JP7300581B2 - 電気掃除機 - Google Patents

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Description

本発明は、電気掃除機に関する。
自走式掃除機が人気を博しており、自走式掃除機の性能を向上させるための様々な技術が開発されている。例えば、特許文献1は、電気掃除機の電動送風機及び電池を、本体ケースの旋回中心上に重なって上下に配置することにより、走行バランスを向上させる技術を開示する。
特開2018-82990号公報
自走式掃除機の清掃効果を高めるためには、狭い隙間にも進入することができるように自走式掃除機を小型化することが求められるが、他方、自走式掃除機を小型化すると、電動送風機や電池などの発熱する部品が接近して配置されることになるので、耐熱性や難燃性の向上も求められる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、電気掃除機の性能を向上させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の電気掃除機は、塵埃を吸引するための吸引モータと、吸引モータにより吸引された塵埃を収容するための収容部と、吸引モータを制御するための制御回路と、制御回路及び吸引モータに電力を供給するための電池ユニットと、を備え、収容部から吸引モータへの空気の流路が形成された吸気ダクトを有し、吸気ダクトの上方に制御回路を配置し、吸気ダクトの下方に電池ユニットを配置した。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、電気掃除機の性能を向上させる技術を提供することができる。
自走式掃除機を斜め上方から見た斜視図である。 自走式掃除機の上面図である。 自走式掃除機の底面図である。 自走式掃除機の前面図である。 自走式掃除機の右側面図である。 ダストボックスを取り外したときの自走式掃除機の上面図である。 ダストボックスを取り外したときの自走式掃除機の本体及びダストボックスの斜視図である。 自走式掃除機のシャーシの斜視図である。 ダストボックスが本体内に収納されたときの自走式掃除機の正面図中央縦断面図である。 ダストボックスが本体から取り外されたときの自走式掃除機の本体及びダストボックスの正面図中央縦断面図である。 自走式掃除機の本体の底面の寸法図である。 自走式掃除機の本体の右側面前部の拡大寸法図である。 ダストボックスのカバーが開閉されたときのダストボックスの上面と側面を示す図である。 ダストボックスのフィルターが開かれたときのダストボックスの側面を示す図である。 カバーが開かれたときのダストボックスの斜視図である。 ダストボックスを下方から見た斜視図である。 自走式掃除機の正面図中央縦断面図の一部を拡大した図である。 自走式掃除機の別の例の斜視図である。 ダストボックスのカバーに設けられた係止部の周囲の断面図である。 ダストボックスのカバーを開いたときの係止部の周囲の断面図である。 ダストボックスのカバーの係止部が被係止部から外れたときの係止部の周囲の断面図である。 自走式掃除機の底面図である。 段差センサの周囲の断面図である。 吸気ダクト部の周囲の構成の位置関係を示す図である。 吸気ダクト部の斜視図である。 自走式掃除機の側面図中央横断面図である。
本発明の実施形態として、電気掃除機の小型化、軽量化、低コスト化と、耐熱性、難燃性、安全性の向上とを両立させるための技術について説明する。以下の実施形態では、電気掃除機の一例として、床面に沿って自律的に走行しつつ床面を清掃する自走式掃除機について説明する。
[自走式掃除機の全体構成]
まず、図1~12を参照して、本発明の一実施形態に係る自走式掃除機10の全体構成を説明する。
図1は、自走式掃除機10を斜め上方から見た斜視図である。図1に示すように、自走式掃除機10の本体11の上面12の後部には、使用者から指示入力を受け付けるための操作部16が設けられる。自走式掃除機10は、操作部16を介して使用者から受け付けた指示に基づいて動作する。自走式掃除機10の動作を制御するための制御回路と、制御回路に電力を供給するための電池ユニットが、本体11内の後部、すなわち操作部16の下方に設けられる。これにより、操作部16と制御回路との間の信号線や、電池ユニットと制御回路及び操作部16との間の電源線などの配線の取り回しを容易にすることができる。制御回路において実行される制御プログラムにより、自走式掃除機10の自律的な走行と清掃動作が制御される。制御回路は、周囲の状況を検知するためのセンサによる検知結果を取得し、検知結果に応じて、本体11を移動させるための駆動輪や、駆動輪が接地する接地面を掃くためのブラシ15などの駆動を制御する。制御回路と電池ユニットの詳細については後述する。
自走式掃除機10により吸引された塵埃を収容するための容器であるダストボックスが、本体11内の前部に設けられた収納部に収納される。ダストボックスは、ダストボックスが本体11内に収納されたときに塵埃が収容された収容部が外部から見えないように覆うためのカバー41を備える。カバー41は、ダストボックスが本体11内に収納されたときに本体11の上面12の一部を構成するように設けられる。これにより、自走式掃除機10の外観を向上させることができる。カバー41には、使用者がカバー41を開く際に指を引っかけるための切欠部42が設けられる。ダストボックスの詳細については後述する。
本体11の底面13の前方の両側端部には、外側に向けて突出した突出部14a及び14bが設けられる。床面を掃いて集塵するためのブラシ15が、一方の突出部14aに設けられる。これにより、部屋の隅や家具の隙間などのより奥の方までブラシ15を到達させて集塵することができるので、清掃の効果を高めることができる。
尚、ブラシ15を突出部14bに設けた構成としても良いし、突出部14aと突出部14b両方に設けた構成としても良い。更に、突出部14a又は14bのいずれか一方のみ本体11に設けても良い。
図2は、自走式掃除機10の上面図である。図2に示すように、本体11の上面12は、上面視で後部から前部に向かって幅が広くなる逆三角形の形状を有しており、各頂点の角が丸みを帯びた形状とされている。本体11の上面12の前端部付近に、充電台から放出される赤外線を受光するための赤外線センサ21が設けられる。特に本体11が充電台にドッキングする際に赤外線センサ21が充電台からの赤外線を受光する。
図3は、自走式掃除機10の底面図である。図3に示すように、本体11の底面13には、左右一対の駆動輪17a及び17bと、後部に設けられた補助輪18と、塵埃を吸引するための吸引口19とが設けられる。底面13の前部及び後部の両側端部付近に、床面の段差を検知するための4つの段差センサ24a、24b、24c、及び24Dが設けられる。段差センサ24a、24b、24c、又は24Dにより床面の段差が検知された場合、制御回路は、段差から離れる方向に自走式掃除機10を退避させ、段差を回避するように自走式掃除機10を走行させる。駆動輪17a及び17bの後部は上面12の逆三角形の形状からはみ出すので、底面13は丸みを帯びたホームベース様の形状を有する。
なお、吸引口19にはメインブラシが配されているが、メインブラシを配さない構成としても良い。
図4は、自走式掃除機10の前面図である。図4に示すように、本体11の前面には、前方の壁などの障害物を検知するための超音波センサ23a及び23bが設けられる。超音波センサ23a及び23bを設けることにより、赤外線を透過するガラスなどの材料により形成された障害物も的確に検知し、接触を回避しつつ走行することができる。図4において右側の超音波センサ23bから超音波が放出され、左側の超音波センサ23aが障害物等により反射された超音波を受信する。尚、左側の超音波センサ23aから超音波が放出され、右側の超音波センサ23bが障害物等により反射された超音波を受信する構成としても良い。
図5は、自走式掃除機10の右側面図である。図4に示すように、本体11の側面には、周囲の障害物までの距離を測定するための赤外線センサ22aが設けられる。より詳細には、この赤外線センサ22aは、赤外線を発光する発光素子と障害物等により反射された赤外線を受光する受光素子とを含む。本実施例の自走式掃除機10は、特に部屋の隅等を掃除する際に、ブラシ15が配置された筐体の前方左側(図4中)を隅に近づけて清掃を行う。このため、障害物との距離を測定するための赤外線センサは、図4中筐体の前方左側に配置されている赤外線センサ22aが必要である。製品のコストダウンを考慮すると、図4中筐体の前方左側に配置されている赤外線センサ22aのみ配置させる方が好ましい。しかしながら、図4中筐体の前方左側と右側夫々に、赤外線センサ22aと赤外線センサ22bを設けた構成としても良い。
図6は、ダストボックスを取り外したときの自走式掃除機10の上面図である。図6に示すように、本体11内の前部には、ダストボックスを収納するための収納部30が設けられる。収納部30には、本体11の底面13に設けられた吸引口19と接続する第1の開口31と、吸引モータに接続する第3の開口32が設けられる。
図7は、ダストボックス40を取り外したときの自走式掃除機10の本体11及びダストボックス40の斜視図である。図7に示すように、ダストボックス40は、吸引された塵埃を収容するための収容部43と、収容部43を覆うカバー41と、収容部43に収容された塵埃を通過させず空気を通過させるフィルター44を備える。フィルター44は、収容部43の上部に設けられた係止部45により上部が係止されて閉じられるが、後述するように、使用者が収容部43に収容された塵埃を捨てる際に、収容部43の上面に設けられたボタンを押下すると、係止部45による係合が外れて開かれるように構成される。カバー41には、カバー41を開く際に使用者が指をかけるための切欠部42が設けられる。また、収納部30にダストボックス40が収納された状態において切欠部42の位置となる本体11の上面12には、使用者が指を入れられる程度の深さの凹部33が設けられる。使用者は、凹部33に指を入れてカバー41の切欠部42に指をひっかけることにより、容易にカバー41を開くことができる。収納部30の第1の開口31は、斜め上方に面するように傾斜がつけられている。この理由については後述する。
図8は、自走式掃除機10のシャーシ20の斜視図である。シャーシ20の前部には、ダストボックス40を収納するための収納部30が形成される。シャーシ20の後部には、吸引モータの吸引力により吸引口19から吸引され、ダストボックス40のフィルター44を通過した空気の流路を形成する吸気ダクト部60が形成される。吸気ダクト部60の詳細については後述する。
図9は、ダストボックス40が本体11内に収納されたときの自走式掃除機10の正面図中央縦断面図である。ダストボックス40の収容部43の前面及び後面は、斜め下方に面するように傾斜がつけられている。すなわち、ダストボックス40の収容部43は、下部に向けて幅が狭くなる形状を有する。これにより、ダストボックス40を収納部30に容易に着脱することができるので、使用者の利便性を向上させることができる。本体11内の後部には、塵埃を吸引するための吸引力を発生する吸引モータ61と、自走式掃除機10の各構成を制御する制御回路62と、吸引モータ61及び制御回路62などの構成に電力を供給する電池ユニット63が設けられる。
図10は、ダストボックス40が本体11から取り外されたときの自走式掃除機10の本体11及びダストボックス40の正面図中央縦断面図である。収納部30の第1の開口31は、斜め上方に面するように傾斜がつけられており、第1の開口31に接続するダストボックス40の第2の開口46は、斜め下方に面するように傾斜がつけられている。これにより、ダストボックス40が収納部30に収納されたときに、ダストボックス40の自重により第2の開口46が第1の開口31に押し当てられるようにすることができるので、第1の開口31と第2の開口46との間の気密性を向上させることができる。同様に、収納部30の第3の開口32は、斜め上方に面するように傾斜がつけられており、第3の開口32に接続するダストボックス40のフィルター44は、斜め下方に面するように傾斜がつけられている。これにより、ダストボックス40が収納部30に収納されたときに、ダストボックス40の自重によりフィルター44の開口が第3の開口32に押し当てられるようにすることができるので、フィルター44の開口と第3の開口32との間の気密性を向上させることができる。自走式掃除機10の使用にあたって頻繁に着脱する必要があるダストボックス40を本実施形態のように構成することにより、ダストボックス40の着脱が容易で、吸引性能の高い自走式掃除機10を実現することができる。
図11は、自走式掃除機10の本体11の底面の寸法図である。自走式掃除機10の全長Aは例えば249.0mmであり、全幅Bは例えば248.0mmである。
突出部14a及び14bに外接する外接円の直径Cは例えば296.0mmである。
外接円の中心から自走式掃除機10の前端までの長さDは例えば117.0mmである。
外接円の中心を通り本体11の左右方向に延びる直線lからブラシ15の回転中心まで垂直に伸びる線分の長さEは例えば79.0mmである。
外接円の中心を通り本体11の左右方向に延びる直線lから段差センサ24bの前端まで垂直に伸びる線分の長さFは例えば83.0mmである。
外接円の中心を通り本体11の前後方向に延びる直線mからブラシ15の回転中心まで垂直に伸びる線分の長さGは例えば98.0mmであり、外接円の中心を通り本体11の前後方向に延びる線mからセンサ24bの外側端まで垂直に伸びる線の長さHは例えば112.0mmである。
自走式掃除機10の全長Aは、好ましくは240mm~260mmの範囲であり、より好ましくは249.0mmである。全幅Bは好ましくは240~260mmの範囲であり、より好ましくは248.4mmである。突出部14a及び14bに外接する外接円の直径Cは好ましくは290mm~310mmであり、より好ましくは296.7mmである。
外接円の中心から自走式掃除機10の前端までの長さDは好ましくは110~130mmの範囲であり、より好ましくは117.0mmである。
外接円の中心を通り本体11の左右方向に延びる直線lからブラシ15の回転中心まで垂直に伸びる線の長さEは好ましくは70mm~90mmの範囲であり、より好ましくは79.4mmである。
外接円の中心を通り本体11の左右方向に延びる直線lから自走式掃除機10の段差センサ24bの前端まで垂直に伸びる線の長さFは好ましくは80mm~100mmの範囲内であり、より好ましくは83.0mmである。
外接円の中心を通り本体11の前後方向に延びる中心線からブラシ15の回転中心まで垂直に伸びる線の幅Gは好ましくは90mm~110mmの範囲内であり、より好ましくは98.2mmである。
外接円の中心を通り本体11の前後方向に延びる中心線から中心線センサ24bの外側端まで垂直に伸びる線の幅Hは好ましくは100mm~120mmであり、より好ましくは112.3mmである。
図12は、自走式掃除機10の本体11の右側面前部の拡大寸法図である。自走式掃除機10の全高、すなわち駆動輪17a及び17bの接地面から赤外線センサ21の上端までの高さIは92mmである。床面から底面13までの高さJは20mmである。
駆動輪17a及び17bの接地面から赤外線センサ21の上端までの高さIは、好ましくは80mm~100mmの範囲内であり、より好ましくは92mmである。床面から底面13までの高さJは、10mm~30mmの範囲内であり、より好ましくは20.5mmである。
尚、図11と図12を用いて説明したこれらの数値は一例であり、数値を変えて設計することも可能である。例えば、上述した各部位の数値に或る係数(例えば、0.5~2)を掛けた数値で設計することも可能である。特に、モータや回路基板等の小型化が可能であれば、上述した一例の数値に1.0以下の数値をかけた値で設計することも可能である。
[ダストボックスの構成]
図13は、ダストボックス40のカバー41が開閉されたときのダストボックス40の上面と側面を示す。図13(a)は、カバー41が閉じられたときのダストボックス40の上面を示し、図13(b)は、カバー41が開かれたときのダストボックス40の側面を示す。カバー41は、吸引された塵埃を収容するための収容部43の上面に、軸50を中心として回動可能に軸支されている。使用者がカバー41の前端部に設けられた切欠部42に指を引っかけてカバー41を引き上げると、カバー41が軸50を中心として上方に回動して開かれる。図13(c)は、カバー41が開かれたときのダストボックス40の上面を示し、図13(D)は、カバー41が開かれたときのダストボックス40の側面を示す。カバー41が開かれると、収容部43の上面に設けられたボタン47が現れる。ボタン47は、収容部43に収容された塵埃を捨てる際にフィルター44を開くためのボタンである。ボタン47は、収容部43に収容された塵埃を捨てるためにダストボックス40を本体11から取り外したときにしか操作されない。したがって、ダストボックス40が本体11内に収納されているときにはボタン47をカバー41で覆うことにより、ボタン47の誤操作を防ぐことができるとともに、自走式掃除機10の外観を向上させることができる。
図14は、ダストボックス40のフィルター44が開かれたときのダストボックス40の側面を示す。使用者がボタン47を押下すると、図14(a)に示すように、図7に示した係止部45によるフィルター44の上部と収容部43の上部との係合が外される。フィルター44は、下端において収容部43に軸支されているので、上部における収容部43との係合が外されると、図14(b)に示すように、自重により軸51を中心として下方に回動して開かれる。これにより、ボタン47を押下するだけでフィルター44を開いて収容部43に収容された塵埃を捨てることができるので、使用者の利便性を向上させることができる。本図に示すように、収容部43の上面に対するカバー41の回転角は鋭角になるように制限される。すなわち、カバー41を最も開いた状態でも収容部43の上面に対するカバー41の回転角は直角を超えない。前述したように、収容部43の第2の開口46は、本体11の収納部30の第1の開口31との間の気密性を高めるために、斜め下方に面するように構成されているので、ダストボックス40を本体11からそのままの姿勢で取り外すと、斜め下方に向いた第2の開口46から塵埃がこぼれ落ちる可能性がある。しかし、本実施形態のダストボックス40は、カバー41を収容部43と一体的に構成するとともに、収容部43の上面に対するカバー41の回転角が直角を超えないようにするので、使用者がダストボックス40を本体11から取り外し、カバー41を把持してダストボックス40を持ち運ぶときに、カバー41がほぼ鉛直方向になるように把持すれば、第2の開口46をやや上方に向けることができる。これにより、収容部43に収容された塵埃が第2の開口46からこぼれ落ちるのを低減させることができる。逆に、使用者がカバー41を把持してフィルター44を開いたときに、収容部43の開口48はやや下向きになる。これにより、収容部43に収容された塵埃が開口48から外部に落下しやすくすることができるので、使用者の利便性を向上させることができる。カバー41は、収容部43の上面に対する回転角が、カバー41と第2の開口46の開口面とが平行になる角度よりも小さい範囲で、収容部43の上面に対して回動可能に軸支されてもよい。これにより、第2の開口46から塵埃がこぼれ落ちるのをより低減させることができる。
図15は、カバー41が開かれたときのダストボックス40の斜視図である。カバー41の裏面、とくに切欠部42の周縁部の裏側には、カバー41を補強するためのリブ52が設けられる。これにより、カバー41の変形を低減させることができる。また、使用者がダストボックス40を本体11から取り外したときに、リブ52に指をかけてカバー41を把持しやすくすることができるので、使用者の利便性を向上させることができる。尚、このリブ52は、図15に示すように、使用者の指をかける部分だけでなく、カバー41の裏面の複数個所に渡って形成されている。カバー41の裏面には、ダストボックス40が本体11内に収納されたときに、本体11に設けられた被係止部に係止してカバー41及び収容部43を本体11内に固定するための係止部49a及び49bが設けられる。係止部の詳細については後述する。
図16は、ダストボックス40を下方から見た斜視図である。ダストボックス40のカバー41は、収容部43の上面よりも広い。したがって、使用者がダストボックス40を本体11から取り外して収容された塵埃をゴミ箱などに捨てる際に、カバー41の裏面をゴミ箱の上部の開口の縁に当てることができる。これにより、収容部43に収容された塵埃を捨てやすくすることができるので、使用者の利便性を向上させることができる。また、収容部43からゴミ箱などに捨てた塵埃が舞い上がるのをカバー41により遮断することができるので、塵埃の飛散を抑えることができる。更に、カバー41の裏面のうち、使用者がゴミ箱の上部の開口の縁に当てる部分にはリブ52が形成されているために強固な構造となっている。
図17は、自走式掃除機10の正面図中央縦断面図の一部を拡大した図である。カバー41の切欠部42の周縁部の裏側に、使用者が指をかけてカバー41を引き上げられる程度に端部から後退させた位置にリブ52が設けられる。これにより、使用者が凹部33に指を入れ、切欠部42の周縁部を指で引き上げることにより、容易にカバー41を開くことができるので、使用者の利便性を向上させることができる。また、凹部33とカバー41との間の空隙をリブ52により塞ぐことができるので、外観を向上させることができる。
図18は、自走式掃除機10の別の例の斜視図である。本実施形態の技術によれば、本体11の前部にダストボックス40を収納し、上面12の前部はダストボックス40のカバー41で構成するので、上面12の外観が前部と後部で分割される。したがって、上面12のうちカバー41が設けられない後部には、例えば、障害物との距離や障害物の位置等を計測するために使用されるLIDAR(Light Detection AnD Ranging、或いは、Laser Imaging Detection AnD Ranging)のようなセンサ、ランプ、ドライブレコーダーなどの外部機器27を搭載することができる。
図19は、ダストボックス40のカバー41に設けられた係止部49の周囲の断面図である。ダストボックス40が収納部30に収納されてカバー41が閉じられたとき、カバー41の裏面に設けられた係止部49bが、本体11に設けられた被係止部34bの下端に手前側から係合する。これにより、カバー41及びダストボックス40が本体11に対して固定される。このとき、カバー41の裏面の軸50よりも後方に設けられた突起部53bが、本体11に設けられた弾性部35bを押し下げ、弾性部35bにより上方に付勢される。軸50よりも後部が上方に付勢されることにより、カバー41が閉じる方向の回転力をカバー41に印加することができるので、本体11内の気密性を高め、吸引性能を向上させることができる。
図20は、ダストボックス40のカバー41を開いたときの係止部49の周囲の断面図である。係止部49bは、可撓性を有する熱可塑性樹脂などの材料により形成されており、カバー41が上方に回転されると、係止部49bが撓みながら手前に移動されて、被係止部34bとの係合が外れる。被係止部34bの上部は、斜め上方に面するように傾斜がつけられているので、係止部49bにかかる応力を軽減させることができる。
図21は、ダストボックス40のカバー41の係止部49が被係止部34から外れたときの係止部49の周囲の断面図である。係止部49bと被係止部34bとの係合が外れると、弾性部35bが自然長に戻るときの復元力によりカバー41及び収容部43が一体的に上方に押し上げられる。これにより、ダストボックス40を容易に本体11から取り外すことができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
[段差センサの構成]
図22は、自走式掃除機10の底面図である。本図は、段差センサ24a、24b、24c、及び24Dのカバーを外した状態を示す。段差センサ24は、本体11の底面13の前方の両側端部付近にそれぞれ設けられた第1の段差センサ24a及び第2の段差センサ24bを含む。第2の段差センサ24bは、第1の段差センサ24aよりも前方の位置に、斜め前方に向けて設けられる。これにより、第2の段差センサ24bが、前方及び左側の接地面の段差を検知する機能を兼ねることができるので、段差センサの設置数を少なくすることができ、自走式掃除機10の製造コストを低減させることができる。また、一方の突出部14aにはブラシ15を設け、他方の突出部14bには段差センサ24bを設けるので、安全性を維持しつつ、清掃性能を高めることができる。
第1の段差センサ24aは、筐体の左右方向に延在するように配置されている。このため、筐体の前後方向の幅を小さくすることができる。
図23は、段差センサ24の周囲の断面図である。段差センサ24a、24b、24c、及び24Dは、それぞれ、レーザー光などの光を発する発光素子25と、床面などにより反射された光を検知する受光素子26を含む。発光素子25は、直下に向けて光を照射する。受光素子26は、斜め前方から入射する光を受光する。これにより、床面で反射した光を効率良く受光して測定精度を向上させることができるとともに、より前方の段差を迅速に検知することができるので、自走式掃除機10の安全性を高めることができる。
[吸気ダクト部の構成]
図24は、吸気ダクト部の周囲の構成の位置関係を示す。吸気ダクト部60には、塵埃を吸引するための吸引モータ61と、吸引モータ61により吸引された塵埃を収容するための収容部43との間の空気の流路が形成される。吸引モータ61により発生された吸引力により吸引口19から吸引され、収容部43を通過した空気は、流入口64から吸気ダクト部60の流路に流入し、吸引モータ61により外部に排気される。吸引モータ61を制御するための制御回路62と、制御回路62及び吸引モータ61に電力を供給するための電池ユニット63とは、吸気ダクト部60に形成された空気の流路の近傍に設けられる。これにより、制御回路62及び電池ユニット63を吸気により冷却することができる。尚、電池ユニット63としては充電可能な二次電池が使用される。
制御回路62及び電池ユニット63は、吸気ダクト部60に形成された流路を挟んで対向する位置に設けられる。本図の例では、制御回路62が流路の上側に、電池ユニット63が流路の下側に、それぞれ設けられる。これにより、基幹部品を高密度に配置すること
ができるので、自走式掃除機10のサイズ、重量、製造コストを低減させることができる。また、より重い電池ユニット63を流路の下側に設けることにより、本体11の重心位置を低くすることができるので、自走式掃除機10の安定性を向上させることができる。
図25は、吸気ダクト部60の斜視図である。吸気ダクト部60は、難燃剤が添加されたポリフェニレンエーテル(PPE)などの難燃性材料により形成され、制御回路62及び電池ユニット63を囲うような形状を有する。これにより、発熱する可能性のある部品を集約して吸気ダクト部60により保持することができるので、自走式掃除機10のサイズ、重量、製造コストを低減させることができるとともに、安全性を高めることができる。また、可燃性の塵埃が収容部43に収容される場合であっても、制御回路62や電池ユニット63などの発熱部品を収容部43から隔離するように配置するので、より安全性を高めることができる。吸気ダクト部60は、任意の種類の難燃性材料により形成されてもよく、例えば、難燃剤が添加されたポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂により形成されてもよい。
図26は、自走式掃除機10の側面図中央横断面図である。本実施形態の自走式掃除機10では、吸引モータ61がダストボックス40と直交する位置に配置されるので、吸気ダクト部60には、直角に折れ曲がったL字状の流路66が形成される。これにより、本体11を小型化することができる。吸引モータ61は、本体11の形状やサイズなどに応じて配置されればよく、例えば、ダストボックス40に対向する位置に配置されてもよい。この場合は、吸気ダクト部60には直線状の流路が形成される。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。これらの実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本実施形態の技術は、自走式掃除機以外にも、スティック型、キャニスター型、ハンディ型などの任意の種類の電気掃除機に適用可能である。また、上記の実施形態の技術のうちの2以上を任意に組み合わせて適用可能である。
本発明の第1の態様の電気掃除機は、塵埃を吸引するための吸引モータと、吸引モータにより吸引された塵埃を収容するための収容部と、吸引モータを制御するための制御回路と、制御回路及び吸引モータに電力を供給するための電池ユニットと、を備え、制御回路又は電池ユニットは、吸引モータと収容部との間の空気の流路の近傍に設けられる。この態様によると、電気掃除機の発熱を低減させることができる。
第2の態様は、第1の態様において、制御回路及び電池ユニットは、流路を挟んで対向する位置に設けられるように構成されたものである。この態様によると、電気掃除機を小型化することができる。
第3の態様は、第1又は第2の態様において、流路が形成された吸気ダクト部を更に備えるように構成されたものである。この態様によると、電気掃除機の発熱を低減させることができる。
第4の態様は、第3の態様において、吸気ダクト部は、制御回路及び電池ユニットを囲うような形状を有するように構成されたものである。この態様によると、電気掃除機の安
全性を高めることができる。
第5の態様は、第3又は第4の態様において、吸気ダクト部は、難燃性材料により形成されるように構成されたものである。この態様によると、電気掃除機の安全性を高めることができる。
10 自走式掃除機
11 本体
12 上面
13 底面
14a,14b 突出部
15 ブラシ
16 操作部
17 駆動輪
18 補助輪
19 吸引口
20 シャーシ
21 赤外線センサ
22 赤外線センサ
23 超音波センサ
24 段差センサ
25 発光素子
26 受光素子
27 外部機器
30 収納部
31 第1の開口
32 第3の開口
33 凹部
34 被係止部
35 弾性部
40 ダストボックス
41 カバー
42 切欠部
43 収容部
44 フィルター
45 係止部
46 第2の開口
47 ボタン
48 開口
49 係止部
50 軸
51 軸
52 リブ
53 突起部
60 吸気ダクト部
61 吸引モータ
62 制御回路
63 電池ユニット
64 流入口
66 流路

Claims (4)

  1. 塵埃を吸引するための吸引モータと、
    前記吸引モータにより吸引された塵埃を収容するための収容部と、
    前記吸引モータを制御するための制御回路と、
    前記制御回路及び前記吸引モータに電力を供給するための電池ユニットと、を備え、
    前記収容部から前記吸引モータへの空気の流路が形成された吸気ダクトを有し、
    前記吸気ダクトの上方に前記制御回路を配置し、前記吸気ダクトの下方に前記電池ユニットを配置した電機掃除機。
  2. 前記制御回路の上方に操作部が配置されている、請求項1に記載の電気掃除機。
  3. 前記吸引モータは、前記収容部と直交する位置に配されている、請求項1又は2に記載の電気掃除機。
  4. 前記吸気ダクト部は、難燃性材料により形成されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電気掃除機。
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