JP3785568B2 - 充電式電気掃除機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、充電式電気掃除機、特に充電池の放熱機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、充電池を動力源として作動する電気掃除機では、充電池の放電中、充電中で発熱が起こるため、さまざまな冷却方法が取られていた。
図12は、特開平5−192270号公報に記載された従来の電気掃除機の側面断面図である。従来の電気掃除機100では、被清掃面から塵埃を吸入する吸入口である吸い込み口102と、塵埃を貯留する集塵部である集塵フィルター104と、被清掃面から塵埃を吸入するために前記吸い込み口102から集塵フィルター104を通過して、排気孔112より本体106外部に排気される気流を発生させる電動送風機108と、前記電動送風機108に動力を供給する充電池110とを備えていた。
【0003】
このような構成を持つ従来の電気掃除機は、電動送風機108によって発生された気流により、吸い込み口102から塵埃を吸い込み、集塵フィルター104にて塵埃が集塵される。塵埃を集塵フィルター104に集塵した気流は、図12に矢印で示したように、集塵フィルター104を通り抜け、電動送風機108の吸気口114より吸い込まれ、電動送風機108の背面より排気され、電動送風機108から排気された気流は排気孔112から掃除機本体106の外部へ排気されるものであった。
【0004】
そして、この電気掃除機100では吸気口114より吸入され、電動送風機108内を通り抜けた排気流中に充電池110が配置されており、充電池110は電動送風機108の排気流によって冷却されるように構成されていた。
【0005】
また、図13は特開平11−56725号公報に記載された他の従来の電気掃除機の上面断面図である。同図に示す従来の電気掃除機は、被清掃面から塵埃を吸入する吸入口(図示せず)と、前記吸入口から吸入された塵埃を貯留する集塵部124と、被清掃面から塵埃を吸入するために前記吸入口からホース126を通り、集塵部124を通過して、排気孔128から本体122外部に排気される気流を発生させる電動送風機130と、前記電動送風機130に動力を供給する充電池132とを備えている。
【0006】
そして、この従来の電気掃除機120では充電池132の冷却のために、冷却用空気通路134を有している。この冷却用空気通路134には、ホース126から掃除機本体122に塵埃とともに取り込まれた気流の一部が、集塵部を通されないまま、冷却用空気通路フィルター136を通して供給され、冷却用空気通路134を通過する気流によって充電池132が冷却されるものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図12に示した従来の電気掃除機100では、電動送風機108の動作で発生した排気流の利用により充電池110の冷却を行っていたので、電動送風機108が作動すると、その動作に伴って発熱が起こり、排気流が暖められるため、充電池の冷却効率が悪化し、充電時間の増大、充電池の寿命劣化などの諸問題を引き起こすことがあった。
【0008】
また図13に示した従来の電気掃除機120では、冷却用空気フィルター136に通される気流が集塵部124を通されていないため、塵埃を含むものであり、冷却用空気フィルター136が塵埃によって目詰まりを起こすことも考えられ、このような場合には冷却効果が著しく低下することとなる。また冷却用空気フィルター136の掃除や、交換が必要とされるなど、メンテナンスが煩雑になり使い勝手が悪いという問題もあった。さらに、気流の一部を冷却用空気通路に分岐させるため、その分の圧損が生じ、掃除機自体の集塵性能が悪化するものであった。
【0009】
また、冷却用空気通路134中に充電池132を配置するために、充電池132を電気掃除機本体122の側面部に配置したが、充電池はかなり重量があるため、本体の重量バランスが非常に悪くなり、掃除機の操作性に影響する場合も考えられる。
また従来の電気掃除機では充電池を掃除機本体内に内蔵する構成となっているため、充電池の寿命が切れた際などの充電池の交換作業は本体ケースの分解などを必要とする複雑なものであった。
【0010】
さらに、充電池は、その状態を確認しづらい場所に配置されていたため、液漏れ等の充電池の異常が発生していても利用者が気づかない場合や、気づいても確認ができない場合などがあった。
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、充電池の冷却効率の向上を図る事が可能で、また、充電池の発熱を利用して有用な効果を得ることもできる電気掃除機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明にかかる充電式電気掃除機は、被清掃面から本体内部に塵埃を吸入する吸入口と、前記吸入口から吸入された塵埃を集塵フィルターにより貯留する集塵部と、前記吸入口から前記集塵部を通過して本体外部に排気される気流を発生させる吸気口を有する電動送風機と、前記電動送風機に動力を供給する充電池とを備え、 前記集塵部を通過後、前記電動送風機の吸気口に至るまでの気流中に吸込みフィルター及び充電池が配置され、前記吸込みフィルターを通過した気流により前記充電池が冷却されるものである。
【0012】
また、本発明の充電式電気掃除機は、前記電動送風機の吸気口前方の、少なくとも前記吸気口中央部近傍に、前記集塵部を通過した気流が直接前記電動送風機の吸気口に流れるための吸気通路が確保されているものである。
また、本発明の充電式電気掃除機は、前記集塵部の下方に前記充電池が配置されるように構成されたものである。
また、本発明の充電式電気掃除機は、前記集塵部に貯留された塵埃を本体外部へ廃棄するための開閉自在の開閉扉を備え、前記開閉扉に前記充電池が配置されたものである。
【0013】
また、本発明の充電式電気掃除機は、前記集塵部と前記充電池が近接して配置されているものである。
また、本発明の充電式電気掃除機は、充電時に前記集塵部が前記充電池の上方に配置されるように構成されているものである。
【0014】
また本発明にかかる充電式電気掃除機は、被清掃面から本体内部に塵埃を吸入する吸入口と、前記吸入口から吸入された塵埃を貯留する集塵部と、前記吸入口から集塵部を通過して本体外部に排気される第一の気流を発生させる電動送風機と、前記電動送風機に動力を供給する充電池と、前記電動送風機の後部から突出した前記電動送風機の回転軸に設けられた第二の気流を発生させる気流発生手段とを備え、前記第二の気流中に前記充電池が配置されているものである。
また、本発明の充電式電気掃除機は、前記気流発生手段によって発生される第二の気流と前記第二の気流中に配置される前記充電池を、前記電動送風機によって発生される第一の気流から隔離する隔壁が形成されているものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の一実施形態である充電式電気掃除機の外観を示した概要図である。同図において、図1(a)は掃除機外観の側面図、図1(b)は掃除機外観の上面図である。
【0016】
同図に示すように、本発明の一実施形態である充電式掃除機1では、掃除機本体2が、本体ケース3と開閉自在な蓋であるダストケース4、移動のための車輪5および補助車輪6から構成されている。
【0017】
また、掃除機本体2には、ホース7の一端が貫入されて接続されており、ホース7の他端には、掃除機1の出力を操作する操作部(図示せず)を有するハンドル8が接続されている。さらにハンドル8には接続パイプ9を介して被清掃面から塵埃を吸入するための吸入口を有する床ブラシ10が接続されている。
【0018】
図1に記載した本発明の一実施形態である電気掃除機の内部構造は図2、および図3に示すようになっている。図2に本発明の一実施形態である充電式電気掃除機の側面断面図を、図3に図2に示した本発明の一実施形態である充電式電気掃除機の掃除機本体2の上面断面図を記載する。なお、同図において図1と同じ構成要素に対応するものには同一の符号を付して説明を省略する。
【0019】
図2に示すように本発明における充電式電気掃除機1は、被清掃面50から塵埃を吸入する吸入口11を床ブラシ10に有しており、前記吸入口11から吸入された塵埃を貯留する集塵部としての集塵フィルター12と、被清掃面から塵埃を吸入するために前記吸入口11から集塵フィルター12を通過して、本体外部に排気される気流を発生させる電動送風機13と、前記電動送風機に動力を供給する充電池14とを備えている。集塵フィルター12は、本体ケース3、ダストケース4および吸込フィルター17とによって構成された集塵フィルター12の収納空間である集塵庫16に収納されている。
【0020】
本実施形態の充電式電気掃除機1は、図3に示すように、集塵フィルター12と電動送風機13の間に電池用排気口20を有する壁面と、吸込みフィルター17とで形成された電池庫21内に充電池が配置されている。そして電動送風機13の吸気口22前方の集塵フィルター12を通り抜けた気流が電動送風機13の吸気口22に至るまでの経路において、少なくとも前記吸気口22中央部近傍には前記電動送風機13によって発生される気流を阻害しないために、充電池14、およびその他の気流を阻害する部材が配置されておらず、集塵部を通過した気流が直接吸気口に流れるように吸気通路23が確保されている。
【0021】
本実施形態の充電式電気掃除機1は、このような構成によって、使用者がハンドル8に備えられた操作部、あるいは掃除機本体2に備えられた電源スイッチを操作して、駆動スイッチが入れられると、その信号が図2に記載された制御基板15に送られ、信号に基づいた出力で電動送風機13を駆動させる。
【0022】
電動送風機13が駆動されると、床ブラシ10の吸入口11から塵埃を吸入する気流が起こり、その気流は塵埃とともにパイプ9、ハンドル8、ホース7を通って集塵フィルター12に至る。集塵フィルター12では、気流とともに吸入された塵埃のみが貯留され、集塵フィルター12を抜けた気流は集塵庫16内に至る。その後、気流は吸込みフィルター17を通り、電池庫21内を通過しながら充電池14を冷却して、電池用排気口20から吸気通路23に出て、電動送風機13の吸気口22から吸気されるか、あるいは吸込みフィルター17を通り抜けてそのまま吸気通路23に出て、電動送風機13の吸気口22から吸気される。電動送風機13の吸気口22から吸気された気流は電動送風機から排出され、排気フィルター18、排気孔19を通過して本体外部に排気される。
【0023】
ここで、吸気通路23が存在すると、電動送風機13によって発生される気流のほとんどが電池庫21を通過することなく吸気通路23に流れ込んでしまうように思われるが、集塵フィルター12には塵埃が蓄積されていき、この塵埃は、図3に示す塵埃24のように吸気通路23近傍から蓄積されていくため、気流は矢印で示すように集塵庫16内を大きく回るように形成され、電池庫21内を通過して電池用排気口20から吸気通路23に至るような経路となる。
【0024】
本発明において特徴的なことの一つは、前記床ブラシ10の吸入口11から吸入され、本体外部に排気されるまでの一連の気流において、集塵フィルター12を通過後、電動送風機13に至るまでの気流中に充電池14が配置されたことである。
【0025】
このように充電池14を集塵部12と電動送風機13の間に配置することによって、掃除に使用される気流のほとんどがそのまま充電池14の冷却に使用することができるため、冷却効率が非常に向上する上、充電池を冷却する気流が電動送風機13や制御基板15などの発熱部品、あるいはその近傍を未通過ため、発熱部品によって暖められていない吸込空気を冷却に使用することができ、充電池14放電中に発生する発熱を好適に冷却できる。さらに冷却によって充電池14に貯えられている電力を効率的に使用することができ、充電池14の寿命も長くなる。
また、充電池14の冷却に際して、掃除に利用する気流を分岐させないため、掃除機の集塵性能を良好に保ったままで充電池14の冷却を行うことができる。
【0026】
本発明においてさらに他の特徴的なことの一つは、電動送風機13の吸気口22前方の、少なくとも前記吸気口中央部近傍を、充電池14でふさがずに、前記電動送風機によって発生される気流を阻害しないための吸気通路23を確保して構成したことである。このため、掃除機の集塵性能は良好な状態のままで充電池14の冷却効果を得ることができる。このように、本実施形態では、掃除機の集塵性能をより良好に保つ構成となっている。
【0027】
なお、吸気通路を確保する吸気口の中央部近傍とは、電動送風機の吸気口の大きさ、および使用する電動送風機の性能にもよるので、電動送風機の性能を十分に確保することができる大きさの吸気通路であれば特に限定はないが、吸気口の直径に対して、直径が50%の円形と同じか、それより大きな吸気通路であることが好適である。なお吸気通路の形状は、円形のみでなく、図3に示したように長方形型などさまざまな形態をとることができ、設計要素に基づいて決定することが可能である。
【0028】
さらに、本発明の一実施形態である電気掃除機は、集塵部である集塵フィルター12と充電池14が近接して配置されている。ここで、近接して配置するとは、気流が存在しない状態で充電池の発熱が、充電池の発熱により暖められた空気によって、あるいは熱伝導によって、集塵部に熱を十分伝えることができる距離に配置することを意味するものとする。
【0029】
充電池は、電気掃除機の使用後に、放電作用によって充電池自体がかなり発熱している。そして、電動送風機が停止されることにより、充電池14の冷却もストップすることとなるのであるが、充電池14と集塵フィルター12が近接しているため、この充電池の熱が集塵庫16内の空気を暖めて、その暖められた空気によって集塵フィルター12とともに、内部の塵埃も加熱する。あるいは直接的に集塵フィルター12および内部の塵埃を加熱する。この加熱によって、塵埃とともに集塵フィルター12内に吸入されたダニなどの微生物を死滅させる効果を有する。また、充電時であっても充電池は発熱するため、掃除機の使用後のみならず、掃除機の充電時にも微生物を死滅させることが可能である。このように本発明の一実施形態である充電式電気掃除機では、充電池の発熱も有効に利用することができるものである。
【0030】
本実施形態では、電気掃除機使用後の保管時、および充電時に掃除機載置台を用いるように構成されている。図4に本発明の一実施形態である充電式電気掃除機が載置台に載置された様子を説明する説明図を記載する。なお同図において図1と同じ構成要素に対応する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】
同図に示すように本実施形態の充電式電気掃除機1は、使用しないときの保管時、および充電時に掃除機本体2を載置するための掃除機載置台25を有している。この掃除機載置台25は掃除機本体の背面26を支持して載置可能となっており、電気掃除機本体2を載置するときに、充電池に充電を行うために電気掃除機本体2の背面に備えられた接点電極(図示せず)と、載置台に備えられた電極(図示せず)とが接触するように構成されており、載置台25が有するコンセント27を電源に差し込んで電力を供給することで充電池に充電を行うことが可能となっている。
【0032】
この載置台25を用いることによって、充電式電気掃除機1の使用後、または充電時には、掃除機本体2の背面を底部として直立した形で保管または充電が行われることとなる。すると、保管時および充電時には、電動掃除機1内部で集塵部である集塵フィルター12が充電池14の上方に配置される。そして、掃除機使用後、および充電時に充電池14での発熱は、上方に登り、上方に存在する集塵庫内の空気、集塵フィルター12、およびその内部の塵埃などをより好適に加熱することとなり、ダニなどの微生物を死滅させるのにより有効となる。
【0033】
これに対して、使用後や充電中の発熱を冷却するのであれば、電動送風機13を動作音、及び排気音が気にならない程度の小さな出力で作動させれば充電池の発熱が抑えられるようになる。このような構成であれば、より好適な充電池への充電が行い得るとともに、充電池の寿命を延ばす効果も有する。
【0034】
なお、本実施形態においては、集塵フィルター12を通過後、電動送風機13に至るまでの気流中に充電池14を配置し、同時に吸気通路23を設ける構成としたが、充電池の冷却のみを目的とするのであれば、必ずしも吸気通路23を設けなくともよい。
【0035】
実施の形態2.
図5に、本発明の充電式電気掃除機における他の一実施形態である掃除機本体の側面断面図を、図6に図5に記載した本実施形態における電気掃除機の本体2の上面断面図を記載する。なお同図において、実施の形態1と同じ構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
本実施形態は、実施の形態1で説明した充電式電気掃除機とほぼ同じ構成を有している。実施の形態1との違いは、図5に示すように、充電池14が本体ケース3とダストケース4によって構成された集塵庫16内に配置されたことである。
【0037】
図5(a)に示すように、本実施形態では、充電池14は、集塵庫16内の集塵フィルター12の背面に設けられた充電池仕切り板28と吸込みフィルター17とで形成された電池庫21に収められている。充電池仕切り板28は、例えば格子構造やメッシュ構造を持った通気性能を有する樹脂板などで形成し得る。
【0038】
また、電池庫21は、図6に示すように上面から見たときに、集塵庫16内に収納された集塵フィルター12と電動送風機13の間に電池用排気口20を有する壁面と、吸込みフィルター17および充電池仕切り板28とで形成されている。
【0039】
このような構造を持つ本実施形態の充電式電気掃除機は、実施の形態1で得られる効果に加えて、集塵庫16内に電池庫21が構成されているため、ダストケース4を開けることで電池の状態を確認することが可能となる。そして、電池に故障などが発生した際にも、開閉が容易なダストケース4を開けることによって電池の交換が可能であり、本体ケースの分解を必要としないため、充電池の保守、交換を容易に行い得る。
【0040】
なお本実施形態では電池の状態が確認しやすいように上面は開放されているが、このように充電池の状態の確認を容易に行うために充電池仕切り板28を透明材料で形成してもよい。
【0041】
また、図5(b)に示すように、充電池14を収納する電池庫21に蓋29を設けてもよい。このような蓋29を用いれば、電池庫16によって充電池14がしっかりと保護されると共に、電池庫16の上面から気流が流入することがなくなるかわりに、充電池14の間を通り抜ける気流の量が増大し、冷却効果が向上する。また、蓋29を透明材料で構成すれば、充電池の状態を確認することも可能となる。
【0042】
なお、本実施形態であっても実施の形態1と同様に、電動送風機13の吸気口22前方において、少なくとも前記吸気口22中央部近傍には電動送風機13によって発生される気流を阻害しないために、充電池14が配置されておらず、吸気通路23が確保されている。このような構成によって前記実施の形態1と同様の作用により掃除機の集塵性能を好適に保つことが可能となっている。
【0043】
さらに充電池と集塵フィルター12が近接して配置されているため、使用後、および充電時にダニなどの微生物を死滅させることができる。また、使用後の保管時および充電時に前記実施の形態1で説明したのと同様に図4に記載したような、掃除機本体を直立させた状態に保持することで実施の形態1と同様、ダニなどの微生物をより好適に死滅させることができる効果も有する。
【0044】
なお、本実施形態においても、集塵フィルター12を通過後、電動送風機13に至るまでの気流中に充電池14を配置し、同時に吸気通路23を設ける構成としたが、充電池の冷却のみを目的とするのであれば、必ずしも吸気通路23を設けなくともよい。
【0045】
実施の形態3.
図7に、本発明の充電式電気掃除機における他の一実施形態である掃除機本体の側面断面図を記載する。なお同図において、実施の形態1と同じ構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
本実施形態は、実施の形態1で説明した充電式電気掃除機とほぼ同じ構成を有している。実施の形態1との違いは、図7に示すように、充電池14が本体ケース3とダストケース4によって構成された集塵庫16内下部に配置されたことである。
【0047】
同図に示すように、本実施形態では、充電池14は、集塵庫16内の集塵フィルター12の下方に設けられた電池フィルター30と本体ケース3とで形成された電池庫21に収められている。
【0048】
このような構造を持つ本実施形態の充電式電気掃除機は、実施の形態1で得られる効果に加えて、集塵庫16内下部に電池庫21が構成されているため、ダストケース4を開け、集塵フィルター12を交換時、あるいは集塵フィルター12を取り外すことで電池の状態を確認することが可能となる。そして、電池に故障などが発生した際にも、開閉が容易なダストケース4を開け、集塵フィルターを取り外すことで電池の交換が可能であり、本体ケースの分解を必要としないため、充電池の保守、交換を容易に行い得る。なお電池の状態を確認しやすいように電池フィルター30を透明材料で形成してもよい。
【0049】
また充電池14が本体ケース下部に配置されることにより、充電池14を内蔵した本体2の重心が低く保たれることによって安定性が増し、掃除機本体2の操作性を向上させることができる。
【0050】
さらに、本実施形態であっても実施の形態1と同様に充電池と集塵部である集塵フィルター12が近接して配置されているため、使用後、および充電時にダニなどの微生物を死滅させることができる。さらに、本実施形態では、使用後の保管時および充電時に、掃除機本体を図7に記載した状態に保持することで、充電池14の上方に集塵部である集塵フィルター12が配置されるため、ダニなどの微生物をより好適に死滅させることができる効果も有する。
【0051】
なお、図7に示したような構成であると、電動送風機13によって発生される気流のほとんどが電池庫21を通過することなく電動送風機13の吸気口22に流れ込んでしまうように思われるが、集塵フィルター12には塵埃が蓄積されていき、この塵埃は、塵埃24のように吸気口22近傍から蓄積されていくため、気流は矢印で示すように集塵庫16内を大きく回るように形成されるため、電池庫21内を通過していくため、充電池の効率のよい冷却が行い得る。
【0052】
実施の形態4.
図8に、本発明の充電式電気掃除機における他の一実施形態である掃除機本体の側面断面図を記載する。なお同図において、実施の形態1と同じ構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
本実施形態は、実施の形態1で説明した充電式電気掃除機とほぼ同じ構成を有している。実施の形態1との違いは、図8に示すように、充電池14が本体ケース3とダストケース4によって構成された集塵庫16内に配置されており、集塵フィルター12に貯留された塵埃を掃除機本体2外部へ廃棄するための開閉自在の開閉扉であるダストケース4に充電池が配置されたことである。
【0054】
同図に示すように、本実施形態では、集塵庫16内のダストケース4の裏面にダストケース部電池庫31が形成されており、前記ダストケース部電池庫31にはダストケース電池フィルター32が備えられている。そしてこの集塵部である集塵フィルター12の上方に位置するダストケース部電池庫31内に充電池14が配置されている。
【0055】
このような構造を持つ本実施形態の充電式電気掃除機は、実施の形態1で得られる効果に加えて、ダストケース4裏面にダストケース部電池庫31が構成されているため、ダストケース4を開けることで充電池の状態を確認することが可能となる。そして、充電池に故障などが発生した際にも、開閉が容易なダストケース4を開けることで充電池の交換が可能であり、本体ケースの分解を必要としないため、充電池の保守、交換を容易に行い得る。なお充電池の状態を確認しやすいようにダストケース電池フィルター32を透明材料で形成してもよい。
【0056】
また、本実施形態であっても実施の形態1と同様に充電池と集塵部である集塵フィルター12が近接して配置されているため、使用後、および充電時にダニなどの微生物を死滅させることができる。
【0057】
なお、図8に示したような構成であっても、集塵フィルター12に、塵埃24が吸気口22近傍から蓄積されていくため、気流は矢印で示すように集塵庫16内を大きく回るように形成されため、ダストケース部電池庫31内を通過していき、充電池の効率のよい冷却を行い得る。
【0058】
実施の形態5.
図9に、本発明の充電式電気掃除機における他の一実施形態である掃除機本体の側面断面図を記載する。なお同図において、実施の形態1と同じ構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
本実施形態は、実施の形態1で説明した充電式電気掃除機とほぼ同じ構成を有しており、図9に示すように、充電式掃除機1は、被清掃面から塵埃を吸入する吸入口11と、前記吸入口11から吸入された塵埃を貯留する集塵部としての集塵フィルター12と、前記吸入口11から集塵部を通過して、本体外部に排気される第一の気流を発生させる電動送風機13と、前記電動送風機に動力を供給する充電池14とを備えている。そしての外観も図1に記載した外観と同様となっている。
【0060】
本実施形態において特徴的なことは、吸気口22を前部とする前記電動送風機13の後部から回転軸33が突出しており、前記回転軸33の突出部分に気流発生手段としての冷却ファン34が設けられていることである。そして、前記電動送風機13の気流発生手段である冷却ファン34によって発生される第二の気流中に、充電池庫21が設けられており、この充電池庫21内に充電池14が配置されている。充電池庫21の冷却ファン34との対向面は、充電池フィルター35が形成されており、さらに充電池の本体ケース3側には排気口19が形成されている。充電池フィルター35は、例えば格子構造やメッシュ構造を持った通気性能を有する樹脂板などで形成し得る。
【0061】
このような構造を持つ本実施形態の充電式電気掃除機は、電動送風機13によって暖められた気流によって電動送風機の冷却を行うため、多少の熱の影響を受けるものの、電動送風機13の吸気口22内部に備えられた送風ファンによって発生される第一の気流が、前記冷却ファン34によってさらに強められ、前記第一の気流に第二の気流が加わって充電池フィルター35を通り抜け、充電池を冷却しながら排気口19より本体外部に排気することが出来る。
このように、本実施形態によれば、冷却ファン34により強められた気流中に充電池14が配置されるため、好適な冷却効果が得られる。
【0062】
実施の形態6.
図10に、本発明の充電式電気掃除機における他の一実施形態である掃除機本体の側面断面図を記載する。なお同図において、実施の形態5と同じ構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0063】
本実施形態は、実施の形態5で説明した充電式電気掃除機とほぼ同じ構成を有している。実施の形態5との違いは、図10に示すように、電動送風機13が気流発生手段である冷却ファン34によって発生する第二の気流と前記第二の気流中に配置される充電池14を、吸気口22から吸入されて本体外部に排気されるまでの電動送風機13によって発生される一連の清掃用気流である第一の気流から隔離する隔壁36が形成されていることである。
【0064】
本実施形態においては、隔壁36によって充電池庫21が形成されており、その中に冷却ファン34と充電池13とが収納されている。そして、冷却ファン34によって発生された第二の気流は、充電池13を冷却し、充電池庫21内に設けられた冷却用排気口37、フィルター38、本体ケース3に設けられた外部排気口39を通過して外部に排出される。なお、隔壁36の一部には充電池13を冷却するための第二の気流を起こす空気を取り入れるための空気取り入れ穴40が設けられている。
【0065】
このような構造を持つ本実施形態の充電式電気掃除機は、空気取り入れ穴40から取り入れられる空気が、電動送風機13から排出された排気となるため、充電池の冷却は、電動送風機13により暖められた空気の影響を多少受けているものの、隔壁36によって電動送風機の排気から略隔離されているため、電動送風機13からの暖められた排気の影響を受けづらくなるとともに、電動送風機13から直接的に熱の影響を受けることも防止されるため、好適な冷却効果が得られる。
【0066】
実施の形態7.
図11に、本発明の充電式電気掃除機における他の一実施形態である掃除機本体の側面断面図を記載する。なお同図において、実施の形態6と同じ構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
本実施形態は、実施の形態6で説明した充電式電気掃除機とほぼ同じ構成を有している。実施の形態6との違いは、図11に示すように、電動送風機13が気流発生手段である冷却ファン34によって発生する第二の気流と前記第二の気流中に配置される充電池14を、吸気口22から吸入され、本体外部に排気されるまでの13電動送風機によって発生される一連の清掃用気流である第一の気流から隔離する隔壁36が形成されており、前記隔壁36によって隔離された充電池庫21内部に電気掃除機本体2外部からの空気を取り入れる空気取入れパイプ41を備えていることである。そして、空気取入れパイプ41の先端には空気取り入れ用フィルター42が設けれれている。
【0068】
このような構造によって、隔壁36は電動送風機13の吸気口22より排気される第一の気流から充電池を完全に隔離することが出来る。そして、電動送風機13の吸気口22より排気される第一の気流は、清掃用気流排気通路43を通って排気口19より外部に排出される。
【0069】
また隔壁36内部は、隔壁36によって形成された充電池庫21となっており、その中に冷却ファン34と充電池13とが収納されている。そして、冷却ファン34が駆動されると、空気取入れパイプ41により掃除機本体2外部から取り入れられた空気によって充電池13が冷却され、充電池庫21内に設けられた冷却用排気口37、フィルター38、本体ケース3に設けられた外部排気口39を通過して外部に排出される。
【0070】
このように本実施形態の充電式電気掃除機では、隔壁36によって電動送風機の排気から隔離されているため、電動送風機13からの暖められた排気の影響を受けずに充電池の冷却を行うことが出来、電動送風機13から直接的に熱の影響を受けることも防止されるため、より好適な冷却効果が得られる。
なお本実施形態では空気取入れパイプ41を用いたが、本発明の電気掃除機ではこれに限られるものではなく、チューブなどの外部の空気を取り入れ得る外部空気取入れ手段を用いることで同様の効果を得ることが可能である。
【0071】
実施の形態8.
本発明は前記説明に用いられた各実施の形態のみならず、さまざまな実施の形態をとることが可能であり、前記各実施の形態では集塵部として集塵フィルターを有する一般的な床上移動式電気掃除機を用いて説明を行ったが、本発明はこれに限られず、卓上クリーナー、ハンドクリーナーなどの掃除機や、集塵フィルターを用いずに集塵室内に塵埃を貯留するサイクロン方式の掃除機などさまざまなタイプの充電式電気掃除機に適用することが可能である。
また前記説明で用いた以外の電池形状であってもいっこうに問題はない。
【0072】
また、掃除機の排気を掃除機内で循環させて使用する、排気循環式クリーナーも存在するが、このような排気循環式のクリーナーは、被清掃面から塵埃を吸入する床ブラシなどに排気を戻す際に、床ブラシ、床ブラシと掃除機本体をつなぐホース、あるいは本体の隙間などから排気の一部が外部に放出され、空気が少しづつ入れ替えられるものであり、また掃除機本体内部で排気を循環させる場合であっても、やはり本体の隙間を利用して本体外部に排気の一部を放出して空気を少しずつ入れ替えるものであるから、このような排気循環方式のクリーナーであっても十分適用可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の充電式電気掃除機によれば、 前記集塵部を通過後、前記電動送風機の吸気口に至るまでの気流中に吸込みフィルター及び充電池が配置され、前記吸込みフィルターを通過した気流により前記充電池が冷却されることにより、充電池の冷却を行うことが可能となる。
また、本発明の充電式電気掃除機によれば、電動送風機が備える回転軸の突出部分に気流発生手段を設け、気流発生手段によって発生される気流中に充電池を配置することにより、充電池の冷却を行うことが可能となる。
また、本発明の充電式電気掃除機によれば、集塵部と充電池を近接して配置することにより、充電池が放出する熱を有効に利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1である充電式電気掃除機の外観を示した概要図である。
【図2】 本発明の実施の形態1での充電式電気掃除機の側面断面図である。
【図3】 図2に示した実施の形態1での充電式電気掃除機本体2の上面断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態1での充電式電気掃除機が載置台に載置された様子を説明する説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態2での充電式電気掃除機本体の側面断面図である。
【図6】 図5に示した実施の形態2での充電式電気掃除機本体2の上面断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態3での充電式電気掃除機本体の側面断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態4での充電式電気掃除機本体の側面断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態5での充電式電気掃除機本体の側面断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態6での充電式電気掃除機本体の側面断面図である。
【図11】 本発明の実施の形態7での充電式電気掃除機本体の側面断面図である。
【図12】 従来の電気掃除機の側面断面図である。
【図13】 従来の電気掃除機の上面断面図である。
【符号の説明】
1 充電式掃除機、2 掃除機本体、3 本体ケース、4 ダストケース、5車輪、6 補助車輪、7 ホース、8 ハンドル、9 接続パイプ、10 床ブラシ、11 吸入口、12 集塵フィルター、13 電動送風機、14 充電池、15 制御基板、16 集塵庫、17 吸込みフィルター、18 排気フィルター、19 排気孔、20 電池用排気口、21 電池庫、22 吸気口、23 吸気通路、24 塵埃、25 掃除機載置台、26 掃除機本体の背面、27 コンセント、28 充電池仕切り板、29 蓋、30 電池フィルター、31 ダストケース部電池庫、32 ダストケース電池フィルター、33 回転軸、34 冷却ファン、35 充電池フィルター、36 隔壁、37 冷却用排気口、38 フィルター、39 外部排気口、40 空気取り入れ穴、41 空気取入れパイプ、42 空気取り入れ用フィルター、43 清掃用気流排気通路。
Claims (8)
- 被清掃面から本体内部に塵埃を吸入する吸入口と、前記吸入口から吸入された塵埃を集塵フィルターにより貯留する集塵部と、前記吸入口から前記集塵部を通過して本体外部に排気される気流を発生させる吸気口を有する電動送風機と、前記電動送風機に動力を供給する充電池とを備え、 前記集塵部を通過後、前記電動送風機の吸気口に至るまでの気流中に吸込みフィルター及び充電池が配置され、前記吸込みフィルターを通過した気流により前記充電池が冷却されることを特徴とする充電式電気掃除機。
- 前記電動送風機の吸気口前方の、少なくとも前記吸気口中央部近傍に、前記集塵部を通過した気流が直接前記電動送風機の吸気口に流れるための吸気通路が確保されていることを特徴とする請求項1に記載の充電式電気掃除機。
- 前記集塵部の下方に前記充電池が配置されるように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の充電式電気掃除機。
- 前記集塵部に貯留された塵埃を本体外部へ廃棄するための開閉自在の開閉扉を備え、前記開閉扉に前記充電池が配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の充電式電気掃除機。
- 前記集塵部と前記充電池が近接して配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の充電式電気掃除機。
- 充電時に前記集塵部が前記充電池の上方に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の充電式電気掃除機。
- 被清掃面から本体内部に塵埃を吸入する吸入口と、前記吸入口から吸入された塵埃を貯留する集塵部と、前記吸入口から集塵部を通過して本体外部に排気される第一の気流を発生させる電動送風機と、前記電動送風機に動力を供給する充電池と、前記電動送風機の後部から突出した前記電動送風機の回転軸に設けられた第二の気流を発生させる気流発生手段とを備え、前記第二の気流中に前記充電池が配置されていることを特徴とする充電式電気掃除機。
- 前記気流発生手段によって発生される第二の気流と前記第二の気流中に配置される前記充電池を、前記電動送風機によって発生される第一の気流から隔離する隔壁が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の充電式電気掃除機。
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