JP3786112B2 - 潤滑油 - Google Patents
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このような状況において、各種の分野で耐加水分解性の良好な潤滑油が不可欠なものとなり、その開発が切望されてきた。
また、本発明の第二の目的は、耐加水分解性に良好な合成エステル系潤滑油基油を提供することにある。
さらに、本発明の第三の目的は、加水分解安定性に優れた合成エステル系潤滑油基油を提供し、該潤滑油基油を含有する各種金属加工用潤滑油、特に金属圧延用潤滑油、および冷凍機用潤滑油のほか多分野で使用可能な潤滑油を提供することにある。
で表される脂環式ポリカルボン酸エステル(以下、必要に応じ「本エステル」という。)の1種または2種以上を含有することを特徴とする潤滑油に関するものである。
酸成分は上記酸を単独で用いることが可能であり、また、2種以上の酸を用いてエステル化することも可能である。
具体的な分岐状アルコールとしては、イソプロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、イソペンタノール、イソヘキサノール、2−メチルヘキサノール、1−メチルヘプタノール、2−メチルヘプタノール、イソヘプタノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール、イソオクタノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、イソデカノール、イソウンデカノール、イソドデカノール、イソトリデカノール、イソテトラデカノール、イソペンタデカノール、イソヘキサデカノール、イソオクタデカノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、イソノナノール等が例示される。
また、シクロアルコールとしては、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ジメチルシクロヘキサノール等を例示することができる。
特に、イソブタノール、シクロヘキサノール、イソヘプタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、イソデカノール、イソウンデカノール、イソトリデカノール、イソオクタデカノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノールおよびn−オクタデカノール等が好ましい。
エステル化反応を行うに際し、アルコール成分は、例えば、酸成分1当量に対して1〜1.5当量、好ましくは1.05当量〜1.2当量程度用いられる。
エステル化温度としては、150℃〜230℃が例示され、通常、3時間〜30時間で反応は完結する。
エステル化反応終了後、過剰の原料を減圧下または常圧下にて留去する。引き続き、慣用の精製方法、例えば、液液抽出、減圧蒸留、活性炭処理等の吸着精製等により、生成エステルを精製することができる。
かくして得られる脂環式ポリカルボン酸分岐状アルキルエステルおよびシクロアルキルエステルの中でも、特に、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジシクロヘキシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソヘプチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2,6−ジメチル−4−ヘプチル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソデシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソウンデシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソトリデシル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソオクタデシル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジシクロヘキシル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソヘプチル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(2,6−ジメチル−4−ヘプチル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソデシル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソウンデシル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソトリデシル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソオクタデシル、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジシクロヘキシル、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソヘプチル、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2,6−ジメチル−4−ヘプチル)、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソデシル、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソウンデシル、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソトリデシル、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソオクタデシル、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジシクロヘキシル、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソヘプチル、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(2,6−ジメチル−4−ヘプチル)、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソデシル、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソウンデシル、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソトリデシル、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソオクタデシル、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジシクロヘキシル、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソヘプチル、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(2,6−ジメチル−4−ヘプチル)、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソデシル、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソウンデシル、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソトリデシル、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソオクタデシル、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジシクロヘキシル、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソヘプチル、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(2,6−ジメチル−4−ヘプチル)、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソデシル、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソウンデシル、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソトリデシル、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジイソオクタデシルよりなる群から選択される1種または2種以上のエステル等が推奨される。
潤滑油中における本エステルの含有量としては10重量%以上が推奨される。10重量%未満では加水分解安定性に難点が生ずるおそれがある。
本エステルは金属加工用潤滑油の基油として好適であり、基油としては、本エステルを単独でまたは本エステルに他の基油、例えば鉱油、合成炭化水素油、動植物油、本エステル以外のエステル(以下「併用エステル」という)よりなる群から選択される1種または2種以上を混合したものも用いることが可能である。
合成炭化水素油としては、低分子量ポリブテン、低分子量ポリプロピレン、さらには、炭素数8〜14のα−オレフィンオリゴマーおよびこれらの水添化合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等が例示される。
動植物油としては、牛脂、豚脂、パーム油、ヤシ油、なたね油等が例示される。
併用エステルとしては、脂肪酸モノエステル、アジピン酸エステル、アゼライン酸エステル、セバシン酸エステル、フタル酸エステル、トリメリット酸エステルおよびポリオールエステル等が例示される。
金属加工用潤滑油中における鉱油、合成炭化水素油、動植物油および/または併用エステルの含有量としては、組成物全重量基準で10重量%〜90重量%が推奨される。
防錆剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、トリエタノールアミン等のアミン類、オレイン酸ジエタノールアミド、アジピン酸シクロヘキシルアミド等のアミド類、ソルビタンオレエート等のエステル類、セバシン酸等の二塩基酸類、亜硝酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩等の無機系のものがある。
気相防錆剤としては、低級アミンの亜硝酸塩、モルホリン、シクロヘキシルアミン等がある。
カップリング剤としては、ブチルジグリコール、ブチルセロソルブ等がある。
流動点降下剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等がある。
増粘剤としては、ポリアルキレングリコール類、セルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ等がある。
防腐殺菌剤としては、o−フェニルフェノール、p−クロロ−m−キシレノール等のフェノール系、ヘキサヒドロトリアジン、2ーヒドロキシメチル−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール等のホルムアルデヒド供与体がある。
消泡剤としては、シリコーン、高級アルコール、ポリアルキレングリコール、フッ素系ポリエーテル等がある。
また、本エステルは、金属加工用潤滑油のうち、金属圧延用潤滑油の基油としても好適である。金属圧延用潤滑油の基油としての本エステルに鉱油、合成炭化水素油、動植物油、併用エステルを混合したものも使用することができるが、加水分解安定性を損なわないように50重量%以下とすることがさらに好ましい。また、金属圧延用潤滑油に適するように基油の性能を向上させるために油性剤、極圧剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、防錆剤、乳化剤、金属不活性剤、金属腐食防止剤、消泡剤等の公知の添加剤の1種または2種以上を適宜配合することも可能であり、所定の効果を奏する限り、特に限定されるものではないが、その具体的な例を以下に示す。
極圧剤としては、アルキルホスフェート、ジアルキルホスフェート、アルキルポリエチレンオキシホスフェート等があり、通常、基油に対して0.1重量%〜5重量%添加するのが良い。
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系、硫黄系等のものがあり、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、フェニル−α−ナフチルアミン、オクチルフェニル−α−ナフチルアミン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、ジベンジルジサルファイド等を用いることができる。これらの酸化防止剤は、通常、基油に対して0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜2重量%添加するのが良い。
金属不活性剤および腐食防止剤としては、ベンゾトリアゾール、アルキルベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、チアジアゾール誘導体等を使用できる。これらの金属不活性剤および腐食防止剤は、基油に対して0.01重量%〜1重量%添加するのが良い。
さらに、本エステルは、冷凍機用潤滑油に用いることができ、本エステルまたは本エステルに他のエステル(以下「併用エステル」という)の1種または2種以上の化合物を混合することにより冷凍機用潤滑油基油を調製することができる。
冷凍機用潤滑油中における併用エステルの含有量としては、10重量%〜90重量%が推奨される。
金属不活性剤としては、前記の金属圧延用潤滑油に用いられるベンゾトリアゾール等と同一のものを同量使用することができる。
加水分解抑制剤としては、エポキシ化合物、例えば、アルキルグリシジルエーテル類、アルキレングリコールグリシジルエーテル類、脂環式エポキシ化合物類、フェニルグリシジルエーテルおよびその誘導体であり、配合量としては、基油に対して0.05重量%〜2重量%が適当である。
内径6.6mm、高さ30cmのガラス試験管に長さ4cmの鉄、銅およびアルミニウムの針金を入れ、試料エステルを2.0g、蒸留水を0.2g秤りとる。アスピレーターで脱気しながらその試験管を封じ、オーブンに入れて160℃で16時間加熱する。その後試料エステルを取り出し、酸価を測定するとともに鉄線の表面状態を目視にて観察し、以下のように3段階で評価する。
○:変化はない
△:若干の変色みられる
×:黒色に変化する
なお、冷凍機用潤滑油として評価する場合は、オーブン中175℃で20時間加熱する。
ウベローデ粘度計を用いてJIS−K−2283に準拠して測定する。
流動点
JIS−K−2269に準拠して測定する。
体積固有抵抗
JIS−C−2101に準拠して25℃にて測定する。
フロン相溶性試験
ガラス管に試料油が10重量%となるように試料油とハイドロフルオロカーボン冷媒HFC−134aを加えて封管し、−60℃〜100℃での二相分離温度を測定する。
撹拌機、温度計、冷却管付き水分分留器を備えた4ツ口フラスコに4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(本品は無水マレイン酸と1,3−ブタジエンとを通常のディールス−アルダー反応をすることにより調製した)152.1g(1モル)、2−エチルヘキサノール286.5g(2.2モル)を仕込み、テトライソプロピルチタネート触媒の存在下、減圧下にて200℃まで昇温した。生成した水を水分分留器にとりながらエステル化反応を約9時間行った。反応後、過剰の2−エチルヘキサノールを蒸留で除去し、苛性ソーダで中和し、その後中性になるまで水洗した。次いで活性炭処理を行い、濾過後、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ(2−エチルヘキシル)343.2gを得た。酸価および動粘度を第1表に示す。
製造例1と同様の方法により、第1表に示す各エステル調製した。各エステルの酸価および動粘度を同表に示す。
製造例1と同様の反応装置、反応容器に、トリメリット酸無水物192.0g(1.0モル)、イソデカノール522.1g(3.3モル)を仕込み、製造例1と同様の方法でエステル化を行い、トリメリット酸トリイソデシル598gを得た。続いて、トリメリット酸トリ(イソデシル)80g(0.15モル)をオートクレーブにとり、核水素化触媒存在下、130℃にて、水素圧力50Kg/cm2Gの条件下で1時間水素化を行い、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸トリ(イソデシル)77gを得た。酸価および動粘度を第1表に示す。
製造例1と同様の方法により、第2表に示す各エステルを得た。各エステルの酸価および動粘度を第2表に示す。
製造例1〜14で得られたエステルの加水分解安定性を評価した。得られた結果を第3表に示す。
製造例2のエステルと製造例3のエステルとを重量比1:1で混合し、実施例15の化合物とし、このものの加水分解安定性を評価した。得られた結果を第3表に示す。
製造例1のエステルと鉱油(500ニュートラル)とを重量比1:1で混合し、得られた混合油の動粘度、流動点および加水分解安定性を測定した。その結果を第4表に示す。
製造例2のエステルと牛脂とを重量比1:1で混合し、得られた混合油の動粘度、流動点および加水分解安定性を測定した。その結果を第4表に示す。
製造例4のエステルと牛脂とを重量比1:1で混合し、得られた混合油の動粘度、流動点および加水分解安定性を測定した。その結果を第4表に示す。
製造例4のエステルとトリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)とを重量比1:1で混合し、得られた混合油の動粘度、流動点および加水分解安定性を測定した。その結果を第4表に示す。
製造例4のエステルとトリメチロールプロパントリオレエートとを重量比1:1で混合し、得られた混合油の動粘度、流動点および加水分解安定性を測定した。その結果を第4表に示す。
製造例10のエステルと牛脂とを重量比1:1で混合し、得られた混合油の動粘度、流動点および加水分解安定性を測定した。その結果を第4表に示す。
製造比較例1〜4で得られたエステルの加水分解安定性を評価した。得られた結果を第4表に示す。
市販の牛脂をそのまま試料油とし、加水分解安定性を評価した。得られた結果を第4表に示す。
パラフィン系ニュートラル油(500ニュートラル)をそのまま比較例5の試料油とし、動粘度および流動点を評価した。得られた結果を第4表に示す。
ヤシ油脂肪酸のC12〜C18留分のメチルエステルの加水分解安定性を評価した。評価結果を第4表に示す。
撹拌機、温度計、冷却管付き水分分留器を備えた4ツ口フラスコ1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物(本品は4−シクロヘキセン−1、2−ジカルボン酸無水物を水添することにより調製した。)243.2g(1.6モル)およびイソヘプタノール408.3g(3.5モル)を仕込み、テトライソプロピルチタネート触媒の存在下、減圧下にて200℃まで昇温した。生成した水を水分分留器にとりながらエステル化反応を約9時間行った。反応後、過剰のイソヘプタノールを蒸留で除去し、苛性ソーダで中和し、その後中性になるまで水洗した。その後、活性炭処理を行い、濾過後、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソヘプチル483.0gを得た。酸価および動粘度を第5表に示す。
製造例15と同様の方法により、第5表に示す各エステルを得た。各エステルの酸価および動粘度を同表に示す。
製造例15と同様の方法により、第6表に示す各エステルを得た。各エステルの酸価および動粘度を同表に示す。
ピロメリット酸無水物と3,5,5−トリメチルヘキサノールを原料としてエステル化し、得られたピロメリット酸テトラ(3,5,5−トリメチルヘキシル)を核水添することにより1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸テトラ(3,5,5−トリメチルヘキシル)を調製した。酸価および動粘度を第6表に示す。
製造例15と同様の方法により、第7表に示す各エステルを得た。各エステルの酸価および動粘度を第7表に示す。
原料としてピロメリット酸無水物および3,5,5−トリメチルヘキサノールを用い、製造例13と同様の方法によりエステル化し、ピロメリット酸テトラ(3,5,5−トリメチルヘキシル)を得た。酸価および動粘度を第7表に示す。
市販の可塑剤用として用いる脂肪族二塩基酸エステルおよび芳香族エステルを用意した。
製造例15〜25で得られたエステルの加水分解安定性を評価した。得られた結果を第8表に示す。
製造例26〜33で得られたエステルの加水分解安定性を評価した。得られた結果を第9表に示す。
製造比較例8〜12で得られたエステルの加水分解安定性を評価した。得られた結果を第10表に示す。
市販の可塑剤用として用いる脂肪族二塩基酸エステルおよび芳香族エステルを比較例13〜18のエステルとし、それらの加水分解安定性を評価した。得られた結果を第10表に示す。
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)とペンタエリスリトールテトラ(3,5,5−トリメチルヘキサノエート)とを重量比1:1で混合し、得られた混合エステルの動粘度、体積固有抵抗、フロン相溶性および加水分解安定性を測定した。その結果を第11表に示す。
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、ペンタエリスリトールテトラ(3,5,5−トリメチルヘキサノエート)、トリメチロールプロパントリ(3,5,5−トリメチルヘキサノエート)を重量比1:1:1で混合し、得られた混合エステルの動粘度、体積固有抵抗、フロン相溶性および加水分解安定性を測定した。その結果を第11表に示す。
製造比較例8〜9のエステルを比較例19〜20のエステルとして用い、実施例41と同様の方法により体積固有抵抗、フロン相溶性を測定した。その結果を第11表に示す。
実施例1〜15から明らかなように、脂環式ポリカルボン酸エステルは加水分解安定性が良好で酸価の上昇が小さく、金属表面の変化はほとんど観られない。これに対し、比較例1〜7に示すようにトリメチロールプロパンオレイン酸エステル、脂肪酸モノエステル、および牛脂は、酸価の上昇が大きく金属の腐食も大きい。また、実施例16〜21に示すように、脂環式ポリカルボン酸エステルと比較例の鉱油や他のエステルとを併用した場合も、比較例の試料油を単独で用いた場合に比べて加水分解安定性が改善される。
Claims (6)
- 前記脂環式ポリカルボン酸エステルが、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸およびそれらの無水物よりなる群から選択される1種または2種以上の化合物を酸成分とするエステルである請求項1に記載の金属加工用潤滑油。
- 前記脂環式ポリカルボン酸エステルが、イソブタノール、シクロヘキサノール、イソヘプタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、イソデカノール、イソウンデカノール、イソトリデカノール、イソオクタデカノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノールおよびn−オクタデカノールよりなる群から選択される1種または2種以上の化合物をアルコール成分とするエステルである請求項1または請求項2に記載の金属加工用潤滑油。
- 前記脂環式カルボン酸エステルのアルコール成分中、炭素数1〜18の直鎖状アルコールの総含有量が50モル%以下である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の金属加工用潤滑油。
- 前記脂環式ポリカルボン酸エステルの含有量が10重量%以上である請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の金属加工用潤滑油。
- 前記脂環式ポリカルボン酸エステルに、さらに、鉱油、合成炭化水素油、動植物油および併用エステルよりなる群から選択される少なくとも1種の成分が混合されてなる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の金属加工用潤滑油。
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