JP3785951B2 - 給紙カセットおよび給紙装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタなどに用いられる給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やプリンタなど電子写真方式の画像形成装置に用いられる給紙装置は、サイズが異なる用紙を収納する給紙カセットと、その給紙カセットに収納された用紙を1枚ずつ引き出して送り出す用紙送出機構を備えた給紙装置本体とにより構成されている。給紙カセットは、用紙収納箱と収納された用紙を上方に押上げるために上方に付勢された底板とを備えており、給紙のときには最上紙が絶えず給紙カセットの押さえ爪に当たるように構成されているが、給紙カセットを給紙装置本体部から引き出して用紙を補給するときには底板を押し下げ、底板を用紙収納箱にロックしてから行なっている。
【0003】
底板を、手で押し下げる方法もあるが、操作性が悪いことから、底板両側にガイドピンを設けるとともに給紙装置本体にカムやガイドレールを設け、ガイドピンをカムもしくはガイドレールに沿って両側面を下方に案内して底板を押し下げ、ロックする方法が広く用いられている。
【0004】
特開平6−271102号公報には、給紙カセットの底板の給紙方向前部にガイドピンを設けるとともに給紙カセットにガイドピンが上下する通孔部を設けるとともに、給紙装置本体側に給紙カセットの着脱方向に延びるガイドレールを設け、このガイドレールによりガイドピンを案内して底板を押し下げる技術が開示されている。
【0005】
この方法によれば、給紙カセットの着脱に連動して底板を押し下げることが可能である。
【0006】
しかし、ガイドピンとガイドレールとの間に摩擦が発生し、給紙カセットを着脱するのにかなりの力が必要である上、耐久性が低下する恐れがある。
【0007】
実開平6−18340号公報には、用紙カセットの底板と一体化されたシャフトが用紙カセット側面に設けられた孔から突き出しており、収納室には用紙カセットを引き出すときにシャフトを押し下げるカムが設けられ、用紙カセットの出し入れに連動させて底板を押し下げることができる技術が開示されている。
【0008】
この方法においても、ガイドピンとガイドレールとの間に摩擦が発生し、用紙カセットを出し入れするのにかなりの力が必要である上、耐久性が低下する恐れがある。さらに、底板のロック解除を給紙カセットの終端部で行なっており、用紙が少ないときには底板上昇時の衝撃音が大きい上、衝撃により給紙カセット自体を破損する恐れもある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、給紙カセットの着脱がスムーズで衝撃音も少なく、記録用紙の補給も底板を手で押し下げることなく行なえる低コストの給紙カセットおよび給紙装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の給紙カセットは、引出し状に構成され、左右側面それぞれに形成された上下方向に延びる長孔と該長孔下部に形成された所定の係止部とを有する用紙収納箱、上記用紙収納箱に収容され給紙方向後側を支点として前側が上下に回動自在であって上記長孔から外部に突出するガイドピンが左右に設けられた、積載される用紙の下敷きとなる底板、上記底板前側を上方に付勢する付勢部材、および上記ガイドピンそれぞれに嵌め込まれた、上記底板前側が下方に押し下げられたときに上記係止部に係止する係止爪と、上記長孔の壁に弾性的に撓んだ状態で接触して上記係止爪を上記係止部との係合方向に付勢する弾性アームとが一体的に成形された係止部材を備えたことを特徴とする。
【0011】
ここで、上記係止部材は、回転可能に前記ガイドピンそれぞれに嵌め込まれたものであることが好ましい。
【0012】
上記目的を達成する本発明の給紙装置は、引出し状に構成され、左右側面それぞれに形成された上下方向に延びる長孔と該長孔下部に形成された所定の係止部とを有する用紙収納箱、上記用紙収納箱に収容され給紙方向後側を支点として前側が上下に回動自在であって上記長孔から外部に突出するガイドピンが左右に設けられた、積載される用紙の下敷きとなる底板、上記底板前側を上方に付勢する付勢部材、および上記ガイドピンそれぞれに嵌め込まれた、上記底板前側が下方に押し下げられたときに上記係止部に係止する係止爪と、上記長孔の壁に弾性的に撓んだ状態で接触して上記係止爪を上記係止部との係合方向に付勢する弾性アームとが一体的に成形された係止部材を備えた給紙カセットと、上記給紙カセットを収容する収容室、上記収容室の両側壁に設けられ該収容室に収容された給紙カセットの引き抜きにあたり該給紙カセットの前記ガイドピンを押し下げて所定の係合位置において上記係止部材の係止爪を上記係止部に係合させるガイドレール、および上記収容室に収容された給紙カセットに収容された用紙を1枚ずつ送り出す用紙送出機構を備えた給紙装置本体とを有することを特徴とする。
【0013】
ここで、上記給紙装置の上記給紙カセットは、上記ガイドピンそれぞれに軸着され上記ガイドレールに接触する円筒部材を備えたものであることが好ましい。
【0014】
また、上記給紙装置本体は、上記収容室への前記給紙カセットの収容方向に関し、上記係合位置よりも奥側の前記ガイドレールが設置された領域内いずれかの位置に、上記収容室への上記給紙カセットの収容の際に上記係止部材に接触して該係止部材の係止爪の上記係止部への係合を外す係合解除部材を備えたことも好ましい態様である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の給紙カセットおよび給紙装置の実施形態を備える一例として示す画像形成装置の概略外観図である。
【0017】
図1に示す画像形成装置は、筐体31に収容され、入力された画像データに基づいて所定のプリント画像を出力する本体部26と、記録用紙を収容するとともに1枚づつ本体部26に記録用紙を給紙する給紙装置29と、給紙装置29に上下2段に収容され記録用紙を収納する給紙カセット22とにより構成されている。本体部26には、プリントされた記録用紙を外部に排出する排出口36があり、筐体31の周囲は外装カバー37で囲われ外装カバー37は取り外しができる構造になっている。
【0018】
図2は、本発明の給紙カセットおよび給紙装置の実施形態を備える一例として示す画像形成装置の概略構成図である。
【0019】
図2に示す画像形成装置は、入力された画像データに所定の画像処理を施す画像処理部1、画像形成装置全体を制御する制御部3、画像処理部1および制御部以外の、記録用紙に画像を形成する画像形成部とで構成され筐体31に収容された本体部32と、給紙カセット22と給紙カセット22を収容するカセット収容室30および用紙カセット22から用紙を送り出すピンチロール33と搬送ロール34などを備えた給紙装置29とにより構成されている。
【0020】
画像形成部には、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色トナー像が形成される4つの感光体ドラム10があり、その4つの感光体ドラム10の左側には露光光を照射する光学系11を有する露光装置12がある。各感光体ドラム10の周囲には、感光体ドラム10を帯電させる帯電器13、C、M、Y、Kの各色現像剤で感光体ドラムを現像する現像器14、転写後に感光体ドラム10上に残留している余分なトナーを除去するクリーナ16が配備されている。各現像器14は、各色の現像剤を供給する現像剤貯蔵部15とパイプで接続されている。CとM色トナー像が形成される感光体ドラム10に近接する位置には、CとM色トナー像が転写される第1段階の中間転写体17が配置され、YとK色トナー像が形成される感光体ドラム10に近接する位置には、YとK色トナー像が転写される第1段階の中間転写体18が配置されている。この画像形成部には、さらに、CとM色トナー像が転写される第1段階の中間転写体17と、YとK色トナー像が転写される第1段階の中間転写体18の双方に近接する位置に、第1段階の中間転写体17,18それぞれのトナー像が転写される第2段階の中間転写体19が配置されている。なお、各中間転写体17,18,19には、それぞれの中間転写体と接触し、転写後に残留しているトナーをクリーニングするクリーナ20が備えられている。
【0021】
また、制御部3や画像処理部1の下方には給紙装置29があり、記録用紙を収納する給紙カセット22と給紙カセット22を収容するカセット収容室30があり、用紙は給紙カセット22から用紙送出機構によって送り出され、ピンチロール33と搬送ロール34によって上方にガイドされる。
【0022】
上方にガイドされた用紙は、画像処理部の第2段階の中間転写体19に向けて第1搬送路23を搬送され、第2段階の中間転写体19と第1搬送路23を挟んで対向する位置にある転写器21により第2段階の中間転写体19上の各色トナー像が記録用紙に転写される。なお、第1搬送路は、さらに画像形成部の定着器27や排出ロール28に至る。画像形成部には、さらに画像形成装置の右側面から手差しで給紙された記録用紙を搬送する第2搬送路24があり、第2搬送路24は、転写器21より手前で第1搬送路23と合流する。また、定着器27、排出ロール28から、片面に画像が形成された記録用紙を反転させて逆送し、第2搬送路24とともに第1搬送路に合流する第3搬送路25がある。この第3搬送路25は両面プリントする場合に用いられる。転写器21により第2段階の中間転写体19上の各色トナー像が転写された記録用紙は、第1搬送路23を搬送されて定着器27に至り、その定着器27で未定着トナー像が加熱および加圧され記録用紙上に定着される。定着が終了した記録用紙は、さらに第1搬送路23を搬送されて排出ローラ28に至り、画像形成装置外部に排出される。さらに、画像形成装置は、所定の個所を開けることができるように構成された筐体31に収容され、筐体31の上部には排出ロール28から排出された記録用紙を積み重ねておく凹部32がある。
【0023】
画像処理部1は、画像データが入力されると所定の画像処理を施して画像形成部に送る。
画像形成部は、送られてくる画像データに基きY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色毎にパルス変調された露光光を露光装置12が出射し、その露光光は、光学系11を経由し各色ごとの感光体ドラ10ム上に静電潜像を形成させる。各感光体ドラム10上の静電潜像は、それぞれの色の現像剤で現像されて色トナー像となり、C色とM色のトナー像、およびY色とK色のトナー像はそれぞれ2つある第1段階の中間転写体17,18に転写され、2つの第1段階の中間転写体17,18上の2色のトナー像は第2段階の中間転写体19に転写され、第2段階の中間転写体19には各色のトナー像が形成さる。第2段階の中間転写体19上の各色トナー像は、給紙装置29の給紙トレイ22から引き出され第1の搬送路23上を搬送される記録用紙、あるいは手差しで第2の搬送路24から第1の搬送路23に合流し搬送される記録用紙、片面に画像を形成し、他の片面にも画像を形成するため第3の搬送路25を経由して第1の搬送路23に合流し搬送される記録用紙に転写されて各色の未定着トナー像を形成し、その記録用紙上の各色の未定着トナー像は、定着器27で加熱および加圧されて画像が形成される。画像が形成された記録用紙は、排出ロール28により、カバー31の上部に設けられた凹部32に積み重ねられる。
【0024】
図3は、本発明の給紙カセットの実施形態の側面をあらわす模式図である。
【0025】
図3に示すように、給紙カセット22は、給紙装置本体部に矢印A方向に収容される引出し状に構成された用紙収容箱40があり、その用紙収容箱40の側面41には上下方向に延びる長孔42が形成され、その長孔42下部には底板43をロックする係止部44が設けられている。用紙収容箱40の中には、矢印方向Aとは反対方向で給紙方向に対して後側45を支点として前側46が上下に自在に回動し上に用紙を載せる用紙の下敷きとなる底板43が収容されている。
【0026】
底板43にはばね47が取り付けられており、底板43の前側46は絶えず上方に付勢されている。また、底板43の前側46の両側には用紙収容箱40の長孔42から外部に突出するガイドピン48が設けられており、ガイドピン48は底板43の上下動に伴って長孔42を上下に自在に回動する。ガイドピン48には係止部材49が回転可能に嵌め込まれ、さらに、後述するガイドレールと接触する円筒部材50が軸着されている。底板43の上下動に伴って係止部材49は用紙収容箱40内を上下動し、円筒部材50は用紙収容箱40外の外側を上下動する。
【0027】
係止部材49は、底板43の前側46が下方に押し下げられたときに用紙収納箱40の係止部44に係止する係止爪と弾性アームとが一体的に成形されている。底板43の前側46が下方に押し下げられたとき係止部材49が用紙収納箱40の係止部44に突き当たると係止部材49が係止部44との係合方向と反対方向に回転するとともに、長孔42の上下方向に伸び弾力性がある弾性アームが用紙収容箱40の長孔の壁51に接触することによって弾性アームが撓み、その反力で係止部材49の係止爪が係止部44との係合方向に付勢され、係止爪が係止部44にロックされる。
【0028】
このように、係止部材49は、係止爪とばねの役割を果たす弾性アームとが一体的に成形されているので、バネなどの部品を別に用意する必要もないのでコストが低減され、作業性も向上する。
【0029】
図4は、給紙カセットの用紙収容箱に収容される底板の平面図である。
【0030】
図4に示すように、底板43は略H字型をなしており、図の左方が底板43の前側46に相当し、図の右方が底板43の後側45に相当する。用紙は、底板43の前側46から後側45に向けて挿入されて底板43に載せられ、後側45から前側46に向けて給紙される。底板43の前側46は、バネによって絶えず上方に付勢されており、先端部52の左右にはガイドピン48が設けられている。ガイドピン48は、断面が円形をなし、係止部材を回転可能に嵌め込んだり、先端部付近に溝が設けられ、その溝により後述するガイドレールに接触する円筒部材を軸着することができる。
【0031】
図5は、左右のガイドピンに嵌め込む係止部材を正面から見た図である。
【0032】
図5(a)は、左のガイドピンに嵌め込む係止部材をあらわし、図5(b)は、右のガイドピンに嵌め込む係止部材をあらわしている。
【0033】
左右のガイドピンに嵌め込む係止部材49は対称形をなし、各係止部材49は、底板の前側が下方に押し下げられたときに用紙収納箱の係止部に係止される係止爪49aと、その係止爪49aと同じ側にあって棒状をなし、ばねの役割を果たすすありに弾性アーム49bと、円形のリング部分49dと、底板の前側が下方に押し下げられたときに用紙収納箱の係止部に突き当たり係止部材49を係合方向とは反対方向に回転させるとともに、給紙カセットを収納室から引き抜いて用紙を補充し、再び収納室に収容するときに収納室の係合解除部材(後述する)と突き当たる、用紙収納箱底面から収容室内に突出する突出部49cとが弾性材で一体的に成形され、リング部分49dによりガイドピンに回転可能に嵌め込まれる。
【0034】
長孔の上下方向に棒状に伸びる弾性アーム49bと係止部と係合する係止爪49aとは所定の角度をなしているので、底板の前側が下方に押し下げられ、用紙収容箱の係止部に係止部材49の突出部49cが突き当たり係止部材49が係合方向とは反対方向に回転すると係止部材49の係止爪49aは係止部と係合可能な状態となるとともに、弾性アーム49bは用紙収容箱の長孔の壁に当たりその弾性によって撓んだ状態となり、弾性アーム49bが長孔の壁から受ける反力により付勢されて係止爪49aは係止部に係止される。
【0035】
このように、従来多物品で構成されていた係止部材は、一体成形して一物品化されているのでコストが安く、作業性がよい上、故障にもなりにくいというメリットがある。
【0036】
図6は、係止部材を側面から見た図であり。
【0037】
図6(a)は、左のガイドピンに嵌め込む係止部材の右側面をあらわし、図6(b)は、左のガイドピンに嵌め込む係止部材の左側面をあらわしている。
【0038】
図6(a)、図6(b)に示すように、係止部材49には、係止爪49aと、弾性アーム49bと,突出部49cとがあり、弾性アーム49bと係止爪49aはリング部分49dと同じ側にあり、これらは一体的に成形されている。
【0039】
また、突出部49cは係止爪49aよりも用紙収容箱40の内側に位置するように構成されている。
【0040】
図7は、ガイドピンに軸着される円筒部材をあらわす図である。
【0041】
図7(a)は、円筒部材の平面図であり、図6(b)は、円筒部材の側面図である。
【0042】
図7(a)、図7(b)に示すように、円筒部材50には、肉薄で中央にガイドピンを軸着する穴50cが開いた円形の鍔部分50aと、鍔部分50aよりは半径が小さく、肉厚で中央にガイドピンを軸着する穴50cが開いたカラー部分50bとがあり、共通の中央の穴50cの一部には弾性突起50dが突き出している。弾性突起50dは、ガイドピンの先端部付近に設けられた溝と係合し、円筒部材50はその弾性突起50dによってガイドピンに軸着される。
【0043】
図8は、本発明の給紙装置の実施形態の主要部である給紙カセットを収納する収納室側面をあらわす模式図である。
【0044】
図8に示すように収納室53の側面には、収納された給紙カセットを矢印方向Bとは反対方向に引き抜くときに給紙カセットのガイドピンを押し下げて、ガイドピンに嵌め込まれた係止部材の係止爪を用紙収納箱の係止部に係止するガイドレール54と、給紙カセットを矢印方向Bに押し込んで収納室53に収納するときに係止部材の突出部が突き当たり係止部材の係止爪の係止部への係合を外す係合解除部材55がガイドレール54の設置された領域内に設けられている。
【0045】
図2で説明したように、給紙カセットのガイドピンには円筒部材50が軸着されており、給紙カセットを矢印B方向とは反対方向に引き抜くと、円筒部材50がガイドレールに沿って回転しながら移動し、底板の前側を押し下げ、円筒部材50が最も低くなる位置でガイドピンに嵌め込まれた係止部材の係止爪を用紙収納箱の係止部に係止する。一方、係止部材の係止爪が係止部に係合され底板がロックされた状態で用紙を補充した給紙カセットを矢印B方向に押し込むと、係止部材の突出部が収納室53の係合解除部材55に突き当たり、係止爪が係止部から外れ底板のロック状態が解除される。
【0046】
収納室53の係合解除部材55は、円筒部材50が最も低くなる位置よりも矢印方向Bの下流側、すなわち係止部材の係止爪を係止部に係合させる係合位置よりも給紙カセットの収納方向奥側に位置している。したがって、給紙カセットを引き抜くときは係止部材の突出部は係合解除部材55に突き当たらないが、給紙カセットを矢印B方向に押し込むときには途中で係止部材の突出部が収納室53の係合解除部材55に突き当たり、弾性アームが撓むため、弾性アームと係止爪とのなす角度が大きくなり、係止爪が係止部から外れ底板のロックが解除される。底板のロックが解除されても、円筒部材50がガイドレール54の中間部分に接触し、円筒部材50がガイドレールに沿って上昇するので、解除された底板はその円筒部材50と連動して緩やかに上昇し、衝撃音を発することはない。
【0047】
図9は、係止部材の突出部が収納室の係合解除部材に突き当たり、係止爪が係止部から外れる状態を示す模式図である。
【0048】
図9に示すように、給紙カセットの用紙収容箱40の側面41と、その側面41に形成された上下方向に延びる長孔42と、長孔42下部に形成された係止部44があり、用紙収容箱40の下側には収納室53の底面があり、収納室53の底面には係合解除部材55が設けられている。また、係止部材49は長孔42下部に位置し、その係止爪49aが係止部44に係止されている。また、突出部49cは用紙収納箱40から突き出して収納室53の底面に備える係合解除部材55に突き当たっている。一方、弾性アーム49bが長孔42の壁51に強く接触し長孔42の壁51から反力を受けて撓むので弾性アーム49bと係止爪49aとのなす角度が大きくなり、係止爪49aが係止部44から外れ、底板のロックが解除される。底板は絶えず上方に付勢されているので、ロックが解除されると上昇する。
【0049】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、用紙補充の操作性がよく、給紙カセットの給紙装置への着脱がスムーズで、衝撃音を生じさせない低コストの給紙カセットおよび給紙装置を提供することができる。また、特に従来多物品で構成されていた係止部材を、一体成形して一物品化しているので、作業性がよい上、故障になりにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給紙カセットおよび給紙装置の実施形態を備える一例として示す画像形成装置の概略外観図である。
【図2】本発明の給紙カセットおよび給紙装置の実施形態を備える一例として示す画像形成装置の概略構成図である。
【図3】本発明の給紙カセットの実施形態の側面をあらわす模式図である。
【図4】用紙収容箱に収容される底板の平面図である。
【図5】左右のガイドピンに嵌め込む係止部材を正面から見た図である。
【図6】係止部材を側面から見た図である。
【図7】ガイドピンに軸着される円筒部材をあらわす図である。
【図8】本発明の給紙装置の実施形態の主要部である給紙カセットを収納する収納室の側面をあらわす模式図である。
【図9】係止部材の突出部が収納室の係合解除部材に突き当たり、係止爪が係止部から外れる状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 画像処理部
3 制御部
10 感光体ドラム
11 光学系
12 露光装置
13 帯電器
14 現像器
15 現像剤貯蔵部
16 クリーナ
17,18 第1段階の中間転写体
19 第2段階の中間転写体
21 転写器
22 給紙カセット
23 第1搬送路
24 第2搬送路
25 第3搬送路
27 定着器
28 排出ローラ
29 給紙装置
30 カセット収納室
31 筐体
32 本体部
36 排出口
37 外装カバー
40 用紙収容箱
41 側面
42 長孔
43 底板
44 係止部
45 後側
46 前側
47 ばね
48 ガイドピン
49 係止部材
49a 係止爪
49b 弾性アーム
49c 突出部
49d リング部分
50 円筒部材
50a 鍔部分
50b カラー部分
50c 穴
50d 弾性突起
51 長孔の壁
53 収容室
54 ガイドレール
55 係合解除部材
Claims (5)
- 引出し状に構成され、左右側面それぞれに形成された上下方向に延びる長孔と該長孔下部に形成された所定の係止部とを有する用紙収納箱、前記用紙収納箱に収容され給紙方向後側を支点として前側が上下に回動自在であって前記長孔から外部に突出するガイドピンが左右に設けられた、積載される用紙の下敷きとなる底板、前記底板前側を上方に付勢する付勢部材、および前記ガイドピンそれぞれに嵌め込まれた、前記底板前側が下方に押し下げられたときに前記係止部に係止する係止爪と、前記長孔の壁に弾性的に撓んだ状態で接触して前記係止爪を前記係止部との係合方向に付勢する弾性アームとが一体的に成形された係止部材を備えたことを特徴とする給紙カセット。
- 前記係止部材は、回転可能に前記ガイドピンそれぞれに嵌め込まれたものであることを特徴とする請求項1記載の給紙カセット。
- 引出し状に構成され、左右側面それぞれに形成された上下方向に延びる長孔と該長孔下部に形成された所定の係止部とを有する用紙収納箱、前記用紙収納箱に収容され給紙方向後側を支点として前側が上下に回動自在であって前記長孔から外部に突出するガイドピンが左右に設けられた、積載される用紙の下敷きとなる底板、前記底板前側を上方に付勢する付勢部材、および前記ガイドピンそれぞれに嵌め込まれた、前記底板前側が下方に押し下げられたときに前記係止部に係止する係止爪と、前記長孔の壁に弾性的に撓んだ状態で接触して前記係止爪を前記係止部との係合方向に付勢する弾性アームとが一体的に成形された係止部材を備えた給紙カセットと、
前記給紙カセットを収容する収容室、前記収容室の両側壁に設けられ該収容室に収容された給紙カセットの引き抜きにあたり該給紙カセットの前記ガイドピンを押し下げて所定の係合位置において前記係止部材の係止爪を前記係止部に係合させるガイドレール、および前記収容室に収容された給紙カセットに収容された用紙を1枚ずつ送り出す用紙送出機構を備えた給紙装置本体とを有することを特徴とする給紙装置。 - 前記給紙カセットは、前記ガイドピンそれぞれに軸着され前記ガイドレールに接触する円筒部材を備えたものであることを特徴とする請求項3記載の給紙装置。
- 前記給紙装置本体は、前記収容室への前記給紙カセットの収容方向に関し、前記係合位置よりも奥側の前記ガイドレールが設置された領域内いずれかの位置に、前記収容室への前記給紙カセットの収容の際に前記係止部材に接触して該係止部材の係止爪の前記係止部への係合を外す係合解除部材を備えたことを特徴とする請求項3記載の給紙装置。
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