JP3785345B2 - エルボパイプの成形法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエルボパイプの成形法に関するものであり、給水或いは給湯用の樹脂パイプによるエルボパイプの新しい成形法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、集合住宅或いは戸建て住宅の給水或いは給湯管として、或いは排水横管として、床スラブ上に樹脂パイプが置かれるシステムが広く採用されるようになった。これは主管に接続されたチーズに対し樹脂パイプが連結され、この樹脂パイプが床スラブに埋設されることなく床スラブ上にそのまま置かれ、夫々の蛇口等に連結されて使用に供されている。しかるに、この主樹脂パイプは金属パイプとは異なり柔軟性があり、チーズと蛇口の間に障害物があってもパイプを迂回させるだけで簡単に接続できるという特徴がある。
【0003】
しかるに、いくら樹脂パイプといってもその長さが短い方がよいことは勿論である。障害物に対して最短距離を取るためにはエルボパイプを利用してこれを継ぎ足すのがよいが、柔軟性のある樹脂パイプでは適当なエルボパイプが存在しないのが現状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、極めて簡単な成形法でエルボパイプを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、結晶性樹脂を溶融し、押出成形によって所定の径をもつパイプとして押し出し、これを冷却して樹脂パイプを成形する方法であって、冷却後に所定の角度をもつ角体に巻き付け、樹脂が結晶化するまでこれを保持し、次いで、角体の角度を挟んで切断されたことを特徴とするエルボパイプの成形法に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
従来のエルボパイプ、例えばABS樹脂によるエルボパイプでは、通常はブロー成形によるものであり、エルボパイプを一つづつブロー成形して得ることとなり、その作業性は高いものとは言えない。しかもエルボの角度や太さ等が異なるものを製作する場合には夫々の形状に合わせたモールドを製作する必要があり、コスト的にも問題のあるところであった。
【0007】
これに対し、本発明は以上の構成を有するものであり、結晶性樹脂をもって長尺のパイプを形成し、樹脂の結晶化が進む前に角体に巻き付け、この状態を保って樹脂の結晶化を進めるものであって、角体に巻き付けた状態に癖付けされた長尺のパイプが得られることとなる。そして、この癖付けされた部位をエルボ部位として切断するもので、長尺のパイプを角体に巻き付け、樹脂の結晶化が済むまでこれを放置し、切断するだけでエルボパイプが得られるという大きな特徴がある。
【0008】
ポリブテン樹脂の場合について更に言えば、樹脂材料をホッパー内に投入し、これを押出装置内に送りここで加熱して溶融し、更に所要のダイスを通して長尺のパイプとして押出成形するものである。次いで水槽内に導いてこれを冷却するものであって、これを例えば四角体に巻き付け、この状態を維持しつつ結晶化が完了するまで放置し、この角部をエルボ部位として切断するものである。
【0009】
樹脂として結晶化が終了するまでの時間が、5〜7日程度のものが好ましく、結晶化終了までの時間が短い場合には長尺パイプを角体に巻き付ける等の作業性がタイトになることや必要十分なエルボパイプが得にくくなる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明のエルボパイプの成形法について更に詳細に説明する。図1は本発明のエルボパイプの成形法の工程図であり、樹脂材料(ここではポリブテン樹脂及び添加剤)1をホッパーA内に投入する。ホッパーA内にて十分混合された樹脂材料1は押出装置B内に導かれ、ヒーターCにて溶融状態とする。この溶融状態となった樹脂をダイスDを通過させて一定の厚みを有する樹脂パイプ2として連続して押出成形した。ここでは、厚み2mm、外径が17mmの樹脂パイプ2となるようにダイスDが選択された。この樹脂パイプ2はすぐさま水槽E内に導かれて冷却されて癖付けのない長尺の樹脂パイプ3が得られた。次いで、長尺の樹脂パイプ3を一辺が10cmでコーナー部に所望のRを設けた断面正四角柱体Fに連続して巻き付け、この状態を維持しつつ樹脂材料の結晶化が終了するまで(1週間程度)放置した。その後、正四角柱体Fの各辺の中央にて切断して両端が直角方向に伸びる永久に癖付けされたエルボパイプ10が得られた。
【0011】
上記の例にあっては、正四角柱体Fのコーナー部のRは任意に選択できることは勿論であり、更に、正四角柱体ではなく、他の多角柱体Fをもって樹脂パイプ3を巻き付けることができるものであり、成形後の形状で言えば、エルボ部位が直角以外のもの、例えば図2に示すように断面正六角形の角柱体Fに樹脂パイプ3を巻き付け、これを切断することによって癖付け角度が120度のエルボパイプ10も成形できることは言うまでもない。
【0012】
又、切断の位置を変えることも可能であり、図3に示すようにパイプ部位の長さの異なるエルボパイプ10を形成することも可能である。
【0013】
更に、断面正四角柱体Fを用いて樹脂パイプ3が癖付けされ、その一辺置きに樹脂パイプ3を切断することによって図4にて示すようなエルボパイプが連続した形状の溝型エルボパイプ10を得ることも可能である。
【0014】
【発明の効果】
この例で分かるように、一つづつ成形するような面倒な作業を要せずにエルボパイプが連続成形可能となったものであり、コストの面で、更には成形工程の面で優れた成形法が提供できたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のエルボパイプ10の成形法の工程図である。
【図2】図2は第2のエルボパイプ10の側面図である。
【図3】図3は第3のエルボパイプ10の側面図である。
【図4】図4は第4のエルボパイプ10の側面図である。
【符号の説明】
1‥樹脂材料、
2、3‥樹脂パイプ、
10‥エルボパイプ、
A‥ホッパー、
B‥押出装置、
C‥加熱装置、
D‥ダイス、
E‥水槽、
F‥角柱体、
R‥角柱体のコーナー部の曲部。

Claims (2)

  1. 結晶性樹脂を溶融し、押出成形によって所定の径をもつパイプとして押し出し、これを冷却して樹脂パイプを成形する方法であって、冷却後に所定の角度をもつ角体に巻き付け、樹脂が結晶化するまでこれを保持し、次いで、角体の角度を挟んで切断されたことを特徴とするエルボパイプの成形法。
  2. 結晶性樹脂がポリブテン樹脂である請求項1記載のエルボパイプの成形法。
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