JPH0530904Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ガラス、平板等のエツジカバー、す
なわち断面Ｕ型、Ｃ型長尺物の製造に使用する押
出成形用ダイス・ニツプルに関する。

（従来技術） 断面Ｕ型、Ｃ型長尺物を押出成形する場合、そ
の形状のままのダイス・ニツプルで押出成形する
ことは極めて困難であつて、通常の押出成形技術
では、Ｕ型、Ｃ型の開口方向に湾曲して押出され
たものはエツジカバーの如き用途には適さないも
のとする。

上記の如き事情から、断面Ｕ型、Ｃ型長尺物の
押出成形物を得るには、一旦矩形又は楕円のダイ
ス・ニツプルを用いて管状に押出成形し、その
後、管状の一部を長さ方向に切除してＵ型又はＣ
型の長尺物を得るものであつた。そのため、上記
切除のための治工具および装置あるいは熱源が必
要で作業性、経済性の上で難点があり、他の良い
方法が求められていた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、上記の点に鑑みてなされたものであ
つて、容易に断面Ｕ型、Ｃ型長尺物を押出成形し
得るダイス・ニツプルを提供することを目的とす
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記目的を達成するため種々検討し
た結果、ダイス・ニツプルの形状をかえることに
より、管状押出成形体の引裂き両端に弱融合部を
形成できることを見出して本考案を完成した。

本考案の構成は、押出混和物の流れを分けるた
めのセパレート板をその押出混和物流れ方向の下
手側端がダイスの出口に至らないようにしてニツ
プルランドの外面に設け、且つ、ニツプルランド
の先をダイス出口面から突出させて形成し、前記
セパレート板の先端とダイスの出口との間に前記
セパレート板で流れを分けられた押出混和物の融
合ゾーンが形成してなることを特徴とするもので
ある。

（作用） 以上の如く構成する本考案のダイス・ニツプル
では、押出混和物がダイスとニツプルの間を流
れ、次にニツプルランドの外面に固着されたセパ
レート板により混和物の流れが分けられた後に、
分流した部分はニツプルランドのセパレート前部
で弱い融合状態となつて管状に押出成形されるの
で、押出成形管は何れの方向にも湾曲せず、冷却
水槽を通過させた後に、前記の弱融合部分で引裂
くので、引裂きが極めて容易で目的製品に曲り、
捻じれも生じないものにすることができる。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を図面と共に説明す
る。

押出機１から混練押出された混和物２は、クロ
スヘツド３を経て混和物通路４に導かれる。混和
物通路４は、ダイスホルダー６にセツトされたニ
ツプル５とダイス７との間に形成される。混和物
２は混和物通路４を経てダイスランド８とニツプ
ルランド９との間を通過する。前記ニツプルラン
ド９の外面には混和物２の流れ方向に沿わせてセ
パレート板１０が設けられている。このセパレー
ト板１０は、第１図に示されるように、その混和
物流れ方向側の先端が前記ダイス７の出口に至ら
ないように、つまり前記ダイス７の出口よりも
やゝ前記混和物経路４内に後退した位置にあるよ
うにして設けられ、このセパレート板１０の先端
と前記ダイス７の出口との間に、前記セパレート
板１０で流れを分けられた混和物が再び融合する
ためのゾーン１２を形成してある。従つて、該混
和物２は、ニツプルランドの外面に備えられたセ
パレート板１０により、その流れを一且セパレー
トされダイスの出口１１近傍で再び合流し、弱融
合する。

このとき、混和物２の受ける圧力は低下してお
り、すなわち弱融合ゾーン１２を経て管状に押出
成形される。押出成形された管状成形体１３は、
冷却水槽１４を通過して形状が固化される。

形状が固化された管状成形体１３は、キヤプス
タン１５、ガイドローラ１６を経て引き裂かれ、
断面Ｕ型の製品部分はそのまま直進して巻取機１
７に巻取られ、製品とならない他の部分は巻取機
１８に巻取られる。このとき、セパレート板１０
でセパレートされた部分の混和物は弱い融合状態
１２′となつているので簡単に引裂かれ、引裂か
れた部分の表面荒さは呈しない。

尚、上記実施例は、塩化ビニル樹脂混和物を材
料とする断面Ｕ型長尺物についての実施例である
が、他の材料、他の断面形状、例えばＣ型のもの
も実施例と同様に押出成形できる。また、押出混
和物をセパレートするセパレート板１０の厚さ、
弱融合ゾーン１２を形成させるための前記セパレ
ート板の位置決めは、押出成形材料、成形寸法な
どによつてその都度変化するので、適宜、実験的
に求めた値で決定する。また、実施例では、ダイ
スホルダーが省略されているが、通常の押出機の
クロスヘツドおよびダイスホルダーが設けられて
おり、偏肉調整用ボルトナツトも設けられている
ことはいうまでもないことである。

（効果） 以上説明した如く、本考案によれば断面Ｕ型、
Ｃ型長尺物の押出成形に際し、製品が長手開口方
向に湾曲することなく形成ができ、従来の如き引
裂きのための特別の装置および熱源が不要とな
り、作業性、経済性を大巾に向上させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるダイス、ニツプル、セ
パレート板およびダイスホルダー部配置構成の縦
断面図、第２図は同上の正面図、第３図は本考案
実施のための押出成形全体配置図で、図中の主な
符号は次の通りである。 １……押出機、２……混和物、３……クロスヘ
ツド、４……混和物通路、５……ニツプル、６…
…ダイスホルダー、７……ダイス、８……ダイス
ランド、９……ニツプルランド、１０……セパレ
ート板、１１……ダイスの前面、１２……弱融合
ゾーン、１２′……弱い融合状態、１３……管状
成形体、１４……冷却水槽、１５……キヤプスタ
ン、１６……ガイドローラ、１７，１８……巻取
機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 押出混和物の流れを分けるためのセパレート板
   をその押出混和物流れ方向の下手側端がダイスの
   出口に至らないようにしてニツプルランドの外面
   に設け、且つ、ニツプルランドの先をダイス出口
   面から突出させて形成し、前記セパレート板の先
   端とダイスの出口との間に前記セパレート板で流
   れを分けられた押出混和物の融合ゾーンを形成し
   てなることを特徴とする断面Ｕ型、Ｃ型長尺物の
   押出成形用ダイス・ニツプル。