン模型6bが床に接触することなく、両者間に適宜の間隔δが空くように、ケーブル5bの長さを従来のものよりも短く設定してある。図では、一方のケーブル5bについてだけ図示したが、他方のケーブル5aの長さも同様に設定してある。
【0027】
従来のようにケーブル5a,5bの長さが長いと、落下したガン模型6a,6bは床に衝突して大きな衝撃を受ける。本実施形態に係るガン模型のように、その内部に機構部品や光学ユニットが内蔵される場合には、特に、そのような衝突は避けなければならない。また、図2に示すように、ケーブル5a,5bを握り部7の底面に接続するようにすれば、プレイヤによるガン模型の取り扱いが容易になる。
【0028】
しかしこの場合には、ガン模型6a,6bを落下させたとき、集光レンズ25等を含む光学ユニットを収納した銃身の先端部が床に衝突し易くなる。光学ユニットは精密な部品であるからこのような衝撃は避けなければならない。また、ガン模型の先端部に衝撃が加わると、銃身の先端部分にひび割れ等の破損が発生し易い。このような破損が発生すると、受光センサ26にノイズ成分となる不要な光が入り込むので、模擬着弾位置の検出精度が低下するおそれがある。よって、この点からもガン模型に衝撃が加わることは避けなければならない。
【0029】
このことに関し、本実施形態のように、ケーブル5a,5bの長さを短くしてガン模型と床との衝突が起きないようにしておけば、プレイヤが誤って又は故意にガン模型6a,6bを落下させたとしても、ガン模型には大きな衝撃は加わらない。従って、本実施形態によれば、内部に機構部品や光学ユニットを内蔵したガン模型や、握り部の底部にケーブルが接続されると共に銃身の先端部に光学ユニット等の精密部品が配設される形式のガン模型等を極めて安全に保持できる。
【0030】
また、筐体1の下部に弾性部材28を設けておけば、ガン模型6a,6bに対する筐体1からの衝撃も和らげられるので、ガン模型をより一層安全に保持できる。ケーブル5a,5bの長さを短くすると、プレイヤがガン模型6a,6bを手に持ってプレイを行うときの、ガン模型を自由に動かすことのできる範囲が狭くなることが予測される。しかしながら本実施形態では、操作部3の上面に設けた取出し口4a,4bからケーブル5a,5bを外部へ取り出すようにしてあるので、ガン模型に関する移動の自由度はそれほど損なわれない。
【0031】
また、図2において、スライドカバー17は、トリガー11が引かれたときに、鎖線Qで示すように勢い良く後方へ移動するので、操作しているプレイヤの顔等にぶつかる危険性がある。しかしながら本実施形態では、撃鉄を倒した状態を模した保護用突出部16を後ろ方向へ大きく張り出してあるので、スライドカバー17が後方へ移動してもそれがプレイヤにぶつかることがなく安全である。
【0032】
図4は、ガン模型6a,6bによって射撃される模擬着弾位置を検出するための着弾位置検出装置の一例を示している。同図において、受光センサ26及びマイクロスイッチ27の出力信号はCPU(中央処理装置)31の入力ポートへ伝送され、そのCPU31はメモリ32の中に格納されたゲームプログラムに従ってスイッチ33、同期信号発生回路34及びビデオプロセッサ35の各機器の動作を制御する。
【0033】
CPU31は、同期信号発生回路34からの水平同期信号SH 及び垂直同期信号SV に基づいてビデオプロセッサ35を制御する。そのビデオプロセッサ35は、同期信号発生回路34からの複合同期信号SC に同期してゲーム内容に相当するRGB信号を発生し、そのRGB信号がCRTモニター2の映像入力端子に入力され、そのモニター画面上に所定のゲーム映像が映し出される。この映像の中には、適宜のタイミングで標的映像が出現し、その標的映像を狙ってプレイヤがガン模型6a,6bのトリガー11を引く。
【0034】
トリガー11が引かれると、マイクロスイッチ27がON状態になって射撃信号S1がCPU31へ伝送される。射撃信号S1を受けたCPU31はスイッチ33へ向けて切換信号S2を出力し、この切換信号S2に従ってCRTモニター2のRGB入力端子がビデオプロセッサ35から一定電圧Eへと切り替わる。
【0035】
するとモニター2では、一定輝度の輝点Pが同期信号SC に従ってモニター画面全体を1フレーム分だけ走査し、これにより、その画面上に瞬間的に白画面が表示される。この白画面の表示に際して、ガン模型6a,6bで狙いを定めた画面上の位置を輝点Pが通過すると、その光はガン模型6a,6b内の受光センサ26によって受光され、その受光センサ26に出力信号が現れる。この出力信号を受け取ったCPU31は、その時点の水平同期信号及び垂直同期信号に基づいて、モニター2の画面上のどの位置の輝点Pが受光センサ26によって検出されたのかを判断する。
【0036】
こうしてCPU31によって模擬着弾位置が判定され、その位置に標的映像が存在する場合にはCPU31は命中のためのゲーム演算、例えば得点の加算を実行する。他方、模擬着弾位置に標的映像が存在しない場合にはCPU31は射撃失敗のためのゲーム演算を実行する。
【0037】
(第2実施形態)
図5は、本発明に係るガンゲーム機の他の実施形態を示している。この実施形態が図4に示した先の実施形態と異なる主要な点は、標的を表示するための手段としてCRTモニターに代えてスクリーンを用いたこと及びガン模型の内部に配設する着弾検出用光学ユニットの中に受光センサに代えて発光素子を用いたことである。
【0038】
図5において、ガン模型6a,6bの内部には着弾検出用光学ユニットを構成する発光素子50が設けられている。また、筐体1の内部にはスクリーン40、水平回転ミラー41、垂直回転ミラー42、ランプ43、受光素子44、そして制御装置45の各機器が配設されている。水平回転ミラー41は水平軸線LH を中心として矢印Aで示すように揺動回転し、垂直回転ミラー42は垂直軸線LV を中心として矢印Bで示すように揺動回転する。
【0039】
ランプ43と垂直回転ミラー42との間には遮光板46及び光学系47が配設される。ランプ43からの発光は遮光板46及び光学系47を通過し、さらに垂直回転ミラー42及び水平回転ミラー41で反射した後、スクリーン40に到達する。このとき遮光板46に形成される透光パターンに従って、図7に示すように、標的像48がスクリーン40上に映し出される。そしてさらに、垂直回転ミラー42及び水平回転ミラー41をそれぞれの軸線のまわりに揺動回転させれば、図7に矢印Cで示すように、標的像48をスクリーン40上で移動させることができる。符号49は、受光素子44の前に配置された光学系を示している。
【0040】
制御装置45は、ガン模型6a,6bによる模擬着弾位置を判定するための着弾検出回路51と、ゲーム全体の制御を司るゲーム演算回路52とを有している。着弾検出回路51は、例えば図6に示すように、受光素子44の出力信号を増幅する増幅回路53と、増幅回路53の出力信号を受けるサンプルホールド回路54と、増幅回路53の出力信号をそのレベルを変化させて出力するレベルシフト回路55と、サンプルホールド回路54の出力信号とレベルシフト回路55の出力信号とを比較してゲーム演算回路52へ向けて命中信号SM 又は外れ信号SZ を出力するコンパレータ56とを有している。
【0041】
サンプルホールド回路54は、トリガー11に付設したマイクロスイッチ27から出力される射撃信号ST を受信したときに、そのときの増幅回路53の出力信号を一旦保持した後に出力する。
【0042】
本実施形態のガンゲーム機は以上のように構成されているので、ゲームが開始されると、適宜のタイミングでスクリーン40上に標的像48が現れて移動する。プレイヤはその標的像48を狙ってガン模型6a,6bのトリガー11を引く。トリガー11が引かれたときにガン模型6a,6bの狙いが正確に標的像48に合致していないと、すなわち狙いが外れていると、発光素子50からの光は標的像48に重ならない。よって、トリガー11が引かれたときの前後における標的像48からの反射光の強度には変化が発生せず、従って、図6においてコンパレータ56の両入力端子に入力されるサンプルホールド回路54及びレベルシフト回路55の各出力信号には大きな変化は発生しない。この結果、コンパレータ56の出力端子には外れ信号SZ が出力される。
【0043】
トリガー11が引かれたときにガン模型6a,6bの狙いが正確に標的像48に合致していると、すなわち狙いが命中していると、発光素子50からの光が標的像48に重なり、よって、トリガー11が引かれたときの前後における標的像48からの反射光の強度が大きく変化する。この結果、サンプルホールド回路54の出力信号とレベルシフト回路55の出力信号との間に大きな差が生じ、従って、コンパレータ56から命中信号SM が出力される。ゲーム演算回路52は、その命中信号SM を受けたときに、命中を表示するための所定の演算を実行する。
【0044】
以上のように、本発明は、CRTモニター以外の標的表示装置を用いる場合にも、さらにはガン模型から光を発光する方式の模擬着弾位置検出装置を用いる場合にも適用できる。
【0045】
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はそれらの実施形態に限られることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【0046】
例えば、図4及び図5に示す実施形態では、ゲーム機筐体1とガン模型6a,6bとの間をケーブル5a,5bで接続することによって両者の間で信号のやりとりを行った。しかしながら、無線通信、例えば赤外線通信等を利用して両者の間で信号のやりとりを行うようにすれば、両者の間からケーブルを排除できる。
【0047】
また、本ガンゲーム機は、テレビゲーム機に限られず、実際に動いている物体を標的とするようなガンゲーム機にも適用できる。具体的には、本発明は次のようなガンゲーム機、すなわち、人間、動物などを模して標的を形成し、その標的の心臓に相当する部分に発光素子や受光素子を設置し、そして、そのような標的を動かした状態でプレイヤがそれらの標的を狙うようにしたガンゲーム機にも適用できる。
【0048】
また、本発明は次のようなガンゲーム機、すなわち、プレイヤが移動する通路と、そしてその通路に沿って置かれた複数の現実の標的とを有するガンゲーム機にも適用できる。このガンゲーム機では、プレイヤは、通路に沿って移動しながら標的を次々と射撃する。
【0049】
また、図1に示した筐体1はあくまでも1つの例であって、その形状はその他の任意の形状とすることができる。また、図2に示したガン模型もあくまでも1つの例であって、その形状及び構造は、請求の範囲に記載した技術的範囲内である限り種々に改変できる。さらに、本発明は業務用のガンゲーム機の他に家庭用のガンゲーム機にも適用できる。
【0050】
【発明の効果】
本発明に係るガンゲーム機によれば、スライドカバーの瞬間的な移動により、プレイヤによる模擬射撃動作に対応して迫真性に富んだ反動や衝撃をそのプレイヤに与えることができる。また、その模擬射撃動作を見る第三者を効果的にゲームに引きつけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガンゲーム機の一実施形態の全体を示す斜視図である。
【図2】ガン模型の一例を示す断面図である。
【図3】図2におけるIII−III線に従った要部の断面図である。
【図4】図1に示すガンゲーム機の電気制御系の一実施形態の要部を示すブロック図である。
【図5】本発明に係るガンゲーム機の他の実施形態を示す断面図である。
【図6】図5に示すガンゲーム機の電気制御系の要部の一実施形態を示すブロック図である。
【図7】図5に示す実施形態にいて表示される標的像を示す図である。
【符号の説明】
1 筐体
2 CRTモニター
3 操作部
4a,4b ケーブル取出し口
5a,5b ケーブル
6a,6b ガン模型
7 握り部
8 上銃身部
9 下銃身部
11 トリガー
14 模擬銃口部
16 模擬撃鉄部
17 スライドカバー
18 取付具
19 電磁ソレノイド
20 ガイド溝
24 スライダ
26 集光センサ
27 マイクロスイッチ
28 弾性部材
30 着弾検出用光学ユニット
40 スクリーン
41 水平回転ミラー
42 垂直回転ミラー
43 ランプ
44 受光素子
46 遮光板
47 光学系
48 標的像
50 発光素子
P ラスタースキャンの輝点

Claims (2)

  1. ガン模型を筐体から離してプレイヤが手に持ってゲームを行うガンゲーム機において、
    ガン模型の内部に配設されていて模擬着弾位置を検出するための着弾検出用光学ユニットと、
    前記ガン模型の銃身部に外部に露出した状態で設けられていて銃身部の長手方向へ滑り移動が可能なスライドカバーと、
    該スライドカバーを通電によって瞬間的に高速で移動させるカバー駆動手段と、
    前記プレイヤによって操作されるトリガーとを有し、
    前記カバー駆動手段は、通電による電磁力によって移動するプランジャと、該プランジャに設けられるバネとを有し、前記スライドカバーは該プランジャに連結され、
    前記カバー駆動手段は前記トリガーの操作に従って作動し、
    前記カバー駆動手段は瞬間的な通電によるプランジャの往動と前記バネによる該プランジャの復動とによって前記スライドカバーを瞬間的に高速で移動させ、
    前記スライドカバーは前記カバー駆動手段によって駆動されて後方へ移動する
    ことを特徴とするガンゲーム機。
  2. 請求項1において、前記ガン模型は可撓性ケーブルによって前記筐体に接続されることを特徴とするガンゲーム機。
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